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Z 3106 : 2001 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによってJIS Z 3106 : 1971は改正され,この規格に置き換えられる。 

JIS Z 3106 : 2001には,次に示す附属書がある。 

附属書1(規定) 板の突合せ溶接継手の撮影方法及び透過写真の必要条件 

附属書2(規定) 管の円周溶接継手の撮影方法及び透過写真の必要条件 

附属書3(規定) T溶接継手の撮影方法及び透過写真の必要条件 

附属書4(規定) 透過写真によるきずの像の分類方法 

附属書5(参考) X線の回折像ときずの像との判別方法

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

Z 3106 : 2001 

ステンレス鋼溶接継手の 

放射線透過試験方法 

Methods of radiographic examination for welded joints in stainless steel 

1. 適用範囲 この規格は,ステンレス鋼,耐熱鋼,耐食耐熱超合金並びにニッケル及びニッケル合金の

溶接継手を,工業用X線フィルムを用いてX線又はγ線(以下,放射線という。)による直接撮影方法によ

って試験を行う放射線透過試験方法について規定する。 

2. 引用規格 付表1に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構

成する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 2300,及びJIS Z 3001によるほか,次による。 

a) 母材の厚さ 突合せ溶接継手の両側で厚さが異なる場合は,薄い方の厚さを母材の厚さとする。管の

円周溶接継手の場合は,薄い方の肉厚を母材の厚さとする。T溶接継手の場合は,附属書3図1及び

附属書3図2に示すT1材の厚さを母材の厚さとする。 

b) 試験部 試験対象となる溶接金属及び熱影響部を含んだ部分。 

4. 透過写真の像質の種類 透過写真の像質は,A級,B級,P1級,P2級及びF級の5種類とする。A

級は通常の撮影技術によって得られ,B級はきずの検出感度が高くなるような撮影技術によって得られる。

管の円周溶接継手の管壁を二重に透過させる撮影方法において,P1級は円周溶接継手の片面を撮影する場

合及びP2級は円周溶接継手の両面を撮影する場合に得られる通常の像質である。F級はT溶接継手の透過

試験によって得られる通常の像質である。これらの像質は,溶接継手の形状ごとに表1に示すように適用

する。 

表1 透過写真の像質の種類 

溶接継手の形状 

像質の種類 

板の突合せ溶接継手及び撮影時の幾何学
的条件がこれと同等とみなせる溶接継手 

A級 B級 

管の円周溶接継手 

A級 B級 P1級 P2級 

T溶接継手 

F級 

5. 試験技術者 放射線透過試験を行う技術者は,JIS Z 3861に基づく試験に合格した者又はそれと同等

以上の技量をもつ者とする。 

6. 放射線透過装置及び附属機器 

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Z 3106 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.1 

放射線透過装置 放射線透過装置は,JIS Z 4606に規定するX線装置,電子加速器によるX線発生

装置及びJIS Z 4560に規定するγ線装置並びにこれらと同等以上の性能をもつ装置とする。 

6.2 

感光材料 工業用X線フィルム(以下,フィルムという。)は,低感度・極超微粒子,低感度・超微

粒子,中感度・微粒子又は高感度・微粒子とする。増感紙を使用する場合は,鉛はく増感紙,蛍光増感紙

又は金属蛍光増感紙とする。 

6.3 

透過度計 透過度計は,JIS Z 2306に規定する一般形のF形又は,S形の透過度計を用いる。また,

管の円周溶接継手の撮影については,帯形透過度計のF形又はS形を用いる。ただし,一般形のF形又は

S形の透過度計を用いることができる。 

参考 JIS Z 2306に規定するS形の透過度計について,一般形及び帯形の形状の例をそれぞれ参考図

1及び参考図2に示し,呼び番号と線径との関係をそれぞれ参考表1及び参考表2に示す。 

参考図1 一般形のS形透度計の形状 

参考図2 帯形のS形透過度計の形状 

参考表1 一般形のS形透過度計の寸法 

呼び番号 

線径及び線径の系列 mm 

線径の許容差 % 

S01 

0.05 0.063 0.08 0.10 0.125 0.16 
0.20 

±5 

S02 

0.10 0.125 0.16 0.20 0.25 0.32 
0.40 

S04 

0.20 0.25 0.32 0.40 0.50 0.63 0.80 

S08 

0.40 0.50 0.63 0.80 1.0 1.25 1.6 

S16 

0.80 1.0 1.25 1.6 2.0 2.5 3.2 

S32 

1.6 2.0 2.5 3.2 4.0 5.0 6.3 

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Z 3106 : 2001  

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参考表2 帯形のS形透過度計の線径 

呼び番号 線径 mm 線径の許容差 % 

S005 

0.05 

±5 

S006 

0.063 

S008 

0.08 

S010 

0.10 

S012 

0.125 

S016 

0.16 

S020 

0.20 

S025 

0.25 

S032 

0.32 

S040 

0.40 

S050 

0.50 

S063 

0.63 

S080 

0.80 

S100 

1.0 

6.4 

階調計 階調計の種類,構造,寸法及び材質は,次による。 

a) 階調計の種類,構造及び寸法は,図1による。 

なお,階調計の寸法許容差は,厚さについては±5%とし,一辺の長さについては±0.5mmとする。 

b) 階調計の材質は,JIS G 3101に規定する鋼材,JIS G 4304,又はJIS G 4305に規定するSUS 304とす

る。 

図1 階調計の種類,構造及び寸法 

6.5 

観察器 観察器は,JIS Z 4561に規定するもの又はこれと同等以上の性質をもつものとする。 

6.6 

濃度計 濃度計は,標準濃度計によって校正された濃度計を用いることとする。 

7. 透過写真の撮影方法 

7.1 

線源と感光材料の組合せ 線源と感光材料は,透過度計の識別最小線径が識別できるように組み合

わせる。 

7.2 

記号 撮影に際しては,透過写真が記録と照合できるように記号を用いる。 

7.3 

照射野 撮影に際しては,絞り又は照射筒を用いて照射野を必要以上に大きくしないことが望まし

い。 

7.4 

撮影方法 透過写真の撮影方法は,溶接継手の形状に応じて表2に示す附属書による。 

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Z 3106 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表2 撮影方法を規定する附属書 

