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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

Z 8108-1984 

音響用語(録音・再生) 

Glossary of Acoustical Terms 

(Sound Recording and Sound Reproducing) 

1. 適用範囲 この規格は,音響の録音及び再生に関する主な用語について規定する。 

2. 用語及び意味 用語及び意味は,次のとおりとする。 

なお,参考として対応英語を示す。 

備考1. 二つ以上の用語を並べた場合は,その順序に従って優先使用する。用語に角括弧を付けた部

分は,省いてもよい。 

2. 用語の読みが紛らわしいものについては,用語の下に括弧書きで読みを示す。 

3. 用語の意味の中に太字で示された用語は,この規格に集録されているものである。 

番号 

用語 

意味 

対応英語(参考) 

3001 

録音 

音の信号を再生することを目的として,録音
媒体の状態又は形状を入力信号に対応するよ
うに変化させて記録すること。 

sound recording 

3002 

再生 

録音媒体に記録した音の信号を取り出すこ
と。 

sound reproduction 

3003 

モノ録音 

一つの録音媒体に,単一のチャネルの録音を
すること。 

monophonic recording 

3004 

ステレオ録音 

立体音再生を目的として,一つの録音媒体に
複数のチャネルの録音をすること。 

stereophonic recording 

3005 

マルチトラック録音 

テープの長さ方向に平行して複数のトラック
を設ける録音。 

備考 隣接するトラックの録音方向が反

対であってもよい。 

multi-track recording 

3006 

マルチチャネル録音 

複数のチャネルを同時に用いる録音。通常,3
チャネル以上のものをいう。 

multi-channel recording 

3007 

同期録音 

映像又はあるチャネルの音に同期させて,他
のチャネルに音を録音すること。 

synchronized recording 

3008 

ダビング 

録音された二つ以上の信号を組み合わせて再
録音することによって,合成した録音を得る
こと。 

dubbing 

3009 

複製 

録音されている信号のすべて,又は一部を1
個又は複数個の他の録音媒体に移す操作。 

duplicating, 
copying 

3010 

録音ヘッド 

電気信号を録音媒体の状態の変化に変える変
換器。 

recording head 

3011 

再生ヘッド 

録音媒体の状態の変化を電気信号に変える変
換器。 

reproducing head 

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Z 8108-1984  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

対応英語(参考) 

3012 

等化 
(とうか) 

