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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

Z4811-1995 

放射性汚染防護用作業靴 

Protective footwear for radioactive contamination 

1. 適用範囲 この規格は,原子力関連の事業所において,放射性汚染防護のために使用する放射性汚染

防護用作業靴(以下,作業靴という。)について規定する。 

備考1. この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS K 6251 加硫ゴムの引張試験方法 

JIS K 6257 加硫ゴムの老化試験方法 

JIS K 6258 加硫ゴムの浸せき試験方法 

JIS S 5037 靴のサイズ 

JIS T 8101 革製安全靴 

JIS T 8102 総ゴム製安全ぐつ 

2. この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,

参考として併記したものである。 

2. 種類 種類は,先しんの有無及び靴の形状によって分類し,その記号は表1による。 

表1 種類 

種類 

記号 

先しん入り 

長靴 

A-1 

半長靴 

A-2 

短靴 

A-3 

先しんなし 

長靴 

B-1 

半長靴 

B-2 

短靴 

B-3 

備考 先しん入りは,完成品の耐圧迫性及び耐

衝撃性がJIS T 8101のL級相当のもので
ある。 

3. 性能 性能は,7.の方法で試験を行ったとき,表2及び表3の規定に適合しなければならない。 

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Z4811-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表2 性能 

項目 

性能 

試験方法 

表底 

かかと(ヒール) 

胴及び甲 

外観 

引張強さ及び伸び 引張強さ 

MPa {kgf/cm2} 

8.8 {90} 以上 

7.8 {80} 以上 

12.7 {130} 以上  

[9.8 {100} 以上] 

− 

7.4 

伸び 

400以上 

200以上 

420以上 

薬品浸せき後の引
張強さ及び伸び 

引張強さ残留率 % 

80以上 

80以上 

80以上 著しい膨潤・

収縮・硬化が

ないこと 

7.5 

伸び残留率 

80以上 

80以上 

80以上 

老化後の引張強さ
及び伸び 

引張強さ残留率 % 

80以上 

80以上 

80以上 

− 

7.6 

伸び残留率 

80以上 

80以上 

80以上 

中底の曲げ強度 

折損しないこと。 

7.7 

完成品の耐浸水性 

内面へ浸水しないこと。 

7.8(1) 

備考 [ ]内の数値は,プラスチック製品の場合を示す。 

表3 性能(先しん入りの場合) 

項目 

性能 

試験方法 

完成品の耐圧迫性 

中底と先しんとのすきまはそれぞれ15mm以上。 

7.8(2) 

完成品の耐衝撃性 

7.8(3) 

4. 構造及び外観 

4.1 

構造・外観一般 構造及び外観は,次の各項に適合しなければならない。 

(1) 底,ヒール,胴,甲,テープその他はり合わせ部分又ははり付け部分があるものは,密着が完全であ

ること。 

(2) 使用上有害なきず,き裂,す,気泡,異物の混入,その他これに類する欠点がないこと。 

(3) 目立って外観を損なうような,はん点,汚れ,その他の欠点がないこと。 

(4) 作業靴は,脱ぎやすく,はき心地がよく,作業がしやすい構造であること。 

(5) 靴底は,滑り止めを配慮してあること。 

(6) 先しんが入っているものは,堅固に装着されていること。 

(7) 作業靴の表面は平滑で,不必要な凹凸がなく,除染しやすい構造であること。 

(8) 胴部にファスナー,バンド付尾錠などを使用する場合は,除染性を考慮するとともに,本体と一体の

袋もちとすること。 

4.2 

先しん 先しんの構造は,表面をすべて平滑に仕上げ,へり及びかどに丸みを付け,内側は,布,

革,ゴム又はプラスチックなどで内張りし,特に後端部の内側は補強しなければならない。 

5. 寸法 

5.1 

サイズ サイズは,JIS S 5037の規定による。 

5.2 

厚さ 厚さは,7.3の方法で試験したとき,表4の値に適合しなければならない。 

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Z4811-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表4 厚さ 

単位mm 

種別 

表底 

胴 

甲 

ふまず部 

山を含む 

ふみ付け主要部 

長靴 

2.8以上 

8.0以上 

(5.2以上) 

1.2以上 

1.8以上 

半長靴 

2.5以上 

7.0以上 

(5.2以上) 

