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Z 3450:2015  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 品質要求事項の適切な水準の選択 ························································································ 2 

附属書A(参考)包括的品質要求事項及び標準的品質要求事項の選択基準 ······································· 4 

附属書B(規定)包括的品質要求事項······················································································· 5 

附属書C(規定)標準的品質要求事項 ····················································································· 10 

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(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,公益社団法人日本鉄筋継手協会(JRJI)及び

一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があ

り,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣及び国土交通大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣,国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の

特許出願及び実用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

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鉄筋の継手に関する品質要求事項 

Quality requirements for joints of steel bars  

for concrete reinforcement 

適用範囲 

この規格は,発注者が鉄筋継手工事の発注の際,指定する仕様書に記載する品質要求事項の水準の選択

及びこれらの品質要求事項について規定する。この規格は,ガス圧接継手,溶接継手及び機械式継手に適

用できる。 

注記 この規格は,継手の種類にかかわらず,主筋(主鉄筋)の継手の品質を確保することを目的と

して,包括的水準及び標準的水準の品質管理上の要求事項を定めるものであり,項目の細目は,

構造,施工の特徴などを考慮して発注者又はその代理者の判断で定めるものとする。また,技

術的に合理的な根拠に基づく工学的判断で,項目の全体又は一部の適用を除外すること,若し

くは,他の種類の継手に対してこの規格を採用することができる。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS Z 3062 鉄筋コンクリート用異形棒鋼ガス圧接部の超音波探傷試験方法及び判定基準 

JIS Z 3120 鉄筋コンクリート用棒鋼ガス圧接継手の試験方法及び判定基準 

JIS Z 3881 鉄筋のガス圧接技術検定における試験方法及び判定基準 

JIS Z 3882 鉄筋の突合せ溶接技術検定における試験方法及び判定基準 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

ガス圧接継手 

酸素・ガス炎を用いて加熱しながら機械的圧力を加えることによって接合された鉄筋の継手。 

3.2 

溶接継手 

ガスシールドアーク半自動溶接によって接合された鉄筋の継手。 

3.3 

機械式継手 

機械的な応力伝達を担う部品などを介して接合された鉄筋の継手。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.4 

設計仕様 

発注者若しくは設計者,又は法規によって規定された継手に対する要求事項。 

注記 鉄筋の継手に対する要求事項及び場合によっては関連工程に対する要求事項は,例えば,鉄筋

の継手工事仕様書,施工基準,契約同意事項及び法令・規制要求事項の中に含めることができ

る。 

3.5 

要員の適格性 

継手施工における管理,施工又は検査について,それを実施する要員が,教育,訓練及び/又は関連す

る実際的な経験によって,必要な力量及び知識を習得していること。適格性は,要員が保有する資格が当

該の実務に対応することをもって確認される。 

注記 当該の実務の特殊性及び重要度に基づき,力量及び知識のレベルを証明するための適格性確認

試験を要求してもよい。 

3.6 

施工者 

工事請負契約書に記載されている受注者又はその代理者。 

3.7 

継手施工者 

施工者の指示・監督の下で継手の施工を行い,施工者とともに継手施工に関する責任を負う組織又は個

人。 

3.8 

継手管理技術者 

継手工事に関する施工要領書の作成を行い,それに従って作業が行われていることを確認する者。 

3.9 

継手技能者 

ガス圧接継手技能者,溶接継手技能者及び機械式継手技能者の総称。 

3.10 

継手検査者 

継手施工者と独立していて,継手の検査を行い,施工者とともに検査の実施及び検査結果に関する責任

を負う組織又は個人。 

3.11 

継手部検査技術者 

継手部の外観検査技術者及び非破壊検査技術者の総称。 

品質要求事項の適切な水準の選択 

発注者は,この規格で規定する包括的品質要求事項(附属書B)又は標準的品質要求事項(附属書C)

のいずれかを選択する。品質要求水準の選択の判断に当たっては,次の項目及び附属書Aの選択の基準を

参考にする。 

なお,いずれを選択しても継手そのものの品質は,母材及び構造に応じた性能を満たすものでなければ

ならない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) 安全性が重視される構造の重要度 

b) 継手施工の複雑さ 

c) その他,施工実績など 

注記 一般には,標準的品質要求事項(附属書C)によって母材及び構造に応じた性能は確保し得る

が,発注者若しくはその代理者による要求,又は設計者若しくは施工者の判断によって包括的

品質要求事項(附属書B)を採用することができる。 

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Z 3450:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(参考) 

包括的品質要求事項及び標準的品質要求事項の選択基準 

表A.1−包括的品質要求事項及び標準的品質要求事項の選択基準 

No. 

