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Z 8000-12:2016 (ISO 80000-12:2009) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

0.1 表の配列 ······················································································································ 1 

0.2 量の表 ························································································································· 1 

0.3 単位の表 ······················································································································ 1 

0.4 この規格における数値の記述 ··························································································· 2 

1 適用範囲························································································································· 3 

2 引用規格························································································································· 3 

3 名称,記号及び定義 ·········································································································· 3 

附属書A(規定)結晶の面及び方向に関する記号 ······································································ 30 

Z 8000-12:2016 (ISO 80000-12:2009) 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本計量振興協会(JAMP)及

び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出が

あり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

これによって,JIS Z 8202-13:2000は廃止され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS Z 8000の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS Z 8000-1 第1部:一般 

JIS Z 8000-3 第3部:空間及び時間 

JIS Z 8000-4 第4部:力学 

JIS Z 8000-5 第5部:熱力学 

JIS Z 8000-6 第6部:電磁気 

JIS Z 8000-7 第7部:光 

JIS Z 8000-8 第8部:音 

JIS Z 8000-9 第9部:物理化学及び分子物理学 

JIS Z 8000-10 第10部:原子物理学及び核物理学 

JIS Z 8000-11 第11部:特性数 

JIS Z 8000-12 第12部:固体物理学 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

Z 8000-12:2016 

(ISO 80000-12:2009) 

量及び単位−第12部:固体物理学 

Quantities and units-Part 12: Solid state physics 

序文 

この規格は,2009年に第1版として発行されたISO 80000-12を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

0.1 

表の配列 

この規格の量及び単位の表は,量を左側のページに配列し,単位を対応する右側のページに配列する。 

右のページの2本の横実線の間にある全ての単位は,左側のページの対応する実線の間の量に属する。 

左側のページの量を表す番号の下には,括弧を付けて旧規格(JIS Z 8202-13)で規定した項目の番号を

示す。 

なお,旧規格にその項目がなかった場合には,“−(ダッシュ)”でそのことを示す。 

0.2 

量の表 

この規格で扱う分野において最も重要な量について,その名称及び記号を示すとともに,ほとんどの場

合に,その定義を併せて示す。これらの名称及び記号は,推奨である。これらの定義は,国際量体系(ISQ)

における量の識別のためであり,左側のページに列挙している。これらの定義は,必ずしも完全なもので

はない。 

量のスカラー文字,ベクトル文字又はテンソル文字は,特に定義のために必要な場合に示している。 

多くの場合,ある量に対しては一つの名称と一つの記号とを示す。一つの量に対して二つ以上の名称又

は二つ以上の記号を併記し,特に区別をしていない場合には,互いに対等な関係にある。斜体の文字に2

種類の字体がある場合(例えば,ϑ及びθ,φ及びφ,a及びa,g及びg),いずれか一方だけを示している

が,他方は対等に使用できないという意味ではない。このような異なる字体にそれぞれ異なる意味を与え

ないことが望ましい。括弧内の記号は,予備の記号である。したがって,特別の関係の下で主要記号を異

なる意味で用いる場合には,これら予備の記号を用いる。 

0.3 

単位の表 

0.3.1 

一般 

量に対する単位の名称を,記号及び定義とともに示す。これらの単位の名称は言語によって異なるが,

記号は国際的なものであり,また,全ての言語において同一である。詳細情報については,国際度量衡局

(BIPM:Bureau International des Poids et Mesures)から発行されているSI文書(2006年第8版)及びJIS Z 

8000-1を参照する。 

Z 8000-12:2016 (ISO 80000-12:2009) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位は,次のように配列している。 

a) 一貫性のある国際単位系(SI:Système International d'Unités)を最初に示す。SI単位は,国際度量衡総

会(CGPM:Conférence Générale des Poids et Mesures)で採択されたものである。一貫性のあるSI単位

の使用を推奨する。明示的に記載していない場合であっても,SI接頭語を付した10進の倍量及び分

量を推奨する。 

b) 次に,国際度量衡委員会(CIPM:Comité International des Poids et Mesures)若しくは国際法定計量機関

(OIML:Organisation Internationale de Métrologie Légale),又はISO及びIECがSI単位と併用するこ

とを認めている,一部の非SI単位を示す。 

これらの非SI単位は,項目内を点線で区切って,SI単位と区別している。 

c) 現在CIPMがSI単位との併用を認めている非SI単位は,“換算率及び説明”欄に小さい文字で示して

いる。 

0.3.2 

次元1の量又は無次元量に関する注意事項 

無次元量とも呼ばれる次元1のいかなる量に対しても一貫性のある単位は,数の1,記号は1である。

このような量の値を表すときには,一般に,単位の記号1は明示しない。 

例1 屈折率 n=1.53×1=1.53 

この単位の記号1の倍量又は分量を示すために接頭語を用いてはならない。接頭語の代わりに,10のべ

き乗を用いることが望ましい。 

例2 レイノルズ数 Re=1.32×103 

通常,平面角は二つの長さの比として,また,立体角は二つの面積の比として表されることを考慮して,

CGPMは1995年,SI単位においてラジアン(rad)及びステラジアン(sr)を無次元の組立単位とするこ

とを規定した。これは,平面角及び立体角という量は,次元1の組立量とみなせることを意味する。した

がって,ラジアン及びステラジアンの単位は次元1に等しい。これらは省略してもよいし,又は種類が異

なるが同じ次元をもつ量を区別しやすくするために,組立単位の表現に用いてもよい。 

0.4 

この規格における数値の記述 

記号“=”は“〜に完全に等しい”ことを,記号“≈”は“〜にほぼ等しい”ことを,また,記号“:=”