録音系又は再生系に存在する特性変化を補償
する目的で,系の振幅又は位相の周波数特性
に変更を加えること。 

equalization 

3013 

プリエンファシス 

録音に際して,録音される信号の振幅又は位
相の周波数特性に強調を加えること。 

pre-emphasis, 
pre-equalization 

3014 

デエンファシス 

再生に際して,プリエンファシスされた信号
の振幅又は位相の周波数特性を元の特性に復
元する操作。 

de-emphasis, 
post-emphasis 

3015 

録音特性 

各周波数について一定の入力を録音系に加え
たとき,録音媒体上に現れる形状又は状態の
変化量の周波数に対する特性。 

recording cbaracteristics 

3016 

再生特性 

録音媒体の形状又は状態の変化量によって生
じる再生系の周波数特性。 

reproducing characteristics, 
playback characteristics 

3017 

基準レベル 

録音媒体の再生出力が飽和しないように,目
安として定めたレベル。例えば,ディスクレ
コードでは速度振幅,磁気録音テープでは磁
束で示す。 

reference leve1 

3018 

変調雑音 

磁気録音で,信号を録音することによって発
生する雑音成分のうち,高調波及び混変調成
分以外の成分。 

modulation noise 

3019 

チャネルセパレーション 

ある回路の出力端における基準出力レベル
と,基準出力レベルにおいて動作している別
の回路から,その回路に混入する不要成分と
の,出力端におけるレベル差。 

備考 基準出力レベルとは,基準レベル

で録音された信号を,再生装置か
らの出力が,飽和しないように,
とりだすためのめやすとして,定
めたレベルをいう。 

channel separation 

3020 

漏話, 
クロストーク 

ある回路の出力端における基準出力レベル
と,基準出力レベルにおいて動作している別
の回路に漏れる信号出力成分との,両出力端
におけるレベル差。 

cross talk 

3021 

ワウ 

録音,再生の過程で再生信号に生じた周波数
の変動のうち,その変動の周波数が10Hz以
下のもの。 

wow 

3022 

フラッタ 

録音,再生の過程で,再生信号に生じた周波
数の変動のうち,その変動の周波数が10Hz
を超えるもの。 

flutter 

3023 

ドリフト 

録音再生系における録音媒体送り機構の,規
定された動作速度からの緩慢な変動及び偏
差。 

drift 

3024 

ノイズリダクション 

録音,再生の過程で,録音媒体から発生する
雑音を減じる操作。 

noise reduction 

3025 

標本化 

連続的に変化する信号(アナログ信号)から,
あらかじめ設定した時刻ごとに瞬時の値を取
り出す操作。通常は一定時間間隔ごとに行う。 

sampling 

3026 

標本化周波数 

1秒間当たりの標本化の回数。 

sampling frequency 

3027 

量子化 

標本化した信号の値を,ある単位量を基本と
する離散的な値(整数値)に変換する操作。 

quantization 

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Z 8108-1984  

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番号 

用語 

意味 

対応英語(参考) 

3028 

量子化雑音 

量子化された波形の,原波形に対する誤差に
よって生じる雑音。 

quantization noise 

3029 

ビット 

情報量の単位で,一つの2進数字のけたを表
す。 

備考 バイナリディジット (binary digit) 

を縮めたもの。 

bit 

3030 

符号 

量子化した値を整数値の組合せで表したも
の。 

code 

3031 

ワード 

符号の組合せによって作った情報。 

備考 一般的に2進数で表現する。 

word 

3032 

符号化 

量子化した値を符号にする操作。 

encode 

3033 

パルス符号変調方式,

PCM 

音の信号を符号化し,パルスの形の電気信号
に変換すること。 

pulse code modulation 

3034 

冗長符号 
(じょうちょうふごう) 