溶接継手の形状 

附属書 

板の突合せ溶接継手及び撮影時の幾何学的条
件がこれと同等とみなせる溶接継手 

附属書1 

管の円周溶接継手 

附属書2 

T溶接継手 

附属書3 

8. 透過写真の必要条件 撮影された透過写真の試験部における透過写真の必要条件は,溶接継手の形状

に応じて表3に示す附属書による。 

なお,透過写真には,像質の評価及びきずの像の分類の妨げとなる現像むら,フィルムきずなどがあっ

てはならない。 

表3 透過写真の必要条件を規定する附属書 

溶接継手の形状 

附属書 

板の突合せ溶接継手及び撮影時の幾何学的条
件がこれと同等とみなせる溶接継手 

附属書1 

管の円周溶接継手 

附属書2 

T溶接継手 

附属書3 

9. 透過写真の観察 

9.1 

観察器 透過写真の観察には,6.5に規定する観察器を表4の区分で用いる。 

表4 観察器の使用区分 

観察器の種類 透過写真の最高濃度(1)  

D10形 

1.5以下 

D20形 

2.5以下 

D30形 

3.5以下 

D35形 

4.0以下 

注(1) 個々の透過写真において,試験

部の示す濃度の最大値。 

9.2 

観察方法 透過写真の観察は,暗い部屋で透過写真の寸法に適合した固定マスクを用いて行う。 

10. きずの像の分類方法 透過写真によるきずの像の分類は,附属書4による。 

11. 記録 試験成績書は,次に示す必要事項を記載し,その記録と試験部の照合ができるようにする。 

a) 試験部関連 

1) 施工業者名又は製造業者名 

2) 工事名又は製品名 

3) 試験部位の記号又は番号 

4) 材質 

5) 母材の厚さ(管の肉厚及び外径) 

6) 溶接継手の形状(余盛の有無など) 

b) 撮影年月日 

c) 試験技術者の所属及び氏名 

Z 3106 : 2001  

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d) 試験条件 

1) 使用装置及び材料 

1.1) 放射線装置名及び実効焦点寸法 

1.2) フィルム及び増感紙の種類 

1.3) 透過度計の種類 

1.4) 階調計の種類 

2) 撮影条件 

2.1) 使用管電圧又は放射性同位元素の種類 

2.2) 使用管電流又は放射能の強さ 

2.3) 露出時間 

3) 撮影配置 

3.1) 線源とフィルム間距離 (L1+L2)  

3.2) 試験部の線源側表面とフィルム間距離 (L2)  

3.3) 試験部の有効長さL3(二重壁両面:L3=L3'+L3") 

4) 現像条件 

4.1) 現像液,現像温度及び現像時間(手現像) 

4.2) 自動現像機名及び現像液(自動現像) 

e) 透過写真の必要条件の確認 

1) 観察器の種類及び観察条件 

2) 像質の種類(A級,B級,P1級,P2級又はF級) 

3) 透過度計の識別最小線径 

4) 試験部の濃度 

5) 階調計の値(濃度差/濃度) 

6) 透過写真の合否 

f) 

きずの像の分類実施年月日 

g) きずの像の分類結果 

1) きずの像の点数による分類結果 

1.1) 第1種のきずの像の分類 

1.2) 第4種のきずの像の分類 

1.3) 第1種のきずの像と第4種のきずの像の共存の有無 

1.4) 共存きずの像の分類 

2) 第2種のきずの像の分類 

3) 第3種のきずの像の分類 

4) 試験視野への第2種のきずの像の混在の有無 

5) 総合分類 

h) その他必要な事項 

i) 

備考 

Z 3106 : 2001  

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付表1 

JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材 

JIS G 3446 機械構造用ステンレス鋼管 

JIS G 3448 一般配管用ステンレス鋼管 

JIS G 3459 配管用ステンレス鋼管 

JIS G 3463 ボイラ・熱交換器用ステンレス鋼管 

JIS G 4304 熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯 

JIS G 4305 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯 

JIS G 4312 耐熱鋼板 

JIS G 4902 耐食耐熱超合金板 

JIS G 4903 配管用継目無ニッケルクロム鉄合金管 

JIS G 4904 熱交換器用継目無ニッケルクロム鉄合金管 

JIS H 4551 ニッケル及びニッケル合金板及び条 

JIS H 4552 ニッケル及びニッケル合金継目無管 

JIS Z 2300 非破壊試験用語 

JIS Z 2306 放射線透過試験用透過度計 

JIS Z 3001 溶接用語 

JIS Z 3861 溶接部の放射線透過試験の技術検定における試験方法及び判定基準 

JIS Z 4560 工業用γ線装置 

JIS Z 4561 工業用放射線透過写真観察器 

JIS Z 4606 工業用X線装置 

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Z 3106 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書1(規定) 板の突合せ溶接継手の撮影方法及び透過写真の必要条件 

1. 適用範囲 この附属書は,板の突合せ溶接継手を放射線によって直接撮影する場合の撮影方法及び透

過写真の必要条件について規定する。 

2. 透過写真の撮影方法 

2.1 

透過写真の像質の種類 透過写真の像質は,A級又はB級とする。 

2.2 

放射線の照射方向 透過写真は,試験部を透過する厚さが最小になる方向から放射線を照射して撮

影する。 

2.3 

透過度計の使用 附属書1図1に示すように識別最小線径(附属書1 4.1参照)を含む透過度計を,

試験部の線源側の表面に溶接継手をまたいで試験部の有効長さL3の両端付近に,透過度計の最も細い線が

位置するように各1個置く。この際,細線が外側になるようにする。 

透過度計とフィルム間の距離を識別最小線径の10倍以上離せば,透過度計をフィルム側に置くことがで

きる。この場合には透過度計のそれぞれの部分にFの記号のマークをつけて,透過写真上でフィルム側に

置いたことがわかるようにする。 

なお,試験部の有効長さが透過度計の幅の3倍以下の場合,透過度計は中央に1個置くことができる。 

附属書1図1 撮影配置 

2.4 

階調計の使用 階調計は,材質に応じて附属書1表1で求められる係数Bの値を乗じた母材の厚さ

が50mm以下の溶接継手に対して,附属書1表2の区分で用いる。このとき,階調計は試験部の有効長さ

の中央付近からあまり離れない母材部のフィルム側に置く。ただし,附属書1表7に規定する以上の階調

計の値が得られる場合は,階調計を線源側に置くことができる。 

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8

Z

 3

1

0

6

 : 

