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Z 3268 : 1998  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによってJIS Z 3268-1988は改正され,この規格に置き換えられる。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登録出願に抵触

する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,このような技術的性質を

もつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認に

ついて,責任はもたない。

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

Z 3268 : 1998 

真空用貴金属ろう 

Precious brazing filler metals for vacuum service 

序文 この規格は,JIS Z 3268-1988(真空用貴金属ろう)を元に作成し,1992年に第2版として発行され

たISO 3677, Filler metal for soft soldering, brazing and braze welding−Designationを取り入れて改正した日本

工業規格である。従来からのJISの規定事項に加えて,ISO 3677で規定している“種類の呼び方及び記号”

について,その技術的内容を変更することなく採用し,整合化を図った。 

1. 適用範囲 この規格は,主として電子管,高真空機器・装置などのろう付けに使用する真空用貴金属

ろう(以下,ろうという。)について規定する。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の一部を構成する。こ

れらの規格はその最新版を適用する。 

JIS H 0321 非鉄金属材料の検査通則 

JIS Z 3900 貴金属ろうのサンプリング方法 

JIS Z 3901 銀ろう分析方法 

JIS Z 3904 金ろう分析方法 

JIS Z 3906 パラジウムろう分析方法 

3. 種類 

a) ろうの種類は,化学成分によって,表1のとおり15種類に分類する。 

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Z 3268 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1 種類 

種類 

化学成分 (mass%)  

温度(参考) 

℃ 

記号A 

記号B(1) 

