サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

Z 4121:2009 (IEC 60522:1999) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲及び目的 ············································································································· 1 

1.1 適用範囲 ······················································································································ 1 

1.2 目的 ···························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

3.1 要求度 ························································································································· 2 

3.2 用語の用い方 ················································································································ 2 

3.3 用語の定義 ··················································································································· 2 

4 固有ろ過の測定 ················································································································ 2 

4.1 概要 ···························································································································· 2 

4.2 試料 ···························································································································· 3 

4.3 測定用X線ビームの発生 ································································································· 3 

4.4 放射線検出器(X線検出器)···························································································· 3 

4.5 基準物質の組成 ············································································································· 3 

4.6 測定方法 ······················································································································ 3 

5 固有ろ過の表示及び表明 ···································································································· 3 

附属書A(規定)定義された用語の索引 ··················································································· 5 

Z 4121:2009 (IEC 60522:1999) 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本画像医療システム工業会(JIRA)

及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,

日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,

このような特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確

認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格 

      JIS 

Z 4121:2009 

(IEC 60522:1999) 

X線管装置の固有ろ過の測定 

Determination of the permanent filtration of X-ray tube assemblies 

序文 

この規格は,1999年に第2版として発行されたIEC 60522を基に,技術的内容及び対応国際規格の構成

を変更することなく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

適用範囲及び目的 

1.1 

適用範囲 

この規格は,医療診断及び放射線治療に用いるX線管装置の固有ろ過の測定方法について規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 60522:1999,Determination of the permanent filtration of X-ray tube assemblies (IDT) 

なお,対応の程度を表す記号(IDT)は,ISO/IEC Guide 21に基づき,一致していることを示 

す。 

1.2 

目的 

この規格は,医療診断及び放射線治療に使用するX線管装置の固有ろ過の概念を定義し,その決定方法

について規定する。これには,X線管装置への表示及び附属文書において適合表明するための要件を含む。 

任意の総ろ過を得るための適切な付加ろ過を提供できるように,十分な精度でX線管装置の固有ろ過を

求める方法についても規定する。 

注記1 この規格には,固有ろ過又は総ろ過の値に関する要件は規定しない。診断目的で使用するX

線管装置及びX線装置に関しては,適切な要件をJIS T 0601-1-3に規定している。 

注記2 この規格に規定する固有ろ過の測定方法は,形式試験に適している。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS T 0601-1:1999 医用電気機器−第1部:安全に関する一般的要求事項 

注記 対応国際規格:IEC 60601-1:1988,Medical electrical equipment−Part 1: General requirements for 

safety並びにAmendment 1:1991及びAmendment 2:1995 (MOD) 

JIS Z 4005 医用放射線用語 

注記 対応国際規格:IEC 60788:1984,Medical radiology−Terminology (MOD) 

ISO 2092:1981,Light metals and their alloys−Code of designation based on chemical symbols 

Z 4121:2009 (IEC 60522:1999) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

用語及び定義 

3.1 

要求度 

この規格では,次のように特定の語について要求事項の記載を明確にしている。 

− …(し)なければならない。 …する。 …とする。 …による。(“shall”) 

適合が必す(須)である要求事項を示す文章の末尾。 

− …することが望ましい。 …するのがよい。(“should”) 

適合が必すでない強い勧告を示す文章の末尾。 

− …(し)てもよい。 …差し支えない。(“may”) 

要求事項に適合する方法又はその代わりの方法を記載する文章の末尾。 

− 規定の,規定した(“specific”) 

この規格だけに記載された情報又は他の規格における,通常特定の作動条件,試験配置又は適合値

の参照を示す値。 

− 指定の,指定した(“specified”) 

