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Z 2500 : 2000  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによってJIS Z 2500 : 1987は改正され,この規格に置き換えられる。

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

Z 2500 : 2000 

粉末や(冶)金用語 

Powder metallurgy−Vocabulary 

序文 この規格は,1998年に第3版として発行されたISO/DIS 3252, Powder metallurgy−Vocabularyを元に

作成した日本工業規格である,定義は原国際規格に基づいて,JIS Z 2500 : 1987と対比させ分かりやすい

表現に意訳し,分類及び配列は原則として原国際規格の構成とした。 

なお,この規格で点線の下線を施してある“用語”は,原国際規格にはない用語である。また,原国際規

格の用語で採用しなかった用語(プレス機械の部分名称)は,解説に示している。 

1. 適用範囲 この規格は粉末や(冶)金(1)に関する用語の定義について規定する。粉末や金とは金属粉

の製造,又は金属粉からフォーミングと焼結工程によって製品を製造するや金技術の部門であり,非金属

粉の添加の有無は問わない。製品には,金属と非金属粉の組合せで製造されるものを含む。 

注(1) PM及びP/Mがしばしば“粉末や金 (Powder Metallurgy) ”の省略形として使われ,“PM部品”,

“P/M製品”,“PM法”などと表される。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

ISO/DIS 3252 : 1998 Powder metallurgy−Vocabulary 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。 

JIS Z 2501 焼結金属材料−密度,含油率及び開放気孔率試験方法 

JIS Z 2502 金属粉−流動性試験方法 

JIS Z 2503 粉末や(冶)金用金属粉−試料採取方法 

JIS Z 2504 金属粉−見掛密度試験方法 

JIS Z 2507 焼結軸受−圧環強さ試験方法 

3. 用語の分類 用語は,次の項目に分類する。 

a) 粉末 

b) フォーミング 

c) 焼結 

d) 焼結後の処理(後処理) 

e) 粉末や(冶)金材料 

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Z 2500 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4. 用語及び定義 

a) 粉末 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1001 

粉末 

最大寸法1mm以下の粒子の集合体。 

power 

1002 

粒子 

通常の分離操作によってこれ以上細分できない粉末の単位。
(付図1参照)。 

備考 結晶粒 (grain) は粒子とは同義語ではなく,金属学

術用語として用いられるべきである。 

particle 

1003 

凝集粉 

複数の粒子が互いにくっついた粉末。(付図1参照)。 

agglomerate 

1004 

スラリ 

液体中に粉末が分散した粘性流体。 

slurry 

1005 

ケーキ 

無加圧状態での金属粉の凝集塊 

cake 

1006 

フィードストック 

射出成形又は粉末押出し用の原料として用いられる可塑性の
粉末。 

feedstock 

1) 粉末の種類 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1101 

金属粉 

金属の粉末。広義には合金粉を含む。 

metal powder 

1102 

アトマイズ粉 

溶融金属を分散し凝固させて単一の粒子に造られた粉末。噴霧
粉ともいう。 

備考 分散媒体は通常,高速のガス又は液体流による。 

atomized powder 

1103 

カーボニル粉 

金属カーボニルの熱分解によって造られた粉末。 

carbonyl powder 

1104 

粉砕粉 

粉砕して造られた粉末。 

comminuted powder,  

pulverized powder 

1105 

電解粉 

電解析出して造られた粉末。 

electrolytic powder 

1106 

沈殿粉 

溶液から科学的に沈殿させることによって造られた粉末。 

precipitated powder 

1107 

還元粉 

金属化合物の化学還元によって造られた粉末。 

reduced powder 

1108 

海綿状粉 

極めて多孔質で凝集した金属塊を粉砕することによって造ら
れた多孔質な還元粉。 

sponge powder 

1109 

合金粉 

合金化した粒子からなる粉末。 

alloyed powder 

1110 

完全合金粉 

各粉末粒子がその粉末全体を同一で,かつ均質な化学成分をも
っている合金粉 

completely alloyed  

powder 

1111 

プレアロイ粉 

溶融金属を噴霧することによって造られた完全合金粉。 

pre-alloyed powder 

1112 

部分合金化粉 

粉末粒子が完全合金粉の状態になっていない合金粉。 

partially alloyed  

powder 

1113 

拡散合金粉 

熱拡散によって造られた部分合金化粉。 

diffusion-alloyed  

powder 

1114 

メカニカルアロイ粉 変形できる基地金属粒子に,通常固溶しない添加物を機械的に

合金化することによって造られた複合粉。 

mechanically alloyed  

powder 

1115 

母合金粉 

所要の最終組成を得るために他の粉末とともに混合するもの
で,一つ以上の添加成分を比較的多量に含有している合金粉。 

master alloy powder 

1116 

複合粉 

各粒子が二つ以上の異なる構成物からなる粉末。 

composite powder 

1117 

被覆粉 

内部と表面層の組成が異なる粒子で構成される粉末。 

coated powder 

1118 

ブレンド粉 

同一の組成の粉末同子を混ぜ合わせることによって得られた
粉末。 

blended powder 

1119 

混合粉 

組成の異なる粉末を混合することによって得られた粉末。 

mixed powder 

1120 

プレミックス粉 

そのまま成型できるように設計された混合粉 

press-ready mix, 
pre-mix, 
pre-mixed powder 

1121 

脱水素粉 

金属水素化合物から水素を取り除くことによって得られた粉
末。 

dehydrided powder 

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Z 2500 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1122 

