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Z 1600:2017  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 2 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 形状,寸法,容量及び質量 ································································································· 3 

5 材料······························································································································· 6 

5.1 鋼板 ···························································································································· 6 

5.2 クロージングリング(バンド) ························································································ 6 

5.3 口金 ···························································································································· 6 

6 品質······························································································································· 6 

6.1 外観 ···························································································································· 6 

6.2 性能 ···························································································································· 6 

7 構造······························································································································· 7 

8 仕上げ···························································································································· 7 

9 表示······························································································································· 7 

10 名称 ····························································································································· 7 

附属書A(規定)ドラムの容量測定法 ······················································································ 9 

附属書JA(規定)試験方法 ··································································································· 11 

附属書JB(規定)表示 ········································································································· 13 

附属書JC(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 14 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,ドラム缶工業会

(JSDA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき

との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これ

によって,JIS Z 1600:2006は改正され,この規格に置き換えられた。 

なお,平成30年1月19日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ

ーク表示認証において,JIS Z 1600:2006によることができる。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

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日本工業規格          JIS 

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鋼製オープンヘッドドラム 

Open head steel drums 

序文 

この規格は,2002年に第1版として発行されたISO 15750-1を基に,技術的内容を変更することなく作

成した日本工業規格であるが,対応国際規格には規定されていない規定項目を日本工業規格として追加し

ている。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所,附属書JA及び附属書JBは,対応国際規格に

はない事項である。変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JCに示す。 

世界中で様々な寸法及び特性をもつ多種多様な鋼製オープンヘッドドラムが使用されている。充塡口の

位置及び外側寸法の違いから,充塡,取扱い及び輸送での相違が生まれる。 

この規格は,国際取引で使用される主な4タイプのドラムについて仕様を提示しており,Aタイプのド

ラム(表1参照)が優先ドラム(Preferred target option drum)となっている。また,日本国内で固体及び液

体の輸送及び貯蔵容器として主に用いられているものは,Dタイプである。更生缶の再利用を考慮し,鋼

板の厚さは1.0〜1.6 mmが広く用いられている。 

ドラムを危険物の輸送に用いる場合には,証明書に従って取り付けられるキャップシール又はオーバー

シールを含めて,関係諸国でそれらの商品の輸送に適用される規制の条件に注意しなければならない。つ

まり,輸送の形態に応じて,次の国内法などの要求事項を満たさなければならない。 

− 船舶安全法(昭和8年法律第11号) 

− 消防法(昭和23年法律第186号) 

− 毒物及び劇物取締法(昭和25年法律第303号) 

− 航空法(昭和27年法律第231号) 

− UN(国際連合):危険物輸送に関する勧告 

− ICAO(国際民間航空機関):危険物の安全輸送に関する技術指針 

− IMO(国際海事機関):国際海上危険物規程(IMDGコード) 

これは,各規制に従うドラムの証明及び表示を必然的に伴う。 

適用範囲 

この規格は,鋼板から製造され,全容量が208 L,210 L及び216.5 Lの鋼製オープンヘッドドラム(以

下,ドラムという。)について規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 15750-1:2002,Packaging−Steel drums−Part 1: Removable head (open head) drums with a 

minimum total capacity of 208 l, 210 l and 216,5 l(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

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ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材 

JIS G 3131 熱間圧延軟鋼板及び鋼帯 

注記 対応国際規格:ISO 3573,Hot-rolled carbon steel sheet of commercial and drawing qualities(MOD) 

JIS G 3141 冷間圧延鋼板及び鋼帯 

注記 対応国際規格:ISO 3574,Cold-reduced carbon steel sheet of commercial and drawing qualities

(MOD) 

JIS G 3302 溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯 

JIS G 3313 電気亜鉛めっき鋼板及び鋼帯 

JIS G 3505 軟鋼線材 

JIS G 4305 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯 

JIS Z 1604 鋼製ドラム用口金 

注記 対応国際規格:ISO 15750-3,Packaging−Steel drums−Part 3: Inserted flange-type closure systems

