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K 8722:2019  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 種類······························································································································· 2 

4 性質······························································································································· 2 

4.1 性状 ···························································································································· 2 

4.2 定性方法 ······················································································································ 2 

5 品質······························································································································· 2 

6 試験方法························································································································· 2 

6.1 一般事項 ······················································································································ 2 

6.2 純度[Na2Fe(CN)5NO・2H2O] ·························································································· 2 

6.3 水溶状 ························································································································· 3 

6.4 塩化物(Cl) ················································································································ 4 

6.5 硫酸塩(SO4) ·············································································································· 5 

6.6 ヘキサシアニド鉄(III)酸塩[Fe(III)(CN)6] ····································································· 5 

6.7 ヘキサシアニド鉄(II)酸塩[Fe(II)(CN)6] ······································································· 6 

7 容器······························································································································· 7 

8 表示······························································································································· 7 

K 8722:2019  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

試薬協会(JRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正

すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS K 8722:1994は改正され,この規格に置き換えられた。 

なお,平成31年8月19日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ

ーク表示認証において,JIS K 8722:1994を適用してもよい。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 8722:2019 

ペンタシアノニトロシル鉄(III)酸ナトリウム 

二水和物(試薬) 

Sodium pentacyanonitrosylferrate (III) dihydrate (Reagent) 

Na2Fe(CN)5NO・2H2O  FW:297.95 

適用範囲 

この規格は,試薬として用いるペンタシアノニトロシル鉄(III)酸ナトリウム二水和物について規定す

る。 

警告1 ペンタシアノニトロシル鉄(III)酸ナトリウム二水和物は毒物なので,吸入及び皮膚・粘膜

への付着を避ける。酸との接触で,猛毒のシアン化水素ガスが発生する。 

警告2 この規格に基づいて試験を行う者は,通常の実験室での作業に精通していることを前提とす

る。この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするもので

はない。この規格の利用者は,SDS(安全データシート)などを参考にして各自の責任にお

いて安全及び健康に対する適切な措置をとらなければならない。 

注記 別名:ペンタシアニドニトロシル鉄(III)酸ナトリウム二水和物,ニトロプルシドナトリウム

二水和物,ニトロフェリシアン化ナトリウム二水和物 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0113 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則 

JIS K 0115 吸光光度分析通則 

JIS K 8001 試薬試験方法通則 

JIS K 8142 塩化鉄(III)六水和物(試薬) 

JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8155 塩化バリウム二水和物(試薬) 

JIS K 8312 クロム酸カリウム(試薬) 

JIS K 8355 酢酸(試薬) 

JIS K 8371 酢酸ナトリウム三水和物(試薬) 

JIS K 8541 硝酸(試薬) 

JIS K 8550 硝酸銀(試薬) 

JIS K 8801 ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム(試薬) 

JIS K 8802 ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム三水和物(試薬) 

JIS K 8951 硫酸(試薬) 

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K 8722:2019  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS K 8962 硫酸カリウム(試薬) 

JIS K 8979 硫酸アンモニウム鉄(II)六水和物(試薬) 

JIS K 8983 硫酸銅(II)五水和物(試薬) 

JIS P 3801 ろ紙(化学分析用) 

種類 

種類は,特級とする。 

性質 

4.1 

性状 

ペンタシアノニトロシル鉄(III)酸ナトリウム二水和物は,暗い赤の結晶又は結晶性粉末で,水に溶け

やすく,エタノール(99.5)に極めて溶けにくい。吸湿性があり,光によって徐々に分解する。 

4.2 

定性方法 

定性方法は,次による。 

a) 試料0.5 gに水50 mLを加えて溶かす(A液)。A液10 mLに硫化ナトリウム溶液1滴を加えると,液

の色は紫になり,これに塩酸(2+1)1滴を加えると脱色する。 

b) 亜硫酸ナトリウム溶液(100 g/L)30 mLにA液5 mLを加えると,液の色は赤くなり,これに硫酸亜

鉛溶液(100 g/L)20 mLを加えると,赤い沈殿が生じる。 

c) 炎色試験は,直径約0.8 mmの白金線の先端から約30 mmまでを塩酸(1+1)に浸し,炎の長さ約120 

mm,内炎の長さ約30 mm程度としたガスバーナーの無色炎中に入れた後,放冷する。この操作を炎

に色が現れなくなるまで繰り返す。白金線の先端約5 mmを水で浸し,少量の試料を付着させたもの

をガスバーナーの無色炎中に入れると黄が現れる。 

品質 

品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。 

表1−品質 

項目 

規格値 

試験方法 

純度[Na2Fe(CN)5NO・2H2O] 

質量分率 % 

99.0以上 

6.2 

水溶状 

− 

試験適合 

6.3 

塩化物(Cl) 

質量分率 % 

0.01以下 

6.4 

硫酸塩(SO4) 