2

0

0

1

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書1表1 係数Bの値 

試験部の材質 

係数B 

JIS G 4304  JIS G 4305 

JIS G 4312(1) 

JIS G 4902 

JIS H 4551 

係数を乗じる母材の厚さの区分 (mm) 

25以下 

25を超える 

SUH21 SUH446  

0.95 

1.00 

SUS301 SUS301L SUS301J1 SUS302 SUS302B SUS303 SUS304 
SUS304J1 SUS304J2 SUS304L SUS304LN SUS304N1 SUS304N2 
SUS305 SUS309S SUS310S SUS315J1 SUS315J2 SUS317J2 SUS317J3L 
SUS321 
SUS329J1 SUS329J3L SUS329J4L SUS347 SUS403 SUS405 SUS410L 
SUS410 SUS410S SUS420J1 SUS420J2 SUS429 SUS429J1 SUS430 
SUS430J1L SUS430LX SUS434 SUS436J1L SUS436L SUS440A SUS444 
SUS447J1 SUS630 SUS631 SUSXM15J1 SUSXM27 

SUH309 
SUH310 
SUH409 
SUH409L 
SUH660 

NCF800 
NCF800H 

1.00 

1.00 

SUS316 SUS316J1 SUS316J1L SUS316L SUS316LN SUS316N SUS316Ti 
SUS317 SUS317L SUS317LN 

NCF718 
NCF750 
NCF751 

1.06 

1.00 

SUH330 

NCF601 
NCF690 

1.06 

1.06 

NCF80A 

1.12 

1.00 

SUS317J1 SUS836L SUS890L 

NCF825 

1.12 

1.06 

NCF600 

1.12 

1.12 

NCF625 

1.25 

1.00 

SUH661 

NW4400 NW4402 
NW5500 NW6007 
NW6985 NW6002 

1.25 

1.12 

NW2200 NW2201 

1.25 

1.25 

NW6455 

1.41 

1.12 

NW0276 NW6022 

1.41 

1.25 

NW0001 NW0665 

1.60 

1.25 

注(1) JIS Z 4312に規定する材質のうち,JIS G 4304及びJIS G 4305と同一のものは,左覧を参照のこと。 

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Z 3106 : 2001 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書1表2 階調計の適用区分 

単位 mm 

係数を乗じた母材の厚さ 階調計の種類 

20.0以下 

15形 

20.0を超え 40.0以下 

20形 

40.0を超え 50.0以下 

25形 

3. 撮影配置 線源,透過度計,階調計及びフィルムの関係位置は,附属書1図1に示す配置とする。 

a) 線源とフィルム間距離 (L1+L2) は,試験部の線源側表面とフィルム間の距離L2のm倍以上とする。

mの値は,像質の種類によって附属書1表3による。 

b) 線源と試験部表面間距離L1は,試験部の有効長さL3のn倍以上とする。nの値は,像質の種類によっ

て附属書1表4による。 

c) 試験部の有効長さL3を示す記号は線源側に置く。 

附属書1表3 係数mの値 

像質の種類 

係数 m(1)(2) 

A級 

2f/d又は6のいずれか大きい方の値 

B級 

3f/d又は7のいずれか大きい方の値 

注(1) f:線源寸法 (mm)  

(2) d:附属書1 4.1で規定する透過度計の識別最小線径 (mm)  

附属書1表4 係数nの値 

像質の種類 

係数 n 

A級 

B級 

4. 透過写真の必要条件 

4.1 

透過度計の識別最小線径 撮影された透過写真の試験部において,透過度計の識別最小線径の確認

は次による。 

a) 試験部の材質に応じて,附属書1表1によって母材の厚さに乗じる係数Bの値を求める。 

b) 識別最小線径は,a)によって得られた係数Bの値を乗じた母材の厚さに応じて,附属書1表5に示す

値以下とする。 

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10 

Z 3106 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書1表5 透過度計の識別最小線径 

単位 mm 

係数を乗じた母材の厚さ 透過度計の線径 

A級 

B級 

4.0以下 

0.125 

0.10 

  4.0 を超え  5.0 以下 0.16 

0.10 

  5.0 を超え  6.3 以下 0.16 

0.125 

  6.3 を超え  8.0 以下 0.20 

0.16 

  8.0 を超え  10.0 以下 0.20 

0.16 

 10.0 を超え  12.5 以下 0.25 

0.20 

 12.5 を超え  16.0 以下 0.32 

0.20 

 16.0 を超え  20.0 以下 0.40 

0.25 

 20.0 を超え  25.0 以下 0.50 

0.32 

 25.0 を超え  32.0 以下 0.50 

0.40 

 32.0 を超え  40.0 以下 0.63 

0.50 

 40.0 を超え  50.0 以下 0.80 

0.63 

 50.0 を超え  63.0 以下 0.80 

0.80 

 63.0 を超え  80.0 以下 1.0 

0.80 

 80.0 を超え 100 以下 1.25 

1.0 

100 を超え 125 以下 1.25 

1.0 

125 を超え 160 以下 1.6 

1.25 

160 を超え 200 以下 1.6 

1.25 

200 を超え 250 以下 2.0 

1.6 

250 を超え 320 以下 2.0 

1.6 

320を超えるもの 

2.5 

2.0 

4.2 

透過写真の濃度範囲 試験部のきずの像以外の部分の写真濃度は,附属書1表6に示す範囲を満足

しなければならない。 

附属書1表6 透過写真の濃度範囲 

像質の種類 

濃度範囲 

A級 

1.3以上 4.0以下 

B級 

1.8以上 4.0以下 

4.3 

階調計の値 階調計を使用した透過写真においては,階調計に近接した母材の部分の濃度と階調計

の中央の部分の濃度とを測定する。その濃度差を母材の部分の濃度で除した階調計の値の確認は次による。 

a) 試験部の材質に応じて,附属書1表1によって母材の厚さに乗じる係数Bの値を求める。 

b) 階調計の値はa)によって得られた係数Bの値を乗じた母材の厚さに応じて,附属書1表7に示す値以

上とする。 

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11 

Z 3106 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書1表7 階調計の値 

係数を乗じた母材の厚さ mm 階調計の値 

(濃度差/濃度)