項目 

附属書B 

包括的品質要求事項 

附属書C 

標準的品質要求事項 

契約内容の確認及びテクニカルレ
ビュー 

レビューが要求される。 

記録が要求される場合がある。 

記録は要求されない。 

継手施工及び検査の体制整備 

テクニカルレビューに基づき,要求事項を満たすことが可能な継手施工
者及び継手検査者を組織することが要求される。 

継手管理技術者 

適格性確認が要求される。 

適格性確認は要求されない。 

継手技能者 

適格性確認が要求される。 

継手部検査技術者 

適格性確認が要求される。 

継手施工及び試験・検査に使用す
る装置及び機器 

適切な保守・点検が要求される。 
安全設備・保護具も含めて用意することが要求される。 

文書による装置及び機器の指定 

要求される。 

要求されない。 

装置及び機器の保守・点検・校正
に対する施工者の確認 

要求される。 

要求されない。 

継手施工計画書 
継手施工・検査要領書 

要求される。 

10 

継手施工計画書の承認 

要求される。 

11 

継手材料の受入れ 

適正確認が要求される。 

適正確認は要求されない。 

12 

継手材料の保管及び使用 

適切な保管及び使用が要求される。 

責任及び手順の規定が要求され
る。 

責任及び手順の規定は要求されな
い。 

13 

継手施工後の管理 

要求される。 

14 

継手施工関連の検査及び試験 

施工前,施工中及び施工後の実施
が要求される。 

施工後の実施が要求される。 

15 

不適合及び是正措置 

承認に基づく管理措置が要求される。 

手直し又は再施工のための手順の
規定が要求される。 

手直し又は再施工のための手順の
規定は要求されない。 

16 

識別及びトレーサビリティ 

要求される場合がある。 

特定の要求事項なし。 

17 

品質記録の作成及び保管 

要求される。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B 

(規定) 

包括的品質要求事項 

B.1 

一般 

この附属書は,鉄筋の継手に関する包括的品質要求事項を規定する。 

B.2 

契約内容の確認及びテクニカルレビュー 

B.2.1 一般 

施工者は,次の事項を実施しなければならない。 

a) 発注者又は設計者によって提供された技術データ,品質管理上の要求事項及びその他の要求事項をレ

ビューしなければならない。 

b) 施工作業を行うのに必要な全ての情報を工事の開始前に完備して利用できるようにしなければならな

い。 

c) 全ての要求事項を満たす実現能力を確認するとともに,品質に関する全ての業務に対する適切な計画

立案を確実なものにしなければならない。 

d) 工事内容が実行可能な能力範囲にあること,品質及び工期の確保を達成するために十分な資源が利用

できること,並びに文書が明確で曖昧でないことを検証するために,要求事項のレビューを実施する。 

e) 契約及び契約前の入札文書との間のいかなる変更も明確にするとともに,その結果として生じる可能

性がある計画,コスト及びエンジニアリング上の変更を発注者又はその代理者に知らせることを確実

にしなければならない。 

B.2.2 契約内容の確認 

施工者は,次の項目を考慮して契約内容を確認しなければならない。 

a) 設計仕様 

b) 法令・規制要求事項 

c) 施工者によって決定された追加要求事項 

B.2.3 テクニカルレビュー 

施工者は,次の項目を考慮して技術的要求事項をレビューしなければならない。 

a) 母材の仕様及び継手の諸性質 

b) 継手部の品質及び合否判定基準 

c) 継手部の位置及び継手施工手順(検査及び非破壊検査のしやすさを含む。) 

d) 継手施工要領書及び非破壊検査要領書 

e) 継手施工法承認のための手順(検査及び不適合発生時の措置の承認を含む。) 

f) 