質量分率 % 

0.005以下 

6.5 

ヘキサシアニド鉄(III)酸塩[Fe(III)(CN)6] 

質量分率 % 

0.01以下 

6.6 

ヘキサシアニド鉄(II)酸塩[Fe(II)(CN)6] 

質量分率 % 

0.02以下 

6.7 

試験方法 

6.1 

一般事項 

試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。 

6.2 

純度[Na2Fe(CN)5NO・2H2O] 

純度[Na2Fe(CN)5NO・2H2O]の試験方法は,次による。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

1) クロム酸カリウム溶液(50 g/L) JIS K 8312に規定するクロム酸カリウム5.0 gをはかりとり,水

を加えて溶かし,水を加えて100 mLにしたもの。 

2) 0.1 mol/L 硝酸銀溶液(AgNO3:16.99 g/L) JIS K 8550に規定する硝酸銀を用い,JIS K 8001の

JA.6.4 n)(0.1 mol/L 硝酸銀溶液)に従って,調製,標定及び計算したもの。 

b) 装置 主な装置は,次による。 

・ 自動滴定装置 電位差滴定の機能をもち,最小吐出量が0.01 mL以下のもの。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料0.4 gをコニカルビーカー200 mLなどに0.1 mgの桁まではかりとり,水50 mLを加えて溶かす。 

2) 次のいずれかの方法で滴定する。 

2.1) 指示薬としてクロム酸カリウム溶液(50 g/L)1 mLを加え,0.1 mol/L 硝酸銀溶液で滴定する。終

点は,液の色が赤褐色となる点とする。 

2.2) JIS K 0113の5.(電位差滴定方法)によって,指示薬を用いず,指示電極に白金電極若しくは銀

電極,参照電極に銀−塩化銀電極,又は指示電極と参照電極とを組み合わせた複合電極を用いて,

0.1 mol/L 硝酸銀溶液で滴定を行う。この場合,機器メーカーなどが推奨する沈殿凝集防止剤を用

いてもよい。終点は変曲点とする。 

d) 計算 純度[Na2Fe(CN)5NO・2H2O]は,次の式によって算出する。 

100

898

014

.0

×

×

×

=

m

f

V

A

ここに, 

A: 純度[Na2Fe(CN)5NO・2H2O](質量分率 %) 

V: 滴定に要した0.1 mol/L 硝酸銀溶液の体積(mL) 

f: 0.1 mol/L 硝酸銀溶液のファクター 

m: はかりとった試料の質量(g) 

0.014 898: 0.1 mol/L 硝酸銀溶液1 mLに相当するNa2Fe(CN)5NO・

2H2Oの質量を示す換算係数(g/mL) 

6.3 

水溶状 

水溶状の試験方法は,次による。 

a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 硝酸(1+2) JIS K 8541に規定する硝酸(質量分率60 %〜61 %,特級)の体積1と水の体積2と

を混合したもの。 

2) 硝酸銀溶液(20 g/L) JIS K 8550に規定する硝酸銀2 gをはかりとり,水を加えて溶かし,水を加

えて100 mLにしたもの。褐色ガラス製瓶に保存する。 

3) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。 

なお,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8150に規定する塩化ナトリウ

ム1.65 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。

この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,水を標線まで加えて混合する。 

b) 濁りの程度の適合限度標準 濁りの程度の適合限度標準は,“澄明”を用いる。 

澄明の限度標準の調製は,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)0.2 mLを共通すり合わせ平底試験管[c) 

参照]にとり,水10 mL,硝酸(1+2)1 mL及び硝酸銀溶液(20 g/L)1 mLを加え,水を加えて20 mL

とし,振り混ぜてから15分間放置する。 

c) 器具 主な器具は,次による。 

K 8722:2019  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

・ 共通すり合わせ平底試験管 例えば,容量50 mL,直径約23 mmで目盛のあるもの。 

d) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料1.0 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,水を加えて溶かし,水を加えて20 mLにす

る。 

2) 試料を溶かした直後に濁りの程度をb) と比較する。また,ごみ,浮遊物などの異物の有無を共通

すり合わせ平底試験管の上方又は側方から観察する。 

e) 判定 次の1) 及び2) に適合するとき,“水溶状:試験適合(規格値)”とする。 

1) 試料溶液の濁りは,b) の濁りより濃くない。 

2) 試料溶液には,ごみ,浮遊物などの異物は,ほとんど認めない。 

6.4 

塩化物(Cl) 

塩化物(Cl)の試験方法は,次による。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 硝酸(1+2) 6.3 a) 1) による。 