符号誤り検出や誤り訂正などの目的で,本来
の音の符号に余分に付加する符号。 

redundant code 

3035 

ビット誤り 

符号を構成するビットが,伝送,再生などの
過程で損傷を受け,元のビットの値と異なっ
たものとなること。 

bit error 

3036 

符号誤り 

伝送や再生の過程でビット誤りが発生し,元
の符号と異なった符号となること。 

code error 

3037 

バースト誤り 

2個以上の符号に連続して誤りが生じるこ
と。 

burst error 

3038 

ワード誤り率 

単位時間内で誤ったワードの数と,その時間
内で取り扱ったワードの全数との比。 

word error rate 

3039 

ビット誤り率 

単位時間内で誤ったビットの数と,その時間
内で取り扱ったビットの全数との比。 

bit error rate 

3040 

符号誤り検出 

符号化された信号の誤りの有無を検出する操
作。 

code error detecting 

3041 

誤り訂正 

符号化された信号の誤りを正しい値に復元す
る操作。 

error correcting 

3042 

誤り補正 

符号化された信号の誤りを,正しい値に近似
させる操作。 

error concealment 

3043 

[誤り]検査符号 

符号化された信号以外に用いる冗長符号の
うち,誤りの検出に用いる符号。 

cbeck code 

3044 

誤り訂正符号 

誤り訂正を目的として構成された冗長符号。
誤り検出を行う。 

error correcting code 

3045 

インターリーブ 

記録する符号(誤り訂正符号,誤り検査符号
などを含む。)の順序を,定められた規則に従
って入れ替える操作。 

interleave 

3046 

ミューティング 

出力を瞬時に零又は低いレベルに減衰させる
操作又は機構。 

muting 

3047 

ディザー 

量子化雑音を聴感的に目立たなくするため,
量子化する前の信号にあらかじめ加える雑
音。 

dither 

3048 

レコード 

信号を記録した録音媒体の総称。 

record 

3049 

ディスクレコード 

円盤に信号を記録したレコード。 

disk record 

3050 

テープレコード 

磁気録音テープに信号を記録したレコード。 tape record, recorded tape 

3051 

テストレコード, 
テストディスク 

レコードプレーヤの試験又は測定に用いる
ディスクレコード。通常,周波数特性測定用
などの名称を付けて用途を区別する。 

test record 

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Z 8108-1984  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

対応英語(参考) 

3052 

テストテープ 

テープレコーダの試験又は測定に用いるテ
ープレコード。 

test tape 

3053 

円盤録音,ディスク録音 

円盤状の録音媒体に,機械的に録音すること。 disk recording 

3054 

円盤録音機, 
ディスク録音機 

円盤録音を行う装置。 

disk recorder 

3055 

速度振幅 

カッター針先が正弦運動をしている場合の1
正弦周期の中の最大速度。ディスクレコード
の録音レベルを表す尺度として用いる。 

備考 単位記号はcm/s 

recorded velocity 

3056 

横波録音 
(よこなみろくおん) 

溝の変調振動の方向が,録音媒体の進行方向
に対して直角で,かつ録音媒体の表面に対し
て平行となる円盤録音。 

lateral recording 

3057 

高低録音 
(こうていろくおん) 

溝の変調振動の方向が,録音媒体の表面に対
して垂直となる円盤録音。 

vertical recording, 
hill and dale recording 

3058 

定振幅録音 

溝の振幅と入力正弦波信号の振幅との比が,
周波数に無関係に一定であるような特性をも
つ円盤録音。 

constant amplitude recording 

3059 

定速度録音 

溝の振幅と入力正弦波信号の振幅との比が,
周波数の変化に逆比例するような特性をもつ
円盤録音。 

constant velocity recording 

3060 

垂直録音角 

カッター針の縦の振動方向が,ラッカー盤の
垂線に対してなす角。 

vertical modulation angle, 
cutting angle 

3061 

カッターヘッド 

電気信号を加えて,カッター針を駆動し,ラ
ッカー盤を切削することによってこれに溝を
形成する録音ヘッド。 

cutter head, 
mechanical recording head 

3062 

カッター針, 
(かったーばり), 
録音針 
(ろくおんばり) 

ラッカー盤に溝を切削するために用いる針。 cutting stylus, 

recording stylus 

3063 

ラッカー盤 

円盤録音に用いる円盤状の録音媒体。 

lacquer disk 

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Z 8108-1984  

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番号 

用語 

意味 

対応英語(参考) 

3064 

溝 
(みぞ) 

ディスクレコードの表面に刻まれた,変調又
は無変調のV字形断面の溝。 

groove 

3065 

録音溝 
(ろくおんみぞ) 

ディスクレコードで,変調された溝。 

modulated groove 

3066 

溝幅 
(みぞはば) 

ディスクレコードで,半径方向にみたディス
ク表面の溝の幅。 

groove width 

3067 

無音溝 
(むおんみぞ) 

ディスクレコードで,無変調の溝。 

plain groove, 
blank groove 

3068 

導入溝 
(どうにゅうみぞ) 

ディスクレコードの外周から始まるピッチ
の大きい無音溝。 

lead-in groove 

3069 

送り溝 
(おくりみぞ) 

ディスクレコードの録音部分を区別するた
め,ピッチを大きくした溝。 

lead-over groove 

3070 

導出溝 
(どうしゅつみぞ) 

ディスクレコードの最終溝につながるピッ
チの大きい無音溝。 

lead-out groove 

3071 

最終溝 
(さいしゅうみぞ) 

