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B 8825 : 1999  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。 

JIS B 8825には,次に示す附属書がある。 

附属書1(参考) 仕分けコンベヤの附属部の機能及び分類 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 8825 : 1999 

仕分けコンベヤ 

Sorting conveyors 

1. 適用範囲 この規格は,かさ物を自動的に仕分ける仕分けコンベヤのうちの主なものについて規定す

る。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。 

JIS B 0140 コンベヤ用語−種類 

JIS B 0141 コンベヤ用語−部品・附属機器ほか 

JIS Z 0111 物流用語 

3. 定義 この規格に用いる主な用語の定義は,JIS B 0140,JIS B 0141及びJIS Z 0111によるほか,次に

よる。 

a) 仕分け物 仕分けコンベヤで仕分ける対象物品(かさ物)。 

b) 仕分け分岐部 仕分け物を自動的に分岐する部分で,仕分けコンベヤの中に組み込まれている部分の

総称。通常,1台の仕分けコンベヤに複数組み込まれている。 

c) 仕分け分岐装置 仕分けコンベヤの中の仕分け物を分岐する装置。 

d) 仕分け分岐数 仕分け分岐部の数。同一箇所で仕分け分岐方向が左右両側などの場合は,それぞれ別

に数える。 

e) インダクション部 仕分けコンベヤの附属部で,仕分け物を仕分けコンベヤに投入する部分の総称。

仕分けコンベヤシステムを構成する要素の一つ。 

f) 

インダクション装置 インダクション部の中の,仕分け物を仕分けコンベヤに投入するための装置。 

g) 分岐シュート部 仕分けコンベヤの附属部で,仕分け分岐部に接続して設けられ,分岐された仕分け

物を受け取り,集め,更に,蓄積する部分の総称。仕分けコンベヤシステムを構成する要素の一つ。 

h) 分岐シュート 分岐シュート部の中の仕分け物を受け取り,集めるための装置。 

i) 

仕分け情報 個々の仕分け物に特定されている,仕分けのための行先情報。 

j) 

仕分け情報入力部 仕分けコンベヤの附属部で,仕分け情報を識別し,仕分けコンベヤに入力する部

分の総称。仕分けコンベヤシステムを構成する要素の一つ。 

k) 仕分け情報入力装置 仕分け情報入力部の中で,仕分け情報を識別し,仕分けコンベヤに入力するた

めの装置。 

l) 

仕分けコンベヤ能力 仕分けコンベヤのもつ機械固有の仕分け能力。通常,仕分けコンベヤの附属部

として備えられるインダクション部,分岐シュート部,仕分け情報入力部などの能力を除外した仕分

けコンベヤ単体の能力を示す。 

B 8825 : 1999  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

m) 仕分けコンベヤシステム 仕分けコンベヤを中心とし,通常,仕分けコンベヤの附属部として備えら

れるインダクション部,分岐シュート部,仕分け情報入力部などを含み,更に,関連する管理・運用

システムなどを含めた全体のシステム。 

n) 仕分けコンベヤシステム能力 仕分けコンベヤシステムの能力。仕分けコンベヤ単体の能力だけでな

く,各種附属部の能力,関連する管理・運用システムなどを含めた全体のシステムとしての能力を示

す。 

o) 傾倒装置 チルト式仕分けコンベヤなどの仕分け分岐部において,トレーを傾倒させるための装置。 

4. 種類及び分類 

4.1 

種類 この規格にとりあげた仕分けコンベヤの種類は,次のとおりとする 

a) 浮出し式仕分けコンベヤ 

1) ホイール浮出し式仕分けコンベヤ 

2) ローラ浮出し式仕分けコンベヤ 

3) ベルト浮出し式仕分けコンベヤ 

4) チェーン浮出し式仕分けコンベヤ 

b) プッシャ式仕分けコンベヤ 

1) 押出しプッシャ式仕分けコンベヤ 

2) パドルプッシャ式仕分けコンベヤ 

c) ダイバータ式仕分けコンベヤ 

1) 押出しダイバータ式仕分けコンベヤ 

2) 引込みダイバータ式仕分けコンベヤ 

3) 駆動ベルトダイバータ式仕分けコンベヤ 

d) スライドシュー式仕分けコンベヤ 

e) ベルトキャリヤ式仕分けコンベヤ 

f) 