要求事項に対する継手施工者及び継手検査者の実現能力 

g) 要員の適格性確認 

h) 選択,識別及び/又はトレーサビリティ(例えば,材料,継手部)の範囲 

i) 

品質管理の準備 

j) 

検査及び試験 

k) 継手施工後の処理 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

l) 

その他の継手要求事項 

m) 継手施工前の鉄筋組立状況及び完了後の継手の寸法・詳細 

n) 継手施工に関する環境条件(例えば,低温の環境条件又は継手品質に悪影響を及ぼす気象条件に対す

る保護を施す必要性) 

o) 不適合品の取扱い 

B.3 

継手施工及び検査の体制整備 

施工者は,テクニカルレビューに基づき,要求事項を満たすことが可能な継手施工者及び継手検査者を

組織し,適用する要求事項を満足させるために必要な情報を継手施工者及び継手検査者へ提供しなければ

ならない。 

継手施工者及び継手検査者は,施工者の指示及び責任の下に作業を行い,この規格に関連する要求事項

を完全に遵守しなければならない。さらに,継手施工者及び継手検査者は,施工者が規定する文書及び作

業の記録を提出しなければならない。 

施工者から継手施工者及び継手検査者へ提供される情報は,契約内容の確認及びテクニカルレビューに

関連する全てのデータを含むものとする。必要な場合,継手施工者及び継手検査者が技術的要求事項に適

合することができるようにするために,追加の要求事項を規定してもよい。 

B.4 

継手施工要員 

B.4.1 一般 

施工者は,要求事項に従って施工計画を作成し,適切な施工を実施するために,力量をもつ十分な数の

要員を確保しなければならない。 

B.4.2 継手管理技術者 

継手管理技術者は,継手施工者の品質活動の実施に対して責任を負う。 

継手管理技術者は,適格性が確認されなければならない。 

B.4.3 継手技能者 

継手技能者は,適切な試験によって適格性が確認されなければならない。 

注記 この要求事項を満足するための関連規格は,ガス圧接継手についてはJIS Z 3881に,溶接継手

についてはJIS Z 3882に規定されている。 

B.5 

検査要員 

B.5.1 一般 

施工者は,要求事項に従って施工された継手の適切な検査を実施するために,力量をもつ十分な数の要

員を確保しなければならない。 

B.5.2 継手部検査技術者 

継手部検査技術者は,適格性が確認されなければならない。 

B.6 

継手施工及び試験・検査に使用する装置及び機器 

B.6.1 装置及び機器の適正 

装置及び機器は,当該の適用に適したものでなければならない。 

継手施工者及び継手検査者は,装置及び機器が適正であることを識別できる情報を,施工者に文書とし

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

て提示しなければならない。施工者は,提示された文書に従って,適正な装置及び機器が使用されている

ことを確認しなければならない。 

B.6.2 装置及び機器の仕様 

継手施工者及び継手検査者は,施工又は試験・検査に使用する必要不可欠な装置及び機器のリストを維

持し,要求された場合に提示しなければならない。このリストは,施工能力又は試験・検査能力の評価に

欠かせない主要な装置及び機器の仕様を示していなければならない。 

B.6.3 装置及び機器の保守 

装置及び機器は,必要なときに利用できなければならない。 

継手施工者及び継手検査者は,使用する装置及び機器に対する定期及び日常の保守点検を実施しなけれ

ばならない。施工者は,継手施工要領書などの文書に記載される保守点検に関する重要な項目について,

それが実施されていることを確認しなければならない。 

B.6.4 検査機器の校正 

継手検査者は,計測及び検査に使用する機器の適切な校正又は妥当性の確認に対して責任を負う。継手

部の品質を検査するために使用する全ての機器は,適切に管理され,かつ,定められた間隔で校正又は妥

当性が確認されなければならない。施工者は,これらが適正に実施されていることを確認しなければなら

ない。 

B.7 

継手施工 

B.7.1 施工計画 

施工者は,次の項目を考慮して適切な施工計画を立てなければならない。 

a) 継手の施工順序に関する仕様 

b) 継手を施工するのに必要な個々の工程の識別 

c) 継手に対する適切な施工要領書の引用 

d) 継手施工順序 

e) 個々の工程を実施する順序及び時期 

f) 