は“〜に定義上等しい”ことを表している。 

注記1 対応国際規格では“≈”を用いることになっているが,我が国では“≒”を使用してもよい。 

実験的に決定された物理量の数値は,常に測定の不確かさを伴っている。この不確かさは,常に明示す

ることが望ましい。この規格では,不確かさの度合いを次の例のように表している。 

例 l=2.347 82 (32) m 

この例では,l=a (b) m,すなわち括弧書きで示した不確かさbの数値は,長さlの数値aの最終(及び

最下位)の2桁に当てはまるものと仮定している。この表し方は,bがaの最終桁の標準不確かさ(標準

偏差の推定値)を表している場合に用いる。上に示した数値の例は,長さl(lをメートル単位で表す場合)

の最良の推定数値が2.347 82であること,及び未知のlの値は,標準不確かさである0.000 32 mとl値の

確率分布によって決まる確率とによって,(2.347 82−0.000 32) mと (2.347 82+0.000 32) mとの間にあると

信じられることを意味すると解してよい。 

注記2 この規格の対応国際規格ISO 80000-12における基礎物理定数は,“2006年CODATA推奨値”

に記載された基礎物理定数から引用しているがJIS Z 8000-12における基礎物理定数は,

“2014年CODATA推奨値”に記載された基礎物理定数を引用した。CODATAウェブサイト

Z 8000-12:2016 (ISO 80000-12:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

参照:http://physics.nist.gov/cuu/constants/index.html. 

適用範囲 

この規格は,固体物理学の量及び単位に関する,名称,記号及び定義について規定する。また,この規

格は,必要に応じて換算率についても規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 80000-12:2009,Quantities and units−Part 12: Solid state physics(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ

とを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS Z 8000-3 量及び単位−第3部:空間及び時間 

注記 対応国際規格:ISO 80000-3,Quantities and units−Part 3: Space and time(IDT) 

JIS Z 8000-4 量及び単位−第4部:力学 

注記 対応国際規格:ISO 80000-4,Quantities and units−Part 4: Mechanics(IDT) 

JIS Z 8000-5 量及び単位−第5部:熱力学 

注記 対応国際規格:ISO 80000-5,Quantities and units−Part 5: Thermodynamics(IDT) 

JIS Z 8000-6 量及び単位−第6部:電磁気 

注記 対応国際規格:IEC 80000-6,Quantities and units−Part 6: Electromagnetism(IDT) 

JIS Z 8000-7 量及び単位−第7部:光 

注記 対応国際規格:ISO 80000-7,Quantities and units−Part 7: Light(IDT) 

JIS Z 8000-9 量及び単位−第9部:物理化学及び分子物理学 

注記 対応国際規格:ISO 80000-9,Quantities and units−Part 9: Physical chemistry and molecular 

physics(IDT) 

JIS Z 8000-10 量及び単位−第10部:原子物理学及び核物理学 

注記 対応国際規格:ISO 80000-10,Quantities and units−Part 10: Atomic and nuclear physics(IDT) 

名称,記号及び定義 

固体物理学の量及び単位に関する,名称,記号及び定義は,次による。 

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Z 8000-12:2016 (ISO 80000-12:2009) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

固体物理学 

量 

番号 

名称 

記号 

定義 

説明 

12-1.1 

(13-1.1) 

格子ベクトル 

(lattice vector) 

結晶格子を“それ自身に写像す
る”並進ベクトル。 

12-1.2 

(13-1.2) 

 
 
 
 

基本格子ベクトル 

(fundamental lattice 

vectors) 

a1,a2,a3 
a,b,c 

結晶格子における基本並進ベク
トル。 

R=n1a1+n2a2+n3a3 

ここに,n1,n2及びn3:整数 

12-2.1 

(13-2.1) 

 
 
 
 
 

逆格子ベクトル 

(angular reciprocal 

lattice vector) 

全ての基本格子ベクトルとの内
積が2πの整数倍数になるベクト

ル。 

結晶学では,量G/2πを用いる場合

がある。 
これは,内積が整数になるとする
定義に相当する。英文名称として
は,“reciprocal lattice vector”も広
く用いられている。 

12-2.2 

(13-2.2) 

 
 
 
 
 
 

基本逆格子ベクト
ル 

(fundamental 

reciprocal lattice 
vectors) 

b1,b2,b3 逆格子の基本並進ベクトル。 

ai・bi=2πδij 

結晶学では,量bj /(2π) も用いる
ことが多い。 

12-3 

(13-3) 

 
 
 
 

格子面間隔 

(lattice plane 

spacing) 

隣接する格子面間の距離。 

12-4 

(13-4) 

 
 
 
 

ブラッグ角 

(Bragg angle) 

ϑ 

2d sinϑ=nλ 
ここに, d: 格子面間隔(番号

12-3) 

λ: 放射の波長[JIS Z 

8000-7(番号7-3.2)] 

n: 整数 

12-5 

(13-5) 

 
 
 

反射の次数 

(order of reflexion) 

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Z 8000-12:2016 (ISO 80000-12:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 

固体物理学 

番号 

名称 

単位記号 

定義 

換算率及び説明 

12-1.a 
 
 

メートル 

(metre) 

オングストローム(Å),1Å=10−10 m 

 
 
 
 
 
 

12-2.a 
 
 
 
 
 
 

毎メートル 

(metre to the power 

minus one) 

m−1 

 
 
 
 
 
 
 
 

12-3.a 
 
 
 
 
 

メートル 

(metre) 

オングストローム(Å),1Å=10−10 m 

12-4.a 
 
 

ラジアン 

(radian) 

rad 

12-4.b 
 
 

