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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

Z 4916-1997 

X線用解像力テストチャート 

Test charts for resolution characteristics of X-ray equipment 

1. 適用範囲 この規格は,X線装置及びX線映像装置の解像力を測定するときに用いるX線吸収体(以

下,吸収体という。)を材料とするX線用解像力テストチャート(以下,テストチャートという。)につい

て規定する。 

備考 この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS B 7502 マイクロメータ 

JIS B 7507 ノギス 

JIS K 6718 メタクリル樹脂板 

2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。 

(1) 解像力 (resolution)  X線写真やX線映像装置などの画像の描写能力を表す量。等しい幅をもつ明暗

の線対の像において,分解していると認められる最小線対の幅の逆数で表す。単位は,一般にLP/mm

を用いる。 

(2) 空間周波数 (spatial frequency)  像又は物体を構成する周期的な構造の細かさを表す量。単位長さ当

たりの周期の数で表す。単位は,一般にLP/mmを用いる。 

3. 種類及び用途 テストチャートの種類は,吸収体の材質及び厚さ並びに形状,寸法及び配列によって

表1のとおりとする。空間周波数の変化は,等比数列を原則とする。 

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Z 4916-1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1 テストチャートの種類及び用途 

種類 

空間周波数範囲 

LP/mm 

公比 

用途 

R-1W100 
R-1Pb100 

0.5〜5.0 

1.25 

一般用 

R-2W50 
R-2Pb50 

2.0〜10.0 

1.25 

高解像力用 

R-4W100 
R-4Pb100 

1.0〜4.0 

1.25 

間接撮影用 

R-5W50 
R-5Pb50 

0.5〜5.0 

連続的 

焦点確認用 

備考 表1に示す種類は,次の意味をもつ文字と数字との組合せで示

す。 

    1項      2項    3項     4項 
“アルファベット文字”−“数字” “材料の記号” “数字” 

(1) 1項は,解像力測定用を示すアルファベット文字,R 
(2) 2項は,用途を示す数字で次による。 

1:一般用 
2:高解像力用 
3:欠番とする。 
4:間接撮影用 
5:焦点確認用 

(3) 3項は,吸収体の材料を示す記号(表2参照) 
(4) 4項は,吸収体の厚さを示す数字(単位 μm) 

例 用途が一般用(1)で,吸収体の材料がタングステン,その厚さが

100μmの場合:R-1W100 

4. 材料・構造及び形状・寸法 

4.1 

材料・構造 材料及び構造は,次による。 

(1) 吸収体の材料は,表2を用い,通常の取扱いで破損しないように,図1に示す2枚の透明な保護板で

挟んだ構造とする。保護板の厚さ (t) は1mm以下とし,図1のa及びbは,特に指定しない限り10mm

以下とする。 

なお,接着剤を使用する場合には,解像力の測定結果に影響を与えないようにする。 

表2 吸収体の材料 

記号 

材料 

タングステン(純度99.5%以上) 

Pb 

鉛     (純度99.5%以上) 

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Z 4916-1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図1 テストチャートの構造 

(2) 保護板は,JIS K 6718に規定する無色透明なメタクリル樹脂板とする。 

4.2 

形状・寸法 吸収体の形状及び寸法は,図2〜5に示すとおりとし、各空間周波数の吸収体の線数は

焦点確認用を除き,すべて3本とする。 

空間周波数の表示値に対する許容差は,±8%,吸収体の厚さ及び外形寸法の許容差は±10%とする。 

備考1. 吸収体の厚さの測定は,JIS B 7502によるマイクロメータ,寸法測定には,JIS B 7507による

ノギス又はこれらと同等以上の精度をもつ測定器を用いる。 

2. 空間周波数の測定は,テストチャートを寸法確認用スケールとともに,拡大鏡で見るか,又

は拡大投影機で観察して,規定の許容差内にあるかどうかを調べる。 

図2 R-1W100,R-1Pb100(一般用) 

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Z 4916-1997  

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図3 R-2W50,R2Pb50(高解像力用) 

図4 R-4W100,R-4Pb100(間接撮影用) 

備考 保護板外周の目盛線は,テストチャート

の縦及び横方向に一致するよう90°等
分割の位置に置く。 

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Z 4916-1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図5 R-5W50,R-5Pb50(焦点確認用) 