チルト式仕分けコンベヤ 

1) チルトトレー式仕分けコンベヤ 

2) チルトスラット式仕分けコンベヤ 

g) 底開き式仕分けコンベヤ 

h) 斜行ベルト式仕分けコンベヤ 

i) 

連続コンベヤ式仕分けコンベヤ 

1) 旋回連続コンベヤ式仕分けコンベヤ 

2) ふ(俯)仰連続コンベヤ式仕分けコンベヤ 

4.2 

分類 仕分けコンベヤの分類は,次による。 

a) 仕分け物に対する分岐形式による分類 

1) 水平押出し形 仕分け物を横に水平に押し出して分岐する形式。 

例 プッシャ式,ダイバータ式及びスライドシュー式仕分けコンベヤ 

2) コンベヤ送出し形 仕分け物をコンベヤによって水平又は斜めに送り出して分岐する形式。 

例 浮出し式,ベルトキャリヤ式及び連続コンベヤ式仕分けコンベヤ 

3) 傾斜滑降形 仕分け物を傾斜させて自重によって滑降させて分岐する形式。 

例 チルト式及び斜行ベルト式仕分けコンベヤ 

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4) 底面開放形 仕分け物をトレー底面の開放で自重によって分岐する形式。 

例 底開き式仕分けコンベヤ 

b) 仕分け分岐装置の配置・動作形式による分類 

1) 分岐装置固定形 仕分け分岐部に仕分け分岐装置を固定的に配置する形式。 

例 浮出し式,プッシャ式,ダイバータ式,斜行ベルト式及び連続コンベヤ式仕分けコンベヤ 

2) 移動走行分岐形 仕分け分岐部は固定的に配置されているが,分岐動作を行う主たる部分が仕分け

コンベヤと一体に移動走行しながら分岐する形式。 

例 スライドシュー式,ベルトキャリヤ式,チルト式及び底開き式仕分けコンベヤ 

c) 仕分けコンベヤの配置形状による分類(図1参照) 

1) ライン形 搬送面が,ライン状の有端軌道に配置される仕分けコンベヤの形式。 

2) ループ形 搬送面が,ループ状の無端軌道を描いて配置される仕分けコンベヤの形式。 

図1 仕分けコンベヤの配置形状による分類 

d) 仕分け分岐方向による分類(図2参照) 

1) 片側分岐形 仕分けコンベヤの進行方向の片側だけに分岐する形式。 

2) 両側分岐形 仕分けコンベヤの進行方向の両側に分岐する形式。 

3) 下側分岐形 仕分けコンベヤの搬送面の下側,垂直方向に分岐する形式。 

図2 仕分け分岐方向による分類 

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5. 各部の名称 各種仕分けコンベヤの主な各部の名称は,図3〜11に示すとおりとする。 

a) 浮出し式仕分けコンベヤ 浮出し式仕分けコンベヤの例を,図3に示す。 

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図3 浮出し式仕分けコンベヤの例 

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b) プッシャ式仕分けコンベヤ プッシャ式仕分けコンベヤの例を,図4に示す。 

図4 プッシャ式仕分けコンベヤの例 

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c) ダイバータ式仕分けコンベヤ ダイバータ式仕分けコンベヤの例を,図5に示す。 

図5 ダイバータ式仕分けコンベヤの例 

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d) スライドシュー式仕分けコンベヤ スライドシュー式仕分けコンベヤの例を,図6に示す。 

図6 スライドシュー式仕分けコンベヤの例 

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e) ベルトキャリヤ式仕分けコンベヤ ベルトキャリヤ式仕分けコンベヤの例を,図7に示す。 

図7 ベルトキャリヤ式仕分けコンベヤの例 

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10 

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f) 

チルト式仕分けコンベヤ チルト式仕分けコンベヤの例を,図8に示す。 

図8 チルト式仕分けコンベヤの例 

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11 

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g) 底開き式仕分けコンベヤ 底開き式仕分けコンベヤの例を,図9に示す。 

図9 底開き式仕分けコンベヤの例 

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12 

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h) 斜行ベルト式仕分けコンベヤ 斜行ベルト式仕分けコンベヤの例を,図10に示す。 

図10 斜行ベルト式仕分けコンベヤの例 

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13 

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i) 