度 

(degree) 

° 

1°=(π/180) rad ≈ 0.017 453 29 rad 

12-5.a 
 
 
 
 

(数の)1 
(one) 

0.3.2参照。 

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Z 8000-12:2016 (ISO 80000-12:2009) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

固体物理学 

量 

番号 

名称 

記号 

定義 

説明 

12-6.1 

(13-6.1) 

 
 
 
 
 
 

近距離秩序パラメ
ータ 

(short-range order 

parameter) 

r,σ 

イジング強磁性体において,同一
方向に磁気モーメントをもつ最
近接原子対の分率から,反対方向
の磁気モーメントをもつ最近接
原子対の分率を差し引いたもの。 

同様な定義が他の秩序・無秩序現
象にも適用される。 
他の記号も用いることが多い。 

12-6.2 

(13-6.2) 

 
 
 
 
 

遠距離秩序パラメ
ータ 

(long-range order 

parameter) 

R,s 

イジング強磁性体において,ある
方向の磁気モーメントをもつ原
子の分率と反対方向の磁気モー
メントをもつ原子の分率との差。 

12-6.3 

(−) 

 
 
 
 
 
 
 

原子散乱因子 

(atomic scattering 

factor) 

f =Ea/Ee 

ここに,Ea: 原子によって散乱

された放射振幅 

Ee: 単一の電子によっ

て散乱された放射
振幅 

12-6.4 

(−) 

 
 
 
 
 
 
 
 
 

構造因子 

(structure factor) 

F (h, k, l) 

(

)

(

)

[

]

+

+

=

N

n

n

n

n

n

lz

ky

hx

f

l

k

h

F

1

πi

2

exp

,

,

ここに, fn: 原子nの原子散乱

因子(番号12-6.3) 

 xn,yn,zn: その原子の単位胞

内の位置の座標 

h,k,l: 附属書Aによる。 

12-7 

(13-7) 

 
 
 
 

バーガースベクト
ル 

(Burgers vector) 

一つの転位線を取り巻くバーガ
ース回路を閉じるベクトルであ
り,転位の特性を示す。 

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Z 8000-12:2016 (ISO 80000-12:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 

固体物理学 

番号 

名称 

単位記号 

定義 

換算率及び説明 

12-6.a 
 
 
 
 
 
 
 

(数の)1 
(one) 

0.3.2参照。 

 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

12-7.a 
 
 
 
 
 

メートル 

(metre) 

background image

Z 8000-12:2016 (ISO 80000-12:2009) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

固体物理学 

量 

番号 

名称 

記号 

定義 

説明 

12-8.1 

(13-8.1) 

 
 
 
 
 

粒子の位置ベクト
ル 

(particle position 

vector) 

r,R 

r: 粒子の位置ベクトル[JIS Z 

8000-3(番号3-1.11)] 

rを電子に,Rを原子及び他のよ

り重い粒子に用いることが多い。 

12-8.2 

(13-8.2) 

 
 
 
 
 
 

イオン又は原子の
平衡位置ベクトル 

(equilibrium position 

vector of an ion or an 
atom) 

R0 

R0: 平衡状態の粒子の位置ベク

トル[JIS Z 8000-3(番号
3-1.11)] 

12-8.3 

(13-8.3) 

 
 
 
 
 
 
 

イオン又は原子の
並進ベクトル

(displacement vector 

of ion or atom) 

u=R−R0 

ここに,R: 粒子の位置ベクト

ル(番号12-8.1) 

R0: 粒子の平衡位置ベ

クトル(番号
12-8.2) 

12-9 

(13-9) 

 
 
 
 
 

デバイ・ワラー因子 

(Debye-Waller 

factor) 

D,B 

格子振動のために,回折線強度が
減少する割合を表す因子。 

Dを次のように表すこともある。 
D=exp(−2W) 

メスバウワー分光学では,f 因子と
も呼び,f で表すこともある。 

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Z 8000-12:2016 (ISO 80000-12:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 

固体物理学 

番号 

名称 

単位記号 

定義 

換算率及び説明 

12-8.a 
 
 
 
 
 
 

メートル 

(metre) 

 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 

12-9.a 
 
 
 
 
 
 

(数の)1 
(one) 

0.3.2参照。 

background image

10 

Z 8000-12:2016 (ISO 80000-12:2009) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

固体物理学 

量 

番号 

名称 

記号 

定義 

説明 

12-10.1 

(13-10.1) 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

波数 

(angular 

wavenumber, angular 
repetency) 

k,(q) 

k=p/ℏ 

ここに, p: 電子気体の準自由

電子の線運動量

[JIS Z 8000-4(番号

4-8)] 

ℏ: 換算プランク定数

[JIS Z 8000-10(番

号10-6.2)] 

 
フォノンについては,その大きさ
は, 

k=2π/λ 

ここに, λ: 格子振動の波長

[JIS Z 8000-3(番号

3-17)] 

対応するベクトル量k及びqは,
伝ぱ(播)ベクトルという。 
 

kとボルツマン定数記号との区別

が必要なときには,ボルツマン定
数にkBを用いることができる。 
 
区別したいときは,qはフォノン
に,kは電子,中性子などの粒子
に用いる。 
 
固体物理学では,英語の“angular 
wavenumber”に対応して,“波数”
を“角波数”と呼ぶこともある。
英語においても“angular 
wavenumber”を“wavenumber”と
していることもある。 

12-10.2 

(13-10.2) 

 
 
 
 

フェルミ波数 

(Fermi angular 

wavenumber, Fermi 
repetency) 

kF 

フェルミ面上の電子の波数(番号
12-10.1)。 

12-10.3 

(13-10.3) 