独立検査機関との関係も含む検査及び試験に関する要領 

g) 環境条件(例えば,風及び雨からの保護など) 

h) ロット,構成部材又は部品ごとの適切な単位での品物の識別 

i) 

全ての施工時継手試験の計画・手配 

B.7.2 継手施工計画書 

施工者は,継手施工計画書を作成し,これが施工過程において正しく使用されることを確実にしなけれ

ばならない。継手施工計画書には,施工者自らの責任において行う品質管理の実施計画を含むものとする。 

B.7.3 継手施工計画書の承認 

継手施工計画書は,継手施工前に発注者又はその代理者に承認されなければならない。 

B.7.4 継手施工要領書 

施工者は,継手施工者に継手施工要領書を作成させ,確認しなければならない。 

なお,継手施工要領書は,継手管理技術者が作成する。 

B.7.5 継手検査要領書 

施工者は,継手検査者に継手検査要領書を作成させ,確認しなければならない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

B.7.6 文書 

施工者は,例えば,継手施工要領書,継手施工承認記録,継手技能者の適格性証明書など,関連する品

質文書を維持しなければならない。 

B.8 

継手材料 

B.8.1 一般 

施工者は,継手材料の管理に伴う責任及び手順を規定しなければならない。 

B.8.2 継手材料の受入れ 

施工者は,継手施工者に使用する継手材料が適正なものであることを確認させなければならない。 

B.8.3 継手材料の保管及び使用 

施工者は,劣化,損傷などを避けるために,継手材料の保管及び使用に関する責任及び手順を規定し,

実施しなければならない。その手順は,支障がない限り材料供給者の推奨に従わなければならない。 

B.9 

継手施工後の管理 

施工者は,継手施工後の管理を実施し,要求事項の維持に対して責任を負う。その手順は,母材,継手,

構造などに適したもので,要求事項に従わなければならない。 

B.10 継手施工関連の検査及び試験 

B.10.1 一般 

適用される検査及び試験は,品質要求事項に適していることを保証するために,施工工程中の適切な時

点で実施されなければならない。その検査及び/又は試験の位置及び頻度は,契約による。 

注記 施工者は,任意に追加試験を実施してもよい。その追加試験の報告は要求されない。 

B.10.2 継手施工前の検査及び試験 

施工者は,継手施工前に,必要な検査及び試験が行われていることを確認しなければならない。 

B.10.3 継手施工中の検査及び試験 

施工者は,継手施工中に,必要な検査及び試験が行われていることを,適切な間隔又は連続する監視に

よって確認しなければならない。 

B.10.4 継手施工後の検査及び試験 

施工者は,継手施工後,必要な検査及び試験を実施し関連する許容基準に適合していることを確認しな

ければならない。 

注記 この要求事項を満足するための関連規格は,ガス圧接継手については,JIS Z 3062及びJIS Z 

3120に規定されている。 

B.11 不適合及び是正措置 

施工者は,不適合な継手の受入れを防止するために,適切な措置を講じなければならない。手直し又は

再施工は,継手施工計画書に示される適切な手順で実施しなければならない。手直し又は再施工を行う場

合には,当初の要求事項に従って再検査及び再試験を行う。さらに,不適合の原因の調査及び再発防止の

ための措置を講じなければならない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

B.12 識別及びトレーサビリティ 

施工者は,要求される場合には,継手施工の識別及びトレーサビリティを確実にするための情報を文書

に記録しなければならない。 

なお,記録する情報には,例えば,次の項目がある。 

a) 契約内容の確認及びテクニカルレビューの記録 

b) 継手材料の識別 

c) 母材及び継手部の識別(検査ロットとの対応を含む。) 

d) 個々の継手部に割り当てた継手技能者及び継手部検査技術者の識別 

B.13 品質記録 

品質記録は,次の項目を含めなければならない。 

a) 材料検査成績書 

b) 継手材料検査成績書 

c) 継手施工計画書,継手施工要領書及び継手検査要領書 

d) 継手施工承認記録 

e) 継手管理技術者,継手技能者及び継手部検査技術者の適格性証明書 

f) 

