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D 9313-2:2019  

(1) 

目 次 

ページ 

序文  1 

1 適用範囲 1 

2 引用規格 1 

3 用語及び定義  1 

4 試験方法 2 

4.1 ブレーキレバーの開き寸法の測定 2 

4.2 ブレーキレバーの負荷力の位置  5 

4.3 ブレーキ揺動試験  6 

4.4 手動ブレーキの強度試験  6 

4.5 コースタハブの強度試験  6 

4.6 制動性能試験  7 

4.7 ブレーキの耐熱性試験  19 

附属書A(参考)制動性能の直線性に関する最良適合線及び±20 %限界線を求めるための最小二乗法に関

する説明  21 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表  24 

 

 


 

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(2) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人自転車産業振興協会(JBPI)及

び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出が

あり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

これによって,JIS D 9201:2001は廃止され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS D 9313の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS D 9313-1 第1部:試験条件通則及び部品などの試験方法 

JIS D 9313-2 第2部:制動装置の試験方法 

JIS D 9313-3 第3部:操だ(舵)装置の試験方法 

JIS D 9313-4 第4部:車体部の試験方法 

JIS D 9313-5 第5部:走行装置の試験方法 

JIS D 9313-6 第6部:駆動装置の試験方法 

JIS D 9313-7 第7部:座席装置の試験方法 

 

 


 

 

日本工業規格          JIS 

 

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自転車−第2部:制動装置の試験方法 

Cycles-Part 2: Braking device test methods 

 

序文 

この規格は,2014年に第1版として発行されたISO 4210-4を基とし,我が国の実情を反映し安全性の

確保などを図るため,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

 

適用範囲 

この規格は,JIS D 9111の規定で分類される一般用自転車及びスポーツ専用自転車の制動装置の試験方

法について規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 4210-4:2014,Cycles−Safety requirements for bicycles−Part 4: Braking test methods(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS D 9111 自転車−分類,用語及び諸元 

注記 対応国際規格:ISO 4210-1:2014,Cycles−Safety requirements for bicycles−Part 1: Terms and 

definitions(MOD) 

JIS D 9301 一般用自転車 

注記 対応国際規格:ISO 4210-2:2015,Cycles−Safety requirements for bicycles−Part 2: Requirements 

for city and trekking, young adult, mountain and racing bicycles(MOD) 

JIS D 9304 スポーツ専用自転車 

注記 対応国際規格:ISO 4210-2:2015,Cycles−Safety requirements for bicycles−Part 2: Requirements 

for city and trekking, young adult, mountain and racing bicycles(MOD) 

 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS D 9111による。 

 


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試験方法 

4.1 

ブレーキレバーの開き寸法の測定 

4.1.1 

Aタイプ又はBタイプのブレーキレバー 

図1に示すゲージを,面Aがグリップ(又は製造業者がグリップを装着していない場合は,ハンドルバ

ー)及びブレーキレバーの側面と接触するよう,図2に示すように装着する。ゲージによってブレーキレ

バーがグリップの方へ動かされることなく,面Bがブレーキレバー上で乗員の指との接触を想定した部分

を覆っていることを確認する。乗員の指との接触を想定した部分の端部からレバー端までの距離aを測定

する。測定は,完成車だけを対象に行う。 

 

単位 mm 

 

 A 面A 

B 面B 
C ロッド 
D 75 mm又は90 mm 
 

図1−Aタイプ及びBタイプのブレーキレバーの開き寸法ゲージ 

 

 


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a) Aタイプ 

b) Bタイプ 

図2−ブレーキレバー及びハンドルバーへのゲージの装着方法 

 

4.1.2 

Cタイプのブレーキレバー 

図3に示すゲージを,面Aがグリップ(又はハンドルバー)及びブレーキレバーと接触するよう,図4

に示すように装着する。円筒面Bを乗員の指との接触を想定したグリップの部分と接触させ,要件が満た

されているか確認する。 

 


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単位 mm 

 

 A 面A 

B 円筒面B 
C ロッド 
 

図3−Cタイプのブレーキレバーの開き寸法ゲージ 

 

 

図4−Cタイプのブレーキレバー及びハンドルバーへのゲージの装着方法 

 