ディスクレコードの導出溝に続く円形の無
音溝。 

finishing groove 

3072 

マーカースペース 

ディスクレコードで,送り溝のある環状の空
白部分。 

marker space, 
band blank 

3073 

内抱角 
(ないほうかく) 

ディスクレコードの溝壁面が対向する角度。 

included angle, 
groove angle 

3074 

溝底半径 
(みぞそこはんけい) 

ディスクレコードで,溝の底の曲率半径。 

bottom radius 

3075 

ラッカー原盤, 
ラッカーマスタ 

ディスクレコード製造過程で,最初に音の信
号を切削したラッカー盤。 

lacquer origina1, 
lacquer master 

3076 

ディジタルオーディオデ

ィスク, 

DAD 

音の信号を符号に変換して記録したディス
クレコード。 

digital audio disc 

3077 

一定角速度録音, 
CAV 

円盤状記録媒体に回転数一定で情報を記録す
ること。 

constant angular velocity 

recording 

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番号 

用語 

意味 

対応英語(参考) 

3078 

一定線速度録音, 
CLV 

円盤状記録媒体に線速度一定で情報を記録す
ること。 

constant linear velocity recording 

3079 

[ディスク]レコードプ

レーヤ, 

円盤再生機 

ターンテーブル,ホノモータ及びピックアッ
プによって構成されるディスクレコード再
生用の機械機構。 

[disk] record player 

3080 

ホノモータ 

ディスクレコードプレーヤで,ターンテーブ
ルを駆動する電動機。 

phonomotor 

3081 

ターンテーブル 

円盤録音機又はディスクレコードプレーヤ
で,ラッカー盤又はディスクレコードを載せ
る回転盤。 

turntable 

3082 

再生針 
(さいせいばり) 

溝から信号を再生するための針。 

reproducing stylus 

3083 

針圧 
(しんあつ) 

ピックアップを静止したディスクレコード
上の使用位置に置いたとき,針がディスクレ
コード面に垂直に加える力。 
慣習的に針先で測った質量(単位g)で表す。 

stylus force 

3084 

オーバーハング 

ディスクレコード平面上で,トーンアームの
水平回転軸中心から測って,再生針先端まで
の距離がターンテーブルの回転軸中心までの
距離を超える値。 

overhang 

3085 

オフセット角 

再生針先端とトーンアームの水平回転軸中心
とを結ぶ直線と,再生針先端の振動が描く曲
面上,変位がないとき再生針先端が,位置す
る点で立てた法線とを,それぞれディスクレ
コード面に投影したとき,両者のなす角。上
から見て時計方向に測る。 

offset angle 

3086 

トレーシングひずみ 

ディスクレコードの再生に際して,再生針と
カッター針の先端形状が相違するため,再生
針先の軌跡がカッター針のそれと一致しない
ことによって生じる非直線ひずみ。 

tracing distortion 

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Z 8108-1984  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

対応英語(参考) 

3087 

水平トラッキングエラー 

横波録音されたディスクレコードの再生に
際して,再生針先端の動きがディスク面上を
水平にたどる円弧上の任意の位置で,針先端
の変位がない状態でとった接線が,同じ針先
端位置を通るディスクの半径方向に対してな
す角。 

lateral tracking angle error 

3088 

垂直トラッキングエラー 

垂直録音されたデイスクレコードの再生に
際して,再生針とそれを支持する機構を含む
ディスクに垂直な面内で再生針先端が描く円
弧上で,針先端とディスクとの接触点でとっ
た接線が,同じ針先端位置を通るディスク面
の垂線に対してなす角と,そのディスクに関
する垂直録音角との差の角。 

vertical tracking angle error 

3089 

トラッキングアビリティ 

再生針先がディスクレコードの溝を正しく
たどる能力を示す目安。慣習的に再生針先が
定められたテストレコードの溝の両壁に常
に接触を保ち続けるのに必要な最小針圧(単
位g)で表す。 