継手検査記録 

g) 補修及び再施工記録,並びに不適合報告書 

h) その他の要求された文書 

また,別に規定された要求事項のない場合,品質記録作成後,最低5年間保管しなければならない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書C 
(規定) 

標準的品質要求事項 

C.1 一般 

この附属書は,鉄筋の継手に関する標準的品質要求事項を規定する。 

C.2 契約内容の確認及びテクニカルレビュー 

C.2.1 一般 

施工者は,次の事項を実施しなければならない。 

a) 発注者又は設計者によって提供された技術データ,品質管理上の要求事項及びその他の要求事項をレ

ビューしなければならない。 

b) 施工作業を行うのに必要な全ての情報を工事の開始前に完備して利用できるようにしなければならな

い。 

c) 全ての要求事項を満たす実現能力を確認するとともに,品質に関する全ての業務に対する適切な計画

立案を確実なものにしなければならない。 

d) 工事内容が実行可能な能力範囲にあること,品質及び工期の確保を達成するために十分な資源が利用

できること,並びに文書が明確で曖昧でないことを検証するために,要求事項のレビューを実施する。 

e) 契約及び契約前の入札文書との間のいかなる変更も明確にするとともに,その結果として生じる可能

性がある計画,コスト及びエンジニアリング上の変更を発注者又はその代理者に知らせることを確実

にしなければならない。 

C.2.2 契約内容の確認 

施工者は,次の項目を考慮して契約内容を確認しなければならない。 

a) 設計仕様 

b) 法令・規制要求事項 

c) 施工者によって決定された追加要求事項 

C.2.3 テクニカルレビュー 

施工者は,次の項目を考慮して技術的要求事項をレビューしなければならない。 

a) 母材の仕様及び継手の諸性質 

b) 継手部の品質及び合否判定基準 

c) 継手部の位置及び継手施工手順(検査及び非破壊検査のしやすさを含む。) 

d) 継手施工要領書及び非破壊検査要領書 

e) 継手施工法承認のための手順(検査及び不適合発生時の措置の承認を含む。) 

f) 

要求事項に対する継手施工者及び継手検査者の実現能力 

g) 要員の適格性確認 

h) 選択,識別(例えば,材料,継手部)の範囲 

i) 

品質管理の準備 

j) 

検査及び試験 

k) 継手施工後の処理 

11 

Z 3450:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

l) 

その他の継手要求事項 

m) 継手施工前の鉄筋組立状況及び完了後の継手の寸法・詳細 

n) 継手施工に関する環境条件(例えば,低温の環境条件又は継手品質に悪影響を及ぼす気象条件に対す

る保護を施す必要性) 

