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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C 0023-1989 

環境試験方法(電気・電子) 

塩水噴霧試験方法 

Basic Environmental Testing Procedures  

Part 2 : Tests−Test Ka : Salt mist 

1. 適用範囲及び目的 この規格は,類似した構造の部品,機器又はその他の製品(以下,供試品という。)

の塩水噴霧に対する耐劣化性の比較試験の方法について規定する。 

なお,この試験方法は,保護被膜の品質と均一性を調べることを目的とする。 

参考 この規格は,IEC 68-2-11 Basic environmental testing procedures. Part 2 : Tests. Test Ka : Salt mist 

(1981) を翻訳したものである。 

引用規格: 

JIS C 0010 環境試験方法(電気・電子)通則 

JIS C 0024 環境試験方法(電気・電子)塩水噴霧(サイクル)試験方法 

対応国際規格: 

IEC 68-2-11 Basic environmental testing procedures. Part2 : Tests. Test Ka : Salt mist 

関連規格 JIS Z 2371 塩水噴霧試験方法 

2. 一般 試験の適用又は適用の検討に際して,次の事項を考慮しなければならない。 

(1) この試験は,一般の塩腐食試験には適合しない。 

(2) 塩分を含む大気中で使用する目的の個々の供試品の判定にも適さない。 

したがって,装置と構成部品に対しては,より現実的な条件及び個々の判定方法を規定しているJIS C 

0024[環境試験方法(電気・電子)塩水噴霧(サイクル)試験方法]が適切なものと考えられる。ただし,

製品規格に認証目的でこの試験方法を適用する必要がある場合は,個々の供試品は機器全体か又は装置の

一部に何らかの保護ケース,保護カバー,保護シールドなどで保護されて使用されることを条件として試

験することが望ましい。 

3. 試験装置 

3.1 

試験槽 試験槽は,塩水噴霧の腐食力に影響を与えないような材料で作られており,試験槽の詳細

な構造及び塩水噴霧の発生方法は,次の条件を満足しなければならない。 

(1) 槽内の条件は,この規格に規定の4.及び7.を満足していること。 

(2) 槽内の条件は,乱気流による影響が少なく一定で,かつ,一様な条件が得られ,また,槽は供試品に

よって槽内条件が影響されない十分な内容積のものとする。 

(3) 試験中は,塩水噴霧が直接供試品にかからないこと。 

C 0023-1989  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(4) 槽内の天井,壁又は他の部分にたまった滴が,供試品に落ちないこと。 