急冷凝固粉 

速い凝固速度で造られた粉末で,微細又は準安定な組織をもつ
粉末。 

rapidly solidified  

powder 

1123 

チップ粉 

シート,リボン,繊維,フィラメントのような素材を切断する
ことによって造られた粉末。 

chopped powder 

1124 

超音波ガスアトマイ
ズ粉 

ガスジェットに超音波の振動を与えたガスアトマイズ法で造
られた粉末。 

ultrasonically  

gas-atomized 
powder 

2) 粉末への添加物 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1201 

結合剤 

圧粉体の強度を増すため,粉末の分離や飛散を防止するため又
は粉末に可塑性を与えるために加える物質。結合剤は,焼結前
又は焼結時に除去される。 

binder 

1202 

ドープ剤 

焼結中又は使用中に生じる焼結体の再結晶若しくは粒成長を
防止又は制御するために金属粉に微量添加される物質。 

備考 この用語はタングステンの粉末や(冶)金に特に用

いられる。 

dope, 
dopant 

1203 

潤滑剤 

粒子同士及び圧粉体とダイ表面との摩擦を少なくするために
粉末に加える物質。 

lubricant 

1204 

可塑剤 

粉末の可塑性を改善するために結合剤として使われる熱的に
可塑性のある物質。 

plasticizer 

3) 粉末の製法及び処理 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1301 

粉砕 

機械的手段によって原料を砕いて粉末にする操作。 

pulverization 

1302 

スタンピング 

落下するきねの衝撃を利用して粉末にする操作。 

stamping 

1303 

噴霧 

溶融金属を分散させて粉末にする操作。 

atomization 

1304 

超音波ガスアトマイ
ズ 

ガスジェットに超音波振動を与えてガスアトマイズする操作。 ultrasonic  

gas-atomizing 

1305 

冷却ブロック法 

固体上に薄膜状の溶融金属を落下,冷却することにより急冷凝
固粉を造る方法。 

chill-block cooling 

1306 

反応ミリング法 

添加剤や雰囲気又はその両方と金属粉との間で反応を起こさ
せるメカニカルアロイ法。 

reaction milling 

1307 

メカニカルアロイ法 高エネルギアトライタやボールミルによる固相状態での合金

化の方法。 

mechanical alloying 

1308 

ブレンディング 

同一組成の粉末を混ぜ合わせる操作。 

blending 

1309 

混合 

組成の異なる2種類以上の粉末又は粉末と他の物質を混ぜ合
わせる操作。 

mixing 

1310 

ミリング 

粉末の機械的処理に対する一般用語。 

例1. 粒子径又は形状の修正。(砕く,固めるなど) 

2. よりよく混合する。 
3. 他の成分で一つの成分粒子を被覆する。 

milling 

1311 

造粒 

流動性の改善を伴った粗い粉末を得るために微粉を凝集させ
る操作。 

granulation 

1312 

スプレードライ 

スラリの液滴から液相を急激に蒸発させることによって粉末
を造粒する操作。 

spray drying 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4) 粉末の粒子形状 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1401 

粒形 

粉末粒子の外面的な幾何学的形態。 

particle shape 

1402 

針状 

針のような形状。(付図2参照)。 

acicular 

1403 

角状 

角張った形状又は粗い多面体の形状。(付図3参照)。 

angular 

1404 

樹枝状 

枝葉に分かれた形状。(付図4参照)。 

dendritic 

1405 

繊維状 

規則的又は不規則的に糸状になっている形状。(付図5参照)。 fibrous 

1406 

片状 

板のような形状。(付図6参照)。 

flaky,  
flaked 

1407 

粒状 

不規則形状のものでなくほぼ等しい寸法をもつ形状。(付図7
参照)。 

granular 

1408 

不規則形状 

対称性がない形状。(付図8参照)。 

irregular 

1409 

涙滴状 

丸みを帯びた不規則形状。(付図9参照)。 

nodular 

1410 

球状 

ほぼ球に近い形状。(付図10参照)。 

spheroidal 

5) 粉末の特性,試験方法,試験装置及び結果 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1501 

安息角 

水平面に自由に注いだときに粉末によって形成される山の底
角。 

angle of repose 

1502 

見掛密度 

定められた条件下で得られた粉末の単位体積当たりの質量。 
(JIS Z 2504参照) 

apparent density 

1503 

バルク密度 

定められていない条件下での粉末の単位体積当たりの質量。 bulk density 

1504 

タップ密度 

振動させた容器内の粉末の単位体積当たりの質量。 

tap density 

1505 

圧縮性 

加えられた圧力下での粉末の緻密化されやすさ。通常ダイ内で
単一軸に沿って加圧される。圧縮性は要求された密度に必要な
圧力又は所定の圧力で得られた密度で表される。 

compressibility 

1506 

成形性 

粉末がある形状に成形され,その形状を保持する能力。成形性
は流動性,圧縮性,圧粉体強さとの関係として表される。 

compactibility 

1507 

ラトラ値 

圧粉体をかごの中で繰り返し回転落下させ,その質量減少率で
表す圧粉体のエッジ強さ。 

rattler value 

1508 

圧縮比 

充てんされた粉末の体積を圧粉体の体積で除した値。 

compression ratio 

1509 

充てん比 

充てんされた粉末の高さを圧粉体の高さで除した値。 

fill factor 

1510 

流動性 

空げきを通して流れる場合の粉末の挙動を表す用語。 
(JIS Z 2502参照) 

flowability 

1511 

流動時間 

ある一定の条件下で,決められた質量の粉末が規定のオリフィ
スから流出するのに要する時間。 
(JIS Z 2502参照) 

flow time, 
flow rate 

1512 

還元減量 

水素気流中で粉末又は圧粉体を加熱した時の質量減少の百分
率。 

hydrogen loss 

1513 

酸素量(水素還元によ
る) 