o) 不適合品の取扱い 

C.3 継手施工及び検査の体制整備 

施工者は,テクニカルレビューに基づき,要求事項を満たすことが可能な継手施工者及び継手検査者を

組織し,適用する要求事項を満足させるために必要な情報を継手施工者及び継手検査者へ提供しなければ

ならない。 

継手施工者及び継手検査者は,施工者の指示と責任の下に作業を行い,この規格に関連する要求事項を

完全に遵守しなければならない。さらに,継手施工者及び継手検査者は,施工者が規定する文書及び作業

の記録を提出しなければならない。 

施工者から継手施工者及び継手検査者へ提供される情報は,契約内容の確認及びテクニカルレビューに

関連する全てのデータを含むものとする。必要な場合,継手施工者及び継手検査者が技術的要求事項に適

合することができるようにするために,追加の要求事項を規定してもよい。 

C.4 継手施工要員 

C.4.1 一般 

施工者は,要求事項に従って施工計画を作成し,適切な施工を実施するために,力量をもつ十分な数の

要員を確保しなければならない。 

C.4.2 継手管理技術者 

継手管理技術者は,継手施工者の品質活動の実施に対して責任を負う。 

C.4.3 継手技能者 

継手技能者は,適切な試験によって適格性が確認されなければならない。 

注記 この要求事項を満足するための関連規格は,ガス圧接継手についてはJIS Z 3881に,溶接継手

についてはJIS Z 3882に規定されている。 

C.5 検査要員 

C.5.1 一般 

施工者は,要求事項に従って施工された継手の適切な検査を実施するために,力量をもつ十分な数の要

員を確保しなければならない。 

C.5.2 継手部検査技術者 

継手部検査技術者は,適格性が確認されなければならない。 

C.6 継手施工及び試験・検査に使用する装置及び機器 

C.6.1 装置及び機器の適正 

装置及び機器は,当該の適用に適したものでなければならない。 

C.6.2 装置及び機器の仕様 

継手施工者及び継手検査者は,施工又は試験・検査に使用する必要不可欠な装置及び機器のリストを維

12 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

持しなければならず,要求された場合に提示しなければならない。このリストは,施工能力又は試験・検

査能力の評価に欠かせない主要な装置及び機器の仕様を示していなければならない。 

C.6.3 装置及び機器の保守 

装置及び機器は,必要なときに利用できなければならない。 

継手施工者及び継手検査者は,使用する装置及び機器に対する定期及び日常の保守点検を実施しなけれ

ばならない。 

C.6.4 検査機器の校正 

継手検査者は,計測及び検査に使用する機器の適切な校正又は妥当性の確認に対して責任を負う。継手

部の品質を検査するために使用する全ての機器は,適切に管理され,かつ,定められた間隔で校正又は妥

当性が確認されなければならない。 

C.7 継手施工 

C.7.1 施工計画 

施工者は,次の項目を考慮して適切な施工計画を立てなければならない。 

a) 継手の施工順序に関する仕様 

b) 継手を施工するのに必要な個々の工程の識別 

c) 継手に対する適切な施工要領書の引用 

d) 継手施工順序 

e) 個々の工程を実施する順序及び時期 

f) 

独立検査機関との関係も含む検査及び試験に関する要領 

g) 環境条件(例えば,風及び雨からの保護など) 

h) ロット,構成部材又は部品ごとの適切な単位での品物の識別 

i) 

全ての施工時継手試験の計画・手配 

C.7.2 継手施工計画書 

施工者は,継手施工計画書を作成し,これが施工過程において正しく使用されることを確実にしなけれ

ばならない。継手施工計画書には,施工者自らの責任において行う品質管理の実施計画を含むものとする。 

C.7.3 継手施工計画書の承認 

継手施工計画書は,継手施工前に発注者又はその代理者に承認されなければならない。 

C.7.4 継手施工要領書 

施工者は,継手施工者に継手施工要領書を作成させ,確認しなければならない。 

C.7.5 継手検査要領書 

施工者は,継手検査者に継手検査要領書を作成させ,確認しなければならない。 

C.7.6 文書 

施工者は,例えば,継手施工要領書,継手施工承認記録,継手技能者の適格性証明書など,関連する品

質文書を維持しなければならない。 

C.8 継手材料 

施工者は,継手材料が適正なものであることを継手施工者に確認させ,供給者の推奨及び作業場所の特

殊性に基づいて定めた方法によって保管及び使用されることを確実にしなければならない。 

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Z 3450:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

C.9 継手施工後の管理 

施工者は,継手施工後の管理を実施し,要求事項の維持に対して責任を負う。その手順は,母材,継手,

構造などに適したもので,要求事項に従わなければならない。 

C.10 継手施工関連の検査及び試験 

施工者は,継手施工後,必要な検査及び試験を実施し,関連する許容基準に適合していることを確認し

なければならない。 

注記 この要求事項を満足するための関連規格は,ガス圧接継手については,JIS Z 3062及びJIS Z 

3120に規定されている。 

C.11 不適合及び是正措置 

施工者は,不適合な継手の受入れを防止するために,適切な措置を講じなければならない。手直し又は

再施工が行われる場合には,発注者又はその代理人の承認を得る。 

C.12 品質記録 

品質記録は,次の項目を含めなければならない。 

a) 材料検査成績書 

b) 継手材料検査成績書 

c) 継手施工計画書,継手施工要領書及び継手検査要領書 

d) 継手施工承認記録 

e) 継手技能者及び継手部検査技術者の適格性証明書 

f) 

継手検査記録 

g) 補修及び再施工記録,並びに不適合報告書 

h) その他の要求された文書 

また,別に規定された要求事項のない場合,品質記録作成後,最低5年間保管しなければならない。