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4.2 

ブレーキレバーの負荷力の位置 

4.2.1 

Aタイプ又はBタイプのブレーキレバー 

ブレーキ試験の目的のため,試験力は,4.1で測定した距離a(図2参照),又はブレーキレバー端から

25 mmのいずれか長い方と等しい距離bに負荷する(図5参照)。 

4.2.2 

Cタイプのブレーキレバー 

ブレーキ試験の目的のため,試験力は,ブレーキレバー端から25 mmの距離に負荷する(図5参照)。 

 

単位 mm 

 

 

a) Aタイプ 

b) Bタイプ 

 

 

c) Cタイプ 

 F 負荷力 

25 mm以上 

 

図5−ブレーキレバーの負荷力の位置 


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4.3 

ブレーキ揺動試験 

サドルに乗員(又は同等の質量のおもり)を載せ,ブレーキを正しく調整し,かつ,完全に組み立てら

れた自転車で,両ブレーキレバーにそれぞれ180 N(又はブレーキレバーがグリップに接触するまで)の

ブレーキ操作力を加え,その操作力を維持しながら,乾燥した平たんな舗装路面上で,自転車を前後に75 

mm以上の距離を往復5回押し動かした後,ブレーキブロック,ブレーキライニングなどの外れ,及び亀

裂の有無を調べる。 

なお,タイヤの空気圧は,表示空気圧(範囲が示されている場合には,その最大値)とする。乗員の体

重(又は同等のおもりの質量)と自転車との質量の合計は,100 kg±1 kgとする。 

次に,ブレーキの種類に応じて適宜4.4又は4.5に規定する試験を行った後,4.6に規定する試験を行う。 

4.4 

手動ブレーキの強度試験 

手動ブレーキを装備した自転車は,ブレーキ系統の正しい調整を確認した後,4.2に規定する位置に,レ

バーの作動面内でグリップ(グリップがない場合には,ハンドルバー)に対して直角に450 Nの力を加え

るか,又は次のいずれかに示す方法で行ったときに,ブレーキ系統及びその構成部品の異常の有無を調べ

る。 

a) ブレーキレバーがグリップ(グリップがない場合には,ハンドルバー)に接触する。 

b) ブレーキ補助レバーが移動範囲の限界に達する。 

c) 突出しレバーがハンドルバーの上面と同一の高さになる又はハンドルバーに接触する。 

この試験は,各手動ブレーキレバー及び各ブレーキ補助レバーに10回繰り返す。 

4.5 

コースタハブの強度試験 

コースタハブを装備した自転車では,ブレーキ系統が正しく調整されていることを確認し,図6のよう

にクランクを水平にした状態で,左ペダルの踏面の中心に1 500 Nの力を静かに加え,1分間保持する。こ

れを10回繰り返し行ったときに,ブレーキ系統及びその構成部品の異常の有無を調べる。 

 

 