定められた条件下で水素還元によって放出された粉末中の酸
素量。 

hydrogen-reducible  

oxygen 

1514 

偏析 

混合物の一つ以上の構成部分の不具合な分離。 

segregation,  
demixing 

1515 

粒径 

単独の粒子の大きさ。粒形が球状のときはその直径で示すが,
非球形のときは測定法によって決められ,方法ごとに異なる値
となる。 
粒子径ともいう。 

particle diameter 

1516 

平均粒径 

粒径が異なる多数の粒子で構成される粒子群を代表する粒径。 mean particle  

diameter 

1517 

比表面積 

粉末の単位質量当たりの表面積。 

specific surface area 

1518 

分級 

粒度に従って行う粉末の分別。 

classification 

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Z 2500 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1519 

粒度 

ふるい又は他の適切な方法で測定した個々の粒子の直線的な
大きさ。 

particle size 

1520 

粒度分布 

試料粉末を分級し,それぞれの分級物の占める割合をその質
量,個数又は体積の百分率で表したもの。 

particle size  

distribution 

1521 

流体分級 

流体を媒体として粒子の動きによって行う粉末の分級。 

例 空気分級及び液体分級。 

elutriation 

1522 

空気分級 

空気流を用いる分級。 

air classification 

1523 

分級物 

分級された粉末の個々の部分。 

cut,  
fraction 

1524 

ふるい分析 

ふるいによる粒度分布測定方法。  

sieve analysis,  
sieve classification,  
screen analysis,  
screen classification 

1525 

沈降 

重力,遠心力などの外力を用いて液体に懸濁した粒子を自然落
下させること。 

sedimentation 

1526 

試料抜取器 

容器内の粉末から代表するような試料を採取するための器具。 
(JIS Z 2503参照) 

sample thief 

1527 

試料分離器 

採取した試料を特性を変えずに分割する器具。 
(JIS Z 2503参照) 

sample splitter 

1528 

ふるいセット 

校正された非磁性金網のセット。 

sieve set 

1529 

流動計 

見掛密度及び流動性を測定するために標準化された漏斗と円
筒形コップ。 
(JIS Z 2504及びJIS Z 2502参照) 

flowmeter 

1530 

タッピング装置 

タップ密度を測定する器具。 

tapping apparatus 

1531 

オーバサイズ 

ある定められた粒径より大きい粒子の粉末。 

oversize 

1532 

アンダサイズ 

ある定められた粒径より小さい粒子の粉末。 

undersize 

1533 

微粉 

ふるい分析で用いられる最小寸法 (45μm) のふるいを通過す

る粉末。 
サブシーブ粉 (sub-sieve powder) ともいう。 

fine powder,  
fines 

1534 

超微粉 

最大寸法1μm以下の粒子からなる粉末。 

ultra fine powder 

1535 

オーバサイズ粒子 

定められた粒度より大きい粒子。 

oversize article 

1536 

アンダサイズ粒子 

定められた粒度より小さい粒子。 

undersize particle 

b) フォーミング 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2001 

フォーミング 

粉末に所定の形状及び寸法を与える作業の総称。 

forming 

2002 

緻密化 

粉末又は圧粉体の密度をあげる方法。 

consolidation, 
densification 

2003 

成形 

粉末を圧縮することによって所定の形状及び寸法を与える方
法。 

pressing,  
compacting 

2004 

圧粉体 

粉末を成形したままのもの。 

compact,  
green,  
green compact 

2005 

ブランク 

後加工を受ける前の圧粉体,予備焼結体又は焼結体。 

blank 

2006 

複合圧粉体 

異種金属や合金の二層以上密着した圧粉体。 

composite compact,  
compund compact 

2007 

プリフォーム 

塑性加工又は形状変更を伴う高密度化加工のためのブランク。 
プレフォームともいう。 

preform 

2008 

スケルトン 

溶侵前の圧粉体又は焼結体。 

skeleton 

background image

Z 2500 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

1) 粉末の成形方法 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2101 

冷間成形 

室温において,一般に単軸で粉末を成形する方法。 

cold pressing 

2102 

温間成形 

室温と密度上昇が認められるような拡散を生じる温度の間で,
一般に単軸で粉末を成形する方法。 

warm pressing 

2103 

ホットプレス法 

拡散や塑性変形が活性化する程度の高い温度で,粉末又は圧粉
体を圧縮する方法。 

hot pressing 

2104 

単軸成形 

粉末を単一軸に沿った加圧力によって成形する方法。 

uniaxial pressing 

2105 

片押成形 

一方向から単軸成形する方法。 

single-action  

pressing 

2106 

両押成形 

向かい合う二方向から単軸成形する方法。 

double-action  

pressing 

2107 

多数個成形 

別々のダイキャビティで,二つ以上の圧粉体を同時に成形する
方法。 

multiple pressing 

2108 

アイソスタティック
成形 

粉末を全方向からほぼ等しい圧力で成形する方法。圧粉体又は
焼結体に適用する場合を含む。 
静水圧成形ともいう。 

isostatic pressing,  
I. P.  

