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C 60695-2-10:2015 (IEC 60695-2-10:2013) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 試験装置の仕様 ················································································································ 3 

4.1 グローワイヤ ················································································································ 3 

4.2 試験回路及び接続端子 ···································································································· 3 

4.3 温度測定システム ·········································································································· 4 

4.4 指定の敷物 ··················································································································· 4 

4.5 試験チャンバ ················································································································ 4 

4.6 時間計測器 ··················································································································· 4 

5 装置の確認 ······················································································································ 4 

5.1 グローワイヤ先端の確認 ································································································· 4 

5.2 温度測定システムの確認 ································································································· 5 

6 状態調節························································································································· 5 

7 一般試験手順 ··················································································································· 5 

7.1 試験片の保持 ················································································································ 5 

7.2 グローワイヤ温度 ·········································································································· 5 

7.3 グローワイヤの押付け ···································································································· 6 

附属書A(参考)機器製造業者及びサプライヤー ······································································ 11 

附属書B(参考)着火及び燃焼の判定に関する指針 ···································································· 12 

附属書C(参考)加熱電流値を用いるグローワイヤ温度測定システムの確認手順に関する指針 ··········· 14 

C 60695-2-10:2015 (IEC 60695-2-10:2013) 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人日本

電子部品信頼性センター(RCJ)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本

工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本

工業規格である。これによって,JIS C 60695-2-10:2004は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS C 60695-2の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS C 60695-2-3 ヒータによる不完全接続耐火性試験方法 

JIS C 60695-2-4-0 拡散炎及び予混炎試験方法 

JIS C 60695-2-10 第2-10部:グローワイヤ/ホットワイヤ試験方法−グローワイヤ試験装置及び一

般試験方法 

JIS C 60695-2-11 最終製品に対するグローワイヤ燃焼性試験方法 

JIS C 60695-2-12 第2-12部:グローワイヤ/ホットワイヤ試験方法−材料に対するグローワイヤ燃

焼性指数(GWFI) 

JIS C 60695-2-13 第2-13部:グローワイヤ/ホットワイヤ試験方法−材料に対するグローワイヤ着

火温度指数(GWIT) 

JIC C 60695-2-20 グローイング/ホットワイヤ試験法:ホットワイヤ巻付け線による材料の着火性試

験 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C 60695-2-10:2015 

(IEC 60695-2-10:2013) 

耐火性試験−電気・電子−第2-10部: 

グローワイヤ/ホットワイヤ試験方法− 
グローワイヤ試験装置及び一般試験方法 

Fire hazard testing-Part 2-10: Glowing/hot-wire based test methods- 

Glow-wire apparatus and common test procedure 

序文 

この規格は,2013年に第2版として発行されたIEC 60695-2-10を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

適用範囲 

この規格は,シミュレーション技術を用いて短時間で火災危険性を評価するために,例えば,赤熱素子,

過負荷抵抗などの熱源による熱ストレスの影響をシミュレートするためのグローワイヤ試験装置及び一般

試験方法について規定する。 

この規格は,着火源として規格化された電気的加熱ワイヤを用いる小規模な試験を意図した共通的な試

験方法を規定する。 

この規格が規定する試験方法は,電気機器,そのサブアセンブリ及び部品に適用でき,また,固体絶縁

材料又はその他の固体可燃性材料にも適用できる。 

試験方法の詳細は,関連規格であるJIS C 60695-2-11,JIS C 60695-2-12及びJIS C 60695-2-13による。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 60695-2-10:2013,Fire hazard testing−Part 2-10: Glowing/hot-wire based test methods−

Glow-wire apparatus and common test procedure(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ

とを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 1602 熱電対 

注記1 対応国際規格:IEC 60584-1,Thermocouples−Part 1: EMF specifications and tolerances(MOD) 

注記2 (対応国際規格に記載のあるIEC 60584-2は,IEC 60584-1に統合された。) 

JIS C 60695-2-11 耐火性試験−電気・電子−最終製品に対するグローワイヤ燃焼性試験方法 

C 60695-2-10:2015 (IEC 60695-2-10:2013) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注記 対応国際規格:IEC 60695-2-11,Fire hazard testing−Part 2-11: Glowing/hot-wire based test 

methods−Glow-wire flammability test method for end-products(IDT) 