(MOD) 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

鋼製オープンヘッドドラム[removable head (open head) steel drums] 

鋼製の円筒形包装容器の地板は胴体に永久的に固定されているが,天板は蓋として取外しが可能,また,

クロージングリング(バンド)を使って閉鎖できるもの。 

注記 天ぶたには,口金を取り付けてもよい。 

3.2 

ダブルシーム 

5重巻きの巻締め。 

3.3 

ラウンドシーム(round seam) 

6重巻き以上の巻締め。 

3.4 

呼び容量(nominal capacity) 

ドラムの容量を総称して表すのに用いられる容量。単位は,リットル(L)。 

3.5 

あふれ容量(brimful capacity) 

ドラムを閉めて,取り付けられた充塡口を通じてあふれる点まで充塡し,天ぶた口金にプラグを取り付

けたときにドラムに入る水の容量。単位は,リットル(L)。 

注記 附属書Aで測定法を規定している。 

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3.6 

全容量,TC(total capacity) 

ドラムを閉めて,完全に充塡したとき,つまり,ドラムに閉じ込められた空気を除去した後,天ぶた口

金にプラグを取り付けたときにドラムに入る水の容量。単位は,リットル(L)。 

注記 附属書Aで測定法を規定している。 

形状,寸法,容量及び質量 

ドラムの形状を,図1に示す。ドラムの寸法は,表1による。容量の試験方法は,附属書Aによる。寸

法及び質量の試験方法は,附属書JAによる。 

鋼板の厚さは0.6〜1.6 mmで,許容差はJIS G 3131,JIS G 3141又は表3の規格に規定するもの(通常

許容差)とする。また,鋼板の板厚の組合せは,表2のものを用いるのがよい。その場合は,種類ごとに

表2の最小質量を下回ってはならない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 mm 

口金(任意)。 

第3の輪帯(ビード)は任意。 

ビード位置寸法[(H5−h4)/2] 

注記 図1は,ドラムタイプB及びDの詳細を示している。天ぶたの形状として,凸,平たん又は凹の三つの可能性

があることを示している。Aは,天ぶたにガスケットを装着して,クロージングリング(バンド)で胴体に締
め付けた状態を示す。B及びCは,巻締め形状を示す。Bはラウンドシームの,Cはダブルシームの一例を示
す。Dは,チャイムに覆輪を取り付けた状態を示す。G2及びG3/4は,JIS Z 1604に規定する口金を示す。 

図1−ドラムの形状 

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表1−ドラムの寸法 

単位 mm 

寸法 

(図1
参照) 

説明 

ドラムタイプ 

ドラムタイプ 

ドラムタイプ

ドラムタイプ

全容量 

210 L 

(最小) 

216.5 L 

(最小) 

210 L 

(最小) 

216.5 L 

(最小) 

208 L 

(最小) 

208 L 

(最小) 

D1 

内径 

571.5±2 

571.5±2 

571.5±2 

571.5±2 

566±2 

566±2 

D2 

輪帯の外径 

585 

(最大) 

585 

(最大) 

596 

(最大) 

596 

(最大) 

585 

(最大) 

585 

(最大) 

D3 

底部チャイムの外径 

585 

(最大) 

585 

(最大) 

593 

(最大) 

593 

(最大) 

585 

(最大) 

585 

(最大) 

D4 

クロージングリング(バ
ンド)の外径 

585 

(最大)a) 

585 

(最大)a) 

610 

(最大) 

610 

(最大) 

585 

(最大)a) 

620 

(最大) 

H1 

ドラムの高さ 

878±5 

888±5 

878±5 

888±5 

890±5 

890±5 

H5 

天ぶたを外した状態で
の高さ 

868±5 

878±5 

868±5 

878±5 

880±5 

880±5 

h2 

天ぶたの深さ 

天ぶたの深さは,口金,キャップシール又はオーバーシールがクロージングリング
(バンド)の上に突き出ない寸法とする。 

h3 

フロアとの隙間 

4(最小) 4(最小) 4(最小) 4(最小) 

