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C 62813:2016 (IEC 62813:2015) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲 ························································································································· 1 

2 引用規格 ························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 試験方法 ························································································································· 3 

4.1 試験要求事項 ················································································································ 3 

4.2 試験及び測定 ················································································································ 4 

4.3 算出 ···························································································································· 8 

附属書A(参考)耐久性(高温連続定格電圧印加)試験······························································ 10 

附属書B(参考)測定の誤差伝ぱ(播)に基づいた測定電流の算出 ··············································· 11 

附属書C(参考)公称内部抵抗が不明確な場合の測定電流の設定手順 ············································ 13 

C 62813:2016 (IEC 62813:2015) 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)

及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C 62813:2016 

(IEC 62813:2015) 

電気・電子機器用リチウムイオンキャパシタ− 

電気的特性の試験方法 

Lithium ion capacitors for use in electric and electronic equipment- 

Test methods for electrical characteristics 

序文 

この規格は,2015年に第1版として発行されたIEC 62813を基に,技術的内容及び構成を変更すること

なく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

適用範囲 

この規格は,電気・電子機器用リチウムイオンキャパシタ(以下,キャパシタという。)の電気的特性(静

電容量,内部抵抗,放電電力量及び電圧保持率)の試験方法について規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 62813:2015,Lithium ion capacitors for use in electric and electronic equipment−Test methods for 

electrical characteristics(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ

とを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用

規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)は適用しない。 

JIS C 60068-1:2016 環境試験方法−電気・電子−第1部:通則及び指針 

注記 対応国際規格:IEC 60068-1:2013,Environmental testing−Part 1: General and guidance(IDT) 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

カテゴリ上限温度(upper category temperature) 

設計上,キャパシタが連続的に使用できる最高周囲温度。 

(IEC 62576の3.3を修正) 

3.2 

定格電圧,UR(rated voltage) 

キャパシタにカテゴリ上限温度で規定時間,連続して電圧を印加した後に,規定する要求特性に適合す

C 62813:2016 (IEC 62813:2015) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

る最大電圧。 

注記1 この電圧は,キャパシタを設計するときの設定電圧である。 

注記2 定格電圧を求める根拠となる耐久性試験の内容を,附属書Aに記載する。 

(IEC 62576の3.6を修正) 

3.3 

定格下限電圧,UL(rated lower limit voltage) 

キャパシタの使用時に規定する要求性能に適合する最小電圧。 

注記 この電圧は,キャパシタを設計するときの設定電圧である。 

3.4 

充電電流(charging current) 

キャパシタを充電するときの電流。 

3.5 

放電電流(discharging current) 

キャパシタを放電するときの電流。 

3.6 

放電電力量(discharge accumulated electric energy) 

放電開始時点から定格下限電圧到達時点までに,キャパシタから放出する電力の積算量。 

3.7 

放電開始時点,T0(discharge start time) 

キャパシタからの放電を開始した時点。 

注記 これは,算出開始時点及び定格下限電圧の到達時点の基点とする時点である。 

3.8 

算出開始時点,T1(calculation start time) 

キャパシタからの放電中において,静電容量及び内部抵抗を算出するときに,開始点として設定する時

点。 

注記 これは,放電開始時点を基点とした経過時間で示す。 

3.9 

算出終了時点,T2(calculation end time) 

キャパシタからの放電中において,静電容量及び内部抵抗を算出するときに,終了点として設定する時

点。 

注記 これは,放電開始時点を基点とした経過時間で示す。 

3.10 

定格下限電圧の到達時点,TL(time to reach rated lower limit voltage) 

キャパシタからの放電で,定格下限電圧に到達する時点。 

注記 これは,放電開始時点を基点とした経過時間で示す。 

3.11 

放電時瞬時降下電圧,U0(instant drop voltage at discharge) 