 
 
 
 

デバイ波数 

(Debye angular 

wavenumber, Debye 
angular repetency) 

qD 

固体の振動スペクトルのデバイ
模型におけるカットオフ波数(番
号12-10.1)。 

カットオフの方法は指定しなけれ
ばならない。 

12-11 

(13-11) 

 
 
 
 
 

デバイ周波数 

(Debye angular 

frequency) 

ωD 

固体の振動スペクトルのデバイ
模型におけるカットオフ周波数
[JIS Z 8000-3(番号3-16)]。 

カットオフの方法は指定しなけれ
ばならない。 

12-12 

(13-12) 

 
 
 
 
 
 
 
 

デバイ温度 

(Debye temperature) 

ΘD 

ΘD=ℏωD/k 

ここに, k: ボルツマン定数

[JIS Z 8000-9(番号

9-43)] 

ℏ: 換算プランク定数

[JIS Z 8000-10(番

号10-6.2)] 

ωD: デバイ周波数(番号

12-11) 

k=1.380 648 52 (79)×10−23 J K−1 

[2014年CODATA推奨値] 
ℏ=1.054 571 800 (13)×10−34 J s 
[2014年CODATA推奨値] 
 

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11 

Z 8000-12:2016 (ISO 80000-12:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 

固体物理学 

番号 

名称 

単位記号 

定義 

換算率及び説明 

12-10.a 
 
 
 

ラジアン毎メート
ル 

(radian per metre) 

rad/m 

12-10.b 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

毎メートル 

(metre to the power 

minus one) 

m−1 

 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 

12-11.a 
 
 

ラジアン毎秒 

(radian per second) 

rad/s 

12-11.b 
 
 
 

毎秒 

(second to the power 

minus one) 

s−1 

12-12.a 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

ケルビン 

(kelvin) 

background image

12 

Z 8000-12:2016 (ISO 80000-12:2009) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

固体物理学 

量 

番号 

名称 

記号 

定義 

説明 

12-13 

(13-13) 

 
 
 
 
 
 
 

(角周波数で表し

た)状態密度 

(density of states in 

terms of angular 
frequency) 

角周波数[JIS Z 8000-3(番号
3-16)]の無限小幅の区間に属す
る振動モードの数を,その区間の
幅及び体積[JIS Z 8000-3(番号
3-4)]で除したもの。 

()

()

ω

ω

ω

d

dN

=

g

ここに,N (ω): ωより小さい角

周波数の振動モ
ードの全個数を,
体積で除した量 

12-14 

(13-14) 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

グリューナイゼン
係数 

(Grüneisen 

parameter) 

γ,(Γ) 

(

)

ρ

κ

α

γ

V

T

V

c

=

ここに,αV: 体膨張係数[JIS Z 

8000-5(番号
5-3.2)] 

κT: 等温圧縮率[JIS Z 

8000-5(番号
5-5.1)] 

cV: 定積比熱容量[JIS 

Z 8000-5(番号
5-16.3)] 

ρ: 密度[JIS Z 8000-4

(番号4-2)] 

12-15 

(13-15) 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

マーデルング定数 

(Madelung constant) 

α,A 

構造が特定されたとき,1-1価イ
オン結晶において,イオン対当た
りの結合エネルギーVb[JIS Z 
8000-4(番号4-27.2)]は,αを用
いて次の式で表される。 

a

e

V

0

2

b

π

α

=

ここに, e: 電気素量[JIS Z 

8000-9(番号9-49)] 

ε0: 電気定数[JIS Z 

8000-6(番号
6-14.1)] 

a: 特定された格子定

数 

1-1価イオン結晶は基本的に,Na+
Cl−のような1価イオンからなる。 
結合エネルギーは主にクーロン力
による。 
大半の場合,aは,格子面間隔d
(番号12-3)に近い値を採用する。 

background image

13 

Z 8000-12:2016 (ISO 80000-12:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 

固体物理学 

番号 

名称 

単位記号 

定義 

換算率及び説明 

12-13.a 
 
 
 
 
 
 
 
 

秒毎ラジアン毎立
方メートル 

(second per radian 

cubic metre) 

s/(rad・m3) 

12-14.a 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

(数の)1 
(one) 

0.3.2参照。 

12-15.a 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

(数の)1 
(one) 

0.3.2参照。 

background image

14 

Z 8000-12:2016 (ISO 80000-12:2009) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

固体物理学 

量 

番号 

名称 

記号 

定義 

説明 

12-16.1 

(13-16.1) 

 
 
 

フォノンの平均自
由行程 

(mean free path of 

phonons) 

lph,(Λ) 

フォノンの平均自由行程[JIS Z 
8000-10(番号10-73)]。 

12-16.2 

(13-16.2) 

 
 
 
 
 

電子の平均自由行
程 

(mean free path of 

electrons) 

le,(l) 

電子の平均自由行程[JIS Z 
8000-10(番号10-73)]。 

12-17 

(13-17) 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

状態のエネルギー
密度 

(energy density of 

states) 

nE,ρ 

()

()

()

V

E

E

N

E

n

E

E

1

d

d

=

=

ρ

ここに, N(E): E[JIS Z 8000-4

(番号4-27.4)]

よりも小さいエ
ネルギーの状態
の全個数 

V: 体積[JIS Z 

8000-3(番号
3-4)] 

状態のエネルギー密度を含む状態
密度は,一般に,電子,その他の
対象など,例えば,フォノンに適
用することができる。 
体積当たりの状態の数の代わり
に,物質量当たりの状態の数にも
同様に適用できる。 