2) 硝酸銀溶液(20 g/L) 6.3 a) 2) による。 

3) 硫酸銅(II)溶液(100 g/L) JIS K 8983に規定する硫酸銅(II)五水和物15.6 gをはかりとり,水

を加えて溶かし,水を加えて100 mLにしたもの。 

4) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL) 6.3 a) 3) による。 

b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。 

1) 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c) による。 

2) 洗浄ろ紙 JIS P 3801に規定するろ紙(5種C)を硝酸(1+2)50 mLずつで2回洗い,更に水50 mL

ずつで2回洗ったもので,その最終洗液20 mLを試験管にとり,硝酸(1+2)1 mL及び硝酸銀溶

液(20 g/L)1 mLを加えて15分間放置後に澄明[JIS K 8001のJB.2.2 b)(濁りの程度の適合限度

標準)参照]であることを確認する。必要であれば,洗浄を繰り返す。 

3) 水浴 沸騰水浴として使用することができ,蒸発皿,ビーカーなどを載せられるもの。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料0.5 gを50 mLビーカーなどにはかりとり,水40 mLを加えて溶かし,硫酸銅(II)溶液(100 g/L)

5 mLを加え,水を加えて50 mLにし,よく振り混ぜ,生成した沈殿が沈むまで放置する。上澄み

液を洗浄ろ紙を用いてろ過し,ろ液を集める(B液)。 

2) 試料溶液の調製は,B液20 mL(試料量0.2 g)を共通すり合わせ平底試験管にとり,硝酸(1+2)

5 mLを加える。 

3) 比較溶液の調製は,B液20 mLをビーカー50 mLなどにとり,硝酸(1+2)5 mL及び硝酸銀溶液 (20 

g/L)1 mLを加え,沸騰水浴中で10分間加熱し,冷却後,洗浄ろ紙を用いてろ過し,ろ液を共通す

り合わせ平底試験管に受ける。 

4) 試料溶液に硝酸銀溶液(20 g/L)1 mLを加え,比較溶液に塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)2.0 mL

を加え,水を加えて30 mLにし,振り混ぜた後,15分間放置する。 

5) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験

管の上方又は側方から観察して,濁りを比較する。 

d) 判定 試料溶液から得られた液の濁りが,比較溶液から得られた液の白濁より濃くないとき,“塩化物

(Cl):質量分率0.01 %以下(規格値)”とする。 

K 8722:2019  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.5 

硫酸塩(SO4) 

硫酸塩(SO4)の試験方法は,次による。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 酢酸(1+2) JIS K 8355に規定する酢酸の体積1と水の体積2とを混合したもの。 

2) 塩化バリウム溶液(100 g/L) JIS K 8155に規定する塩化バリウム二水和物11.7 gを水に溶かして

100 mLにしたもの。 

3) 硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。 

なお,硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8962に規定する硫酸カリウム

1.81 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。

この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,水を標線まで加えて混合する。 

b) 器具 主な器具は,次による。 

・ 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c) による。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料3.0 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,水30 mLを加えて溶かし,混合する(C液)。 

2) 試料溶液の調製は,C液15 mL(試料量1.5 g)をとり,酢酸(1+2)0.9 mLを加え,水を加えて25 

mLにする。 

3) 比較溶液の調製は,C液5 mL(試料量0.5 g)をとり,酢酸(1+2)0.9 mL及び硫酸塩標準液(SO4:

0.01 mg/mL)5.0 mLを加え,水を加えて25 mLにする。 

4) 試料溶液及び比較溶液に,塩化バリウム溶液(100 g/L)2 mLを加えて振り混ぜた後,1時間放置す

る。 

5) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験

管の上方又は側方から観察して,濁りを比較する。 

d) 判定 試料溶液から得られた液の濁りが,比較溶液から得られた液の白濁より濃くないとき,“硫酸塩

(SO4):質量分率0.005 %以下(規格値)”とする。 

6.6 

ヘキサシアニド鉄(III)酸塩[Fe(III)(CN)6] 

ヘキサシアニド鉄(III)酸塩[Fe(III)(CN)6]の試験方法は,次による。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 酢酸塩緩衝液(pH 4.6) JIS K 8371に規定する酢酸ナトリウム三水和物25 gに水300 mLを加えて

溶かし,1 mol/L 酢酸を用いてpH 4.6に調節し,水を加えて500 mLにしたもの。 

なお,1 mol/L 酢酸は,JIS K 8355に規定する酢酸を用い,JIS K 8001のJA.6.4 h)(1 mol/L 酢酸)