tracking ability 

3090 

ピックアップ 

ディスクレコードから電気信号を取り出す
ための装置。ピックアップヘッドとトーンア
ームとからなる。 

pickup 

3091 

トーンアーム 

ピックアップにおいて再生ヘッドを保持す
る機構。 

pickup arm, 
tone arm 

3092 

ピックアップヘッド 

溝の変調によって駆動され,機械的な信号入
力を電気的な信号出力に変換する再生ヘッ
ド。 

pickup head 

3093 

ピックアップカートリッ

ジ 

交換可能なピックアップヘッド。 

pickup cartridge 

3094 

ムービングマグネットピ

ックアップ 

運動する磁石に近接して置かれたコイルをも
ち,コイルに電圧が生じることを利用する再
生ヘッドをもつピックアップ。 

moving magnet pickup 

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Z 8108-1984  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

対応英語(参考) 

3095 

ムービングコイルピック

アップ 

磁界中に置かれたコイルが運動して,起電力
を生じることを利用する再生ヘッドをもつ
ピックアップ。 

moving coil pickup 

3096 

バリアブルレラクタンス

ピックアップ 

磁界中に置かれた強磁性の可動部分が運動し
て,固定コイルに電圧が生じることを利用す
る再生ヘッドをもつピックアップ。 

variable reluctance pickup 

3097 

光ピックアップ 

光を用いて記録媒体から信号を取り出し,電
気信号に変換する再生ヘッドをもつピック
アップ。 

optical pickup 

3098 

マグネチックピックアッ

プ 

コイルに交差する磁束の変化を利用する再生
ヘッドをもつピックアップの総称。 

magnetic pickup 

3099 

圧電ピックアップ 

圧電気を利用する再生ヘッドをもつピック
アップの総称。 

備考 使用する材料によって,クリスタ

ルピックアップ,セラミックピッ
クアップなどがある。 

piezoelectric pickup 

3100 

コンデンサピックアップ 

静電容量が変わることを利用する再生ヘッド
をもつピックアップ。 

capacitor pickup 

3101 

ランブルノイズ 

ディスク録音又はディスクレコードの再生
で,機械的振動が原因となって再生音に重畳
される低周波雑音。 

rumble noise 

3102 

サーフェスノイズ 

ディスクレコードの再生で,溝壁面の不規則
な凹凸などによって発生する雑音。 

surface noise 

3103 

磁気録音 

音の信号を,強磁性の録音媒体の磁気変化と
して録音すること。 

magnetic recording 

3104 

磁気録音機 

磁気録音を行う装置。通常,再生機能を備え
ている。 

magnetic recorder 

3105 

磁気再生機 

録音媒体の磁気変化を電気信号又は音の信号
に変える装置。 

magnetic reproducer 

3106 

テープレコーダ 

録音媒体に磁気録音テープを用いる磁気録
音機。 

tape recorder 

3107 

ディジタルオーディオテ

ープレコーダ, 

DAT 

音の信号を符号に変換して記録するテープ
レコーダ。 

digital audio tape recorder 

3108 

長手方向磁化 

磁気録音で,録音媒体又は録音ヘッドの進行
方向と平行に与えられる磁化。 

longitudinal magnetization 

3109 

幅方向磁化 

磁気録音で,録音媒体の長手方向と厚み方向
に垂直な方向に与えられた磁化。 

transverse magnetization 

3110 

厚み方向磁化, 
垂直方向磁化 

磁気録音で,録音媒体の厚み方向に与えられ
る磁化。 

perpendiculer magnetization 

3111 

理想[磁気]再生ヘッド 

残留磁気及びヘッドの損失がない磁気再生ヘ
ッド。 

ideal reproducing head 

3112 

表面磁束密度, 
表面磁気誘導 

磁気記録媒体の表面に垂直な方向の自由空間
における磁束密度。 

surface inductive flux 

3113 

短絡磁束 

長手方向磁化方式で録音された媒体におい
て,磁位差のある2点間を無限大の透磁率を
もつ磁性体で短絡したとき,その磁性体を通
過する磁束の総数。 

備考 単位記号は,Wb。 

short-circuit flux 

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Z 8108-1984  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