キャパシタからの放電で,算出開始時点から算出終了時点までの電圧降下特性を最小二乗法によって近

似した直線が,放電開始時点で示す電圧。 

3.12 

C 62813:2016 (IEC 62813:2015) 

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静電容量(capacitance) 

キャパシタの中に電荷を蓄える能力。 

(IEC 62576の3.14を修正) 

3.13 

公称静電容量,CN(nominal capacitance) 

キャパシタについて示すときに製造業者が指定する静電容量。 

(IEC 62576の3.15を修正) 

3.14 

内部抵抗(internal resistance) 

キャパシタを静電容量と抵抗との等価直列回路で表した場合の抵抗成分。 

(IEC 62391-1:2006の2.2.20を修正) 

3.15 

公称内部抵抗,RN(nominal internal resistance) 

キャパシタについて示すときに製造業者が指定する内部抵抗。 

(IEC 62576の3.17を修正) 

3.16 

定電圧充電(constant voltage charging) 

一定の電圧でキャパシタを充電する方法。 

(IEC 62576の3.18を修正) 

3.17 

定電流充電(constant current charging) 

一定の電流でキャパシタを充電する方法。 

3.18 

定電流放電(constant current discharging) 

一定の電流でキャパシタから放電する方法。 

3.19 

前処理(pre-conditioning) 

試験前におけるキャパシタの測定環境(温度,湿度及び気圧)での充放電処理及び保管。 

注記 一般に,キャパシタの電気的特性を測定する前に,キャパシタの内部温度が温度(熱)平衡す

るまでの充放電処理及び保管を示す。 

(IEC 62576の3.19を修正) 

3.20 

電圧保持率,A(voltage maintenance rate) 

キャパシタを充電後,端子間を開放状態にして,規定時間経過後の端子間電圧を充電電圧で除した値。 

(IEC 62576の3.26を修正) 

試験方法 

4.1 

試験要求事項 

4.1.1 

試験に用いる標準大気条件 

個別規格に規定がない場合,キャパシタの試験及び測定は,JIS C 60068-1の4.3[測定及び試験に用い

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る標準大気条件(標準状態)]に規定する次の標準大気条件で行う。 

