サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

K 8305:2013  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 種類······························································································································· 2 

4 性質······························································································································· 2 

4.1 性状 ···························································································································· 2 

4.2 定性方法 ······················································································································ 2 

5 品質······························································································································· 2 

6 試験方法························································································································· 3 

6.1 一般事項 ······················································································································ 3 

6.2 純度(C7H8O)(GC) ····································································································· 3 

6.3 水酸化ナトリウム溶液溶状 ······························································································ 4 

6.4 密度(20 ℃) ··············································································································· 5 

6.5 凝固点 ························································································································· 5 

6.6 屈折率

20

D

n····················································································································· 5 

7 容器······························································································································· 5 

8 貯蔵方法························································································································· 5 

9 表示······························································································································· 5 

K 8305:2013  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

試薬協会(JRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正

すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS K 8305:1994は改正され,この規格に置き換えられた。 

なお,平成25年9月20日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ

ーク表示認証において,JIS K 8305:1994によることができる。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 8305:2013 

m-クレゾール(試薬) 

m-Cresol (Reagent) 

C7H8O  FW:108.14 

OH

CH3 

序文 

この規格は,1956年に制定され,その後5回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は1994年に

行われたが,その後の試験・研究開発などの技術進歩に対応するために改正した。 

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。 

適用範囲 

この規格は,試薬として用いるm-クレゾール1) について規定する。 

注1) 化学名:3-ヒドロキシ-1-メチルベンゼン 

警告 この規格に基づいて試験を行う者は,通常の実験室での作業に精通していることを前提とする。

この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。

この規格の利用者は,SDS(安全データシート),MSDS(化学物質等安全データシート:JIS Z 

7250‐2012年廃止,猶予期間2016年まで)などを参考にして各自の責任において安全及び健

康に対する適切な措置をとらなければならない。 

なお,m-クレゾールは,引火性があるので火気に注意する。また,有害なので,蒸気の吸入,

粘膜・皮膚への付着などを避ける。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0061 化学製品の密度及び比重測定方法 

JIS K 0062 化学製品の屈折率測定方法 

JIS K 0065 化学製品の凝固点測定方法 

JIS K 0114 ガスクロマトグラフィー通則 

JIS K 0117 赤外分光分析方法通則 

JIS K 8001 試薬試験方法通則 

background image

K 8305:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8541 硝酸(試薬) 

JIS K 8550 硝酸銀(試薬) 

JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬) 

種類 

種類は,特級とする。 

性質 

4.1 

性状 

m-クレゾールは,無色から薄い黄色の液体で,特異な臭いがある。放置すると徐々に着色し,薄い紅色

又は褐色となる。エタノール(99.5)及びジエチルエーテルに極めて溶けやすく,水にやや溶けにくく,

水酸化ナトリウム溶液に溶ける。沸点は,約202 ℃である。 

4.2 

定性方法 

試料の赤外吸収スペクトルをJIS K 0117に従って測定すると,波数3 348 cm-1,3 039 cm-1,2 921 cm-1,

1 590 cm-1,1 491 cm-1,1 280 cm-1,1 155 cm-1,927 cm-1,775 cm-1,688 cm-1,539 cm-1及び443 cm-1付近に

主な吸収ピークを認める。試料調製をJIS K 0117の5.4 a)(液膜法)によって行い,窓板に臭化カリウム

を用いたときの赤外吸収スペクトルの例を図1に示す。 

なお,試料が固体の場合は,試料を約30 ℃の恒温槽中で溶かして液体としたものを試料調製に用いる。 

図1−赤外吸収スペクトルの例 

注記 図1は,独立行政法人産業技術総合研究所のSDBSから引用したものである。 

品質 

品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。 

background image

K 8305:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1−品質 

項目 

規格値 

試験方法 

純度(C7H8O)(GC) 

質量分率 % 

98.0以上 

6.2 

水酸化ナトリウム溶液溶状 

試験適合 

6.3 

密度(20 ℃) 

g/ml 

1.032〜1.035 

6.4 

凝固点 

℃ 

10.0〜12.0 

6.5 

屈折率

20

D

1.538〜1.542 

6.6 

試験方法 

6.1 

一般事項 

試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。 

6.2 

純度(C7H8O)(GC) 

純度(C7H8O)(GC)の試験方法は,次による。 

a) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。 

1) マイクロシリンジ又は試料導入装置 少量の定容量の測定溶液をガスクロマトグラフのカラムに導

入するマイクロシリンジ又は装置。 

2) ガスクロマトグラフ JIS K 0114に規定するもの。 

3) 恒温槽 (30±5)℃の調節ができるもの(必要な場合に用いる。)。 

b) 分析条件 分析条件は,次による。 

なお,別の分析条件でも同等の試験結果が得られることが確認されている場合には,その条件を用

いてもよい。 

1) 検出器の種類 水素炎イオン化検出器 

2) 固定相液体名 ポリエチレングリコール 

3) 固定相液体の膜厚 0.25 μm 

4) カラム用キャピラリーの材質,内径及び長さ 石英ガラス,0.25 mm,30 m 

5) 設定温度 カラム槽  170 ℃ 

    試料気化室 200 ℃ 

    検出器槽  200 ℃ 

6) キャリヤーガスの種類及び流量 ヘリウム,1 ml/min 

7) 試料の導入方式 スプリット注入法(スプリット比 1:200) 