対応英語(参考) 

3114 

磁気厚み損失 

磁気録音で,磁性層の厚みによって発生する
損失。 

magnetic thickness loss 

3115 

スペーシング損失 

磁気録音で,録音媒体の磁性面と再生ヘッド
表面との間にできるすきまによって発生する
損失。 

spacing loss 

3116 

[ヘッド]ギャップ損失 

磁気録音で,再生ヘッドのヘッドギャップが
有限の値をもつことによって発生する損失。 

gap loss 

3117 

磁気転写 

磁気記録媒体に記録された信号が,近接して
置かれたその媒体の他の部分又は他の媒体に
写ること。 

magnetic printing, 
magnetic transfer, 
print through 

3118 

[磁気]消去 

磁気記録媒体に記録された信号を取り除く操
作。 

erasure 

3119 

重ね記録 

記録された信号を消去せず,その上に新しく
信号を記録する方法。 

over write recording 

3120 

磁気バイアス 

磁気録音で,録音に際し信号磁界に重ね合わ
せる直流又は高周波の磁界。 

magnetic bias 

3121 

消磁器 

磁気録音媒体,磁気ヘッドなどに残留する磁
気を消去する装置。 

magnetic eraser, 
bulk eraser, 
head eraser 

3122 

テープデッキ 

テープレコーダのテープ駆動機構,磁気ヘッ
ド,操作部などからなる部分。 

tape deck 

3123 

キャプスタン 

テープレコーダで,磁気録音テープを摩擦に
よって走行させる回転体。 

capstan 

3124 

テープガイド 

テープを定められた経路に従って正確に走行
させるための支柱又はピン。 

tape guide 

3125 

テープテンション 

テープ駆動機構で,テープの始動時,停止時
又は走行時にテープの長さ方向に加わる張
力。 

tape tension 

3126 

磁気ヘッド 

磁気録音機において録音媒体の磁気的状態を
変化させる部分。 

magnetic head 

3127 

磁気録音ヘッド 

録音に用いる磁気ヘッド。電気信号を磁束の
変化に変え,録音媒体上に磁気的記録を生じ
させる。 

magnetic recording head 

3128 

磁気再生ヘッド 

再生に用いる磁気ヘッド。録音媒体上の磁気
的記録を電気信号に変換し取り出す。 

magnetic reproducing head 

3129 

[磁気]消去ヘッド 

磁気録音された信号を磁気的に消す磁気ヘッ
ド。 

magnetic erasing head 

3130 

[磁気]録再ヘッド 

録音ヘッドと再生ヘッドの機能を兼ね備え
た磁気ヘッド。 

manetic recording reproducing 

head 

3131 

[磁気]録再コンビネー

ションヘッド 

一つのヘッドケース内に録音ヘッドと再生
ヘッドを組み込んだ磁気ヘッド。 

magnetic recording/reproducing 

combination head 

3132 

薄膜ヘッド 

磁性及び導電性薄膜で構成した磁気ヘッド。 thin film head 

3133 

バルクヘッド 

固体状や薄板状の磁性材料をコアに使用した
磁気ヘッド。 

bulk head 

3134 

磁気抵抗ヘッド, 
MRヘッド 

磁気抵抗効果を利用した磁気再生ヘッド。 

magneto-resistive head 

3135 

ヘッドギャップ 

磁気ヘッドを形成する両磁間のすきま。 

magnetic head gap 

3136 

インライン 

マルチトラック録音用磁気ヘッドを構成す
る複数の素子ヘッドのヘッドギャップが一直
線上にあること。 

in line 

background image

10 

Z 8108-1984  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

対応英語(参考) 