− 温度   :15 ℃〜35 ℃ 

− 相対湿度 :25 %〜75 % 

− 気圧   :86 kPa〜106 kPa 

この標準大気条件での測定値に疑義がある場合,又は要求がある場合は,4.1.2による。 

標準大気条件で試験及び測定することが困難な場合であって,測定値に疑義が生じない場合には,標準

大気条件以外で試験及び測定を行ってもよい。 

4.1.2 

測定に用いる標準大気条件 

個別規格に規定がない場合,測定条件は,JIS C 60068-1の4.2[判定のための測定及び試験に用いる標

準大気条件(判定状態)]に規定する標準大気条件の表1(判定のための測定及び試験に用いる標準大気条

件)から選定した,次の条件とする。 

− 温度   :25 ℃±2 ℃ 

− 相対湿度 :45 %〜55 % 

− 気圧   :86 kPa〜106 kPa 

4.1.3 

前処理 

個別規格に規定がない場合,キャパシタに,定電流及び定電圧電源を用いて定格電圧URを30分間印加

し,その後,定格下限電圧ULまで,適切な放電デバイスを用いて放電する。 

4.2 

試験及び測定 

4.2.1 

静電容量,放電電力量及び内部抵抗 

4.2.1.1 

試験装置 

試験装置は,キャパシタに4.2.1.2に規定する定電流充電,定電圧充電及び定電流放電が可能であって,

かつ,キャパシタの端子間の電流及び電圧を,4.2.1.2 f) の1) に規定するサンプリング間隔で,測定・記

録できる,次のa)〜d) で構成する装置とする。基本回路を,図1に示す。 

a) 直流電源部 直流電源部は,キャパシタを,4.2.1.2 c) に規定する定電流と4.2.1.2 d) に規定する定電

圧とで4.2.1.2 d) に規定する時間充電できる。 

b) 定電流放電部 定電流放電部は,4.2.1.2 e) に規定する定電流で放電が可能,かつ,放電時の設定電流

までの立ち上り時間が50ミリ秒間以下である。 

c) 直流電圧記録部 直流電圧記録部は,電圧の測定分解能が1 mV,かつ,サンプリング間隔が100ミリ

秒間で測定及び記録ができる。 

d) 切替スイッチ 切替スイッチは,直流電圧の時間変化記録に影響を与えるチャタリングなどを起こさ

ない。 

background image

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記号 

ICC 

定電流 

UCV 

定電圧 

直流電流計 

直流電圧計 

切替スイッチ 

CX 

キャパシタ 

定電流源 

定電圧源 

定電流負荷 

図1−静電容量,放電電力量及び内部抵抗の測定用基本回路 

4.2.1.2 

測定手順及び条件 

測定手順及び条件は,次による。測定におけるキャパシタの端子間電圧の時間変化を,図2に示す。 

a) 前処理 キャパシタを4.1.1に規定する標準大気条件で2時間〜6時間放置する。 

b) 取付け キャパシタ端子を回路に取り付ける。 

c) 定電流充電 キャパシタを4.2.1.1に規定する直流電源を用いて,式(1)によって算出した電流Iで,定

格電圧URまで定電流充電を行う。 

1

10

26

1

5

27

1

30

1

N

N

N

N

N

+

+

+

=

R

C

R

C

R

I

 ············································· (1) 

ここに, 

I: 内部抵抗算出に用いる充放電電流(A) 

RN: キャパシタの公称内部抵抗(Ω) 

CN: キャパシタの公称静電容量(F) 

注記 式(1)を用いて算出した電流は,放電電流波形によって算出する内部抵抗値の誤差が±3 %と

推定できる電流である(附属書B参照)。また,公称内部抵抗が不明確な場合の測定電流の

設定手順を附属書Cに記載する。 

UCV 

 供給電源 

ICC 

CX 

定電流電源 

定電圧電源 

background image

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d) 定電圧充電 キャパシタの端子間電圧が定格電圧URに到達後,定電圧充電に切り替えて定格電圧UR

を30分間印加する。 

e) 定電流放電 切替スイッチを,直流電源側から定電流放電負荷側に切り替えて,キャパシタから次の

条件で定電流放電を行う。 

1) 内部抵抗の測定時は,式(1)によって算出した放電電流Iに設定する。 

2) 放電電力量及び静電容量の測定時は,式(1)によって算出した放電電流0.1Iに設定する。 

f) 

試験,測定及び記録 キャパシタ端子間電圧の時間変化の測定及び記録は,次による。 

1) 試験,測定及び記録のサンプリング間隔は,100ミリ秒間とする。 

2) 試験,測定及び記録する期間は,定電流充電開始からキャパシタの端子間電圧が定格下限電圧UL

に達するまでとする。 

記号 

T0 

放電開始時点(s) 

T1 

算出開始時点:CNRN(s)の値の時点 

T2 

算出終了時点:2CNRN(s)の値の時点 

TL 

定格下限電圧到達時点(s) 

TCV 

定電圧充電時間(s) 

UR 

定格電圧(V) 

UL 

定格下限電圧(V) 

U0 

放電時瞬時降下電圧(V) 