2109 

コールドアイソスタ
ティック成形 

冷間で行うアイソスタティック成形。 
冷間静水圧成形又はシップともいう。 

cold isostatic 

pressing,  

CIP 

2110 

ウエットバッグ成形 粉末又は圧粉体を入れた柔軟性のある型を,圧力を伝達する媒

体に浸せき(漬)するコールドアイソスタティック成形。 

wet-bag isostatic  

pressing 

2111 

ドライバッグ成形 

圧力容器の中に強固に据えつけられた柔軟性のある型に,粉末
又は圧粉体を入れるコールドアイソスタティック成形。 

dry-bag isostatic  

pressing 

2112 

ホットアイソスタテ
ィック成型 

熱間で行うアイソスタティック成形。 
熱間静水圧成形又はヒップともいう。 

hot isostatic 

pressing, 

HIP 

2113 

カプセル充てん 

粉末,圧粉体又は予備焼結体の薄肉容器の中への封入。  

encapsulation 

2114 

キャニング 

熱間加工のための金属容器に行うカプセル充てん。 
キャンニングともいう。 

canning 

2115 

MIM(ミム) 

バインダと金属粉末の混合物をモールド内に射出して成形す
る方法。 
金属粉末射出成形,金属射出成形ともいう。 

metal injection 

moulding  
(molding) , 

MIM 

2116 

粉末圧延 

粉末を一対の回転しているロール間に入れ,連続した圧延材に
する方法。 

powder rolling 

2117 

振動成形 

振動する一つ又は複数のパンチを用いて,粉末を成形する方
法。 

vibration-assisted  

compaction 

2118 

爆発成形 

爆発波による高エネルギー成形。  

explosive compaction 

2119 

スプレーフォーミン
グ 

溶解又は半凝固の流れを噴霧し,凝固する前にベース材に衝突
させ,固形物を製造する方法。 

continuous-spray  

deposition, 

spray forming 

2120 

シェーピング 

超硬合金工業において,本焼結前に最終形状を形成する方法。 shaping 

2121 

押出し成形 

押出しによって粉末と結合材とを混合したものをフォーミン
グする方法。 

plasticized-powder 

extrusion 

2) 成形条件 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2201 

充てん量 

ダイに入れる粉末の量。体積又は質量で定める。 

fill 

2202 

充てん 

ダイに粉末を入れる工程。 

filling 

2203 

体積充てん 

充てん深さを設定して行う充てん。 

volume filling 

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Z 2500 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2204 

重量充てん 

質量を設定して行う充てん。 

weight filling 

2205 

振動充てん 

振動させてモールド又はダイに粉末を充てんする方法。 

vibration-assisted  

filling 

2206 

オーバフィルシステ
ム 

あらかじめ充てん深さを大きくとって充てんし,フィーダの後
退前に所定の充てん深さになるようにダイ又は下パンチを移
動して余分な粉末をフィーダ内に押し戻す充てん方法。 