通常,期待する目的,パラメータ又はその使用若しくは適合試験条件に関して,機器の附属文書又

は他の文書に製造業者によって明記された限定的な情報を示す語。 

3.2 

用語の用い方 

この規格では,本文中の太字は,この規格及びJIS T 0601-1又はJIS Z 4005で定義した用語である。 

注記 前記の規格で定義した用語が,太字で表記されていない場合,定義は適用されず意味は文脈に

そって解釈する。 

この規格で使用した定義された用語の索引を附属書Aに示す。 

3.3 

用語の定義 

この規格で用いる主な用語の定義は,次を除きJIS Z 4005による。 

3.3.1 

固有ろ過 

すべての用途での正常な使用において,X線ビームが透過する部分の取り外しできない物質によるX線

管装置の線質等価ろ過。 

固有ろ過の測定 

4.0A 

一般 

箇条5の規定によって,固有ろ過を実際に使用している透過物質の名称(例えば,ベリリウム)で表す

場合は,その種類及び厚さを検査によって決定又は検証しなければならない。他の場合は,この規格によ

って表示又は表明するX線管装置の固有ろ過を,次の試験によって決定しなければならない。 

4.1 

概要 

固有ろ過は,X線ビームが透過するX線管装置の構造体で,取り外しできない物質による試料の線質等

価ろ過を測定して求める。測定する場合には,この構造体で実際に使用されている物質と厚さとの組合せ

を再現した複合試料で試験することができる。または,次の二つの条件に合えば,上記の線質等価ろ過の

測定に代えて,各試料の個別の測定値から固有ろ過を算出することもできる。 

− 各試料の測定に使用した基準物質が同一である。 

− 測定に用いたX線ビームの線質は,調整している。 

注記1 通常は,固有ろ過構成物質として測定対象試料と焦点との間に別の試料(例えば,絶縁油,

Z 4121:2009 (IEC 60522:1999) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ガラスなど)が存在する。したがって,単一物質だけを測定する場合は,X線ビームの線質

の違いを合わせるように調整する必要がある。 

注記2 測定の結果は,試験を行った特定の複合物質だけに有効である。製造においては,固有ろ過

の表明値の適合を常に維持するために,実際に使用している物質の材質,及び厚さのばらつ

きを適正な範囲内に管理する必要がある。 

4.2 

試料 

試料は,4.1に従ってX線管装置の構造体に使用されて固有ろ過の全体若しくは一部を構成している各

物質の層の完全な組合せ,又は単一物質の層を再現した試料のいずれかを用いる。 

4.3 

測定用X線ビームの発生 

測定用X線ビームの発生には,被測定のX線管装置と同じターゲット物質のX線管を,リプル百分率

が10 %以下の次に示すいずれかの管電圧を選択して用いる。 

a) K吸収端エネルギーが19 keV以上の物質による固有ろ過のX線管装置は,その物質のK吸収端エネ

ルギーに相当する管電圧。例えば,19.99 keVにK吸収端をもつモリブデンでは20 kVを用いる。 

b) 狭い範囲の管電圧で用いるX線管装置(例えば,CT用途)では,その公称最高管電圧。 

c) 公称最高管電圧が65 kV以下のX線管装置では,その公称最高管電圧。 

d) 公称最高管電圧が65 kVを超えるX線管装置では,75 kV又は公称最高管電圧の約半分の値のいずれ

か高い方を用いる。タングステンの吸収端に近い管電圧は避けるのが望ましい。 

複合試料で試験するときは,総ろ過を無視できる(例えば,ベリリウム窓を用いたX線管装置)X線ビ

ームを用いる。単一物質の試料で試験するときは,試験する物質と焦点との間に適切な厚さの基準物質を

挿入する。これは,実製品とのX線ビームの線質の違いを補償するためである。 

4.4 

放射線検出器(X線検出器) 

測定に必要なエネルギーの範囲で特性が大きく変動しない放射線検出器(X線検出器)を使用する。 

4.5 

基準物質の組成 

この規格によって決定する半価層及び線質等価ろ過の値は,次のいずれかの組成の基準物質を使用する

(ISO 2092では,純度99.9 %の銅が指定されている。)。 

− 純度99.9 %以上,密度2.70 g/cm3のアルミニウム 

− 純度99.9 %以上,密度8.90 g/cm3の銅 

4.6 

測定方法 

試料を焦点に接近させて配置し,ナロービーム条件でX線ビームの第1半価層を測定する。同一のビー

ム条件で,同じ半価層を得るのに必要な基準物質の厚さを求める。得られた基準物質の厚さが,試料の線

質等価ろ過になる。 

試料が複合試料で,固有ろ過を構成するすべての物質を表している場合は,この測定結果もまた当該X

線管装置の固有ろ過の値になる。また,固有ろ過を構成している各単一物質を表す試料すべての,個別の

(同一の基準物質及び一次ビーム条件での)線質等価ろ過の値を合算して求めてもよい。 

これらの試験で得た固有ろ過の値が,表明値(公称値)の100 %〜130 %である場合に,適合している

とする。 

固有ろ過の表示及び表明 

この規格との適合を表明する場合は,X線管装置の固有ろ過の値を,次に示す物質の厚さをミリメート

ル(mm)で表示する。 

Z 4121:2009 (IEC 60522:1999) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

