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Z 8715 : 1999  

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって,JIS Z 8715-1991は改正され,この規格に置き換えられる。

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

Z 8715 : 1999 

色の表示方法−白色度 

Colour specification−Whiteness of near white opaque materials 

序文 この規格は,1987年に発行された,ISO 105-J02, Textiles−Test for colour fastness−Part J02 : Method for 

the instrumental assessment of whitenessを翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格で

あるが,対応国際規格には規定されていない規定項目を日本工業規格として追加したものである。 

なお,この規格のうち,対応国際規格と表現の異なる事項は,備考として示してある。 

1. 適用範囲 この規格は,白と認められる表面色の,標準の光D65の下での白色度を,白色度指数及び

色み指数によって表示する方法について規定する。 

備考1. この規格で規定する白色度指数は,色及び蛍光の性質があまり違わない一般に白と呼ばれる

試料を,同一種類の測定器及び同一の条件で測定した場合に,白さの相対的な視感評価値と

相関する。 

2. この規格で規定する白色度の表示方法は,国際照明委員会(Commission Internationale de 

l'Eclairage,略称CIE)が1986年に推奨したPublication CIE No.15.2 (1986) Colorimetry, Second 

editionの5.3に規定する白色度の評価方法に合致する。 

3. 対応国際規格は,蛍光増白物を含む繊維製品の白色度の評価方法を規定したものである。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによってこの規格の一部を構成する。これ

らの規格は,その最新版を適用する。 

JIS Z 8105 色に関する用語 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

JIS Z 8717 蛍光物体色の測定方法 

JIS Z 8720 測色用の標準の光及び標準光源 

JIS Z 8722 色の測定方法−反射及び透過物体色 

3. 定義 この規格に用いる用語の定義は,次によるほかJIS Z 8105による。 

a) 白色度 表面色の白さの程度。 

b) 白色度指数(記号:W又はW10) 国際照明委員会が1986年に推奨した白色度を表す値。この値が大

きいほど白さの度合いが大きい。 

c) 色み指数(記号:Tw又はTw, 10) 国際照明委員会が1986年に推奨した色みを表す値。この値が正の

方向に大きいほど緑みが強く,負の方向に大きいほど赤みが強い。

Z 8715 : 1999  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4. 白色度の求め方 表面色の白色度は,試料群に蛍光を発する試料が含まれない場合は,JIS Z 8722に

規定する分光測色方法又は刺激値直読方法によって,表面色を同一種類の測定器及び同一の条件で測定し,

6.に規定する計算方法を用いて求める。試料群に一つでも蛍光を発する試料が含まれる場合は,JIS Z 8717

に規定する分光測色方法又は刺激値直読方法によって,表面色を同一種類の測定器及び同一の条件で測定

し,6.に規定する計算方法を用いて求める。 

5. 表面色の測定方法 

5.1 

試料群に蛍光を発する試料が含まれない場合 試料群に蛍光を発する試料が含まれない場合の表面

色の測定は,JIS Z 8722の4.(分光測色方法)に規定する分光測色方法又はJIS Z 8722の5.(刺激値直読

方法)に規定する刺激値直読方法による。ただし,測色用の標準の光の分光分布の値は,JIS Z 8720に規

定する標準の光D65の分光分布の値を用いる。 

5.2 

試料群に蛍光を発する試料が含まれる場合 試料群に蛍光を発する試料が含まれる場合の表面色の

測定は,JIS Z 8717の6.(分光測色方法)に規定する分光測色方法,又はJIS Z 8717の7.(刺激値直読方

法)に規定する刺激値直読方法による。ただし,測色用の標準の光の分光分布の値は,JIS Z 8720に規定

する標準の光D65の分光分布の値を用いる。 

備考1. JIS Z 8717による場合は,6.4(分光分布直接補正方法)に規定する分光分布直接補正方法,

又は7.2(光源色直接補正方法)に規定する光源色直接補正方法を用いる。 

2. 対応国際規格では,試料群に蛍光を発する試料の有無にかかわらず,試料を標準の光D65に

近似した光で,照射することを規定している。 

6. 白色度指数及び色み指数の計算方法 

6.1 

白色度指数の計算方法 自色度指数W又はW10は,それぞれ式(1)及び式(2)によって計算する。 

W=Y+800 (xn−x) +1 700 (yn-y) ·················································· (1) 

W10=Y10+800 (xn, 10−x10) +1 700 (yn, 10−y10)  ·································· (2) 

ここに, 

W: 試料のXYZ表色系における白色度指数 

Y: 試料のXYZ表色系における三刺激値のYの値 

x, y: 試料のXYZ表色系における色度座標 

xn, yn: 完全拡散反射面のXYZ表色系における色度座標 

W10: 試料のX10Y10Z10表色系における白色度指数 

Y10: 試料のX10Y10Z10表色系おける三刺激値のY10の値 

x10, y10: 試料のX10Y10Z10表色系における色度座標 

xn, 10, yn, 10: 完全拡散反射面のX10Y10Z10表色系における色度座標 

6.2 

色み指数の計算方法 色み指数Tw又はTw, 10は,それぞれ式 (3) 及び式 (4) によって計算する。 

Tw=1 000 (xn−x) -650 (yn−y) ························································ (3)  

Tw, 10=900 (xn, 10−x10) -650 (yn, 10−y10) ············································ (4)  