JIS C 60695-2-12 耐火性試験−電気・電子−第2-12部:グローワイヤ/ホットワイヤ試験方法−材

料に対するグローワイヤ燃焼性指数(GWFI) 

注記 対応国際規格:IEC 60695-2-12,Fire hazard testing−Part 2-12: Glowing/hot-wire based test 

methods−Glow-wire flammability index (GWFI) test method for materials(IDT) 

JIS C 60695-2-13 耐火性試験−電気・電子−第2-13部:グローワイヤ/ホットワイヤ試験方法−材

料に対するグローワイヤ着火温度指数(GWIT) 

注記 対応国際規格:IEC 60695-2-13,Fire hazard testing−Part 2-13: Glowing/hot-wire based test 

methods−Glow-wire ignition temperature (GWIT) test method for materials(IDT) 

JIS C 60695-4 耐火性試験−電気・電子−第4部−電気・電子製品のための耐火性試験用語 

注記 対応国際規格で引用するISO 13943:2008,Fire safety−Vocabularyは,対応JISが制定されて

いないが,この規格での引用事項は,JIS C 60695-4の規定事項と同等である。 

JIS P 0001 紙・板紙及びパルプ用語 

注記 対応国際規格:ISO 4046-4:2002,Paper, board, pulps and related terms−Vocabulary−Part 4: Paper 

and board grades and converted products(MOD) 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 60695-4によるほか,次による。 

3.1 

燃焼(combustible) 

物質と酸化剤との発熱反応。 

注記 燃焼は,一般に火炎及び/又は赤熱を伴って,燃焼放出物を発生する。 

3.2 

ドラフトフリー環境(draught-free environment) 

試験時の気流速度が,試験結果に影響を与えない環境。 

注記 次の例が該当する。 

− 定性的には,ろうそくの火炎が乱れない環境 

− 定量的には,気流速度を0.1 m/s又は0.2 m/s以下と規定する火炎試験の環境 

3.3 

火災危険性(fire hazard) 

火災による傷害若しくは生命の喪失及び/又は財産の損傷が生じる可能性。 

3.4 

火炎試験(fire test) 

火災の挙動を測定する試験,又は対象物を火にさらす試験。 

注記 火炎試験の結果は,試験片の耐火性若しくは火に対する反応の決定,又は火災過酷性の定量化

に用いることができる。 

3.5 

火炎(flame) 

通常は光の放射を伴う,気相における急速,持続的かつ亜音速の燃焼。 

C 60695-2-10:2015 (IEC 60695-2-10:2013) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.6 

有炎燃焼性(flammability) 

規定する試験条件の下で,火炎を伴って材料又は製品が燃える能力。 

3.7 

着火(ignition) 

燃焼が開始すること。 

3.8 

試験温度(test temperature) 