8) 試料の調製 局所排気装置の下又はドラフト内で,試料の調製を行う。ただし,試料が固体の場合

は,試料を(30±5)℃の恒温槽中で溶かして液体とし2),試料とする。 

注2) 試料の引火点は,約86 ℃と低いので,注意深く溶かす。その際に,火気を用いてはいけ

ない。 

9) 試料の導入量 0.3 μl 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料の導入及び記録 試料をマイクロシリンジ又は試料導入装置を用いてガスクロマトグラフに導

入してクロマトグラムを記録する。 

なお,あらかじめm-クレゾールの保持時間を確認しておく。 

2) ピーク面積の測定 クロマトグラムのピーク面積の測定は,JIS K 0114の11.3 a)(データ処理ソフ

K 8305:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ト又はデータ処理装置を用いる方法)による。 

d) 定量法 各成分のピーク面積を測定し,JIS K 0114の11.5(面積百分率法)によって純度(C7H8O)(GC)

を求める。 

6.3 

水酸化ナトリウム溶液溶状 

水酸化ナトリウム溶液溶状の試験方法は,次による。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 硝酸(1+2) JIS K 8541に規定する硝酸(質量分率 60〜61 %)の体積1と水の体積2とを混合す

る。 

2) 硝酸銀溶液(20 g/l) JIS K 8550に規定する硝酸銀2 gを水に溶かして100 mlにする。褐色ガラス

瓶に保存する。 

3) 水酸化ナトリウム溶液(100 g/l) JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム10.3 gを水に溶かして

100 mlにする。 

4) 塩化物標準液 

4.1) 塩化物標準液(Cl:1 mg/ml) 次のいずれかのものを用いる。 

4.1.1) 計量標準供給制度[JCSS 3)]に基づく標準液で,酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致し

た場合に用い,適切な方法で希釈して使用する。 

4.1.2) JCSS以外の認証標準液で酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致した場合に用い,必要な

場合は,適切な方法で希釈して使用する。ただし,JCSS以外の認証標準液がない場合は,市販

の標準液を用いる。 

4.1.3) JIS K 8150に規定する塩化ナトリウム1.65 gを全量フラスコ1 000 mlにはかりとり,水を加えて

溶かし,水を標線まで加えて混合する。 

注3) JCSSは,Japan Calibration Service Systemの略称である。 

4.2) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml) 塩化物標準液(Cl:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 mlに

正確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。 

b) 濁りの程度の適合限度標準 濁りの程度の適合限度標準(“ほとんど澄明”)は,次による。 

塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml)0.5 mlを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,水10 ml,硝酸

(1+2)1 ml及び硝酸銀溶液(20 g/l)1 mlを加え,更に水を加えて20 mlとし,振り混ぜてから15

分間放置する。 

c) 器具 主な器具は,次のとおりとする。 

共通すり合わせ平底試験管 濁り,ごみなどの有無が確認しやすい大きさで,目盛のあるもの。例

として,容量50 ml,直径約23 mmのもの。 

d) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,試料4.0 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,水酸化ナトリウム溶液

(100 g/l)を加えて溶かし20 mlにする。 

2) 直後に,試料溶液の濁りの程度をb)と比較する。また,ごみ,浮遊物などの異物の有無を共通すり

合わせ平底試験管の上方又は側面から観察する。 

e) 判定 d)によって操作し,次の1)及び2)に適合するとき,“水酸化ナトリウム溶液溶状:試験適合”

とする。 

1) 試料溶液の濁りは,b)の濁りより濃くない。 

2) 試料溶液には,ごみ,浮遊物などの異物をほとんど認めない。 

K 8305:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.4 

密度(20 ℃) 

密度(20 ℃)の試験方法は,JIS K 0061の7.2(比重瓶法)又は7.3(振動式密度計法)による。 

6.5 

凝固点 

凝固点の試験方法は,JIS K 0065の3.(試験方法)による。 

6.6 

屈折率

20

D

屈折率

20

D

nの試験方法は,JIS K 0062による。 

容器 

容器は,遮光した気密容器とする。 

貯蔵方法 

製品は,火気に注意し保存する。 

表示 

容器には,次の事項を表示する。 

a) 日本工業規格番号 

b) 名称 “m-クレゾール”及び“試薬”の文字 

c) 種類 

d) 化学式及び式量 

e) 純度 

f) 

内容量 

g) 製造番号 

h) 製造年月又はその略号 

i) 

製造業者名又はその略号