3137 

アジマス角 

録音又は再生のヘッドギャップの中心線が
相対進行方向に対してなす規定の角度。 

azimuth angle 

3138 

アジマス損失 

録音再生の両ヘッド間のアジマス角のずれに
よって発生する損失。 

azimuth loss 

3139 

アジマス調整 

アジマス角を調整する操作。 

azimuth adjustment 

3140 

テープ速さ 

録音又は再生時に,磁気録音テープが走行す
る速さ。 

tape speed 

3141 

[録音]トラック 

磁気録音テープ上を録音ヘッドが通過する
ことによって磁化された帯状の部分。 

recording track, 
magnetic track 

3142 

トラック幅 

録音トラック1本の幅。 

track width 

3143 

トラックピッチ 

記録媒体の幅方向の単位長さ当たりのトラッ
ク数の逆数。 

track pitch 

3144 

記録密度 

記録媒体の単位量当たりに記録された情報
量。通常,単位量当たりのビットの数で表す。 

recording density, 
packing density 

3145 

線記録密度 

一つのトラックの長さに関する記録密度。通
常,単位長さ当たりに記録されるビットの数
で表す。 

linear recording density 

3146 

[録音]トラック密度 

単位幅当たりのトラック数。 

track density 

3147 

面記録密度 

面積に関する記録密度。通常,単位面積当た
りに記録されるビットの数で表す。 

surface recording density 

3148 

磁気録音テープ 

プラスチックのテープの片面に磁性体の皮膜
を設けた録音媒体で,磁気録音に用いるもの。 

magnetic tape, 
magnetic sound recording tape 

3149 

エンドレスループ 

帯状の磁気録音テープの両端を互いに接続
して無終端状としたもの。 

endless loop 

3150 

カートリッジ[テープ] 

1個のハブにエンドレスループ状に磁気録音
テープを巻き,これを1個のケースに収納し
たもの。 

cartridge [tape] 

3151 

カセット[テープ] 

同一平面上に並べられた,又は同軸上に重ね
られた供給用及び巻取用のリール(又はハブ)
に磁気録音テープを巻き,それらを一つのケ
ースに収納したもの。 

cassette [tape] 

3152 

リーダーテープ 

リール又はハブに巻き込むために用いる磁
気録音テープの始端及び終端の部分。 

備考 始端部分をリーダ,終端部分をト

レーラと呼ぶことがある。 

leader tape 

3153 

バックコートテープ, 
バックトリートメントテ

ープ 

走行性を良くしたり,帯電を防ぐ目的の物質
を磁性体の皮膜と反対側の面に塗布した磁気
録音テープ。 

back coated tape, 
back treatment tape 

3154 

磁気録音フィルム 

映画フィルム用ベースに磁性体の皮膜を設け
た録音媒体。 

magnetic sound recording film 

3155 

オリジナルテープ 

磁気録音過程で,最初に録音された録音済み
の磁気録音テープ。 

original tape 

3156 

マスターテープ 

目的とする音を作るのに必要なすべての編集
作業を終了し,完成した最初の録音済みの磁
気録音テープ。 

master tape 

3157 

サブマスターテープ 

マスターテープから複製した録音済みの磁
気録音テープ。 

sub-master tape 

3158 

マザーテープ 

マスターテープから複製して編集などの手
を加えた録音済みの磁気録音テープ。 

mother tape 

background image

11 

Z 8108-1984  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

対応英語(参考) 