− 

1.2以上 

短靴 

備考 ( )内の寸法は,プラスチック製品の場合を示す。 

5.3 

先しんの寸法 先しんの寸法は,JIS T 8102の3.2.2(先しんの寸法)に準じるものとする。 

6. 材料 作業靴の主な材料は,天然ゴム,合成ゴム,プラスチックなどとする。 

なお,先しんの材料は,JIS T 8102の2.3(先しん)の鋼材及びプラスチックとする。 

7. 試験方法 

7.1 

試験項目 靴の試験項目は,次のとおりとする。 

(1) 構造・外観試験 

(2) 寸法試験 

(3) 引張試験 

(4) 薬品浸せき試験 

(5) 老化試験 

(6) 中底の曲げ試験 

(7) 完成品の試験 

7.2 

構造・外観試験 構造及び外観は,目視によって全数を調べる。 

7.3 

寸法試験 

7.3.1 表底の厚さ 試料の両端を結ぶ直線において,表底の縁辺部を除いて接地面と直角の断面について,

各部ごとに最も薄い箇所の厚さを測る。 

7.3.2 

胴及び甲の厚さ つり込みの部に接する部分を除いて試料を縦に二分する直線上の直角の断面に

ついて最も薄い箇所の厚さを測る。 

7.4 

引張試験 JIS K 6251の5.(試験方法)に規定する方法によって,表底,胴及び甲については同項

の4.(試験片)に従いダンベル状1号形試験片を,ヒールについては同2号形試験片を用い,引張強さ及

び伸びを測定する。 

なお,試験片のとり方は,次の各項による。 

(1) 表底 試料から表底の縦の方向にとり,研磨仕上げ後の平行部分の厚さは,原則として3mmとする。 

(2) ヒール 試料からそぎとった厚さ約4〜6mmの板状のものからヒールの横の方向にとり,研磨仕上げ

後の平行部分の厚さは,原則として3mmとする。 

(3) 胴及び甲 試料からカレンダー方向と直角にとり,必要でない限り,表面の研磨仕上げは行わないも

のとし,平行部分の厚さは3mmとする。 

Z4811-1995  

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7.5 

薬品浸せき試験 7.4と同じように試験片をとり,20%塩酸と20%水酸化ナトリウム溶液にそれぞれ

室温で48時間浸せきした後これを取り出し,軽くぬぐって直ちに7.4と同じ方法で引張強さ及び伸びを測

定し,JIS K 6258に規定する方法から求めた測定値から処理前に対する残留率を算出する。 

7.6 

老化試験 7.4と同じように試験片をとり,JIS K 6257に規定する方法によって70±1℃で連続96

時間老化処理し,7.4と同じ方法で引張強さ及び伸びを測定し,JIS K 6257の方法によって残留率を算出す

る。 

7.7 

中底の曲げ試験 試料から胴及び甲部を切りとり底部だけとし(ヒール付きのものはヒールをとり

除く。),ふまず部を試験箇所として底の縦の方向と直角において,直径1cmの丸棒に沿い底側を外にして

徐々に曲げ,半円周密着させ,1分間放置した後,折損するかどうかを調べる。ただし,試験は常温・常

湿で行う。 

7.8 

完成品の試験 完成品の試験は,次による。 

(1) 浸水試験 完成品を深さ5cmの水中に24時間浸せきし,靴の内面への浸水の有無を調べる。 

(2) 圧迫試験 JIS T 8101の8.1(完成品の圧迫試験)に規定する方法による。ただし,圧迫に要する荷重

は4.4kN {450kgf} とする。 

(3) 衝撃試験 JIS T 8101の8.2(完成品の衝撃試験)に規定する方法による。ただし,おもりの質量は

10

.00

23+

kg,落下高さは120mmとする。 

8. 検査 

8.1 

形式検査 新たに形式を変更した場合,合理的な抜取方法によって,7.に規定する試験を行い,適合

したものを合格とする。 

8.2 

受渡検査 全数について,7.2に規定する試験を行い,適合したものを合格とする。 

9. 製品の呼び方 作業靴の呼び方は,名称,種類及びサイズによる。 

例 放射性汚染防護用作業靴 長靴A-1 25.5 

10. 表示 

10.1 製品の表示 製品本体には,次の事項を表示しなければならない。 

(1) サイズ 

(2) 製造業者名又はその略号 

10.2 包装箱の表示 包装箱には,次の事項を表示しなければならない。 

(1) 名称 

(2) 種類 

(3) 主要材料名 

(4) サイズ 

(5) 製造業者名又はその略号 

(6) 製造年月又はその略号 

11. 取扱説明書 製品には,必要に応じて,取扱い上の注意事項を記載した取扱説明書を添付しなければ

ならない。 

Z4811-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

関連規格:JIS T 8117 労働衛生保護長ぐつ 

JIS Z 4809 放射性汚染防護用保護衣類 

JIS Z 4811 改正原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

浜 田 達 二 

社団法人日本アイソトープ協会 

○ 栗 原 史 郎 

工業技術院標準部電気規格課 

藤 冨 正 晴 

資源エネルギー庁公益事業部 

高 木 譲 一 

科学技術庁原子力安全局 

田 中 喜代史 

労働省労働基準局安全衛生部 

黒 木 勝 也 

財団法人日本規格協会技術・検査部 

河 村 正 一 

神奈川大学理学部 

大 西 俊 彦 

動力炉核燃料開発事業団東海事業所 

○ 宮 丸 邦 夫 

東京電力株式会社原子力本部原子力発電

部 

村 田 幹 生 

日本原子力研究所東海研究所保健物理部 

船 本 久 雄 

日本原子力発電株式会社放射線管理室 

三ケ尻 元 彦 

株式会社東芝磯子エンジニアリングセンター原子力事業

部原子力建設部 

○ 鈴 木 直 之 

日揮株式会社原子力・環境・エネルギー事

業本部 

○ 長 坂 英 三 

東電環境エンジニアリング株式会社商事

部 

○ 渡 辺 道 彦 

千代田保安用品株式会社原子力統括部 

○ 町 田 定 男 

株式会社シモン東京支店 

○ 丸 尾 武 義 

シバタ工業株式会社履物事業部 

○ 金 子   勇 

野口安全株式会社東京支店 

(事務局) 

○ 白 石 義 行 

社団法人日本保安用品協会 

○ 角 田 敏 郎 

社団法人日本保安用品協会 

備考 ○を付けた委員は,小委員会の委員を兼ねる。