図2−試験におけるキャパシタの端子間電圧の時間変化 

TCV 

UR 

UL 

T0 T1 

T2 

TL 

U0 

UL 

時間 

background image

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4.2.2 

電圧保持率 

4.2.2.1 

試験装置 

基本回路を,図3に示す。直流電圧計V1及びV2は,電圧の測定分解能が5 mV以下で,かつ,測定値

の誤差が無視できる程度に入力インピーダンスが高い測定器とする。 

図3−電圧保持率の測定用基本回路 

4.2.2.2 

測定手順及び条件 

測定手順及び条件は,次による。測定におけるキャパシタの端子間電圧の時間変化を,図4に示す。 

a) 前処理 キャパシタを4.1.1に規定する標準大気条件に2時間〜6時間放置する。 

b) 取付け キャパシタ端子を回路に取り付ける。 

c) 定電流充電 キャパシタを4.2.1.1に規定する直流電源を用いて,式(1)によって算出した電流Iで,定

格電圧URまで定電流充電を行う。 

d) 定電圧充電 キャパシタの端子間電圧が定格電圧URに到達後,定電圧充電に切り替えて定格電圧UR

を24時間印加する。 

e) 端子開放 キャパシタの端子間を回路から開放する。 

f) 

測定 端子開放後の放置時間TOCが72時間のとき,キャパシタの端子間電圧を測定する(図4参照)。 

UCV 

供給電源 

ICC 

CX 

V1 

V2 

V1 

V2 

定電流電源 

定電圧電源 

直流電圧計 

background image

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 TOC :放置時間(h),72時間に設定する。 

Uend:TOC経過時点における,キャパシタの端子間電圧(V) 

図4−電圧保持率試験でのキャパシタの端子間電圧の時間特性 

4.3 

算出 

4.3.1 

静電容量及び放電電力量の算出 

静電容量及び放電電力量は,次のa) に規定するエネルギー換算法を用いて算出する。受渡当事者間の

合意がある場合,次のb) に規定する簡易法を用いることができる。 

a) エネルギー換算法による静電容量及び放電電力量の算出 静電容量CXは,式(2)を用いて算出する。

このとき,放電電力量Wは,式(3)によって算出した値とする(図2参照)。 

2

L

2

0

X

2

U

U

W

C

=

 ·········································································· (2) 

=

++

=

1

0

1

)

(

200

n

k

k

k

V

V

I

W

 ································································· (3) 

ここに, 

CX: キャパシタの静電容量(F) 

W: 放電開始サンプリング点k=0から,放電終了サンプリング

点k=n−1までの,全てのサンプリング点に対する電力の時
間積分値で,式(3)によって算出した放電電力量(J) 

Vk: サンプリング点kでの測定電圧(V) 

U0: 放電時瞬時降下電圧(V) 

UL: 定格下限電圧(V) 

I: 放電電流(A) 

放電電力量をW・h(ワット時)で表す場合は,Wを3 600で除して算出する。 

b) 簡易法による静電容量及び放電電力量の算出 静電容量CXは,式(4)によって算出する。このとき,

放電電力量Wは,式(5)によって算出した値とする(図2参照)。 

)

(

10

)

(

L

0

0

L

X

U

U

T

T

I

C

=

 ······································································· (4) 

2

)

(

2

L

2

0

x

U

U

C

W

=

····································································· (5) 

ここに, 

CX: キャパシタの静電容量(F) 

Time (s) 

UR 

UL 

TCV 

TOC 

時間 

Uend 

C 62813:2016 (IEC 62813:2015) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

TL: 定格下限電圧到達時点(s) 

T0: 放電開始時点(s) 

I: 放電電流(A) 

U0: 放電時瞬時降下電圧(V) 

UL: 定格下限電圧(V) 

W: キャパシタの放電電力量(J) 

放電電力量をW・h(ワット時)で表す場合は,Wを3 600で除して算出する。 

4.3.2 

内部抵抗の算出 

内部抵抗RXは,式(6)によって算出する(図2参照)。 

I

U

U

R

0

R

X

=

 ············································································ (6) 

ここに, 

RX: キャパシタの内部抵抗(Ω) 

UR: 定格電圧(V) 

U0: 放電時瞬時降下電圧(V) 

I: 放電電流(A) 

4.3.3 

電圧保持率の算出 

電圧保持率Aは,式(7)によって算出する(図4参照)。 

100

R

end×

=U

U

A

 ··········································································· (7) 

