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目 次 

ページ 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 種類······························································································································· 1 

5 品質······························································································································· 2 

5.1 外観 ···························································································································· 2 

5.2 性能 ···························································································································· 2 

6 形状及び構造 ··················································································································· 2 

7 材料······························································································································· 2 

8 試験方法························································································································· 2 

8.1 持運び安定性試験 ·········································································································· 2 

9 検査······························································································································· 3 

10 表示 ····························································································································· 4 

附属書A(参考)持運び安定性試験装置の例 ············································································· 5 

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(2) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本

工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

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日本工業規格          JIS 

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ポリエチレンフィルム製キャリー袋 

Carry bags made of polyethylene film 

適用範囲 

この規格は,主にコーヒーなどの飲み物を入れたカップをテイクアウト(持帰り)する際に使用する,

単一1) の材料で作られたポリエチレンフィルム製キャリー袋(以下,キャリー袋という。)について規定

する。 

注1) 単一とは,紙など他の材料を用いず,ポリエチレンフィルムだけを用いたものをいう。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS Z 0108 包装−用語 

JIS Z 1702 包装用ポリエチレンフィルム 

JIS Z 1711 ポリエチレンフィルム製袋 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 0108によるほか,次による。 

3.1 

カップ 

コーヒーなどの飲み物を入れる紙又はプラスチック製の容器。 

注記 サイズには数種類があり,呼び方は販売会社によって異なる。一般的には,小さいものをSサ

イズ,大きいものをLサイズなどと表示している。 

3.2 

持運び安定性 

物を持ち運ぶときに,物が倒れたり,その中身がこぼれたりなどが発生しない又は発生しにくい性能。 

種類 

キャリー袋の種類は,収納できるカップの数によって表1の区分とする。 

表1−キャリー袋の種類 

種類 

内容 

1種 

1個のカップを収納できる袋。 

2種 

2個のカップを収納できる袋。 

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品質 

5.1 

外観 

キャリー袋の外観は,目視などによって,JIS Z 1711の7.1(外観)に適合しなければならない。 

5.2 

性能 

キャリー袋の使用者,使用環境及びカップの多様性を考慮した持運び安定性は,8.1によって試験をした

とき,キャリー袋の中のカップ及び/又はキャリー袋全体が大きく振動し収束しない状態になってはなら

ない。さらに,カップの内容物がキャリー袋からこぼれ出てはならない。 

形状及び構造 

キャリー袋の形状及び構造は,次による。 

a) カップの内容物がこぼれても,キャリー袋の外に出ないよう,カップ全体を包むものとする。 

b) 表2に規定する種類のカップを1個,又は2個を同時に入れることができる。 

材料 

キャリー袋に使用するポリエチレンフィルムは,JIS Z 1702の表2の品質に適合しなければならない。

また,他の材料,部品などを組み込んではならない。 

試験方法 

8.1 

持運び安定性試験 

8.1.1 

試験用カップ及び蓋 

a) 試験用カップは,種類によって区分し,表2による。 

表2−試験用カップ 

種類 

サイズ及び満杯容量 

タイプ 

口径約80 mm及び高さ約95 mm。満杯容量約270 ml 

タイプ9 

口径約90 mm及び高さ約140 mm。満杯容量約530 ml 

タイプ18 

注記 タイプとは,満杯容量を,ヤード・ボンド単位系のオンス(oz)に換算した

ときの数値を示している。 

b) 試験用カップの材質は,紙又はプラスチックとする。 

c) 蓋は,容易に漏れないものを用いる。 

注記 蓋は,カップの製造業者が指定するものがよい。 

8.1.2 

鉛直・水平加振試験 

次の手順で試験を行う。また,試験方法の例を図1に,試験装置の例を附属書Aに示す。 

a) カップの満杯容量の約70 %になるように常温の水を注入する。 

b) カップの種類に応じて適切な蓋を適切な方法で装着する。 

c) カップをキャリー袋に入れる。 

− 1種(1個入り用)のキャリー袋の試験では,表2の種類Aを入れた試験及び種類Bを入れた試験

をする。 

− 2種(2個入り用)のキャリー袋の試験では,種類A及び種類Bを入れた試験,並びに種類Bを2

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個入れた試験をする。 

d) キャリー袋の持ち手を試験機に取り付ける。 

e) 次の試験条件で加振する。 

− 振幅は,鉛直方向40 mm及び水平方向25 mmとし,同時に加振する。 

− 周波数は,鉛直方向2 Hz及び水平方向1 Hzとする。 

− 時間は,5分間とする。 

f) 

目視で,5.2の性能を満たしていることを確認する。 

g) カップ及びキャリー袋を取り換えて,a)〜f) を各5回繰り返す。各5回のうち1回でも5.2の性能に

適合しない場合は不合格とする。 

      

図1−鉛直・水平加振試験方法の例 

検査 

キャリー袋の検査は,形式検査2) と受渡検査3) とに区分し,検査項目は,それぞれ次の項目を箇条8及

び目視によって試験したとき,箇条5〜箇条7及び箇条10に適合したものを合格とする。 

なお,形式検査及び受渡検査の抜取検査方法は,受渡当事者間の協議による。 

a) 形式検査項目 

− 外観 

− 性能 

− 形状及び構造 

− 材料 

− 表示 

b) 受渡検査項目 

− 外観 

− 表示 

注2) 製品の品質が,設計で示した全ての仕様を満足するかどうかを判定するための検査。 

3) 既に形式検査に合格したものと同じ設計・製造による製品の受渡しをする場合,必要と認める

仕様が満足するものであるかどうかを判定するための検査。 

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10 

表示 

全ての要求事項に適合したキャリー袋には,受渡当事者間の協議によって必要となった場合,こん(梱)

包ごとに見やすい箇所に,次の事項を表示する。 

a) キャリー袋の名称及びこの規格の番号 

b) 種類及び数量 

c) 製造年又はその略号 

d) 製造業者名又はその略号 

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附属書A 

(参考) 

持運び安定性試験装置の例 

A.1 試験装置 

試験装置の例を図A.1に示す。この試験装置は,鉛直・水平加振を試験するもので,鉛直方向に振動さ

せる鉛直振動モータ及びその伝達部,鉛直振動部分を水平方向に振動させる水平振動モータ及びその伝達

部,並びに全体の枠組みで構成している。 

a) 鉛直振動モータ 鉛直方向に,周波数2 Hzで振動させるもの。 

b) 鉛直振幅アーム 鉛直方向の振幅を40 mmに設定するもの。アームが最も下がっている位置から開始

することが望ましい。 

c) 水平振動モータ 鉛直振動部分を水平方向に,周波数1 Hzで振動させるもの。 

d) 水平振幅アーム 水平方向の振幅を25 mmに設定するもの。アームが最も下がっている位置から開始

することが望ましい。 

e) キャリー袋の取付部 キャリー袋を取り付ける部分。 

      

図A.1−持運び安定性試験装置の例