連続コンベヤ式仕分けコンベヤ 連続コンベヤ式仕分けコンベヤの例を,図11に示す。 

図11 連続コンベヤ式仕分けコンベヤの例 

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14 

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6. 性能 

6.1 

仕分け物の寸法,質量,形状などの物性 仕分けコンベヤの性能を示す場合には,その対象となる

仕分け物を規定する必要がある。 

a) 仕分け物の寸法及び質量 仕分け物の寸法及び質量は,仕分けコンベヤの種類及び構造・寸法によっ

てその適応範囲が異なり,限定される。仕分けコンベヤの性能を示す場合には,必要に応じて,その

限定範囲を表示する。 

例 仕分け物の寸法及び質量: 最大 (max.) □mmW×□mmL×□mmH, □kg/個 

最小 (min.) □mmW×□mmL×□mmH, □kg/個 

備考 仕分け物の寸法表示は,通常,仕分けコンベヤの進行方向に対して,直角の幅方向をW,進行

方向と同じ方向をL,また,高さ(厚さ)方向をHとしてそれぞれ略号で示す(図12参照)。 

図12 仕分け物の寸法の略号及び進行方向(通常の場合)の例 

b) 仕分け物の形状などの物性 仕分け物の形状などの物性については,仕分けコンベヤの種類及び構造

によってその適応範囲が限定される場合がある。仕分けコンベヤの性能を示す場合には,必要に応じ

て,その適応限定範囲を表示又は図示する。 

例 適応仕分け物の物性 :底面平たん(坦),かつ,剛性のあるもの。 

不適応仕分け物の物性 :底面凹凸あり又は軟弱なもの。 

6.2 

仕分けコンベヤ能力 

6.2.1 

仕分けコンベヤ能力の表し方 仕分けコンベヤの能力は,単位時間当たりの仕分け個数で表し,通

常,仕分けコンベヤ単体の能力を示す。このとき,必要に応じて算定基準となる仕分け物の寸法を付記す

る。 

例 仕分けコンベヤ能力: 最大 (max.) □□個/h 

ただし,算定基準仕分け物寸法:□mmW×□mmL×□mmH 

6.2.2 

仕分けコンベヤ能力計算基準 一般に,仕分けコンベヤの能力は,次の式による。 

p

v

Q

60

×

=

ここに, 

Q:仕分けコンベヤ能力(個/h) 

v:仕分けコンベヤのコンベヤ速度 (m/min) 

p(1):仕分けコンベヤ上の仕分け物の計算上の投入ピッチ (m) 

注(1) 計算上の投入ピッチpの値は,仕分けコンベヤの種類によって次のように大別

する。 

a) 浮出し式,プッシャ式,ダイバータ式,スライドシュー式,チルトスラット式,

斜行ベルト式及び連続コンベヤ式の仕分けコンベヤの場合 仕分け物を分岐す
るとき,後続の仕分け物の通過を妨げないで一連の分岐動作が完了できる距離。

b) ベルトキャリヤ式,チルトトレー式及び底開き式の仕分けコンベヤの場合 ベ

ルトキャリヤ,トレーなどの取付けピッチと同じ値。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

備考 仕分けコンベヤの実際の使用に当たっては,仕分けコンベヤ単体の能力だけで

はなく,仕分けコンベヤの各種附属部,関連する管理・運用システムによる能
力などを含めた仕分けコンベヤシステム能力を十分検討する必要がある。 

7. 構成及び機能 仕分けコンベヤは,個々に仕分け情報が特定されて投入される仕分け物を,自動的に

所定の位置に集合させるために,複数の仕分け分岐部が組み込まれたコンベヤで,分岐動作を自動的に確

実に行わせるため,通常,次の附属部を備え,仕分けコンベヤシステムを構成する。 

a) インダクション部 

b) 分岐シュート部 

c) 仕分け情報入力部 

なお,これらの附属部の機能及び分類については,附属書(参考)を参照。 

8. 安全装置 仕分けコンベヤの安全装置は,次による。 

a) 安全覆い又は囲い 作業者が作業中に接触するおそれのある部分には,危険防止のための安全覆い又

は囲いを設ける。 

b) 落下防止 作業場又は通路の上方を通るコンベヤ部分には,仕分け物の落下を防止するための設備を

設ける。 

c) 非常停止スイッチ 仕分けコンベヤ及び附属部の要所ごとに非常停止スイッチを設ける。 

d) 起動警報装置 仕分けコンベヤの起動を予告する警報装置を設ける。 

e) 異常検出器 仕分けコンベヤの仕分け分岐部などの異常又は分岐シュート部の異常などを自動的に検

出する異常検出器を設け,必要に応じて,警報を発したり,仕分けコンベヤを停止させるなどのイン

ターロック回路を設ける。 

f) 