12-18 

(13-18) 

 
 
 
 
 

残留抵抗率 

(residual resistivity) 

ρR 

金属については,ゼロ熱力学温度
[JIS Z 8000-5(番号5-1)]に外
挿された抵抗率[JIS Z 8000-6(番
号6-44)]。 

12-19 

(13-19) 

 
 
 
 
 
 
 
 
 

ローレンツ係数 

(Lorenz coefficient) 

()

T

L

σ

λ

=

ここに, λ: 熱伝導率[JIS Z 

8000-5(番号5-9)] 

σ: 導電率[JIS Z 

8000-6(番号6-43)] 

T: 熱力学温度[JIS Z 

8000-5(番号5-1)] 

background image

15 

Z 8000-12:2016 (ISO 80000-12:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 

固体物理学 

番号 

名称 

単位記号 

定義 

換算率及び説明 

12-16.a 
 
 
 
 

メートル 

(metre) 

 
 
 
 
 
 
 

12-17.a 
 
 
 
 
 

毎ジュール毎立方
メートル 

(joule to the power 

minus one per cubic 
metre) 

J−1/m3 

12-17.b 
 
 
 
 
 
 

毎電子ボルト毎立
方メートル 

(electronvolt to the 

power minus one per 
cubic metre) 

eV−1/m3 

1 eV−1/m3= 
6.241 509 126 (38)×1018 J−1 m−3 
[2014年CODATA推奨値] 

12-18.a 
 
 
 
 
 
 

オームメートル 

(ohm metre) 

Ω・m 

12-19.a 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

ボルト2乗毎ケル
ビン2乗 

(volt squared per 

kelvin squared) 

V2/K2 

background image

16 

Z 8000-12:2016 (ISO 80000-12:2009) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

固体物理学 

量 

番号 

名称 

記号 

定義 

説明 

12-20 

(13-20) 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

ホール係数 

(Hall coefficient) 

RH,AH 

等方的電気伝導体では,電界の強
さE[JIS Z 8000-6(番号6-10)]
と電流密度J[JIS Z 8000-6(番
号6-8)]との関係は,RHを用い
て,次の式によって表される。 

E=ρJ+RH(B×J) 

ここに, ρ: 抵抗率[JIS Z 

8000-6(番号6-44)] 

B: 磁束密度[JIS Z 

8000-6(番号6-21)] 

12-21 

(13-21) 

 
 
 
 
 
 

物質a,b間の電源
電圧 

(source voltage 

between substances a 
and b) 

Eab 

物質a,b間の電源電圧[JIS Z 
8000-6(番号6-36)]。 

冷接点でVaがVbより高い場合,

Eabは正であるとする。 

12-22 

(13-22) 

 
 
 
 
 
 
 
 

物質a,b間のゼー
ベック係数 

(Seebeck coefficient 

for substances a and 
b) 

Sab,(εab) 

T

E

S

d

d

ab

ab=

ここに,Eab: 物質a,b間の電源

電圧(番号12-21) 

T: 熱接点での熱力学

温度[JIS Z 8000-5

(番号5-1)] 

Sab=Sa−Sb 

ここに,Sa: 物質aのゼーベック

係数 

12-23 

(13-23) 

 
 
 
 
 
 

物質a,b間のペル
チェ係数 

(Peltier coefficient 

for substances a and 
b) 

Πab 

接点で発生したペルチェ熱の仕
事率を,物質aから物質bに流れ
る電流[JIS Z 8000-6(番号6-1)]
で除したもの。 

Πab=Πa−Πb 

ここに,Πa: 物質aのペルチェ係

数 

12-24 

(13-24) 

 
 
 
 
 

トムソン係数 

(Thomson 

coefficient) 

µ,(τ) 

発生したトムソン熱の仕事率を
電流[JIS Z 8000-6(番号6-1)]
及び温度[JIS Z 8000-5(番号
5-1)]差で除したもの。 

電流の方向に温度降下があるとき
に熱が発生すれば,μ は正である。 

background image

17 

Z 8000-12:2016 (ISO 80000-12:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 

固体物理学 

番号 

名称 

単位記号 

定義 

換算率及び説明 

12-20.a 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

立方メートル毎ク
ーロン 

(cubic metre per 

coulomb) 

m3/C 

12-21.a 
 
 
 
 
 
 
 

ボルト 

(volt) 

12-22.a 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

ボルト毎ケルビン 

(volt per kelvin) 

V/K 

12-23.a 
 
 
 
 
 
 
 

ボルト 

(volt) 

12-24.a 
 
 
 
 
 
 

ボルト毎ケルビン 

(volt per kelvin) 

V/K 

background image

18 

Z 8000-12:2016 (ISO 80000-12:2009) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

固体物理学 

量 

番号 

名称 

記号 

定義 

説明 

12-25.1 

(−) 

 
 
 
 

エネルギーレベル 

(energy level) 

物質の内部のフェルミエネルギ
ー(番号12-28.1)状態にある電
子のイオン化エネルギー。 

量子状態のエネルギーは,主にク
ーロン力による。 
 
“エネルギーレベル”という用語
は,電子のエネルギーだけでなく,
電子の状態を表すためによく使わ
れる。 
 
物質a,b間の接触ポテンシャルの
差は,次の式で表される。 

Va−Vb=(Φa−Φb)/e 

ここに, e: 電気素量[JIS Z 

8000-9(番号9-49)] 

 
実質上,連続的にエネルギーがあ
る区間を占める場合,そのエネル
ギーレベル全体をエネルギー帯と
呼ぶ。 

12-25.2 

(13-25) 

 
 
 
 
 
 

仕事関数 

(work function) 