試験時のグローワイヤ先端の温度。 

試験装置の仕様 

4.1 

グローワイヤ 

グローワイヤは,ニッケル77 %超かつクロム(20±1)%のニッケル・クロム線で形成しており,全体

にわたる曲げ加工前の直径が4 mm±0.07 mmとする。ループ状のグローワイヤの寸法は,図1による。 

新品のグローワイヤは,試験に用いる前に,120 A以上の電流で計10時間以上焼きなましをする。その

時間は,累積によって得てもよい。焼きなましによる損傷を避けるため,熱電対は,焼きなまし中には設

置しない。焼きなまし終了時,熱電対の穴の深さを確認する。 

注記1 焼きなましをしていない新品のグローワイヤの温度は,電流を流し始めた最初の数時間に

徐々に低下する。一定期間経過後,温度は安定する。 

試験装置は,グローワイヤを水平面に維持できなければならない。試験片にグローワイヤを押し付けて

いる間,0.95 N±0.10 Nの力が加えられるようにする。グローワイヤ又は試験片のいずれか一方を他方に

向かって水平に移動させたときに,この力を維持できなければならない。グローワイヤ先端の試験片への

侵入深さ又は貫通距離は,7 mm±0.5 mmとする。 

試験装置は,試験片から落下する燃焼又は赤熱している小片が,4.4に規定する敷物の上に妨害なく落ち

るように調整する。 

試験装置の代表例を,図3のa)及びb)に示す。 

注記2 図3 b)に示す試験装置は,質量が重い及び/又は不規則な形状の試験片を試験する場合に有

用である。 

4.2 

試験回路及び接続端子 

グローワイヤは,図2に示す電気回路で加熱する。この回路にはフィードバック機構を設けず,温度の

保持回路も組み込まない。グローワイヤ試験装置への電源供給は,電源電圧(実効値)を±2 %に安定さ

せる。 

試験回路は,最大誤差1.0 %の実効値を示す電流計測装置を設置する。 

大電流を流すため,グローワイヤの全ての接続端子は,基本的に試験に影響しない程度の電流容量があ

り,長時間にわたって回路が安定化するようにする。試験に必要な安定で損失の少ない電流を保持するた

めに,グローワイヤを支柱に取り付ける接続部分は,十分な接触面積(一般的にそれぞれの端から60 mm2

以上)を必要とする。グローワイヤと支柱との接続はしっかりねじ止めするか,又はグローワイヤと支柱

間との間を溶接若しくはろう(蝋)付けする。 

注記 例えば,グローワイヤ先端を960 ℃に加熱するために必要な電流は,一般に120 A〜150 Aで

ある。 

C 60695-2-10:2015 (IEC 60695-2-10:2013) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.3 