4(最小) 

4(最小) 

h4 

ビード間の距離 

280±3 

280±3 

280±3 

280±3 

300±3 

300±3 

P1 

口金の中心間距離 

444 mm±6 mm又は451 mm±1 mm 

400 mm±6 mm 

P2 

天ぶたから約50 mmの
深さで測定した,胴体外
側に対するG2(50 mm)
口金の位置 

72±3 

72±3 

72±3 

72±3 

94±3 

94±3 

全容量は,附属書Aに従って測定したとき,表1のとおりとする。 
口金は任意である。JIS Z 1604に規定するG2ねじ付きの口金の挿入は,その中心線が可能な限り垂直になるように

する。 
注記1 提示した四つのドラムタイプのうち,A及びCの外側寸法は,ISO 668に規定するISOコンテナ内に4個の

ドラムを並べて積むのに最適である。 

注記2 ドラムタイプA及びCの場合,直径D4は,天ぶた構造を改造して得られる。一般的に用いられる手法は,次

の二つである。 
a) ドラムの縮小。それによってクロージングシステム(カール,天ぶた及びクロージングリング)が,ド

ラムタイプB及びDに用いられているのと同じ寸法を維持するようにする。この場合,ドラムの縮小さ
れた天ぶた部分で必要となる内径は,Aが約545 mm,Cが約536 mmである。 

b) クロージングシステム(カール,天ぶた及びクロージングリング)の変更。内径をドラムタイプAで571.5 

mm,ドラムタイプCで566 mmに維持しながら,全外径を585 mm以内に保つようにする。 

注a) クロージングリング(バンド)の外径は通常最大585 mmでなければならないが,リングのレバー断面又はボル

ト断面で測定した場合には,やや大きくてもよい。 

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表2−ドラム使用鋼板の種類及び質量 

種類 

板厚 mm 

質量 kg 
(最小) 

天ぶた及び地板 

胴体 

H級 

1.6 

1.6 

27.0 

M級 

1.2 

1.2 

20.0 

LM級 

1.2 

1.0 

17.5 

L級 

1.0 

1.0 

16.7 

ステンレスドラムのH級の板厚は,1.5 mm,質量(最小)は25.0 

kgとする。質量は天ぶた用ガスケット,クロージングリング(バン
ド)などの附属品を除いたものとする。 

材料 

5.1 

鋼板 

胴体,天ぶた及び地板は,JIS G 3131に規定する熱間圧延軟鋼板及び鋼帯,JIS G 3141に規定する冷間

圧延鋼板及び鋼帯若しくは表3に規定する鋼板,又はこれらと同等以上の品質をもつ鋼板を用いる。また,

これよりも強度の大きな鋼板を用いてもよい。 

表3−鋼板 

規格番号 

規格名称 

JIS G 3302 

溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯 

JIS G 3313 

電気亜鉛めっき鋼板及び鋼帯 

JIS G 4305 

冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯 

5.2 

クロージングリング(バンド) 