Φ 

無限遠にある静止した電子と特
定されるエネルギーレベル(番号
12-25.1)にある電子とのエネル
ギー[JIS Z 8000-4(番号4-27.4)]
の差。 

12-25.3 

(−) 

 
 
 
 
 
 

イオン化エネルギ
ー 

(ionization energy) 

Ei 

無限遠にある静止した電子と特
定されるエネルギーレベル(番号
12-25.1)にある電子とのエネル
ギー[JIS Z 8000-4(番号4-27.4)]
の差。 

12-26 

(13-26) 

 
 
 
 
 

電子親和力 

(electron affinity) 

χ 

絶縁体又は半導体内で無限遠に
静止する電子と伝導帯の最低レ
ベルにある電子とのエネルギー
[JIS Z 8000-4(番号4-27.4)]の
差。 

12-27 

(13-27) 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

リチャードソン定
数 

(Richardson 

constant) 

金属からの熱電子放出の電流密
度J[JIS Z 8000-6(番号6-8)]
は,Aを使って次の式で表され
る。 

J=AT 2 exp(−Φ/kT) 

ここに, T: 熱力学温度[JIS Z 

8000-5(番号5-1)] 

k: ボルツマン定数

[JIS Z 8000-9(番号

9-43)] 

Φ: 仕事関数(番号

12-25.2) 

background image

19 

Z 8000-12:2016 (ISO 80000-12:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 

固体物理学 

番号 

名称 

単位記号 

定義 

換算率及び説明 

12-25.a 
 
 

ジュール 

(joule) 

12-25.b 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

電子ボルト 

(electronvolt) 

eV 

1 eV := e・1 V 

ここに, e: 電気素量[JIS Z 

8000-9(番号9-49)] 

1 eV=1.602 176 6208 (98)×10−19 J 
[2014年CODATA推奨値] 

12-26.a 
 
 

ジュール 

(joule) 

12-26.b 
 
 
 

電子ボルト 

(electronvolt) 

eV 

1 eV := e・1 V 

ここに, e: 電気素量[JIS Z 

8000-9(番号9-49)] 

1 eV=1.602 176 6208 (98)×10−19 J 
[2014年CODATA推奨値] 

12-27.a 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

アンペア毎平方メ
ートル毎ケルビン2
乗 

(ampere per square 

metre kelvin 
squared) 

A/(m2・K2) 

background image

20 

Z 8000-12:2016 (ISO 80000-12:2009) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

固体物理学 

量 

番号 

名称 

記号 

定義 

説明 

12-28.1 

(13-28.1) 

 
 
 
 
 

フェルミエネルギ
ー 

(Fermi energy) 

EF 

金属中のエネルギーレベル(番号
12-25.1)のうち,ゼロ熱力学温
度[JIS Z 8000-5(番号5-1)]に
おいて最も高いもの。 

EFは,T=0 Kでの電子一つに対す

る化学ポテンシャルに等しい。 

12-28.2 

(13-28.2) 

 
 
 
 

ギャップエネルギ
ー 

(gap energy) 

Eg 

伝導帯の最低レベルと充満帯の
最高レベルとのエネルギー[JIS 
Z 8000-4(番号4-27.4)]の差。 

12-28.3 

(13-28.3) 

 
 
 
 
 

ドナーイオン化エ
ネルギー 

(donor ionization 

energy) 

Ed 

ドナーのイオン化エネルギー(番
号12-25.3)。 

12-28.4 

(13-28.4) 

 
 
 
 
 

アクセプタイオン
化エネルギー 

(acceptor ionization 

energy) 

Ea 

アクセプタのイオン化エネルギ
ー(番号12-25.3)。 

12-29 

(13-29) 

 
 
 
 
 
 
 

フェルミ温度 

(Fermi temperature) 

TF 

TF=EF/k 

ここに,EF: フェルミエネルギ

ー(番号12.28.1) 

k: ボルツマン定数

[JIS Z 8000-9(番

号9-43)] 

background image

21 

Z 8000-12:2016 (ISO 80000-12:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 

固体物理学 

番号 

名称 

単位記号 

定義 

換算率及び説明 

12-28.a 
 
 

ジュール 

(joule) 

12-28.b 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

電子ボルト 

(electronvolt) 

eV 

1 eV := e・1 V 

ここに, e: 電気素量[JIS Z 

8000-9(番号9-49)] 

1 eV=1.602 176 6208 (98)×10−19 J 
[2014年CODATA推奨値] 

12-29.a 
 
 
 
 
 
 
 
 

ケルビン 

(kelvin) 

background image

22 

Z 8000-12:2016 (ISO 80000-12:2009) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

固体物理学 

量 

番号 

名称 

記号 

定義 

説明 

12-30.1 

(13-30.1) 

 
 
 
 
 
 
 

電子数密度 

(electron density), 

体積電子数 

(electron number per 

volume) 

伝導帯中の電子の数密度。 

12-30.2 

(13-30.2) 

 
 
 
 
 
 

正孔数密度 

(hole density), 

体積正孔数 

(hole number per 

volume) 

価電子帯中の正孔の数密度。 

12-30.3 

(13-30.3) 

 
 
 
 
 
 
 

固有キャリア密度 

(intrinsic carrier 

density), 
体積固有数 

(intrinsic number per 

volume) 

ni 

np=ni2 

ここに, n: 電子数密度(番号

12-30.1) 

p: 正孔数密度(番号

12-30.2) 

12-30.4 

(13-30.4) 

 
 
 
 
 

ドナー数密度 

(donor density, 

donor number per 
volume) 

nd 

ドナーレベルの数密度。 

12-30.5 

(13-30.5) 