overfill system 

2207 

アンダフィルシステ
ム 

所定の充てんとフィーダの移動終了後,ダイを上昇又は下パン
チを下降させ,ダイ上面から粉末を沈める充てん方法。 

underfill system 

2208 

充てん位置 

ダイキャビティに必要な量の粉末を取り入れられるツールセ
ットの位置。 

fill position 

2209 

充てん深さ 

ツールセットへの充てん位置での,下パンチ表面とダイ上面と
の間の距離。 

fill height 

2210 

充てん体積 

充てん位置での,ダイキャビティの体積。 

fill volume 

2211 

ブリッジング 

粒子の押し合いや絡み合いによって,粉末中に異常に大きな空
げきが形成された状態。 

bridging 

2212 

成形圧力 

パンチと接触する投影面積で定まる単位面積当たりの加圧力。 compacting pressure 

2213 

加圧保持時間 

圧粉体に一定の圧力を加える時間。 

dwell time 

2214 

抜出し 

成形又は再圧縮終了後,圧粉体又は再圧体をダイから抜き出す
工程。 
押出しともいう。 

ejection process, 
ejection 

2215 

ウイズドロアル法 

圧粉体を解放するまで,固定された下パンチを越えてダイが下
降する方法。 

備考 従来日本では“下パンチを固定し,加圧時を含めて

ダイを強制的に下降させて行う両押し成形法の総
称”とされていた。 

withdrawal process 

2216 

ウイズドロアルポジ
ション 

ウイズドロアル法の終了した時のツールセットの位置。 

withdrawal position 

2217 

ホールドダウン圧力 ウイズドロアル又は抜出しの間,上下パンチ間に圧粉体を保持

する圧力。 

counter-pressure,  
top-punch 

hold-down 
pressure 

3) ツール及びアダプタ 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2301 

ツールセット 

成形又は再圧縮の工程で,所定の粉末製品を製造するために使
用される加工工具の総称。 

備考 ダイセットは,ダイ,パンチ,コアロッドを含むが,

複数の製品に共通して使用されるプレスの附属品は
含まない。 

tool set 

2302 

アダプタ 

ツールセットの一部で,金型をツールホルダの適切な位置に保
持するための工具の総称。金型の押さえ,受け板などがある。 

adaptor 

2303 

金型 

ツールセットの一部で,ダイ,パンチ及びコアロッドの一式。 die assembly, 

die ass'y, 
tooling 

2304 

ダイ 

金型の構成要素の一つで,その中で粉末を圧縮又は焼結体を再
圧縮するもの。 

die 

2305 

コアロッド 

金型の構成要素の一つで,圧粉体又は焼結体の成形方向の内側
形状を形造るもの。 

core rod 

2306 

モールド 

金型以外のフオーミング用の型の総称。ルース粉焼結,MIM,
アイソスタティック成形などに用いる。 

mould,  
mold 

background image

Z 2500 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2307 

フィーダ 

プレスサイクルと連動して,自動的に粉末をダイキャビティに
供給する容器。 

feeder,  
feed shoe 

2308 

下部ラム 

下方にあるラム。下パンチ又はツールホルダを往復運動させ,
加圧又は抜き出しするもの。 

lower ram 

2309 

上部ラム 

上方にあるラム。上パンチを往復運動させ,加圧するもの。 upper ram 

2310 

パンチ 

金型の構成要素の一つで,粉末又は焼結体に直接圧力を加える
ための工具。 

punch  

2311 

分割パンチ 

2段以上の成形をするときに,異なる充てん深さと成形高さを
与えるために用いられるパンチセット。 

segmented punch 

2312 

エジェクタ 

圧粉体をダイから抜き出すために使用するプレスの構成部品。 ejector 

2313 

複式ツールアダプタ 分割した下パンチを調整できるプレートを保持するためのツ

ールアダプタ。 

multiple-tool 

adaptor 

2314 

バックリリーフ 

抜出し方向にダイが寸法上変形する動き。 

back relief 

2315 

多数個取り金型 

1回の圧縮操作で2個以上の圧粉体を造るツールセット。 

multiple-die set 

2316 

フローティングダイ 両押成形のために,圧縮方向に自由に動くことができるダイ。 

備考 一般に,ダイはばね,空気圧などで保持されている。 

floating die 

2317 

スプリットダイ 

圧粉体を取り出すために二つ以上に分割してあるダイ。 

split die 

2318 

サンドイッチダイ 

圧縮方向に対して垂直な平円板からなるスプリットダイ。  sandwich die 

2319 

セグメントダイ 

数個に区分したものをボルスタ又は焼きばめリングによって
組み合わせて造ったダイ。 

segmented die 

4) 圧粉体の特性 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2401 

圧粉密度 

圧粉体の単位体積当たりの質量。 

green density 

2402 

圧粉体強さ 

圧粉体の機械的強さ。 

備考 圧環強さ又は抵抗強さで評価される。 

green strength 

2403 

エッジ強さ 

圧粉体のエッジにおける破壊に対する強さ。 

備考 日本ではラトラ値で評価される。 

edge strength 

2404 

ニュートラルゾーン 相対するパンチから伝達される圧力が圧粉体の内部で平衡す

る区域で,密度分布上最も低い値となる層。 

neutral zone 

2405 

圧縮割れ 

成形工程中に圧粉体に発生した割れ。 

pressing crack 

2406 

ラミネーション 

圧粉体又は焼結体内に生じた層状の欠陥。 

lamination 

2407 

スプリングパック 

ダイから抜き出した後の圧粉体の寸法の増加。 

spring back 

c) 焼結 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3001 

焼結 

粉末又は圧粉体の粒子をや(冶)金学的に結合させ強度を増す
ために,主成分の融点より低い温度で粉末又は圧粉体を加熱処
理する工程。 

sinterring 

3002 

パッキング材 

予備焼結又は焼結の際,圧粉体の周囲に詰め込む材料。 

packing material 

3003 

ゲツタ 

焼結雰囲気中の,製品に有害な元素や化合物を吸収又は化学的
に変化させる材料。 

getter  

3004 

ボート 

焼結の際,圧粉体などを入れる箱形の容器。 

boat 

3005 

トレイ 

焼結の際,圧粉体などを載せる皿形の容器。 

tray 

3006 

造孔材 

混合粉に含まれる添加剤で,焼結時に揮発し,最終部品に所定
の気孔を生じさせるもの。 

pore-forming 

material 

background image

Z 2500 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

1) 焼結工程 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3101 

予備焼結 

最終の焼結をする前に,圧粉体の取扱い及び加工を容易にする
ために低い温度で行う予備的焼結。 

presintering 

3102 

再焼結 

焼結体の性質を改善する目的又は所定の寸法を得るために焼
結体を再度焼結する工程。ただし,予備焼結体の焼結は再焼結
とはいわない。 

resintering 

3103 

連続焼結 

脱ろう・予熱部,加熱部及び冷却部をもつ焼結炉を用いて,材
料を連続的に焼結する方法。 

continuous sintering 

3104 

バッチ焼結 

バッチ固定で,所定の予熱,加熱及び冷却サイクルの温度制御
されている炉を用いて,1回分の材料を焼結する方法。 

batch sintering 

3105 

活性化焼結 

粉末又は焼結雰囲気に焼結を促進させる成分を添加して行う
焼結。 

activated sintering 

3106 

加圧焼結 

粉末又は圧粉体を加圧しながら行う焼結。 

pressure sintering 

3107 

ガス圧焼結 

粉末や(冶)金部品の残留気孔を減少させるために,ホットア