クロージングリング(バンド)は,JIS G 3131に規定する熱間圧延軟鋼板及び鋼帯,JIS G 3141に規定

する冷間圧延鋼板及び鋼帯又は表3に規定する鋼板を用いる。ただし,板厚は1.6 mm以上とする。 

ボルトを用いる場合は,JIS G 3505に規定する線材若しくはJIS G 3101に規定する棒鋼又はこれらと同

等以上の品質のもので,その直径は9.5 mm以上とする。 

5.3 

口金 

口金フランジは金属製で,口金プラグは金属製又はプラスチック製のものを用いる。 

品質 

6.1 

外観 

外観は,附属書JAによって試験したとき,ドラムは,巻締め及び溶接が良好で,内外面は平滑で,き

ず,さび,有害な酸化被膜,ばり,その他使用上有害な欠点があってはならない。 

6.2 

性能 

6.2.1 

気密性 

気密性は,附属書JAによって試験したとき,漏れ,連続的な気泡の発生又は圧力低下があってはなら

ない。 

6.2.2 

積重ね強度 

積重ね強度は,附属書JAによって試験したとき,次の規定を満足しなければならない。 

a) 漏れがあってはならない。 

b) 輸送の安全性に悪影響を及ぼすおそれがある変質,及び容器の強度の低下又は積重ねの安全性を損な

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うおそれがある変形があってはならない。 

構造 

構造は,次による。 

a) 胴体,天ぶた及び地板は,使用目的によって適切な厚みの鋼板で構成する(表2参照)。 

b) 胴体の縦方向の継目は,溶接する。 

c) 胴体及び地板は,巻締め用充塡剤を使用し,図1に示すB又はCに示すような巻締めを行うか,又は

その他の接合法(例えば,溶接)によって永久的に固定する。また,チャイムに補強のため,Dに示

すような覆輪を取り付けてもよい。 

d) 胴体に拡張又はロール加工された二つの輪帯(ビード)の位置は,図1に示すとおりとする。図示し

たもの以外の輪帯の構造でも差し支えない。また,胴体を第3の輪帯(ビード),又はコルゲート(小

波)で補強してもよい。 

注記 好ましいドラムタイプは,輪帯が二つだけのドラムである。 

e) 天ぶたには,適切な材質のガスケットを取り付ける。 

f) 

クロージングリング(バンド)の構造は,ドラムの気密性が損なわれないようなものとする。 

g) 天ぶたに口金を追加して取り付ける場合は,次による。 

1) 各口金は天ぶたに,図1に示すとおり正反対の位置に付ける。 

2) 口金は,受渡当事者間の協定による場合を除き,JIS Z 1604の規定によるものを用いる。 

3) 口金フランジが本質的に漏れ止めでない限り,口金フランジにはフランジガスケット又はその他の

シーリングエレメントを使用する。 

4) 金属製又はプラスチック製の口金プラグには,適切な材料のプラグガスケットを取り付ける。 

5) 天ぶたに圧入後の口金フランジは,JIS Z 1604に規定するドラムに圧入後のフランジ部検査用ゲー

ジが支障なく通らなければならない。 

仕上げ 

仕上げは,次による。 

a) 内部及び外部の外観並びに仕上げの仕様は,受渡当事者間の協定による。 

b) 胴体,天ぶた及び地板並びに口金,クロージングリング(バンド)及び天ぶた用ガスケットに使用す

る材料が,輸送しようとする内容物と本質的に相性がよくない場合には,適切な内部保護塗装又は処

理を施す。これらの塗装及び処理は,通常の輸送条件下で保護特性が維持できなければならない。 

表示 

ドラムの地板には,容易に消えない方法で附属書JBに規定した表示を行う。 

10 名称 

この規格の全ての要求事項に適合したドラムの名称は,次の例による。 

鋼製オープンヘッドドラムJIS Z 1600−全容量TC−ドラムタイプ 

例1 鋼製オープンヘッドドラムJIS Z 1600−216.5TC−A 

例2 鋼製オープンヘッドドラムJIS Z 1600−210TC−B 

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例3 鋼製オープンヘッドドラムJIS Z 1600−208TC−C 

例4 鋼製オープンヘッドドラムJIS Z 1600−208TC−D 

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附属書A 

(規定) 