階調計

の 

種類 

像質の種類 

A級 

B級 

4.0以下 

0.15 

0.23 

15形 

 4.0を超え  5.0以下 

0.10 

0.23 

 5.0を超え  6.3以下 

0.10 

0.16 

 6.3を超え  8.0以下 

0.081  0.12 

 8.0を超え 10.0以下 

0.081  0.12 

10.0を超え 12.5以下 

0.062  0.096 

12.5を超え 16.0以下 

0.046  0.096 

16.0を超え 20.0以下 

0.035  0.077 

20.0を超え 25.0以下 

0.049  0.11 

20形 

25.0を超え 32.0以下 

0.049  0.092 

32.0を超え 40.0以下 

0.032  0.077 

40.0を超え 50.0以下 

0.060  0.12 

25形 

4.4 

試験部の有効長さ 1回の撮影における試験部の有効長さL3は,透過度計の識別最小線径,透過写

真の濃度範囲及び階調計の値を満足している範囲とする。 

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12 

Z 3106 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書2(規定) 管の円周溶接継手の撮影方法及び透過写真の必要条件 

1. 適用範囲 この附属書は,管の円周溶接継手を放射線によって直接撮影する場合の撮影方法及び透過

写真の必要条件について規定する。 

2. 透過写真の撮影方法 

2.1 

母材の厚さ 管の円周溶接継手の放射線透過試験においては,管の肉厚を母材の厚さとする。この

場合,管の肉厚は呼び厚さとし,溶接継手の両側で管の肉厚が異なる場合は,薄い方の厚さとする。 

2.2 

撮影方法の種類 管の円周溶接継手の透過写真の撮影方法は,内部線源撮影方法,内部フィルム撮

影方法,二重壁片面撮影方法及び二重壁両面撮影方法の4種類とする。 

2.3 

透過写真の像質の種類 撮影方法の種類ごとに適用できる透過写真の像質の種類は,附属書2表1

による。 

附属書2表1 透過写真の像質の適用区分 

撮影方法 

像質の種類 

内部線源撮影方法 

A級  B級(1) P1級(2) 

内部フィルム撮影方法 A級  B級(1) P1級(2) 

二重壁片面撮影方法 

A級(1) 

P1級  P2級(2) 

二重壁両面撮影方法 

P1級(1) P2級 

注(1) 高い検出感度を必要とする場合に適用する。 

(2) 通常の撮影技術の適用が困難な場合に適用する。 

3. 撮影配置 

3.1 

内部線源撮影方法 内部線源撮影方法における撮影配置は,附属書2図1及び附属書2図2による。 

a) 線源とフィルム間距離 (L1+L2) は,試験部の線源側表面とフィルム間距離L2のm倍以上とする。m

の値はf/dとする。ここに,fは線源寸法 (mm) であり,dは4.1で規定する透過度計の識別最小線径 

(mm) の値である。ただし,附属書2図2に示す全周同時撮影の場合,4.1で規定する透過度識別最小

線径の値を満足できればこの限りではない。 

b) 放射線の照射方向は,原則として放射線束の中心線が試験部の中央になり,また,フィルム面に対し

て垂直になるようにする。 

c) 帯形のF形又はS形の透過度計は,4.1で要求される線径の透過度計を試験部の有効長さL3の両端を

含む位置に,試験部の線源側表面に溶接継手をまたいでそれぞれ1個置く。この際,2個の帯形透過

度計及び帯形透過度計と階調計とが重ならないようにする。ただし,1個の帯形透過度計で試験部の

有効長さL3を十分覆うことができる場合は,帯形透過度計は1個とする。 

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13 

Z 3106 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書2図1 内部線源撮影方法(分割撮影) 

附属書2図2 内部線源撮影方法(全周同時撮影) 

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1

4

Z

 3

1

0

6

 : 

2

0

0

1

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書2表2 係数Bの値 

試験部の材質(1) 

係数B 

JIS G 3446 JIS G 3448 
JIS G 3459 JIS G 3463 

JIS G 4903 
JIS G 4904 

JIS G 4552 

SUSXM8 

0.95 

SUS304 SUS304H SUS304L SUS304LN SUS309 SUS309S SUS310 SUS310S SUS317J2 SUS321 SUS321H 
SUS329J1 SUS329J3L SUS329J4L SUS347 SUS347H SUS405 SUS409 SUS409L SUS410 SUS410Ti SUS420J1 
SUS420J2 SUS430 SUS430J1L SUS430LX SUS4136L SUS444 SUSXM27 SUSXM15J1 

NCF800 
NCF800H 

1.00 

SUS316 SUS316L SUS316H SUS316Ti SUS317 SUS317L 

NCF690 

1.06 

SUS317J1 SUS836 SUS890L 

NCF825 
NCF600 

1.12 

NCF625 

NW2200 
NW2201 
NW4400 
NW4402 
NW6002 
NW6007 
NW6985 

1.25 

NW0276 
NW6022 
NW6455 

1.41 

NW0001 
NW0665 

1.60 

注(1) 材質記号の末尾につく用途を示す記号 (JIS G 3446 : TKA,TKC,JIS G 3448 : TPD,JIS G 3459 : TP,JIS G 3463 : TB,JIS G 4903 : TP,JIS G 4904 : TB) は省略し

ている。 

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15 

Z 3106 : 2001 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

d) 一般形のF形又はS形の透過度計を使用する場合は,識別最小線径(4.1参照)を含む透過度計を,

試験部の線源側の表面に溶接継手をまたいで試験部の有効長さL3の両端付近に,透過度計の最も細い

線が位置するように各1個置く。個の際,細線が外側になるようにする。試験部の有効長さL3の範囲

内に透過度計を2個置くことができない場合は,1個の帯形透過度計を使用する。 

e) 透過度計とフィルム間の距離を,識別最小線径(4.1参照)の10倍以上離せば,透過度計をフィルム

側に置くことができる。この場合には,透過度計のそれぞれの部分にFの記号のマークをつけて,透

過写真上でフィルム側に置いたことがわかるようにする。 

f) 