イソスタティック法でガスを用いて加圧焼結する方法。 

gas pressure  

sintering 

3108 

ルース粉焼結 

成形されていない粉末の焼結。 

loose-powder 

sintering, 

gravity sintering 

3109 

反応焼結 

二種類以上の成分粉末を焼結過程中に反応させる焼結。焼結雰
囲気と粉末を反応させる焼結を含む。 

reaction sintering 

3110 

液相焼結 

二種類以上の成分を含む混合粉又は圧粉体の焼結過程中に液
相を発生させる焼結。 

liquid-phase 

sintering 

3111 

固相焼結 

液相を発生させずに行う粉末又は圧粉体の焼結。 

solid-phase 

sintering 

3112 

直接焼結 

誘導加熱,通電加熱などによって,焼結に必要な熱を直接被焼
結体に発生させて行う焼結。 

direct sintering 

3113 

オーバシンタリング 特性が低下するような極端な高温,長時間の焼結。 

oversintering 

3114 

アンダシンタリング 特性が得られないような極端な低温,短時間の焼結。 

undersintering 

3115 

溶浸 

焼結体又は圧粉体の気孔を融点の低い金属又は合金で満たす
方法。 

備考 溶浸は,焼結と組み合わせたり又は別の工程として

も実施できる。 

infiltration 

3116 

バインダ除去 

金属射出成形部品から熱的又は化学的手段でバインダを除去
する方法。 

binder removal 

3117 

脱ろう 

圧粉体に含まれる結合剤又はワックスその他の潤滑剤を溶剤
で溶出するか若しくは加熱によって除去する方法。 

dewaxing 

3118 

バーンオフ 

加熱によって行う脱ろう。 

burn-off 

3119 

急速バーンオフ 

焼結炉において,独立したゾーンで急速に有機添加物を脱ろう
する方法。通常は,酸化性雰囲気で行われる。 

rapid burn-off 

3120 

炭化 

超硬合金において,炭素と金属又は炭素と金属酸化物との反応
によって炭化物を生成させる方法。 

carburizing 

2) 焼結条件及び焼結炉 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3201 

焼結温度 

焼結が行われる温度。 

sintering 

temperature 

3202 

焼結時間 

粉末又は圧粉体が焼結温度に保持されている時間。 

sintering time 

3203 

焼結雰囲気 

焼結の際に用いる炉内の雰囲気。 

sintering 

atmosphere 

3204 

焼結炉 

粉末や(冶)金部品を焼結するための炉の総称。 

sintering furnace 

background image

10 

Z 2500 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3205 

真空炉 

焼結雰囲気として部分真空又は高真空で操作できる炉。 

vacum furnace 

3206 

連続炉 

炉内で圧粉体を連続的に搬送できる炉。 

continuous furnace 

3207 

バッチ炉 

連続搬送部分がなく,独立したバッチで焼結するように設計さ
れた炉。 

batch furnace 

3208 

メッシュベルト炉 

メッシュベルトによって連続搬送できる,通常マッフルで保護
された炉。 

mesh belt furnace 

3209 

ウォーキングビーム
炉 

ウォーキングビームによって,焼結トレイを送りながら連続焼
結できる炉。 

walking-beam 

furnace 

3210 

プッシャ炉 

プッシャによって,焼結トレイを送りながら連続焼結できる炉。 

pusher furnace 

3) 焼結現象 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3301 

ネック形成 

焼結中に粒子間の結合が進みネック状のくびれた結合部を形
成する現象。 

neck formation 

3302 

膨れ 

ガスの発生によって焼結体の表面に水泡状の盛り上がりが生
じた状態。 

blistering 

3303 

焼結肌あれ 

膨れの破裂や化学反応によって焼結体の表面にざらつきが生
じた状態。 

popcorning 

3304 

スウェッティング 

焼結又は熱処理中に液相成分が焼結体の表面にしみ出る状態。 
しみ出しともいう。 

sweating 

3305 

焼結ひずみ 

焼結によって生じる焼結体のゆがみ。 

warpage 

3306 

焼結割れ 

焼結によって生じた焼結体の割れ。  

sintering crack 

3307 

膨張 

焼結によって生じる圧粉体の寸法の増加。 
焼結膨らみともいう。 

growth 

3308 

収縮 

焼結によって生じる圧粉体の寸法の減少。 
焼結縮みともいう。 

shrinkage 

3309 

焼結肌 

焼結によって生じる内部と異なる特性をもつ焼結体の表面層。 sintered skin 

4) 焼結部品の特性 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3401 

焼結体 

粉末又は圧粉体を焼結したもの。 

sintered object,  

sintered body 

3402 

結合相 

多元系焼結材料において,他の相を結合している相。 

binder phase 

3403 

結合金属 

多元系焼結材料において,他の相よりも融点が低い結合金属
相。 

binder metal 

3404 

マトリックス金属相 焼結材料において,気孔又は他の成分粒子をその中に包含して

基盤となる連続金属相。 
マトリックスともいう。 

metallic matrix 

phase 

3405 

密度 

質量を体積で除した値。通常,その体積には材料内部の空げき
の体積を含める。 
(JIS Z 2501参照) 

density  

3406 

焼結密度 

焼結体の単位体積当たりの質量。 

sintered density 

3407 

相対密度 

多孔質体の密度とそれと同一組成の材料の気孔のない状態に
おける密度との比。通常百分率で表す。 
密度比ともいう。 

relative density 

3408 

固相密度 

多孔質材料の気孔を除いた部分の密度。 
理論密度ともいう。 

solid density 

3409 

密度分布 

圧粉体又は焼結体の内部における部分的な密度の違いを数値
で示したもの。 

density distribution 

3410 

圧環強さ 

圧環荷重から一定の方法で求められる円筒状焼結体又は圧粉
体の強さ。 

radial crushing 

strength 

background image

11 

Z 2500 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

(JIS Z 2507参照) 

3411 

圧環荷重 

円筒形の焼結体又は圧粉体を軸に平行な二面で圧縮して割れ
が生じ始めたときの荷重。 

radial crushing load 

3412 

気孔 

粒子の内部若しくは材料の内部に本来存在する空げき又は後
で生じた空げき。 

pore 

3413 

開放気孔 

表面に通じている気孔。 

open pore 

3414 

表面多孔性 

焼結体の表面に露出している気孔の多さ。 

surface porosity 

3415 

閉鎖気孔 

表面に通じていない気孔。 

closed pore 

3416 

通気孔 

流体が透過することができる多孔質体の気孔。 

permeable pore 

3417 

通気性 

焼結体中の通気孔を通じて流体が流れるときの流体の流れや
すさ。 

permeability 

3418 

連結孔 

互いに連結している気孔。 

communicating pore, 
interconnected 

porosity 

3419 

気孔率 

多孔質体の総体積に対するすべての気孔の体積の割合。通常百
分率で表す。 
多孔率ともいう。 

porosity 

3420 

開放気孔率 

多孔質体の総体積に対する開放気孔の体積の割合。通常百分率
で表す。 
(JIS Z 2501参照) 

open porosity 

3421 

閉鎖気孔率 

多孔質体の総体積に対する閉鎖気孔の体積の割合。通常百分率
で表す。 

closed porosity 

3422 

拡散気孔 

拡散現象が作用して構成された気孔。 
(カーケンドル効果:Kirkendall effect) 