備考 目盛なしで,全周をパターンで埋めたものも可とする。 
参考 直径57.3mmの場合,円周が約180mmとなり,角度2°の弧の長さが約1mmとなる。 

5. 空間周波数 空間周波数は,表3による。 

なお,空間周波数と線幅及び線間の関係は,次の式に示すとおりである。 

d

u

2

1

=

ここに, u: 空間周波数 (LP/mm) 
 

d: 線幅及び線間の寸法 (mm) 

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Z 4916-1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表3 空間周波数 

種類 

空間周波数 (LP/mm) 

R-1W100, R-1Pb100 

0.5 0.63 0.8 1.0 1.25 1.6 2.0 2.5 3.2 
4.0 5.0 

R-2W50, R-2Pb50 

2.0 2.5 3.2 4.0 5.0 6.3 8.0 10.0 

R-4W100, R-4Pb100 

1.0 1.25 1.6 2.0 2.5 3.2 4.0 

R-5W50, R-5Pb50 

0.5〜5.0(連続的) 

6. 表示及び附属資料 

6.1 

表示 テストチャートには,次の事項を表示する。 

(1) 種類の記号 

(2) 空間周波数 

(3) 製造番号 

(4) 製造業者名若しくは販売業者名又はその略号 

6.2 

附属資料 テストチャートには,次の附属資料を添付する。 

(1) 仕様書 

(2) 取扱説明書 

(3) 形状,寸法及び厚さの検査成績書 

(4) 製造年月日及び製造番号 

なお,これらの資料は,包装に表示してもよい。 

7. 包装 テストチャートは適当なクッションをもつ容器に収納し,輸送中に損傷が生じないようにする。 

関連規格 JIS Z 4704 医用X線管装置 

JIS Z 4917 X線変調度伝達関数測定用テストチャート 

Z 4916-1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS Z 4916改正原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

野辺地 篤 郎 

聖路加国際病院 

(委員) 

矢 野 周 作 

厚生省薬務局 

永 松 荘 一 

通商産業省機械情報産業局 

藤 井 隆 宏 

工業技術院標準部 

加 山 英 男 

財団法人日本規格協会技術部 

尾 内 能 夫 

癌研究会癌研究所 

鹿 沼 成 美 

日本大学医学部付属練馬光が丘病院 

多 田 信 平 

東京慈恵会医科大学 

竹 中 栄 一 

関東労災病院 

浜 田 政 彦 

東京都老人医療センター 

平 林 久 枝 

東京女子医科大学病院 

平 松 慶 博 

東邦大学医学部 

宗 近 宏 次 

昭和大学医学部 

山 田 和 美 

東京日立病院 

青 木 久 敏 

株式会社東芝那須工場 

幾 瀬 純 一 

東芝メディカル株式会社技術本部 

三田村 正 義 

ジーイー横河メディカルシステム株式会社品質保証部門 

村 上 文 男 

株式会社日立メディコ設計支援センター 

矢 野   太 

ジーイー田中メディカルシステム株式会社 

山 口 尚二郎 

株式会社島津製作所医用機器事業部 

伊 東   厚 

社団法人日本放射線機器工業会 

(事務局) 

椎 名 光 男 

社団法人日本放射線機器工業会 

JIS Z 4916改正原案作成委員会分科会 構成表 

氏名 

所属 

(主査) 

青 木 久 敏 

株式会社東芝那須工場 

加 山 英 男 

財団法人日本規格協会技術部 

小 林 宏 之 

日本医科大学附属病院 

萩 原   明 

財団法人神奈川県予防医学協会中央診断所 

村 西 久 幸 

神奈川県立厚木病院 

小 幡 義 治 

株式会社東芝那須電子管工場 

酒 井 光 明 

株式会社ミクロメディカル 

鈴 木 優二郎 

化成オプトニクス株式会社技術本部 

平 垣 圭 一 

株式会社島津製作所医用機器工場 

矢 野   太 

ジーイー田中メディカルシステム株式会社 

湯 口 直 樹 

キャノン株式会社光学機器事業本部 

和 田   裕 

株式会社日立メディコ京都工場 

(事務局) 

椎 名 光 男 

社団法人日本放射線機器工業会