 
 
 
 
 

アクセプタ数密度 

(acceptor density, 

acceptor number per 
volume) 

na 

アクセプタレベルの数密度。 

background image

23 

Z 8000-12:2016 (ISO 80000-12:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 

固体物理学 

番号 

名称 

単位記号 

定義 

換算率及び説明 

12-30.a 
 
 
 
 
 
 
 
 

毎立方メートル 

(metre to the power 

minus three) 

m−3 

 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 

background image

24 

Z 8000-12:2016 (ISO 80000-12:2009) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

固体物理学 

量 

番号 

名称 

記号 

定義 

説明 

12-31 

(13-31) 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

有効質量 

(effective mass) 

m* 

有効質量は,固体中の電子の運動
の方程式で使用し,その速度とエ
ネルギーレベルとに対応する波
数kに依存する。 

(

)

k

k

m

d

d

*

2

ε

η

=

ここに, ℏ: 換算プランク定数

[JIS Z 8000-10(番

号10-6.2)] 

ε: その電子のエネル

ギー 

12-32 

(13-32) 

 
 
 
 
 

易動度比 

(mobility ratio) 

b=µn/µp 

ここに,μn,μp:それぞれ,電子,

正孔の易動度

[JIS Z 8000-10
(番号10-63)] 

12-33.1 

(13-33.1) 

 
 
 
 
 
 

緩和時間 

(relaxation time) 

τ 

平衡状態に向かって指数関数的
に減衰するときの時定数[JIS Z 
8000-3(番号3-13)]。 

金属中の電子については, 

τ =l /vF 

ここに, l: 平均自由行程 
 

vF: フェルミ面上の電

子の速さ 

12-33.2 

(13-33.2) 

 
 
 
 

キャリアの寿命 

(carrier lifetime) 

τ,τn,τp 

半導体中のキャリアのうち,少数
を占める型の再結合又はトラッ
プの時定数[JIS Z 8000-3(番号
3-13)]。 

12-34 

(13-34) 

 
 
 
 
 

拡散距離 

(diffusion length) 

L,Ln,Lp 

τ

D

L=

ここに, D: 拡散係数[JIS Z 

8000-9(番号9-45)] 

τ: 寿命[JIS Z 8000-3

(番号3-7)] 

12-35 

(13-35) 

 
 
 
 
 

交換積分 

(exchange integral) 

物質中の近接電子のスピン間の
相互作用エネルギーのうち,電子
波動関数の重なり合いから生ず
る部分。 

“交換積分”に類似する“クーロ
ン積分”の場合には,記号Jを用
いる。 

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25 

Z 8000-12:2016 (ISO 80000-12:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 

固体物理学 

番号 

名称 

単位記号 

定義 

換算率及び説明 

12-31.a 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

キログラム 
(kilogram) 

kg 

12-32.a 
 
 
 
 
 
 

(数の)1 
(one) 

0.3.2参照。 

12-33.a 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

秒 
(second) 

12-34.a 
 
 
 
 
 
 

メートル 
(metre) 

12-35.a 
 
 

ジュール 
(joule) 

12-35.b 
 
 
 

電子ボルト 
(electronvolt) 

eV 

1 eV := e・1 V 

ここに, e: 電気素量[JIS Z 

8000-9(番号9-49)] 

1 eV=1.602 176 6208 (98)×10−19 J 
[2014年CODATA推奨値] 

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26 

Z 8000-12:2016 (ISO 80000-12:2009) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

固体物理学 

量 

番号 

名称 

記号 

定義 

説明 

12-36.1 

(13-36.1) 

 
 

キュリー温度 

(Curie temperature) 

TC 

強磁性体の臨界温度[JIS Z 
8000-5(番号5-1)]。 

12-36.2 

(13-36.2) 

 
 

ネール温度 

(Néel temperature) 

TN 

反強磁性体の臨界温度[JIS Z 
8000-5(番号5-1)]。 

12-36.3 

(13-36.3) 

 
 
 
 

超伝導転移温度 

(superconduction 

transition 
temperature) 

Tc 

超伝導体の臨界温度[JIS Z 
8000-5(番号5-1)]。 

12-37.1 

(13-37.1) 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

熱力学的臨界磁束
密度 

(thermodynamic 

critical magnetic flux 
density) 

Bc 

0

2

c

s

n

2

1

μ

V

B

G

G

=

ここに, Gn,Gs: それぞれ通常

の伝導体及び
超伝導体の磁
束密度[JIS Z 
8000-6(番号
6-21)]零にお
けるギブズエ
ネルギー[JIS 
Z 8000-5(番号
5-20.5)] 

μ0: 真空の透磁率

[JIS Z 8000-6
(番号6-26.1)] 

V: 体積[JIS Z 

8000-3(番号
3-4)] 

第1種の超伝導体では,Bcは超伝
導性が消滅する臨界磁束密度であ
る。 
記号Bc3は,表面超伝導性が消滅す
る臨界磁束密度である。 

12-37.2 

(13-37.2) 

 
 
 
 
 

下限臨界磁束密度 

(lower critical 

magnetic flux 
density) 

Bc1 

第2種超伝導体の場合に,この超
伝導体に侵入する磁束[JIS Z 
8000-6(番号6-22.1)]の磁束密
度[JIS Z 8000-6(番号6-21)]の
しきい(閾)値。 

12-37.3 

(13-37.3) 

 
 
 
 

上限臨界磁束密度 

(upper critical 

magnetic flux 
density) 

Bc2 

第2種超伝導体の場合に,バルク
超伝導性が消滅する磁束密度
[JIS Z 8000-6(番号6-21)]のし
きい(閾)値。 

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27 

Z 8000-12:2016 (ISO 80000-12:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 