階調計は,外径100mm以上の円周溶接継手に対して,像質の種類がA又はB級の場合に,試験部の

材質に対応して附属書2表2によって求めた係数Bの値を,母材の厚さに乗じて附属書2表3の区分

で用いる。このとき,階調計は有効長さの中央,母材部分のフィルム側に置く。ただし,階調計の値

が附属書2表6に示す値以上となる場合は,線源側に置くことができる。 

g) 全周同時撮影の場合は,附属書2図2に示すように4個の透過度計及び階調計を,それぞれ円周をほ

ぼ4等分する対称の位置に置く。 

h) 試験部の有効長さL3を示す記号は,線源とフィルム間距離が管の半径より小さい場合は,管の内側に

置き,管の半径より大きい場合は管の外側に置く。ただし,線源とフィルム間の距離が管の半径より

小さい場合,撮影配置の幾何学的関係から記号が管の内側と外側に置かれる場合の相対位置をあらか

じめ明らかにすれば,管の外側に置くことができる。 

附属書2表3 階調計の適用区分 

単位 mm 

係数を乗じた母材の厚さ 階調計の種類 

20.0以下 

15形 

20.0を超え 40.0以下 

20形 

40.0を超え 50.0以下 

25形 

3.2 

内部フィルム撮影方法 内部フィルム撮影方法の撮影配置は,附属書2図3よる。 

a) 線源とフィルム間距離 (L1+L2) は,試験部の線源側表面とフィルム間距離L2のm倍以上とする。m

の値は3.1a)による。 

b) 放射線の照射方向は,3.1b)による。 

c) 帯形の透過度計の使用方法は,3.1c)による。 

d) 一般形の透過度計を使用する場合は,3.1d)による。 

e) 透過度計をフィルム側に置く場合は,3.1e)による。 

f) 

階調計は,外径100mm以上の円周溶接継手に対して像質の種類がA級及びB級の場合に用いる。使

用方法は,3.1f)による。 

g) 試験部の有効長さL3を示す記号は,管の外側に置く。 

3.3 

二重壁片面撮影方法 二重壁片面撮影方法の撮影配置は,附属書2図4による。 

a) 線源とフィルム距離 (L1+L2) は,試験部の線源側表面とフィルム間の距離L2のm倍以上とする。m

の値は3.1a)による。 

b) 放射線は,溶接継手を含む平面に対して斜めに照射する。線源と溶接継手を含む平面間距離Sは,L1

の1/4以下とする。 

c) 帯形の透過度計の使用方法は,3.1c)による。 

d) 一般形の透過度計を使用する場合は,3.1d)による。 

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16 

Z 3106 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

e) 透過度計をフィルム側に置く場合は,3.1e)による。 

f) 