安全標識 作業者に危険を及ぼすおそれのある部分には,作業者に危険を注意警告し,危険回避する

ための安全標識を設ける。 

9. 製品の呼び方及び仕様項目 

9.1 

製品の呼び方 製品の一般的な呼び方は,仕分けコンベヤの種類,仕分けコンベヤ能力及び仕分け

分岐数による。 

例1. スライドシュー式仕分けコンベヤ 6 000個/h,120分岐 

ただし,算定基準仕分け物寸法:250mmW×300mmL×100mmH 

例2. チルトトレー式仕分けコンベヤ 3 600個/h,80分岐 

なお,製品の詳細を示す場合は,次の9.2による。 

9.2 

仕様項目 製品の詳細を示す仕様項目は,次によって表示する。 

a) 仕分けコンベヤの種類 

b) 仕分け物の種類,最大・最小の寸法及び質量(6.1参照) 

備考 必要に応じて,平均的な寸法及び質量,並びに形状及び物性を付記する。 

c) 仕分けコンベヤ能力(6.2.1参照) 

d) 仕分けコンベヤ速度 

備考 必要に応じて,最大・最小値,平均値などを付記する 

e) 仕分け物の投入ピッチ 

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備考 仕分けコンベヤ能力の計算基準となる値を示す(6.2.2参照)。 

f) 

仕分けコンベヤの機長 

備考1. ループ形仕分けコンベヤの場合は,トレー,ベルトキャリヤなどの総数を示してもよい。 

2. 必要に応じて,機幅,機高,コンベヤ駆動方式,モータ容量などを付記する。 

g) 仕分け分岐数及び分岐方向 

備考 必要に応じて,分岐シュートの構造,形式などを付記する。 

h) 附属装置の仕様 

備考1. 必要に応じて,インダクション装置,分岐シュートの仕様,仕分け情報入力装置の形式など

を付記する。 

2. インダクション装置が複数の場合には,その装置の数及び1装置当たりのインダクション装

置の能力を付記する。 

10. 表示 仕分けコンベヤには,見やすい箇所に容易に消えない方法で,次の項目を表示する。 

a) 仕分けコンベヤの種類 

b) 製造業者名又はその略号 

c) 製造年月又はその略号 

備考 必要に応じて,その他の必要な仕様項目を付記する。 

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附属書1(参考) 仕分けコンベヤの附属部の機能及び分類 

序文 この附属書(参考)は,仕分けコンベヤの附属部の機能及び分類について記述するものであり,規

定の一部ではない。 

仕分けコンベヤには,通常,次の附属部が備えられる。 

a) インダクション部 

b) 分岐シュート部 

c) 仕分け情報入力部 

これらは仕分けコンベヤシステムを構成する重要な要素であり,機能及び分類は,次のようになる。 

1. インダクション部 

1.1 

インダクション部の機能 インダクション部は,仕分け物を仕分けコンベヤの所定の位置に確実に

送り込むもので,これを自動的に行うために,通常,次の機能をもつインダクション装置を備える。 

− 仕分け物を所定の投入ピッチに保つ機能 

− 仕分け物を仕分けコンベヤの所定の位置に投入する機能 

更に,仕分け物の片寄せ,幅寄せなどの機能をもつ装置を備えることもある。 

1.2 

インダクション装置の分類 インダクション装置は,手動・自動,投入配置形式及び装置数によっ

て,次のように分類する。 

a) 手動・自動による分類 

1) 手動形 仕分け物を,仕分けコンベヤの所定の位置に手動で直接投入する形式。 

2) 自動形 仕分け物を,仕分けコンベヤの所定の位置に自動的に投入する形式。 

b) 投入配置形式による分類(附属書図1参照) 

