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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

Z 3900 - 1974 

貴金属ろうのサンプリング方法 

Methods for Sampling of Precious Brazing Filler Metals 

1. 適用範囲 この規格は,金ろう,銀ろう,りん銅ろう,パラジウムろうなどの分析試料の採り方及び

試料調製方法について規定する。 

引用規格: 

JIS Z 8801 標準ふるい 

関連規格 JIS M 8104 粗金銀地金のサンプリング方法 

2. 試料の採り方 

2.1 

試料採取の時期は,製造所においてろう地金の溶融鋳造を行うときとし,1溶融ごとに1試料を採取

する。注文者又は使用者側で製品の試料採取を行うときは製造業者の立会いを要し,その方法は協議して

決める。 

2.2 

試料採取方法は,貴金属元素の含有率などにより,次のいずれかによる。 

(1) くみ取りボーリング法(銀ろう,りん銅ろう,パラジウムろうの一部) 

(2) くみ取りショット法(銀ろうの一部……銀含有率の高いもの,ただしすず入りろうには適用しない。) 

(3) くみ取り延展法(金ろう,パラジウムろうの一部) 

3. 試料調製方法 

3.1 

くみ取りボーリング法 

(1) くみ取り方 各種ろう地金の溶融鋳造は,溶湯の入ったるつぼを取り出し,溶さい(滓)などを入念

に取除いた後,予熱したかくはん棒でじゅうぶんにかき混ぜ,それぞれの鋳型に注入する。 

その際注湯の流れのほぼ中間点で,溶湯と同一温度に予熱した小形るつぼを素早く差し出して試料

湯をくみ取り,試料用鋳型(1)に注入して試料鋳塊とし,湯の残部は元へもどす。 

注(1) 試料用鋳型は,原則として次による。 

単位 mm 

形式 

内寸法 

幅 

長さ 

深さ 

20 

20 

20 

15 

40 

17 

(2) ボーリング法 試料鋳塊は炭酸水素ナトリウム又は適当なみがき粉などを用いて鋳型に接した表面を

みがき清浄にする。 

小形ボール盤に,径3〜5mmのきりを装着し,試料鋳塊の表面数箇所をきりもみし(2)切粉試料を集

める。 

Z 3900 - 1974  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

切粉の量は約10gとし,ひも状のものは清浄なはさみで約3mm以下に切断し,円すい四分法によ

り約5g入り調製試料2個を作成し,袋入れ後厳封する。 

注(2) きりはアルコールに浸した清浄な布片でぬぐい,じゅうぶんに清浄にしたものを用い,試料受

器は切粉の散乱を防止できるものとし,きりの回転数を切粉が酸化しない程度にゆるやかにし,

きりの先端が試料鋳塊の裏側の酸化部に達しない程度に行う。ただし,水その他の冷却剤又は

減摩剤などを用いてはならない。 

3.2 

くみ取りショット法 3.1の(1)に準じて,試料溶湯を小形るつぼにくみ取り,冷却そう(3)中に浮かし

た木片又は竹の側腹部に,少量ずつ流れがほぼ同量となるように注加して水砕する。 

丸底容器に集まったショット試料はそのまま水中から取出し,傾斜法によって脱水し,粒面が酸化しな

い程度の温度で速やかに乾燥後,次のようにふるい分けを行う。 

JIS Z 8801(標準ふるい)の420μm(35メッシュ相当)を用いてふるい下の部分を除去し,更に3360μm

(6メッシュ相当)を用いてふるい上の部分をふるい分け,420〜3360μmの部分を取出し,円すい四分法

で分割し,5〜10gの袋入り調製試料2個を作成しそれぞれ質量をはかった後厳封する。 

注(3) 冷却そうは径約250mm,深さ約300mmの木そうとし,水をほぼ21入れておき,水そうの底部には

径約230mmの丸底銅製又はほうろう製容器を沈下しておく。 

これに円筒状の木片又は竹(径約75mm,長さ約180mmの生材)を浮かせておく。 

3.3 

くみ取り延展法 3.1の(1)で溶湯を,予熱したかくはん棒で,じゅうぶんにかき混ぜた後,溶湯と同

一温度に予熱した試料用木炭さじ(4)2個を順次に溶湯のなるべく深部にそう入して地金試料約5gをくみ取

り,そのまま静置して放冷する。球状試料を木炭さじから取出し,各々の質量を正しくはかった後袋入れ

後厳封する。 

分析試料をはかり取る際は,球状試料を加熱炉に入れて低温で焼なまし,くみ取りの際の上面を正しく

上面又は下面とし,じゅうぶんにみがいた金床上で,つち打ちしてへん(扁)平にする。再び焼なまし後

じゅうぶんにみがいたロールにかけて延展し,厚さ0.2〜0.25mmとしアルコールを浸した布片で清浄にし

た後,じゅうぶんにみがいたはさみで3mm角以下の細片とする。 

注(4) 木炭さじの代わりに良質の黒鉛さじを用いることができる。これらのさじはみがいた鉄製トン

グではさんで使用する。木炭さじは,ほう炭のような灰分の少ないち密な木炭を用い,径約50mm

の木炭を長さ55〜60mmに切断し,やすりなどを用い,巧みに細工してL字形とし,その水平

部上面を削り取ってさじ形とする。径約5mmのきりを用いて適当な深さにきりもみし,球状又

は円筒状の試料1, 2個が得られるように細工する。 

Z 3900 - 1974  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

溶接部会 硬ろう分析方法専門委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員会長) 

服 部 只 雄 

財団法人日本分析化学研究所 

飯 田 芳 男 

成蹊大学工学部 

景 山 守 信 

大蔵省造幣局 

大 田 省三郎 

日本国有鉄道鉄道技術研究所 

俣 野 宣 久 

科学技術庁金属材料技術研究所 

有 井   満 

東京芝浦電気株式会社 

妹 島 五 彦 

株式会社日立製作所 

大 塚 信 雄 

橋本貴金属工業株式会社 

鴨 下   豊 

水野貴金属株式会社 

川 口 義 男 

日産自動車株式会社 

乾   昌 弘 

乾庄貴金属化工株式会社 

小 林 寿 美 

株式会杜徳力本店 

佐 藤 慶 司 

田中貴金属工業株式会社 

古 矢 元 佑 

清峰金属工業株式会社 

横須賀   繁 

石福金属興業株式会社 

(事務局) 

中 川 昌 俊 

工業技術院標準部材料規格課 

石 井 清 次 

工業技術院標準部材料規格課 

細 井 敏 明 

工業技術院標準部材料規格課