階調計は,外径100mm以上の円周溶接継手に対して像質の種類がA級の場合に用いる。使用方法は,

3.1f)による。 

g) 試験部の有効長さL3を示す記号は管の外側に置く。 

3.4 

二重壁両面撮影方法 二重壁両面撮影方法の撮影配置は,附属書2図5による。 

a) 線源とフィルム間距離 (L1+L2) は,試験部の線源側表面とフィルム間距離L2のm倍以上とする。m

の値は3.1a)による。ただし,附属書2表4に規定する透過度計が識別できればこの限りではない。 

b) 放射線の照射方向は,線源側試験部とフィルム側試験部とが重ならないように,溶接継手を含む平面

に対して斜めに照射する。 

c) 透過度形は,4.1で要求される識別最小線径で構成された帯形透過度計を使用する。帯形透過度計は,

溶接継手の線源側表面に溶接継手をまたいで置く。1個の帯形透過度計で有効長さL3′を十分覆うこ

とができる場合は,1個の帯形透過度計を置く。ただし,1個の帯形透過度計で有効長さL3′を十分

に覆うことができない場合は,試験部の有効長さL3′の両端を含む位置に,それぞれ1個の帯形透過

度計を置く。この際,2個の帯形透過度計が重ならないように置く。 

d) 透過度計を線源側に配置することが困難な場合には,線源側に配置した場合との像質の差異を明確に

して,管の外面に沿ったフィルム側に置くことができる。この場合には透過度計のそれぞれの部分に

Fの記号のマークをつけて,透過写真上でフィルム側に置いたことがわかるようにする。 

e) 試験部の有効長さL3′及びL3″を示す記号は,管の外側に置く。 

附属書2図3 内部フィルム撮影方法 

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17 

Z 3106 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書2図4 二重壁片面撮影方法 

附属書2図5 二重壁両面撮影方法 

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18 

Z 3106 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4. 透過写真の必要条件 

4.1 

透過度計の識別最小線径 撮影された透過写真の試験部において,透過度計の識別最小線径の確認

は次による。 

a) 試験部の材質に応じて,附属書2表2によって母材の厚さに乗じる係数Bの値を求める。 

b) 識別最小線径は,a)によって得られた係数Bの値を乗じた母材の厚さに応じて,附属書2表4に示す

値以下とする。 

附属書2表4 透過度計の識別最小線径 

単位 mm 

係数を乗じた母材の厚さ 

像質の種類 

A級 B級 P1級 P2級 

4.0以下 

0.125 0.10 

0.20 

0.25 

 4.0を超え  5.0以下 0.16 

0.10 

0.20 

0.25 

 5.0を超え  6.3以下 0.16 

0.125 0.25 

0.32 

 6.3を超え  8.0以下 0.20 

0.16 

0.32 

0.40 

 8.0を超え 10.0以下 0.20 

0.16 

0.32 

0.40 

10.0を超え 12.5以下 0.25 

0.20 

0.40 

0.50 

12.5を超え 16.0以下 0.32 

0.20 

0.50 

0.50 

16.0を超え 20.0以下 0.40 

0.25 

0.63 

0.63 

20.0を超え 25.0以下 0.50 

0.32 

0.80 

0.80 

25.0を超え 32.0以下 0.50 

0.40 

1.0 

− 

32.0を超え 40.0以下 0.63 

0.50 

1.25 

− 

40.0を超え 50.0以下 0.80 

0.63 

1.6 

− 

4.2 

透過写真の濃度範囲 試験部のきずの像以外の部分の写真濃度は,附属書2表5に示す範囲を満足

しなければならない。 

附属書2表5 透過写真の濃度範囲 

像質の種類 

濃度範囲 

A級 

1.3以上 4.0以下 

B級 

1.8以上 4.0以下 

P1級 

1.0以上 4.0以下 

P2級 

4.3 

階調計の値 階調計を使用した透過写真においては,階調計に近接した母材の部分の濃度と階調計

の中央の部分の濃度とを測定する。その濃度差を母材の部分の濃度で除した階調計の値の確認は次による。 

a) 試験部の材質に応じて,附属書2表2によって母材の厚さに乗じる係数Bの値を求める。 

b) 階調計の値は,a)によって得られた係数Bの値を乗じた母材の厚さに応じて,附属書2表6に示す値

以上とする。 

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19 

Z 3106 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書2表6 階調計の値 

係数を乗じた母材の厚さ mm 階調計の値 

(濃度差/濃度)

階調計
の種類 

像質の種類 

A級 

B級 

4.0以下 

0.15 

0.23 

15形 

 4.0を超え  5.0以下 

0.10 

0.23 

 5.0を超え  6.3以下 

0.10 

0.16 

 6.3を超え  8.0以下 

0.081  0.12 

 8.0を超え 10.0以下 

0.081  0.12 

10.0を超え 12.5以下 

0.062  0.096 

12.5を超え 16.0以下 

0.046  0.096 

16.0を超え 20.0以下 

0.035  0.077 

20.0を超え 25.0以下 

0.049  0.11 

20形 

25.0を超え 32.0以下 

0.049  0.092 

32.0を超え 40.0以下 

0.032  0.077 

40.0を超え 50.0以下 

0.060  0.12 

25形 

4.4 

試験部の有効長さ 1回の撮影における試験部の有効長さL3は,透過度計の識別最小線径,透過写

真の濃度範囲及び階調計の値を満足している範囲とする。ただし,試験部における横割れの検出を特に必

要とする場合は,透過度計の識別最小線径,透過写真の濃度範囲及び階調計の値を満足し,かつ,附属書

2表7の制限を満足している範囲とする。 

附属書2表7 試験部の有効長さL3 

撮影方法 

試験部の有効長さ 

内部線源撮影方法 
(分割撮影) 

線源と試験部の線源側表面
間距離L1の1/2以下 

内部フィルム撮影方法 管の円周長さの1/12以下 
二重壁片面撮影方法 

管の円周長さの1/6以下 

20 

Z 3106 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書3(規定) T溶接継手の撮影方法及び透過写真の必要条件 

1. 適用範囲 この附属書は,T溶接継手を放射線によって直接撮影する場合の撮影方法及び透過写真の

必要条件について規定する。 

2. 透過写真の撮影方法 

2.1 

透過写真の像質の種類 透過写真の像質の種類はF級とする。 

2.2 

放射線の照射方向 透過写真は原則として,附属書3図1又は附属書3図2に示す方向から放射線

を照射して撮影する。 

2.3 

透過度計の使用 識別最小線径(4.1参照)を含む透過度計を,試験部の有効長さL3の両端付近に,

透過度計の最も細い線が位置するように各1個置く。この際,細線が外側になるようにし,T2材の線源側

又はフィルム側に置く。 

透過度計をフィルム側に置く場合は,透過度計とフィルム間の距離を識別最小線径の10倍以上とする。

この場合には,透過度計の部分にFの記号のマークをつけて,透過写真上でフィルム側に置いたことがわ

かるようにする。 

2.4 

肉厚補償用くさび 透過写真の撮影には,附属書3図3に示す肉厚補償用くさびを用いる。ただし,

附属書3図1の場合,T1材の厚さがT2材の厚さの1/3又は8mmのいずれかの小さい値以下であれば,肉

厚補償用くさびを使用しなくてもよい。また,附属書3図2の場合,T1材の厚さがT2材の厚さの1/4又

は5mmのいずれかの小さい値以下であれば,肉厚補償用くさびを使用しなくてもよい。 

3. 撮影配置 線源,透過度計,肉厚補償用くさび及びフィルムの関係位置は次による。 

a) 附属書3図3に示す距離 (L1+L2) は,試験部の線源側表面とフィルム間の距離L2のm倍以上とする。

mは,6又は2f/dの値のいずれか大きい方の値とする。ここに,fは線源寸法 (mm) であり,dは4.1

で規定する識別最小線径 (mm) である。 

b) 線源と試験部の線源側表面間の距離L1は,試験部の有効長さL3の2倍以上とする。 

c) 試験部の有効長さL3を示す記号は,線源側に置く。 

4. 透過写真の必要条件 

4.1 

透過度計の識別最小線径 撮影された透過写真の試験部において,透過度計の識別最小線径の確認

は次による。 

a) 試験部の材質に応じて,附属書3表1によってT1材とT2材の合計の厚さに乗じる係数Bの値を求め

る。 

b) 識別最小線径は,a)によって得られた係数Bの値をT1材とT2材の合計の厚さに乗じた値に応じて,

附属書3表2に示す値以下とする。 

4.2 

透過写真の濃度範囲 試験部のきずの像以外の部分の写真濃度は,1.0以上4.0以下でなければなら

ない。 

4.3 

試験部の有効長さ 1回の撮影における試験部の有効長さL3は,透過度計の識別最小線径及び透過

写真の濃度範囲を満足している範囲とする。 

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21 

Z 3106 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書3図1 2方向からの撮影 

附属書3図2 1方向からの撮影 

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22 

Z 3106 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書3図3 撮影配置 

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2

3

Z

 3

1

0

6

 : 

2

0

0

1

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書3表1 係数Bの値 

試験部の材質 

係数B 

JIS G 4304 JIS G 4305 

JIS G 4312(1) 

JIS G 4902 

JIS H 4551 

係数を乗じる母材の厚さの区分 (mm) 