1) ライン投入形 仕分けコンベヤの末端部にライン状に接続配置する形式。主として,ライン形仕分

けコンベヤ(1)の場合に適用する。 

注(1) 本体の4.2c)1)参照。 

2) 直角又は斜め投入形 仕分けコンベヤの側面部に直角又は斜めに接続配置する形式。主として,ル

ープ形仕分けコンベヤ(2)の場合に適用する。 

注(2) 本体の4.2c)2)参照。 

備考 インダクション装置の搬送面は,仕分けコンベヤの搬送面とほぼ同じ面に接続配置するこ

とが多いが,仕分けコンベヤの搬送面の上部にインダクション装置を配置する形式もある。 

c) インダクション装置の数による分類(附属書図1参照) 

1) 単数装置の場合 

1.1) 単列形 

1.2) 複列合流形 

2) 複数装置の場合 

2.1) 複数並列形 

2.2) 複数分散配置形 

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附属書図1 インダクション装置の投入配置形式及び装置の数による分類の例 

2. 分岐シュート部 

2.1 

分岐シュート部の機能 分岐シュート部は,分岐された仕分け物を受け取り,集め,更に,蓄積す

る機能を備えるもので,仕分け分岐部ごとに接続して設ける。分岐シュートとしてグラビティコンベヤ,

駆動コンベヤなどを設ける場合もある。 

2.2 

分岐シュートの分類 分岐シュートは,構造及び目的によって,次のように分類する。 

a) 構造による分類 

1) グラビティシュート シュート(滑り板)又はローラ,ホイールなどを用い,自重を利用して仕分

け物を滑り下ろす分岐シュート。 

2) 駆動シュート 駆動ローラコンベヤ,ベルトコンベヤなどの駆動するコンベヤを用いた分岐シュー

ト。 

b) 目的による分類 

1) 所定の仕分け先別の分岐シュート 所定の仕分け先として事前に決められた分岐シュート。 

2) リジェクトシュート 所定の仕分け先に分岐されなかった仕分け物のための分岐シュート。 

備考 このほかの分岐シュートの分類としては,仕分け分岐方向による分類がある[本体の4.2 d)参

照]。 

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3. 仕分け情報入力部 

3.1 

仕分け情報入力部の機能 仕分け情報入力部は,個々の仕分け物に特定されている仕分け情報を識

別し,仕分けコンベヤの自動制御系統に情報入力する機能をもつもので,通常,インダクション部の区域

内の適正な位置に仕分け情報入力装置を設ける。 

3.2 

仕分け情報入力装置の分類 仕分け情報入力装置は,仕分け情報の種類及び識別方式によって,次

のように分類する。 

a) 仕分け情報の種類による分類 

1) 文字,記号などの識別のための標識類による入力方式 

2) 仕分け物の寸法,質量などの物理量による入力方式 

b) 仕分け情報の識別方式による分類 

1) 目視識別・手動又は音声入力方式 

2) 自動識別・自動入力方式 

仕分けコンベヤJIS原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

鈴 木   震 

物流技術研究所 

(委員) 

長 谷 知 治 

運輸省運輸政策局貨物流通企画課 

佐 藤   亮 

有限会社ポステック 

重 田 靖 男 

株式会社資生堂マーケティング本部 

額 見 信 夫 

株式会社高島屋東京事業本部 

和 田   茂 

株式会社学研ロジスティクス 

渡 邊 俊 之 

株式会社日通総合研究所物流技術部 

土 谷 靖 雄 

三機工業株式会社機械システム事業部 

武 部 俊 雄 

住友重機械工業株式会社物流システム事業センター 

三 宅 厚 夫 

株式会社ダイフク流通システム事業部 

柳 川 佳 央 

トーヨーカネツ株式会社物流システム事業部 

河 西 基 陽 

オークラ輸送機株式会社東京支店 

(事務局) 

興 梠 允 駿 

社団法人日本産業機械工業会産業機械第2部 

石郷岡 忠 鋪 

社団法人日本産業機械工業会産業機械第2部 

仕分けコンベヤJIS制定準備分科会 構成表 

氏名 

所属 

詫 間 正 秋 

石川島播磨重工業株式会社物流システム事業部 

大 崎 喜久雄 

川崎重工業株式会社産機プラント事業部 

下 坂 十 造 

サンドビック株式会社プロセスシステム事業部 

峰 岸 誠 治 

第一工業株式会社搬送システム本店技術業務部 

神 戸 俊 夫 

株式会社椿本チエインマテハン事業本部 

奥 田 栄 司 

日立機電工業株式会社(株式会社日立製作所)搬送シ

ステム事業部