ここに, 

Tw: 試料のXYZ表色系における色み指数 

x, y: 試料のXYZ表色系における色度座標 

xn, yn: 完全拡散反射面のXYZ表色系における色度座標 

Tw, 10: 試料のX10Y10Z10表色系における色み指数 

x10, y10: 試料のX10Y10Z10表色系における色度座標 

xn, 10, yn, 10: 完全拡散反射面のX10Y10Z10表色系における色度座標 

備考1. XYZ表色系及びX10Y10Z10表色系は,観測者の目に対して張る角が,それぞれ1〜4°の視野及

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Z 8715 : 1999  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

び4°を超える視野における視感等色に対してよい相関を得ようとするときに適用する。 

2. 式 (1) 〜 (4) は,白色度指数W又はW10, 及び色み指数Tw又はTw, 10が次の範囲内にある試

料について適用する。 

a) 40<W<5Y−280又は40<W10<5Y10−280 

b) −3.0<Tw<3.0又は−3.0<Tw, 10<3.0 

3. 式 (1) 〜 (4) におけるxn, yn又はxn, 10, yn, 10の値は,試料のx, y又はx10, y10と同じ重み係数表

を用いて求める。標準の光D65の下での,完全拡散反射面のXYZ表色系及びX10Y10Z10表色系

における三刺激値及び色度座標の値は,JIS Z 8722によって,5nm間隔又は10nm間隔で積

算する場合,表1に示す値となる。なお,対応国際規格では,標準の光D65の下での白色度

指数及び色み指数だけを規定している。 

参考 備考2.の (1) に示すW又はW10の上限値は,5Y−300又は5Y10−300とするほうが視感評価と

の対応がよいという実験結果もある。 

表1 完全拡散反射面の三刺激値及び色度座標 

区分 

5nm間隔で 

計算する場合 

10nm間隔で 

計算する場合 

XYZ 

表色系 

 Xn 

  95.04 

  95.02 

 Yn 

 100.00 

 100.00 

 Zn 

 108.88 

 108.81 

 xn 

   0.312 7 

   0.312 7 

 yn 

   0.329 0 

   0.329 0 

X10Y10Z10   Xn, 10 

  94.81 

  94.83 

表色系 

 Yn, 10 

 100.00 

 100.00 

 Zn, 10 

 107.32 

 107.38 

 xn, 10 

   0.313 8 

   0.313 8 

 yn, 10 

   0.331 0 

   0.330 9 

7. 白色度の表示 

7.1 

測定値の表示 白色度の測定値は,6.によって算出したW及びTw, 又はW10及びTw, 10の値をJIS Z 

8401によって白色度指数は整数に,色み指数は小数点以下一けたに丸めた数値で表示する。ただし,W及

びTw, 又はW10及びTw, 10が相関して変化すると予想される試料については,Tw又はTw, 10を省略しても差

し支えない。 

7.2 

測定値の付記事項 白色度の測定値には,一般に次の事項を付記する。 

a) 試料の色刺激値 試料の色刺激値は,XYZ表色系における三刺激値のY及び色度座標,又はX10Y10Z10

表色系における三刺激値のY10及び色度座標によって表示する。 

b) 三刺激値の測定方法 三刺激値の測定方法は,一般にJIS Z 8722の6.2(測定値の付記事項)又はJIS 

Z 8717の8.2(測定値の付記事項の表示)に規定する付記事項及び測定に用いた器械名によって表示

する。 

7.3 

白色度の記載方法 白色度を記載する様式の例を,次に示す。 

例1. 蛍光を発しない試料を,分光測色方法で測定した場合 

W=59 

Tw=−1.0 

Y=85.62 

x=0.332 6 

y=0.338 3 

d−0 

Sa10W10 

○○形分光測光器 

Z 8715 : 1999  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

例2. 蛍光を発しない試料を,刺激値直読方法で測定した場合 

W10=87 

Tw, 10=2.7 

Y10=88.37 

x10=0.322 1 

y10=0.327 9 

45−0P 

○○形光電色彩計 

例3. 蛍光を発する試料を,分光測色方法で測定した場合 

W10=77 

Tw, 10=−0.7 

Y10=92.21 

x10=0.319 2 

y10=0.337 3 

JIS Z 8717 分光分布直接補正方法 

45−0 

B5S5W5 

○○形分光測光器 

関連規格 JIS Z 8701 色の表示方法−XYZ表色系及びX10Y10Z10表色系 

JIS Z 8715(色の表示方法−白色度)改正原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(主査) 

馬 場 護 郎 

株式会社村上色彩技術研究所 

(委員) 

井 村 健 二 

ミノルタ株式会社計測機器事業部 

大 嶋 清 治 

工業技術院標準部材料規格課 

大 田   登 

富士写真フィルム株式会社足柄研究所 

川 上 元 郎 

女子美術大学大学院 

児 玉   晃 

財団法人日本色彩研究所 

小松原   仁 

東京工芸大学 

佐 野 和 雄 

大日精化工業株式会社 

品 田   登 

サカタインクス株式会社 

鈴 鹿 正 和 

株式会社住化分析センター 

鈴 木 恒 男 

慶応義塾大学法学部 

高 浜 幸太郎 

電子技術総合研究所大阪LERC 

橋 本 繁 晴 

財団法人日本規格協会 

平 井 敏 夫 

財団法人日本色彩研究所 

福 田   保 

元大妻女子大学 

淵 田 隆 義 

東芝ライテック株式会社技術本部研究所 

三田村 勝 昭 

スガ試験機株式会社 

森   礼 於 

東芝ライテック株式会社 

(事務局) 

八木橋 利 昭 

日本色彩学会 

文責 馬場 護郎