25以下 

25を超える 

SUH21 SUH446  

0.95 

1.00 

SUS301 SUS301L SUS301J1 SUS302 SUS302B SUS303 SUS304 
SUS304J1 SUS304J2 SUS304L SUS304LN SUS304N1 SUS304N2 
SUS305 
SUS309S SUS310S SUS315J1 SUS315J2 SUS317J2 SUS317J3L SUS321 
SUS329J1 SUS329J3L SUS329J4L SUS347 SUS403 SUS405 SUS410L 
SUS410 SUS410S SUS420J1 SUS420J2 SUS429 SUS429J1 SUS430 
SUS430J1L SUS430LX SUS434 SUS436J1L SUS436L SUS440A SUS444 
SUS447J1 SUS630 SUS631 SUSXM15J1 SUSXM27 

SUH309 
SUH310 
SUH409 
SUH409L 
SUH660 

NCF800 
NCF800H 

1.00 

1.00 

SUS316 SUS316J1 SUS316J1L SUS316L SUS316LN SUS316N SUS316Ti 
SUS317 SUS317L SUS317LN 

NCF718 
NCF750 
NCF751 

1.06 

1.00 

SUH330 

NCF601 
NCF690 

1.06 

1.06 

NCF80A 

1.12 

1.00 

SUS317J1 SUS836L SUS890L 

NCF825 

1.12 

1.06 

NCF600 

1.12 

1.12 

NCF625 

1.25 

1.00 

SUH661 

NW4400 NW4402 
NW5500 NW6007 
NW6985 NW6002 

1.25 

1.12 

NW2200 NW2201 

1.25 

1.25 

NW6455 

1.41 

1.12 

NW0276 NW6022 

1.41 

1.25 

NW0001 NW0665 

1.60 

1.25 

注(1) JIS Z 4312に規定する材質のうち,JIS G 4304及びJIS G 4305と同一のものは,左覧を参照のこと。 

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24 

Z 3106 : 2001 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書3表2 透過度計の識別最小線径 

単位 mm 

T1材とT2材の合計に係

数を乗じた厚さ 

像質の種類 

F級 

8.0以下 

0.20 

 8.0を超え  10.0以下 

0.20 

10.0を超え  12.5以下 

0.25 

12.5を超え  16.0以下 

0.32 

16.0を超え  20.0以下 

0.40 

20.0を超え  25.0以下 

0.50 

25.0を超え  32.0以下 

0.50 

32.0を超え  40.0以下 

0.63 

40.0を超え  50.0以下 

0.80 

50.0を超え  63.0以下 

8.0 

63.0を超え  80.0以下 

1.0 

80.0を超え 100.0以下 

1.25 

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25 

Z 3106 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書4(規定) 透過写真によるきずの像の分類方法 

1. 適用範囲 この附属書は,溶接継手の透過写真におけるきずの像の分類方法について規定する。 

2. 分類手順 きずの像(以下,きずという。)の分類は,次の手順による。 

a) 分類を行う透過写真を,本体8.の規定に適合することを確認する。 

b) 分類を行う透過写真は,本体9.に基づいて観察する。 

c) 分類は母材の厚さで区分して行う。母材の厚さの定義は,本体3.による。 

d) 試験部に存在するきずを4種に区別する。 

e) 種別ごとにきずの像の寸法測定値に基づいて,1類,2類,3類及び4類と分類番号を付ける。 

f) 

きずの種別ごとの分類結果に基づいて,総合分類を行う。 

3. きずの種別 きずは附属書4表1によって4種に区別する。ここで,第1種のきずか第2種のきずか

の区別が困難なきずについては,それらを第1種のきず又は第2種のきずとしてそれぞれ独立に分類し,

そのうち分類番号の大きい方をそのきずの種別と分類番号とする。 

なお,ステンレス鋼溶接継手の透過写真には,附属書5に参考として示したきずの像に類似したX線の

回折像が観察される場合があるが,この像は分類の対象としない。 

附属書4表1 きずの種別 

きずの種別 

きずの種類 

第1種 

丸いブローホール及びこれに類するきず 

第2種 

細長いスラグ巻込み,パイプ,溶込み不良,
融合不良及びこれに類するきず 

第3種 

割れ及びこれに類するきず 

第4種 

タングステン巻込み 

4. きず点数 第1種のきず点数及び第4種のきず点数を求める方法は次による。 

a) きず点数は,附属書4表2に示す試験視野を設定して測定する。きずが試験視野の境界線上にかかる

場合は,視野外の部分も含めて測定する。 

b) 試験視野は,試験部の有効長さのうち,きず点数が最も大きくなる部位に適用する。 

c) 第1種のきずが1個の場合のきず点数は,きずの長径の寸法に応じて附属書4表3の値を用いる。た

だし,きずの長径が附属書4表4に示す値以下のものは,きず点数として算定しない。 

d) 第4種のきずは,第1種のきずと同様にa),b)及びc)の方法によって点数を求める。ただし,きず点

数は,きずの長径の寸法に応じて附属書4表3の値の1/2とする。 

e) きずが2個以上の場合のきず点数は,試験視野内に存在する各きずのきず点数の総和とする。ただし,

きずの長径が附属書4表4に示す値以下のものは,まず点数として算定しない。 

f) 

第1種のきずと第4種のきずが同一試験視野内に共存する場合は,両者の点数の総和をきず点数とす

る。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書4表2 試験視野の大きさ 

単位 mm

母材の厚さ 

25以下 25を超え100以下 100を超えるもの 

試験視野の大きさ 10×10 

10×20 

10×30 

附属書4表3 きず点数 

きずの長径 

(mm) 