ドラムの容量測定法 

A.1 原理 

ドラムの容量は,包装容器内の水の質量を測定し,それを容量に換算することによって決定する。 

表A.1に従って補正率を適用することができるが,それは,使用するはかりの精度が補正率よりも高い

場合に限る。 

表A.1−温度依存の補正率 

水温 ℃ 

補正率 F 

12 

1.000 5 

14 

1.000 8 

16 

1.001 1 

18 

1.001 4 

20 

1.001 8 

22 

1.002 2 

24 

1.002 7 

26 

1.003 3 

28 

1.003 8 

30 

1.004 4 

A.2 器具 

はかりの精度は,測定しようとする質量の少なくとも0.1 %でなければならない。 

A.3 手順 

A.3.1 全容量の決定 

全容量の決定は,次による。 

a) 閉めたドラムの最も高い位置に直径5〜10 mmの通気用の孔をドリルで一つあける。孔の位置は,天

ぶたの輪郭によって異なる。 

b) 空のドラムを検量し,その質量(m1)をグラム単位で記録する。 

c) 水道水を使用し,その温度を測定する。 

d) 他の全ての口金を取り付けた状態で,通常の充塡口金を通じてドラムに水を入れ,あけた孔を通じて

空気が出ることを確かめる。ドラムに100 %給水する。充塡孔は最高の位置とする。 

e) 口金にプラグを取り付けて固定し,外側から過剰な水を取り除く。満水のドラムを検量し,その質量

(m2)をグラム単位で記録する。 

A.3.2 あふれ容量の決定 

作業の順序は,閉じ込められた空気を排出するための孔をあけないという点を除いて,全容量の場合と

全く同じである。ドラムを通常充塡するときと同じように置き,水が口金からあふれ出るまで給水する。 

A.4 結果の表示 

質量の差(m2−m1)が,[必要ならそれに補正率(F)を乗じることによって]使用する手順で決定され

10 

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たドラムの容量を表す。 

11 

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附属書JA 

(規定) 
試験方法 

JA.1 概要 

この附属書は,固体及び液体の輸送及び貯蔵容器として用いるドラムの試験方法について規定する。 

JA.2 試験方法 

JA.2.1 外観,構造及び形状 

JA.2.1.1 試験方法 

ドラムの外観,構造及び形状は,規定された項目及び図に示された構造及び形状について,通常目視に

よって試験する。 

JA.2.2 寸法及び質量 

JA.2.2.1 試験方法 

ドラムの寸法及び質量の試験における測定は,許容差に対し,適切な精度をもった測定器によって行う。

ただし,内径は,次の式によって求めることができる。 

内径 D1=(外周/π)−(呼び板厚×2) 

JA.3 試験方法 

JA.3.1 気密試験 

JA.3.1.1 試験方法 

気密試験は,次のいずれかによって漏れの有無を調べる。 

a) 天ぶたを装着しない方法 天ぶたを胴体に装着する前に,ドラムにゲージ圧20 kPaの圧縮空気を加え,

次のいずれかによって漏れの有無を調べる。ただし,保持時間は5分間。 

1) ドラムを水中に浸す方法 

2) ドラムの溶接部,巻締め部に石けん水を塗布する方法 

b) 試験用天ぶたを装着する方法 フルスケールが100 kPaの圧力ゲージ及び圧縮空気挿入ノズルを装着

した試験用天ぶたを用い,ドラムに適切な方法でゲージ圧20 kPaの圧縮空気を加える。ただし,加圧

時のドラムの膨張によって正確な試験が困難な場合には,約30 kPa程度まで圧縮空気を加え,ゲージ

の指示値が安定したことを確認した後,正確に20 kPaに降圧し5分間保持するなどの方法によること

ができる。 

c) これらと同等以上の有効な方法 

JA.3.2 積重ね試験 

JA.3.2.1 試験方法 

積重ね試験は,ドラムに水をあふれ容量の98 %以上を充塡して縦置きにし,その上に次の式によって算

出した積重ね質量以上の荷重を加え,24時間放置した後,漏れ及び変形の有無を調べる。 

G

h

h

W

×

=3

ここに, 

W: ドラムの上部に加える積重ね質量(kg) 

12 

Z 1600:2017  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

G: 比重1で計算した1缶当たりの質量(kg) 

h: ドラムの高さ(H1)の単位をメートルで表した値 

13 

Z 1600:2017  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JB 

(規定) 