温度測定システム 

グローワイヤ先端の温度は,絶縁した接点をもつ,クラス1(JIS C 1602参照)の無機絶縁で金属被覆

の熱電対によって測定する。熱電対は,全体にわたる公称径が1.0 mmとする。熱電対は温度960 ℃まで

の連続使用に耐えるもの[例えば,種類K(JIS C 1602参照)]とする。 

溶接点はシースの内側で,実用できる範囲で最も先端近くの位置とする。熱電対のシースは,1 050 ℃

以上の温度による連続使用に耐える金属で構成する。 

注記 ニッケルベースの耐熱合金でできた金属シースは,この細分箇条の要求事項に適合している。 

グローワイヤへの熱電対の挿入について,図1のZ部の拡大図に示す。 

熱電対は,図1のZ部の拡大図に示すように,グローワイヤ先端の裏にあけた穴にしっかり密着させて

取り付ける。あけた穴は,試験中の汚染物の侵入を減らすために,挿入する熱電対を収容できる最も小さ

い直径とする。熱電対先端と穴の最深部との熱的接触を維持する。取付けに当たっては,加熱によって生

じるグローワイヤ先端の寸法変化に,熱電対が追従できるように十分に注意する。 

熱電対の電圧の測定装置は,基準接点内蔵形のデジタル式温度計でもよい。 

その他の温度測定装置も使用できるが,疑義のあるときには,熱電対を用いる。 

4.4 

指定の敷物 

試験片から落下する燃焼又は赤熱している小片などによる火の広がりの可能性を調べるために,指定の

敷物を試験片の下方に置く。 

特に指定がない場合は,グローワイヤが試験片に接触している位置から下方200 mm±5 mmの距離に置

いた,木板(平滑で最小厚さ10 mm)に包装用ティシュ1枚を密着させて置く[図3のa)及びb)参照]。 

包装用ティシュ(JIS P 0001の6228参照)は,単位面積質量12 g/m2〜30 g/m2の柔らかくて強く,かつ,

軽いものを用いる。 

4.5 

試験チャンバ 

試験チャンバは,次のような十分な容積をもち,ドラフトフリー環境の下で用いる。 

− 試験中の酸素消費量が試験結果に重大な影響を及ぼさない。 

− 試験片が全ての壁面から100 mm以上離れている。 

注記1 容積が0.5 m3以上のチャンバは,試験のために十分な容積と考える。 

試験位置において,グローワイヤに通電しない状態で,試験片に当たる周囲の光の照度を20 lx以下に

する。 

注記2 チャンバ内を濃い色にした場合,20 lx以下の十分な暗さが得られる。 

各試験後,試験箇所は消費された酸素を入れ替えるために排気する。 

4.6 

時間計測器 

時間計測器は,0.2秒以下の分解能をもたなくてはならない。 

装置の確認 

5.1 

グローワイヤ先端の確認 

一連の試験の前に,図1のZ部の拡大図に示す寸法Aを測定し記録して,グローワイヤ先端を確認する。

グローワイヤの寸法Aが,最初の寸法から97.5 %以下に減少していた場合,グローワイヤを交換する。 

試験の終了後,グローワイヤ先端を洗浄する。必要に応じて,ワイヤブラシなどを用いて,前の試験材

料の残さ(渣)を取り除き,グローワイヤ先端に亀裂がないか確認する。損傷を与えることなく先端を洗

浄できない場合[例えば,ガラス繊維の融解した残さ(渣)がある場合],グローワイヤを交換する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.2 

温度測定システムの確認 

4.3に規定する温度測定システムは,次に示す手順で定期的に確認する。 

グローワイヤの温度の1点を確認するために,純度99.8 %以上,面積約2 mm2,厚さ約0.06 mmの銀ぱ

く(箔)をグローワイヤ先端の表面に置いて行う。グローワイヤは,最初に銀ぱく(箔)の融点よりも少

し低い温度で安定化させる。その後,融点が正確に観察できるように,グローワイヤの温度をゆっくりと

した加熱速度で上げる。銀ぱく(箔)が溶け始めたとき,温度計の読みは960 ℃±10 ℃でなければなら

ない。合金化を抑えるため,この確認プロセスの後,グローワイヤがまだ熱いうちに,銀ぱく(箔)の残

りを取り除く。判定に疑義のある場合には,定期的な確認のほかに,その都度この確認を行う。 

注記 附属書Cは,グローワイヤを加熱させるための電流(以下,加熱電流という。)とグローワイ

ヤ温度との関係を明示することによって,グローワイヤ温度測定システムの1点を確認する手

順を補足するための指針を提供している。試験温度を設定するときの助けとするため,温度測

定システムの確認後,直ちに,加熱電流とグローワイヤ温度との関係を示す温度−電流の相関

グラフを作成することが有用である。このグラフは,温度−電流の関係が一貫していることを

確認するときに参照できる。温度に対する電流値が,相関グラフ上の電流値に対し2 %を逸脱

する場合,装置に何らかの変化が起こっていることを示している。この状況は,試験装置の確

認及び再校正の必要性を示唆している。 

状態調節 

試験前に,木板及び包装用ティシュを温度15 ℃〜35 ℃,相対湿度45 %〜75 %の雰囲気に24時間以上

保管する。 

一般試験手順 

警告 試験実施者の健康を守るため,次の事項に対して予防措置を講じる。 

− 爆発,燃焼又は火災の危険 

− 火傷及び感電の危険 

− 煙及び/又は毒性生成物の吸入 

− 毒性残留物による危険 

注記 (対応国際規格の7.2の注意事項は,箇条7全体に深く関わることから,移動した。) 