1.0以下 1.0を超え

2.0以下 

2.0を超え
3.0以下 

3.0を超え
4.0以下 

4.0を超え
6.0以下 

6.0を超え
8.0以下 

8.0を超える
もの 

点数 

10 

15 

25 

附属書4表4 算定しないきずの寸法 

単位 mm 

母材の厚さ 

きずの寸法 

20以下 

0.5 

20を超え 50以下 

0.7 

50を超えるもの 

母材の厚さの1.4% 

5. きず長さ きず長さは,第2種のきずの長さを測定してきず長さとする。ただし,きずが一線上に存

在し,きずときずとの間隔が,いずれかのきずの長さ以下の場合は,きずときずとの間隔を含めて測定し

た寸法をそのきず群のきず長さとする。 

6. きずの像の分類 

6.1 

第1種及び第4種のきずの像の分類 透過写真によって検出されたきずが第1種及び第4種のきず

である場合の分類は,附属書4表5の基準に従って行うものとする。表中の数値は,それぞれの分類番号

における試験視野内でのきず点数の許容値を示す。ただし,きずの長径が母材の厚さの1/2を超えるとき

は4類とする。 

なお,きずの長径が附属書4表4に示す値以下のものでも,1類については試験視野内に10個以上あっ

てはならない。 

附属書4表5 第1種及び第4種のきず点数による分類 

分類
番号 

試験視野 (mm) 

10×10 

10×20 

10×30 

母材の厚さ (mm) 

10以下 10を超え

25以下 

25を超え
50以下 

50を超え
100以下 

100を超

えるもの 

きず点数 

1類 

2類 

12 

15 

18 

3類 

12 

24 

30 

36 

4類 

きず点数が3類より多いもの 

6.2 

第2種のきずの像の分類 透過写真によって検出されたきずが第2種のきずである場合の分類は,

附属書4表6の基準に従って行うものとする。表中の値は,きず長さの許容限度を示す。ただし,1類と

分類された場合でも,溶込み不良又は融合不良があれば2類とする。 

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Z 3106 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書4表6 第2種のきず長さによる分類 

単位 mm 

分類番号 

母材の厚さ 

12以下 12を超え48未満 48以上 

1類 

3以下 母材厚さの1/4以下 12以下 

2類 

4以下 母材厚さの1/3以下 16以下 

3類 

6以下 母材厚さの1/2以下 24以下 

4類 

きず長さが3類より長いもの 

6.3 

第3種のきずの分類 透過写真によって検出されたきずが,第3種のきずである場合は4類とする。 

6.4 

総合分類 試験部の有効長さを対象として,きずの種別ごとに分類した結果に基づいて決定する総

合分類は次による。 

a) きずの種別が1種類の場合は,その分類を総合分類とする。 

b) きずの種別が2種類以上の場合は,そのうちの分類番号の大きい方を総合分類とする。ただし,第1

種のきず及び第4種のきずの試験視野に分類の対象とした第2種のきずが混在する場合で,きず点数

による分類ときず長さによる分類がともに同じ分類であれば,混在する部分の分類は分類番号を一つ

大きくする。このとき,1類については,第1種と第4種のきずが共存する場合の許容点数の1/2及

び第2種のきずの許容長さの1/2を,それぞれ超えた場合にだけ2類とする。 

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Z 3106 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書5(参考) X線の回折像ときずの像との判別方法 

この附属書(参考)は,本体に関連した事項を補足するもので,規定の一部ではない。 

1. 適用範囲 この附属書は,溶接継手の透過写真に現れるX線の回折像ときずの像との判別方法につい

て示す。 

2. X線の回折像 X線の回折像には線状,はけ状及びはん点状の像がある。典型的な線状とはけ状の回

折像の模式図を附属書5図1及び附属書5図2に示す。 

附属書5図1 X線の回折による線状及びはけ状の像の模式図 

附属書5図2 X線の回折によるはけ状の像の模式図 

3. 回折像の確認方法 X線の回折像ときずの像との判別は,回折像の参考写真との対比による方法及び

撮影手法による方法による。 

3.1 

参考写真との対比による方法 試験体の厚さ及び溶接条件の類似した参考写真と観察された回折像

の形態を比較することによって判別する。 

3.2 

撮影手法による方法 試験体とフィルム間の距離,照射角度,放射線のエネルギーなどの撮影条件

の変更によって,回折像の位置が移動又は消失することなどから判別する。撮影手法は,角度法,拡散法,

グリッド法,線質変化法,マスク法,メッシュ利用法などがある。 

29 

Z 3106 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS Z 3106(ステンレス鋼溶接継手の放射線透過試験方法)改正原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

委員長 

向 井 喜 彦 

大阪産業大学 

幹事 

相 原 常 男 

株式会社タセト 

松 浦 則 之 

住友金属工業株式会社 

八 田   勲 

工業技術院 

安 田 功 一 

川崎製鉄株式会社 

橋 本 政 哲 

新日本製鐵株式会社 

森 川   広 

日新製鋼株式会社 

志 水 英 之 

日本金属工業株式会社 

藤 井 宏 之 

日本冶金工業株式会社 

小 川 恒 司 

株式会社神戸製鋼所 

斎 藤 道 夫 

ナストーア株式会社 

畠 田 光 治 

日本ウエルディング・ロッド株式会社 

横 田 博 史 

愛知製鋼株式会社 

近 藤   穆 

大同特殊鋼株式会社 

山 崎 博 昭 

日本金属株式会社 

小見山 輝 彦 

日本鋼管工事株式会社 

針 生   修 

日本精線株式会社 

結 城 正 弘 

石川島播磨重工業株式会社 

蔵 口 雅 夫 

大江工業株式会社 

山 田   猛 

川崎重工業株式会社 

島 村 典 史 

月島機械株式会社 

喜 田   裕 

東洋エンジニアリング株式会社 

村 本 聖 一 

トーヨーカネツ株式会社 

三 宅 聰 之 

日鉄溶接工業株式会社 

舟 本 孝 雄 

株式会社日立製作所 

佐 藤 昌 範 

三菱化工機株式会社 

今 井 秀 昌 

三井造船株式会社 

水 野 美 法 

三菱重工業株式会社 

寺 田 幸 博 

日立造船株式会社 

事務局 

池 原 康 允 

ステンレス協会 

JIS Z 3106(ステンレス鋼溶接継手の放射線透過試験方法)改正原案作成委員会ワーキンググループ 

主査 

近 藤   久 

住友金属工業株式会社 

幹事 

寺 田 幸 博 

日立造船株式会社 

委員 

大 岡 紀 一 

原子力研究所 

平 山 一 男 

大阪産業大学 

松 山   格 

元東京都立工業技術センター 

丸 山   温 

日本溶接構造専門学校 

事務局 

大 屋 武 雄 

ステンレス協会