表示 

JB.1 概要 

この附属書は,固体及び液体の輸送及び貯蔵容器として用いるドラムの表示事項及び表示方法について

規定する。 

JB.2 表示 

ドラムの地板には,容易に消えない方法で次の事項を表示する。文字及び数字の大きさは,その縦長さ

を18 mm以上とする。 

a) 製造業者名の略号 

b) 板厚(mm) 

c) 呼び容量(L) 

d) 製造年月の略号 

例  

a) 製造業者名の略号 ABC 

b) 板厚 胴体1.0 mmと天ぶた及び地板1.2 mmとの組合せ 

c) 呼び容量 200 L 

d) 製造年月の略号 2016年7月製造 

  

ABC 

1.0/1.2−200−16−7 

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14 

Z 1600:2017  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JC 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS Z 1600:2017 鋼製オープンヘッドドラム 

ISO 15750-1:2002,Packaging−Steel drums−Part 1: Removable head (open head) drums 
with a minimum total capacity of 208 l, 210 l and 216,5 l 

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異
の箇条ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異の理由及
び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

3 用語及び
定義 

鋼製オープンヘッドドラ
ム,ダブルシーム,ラウン
ドシーム,呼び容量,あふ
れ容量及び全容量。 

鋼製オープンヘッ 
ドドラム,ラウンドシ
ーム,公称容量,あふ
れ容量,全容量。 

追加 

ダブルシームを追加。 

国内ではダブルシームが残っているため。 
国内の実状であり,ISOへの提案は行わない。 

4 形状,寸
法,容量及
び質量 

ドラムの形状,寸法,使用
鋼板の組合せを規定。 

ドラムの形状,寸法を
規定。 

追加 

使用鋼板の組合せ(表
2)を追加。 

国内で使用されている板厚の組合せ及びそれ
ぞれの質量も追加。 
国内の実状であり,ISOへの提案は行わない。 

5 材料 

JIS G 3131,JIS G 3141,JIS 
G 3302,JIS G 3313,JIS G 
4305,JIS G 3505,JIS G 
3101 

ISO 3573 
ISO 3574 

追加 

鋼板JISの材料(表3)
を追加。 
クロージングリング(バ
ンド)を追加。 

使用材料がJIS品であるため。 
 
使用材料を規定するのが妥当。 
国内の実状であり,ISOへの提案は行わない。 

6 品質 

外観,性能(気密性,積重
ね強度)を規定。 

− 

− 

追加 

外観,性能を追加。 

容器としての最低性能及びその試験方法を規
定するのが妥当。 
国内の実状であり,ISOへの提案は行わない。 

7 構造 

胴体,天ぶた及び地板の構
造を規定。 

JISとほぼ同じ。 

追加 

図1にダブルシーム断
面図を追加。 
図1にチャイム補強の
覆輪断面図を追加。 

国内ではダブルシームが残っているため。 
国内では覆輪によるチャイム補強が残ってい
るため。 
国内の実状であり,ISOへの提案は行わない。 

追加 

天ぶたに圧入後の口金
フランジの検査を追加。 

圧入によるひずみがあるので,検査用ゲージ
を用いて検査するのが妥当。 
次回,ISO規格改正時に申し入れを行う。 

3

Z

 1

6

0

0

2

0

1

7

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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15 

Z 1600:2017  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異
の箇条ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異の理由及
び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

9 表示 

地板への表示を規定。 

− 

− 

追加 

表示を追加。 

製品の履歴を示す最低限の表示を規定するの
が妥当。 
国内の実状であり,ISOへの提案は行わない。 

10 名称 

JIS名称だけ。 

ISO名称だけ。 

追加 

JIS名称で統一。 

複数名称の使用で混乱を防止するため。 
国内の実状であり,ISOへの提案は行わない。 

附属書JA 
(規定) 

試験方法 

− 

− 

追加 

試験方法を追加。 

容器としての最低性能及びその試験方法を規
定するのが妥当。 
国内の実状であり,ISOへの提案は行わない。 

附属書JB 
(規定) 

表示 

− 

− 

追加 

表示方法を追加。 

製品の履歴を示す最低限の表示を規定するの
が妥当。 
国内の実状であり,ISOへの提案は行わない。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 15750-1:2002,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD ··············· 国際規格を修正している。 

3

Z

 1

6

0

0

2

0

1

7

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。