7.1 

試験片の保持 

試験片は,次の事項を考慮して保持又は固定する。 

a) 支持又は固定方法による熱損失の影響を少なくする(図4参照)。 

b) グローワイヤを押し付ける試験片表面の平面部分は,垂直にする。 

c) グローワイヤ先端は,試験片表面の平面部分の中央に押し付ける。 

一連の試験の前に,グローワイヤを押し付ける力は,適切な装置で確認する。また,全軌道に沿って運

台が自由に移動することを確認する。 

7.2 

グローワイヤ温度 

グローワイヤは,規定する温度になるように加熱し,温度は,5.2で確認した温度測定システムで測定す

る。グローワイヤ先端を試験片に押し付ける前に,次の事項を確実にする。 

a) グローワイヤの温度が60秒間以上,規定する温度に対して5 K以内で一定である。 

b) グローワイヤにあけた熱電対の穴が汚れていない。また,グローワイヤと熱電対とが適切に接触して

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

いる。適切な接触は,グローワイヤにあけた穴の最深部に熱電対を優しく押し込むことで達成する。 

c) 試験片に熱放射の影響がないように,試験片とグローワイヤとの間の距離を5.0 cm以上離すか,又は

適切な遮蔽物を用いる。 

d) 試験が完了するまで,加熱電流の追加調整は行わない。 

7.3 

グローワイヤの押付け 

グローワイヤ先端は,試験片と接触させ,30秒±1秒間維持する。グローワイヤを試験片に接近させる

ときの速度及び試験片から引き離す速度は,約10 mm/s〜25 mm/sが望ましい。ただし,グローワイヤを押

し付ける場合,試験片に接触する寸前に速度をゼロに近づけて,衝撃力が1.05 Nを超えないようにする。

試験片が溶けてグローワイヤから離れてしまう場合は,離れたまま試験を継続する。規定する押付け時間

の後,試験結果に影響を与えるような,試験片への追加加熱及び空気の動きがないようにして,グローワ

イヤと試験片とをゆっくりと引き離す。グローワイヤ先端の試験片への侵入深さ又は貫通距離は,7 mm±

0.5 mmを限度とする。 

注記 JIS C 60695-2-11,JIS C 60695-2-12及びJIS C 60695-2-13に従って実施する試験中に,観察す

る着火及び燃焼の指針は,附属書Bに記載がある。 

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C 60695-2-10:2015 (IEC 60695-2-10:2013) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 mm 

 グローワイヤ材:ニッケル77 %超かつクロム(20±1)%のニッケル・クロム 

直径:4.0 mm±0.07 mm(曲げ加工前) 
直径A:5.1参照(曲げ加工後) 
グローワイヤをループ状に曲げるとき,先端に微細な亀裂ができないように注意する。 

注記 焼きなまし処理は,先端に微細な亀裂ができないようにするための適切な方法である。 

主要箇所 

1 グローワイヤ 
2 熱電対 
3 支柱 
 

図1−グローワイヤ及び熱電対の配置 

図2−試験回路 

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C 60695-2-10:2015 (IEC 60695-2-10:2013) 

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主要箇所 

試験片保持具(図4参照) 

 8 

侵入深さ調節用目盛板 

運台 

 9 

グローワイヤ 

引きひも 

10 

試験片から落下する小片用基台開口部 

基台 

11 

グローワイヤ取付け支柱 

おもり 

12 

低摩擦ローラ 

ストッパ 

13 

規定の敷物 

火炎高さ測定用目盛板 

a) 試験装置−グローワイヤ固定,試験片移動(例) 

図3−試験装置の例 

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C 60695-2-10:2015 (IEC 60695-2-10:2013) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

主要箇所 

試験片保持具(図4参照) 

 8 

侵入深さ調節用目盛板 

高さ調節ねじ 

 9 

グローワイヤ 

引きひも 

10 

制止ピン 

基台 

11 

グローワイヤ取付け支柱 

おもり 

12 

低摩擦ローラ 

ストッパ 

13 

規定の敷物 

火炎高さ測定用目盛板 

b) 試験装置−グローワイヤ移動,試験片固定(例) 

図3−試験装置の例(続き) 

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10 

C 60695-2-10:2015 (IEC 60695-2-10:2013) 

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注記1 上に示す保持具は,熱損失の影響を少なくするためのものである。 
注記2 例示に過ぎないため,各寸法及びその許容差は示していない。 

図4−試験片保持具[例−図3のa)及びb)参照] 

11 

C 60695-2-10:2015 (IEC 60695-2-10:2013) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(参考) 

機器製造業者及びサプライヤー 

(対応国際規格の附属書Aは,不採用とした。) 

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12 

C 60695-2-10:2015 (IEC 60695-2-10:2013) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B 

(参考) 

着火及び燃焼の判定に関する指針 

JIS C 60695-2-11,JIS C 60695-2-12及びJIS C 60695-2-13によって実施する試験中,次の判定を着火及

び燃焼の識別に用いることができる。 

a) 図B.1に示す試験片に接する火炎の発生は,明確な着火と判定することができる。材料によっては明

るく光る火炎の代わりに,青色の火炎を示すこともある。 

b) 図B.2に示すように,グローワイヤ先端付近に円形コロナが観察されることがある。この円形コロナ

は青色に発光するイオン化したガスで,グローワイヤの直近に発生する。この現象は,a)の着火に至

らない限り試験片の着火とはみなさない。 

c) 図B.3に示すように,グローワイヤ周辺でイオン化したガスが発光することがある。この現象は,a)