図6−コースタハブを装備した自転車の強度試験 


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4.6 

制動性能試験 

4.6.1 

供試車 

ブレーキを一般用自転車はJIS D 9301の5.2.4(ブレーキの強度),スポーツ専用自転車はJIS D 9304の

4.2.6(手動ブレーキの強度)に規定する試験を行った後,完成車を対象に制動性能試験を行う。いずれの

試験方法においても自転車を試験する前に,取扱説明書に従ってタイヤに空気を入れ,ブレーキを調整す

る。ただし,リム部を制動するブレーキの場合は,製造業者が指定する最大クリアランスに合わせて調整

する。 

4.6.2 

ブレーキ補助レバー 

自転車にブレーキレバー,バーエンド,又はエアロエクステンションに装着されたブレーキ補助レバー

が装備されている場合は,通常のレバーを用いた試験のほかに,ブレーキ補助レバーの作動を確認するた

めの試験を別途行う。 

4.6.3 

走路試験方法 

4.6.3.1 

試験走路 

試験走路は,次による。 

なお,試験走路には,速度の測定用として精度が±2 %の計時装置を備え,必要に応じ助走用傾斜台,

傾斜路などを併設する。 

a) 試験走路の路面 試験走路は,じんあい(塵埃)又は砂利がない,乾燥したコンクリート又はアスフ

ァルトの平たんな舗装路面で,供試車のタイヤとの摩擦係数は,0.75以上とする。 

なお,水ぬれ時の制動試験においては,路面上の水を適宜拭き取るなどして一定の路面状態の保持

に努める。 

b) 試験走路の勾配 試験走路の走行方向の勾配は,0.5 %以下とする。 

4.6.3.2 

試験装置の装備 

試験装置の装備は,次による。 

a) 速度計又は回転数計 一般用自転車はJIS D 9301の5.2.5.2(走路試験),スポーツ専用自転車はJIS D 

9304の4.2.8.2(走路試験)の走行速度(以下,規定走行速度という。)で,精度が±5 %の速度計又は

回転数計を,供試車又は併走車に備える。 

b) 速度記録装置 制動開始時の速度を記録する速度記録装置の精度は,±2 %でなければならない。 

c) 距離記録装置 制動距離を記録する距離記録装置の精度は,±1 %でなければならない。 

d) 水ぬれ装置 水ぬれ時の制動試験においては,各ノズルから4 mL/s以上の放水が同時に行える水ぬれ

装置を供試車に備える。水ぬれ装置は,配管によって前車輪制動部の一対のノズル,及び後車輪制動

部の一対のノズル,並びに各ノズルに接続される貯水装置及び噴水量を制御するための開閉弁から構

成される。また,放出される水の温度は,周囲温度とする。 

なお,ノズルは,ブレーキの種類によって図8〜図13に示す位置に取り付ける。 

4.6.3.3 

ブレーキ操作力 

試験におけるブレーキ操作力は,次による。 

a) 手動ブレーキ 手動ブレーキ付き供試車のブレーキ操作力は,前後とも180 N以下で,4.2に規定する

位置に加え,一連の試験走行の前後に確認する。 

なお,ブレーキレバーの操作を手動ではなく,任意の装置によって行う場合には,ブレーキ操作力

の63 %に達するまで,0.2秒を超えるように調節する。 

b) コースタハブ コースタハブ付き供試車については,ペダル踏力を制限しない。 


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4.6.3.4 

供試車への負荷 

供試車への負荷は,自転車の質量,乗員体重,試験用積載機器及び調整おもりの質量との合計で100 kg

±1 kgとする。ただし,製造業者が指定する最大総質量(自転車の質量,乗員体重及び積載する荷物の質

量との合計)が100 kg(子供車は60 kg)を超える値Mを積載できる場合には,Mの値を合計質量とする。 

4.6.3.5 

試験 

乾燥時及び水ぬれ時の制動試験は,次によって行う。図7に乾燥時及び水ぬれ時の試験方法の概念図を

示す。 

 

 

図7−乾燥時及び水ぬれ時の試験方法概念図 

 

a) 試験時の風速 試験は,走路上の風速が3 m/s以下のときに行う。 

b) 試験走行回数 試験走行回数は,表1による。 

c) 試験走行の方向 試験走路の勾配が0.2 %未満の場合には,試験走行回数全て同方向に走行し,勾配

が0.2 %以上0.5 %以下の場合には,交互に反対方向に走行する。 

 


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表1−試験走行回数 

走行条件 

試験走路の勾配 

0.2 %未満 

0.2 %以上 0.5 %以下 

乾燥時 

連続有効走行 

5回 

6回(往復3回) 

水ぬれ時 

慣らし走行a) 

2回 

連続有効走行 

5回 

6回(往復3回) 

各走行回の間には,3分間以内の休止時間をとることができる。 

注a) 連続有効走行に先立って行う。 

 

d) 初速度の測定 試験走路上に初速度を測定するための計時地点のe及びfを設定し,eからfまでの距

離(以下,計時区間という。)Aを供試車が通過するのに要した時間を測定して初速度を求める。計時

区間Aは,計時方法によって適切な距離をとる。 

e) 制動開始区間 制動開始区間Bは,計時地点fから2 mまでの間の任意の地点とし,あらかじめ路面

に表示しておいてもよい。 

f) 