3159 

プリントマザーテープ 

テープレコードを複製によって製造する際
に,元として用いる録音済みの磁気録音テー
プ。 

production mother tape 

3160 

ブランクテープ 

録音されていない磁気録音テープ。 

blank tape 

3161 

キャリブレーションテー

プ 

磁気録音機の再生系の特性を調整するための
信号を録音した磁気録音テープ。 

calibration tape 

3162 

リファレンステープ 

磁気録音機において,録音系の特性の調整,
磁気録音テープ間の特性比較に用いる無録音
の磁気録音テープ。 

reference tape 

3163 

[テープ]バイアスノイ

ズ 

バイアス磁界によって磁気記録媒体が磁化さ
れるために生じる雑音。 

bias noise 

3164 

テープヒスノイズ 

磁気録音テープが走行する際,磁気ヘッドと
の摩擦などに起因して発生する高域の連続的
な雑音。 

tape hiss noise 

3165 

ドロップアウト 

磁気録音された信号の瞬時的な欠落。 

drop out 

3166 

ハブ 

磁気録音テープ,磁気録音フィルムなどを巻
き付ける円筒状の巻き枠。 

hub 

3167 

フランジ 

ハブ上に巻かれた磁気録音テープ,磁気録音
フィルムなどを保護するために,ハブの両側
又は片側に取り付けられた平板状の円盤。 

flange 

3168 

リール 

ハブとフランジとを一体構造としたもの。 

reel 

3169 

光学録音 

音の信号を映画フィルムに濃淡変化又は面積
変化として録音すること。 

optical sound recording, 
photographic sound recording 

3170 

光学録音機 

光学録音を行う装置。 

optical sound recorder, 
photographic sound recorder 

3171 

光学再生機 

光学録音された信号を電気信号又は音の信号
に変える装置。 

optical sound reproducer, 
photographic sound reproducer 

3172 

光学録音ヘッド 

光学録音機において,電気信号を光量の変化
に変える録音ヘッド。光源,レンズ系及び光
変調器からなる。 

optical sound recording head, 
photographic sound recording 

head 

3173 

光学再生ヘッド 

光学再生機において,光量変化を電気信号に
変換する再生ヘッド。光源,レンズ系及び光
電変換器からなる。 

photograpbic sound reproducing 

head, 

optical sound reproducing head 

3174 

面積式録音 

サウンドトラックの横幅を透明部と不透明
部とに分け,各瞬時における透明部の幅が電
気信号の振幅に対応して変化するようにした
光学録音。 

variable-area recording 

3175 

濃淡式録音 

サウンドトラックの各瞬時における透明度
が,電気信号の振幅に対応して変化するよう
にした光学録音。 

variable-density recording 

3176 

光弁 
(こうべん) 

光学録音機において,光路の断面積又は透過
率を変化させることによって,サウンドトラ
ック上に到達する光量を変化させる部分。 

light valve 

3177 

サウンドトラック 

映画フィルムで音の信号を記録した部分。 

sound track 

12 

Z 8108-1984  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

伊 藤   毅 

早稲田大学理工学部 

(幹事) 

○ 吉 川 昭吉郎 

長岡技術科学大学工学部 

○ 竹ヶ原 俊 幸 

日本放送協会総合技術研究所 

○ 伊 藤 福 蔵 

日本電子機械工業会 

○ 卯 木   稔 

工業技術院標準部 

○ 小 倉 敬一郎 

日本電子機械工業会 

狩 野 政 男 

ソニー株式会社 

○ 菊 田 俊 雄 

日本レコード協会 

城 戸 健 一 

東北大学応用情報学研究センター 

○ 小 西 睦 男 

武蔵工業大学工学部 

境   久 雄 

尚美音楽短期大学 

阪 元 楢 次 

松下電器産業株式会社 

菅 原 淳 夫 

財団法人日本規格協会 

鈴 木 誠 史 

郵政省電波研究所 

中 島 平太郎 

アイワ株式会社 

二階堂 誠 也 

日本放送協会放送科学基礎研究所 

○ 藤 田   尚 

上野学園大学音楽学部 

○ 松 岡   進 

トリオ株式会社 

三 浦 種 敏 

東京電機大学工学部 

三 浦   甫 

工業技術院電子技術総合研究所 

○ 山 室   勲 

パイオニア株式会社技術研究所 

後 藤 健 次 

社団法人日本音響学会 

○印は小委員会委員を兼ねる。