Ag 

Au 

Cu 

Ni 

Sn 

Pd 

In 

固相線 液相線 ろう付温度 

BVAg-0 

BV-Ag100-961 

99.95以上 

− 

0.05以下 

− 

− 

− 

− 

約961  約961 

961〜1 080 

BVAg-6B BV-Cu50-780/870 

49.0〜51.0 

− 

残部 

− 

− 

− 

− 

約780  約870 

870〜 980 

BVAg-8 

BV-Ag72Cu-780 

71.0〜73.0 

− 

残部 

− 

− 

− 

− 

約780  約780 

780〜 900 

BVAg-8B BV-Ag71CuNi-780/795 

70.5〜72.5 

− 

残部 

0.3〜0.7 

− 

− 

− 

約780  約795 

795〜 900 

BVAg-18 BV-Ag60CuSn-600/720 

59.0〜61.0 

− 

残部 

− 

9.5〜10.5 

− 

− 

約600  約720 

720〜 840 

BVAg-29 BV-Ag61CuIn-625/710 

60.5〜62.5 

− 

残部 

− 

− 

− 

14.0〜15.0 約625  約710 

710〜 790 

BVAg-30 BV-Ag68CuPd-805/810 

67.0〜69.0 

− 

残部 

− 

− 

4.5〜5.5 

− 

約805  約810 

810〜 930 

BVAg-31 BV-Ag58CuPd-825/850 

57.0〜59.0 

− 

残部 

− 

− 

9.5〜10.5 

− 

約825  約850 

850〜 890 

BVAg-32 BV-Ag54PdCu-900/950 

53.0〜55.0 

− 

残部 

− 

− 

24.5〜25.5 

− 

約900  約950 

950〜 990 

BVAu-1 

BV-Cu63Au-990/1015 

− 

37.0〜38.0 

残部 

− 

− 

− 

− 

約990 約1015 1 015〜1 095 

BVAu-2 

BV-Au80Cu-890 

− 

79.5〜80.5 

残部 

− 

− 

− 

− 

約890  約890 

890〜1 010 

BVAu-3 

BV-Cu62AuNi-975/1030 

− 

34.5〜35.5 

残部 

2.5〜3.5 

− 

− 

− 

約975 約1030 1 030〜1 090 

BVAu-4 

BV-Au82Cu-950 

− 

81.5〜82.5 

− 

残部 

− 

− 

− 

約950  約950 

955〜1 005 

BVAu-11 BV-Cu50Au-955/970 

− 

49.5〜50.5 

残部 

− 

− 

− 

− 

約955  約970 

970〜1 020 

BVAu-12 BV-Au75CuAg-880/895 

12.0〜13.0 74.5〜75.5 

残部 

− 

− 

− 

− 

約880  約895 

895〜 950 

注(1) 記号Bは,ISO 3677による規定で,ろうの記号の表示方法(表示の中にろうの基本成分,化学成分,

固相線温度,液相線温度を記載)である。 

なお,記号BのVはISO 3677にはないが,他のろうと区別するために付記した。 

b) ろうの等級は,不純物によって区分し,表2のとおりとする。 

表2 ろうの等級 

等級 

不純物 % 

Zn 

Cd 

Pb 

その他の元素 

0.001以下  0.001以下 0.002以下 各0.001以下 

0.002以下  0.002以下 0.002以下 各0.002以下 

備考 その他の元素とは,存在が予知される元素をい

う。 

4. 品質 品質は,次による。 

a) ろうは,品質が均一で,使用上有害な欠陥があってはならない。 

b) ろうの化学成分は,6.の方法によって試験を行ったとき,表1に適合しなければならない。 

5. 形状,寸法及び許容差 形状,寸法及び許容差は,次による。 

a) ろうの形状は,帯状,線状,棒状,粒状,粉末状及びプリホームとし,帯状はR,線状はW,棒状は

B,粒状及び粉末状はP,プリホームはFで表す。 

b) ろうの寸法及び許容差は,受渡当事者間の協定による。 

6. 化学分析試験 ろうの化学分析試験は,JIS Z 3901,JIS Z 3904及びJIS Z 3906による。ただし,BVAg-0

及びBVAg-29の化学成分並びに各種類中のZn,Cd,Pbなどの不純物及びその他の元素の化学分析試験は,

受渡当事者間の協定による。 

7. 検査 検査は,次による。 

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Z 3268 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) ろうは,品質,形状及び寸法が4.及び5.の規定に適合しなければならない。ただし,受渡当事者間の

協定によって化学分析試験の一部を省略することができる。 

b) その他の一般事項は,JIS H 0321及びJIS Z 3900による。 

8. 包装 ろうは,輸送中及び貯蔵中に起こる汚染又は損傷を防ぐために,適切な包装をしなければなら

ない。 

9. 製品の呼び方 製品の呼び方は,ろうの種類(記号),等級,形状及び寸法(帯状は厚さ及び幅,線状

は径,棒状は径及び長さ,粒状及び粉末状は粒度)による。また,プリホームは,受渡当事者間の協定に

よる。 

例 

10. 表示 

10.1 ろうには,その包装ごとに次の事項を明確に表示しなければならない。 

a) 種類(記号及び/又はISO 3677による表示のいずれかを採用する。) 

b) 形状及び寸法 

c) 質量(正味質量) 

d) 製造番号 

e) 製造年月又はその略号 

f) 

製造業者名又はその略号 

10.2 包装には,ろうの使用に際して発生するヒューム,金属アレルギーなどに対する注意を表示しなけ

ればならない。 

Z 3268 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

有 賀   正 

東海大学工学部 

(幹事) 

柏 木 孝 三 

田中貴金属工業株式会社 

(委員) 

恩 澤 忠 男 

東京工業大学工学部 

林   明 夫 

通商産業省基礎産業局 

大 嶋 清 治 

工業技術院標準部 

山 村 修 蔵 

財団法人日本規格協会 

雀 部   謙 

科学技術庁金属材料技術研究所 

乾   昌 弘 

乾庄貴金属化工株式会社 

米 谷 宗 捷 

橋本貴金属工業株式会社 

藤 本   潤 

石福金属興業株式会社 

堀     仁 

水野ハンディーハーマン株式会社 

渡 辺   治 

株式会社徳力本店 

松   忠 男 

東京ブレイズ株式会社 

堀   泰 治 

東神物流株式会社 

布 施 俊 明 

株式会社東芝重電技術研究所 

服 巻   孝 

株式会社日立製作所日立研究所 

山 下 満 夫 

富士重工業株式会社生産技術研究所 

和 田 宏 一 

三菱重工業株式会社技術本部 

(事務局) 

池 原 平 晋 

社団法人日本溶接協会