走行及び制動 供試車の規定走行速度を維持しつつ,計時地点fに達する前にペダル駆動を休止し,

制動開始区間B内で,ブレーキ操作力を加えて制動を行う。 

g) 放水の開始及び停止 計時地点fの25 m前を放水開始制限地点gとし,この地点gから自転車が停止

するまでを放水区間Dとして,水ぬれ時の試験は,自転車が地点gに達する前に放水を開始し,停止

するまで放水を継続する。傾斜台を使用し,計時地点fの25 m前から放水できないときは,あらかじ

め車輪などを十分にぬらしてから開始してもよい。 

h) 制動距離の測定 試験走路上に記載された制動開始地点と停止地点との直線距離を測定して,制動距

離(以下,測定制動距離という。)とする。 

4.6.3.6 

制動距離の補正 

測定した制動距離は,式(1)によって補正する(以下,補正制動距離という)。 

m

2

m

s

c

S

V

V

S

  (1) 

ここに, 

Sc: 補正制動距離(m) 

 

Sm: 測定制動距離(m) 

 

Vs: 規定走行速度(km/h) 

 

Vm: 測定初速度(km/h) 

 

4.6.3.7 

試験走行の有効性 

試験走行の有効性は,次による。 

a) 試験走行は,次の場合には無効とする。 

1) 過度の横滑りがあった場合 

2) 制御を失った場合 

b) 補正制動距離が,一般用自転車はJIS D 9301の5.2.5.2,スポーツ専用自転車はJIS D 9304の4.2.8.2

の制動距離(以下,規定制動距離という。)を超えたとき,測定した初速度が規定走行速度より1.5 km/h

超過した速度の場合の試験走行は無効とする。 

c) 補正制動距離が規定制動距離より短いとき,測定した初速度が規定走行速度より1.5 km/h以上不足し

た速度の場合の試験走行は無効とする。 


10 

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 1 ノズル 

2 ホーク肩 
3 前Tピース 
4 リム 
5 車輪の回転方向 
 

図8−リム部を制動するブレーキ(前)用ノズル 

 


11 

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単位 mm 

 

 1 ノズル 

2 後Tピース 
3 フレーム 
4 リム 
5 ブレーキアセンブリ 
6 車輪の回転方向 
 

図9−リム部を制動するブレーキ(後)用ノズル 

 


12 

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1 ノズル 

3 ハブブレーキ 

2 二つのノズル 

4 車輪の回転方向 

図10−ハブブレーキ用ノズル 

 

単位 mm 

 

1 ノズル 

4 バンドブレーキ 

2 フレーム 

5 後ハブ 

3 後Tピース 

6 車輪の回転方向 

図11−バンドブレーキ用ノズル 


13 

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単位 mm 

 

 1 ノズル 

2 前ハブ 
3 フレキシブルパイプ(たわみ管) 
4 サスペンションホークのホーク足 
5 Y字ジョイント 
6 ディスク 
7 車輪の回転方向 
8 ディスクブレーキキャリパ 
 

図12−ディスクブレーキ(前)用ノズル 


14 

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単位 mm 

 

1 ノズル 

5 ディスク 

2 フレーム 

6 ディスクブレーキキャリパ 

3 後ハブ 

7 車輪の回転方向 

4 Y字ジョイント 

 

図13−ディスクブレーキ(後)用ノズル 

 

4.6.3.8 

試験結果 

a) 乾燥時での制動 試験用走路の傾斜に応じて,試験結果は,4.6.3.5の表1の走行回数の補正制動距離

(4.6.3.6参照)の平均値とする。 

一般用自転車は,JIS D 9301の5.2.5.2の要件に適合するためには,上記の平均値がJIS D 9301の表

1(制動試験の速度及び制動距離)に規定する制動距離を上回ってはならない。スポーツ専用自転車は,

JIS D 9304の4.2.8.2の要件に適合するためには,上記の平均値はJIS D 9304の表1(制動試験の速度

及び制動距離)に規定する制動距離を上回ってはならない。 

b) 水ぬれ時での制動 試験用走路の傾斜に応じて,試験結果は,4.6.3.5の表1の走行回数の補正制動距

離(4.6.3.6参照)の平均値とする。 

一般用自転車は,JIS D 9301の5.2.5.2の要件に適合するためには,上記の平均値はJIS D 9301の表

1に規定する制動距離を上回ってはならない。スポーツ専用自転車は,JIS D 9304の4.2.8.2の要件に

適合するためには,上記の平均値はJIS D 9304の表1に規定する制動距離を上回ってはならない。 

c) 水ぬれ時と乾燥時との制動性能の比率 一般用自転車及びマウンテンバイクは,水ぬれ時及び乾燥時

の制動距離は異なる試験速度で測定されるため,制動距離を単純に比較しても意味がない。したがっ

て,式(2)を用いて計算した相当値で比較を行う。 

D

c

2

W

c

2

25

16

S

S:

  (2) 

ここに, 

ScD: 乾燥時の補正制動距離の平均値(m) 

 

ScW: 水ぬれ時の補正制動距離の平均値(m) 

 

4.6.4 

コースタハブ直線性試験 

この試験は完全組立車を対象に行う。車輪が前進方向に回転しているとき,ペダルに90 N〜300 Nの力

をクランクに対して垂直に制動方向に負荷しながら,コースタハブの制動力を後タイヤの外周に対して接

線方向に測定する。 


15 

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滑らかに引張り,車輪が1回転した後に制動力を測定する。それぞれ異なるペダル負荷レベルで少なく

とも5段階の測定をする。それぞれの結果は,同じ負荷レベルにおける3回の測定値の平均値とする。 

結果をグラフ上にプロットし,附属書Aの最小二乗法によって得た最良適合線及び±20 %限界線を表示

する。 

4.6.5 

試験機による試験方法 

4.6.5.1 

一般 

試験機は,ドラム又はベルト上の前ブレーキ及び後ブレーキの個々の制動力の測定値から計算できるよ

うにするものである。 

4.6.5.2 

記号 

FOp 

:操作力(すなわち,ブレーキレバー又はペダルへの負荷力) 

FOp intend :所定の操作力(例 40 N,60 N,80 Nなど) 

FOp rec 

:記録操作力(例 38 N,61 N,79 Nなど) 

FBr 

:制動力 

FBr rec 

:記録制動力 

FBr corr 

:補正制動力(FOp intendとFOp recとの差に対応して補正された制動力) 

FBr average :FOp intendの一つのレベルにおける三つのFBr corrの相加平均 

FBr max 

:FBr averageの最大値 

FDBr 

:乾燥時の制動力 

FWBr 

:水ぬれ時の制動力 

4.6.5.3 

直線性 

4.6.5.7 c) の1) 及び2) に規定する方法で試験したとき,制動力FBr averageが80 N以上では,徐々に増加

する所定の操作力FOp intendに直線的に比例(±20 %の範囲内)しなければならない(附属書A参照)。 

4.6.5.4 

試験機 

試験機にはタイヤとの接触によって供試車輪を駆動するシステム,及び制動力の測定手段が組み込まれ

ていなければならない。2種類の試験機の代表例を図14及び図15に示す。 

図14はローラが個々の車輪を駆動する試験機を示し,図15は駆動ベルトが両方の車輪に接触する試験

機を示す。次に規定する特定要件並びに4.6.5.5及び4.6.5.6に規定する要件を満たしていれば,これ以外

のタイプの試験機でもよい。 

a) タイヤの直線的表面速度は12.5 km/hで,±5 %の範囲内で制御する。 

b) 試験中,車輪の動きを拘束する手段には,制動力の測定に影響を及ぼさないものを使用する。 

c) レバーとの接触幅が5 mm以下で,4.2に規定する位置でブレーキレバーに力を負荷する手段を装備し

なければならない。コースタハブの場合は,ペダルに力を負荷する手段も要求される。 

4.6.5.5 

計器類 

試験機は,次に示す計器類を装備しなければならない。 

a) ±2 %以内の精度でタイヤの表面速度を記録する装置 

b) ±5 %以内の精度で制動力を記録する装置(参考例については,図14及び図15参照) 

c) ±1 %以内の精度でブレーキレバー又はペダルに負荷される操作力を記録する装置 

d) 図16に示すように配置された一対のノズルと貯水タンクとを管類で接続した,自転車のブレーキを水

ぬれ状態にする水噴霧装置。各ノズルは,室温で流量4 mL/s以上の水流を放水しなければならない。

車輪は,リム部を制動するブレーキのほか,ハブブレーキ又はディスクブレーキも完全に水ぬれ状態


16 

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にするため,試験開始前に適切な手段で覆わなければならない。 

e) 自転車の車輪を駆動機構に保持するためのシステム(4.6.5.6参照) 