diffusion porosity 

3423 

流出孔 

焼結中に低融点成分の粒子が溶融し周囲に流出することによ
って生じる気孔。 

melt-off pore  

3424 

気孔組織 

気孔形状,寸法及び気孔分布によって特徴が示される材料内の
気孔構造。 

porosity structure 

3425 

気孔寸法 

幾何学的分析又は物理試験によって決定された気孔の寸法。 pore size 

3426 

気孔寸法分布 

材料内部にある気孔の大きさを区分された寸法ごとの個数又
は体積の百分率で表したもの。 

pore size 

distribution 

3427 

A−気孔 

超硬合金で10μmより小さい気孔。 

A-pores 

3428 

B−気孔 

超硬合金で10μmから25μmの気孔。 

B-pores 

3429 

C−遊離炭素 

超硬合金において,材料の金属組織観察のための前処理中に黒
鉛が脱落して気孔が固まった形になったもの。 

C-uncombined 

carbon 

3430 

気泡点圧力 

初期気泡が液相飽和域を通り過ぎるために必要な最小圧力。 

備考 主に最大気孔に作用するものである。 

bubble-point 

pressure 

3431 

含油率 

含油した焼結体中に含まれる油量を容積百分率で表したもの。 
(JIS Z 2501参照) 

oil content  

3432 

通気度 

規定の条件下で測定した,単位時間当たりに多孔質体を通過す
る液体又はガスの量。 

fluid permeability 

3433 

見掛硬さ 

気孔の影響を含んだ焼結材料の硬さ。 

apparent hardness 

3434 

固相硬さ 

気孔の影響を受けないような条件下で測定した焼結材料の固
相部分の硬さ。 
マトリックス硬さともいう。 

solid hardness 

3435 

寸法変化 

焼結によって生じる圧粉体寸法の増減。 

dimensional change 

3436 

酸化物ネットワーク 旧粉末粒界に沿った連続又は不連続な酸化物。 

oxide network 

3437 

表面指状酸化物 

部品の表面から内部に向かって旧粉末粒界に沿っている酸化
物。回転タンブリングのような物理的方法でしか除去できな
い。 

surface finger 

oxide 

background image

12 

Z 2500 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

d) 焼結後の処理(後処理) 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

4001 

再圧縮 

主として物理的性質を改善する目的で焼結体を再び圧縮する
工程。 
広義には,サイジング及びコイニングを含む。 

re-pressing 

4002 

サイジング 

所定の寸法を得るために行う再圧縮。 

sizing 

4003 

コイニング 

所定の表面形状を得るために行う再圧縮。 

coining 

4004 

再圧体 

焼結体を再圧縮したも。 

repressed compact  

4005 

粉末鍛造 

鍛造によってプリフォームに形状の変化を伴う高密度化加工
を行う方法。 

power forging 

4006 

焼結鍛造 

焼結体をプリフォームとして用いる粉末鍛造。 

sinter forging 

4007 

熱間再圧縮 

熱間で所定の寸法を得るために行う再圧縮。主に加圧方向の寸
法が変わる。 

hot re-pressing 

4008 

含浸 

焼結体の気孔の中に油,ワックス,樹脂などを満たす方法。 impregnation 

4009 

含油 

焼結体の気孔の中に油を含浸する方法。 

oil impregnation 

4010 

水蒸気処理 

鉄系焼結材料を過熱水蒸気中で加熱し,開放気孔を含む全表面
に四三酸化鉄の被膜を形成させる方法。 

steam treatment 

4011 

溶浸体 

溶浸された焼結体。 

infiltrated body 

4012 

溶浸材 

スケルトンの気孔に溶浸される金属又は合金。 

infiltrant 

e) 粉末や(冶)金材料 

1) 材料関連用語 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5101 

焼結材料 

製造する過程で粉末又は圧粉体の焼結を行った材料。 

sintered material 

5102 

粉末や(冶)金材料 金属粉(非金属粉を配合する場合を含む。)を用いた焼結材料。 

焼結金属材料又は焼結合金材料ともいう。 

powder metallurgical  

material, 

PM (P/M) material 

5103 

焼結鉄 

合金元素を加えない鉄の粉末や(冶)金材料。 

sintered iron 

5104 

焼結鉄合金 

鉄に炭素以外の合金元素を加えた粉末や金材料。 

sintered iron alloy 

5105 

焼結鋼 

鉄に炭素又は炭素とそれ以外の合金元素を加えた粉末や金材
料。 
前者を焼結炭素鋼,後者を焼結合金鋼という。 

sintered steel 

5106 

超硬合金 

高融点金属の炭化物を主成分とする耐摩耗性の優れた高い硬
さの粉末や金材料。 

hardmetal, 
cemented carbide 

5107 

重合金 

密度が16.5g/cm3以上の粉末や金材料。例えば,ニッケル,銅
を含むタングステン合金。 

heavy metal  

5108 

分散強化合金 

金属マトリックス相に微細な他の金属相又は非金属相が分散
している熱間強度の優れた粉末や金材料。 

dispersion- 

strengthened 
material 

5109 

サーメット 

セラミック質の非金属を金属相で結合した耐摩耗性,耐酸化性
の優れた粉末や金材料。 

cermet  

5110 

焼結金属マトリック
ス複合材料 

金属のマトリックスとマトリックスに溶解しない分散第2相
及び他の分散相からなる焼結材料。 

sintered 

metal-matrix 
composite,  

MMC 

5111 

焼結高融点金属 

粉末や金法で造ったタングステン,モリブデン,タンタル,レ
ニウムなどの高融点金属及びその合金の総称。 

sintered refractory 

metal 

5112 

焼結多層材料 

成分を異にする二つ以上の層からなる粉末や金材料。 

sintered multi-layer 

material 

5113 

焼結複合材料 

焼結によって相互にほとんど化学的変化を生じない成分粉末
を用いた粉末や金材料。 

sintered composite  

material 

background image

13 

Z 2500 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2) 応用製品関連用語 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5201 