− 当該物質:固有ろ過が単一物質(例えば,ベリリウム)で構成される場合 

− アルミニウム:公称最高管電圧が150 kV以下のX線管装置の場合で,測定に使用したX線管電圧を

一緒に記載する。 

− 銅:公称最高管電圧が150 kVを超えるX線管装置の場合で,測定に使用したX線管電圧を一緒に記

載する。ろ過物質又は基準物質は化学記号で記載する。測定に使用したX線管電圧の記載が必要な場

合は,キロボルト(kV)で表示する。 

この規格との適合を表示又は表明する場合は,適正な書式に従わなければならない。次に75 kVのX線

管電圧で,基準物質のアルミニウムで測定して得た表明値(公称値)1.2 mmへの適用例を示す。 

a) 附属文書などの書面の場合 

固有ろ過 1.2 mm Al/75 kV JIS Z 4121/2009: 

b) X線管装置に表示する場合 

1.2 Al/75 

注記1 a) の場合は,mm及びkVの単位記号を含めることに注意する。 

注記2 固有ろ過を実際のろ過物質(例えば,ベリリウム)で記載する場合には,X線管電圧は記載

しない。その他の場合には,測定管電圧を記載する。 

参考文献 JIS T 0601-1-3 医用電気機器−第1部:安全に関する一般的要求事項−第3節:副通則−診断

用X線装置における放射線防護に関する一般的要求事項 

Z 4121:2009 (IEC 60522:1999) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(規定) 

定義された用語の索引 

序文 

この附属書は,定義された用語の索引について規定する。 

A.1 用語の索引元及びその記号 

JIS Z 4121(本書)箇条3 

3… 

JIS T 0601-1:箇条2 

IEC 60601-1: General Standard, clause 2 

NG.-2. 

JIS Z 4005 

IEC 60788 

rm-..-.. 

国際単位系SIにおける単位名 

Name of unit in the International System SI 

rm-..-..* 

定義のない派生 

Derived term without definition 

rm-..-..+ 

定義のない用語 

Term without definition 

rm-..-..- 

以前の単位名 

Name of earlier unit 

rm-..-..・ 

短縮語 

Shortened term 

rm-..-..s 

注記 記号の後の数字は,該当する用語の番号又は規格の細分箇条番号を表す。 

A.2 用語の索引 

X線管 

X-RAY TUBE 

rm-22-03 

[X線]管装置 

X-RAY TUBE ASSEMBLY 

rm-22-01 

[X線]管電圧 

X-RAY TUBE VOLTAGE 

rm-36-02 

X線管容器 

X-RAY TUBE HOUSING 

rm-22-02 

X線装置 

X-RAY EQUIPMENT 

rm-20-20 

X線ビーム 

X-RAY BEAM 

rm-37-05+ 

管装置 

[X線]管装置を参照 

管電圧 

[X線]管電圧を参照 

機器 

EQUIPMENT 

NG.2.2.11 

公称最高管電圧 

NOMINAL X-RAY TUBE VOLTAGE 

rm-36-03 

固有ろ過 

PERMANENT FILTRATION 

3.3.1 

使用者 

USER 

rm-85-01 

焦点 

FOCAL SPOT 

rm-20-13s 

正常な使用 

NORMAL USE 

rm-82-04 

製造業者 

MANUFACTURER 

rm-85-03 

線質 

[放射線の]線質を参照 

線質等価ろ過 

QUALITY EQUIVALENT FILTRATION 

rm-13-45 

総ろ過 

TOTAL FILTRATION 

rm-13-48 

Z 4121:2009 (IEC 60522:1999) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

測定値 

MEASURED VALUE 

rm-73-08 

ナロービーム条件 

NARROW BEAM CONDITION 

rm-37-23 

入射表面 

ENTRANCE SURFACE 

rm-37-17 

半価層 

HALF VALUE LAYER 

rm-13-42 

付加ろ過 

ADDITIONAL FILTRATION 

rm-13-47 

附属文書 

ACCOMPANYING DOCUMENTS 

rm-82-01 

放射線検出器 

RADIATION DETECTOR 

rm-51-01 

放射線治療 

RADIOTHERAPY 

rm-40-05 

[放射線の]線質 

RADIATION QUALITY 

rm-13-28 

リプル百分率 

PERCENTAGE RIPPLE 

rm-36-17