 

単位 mm 

 

 

a) 前ブレーキの試験方法 

b) 後ブレーキの試験方法 

 1 制動力測定器 

2 鉛直力 
3 追加質量 
4 ドラムの回転方向 
 

図14−制動性能試験機(シングルドラムタイプ) 

 

 

 1 制動力測定器 

2 鉛直力 
3 追加質量 
4 ベルトの走行方向 
 

図15−制動性能試験機(駆動ベルトタイプ) 

 


17 

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 α 

90°〜120° 

β 

30°〜60° 

150 mm〜200 mm 

ノズル 

注記 全てのタイプのブレーキに適用 

 

図16−水ぬれ条件時のノズルの配置 

 

4.6.5.6 

供試車輪への鉛直力 

4.6.5.7 c) の1) 及び2) に従って試験したときに,車輪のスリップが起きないよう,供試車輪に対し垂直

下向きに力を負荷する。垂直下向きに負荷するのであれば,必要な力は自転車のどこ(ハブ軸,ハンガ部,

シートポストなど)に負荷してもよい。 

4.6.5.7 

試験方法 

試験方法は,次による。 

a) 一般 前車輪及び後車輪を個別に試験する。 

b) 制動面の慣らし運転 性能試験を行う前に,全てのブレーキについて慣らし運転を行う。 

慣らし運転中の操作力を特定するため,ベルト又はドラムが規定の速度で走行する試験機に自転車

を載せて保持し,200 N±10 %の制動力を得るのに十分な大きさの操作力をブレーキレバー又はペダ

ルに負荷する。この操作力を2.5秒間以上保持し,負荷した操作力の値を記録する。 

最後の3回の測定のいずれかから得た制動力もこれら3回の同じ測定から得た平均制動力から±

10 %を超えて逸脱しなくなるまで,当該手順(±5 %の精度で上記のように特定した操作力を負荷す

る。)を10回,又は(必要な場合は)それ以上繰り返す。 

c) 性能試験 

1) 乾燥時の試験方法 手動ブレーキについては,供試車輪のタイヤのスリップを防止するのに十分な

鉛直力を自転車に負荷した状態で,駆動機構を規定速度まで上昇し,次に,操作力を40 N〜180 N

(又は700 N以上の制動力を得るのに必要な力のいずれか小さい方)まで20 N刻みで増加させなが


18 

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ら連続して負荷する。ただし,車輪がロックした場合,考え得るブレーキ過負荷防止装置が作動し

た場合,又はブレーキレバーがハンドルバーと接触した場合には,操作力をそれ以上増加してはな

らない。負荷する操作力を増加するたびに3回測定を行い,各測定間に1分間冷却する。次のレベ

ルの操作力を負荷する前にブレーキを1分間冷却する。 

コースタハブについては,供試車輪のタイヤのスリップを防止するのに十分な鉛直力を自転車に

負荷した状態で,駆動機構を規定速度まで上昇し,次に,操作力を100 N〜350 N(又は400 N以上

の制動力を得るのに必要な力のいずれか小さい方)まで50 N刻みで増加させながら連続して負荷す

る。ただし,車輪がロックした場合,又は考え得るブレーキ過負荷防止装置が作動した場合には,

操作力をそれ以上増加してはならない。負荷する作動力を増加するたびに3回測定を行い,各測定

間に1分間冷却する。次のレベルの操作力を負荷する前にブレーキを1分間冷却する。 

負荷する操作力は,所定の操作力の±10 %とし,4.6.5.4 c) に規定するとおり負荷し,±1 %の精

度で記録し,制動開始後1秒間以内に完全に負荷する。 

操作力を増加するたびに,制動開始から0.5秒〜1.0秒後に測定を開始し,2.0秒間〜2.5秒間,制

動力値FBr recを記録する。この測定時間中の平均制動力としてFBr recを記録する。 

制動力の測定を開始するタイミングは,操作力の負荷速度に関係する。制動開始後0.5秒以内に

操作力を完全に負荷した場合は,0.5秒後に測定を開始する。ただし,制動開始後0.5秒〜1.0秒の

間に操作力を完全に負荷した場合は,操作力を完全に負荷した時点で測定を開始する。 

2) 水ぬれ時の試験方法 試験方法は,4.6.5.7 c) 1) に規定するとおりとし,さらに,制動開始より5秒

以上前にブレーキシステムへの水の噴霧を開始し,測定時間終了まで続ける。図16に従ってノズル

を配置する。 

d) 制動力の補正 各記録制動力FBr recを記録操作力と所定の操作力との差に対応して補正しなければな

らない。補正制動力は,記録制動力FBr recに所定の操作力FOp intendと記録操作力FOp recとの比率を表す

補正係数を乗じて計算する。 

例 記録制動力FBr rec=225 N 

 