焼結部品 

圧粉体が寸法精度を維持した状態で焼結された部品。 

sintered part 

5202 

焼結製品 

焼結材料からなる製品。 

sintered product 

5203 

粉末や(冶)金製品 粉末や(冶)金材料からなる製品。焼結金属製品又は焼結合金

製品ともいう。  

powder metallurgical  

product, 

PM (P/M) product 

5204 

焼結機械部品 

機械の構成部品として用いる粉末や金製品。 

sintered structural  

part, 

sintered machine 

part 

5205 

焼結含油軸受 

軸受として用いる開放気孔に潤滑油を満たした粉末や金製品。 oil-impregnated  

sintered bearing 

oil-retaining 

bearing 

5206 

焼結フィルタ 

ろ過材として用いる多孔質な粉末や金製品。 

sintered filter, 
sintered metal 

filter 

5207 

焼結磁性部品 

磁気的特性を満たした焼結部品。 

sintered magnetic 

part 

5208 

焼結磁石 

永久磁石として用いる硬質磁性の粉末や金製品。 

sintered (hard) 

magnet 

5209 

焼結軟磁性部品 

磁心などに用いる軟質磁性の粉末や金製品。 

sintered soft 

magnetic part 

5210 

圧粉磁心 

軟質磁性の金属又は合金の粉末表面に電気絶縁皮膜を施し,こ
れを成形して造った磁心。 

powder magnetic 

core 

5211 

焼結摩擦材 

摩擦材として用いる摩擦係数の高い粉末や金製品。 

sintered friction  

material 

5212 

焼結電気接点 

電気接点として用いる耐アーク消耗性及び耐溶着性の優れた
粉末や金製品。 

sintered electric  

contact 

5213 

焼結すり板 

パンタグラフ集電子用すり板として用いる導電性及び摩耗特
性の優れた粉末や金製品。 

sintered contact 

strip 

5214 

焼結集電ブラシ 

電気機器用ブラシとして用いる銅及び炭素を主成分とする粉
末や金製品。 

sintered electric 

brush 

5215 

超硬工具 

超硬合金を用いた工具の総称。 

hardmetal tool,  
cemented carbide 

tool 

5216 

サーメット工具 

サーメットを用いた工具の総称。 

cermet tool 

5217 

焼結高速度鋼工具 

高速度工具鋼に相当する組成の合金粉を原料とする緻密な焼
結鋼を用いた工具の総称。 
粉末ハイス工具ともいう。 

sintered high speed  

steel tool 

5218 

金属複合ダイヤモン
ド工具 

マトリックス金属中にダイヤモンド粉末粒子を分散させた工
具。 

metal bonded  

diamond tool 

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14 

Z 2500 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

付図1 結晶粒,粒子及び凝集粉の概念図 

付図2 針状 

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15 

Z 2500 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

付図3 角状 

付図4 樹枝状 

付図5 繊維状 

付図6 片状 

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16 

Z 2500 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

付図7 粒状 

付図8 不規則形状 

付図9 涙滴状 

付図10 球状 

17 

Z 2500 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS Z 2500[粉末や(冶)金用語]改正原案作成委員会 構成表 

(1) 全体,フォーミング,焼結,焼結後の処理(後処理),粉末や(冶)金材料担当 

氏名 

所属 

(委員長) 

渡 辺 忠 彦 

東京焼結金属株式会社 

(委員) 

渡 辺 龍 三 

東北大学工学部 

古 賀 公 男 

神岡部品工業株式会社 

明 智 清 明 

住友電気工業株式会社 

山 田   洋 

株式会社椿本チエイン 

森 岡   勉 

株式会社東芝 

真 鍋   明 

トヨタ自動車株式会社 

高 田   修 

トライス株式会社 

梅 垣 俊 造 

日産自動車株式会社 

江 上 保 吉 

日本ピストンリング株式会社 

伊 東 正 男 

日本粉末合金株式会社 

早 坂 忠 郎 

日立粉末冶金株式会社 

黄   鶴 年 

フクイシンター株式会社 

酒 井 武 明 

富士通シンター株式会社 

竹 崎 陽 二 

ポーライト株式会社 

清 水 輝 夫 

三菱マテリアル株式会社 

松 村 信 和 

矢崎部品株式会社 

(事務局)  

溝 口 寛 司 

日本粉末冶金工業会 

板 橋 弘 明 

日本粉末冶金工業会 

(2) 粉末担当 

氏名 

所属 

(委員長) 

岩 津   修 

福田金属箔粉工業株式会社 

(委員) 

浅 見 淳 一 

東京都城南地域中小企業振興センター 

前 田 義 昭 

川崎製鉄株式会社 

花 岡 宏 卓 

株式会社神戸製鋼 

浅 野 光 章 

大同特殊鋼株式会社 

加 藤 欽 之 

太平洋金属株式会社 

竹 内 邦 明 

東邦亜鉛株式会社 

袖 岡 英 治 

東洋アルミニウム株式会社 

重 歳 雅 司 

同和鉄粉工業株式会社 

成 澤   靖 

日鉱グールド・フォイル株式会社 

高 橋 英 行 

ヘガネスジャパン株式会社 

島 村 宏 之 

三井金属鉱業株式会社 

徳 山 幸 夫 

三菱製鋼株式会社 

米 田 喜重郎 

ミナルコ株式会社 

伊 藤 嘉 朗 

住友電気工業株式会社 

早 坂 忠 郎 

日立粉末冶金株式会社 

(事務局) 

溝 口 寛 司 

日本粉末冶金工業会 

板 橋 弘 明 

日本粉末冶金工業会