固体物理学 

番号 

名称 

単位記号 

定義 

換算率及び説明 

12-36.a 
 
 
 

ケルビン 

(kelvin) 

 
 
 
 

 
 
 
 
 
 

12-37.a 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

テスラ 

(tesla) 

1 T := 1 Wb/m2 

ウェーバ(Wb)については,番号
12-41.a参照。 

 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 

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28 

Z 8000-12:2016 (ISO 80000-12:2009) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

固体物理学 

量 

番号 

名称 

記号 

定義 

説明 

12-38 

(13-38) 

 
 
 
 
 

超伝導体エネルギ
ーギャップ 

(superconductor 

energy gap) 

Δ 

超伝導体の禁制エネルギー帯
[JIS Z 8000-5(番号5-20.1)]の
幅。 

12-39.1 

(13-39.1) 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

ロンドン侵入深さ 

(London penetration 

depth) 

λL 

作用磁界が半無限超伝導体の平
らな表面に平行に存在する場合,
磁界は次の式によって超伝導体
に透過する。 

B(x)=B(0) exp(−x/λL) 

ここに, B: 磁束密度[JIS Z 

8000-6(番号6-21)] 

x: 表面からの距離

[JIS Z 8000-3(番号

3-1.9)] 

12-39.2 

(13-39.2) 

 
 
 

コヒーレンス長 

(coherence length) 

ξ 

超伝導体内部において,外乱の影
響が及ぶ距離[JIS Z 8000-3(番
号3-1.9)]。 

12-40 

(13-40) 

 
 
 
 
 
 
 

ランダウ−ギンツ
ブルグ数 

(Landau-Ginzburg  

number) 

κ 

ゼロ熱力学温度[JIS Z 8000-5(番
号5-1)]において, 

()2

λ

κ=

ここに,λL: ロンドン侵入深さ

(番号12-39.1) 

ξ: コヒーレンス長

(番号12-39.2) 

12-41 

(13-41) 

 
 
 
 
 
 

磁束量子 

(magnetic flux 

quantum) 

Φ0 

Φ0=h/2e 

ここに, h: プランク定数[JIS 

Z 8000-10(番号
10-6.1)] 

e: 電気素量[JIS Z 

8000-9(番号9-49)] 

Φ0=2.067 833 831 (13)×10−15 Wb 

[2014年CODATA推奨値] 

12-42 

(−) 

 
 
 

ジョセフソン定数 

(Josephson 

constant) 

KJ 

KJ=1/Φ0 

ここに,Φ0: 磁束量子(番号

12-41) 

KJ=483 597.8525 (30)×109 Hz V−1 

[2014年CODATA推奨値] 

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29 

Z 8000-12:2016 (ISO 80000-12:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 

固体物理学 

番号 

名称 

単位記号 

定義 

換算率及び説明 

12-38.a 
 
 

ジュール 

(joule) 

12-38.b 
 
 
 

電子ボルト 

(electronvolt) 

eV 

1 eV := e・1 V 

ここに, e: 電気素量[JIS Z 

8000-9(番号9-49)] 

1 eV=1.602 176 6208 (98)×10−19 J 
[2014年CODATA推奨値] 

12-39.a 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

メートル 

(metre) 

12-40.a 
 
 
 
 
 
 
 
 

(数の)1 
(one) 

0.3.2参照。 

12-41.a 
 
 
 
 
 
 
 

ウェーバ 

(weber) 

Wb 

1 Wb := 1 V・s 

12-42.a 
 
 
 
 

毎ウェーバ 

(weber to the power 

minus one) 

Wb−1 

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30 

Z 8000-12:2016 (ISO 80000-12:2009) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(規定) 

結晶の面及び方向に関する記号 

結晶の面及び方向を表すための記号は,次のとおりとする。 

h1, h2, h3又はh, k, l 

:ミラー指数 

(h1, h2, h3) 又は (h, k, l) 

:単一の格子面又はそれに平行な格子面の全体 

l

k

h

h

h

h

又は

3

2

1

:指定の格子面と対称性が等価な格子面の全体(のベクトル表示) 

{h1, h2, h3} 又は {h, k, l} 

[u, v, w] 

:格子面に垂直な方向 

〈u, v, w〉 

:指定の格子面に垂直な方向と対称性が等価な方向の全体(の行ベクトル) 

注記1 括弧内の文字記号を数値に置き換える場合には,対応国際規格では,“通常,コンマは省略す

る。”と規定しているが,この規格では,通常,コンマは省略して半角空白文字を挿入するこ

ととする。 

注記2 h, k又はlの数値に負の値がある場合には,通常,例えば,(

0

1

1

)のようにその負の数値

の上に線を引いて示す。結晶格子面において,方向を示すベクトルは ( u v w ) のように,最

も簡単な整数の組として括弧を用いて表す。値が負の場合−1でなく1 のように数字の上に

線を引いて表す。 

参考文献  

[1] JIS Z 8000-1 量及び単位−第1部:一般 

注記 対応国際規格:ISO 80000-1,Quantities and units−Part 1: General(MOD) 

[2] CODATA 2014,http://physics.nist.gov/cuu/Constants/ 

[3] SI文書 SI文書第8版(2006),独立行政法人産業技術総合研究所計量標準総合センター 

http://www.nmij.jp/library/units/si/R8/SI8J.pdf 

注記 対応国際文書:The International System of Units (SI), 8th edition (2006), BIPM, Sevres, France 

http://www.bipm.org/utils/common/pdf/si̲brochure̲8̲en.pdf