所定の操作力FOp intend=180 N 

 

記録操作力FOp rec=184 N 

 

補正係数=180/184 

 

補正制動力FBr corr=225 N×(180/184) 

e) 試験結果 記録から,各車輪組合せ(前又は後)及び各試験条件(水ぬれ時又は乾燥時)における最

大制動力FBr maxを選び出す。 

制動性能値は,式(3)を用いて計算する。 

M

m

F

B

max

Br

p

  (3) 

ここに, 

Bp: 制動性能値(N) 

 

FBr max: FBr averageの最大値(N) 

 

m: 標準的な総質量(kg)で,一般用自転車(子供車を除く。)

及びスポーツ専用自転車が100 kg,並びに子供車が60 kg
とする。 

 

M: 一般用自転車はJIS D 9301の箇条9 d)(荷物積載時の注

意及び警告)2),スポーツ専用自転車はJIS D 9304の箇
条6 d)(荷物積載時の注意及び警告)2) で規定する製造
業者が指定する最大総質量(kg) 


19 

D 9313-2:2019  

 

製造業者が指定する最大総質量(自転車の質量,乗員体重及び積載する荷物の質量との合計)が100 

kg(子供車は60 kg)を超える値Mを積載できる場合は,その質量をMの値とする。 

f) 

直線性 4.6.5.3の要件に対応して直線性を評価するため,計算したFBr average値(操作力の各レベルに

おける三つの補正制動力の相加平均)を対応する操作力値FOp intendと対にしてプロットする。結果を

グラフ上にプロットし,附属書Aの最小二乗法によって得た最良適合線及び±20 %限界線を表示する。 

g) 水ぬれ時と乾燥時との制動性能の比率 一般用自転車及びマウンテンバイクは,測定された乾燥時の

制動力(FDBr average)が200 Nを超える操作力(FOp)については,測定された水ぬれ時の制動力(FWBr 

average)と測定された乾燥時での制動力(FDBr average)との制動性能の比率が40 %以上でなければならな

い。 

FDBr averageが200 Nを超える各FOpについて,当該要件が満たされているかどうかを式(4)を用いて確

認する。 

FWBr average:FDBr average>4:10  (4) 

記号については,4.6.5.2を参照。 

h) 簡単な走路試験[一般用自転車はJIS D 9301の5.14(完成車の路上試験),スポーツ専用自転車はJIS 

D 9304の4.12(完成車の路上試験)参照] 試験機による試験終了後,ブレーキが自転車を安全かつ

円滑に停止させるかどうかを確認するため,徐々に増加する操作力を用いた短時間で簡単な走路試験

を行う。 

注記 この試験は,完全組立車を対象とする試験と組み合わせることもできる。 

4.7 

ブレーキの耐熱性試験 

4.7.1 

耐熱性試験 

4.6.5.4に規定した試験機を使用し,車輪及びタイヤアセンブリを,後方への冷却用空気速度12.5 km/h

±10 %,速度12.5 km/h±5 %で駆動する。表2に示す総制動エネルギー(E)が生み出されるように,ブ

レーキをかける。試験継続時間は,15分間±2分間とする。 

式(5)から制動エネルギーを計算する。 

E=FBr×VBr×T(Wh)  (5) 

ここに, 

FBr: 制動力(N) 

 

VBr: タイヤ外周の線速度(m/s)(すなわち,12.5 km/h=3.472 

m/s) 

 

T: 各試験サイクルの継続時間(中断を除く。)(h)(すなわ

ち,15分間=0.25時間) 

 

表2−総制動エネルギー 

単位 Wh 

車種 

一般用自転車 

スポーツ専用自転車 

スポーティ車,シティ

車,小径車,実用車 

子供車 

マウンテンバイク 

レーシングバイク 

総制動エネルギー 

55 

55 

75 

75 

 