ここに, 

A: キャパシタの電圧保持率(%) 

Uend: TOC経過時点における,キャパシタの端子間電圧(V) 

UR: 定格電圧(V) 

10 

C 62813:2016 (IEC 62813:2015) 

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附属書A 

(参考) 

耐久性(高温連続定格電圧印加)試験 

A.1 一般事項 

この附属書は,3.2に規定する定格電圧を設定する根拠となる耐久性(高温連続定格電圧印加)試験につ

いて,記載する。 

A.2 試験手順 

A.2.1 試験条件 

個別規格に規定がない場合,耐久性試験の試験条件は,次によることが望ましい。 

− 試験温度:カテゴリ上限温度 

− 印加電圧:定格電圧 

− 試験時間:1 000時間 

A.2.2 試験手順 

耐久性試験の試験手順は,次によることが望ましい。 

a) 初期測定 4.2.1に規定する測定手順,並びに4.3.1及び4.3.2に規定する方法によって,静電容量及び

内部抵抗を算出する。 

b) 試験 キャパシタをカテゴリ上限温度の槽に入れ,式(1)によって算出した電流で定格電圧まで充電後,

定格電圧を規定する試験時間印加する。 

c) 最終測定 a)で記載する方法によって,静電容量及び内部抵抗を算出した後,初期値と比較し,変化

率を求める。 

A.2.3 判定基準 

受渡当事者間の協定がない場合には,規定する試験時間後の電気的特性は,次の式で求める静電容量変

化率ΔC及び内部抵抗変化率ΔRの値を満足することが望ましい。 

100

i

i

f

×

=

C

C

C

C

≦20 % 

ここに, 

ΔC: 静電容量変化率 

Ci: 試験前の静電容量(F) 

Cf: 試験後の静電容量(F) 

100

i

i

f

×

=

R

R

R

R

≦50 % 

ここに, 

ΔR: 内部抵抗変化率 

Ri: 試験前の内部抵抗(Ω) 

Rf: 試験後の内部抵抗(Ω) 

11 

C 62813:2016 (IEC 62813:2015) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B 

(参考) 

測定の誤差伝ぱ(播)に基づいた測定電流の算出 

B.1 

一般事項 

この附属書は,放電電流波形によって算出する内部抵抗値の誤差が±3 %と推定できる4.2.1.2の式(1)に

規定する測定電流の算出について記載する。  

B.2 

測定の誤差伝ぱ(播)及び測定電流について 

内部抵抗Rは,式(B.1)によって算出できる。 

(

)

I

U

U

R

0

R−

=

 ········································································ (B.1) 

ここに, R: 

内部抵抗(Ω) 

UR: 

定格電圧(V) 

U0: 

放電時瞬時降下電圧(V) 

I: 

放電電流(A) 

誤差伝ぱ(播)の式から,Rの相対誤差は,式(B.2)の関係になる。 

2

2

0

R

2

0

2

R

2

)

(

+

+

=

I

I

U

U

U

U

R

R

δ

δ

δ

δ

 ···················································· (B.2) 

ここに, 

R: 内部抵抗(Ω) 

δR: 内部抵抗の誤差(Ω) 

UR: 定格電圧(V) 

δUR: 充電電圧の誤差(V) 

U0: 放電時瞬時降下電圧(V) 

δU0: 放電時瞬時降下電圧の誤差(V) 

I: 放電電流(A) 

δI: 放電電流の誤差(A) 

ここで,式(B.2)のδI/Iの項は一般に十分小さいため無視できる。各サンプリング点において,時間tiを

説明変数とし,それに対応する各電圧測定値を確率変数とする場合,最小二乗法の誤差伝ぱ(播)式によ

って式(B.3)が得られる。 

∑−

=

2

i

2

i

2

i

0

)

(

t

t

N

t

U

U

δ

δ

 ····················································· (B.3) 