(5) 試験槽は,内圧が上がらないように,また,塩水噴霧の一様な分布が得られるように適切な通気孔を

もち,その排気の終端は,槽内に強い気流を生じるような突風から保護されていること。 

3.2 

噴霧装置 噴霧装置は,微細な湿った濃い霧を均一に発生できる構造とし,塩溶液に反応しない材

料で作る。 

4. 塩水噴霧 

4.1 

塩溶液 

4.1.1 

塩溶液濃度 試験に使用する塩は,良質の塩化ナトリウム (NaCl) とし,乾燥状態で不純物は全体

の質量比で0.3%未満,よう化ナトリウムは質量比で0.1%未満のものとする。 

塩溶液濃度は,5±1%質量比とする。 

塩溶液は,質量比で蒸留水又は脱塩水95に対し塩5±1の割合で溶解して作る。 

4.1.2 

pH値 塩溶液のpH値は,温水35±2℃で6.5〜7.2とし,試験の間この範囲に保持する。このため

に希釈塩酸又はかせいソーダを用いてpH値を調整してもよい。ただし,塩水の濃度は調整した場合も規

定の5±1%質量比とする。 

なお,pH値は,新しい塩溶液ごとに測定する。 

4.1.3 

噴霧した塩溶液の再使用 噴霧した塩溶液は,再使用してはならない。 

4.2 

空気の供給 噴霧装置に供給する圧縮空気には,油やほこりなどの不純物があってはならない。 

試験条件を満足させるには,圧縮空気を加湿及び加熱することが必要である。空気圧は,使用する噴霧

装置が微細な濃い霧を発生するのに適切な値とする。 

塩の付着によって噴霧装置が詰まらないように,また,空気をノズルの放出部で85%以上の相対湿度と

するために,自動的に一定の深さで温水を満たす容器の中に,空気を微細な気泡にして通す方法がある。

この場合の水温は,35℃以上とする。 

空気の流量の増加,また,試験槽及び試験槽周囲の熱絶縁の低下に伴って水温の上昇が許される。 

水温は,試験槽内に過剰の水蒸気を送り込んだり,試験槽の温度が規定値を超えるような温度としては

ならない。 

5. 初期測定 製品規格の規定に基づき,供試品の外観を目視によって調べ,電気的測定及び機械的点検

を行う。 

6. 前処理 製品規格には,試験直前に適用する洗浄方法を規定し,例えば油のような一時的な保護皮膜

を除去するかどうかを規定する。 

備考 洗浄方法は,供試品に対する塩水噴霧の効果を阻害しないようにし,また,いかなる二次的腐

食の発生もないようにする。試験前の供試品表面には,できるだけ手を触れてはならない。 

7. 試験 

7.1 

供試品の取付状態 供試品は,製品規格に従って正規の取付状態で試験する。そのため,供試品を

取付状態ごとのロットに分け,それぞれについて試験する。 

供試品は,相互に又は他の金属部分と接触させないようにし,また,他の供試品に影響がないように配

置する。 

C 0023-1989  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

備考 試験槽内の供試品の取付状態(垂直面に対する供試品表面の傾斜)は,供試品の形状によって

は,取付状態が少し相違しても試験結果が非常に相違する場合があるので,十分注意しなけれ

ばならない。 

7.2 

試験槽の温度 試験槽の温度を,35±2℃に保持する。 

7.3 

塩水噴霧の条件 塩水噴霧の条件は,供試品がさらされる,どの空間においても,水平採取面積80cm2

の清浄な採取容器で,16時間以上の動作を平均して1時間当たり1.0〜2.0mlの塩溶液が採取できるような

状態を維持できるものとする。採取容器は2個以上を使用し,供試品によって遮られないように,また,

塩溶液の採取中に供試品や他のものからの滴が落ちないように配置する。各採取容器の塩溶液は,pH値及

び濃度の測定のために必要に応じて混合してもよい。 

塩溶液の採取は,7.5に規定の試験前か試験中に行う。 

7.4 

塩溶液の濃度及びpH値 7.3で採取された塩溶液の濃度及びpH値は,35±2℃で測定した場合4.1.1

及び4.1.2に規定した値とする。 

7.5 

塩濃度及びpH値の測定 塩濃度及びpH値の測定は,次の時点で行う。 

(1) 連続して使用する試験槽の場合は,各試験中に採取した塩溶液を試験後に測定する。 

(2) 連続して使用しない試験槽の場合は,試験を行う前に16〜24時間の試運転を行い,測定は,試運転の

直後及び供試品を入れる前に行うとともに,一定の試験条件を保証するために,(1)の測定も行うよう

にする。 

7.6 

試験時間 製品規格には,次の試験時間のいずれか一つを規定する。 

16時間,24時間,48時間(2日),96時間(4日),168時間(1週間),336時間(2週間),672時間(4

週間) 

8. 後処理 試験終了後,製品規格に規定がない場合,小さい供試品は,水道水を流しながら5分間洗い,

更に蒸留水又は脱イオン水で洗浄してから手で振るか又は空気を吹き付けて水滴を除去する。洗浄に使用

する水の温度は,35℃以下とする。大きな供試品で,必要がある場合は,製品規格に洗浄方法及び乾燥方

法を規定する。 

水滴を除去した後,供試品は,JIS C 0010[環境試験方法(電気・電子)通則]の5.4.1に規定の標準後

処理条件で1時間以上2時間未満放置する。 

9. 最終測定 製品規格の規定に基づき,供試品の外観を目視によって調べ,電気的測定及び機械的な点

検を行う。 

備考 塩の残留沈殿物が測定の再現性を阻害しないように注意する。 

10. 試験報告書 試験報告書には,試験された供試品を比較するために必要な情報を含み,放置時間及び

試験槽内での供試品の向き並びに塩溶液濃度及びpH値の測定値についても報告事項に含める。 

11. 製品規格に規定すべき事項 製品規格には,次の事項を規定する。 

(1) 

初期測定 

5. 

(2) 

前処理 

6. 

(3) 

試験時の供試品の取付状態 

7.1 

(4) 

試験時間 

7.6 

C 0023-1989  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(5) 

後処理 

8. 

(6) 

最終測定 

9. 

環境試験方法 JIS 原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

森 川 貞 重 

タバイエスペック株式会社 

高 久   清 

工業技術院電子技術総合研究所 

中 谷 節 男 

工業技術院標準部 

石 川 安 男 

防衛庁装備局 

高 重 哲 夫 

財団法人鉄道総合技術研究所 

木 内 和 夫 

日本電信電話株式会社 

池 田 弘 明 

日本放送協会 

高 橋 洽太郎 

東京都立工業技術センター 

三 上 和 正 

東京都立工業技術センター 

後 藤 恒 人 

財団法人機械電子検査検定協会 

中 村 誠 司 

財団法人日本写真機光学機器検査協会 

黒 田   毅 

日本電気計器検定所 

末 永 則 雄 

社団法人日本電子機械工業会 

清 水 英 範 

社団法人日本電機工業会 

福 島   彰 

財団法人日本船舶標準協会 

武 藤 俊 範 

松尾電機株式会社 

加 藤 敏 男 

横河電機株式会社 

武 田 克 巳 

三菱電機エンジニアリング株式会社 

岩 田   武 

東京特殊印刷工業株式会社 

鈴 木 繁 実 

タバイエスペック株式会社 

菅 野 久 勝 

社団法人日本試験機工業会 

(事務局) 

加 藤 忠 雄 

財団法人日本電子部品信頼性センター 

(JISC事務局) 

五十嵐 重 雄 

工業技術院標準部電気・情報規格課 

鷲 津 雅 也 

工業技術院標準部電気・情報規格課