ブレーキを室温まで冷却し,その後,試験サイクルを繰り返す。1回の試験サイクルにつき最大10回の

中断が,それぞれ10秒間を上限として許容される。 


20 

D 9313-2:2019  

 

4.7.2 

性能試験 

4.7.1の試験完了後,ブレーキを室温まで冷却し,4.6.5.7 c) の1) 及び2) に規定する試験の該当する項

目を行う。ブレーキシステムは,取扱説明書に従って調整してもよい。 


21 

D 9313-2:2019  

 

附属書A 

(参考) 

制動性能の直線性に関する最良適合線及び±20 %限界線 

を求めるための最小二乗法に関する説明 

 

4.6.4又は4.6.5.7に規定する試験で得られる測定値は,それらを基に座標上で引くことのできるある直線

の周辺に分布するものと予測できる。通常は目で見てそれらの点から最良の直線を引くのだが,ここに示

す最小二乗法は,偏差を最小化するための基準を提供し,最良適合線と呼ばれる直線の選択を可能にする

ものである。 

最良適合線とは,測定結果と引かれた線によって予測される結果との偏差の二乗の和が最小になる線で

ある。 

変数間の関係は,式(A.1)で表されるものと考えられる。 

bx

a

y

  (A.1) 

ここに, 

x: 独立変数であり,正確な値が分かっている(この場合は,

ペダルに負荷される力)。 

 

y: 従属変数であり,測定されるものであるが,ある程度の

不確実性を備えている(この場合は,車輪の制動力)。 

a及びbは未知の定数であり,推測する必要がある。 

一連の測定値nについて,偏差の二乗の和の最小値をとって次の式を与えることによって,この関係を

説明することができる。 

x

x

x

n

y

x

xy

n

b

2

  (A.2) 

なので, 

n

y

y

及び

n

x

x

  (A.3) 

x

x

x

x

y

xy

b

2

  (A.4) 

したがって,代入によってaを求めることができる。 

x

b

y

a

  (A.5) 

例 次のx及びyの4個の値を試験中に記録し,次に示すように,それらの値から

xy,

2x,x

及びyを計算する。 


22 

D 9313-2:2019  

 

 

No. 

(ペダル力) 

(制動力) 

 90 

 90 

150 

120 

230 

160 

300 

220 

合計 

x=770 

y=590 

平均 

x=192.5 

y=147.5 

 

 

 

No. 

xy 

x2 

 8 100 

 8 100 

18 000 

22 500 

36 800 

52 900 

66 000 

90 000 

合計 

xy=128 900 

2x=173 500 

 

606

.0

)

770

5.

192

(

500

 

173

)

770

5.

147

(

900

 

128

2

x

x

x

x

y

xy

b

 

8.

30

)5.

192

606

.0(

5.

147

x

b

y

a

 

したがって,最良適合線は, 

x

y

606

.0

8.

30

 

そして,±20 %限界線は, 

x

x

y

485

.0

64

.

24

)

606

.0

8.

30

(

100

80

lower

 

x

x

y

727

.0

96

.

36

)

606

.0

8.

30

(

100

120

upper

 

結果を,図A.1にグラフ形式で示す。 

 


23 

D 9313-2:2019  

 

 

 Y 制動力,N 

X 負荷力,N 
1 +20 %限界線 
2 最良適合線 
3 −20 %限界線 
 

図A.1−最良適合線及び±20 %限界線を示す,制動力に対する 

レバー操作力又はペダル力(負荷力)のグラフ 

 

 


24 

D 9313-2:2019  

 

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

 

JIS D 9313-2:2019 自転車−第2部:制動装置の試験方法 

ISO 4210-4:2014,Cycles−Safety requirements for bicycles−Part 4: Braking test methods 

 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規 
格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

4 試験方法 4.6.3.5 試験 

 

4.6.3.7 

水ぬれ時の試験条件 

追加 

JISでは傾斜台を追加。 

JISでは,試験の再現性を確保す
るため追加。ISOには提案しない。 

 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 4210-4:2014,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 追加  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD  国際規格を修正している。 

 

 

2

 

D

 9

3

1

3

-2

2

0

1

9