の着火に至らない限り試験片の着火とはみなさない。 

図B.1−試験片が着火と判定する例(明るく光る火炎がある場合) 

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13 

C 60695-2-10:2015 (IEC 60695-2-10:2013) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図B.2−試験片が着火していないと判定する例(グローワイヤ先端に円形コロナがある場合) 

図B.3−試験片が着火していないと判定する例 

(グローワイヤ周辺にイオン化したガスによる青色の発光がある場合) 

14 

C 60695-2-10:2015 (IEC 60695-2-10:2013) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書C 
(参考) 

加熱電流値を用いるグローワイヤ温度測定システムの 

確認手順に関する指針 

C.1 目的 

5.2に規定するグローワイヤ温度測定システムは,使用前の状態確認として,銀ぱく(箔)の融点の1

点を測定し,その結果をそれ以外の温度確認を代表するものと仮定する。 

この附属書は,銀ぱく(箔)によるグローワイヤ温度の1点を確認する手順を補足する目的として,加

熱電流値とグローワイヤ温度との関係を確認することによって,JIS C 60695-2-11,JIS C 60695-2-12及び

JIS C 60695-2-13で用いる試験温度全域での実際的な温度確認手順を提供する。 

C.2 準備 

加熱電流値とグローワイヤ温度との関係を確認する前に,次の事項を実施することが望ましい。 

a) グローワイヤを焼きなましする(4.1参照)。 

b) グローワイヤ試験装置への供給電源の電圧が安定している(4.2参照)。 

c) グローワイヤと支柱とを十分に接続する。不十分な接続は,接続部分の温度上昇又は電気的損失の原

因となり,試験に悪影響を与え,長時間の使用によって回路の安定性を損なう場合がある(4.2参照)。 

d) グローワイヤと熱電対とを十分に接触させる。グローワイヤの加熱による寸法変化が接触に影響する

場合があるので留意する(4.3参照)。 

e) グローワイヤの損傷の有無を確認する。必要に応じ,グローワイヤ先端及び熱電対の穴の汚れを清掃

する(5.1参照)。 

f) 

グローワイヤの寸法を確認する(5.1参照)。 

C.3 確認手順 

C.3.1 観察及び測定 

5.2に規定するグローワイヤ温度の1点を確認した直後に,グローワイヤを960 ℃に加熱する。60秒間

以上960 ℃±5 ℃に安定した後,加熱電流値及び表示温度を記録する。同様に,900 ℃までは30 ℃間隔,

500 ℃までは25 ℃間隔で,順に温度を下げ,各温度における加熱電流値及び表示温度の記録を繰り返す。 

注記 C.2 d)に示すとおり,加熱によるグローワイヤ先端の寸法変化が熱電対とグローワイヤとの接

触に影響する場合,温度調整は7.2 b)に従って接触状態を確認することが望ましい。 

C.3.2 相関グラフの作成 

加熱電流値及びこれに対応する温度を図C.1に示すとおりグラフにする。得られた相関グラフから読み

取った加熱電流値を,JIS C 60695-2-11,JIS C 60695-2-12及びJIS C 60695-2-13に規定する試験のグロー

ワイヤ温度の設定に用いる。 

C.3.3 相関グラフの更新頻度 

相関グラフは,あるグローワイヤ試験温度において相関グラフから読み取った加熱電流値と,実際のグ

ローワイヤ試験温度において試験装置に表示される加熱電流値との差が2 %以内にある場合は,継続して

用いることができる。差が2 %よりも大きい場合,又はグローワイヤを取り換える場合は,C.2によって

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15 

C 60695-2-10:2015 (IEC 60695-2-10:2013) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

グローワイヤの状態確認を実施した後,C.3.1及びC.3.2によって相関グラフを更新する。 

 表示している値は例であり,実際の値はグローワイヤ試験装置によって異なる。 

図C.1−加熱電流値とグローワイヤ温度との相関グラフの例