に従って調製する。 

2) 硫酸アンモニウム鉄(II)溶液 JIS K 8979に規定する硫酸アンモニウム鉄(II)六水和物0.5 gを

はかりとり,硫酸(1+5)2 mL及び水100 mLを加えて溶かしたもの。 

なお,硫酸(1+5)の調製は,水の体積15を冷却してかき混ぜながら,JIS K 8951に規定する硫

酸の体積1を徐々に加える。 

3) ヘキサシアニド鉄(III)酸標準液[Fe(III)(CN)6:0.1 mg/mL] JIS K 8801に規定するヘキサシア

ノ鉄(III)酸カリウム1.56 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線

まで加えて混合したもの。使用時に調製する。この液10 mLを全量フラスコ100 mLに正確にとり,

水を標線まで加えて混合する。 

b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。 

K 8722:2019  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

1) 吸収セル 光路長が10 mmのもの。 

2) 分光光度計 装置の構成は,JIS K 0115に規定するもの。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,試料0.5 gを全量フラスコ50 mLにはかりとり,酢酸塩緩衝液(pH 4.6)10 mL

及び水35 mLを加えて溶かす。 

2) 比較溶液の調製は,試料0.5 gを全量フラスコ50 mLにはかりとり,酢酸塩緩衝液(pH 4.6)10 mL

を加えて溶かし,ヘキサシアニド鉄(III)酸標準液[Fe(III)(CN)6:0.1 mg/mL]0.5 mL及び水35 mL

を加えて混合する。 

3) 空試験溶液の調製は,試料0.5 gを全量フラスコ50 mLにはかりとり,酢酸塩緩衝液(pH 4.6)10 mL

及び水35 mLを加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。 

4) 試料溶液及び比較溶液に硫酸アンモニウム鉄(II)溶液2 mLを加え,水を標線まで加えて混合し,

1時間放置する。 

5) 空試験溶液を対照として,試料溶液及び比較溶液の波長720 nmにおける吸光度をJIS K 0115の6.

(特定波長における吸収の測定)によって測定する。 

d) 判定 試料溶液の吸光度A1の値が,比較溶液の吸光度A2から試料溶液の吸光度A1を引いた値を超え

ないとき,“ヘキサシアニド鉄(III)酸塩[Fe(III)(CN)6]:質量分率0.01 %以下(規格値)”とする。 

注記 分析種の含有率(質量分率 %)は,次の式によって,おおよその値を求めることができる。 

100

000

1

1

2

1

×

×

×

=m

A

A

A

B

C

ここに, 

C: 分析種の含有率(質量分率 %) 

B: 用いた標準液中の分析種の質量(mg) 

m: 試料溶液に含まれる試料の質量(g) 

6.7 

ヘキサシアニド鉄(II)酸塩[Fe(II)(CN)6] 

ヘキサシアニド鉄(II)酸塩[Fe(II)(CN)6]の試験方法は,次による。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 塩化鉄(III)溶液 JIS K 8142に規定する塩化鉄(III)六水和物5 gをはかりとり,水を加えて溶

かし,水を加えて100 mLにしたもの。 

2) ヘキサシアニド鉄(II)酸標準液[Fe(II)(CN)6:0.1 mg/mL] JIS K 8802に規定するヘキサシアノ

鉄(II)酸カリウム三水和物1.99 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,水

を標線まで加えて混合したもの。使用時に調製する。この液10 mLを全量フラスコ100 mLに正確

にとり,水を標線まで加えて混合する。 

b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。 

1) 吸収セル 6.6 b) 1) による。 

2) 分光光度計 6.6 b) 2) による。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを全量フラスコ50 mLにはかりとり,水35 mLを加えて溶かし,混

合する。 

2) 比較溶液の調製は,試料1.0 gを全量フラスコ50 mLにはかりとり,水35 mLを加えて溶かし,ヘ

キサシアニド鉄(II)酸標準液[Fe(II)(CN)6:0.1 mg/mL]2.0 mLを加えて混合する。 

K 8722:2019  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3) 空試験溶液の調製は,試料1.0 gを全量フラスコ50 mLにはかりとり,水35 mLを加えて溶かし,

水を標線まで加えて混合する。 

4) 試料溶液及び比較溶液に塩化鉄(III)溶液1.0 mLを加え,水を標線まで加えて混合する。 

5) 2時間放置後,空試験溶液を対照として,試料溶液及び比較溶液の波長695 nmにおける吸光度をJIS 

K 0115の6.(特定波長における吸収の測定)によって測定する。 

d) 判定 試料溶液の吸光度A1の値が,比較溶液の吸光度A2から試料溶液の吸光度A1を引いた値を超え

ないとき,“ヘキサシアニド鉄(II)酸塩[Fe(II)(CN)6]:質量分率0.02 %(規格値)”とする。 

注記 分析種の含有率(質量分率 %)は,6.6 d) の注記の式によって,おおよその値を求めること

ができる。 

容器 

容器は,遮光した気密容器とする。 

表示 

容器には,次の事項を表示する。 

a) 日本工業規格番号 

b) 名称“ペンタシアノニトロシル鉄(III)酸ナトリウム二水和物”及び“試薬”の文字 

c) 種類 

d) 化学式及び式量 

e) 純度 

f) 

内容量 

g) 製造番号 

h) 製造業者名又はその略号