ここに, 

δU0: 放電時瞬時降下電圧の誤差(V) 

δU: 各サンプリング点における電圧測定誤差(V) 

N: サンプリング数 

ti: 各サンプリング時間(s) 

δURはδUと等しいものとした。 

サンプリング間隔がΔtの場合,tiに関して式(B.4)が成り立つ。 

t

i

t

T

t

+

=

)

(1

i

 ····································································· (B.4) 

ここに, 

ti: 各サンプリング時間(s) 

T1: 算出開始時点:CNRN(s)の値の時点 

Δt: サンプリング間隔(s) 

i: 各サンプリング回数 

background image

12 

C 62813:2016 (IEC 62813:2015) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

これを式(B.3)に代入して,式(B.5)になる。 

2

1

2

0

1

2

)1

(

3

1

+

+

=

N

t

T

N

N

N

U

U

δ

δ

 ······································· (B.5) 

ここに, 

δU0: 放電時瞬時降下電圧の誤差(V) 

δU: 各サンプリング点における電圧測定誤差(V) 

N: サンプリング数 

ti: 各サンプリング時間(s) 

Δt: サンプリング間隔(s) 

式(B.5)を式(B.2)に代入し,内部抵抗の相対誤差δR/Rが±3 %に収まる条件によって,式(B.6)が得られる。 

式(1)は,サンプリング間隔Δtを0.1秒間,電圧の測定精度δUを1 mVとする場合,式(B.6)及び式(B.7)

を用いて得られる。 

2

1

2

1

Δ

2

1)

(

3

1

1

0.03

+

+

+

=

N

t

T

N

N

N

R

δU

I

 ··································· (B.6) 

1

)

(

1

2

+

=

t

T

T

N

 ······································································ (B.7) 

ここに, 

δU: 各サンプリング点における電圧測定誤差(V) 

R: 内部抵抗(Ω) 

N: サンプリング数 

T1: 算出開始時点:CNRN(s)の値の時点 

T2: 算出終了時点:2CNRN(s)の値の時点 

Δt: サンプリング間隔(s) 

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13 

C 62813:2016 (IEC 62813:2015) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書C 
(参考) 

公称内部抵抗が不明確な場合の測定電流の設定手順 

C.1 一般事項 

この附属書は,公称内部抵抗が不明確なキャパシタに対する,附属書Bで記載する測定電流の設定手順

について記載する。 

C.2 測定電流の設定 

キャパシタの公称内部抵抗が不明確な場合,測定電流は次の手順で設定できる(図C.1参照)。 

a) 予測した内部抵抗(Rest)を用いて,4.2.1によってキャパシタの端子間電圧の時間変化を測定し,4.3.2

によって内部抵抗を算出する。 

b) a) によって算出した内部抵抗(Rres)を新たな予測値に用いて,a) の手順を繰り返す。 

c) RestとRresとの差が10 %以下になるまで,b) の手順を繰り返す。ただし,放電時瞬時降下電圧U0が定

格下限電圧UL以下になった場合は,測定電流を小さくして再度a)〜c) の手順を行う。Rresが負の値を

示す場合は,測定電流を大きくして再度a)〜c) の手順を行う。 

図C.1−キャパシタの測定電流を求めるための手順のフローチャート 

Restから算出した測定電流で 

内部抵抗を算出(Rres) 

U0>UL 及び 

Rres>0 

終了 

Rest=Rresとする。 

いいえ 

いいえ 

はい 

はい 

0.1

res

res

est

R

R

R−

開始 

内部抵抗を予測(Rest) 

14 

C 62813:2016 (IEC 62813:2015) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

参考文献  

IEC 62391-1:2006,Fixed electric double-layer capacitors for use in electronic equipment−Part 1: Generic 

specification 

IEC 62576:2009,Electric double-layer capacitors for use in hybrid electric vehicles−Test methods for 

electrical characteristics