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Z 0130-4:2015  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 2 

2 引用規格························································································································· 3 

3 用語及び定義 ··················································································································· 3 

4 要求事項························································································································· 4 

4.1 適用 ···························································································································· 4 

4.2 評価 ···························································································································· 4 

4.3 リサイクル可能なパーセンテージの宣言············································································· 4 

4.4 この規格の要求事項への適合宣言······················································································ 4 

4.5 補助文書 ······················································································································ 4 

附属書A(規定)マテリアルリサイクルによって再生可能な包装の評価手順 ···································· 5 

附属書B(規定)リサイクル可能性を評価するための手順 ···························································· 7 

附属書C(参考)リサイクル可能な包装単位のパーセンテージを決定する記述の例 ·························· 10 

附属書D(参考)リサイクル可能な包装単位の質量パーセンテージ宣言の例 ··································· 12 

附属書JA(参考)ケミカルリサイクルのプロセス ····································································· 19 

附属書JB(参考)リサイクルの障害となる物質及び材料に関する報告 ·········································· 26 

附属書JC(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 40 

Z 0130-4:2015  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,公益社団法人日本包装技術協会(JPI)及び

一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があ

り,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS Z 0130の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS Z 0130-1 第1部:一般的要求事項 

JIS Z 0130-2 第2部:包装システムの最適化 

JIS Z 0130-3 第3部:リユース 

JIS Z 0130-4 第4部:マテリアルリサイクル 

JIS Z 0130-5 第5部:エネルギー回収 

JIS Z 0130-6 第6部:有機的リサイクル 

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日本工業規格          JIS 

Z 0130-4:2015 

包装の環境配慮−第4部:マテリアルリサイクル 

Packaging and the environment-Part 4: Material recycling 

序文 

この規格は,2013年に第1版として発行されたISO 18604を基とし,規格利用者の利便性を図るため,

技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,附属書JCに示す。 

包装は,ほとんど全ての工業,全ての産業分野及び全てのサプライチェーンにおいて大変重要な役割を

担っている。適正な包装は,製品の損失を防止するために欠くことができないものであり,結果として,

環境への負荷を減少させる。効果的な包装は,次のような事項によって,持続可能な社会の達成に貢献を

なす。 

a) 内容物保護,安全性,取扱い性及び情報表示性に関する消費者ニーズへの適合 

b) 資源の効率的使用及び環境負荷最小化 

c) 流通段階でのコスト抑制 

包装の環境評価には,その回収又は廃棄処理システムと同様に,製造及び流通システム,包装材料及び

製品の損失,並びに関係する収集システムが含まれると考えられる。JIS Z 0130-1〜JIS Z 0130-6(以下,

この規格群という。)は,次の事項を目指すための一連の手法を提供する。 

d) 環境負荷を低減する。 

e) 製品,包装及びサプライチェーンにおける革新を支援する。 

f) 

包装の使用に対する過度の規制を排除する。 

g) 通商に対する障壁及び規制を予防する。 

包装は,製品の収納,保護,情報,便利さ,ユニット化,荷扱い,配送,陳列など多くの機能を使用者

及び製造業者に提供するように設計されている。包装の主要な役割は,製品の損傷及び損失を予防するこ

とである[包装の機能のリストについては,JIS Z 0130-1の附属書A(包装が果たす機能のリスト)を参

照]。 

JIS Z 0130-1は,そのライフサイクル全体を通しての包装の環境負荷を網羅するJIS Z 0130-2〜JIS Z 

0130-6の相互の関係を規定する(図1参照)。これらの規格は,特定の包装が最適化できたかどうか,ま

た,使用後にリユース又は回収できることを確実にするために包装を修正する必要があるかどうかを明確

にするための手助けになると期待される。 

これらの規格の要求事項に適合していることの証明は,第一者(製造業者又は供給者)若しくは第二者

(使用者又は購入者)によって,又は第三者(独立機関)の支援によって行うことができる。 

包装の環境属性に関しては,あるときはリユース又は回収の技術的側面,そうでない場合はリユース若

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Z 0130-4:2015  

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しくは回収システムを利用する人口又は回収市場に提供される包装の量に関係し,これら側面からのアプ

ローチが必要である。 

この規格群の一連の規格は,包装の技術的側面に関する規定であり,JIS Q 14021の宣言又は表示に関す

る要求事項に関係するものではない。 

図1−この規格群の体系 

適用範囲 

この規格は,包装及び収集の両技術の継続的な開発への適応を通じてマテリアルリサイクルとして区分

される包装への要求事項及び要求事項への適合性を評価する手順について規定する。 

この規格を単独で適用することはできない。この規格を適用する一般的な手順は,JIS Z 0130-1に規定

されている。 

なお,リサイクルの障害となる物質及び材料に関する報告を,附属書JBに示す。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

JIS Z 0130-1 

包装の環境配慮−第1部:一般的要求事項 

YES 

判断 

JIS Z 0130-3 

包装の環境配慮− 
第3部:リユース 

NO 

包装の寿命後 

JIS Z 0130-4 

包装の環境配慮−第4部:

マテリアルリサイクル 

附属書JA 

ケミカルリサイクルの 

プロセス 

附属書JB 

リサイクルの障害となる

物質及び材料に関する 

報告 

JIS Z 0130-5 

包装の環境配慮−第5

部:エネルギー回収 

JIS Z 0130-6 

包装の環境配慮−第6

部:有機的リサイクル 

JIS Z 0130-2 

包装の環境配慮−第2部:包装システムの最適化 

附属書C 

環境に有害な物質又は混合物の評価及び最少化 

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ISO 18604:2013,Packaging and the environment−Material recycling(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS Z 0108 包装−用語 

注記 対応国際規格:ISO 21067,Packaging−Vocabulary(MOD) 

JIS Z 0130-1 包装の環境配慮−第1部:一般的要求事項 

注記 対応国際規格:ISO 18601,Packaging and the environment−General requirements for the use of 

ISO standards in the field of packaging and the environment(IDT) 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 0108及びJIS Z 0130-1によるほか,次による。 

3.1 

空の包装(empty packaging) 

製品の中味使用者によって一般的にその包装が使用される方法で製品の中味が取り除かれた状態。中味

が取り除かれた場合は,包装は空である。 

3.2 

一次(バージン)原材料[primary (virgin) raw material] 

最終用途製品の形に一度も加工されたことのない材料。 

3.3 

マテリアルリサイクル(material recycling) 

使用済み包装材料を,製造プロセスを用いて,製品,製品を構成する部品又は二次(リサイクル)原材

料にする再生処理。エネルギー回収及び製品の燃料としての使用を除く。 

注記 この規格群では,“リサイクル”はマテリアルリサイクル(ケミカルリサイクルを含む。)を指

す。 

3.4 

包装単位(packaging unit) 

物品の収納,保護,取扱い,配送,保管,輸送及び展示といった包装の機能を提供する単位。 

注記 この規格では包装単位ごとに評価を行う。 

3.5 

リサイクルプロセス(recycling process) 

収集及び/又は分別された使用済み包装を,単独又は他の材料と合わせ,再生原材料,製品その他の物

質に転換する物理的又は化学的プロセス。エネルギー回収及び製品の燃料としての使用を除く。 

3.6 

リサイクル可能(recyclable) 

利用可能なプロセス及び社会の仕組みが存在し,それによって廃棄物の流れから分離でき,収集,加工

されて,原材料又は製品の形で使用するために戻すことができるという,製品,包装及び関連部品の特性。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.7 

供給者(supplier) 

包装又は包装された製品を市場に投入する責任主体。 

注記1 一般的に使われる“供給者”という用語は,サプライチェーンの各種の段階で関係し得る。

この規格では,それは包装又は包装された製品が取引されるサプライチェーンの全ての場面

での関係者を指す。 

注記2 一般に使われる“使用者(user)”は,サプライチェーンの各種の段階で包装又は中味入り包

装を使う主体(消費者,事業者などの主体)を,“最終使用者(end user)”はサプライチェー

ンの各種段階で最後に包装又は中味入り包装を使う主体を指す。 

3.8 

包装の部品(packaging component) 

手又は簡単な物理的手段によって分離可能な包装の一部。 

3.9 

ケミカルリサイクル(chemical recovery) 

加水分解,グリコリシス,メタノリシス,触媒反応,熱反応,その他の化学処理によって,使用済み包

装から有用な化学物質を回収するプロセス−天然資源を使用済み包装によって置き換えるプロセス。ケミ

カルリサイクルの例を,附属書JAに示す。 

注記 “グリコリシス,メタノリシス”は,JA.6参照。 

要求事項 

4.1 

適用 

個々の包装に対する一般的な要求事項は,JIS Z 0130-1の規定によらなければならない。 

4.2 

評価 

供給者は附属書A及び附属書Bで規定した手順に従って,包装材料の一定のパーセンテージがリサイク

ル可能であることを宣言できるよう,包装の最終設計に到達するまでの手順を踏んだことを証明しなけれ

ばならない。 

4.3 

リサイクル可能なパーセンテージの宣言 

包装は,ラベル及びクロージャに代表される小さな割合の部分から,複合材包装による大きな割合の部

分に至るまで多様であり,複数の部品,材料及び成分を使うことがある。 

供給者は,意図した包装のマテリアルリサイクルの流れにおいて,リサイクル可能な質量パーセンテー

ジを,包装単位ごとに宣言しなくてはならない。宣言のための書式例を,附属書Cに示す。 

4.4 

この規格の要求事項への適合宣言 

供給者は,4.2及び4.3への適合を宣言する文書を作成することが望ましい。 

4.5 

補助文書 

評価の結果は,文書化しなければならない。文書の例を,附属書Cに,記入例を,附属書Dに示す。 

附属書DはISO 18604に準じ,海外の事例もそのまま記載している。 

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附属書A 

(規定) 

マテリアルリサイクルによって再生可能な包装の評価手順 

A.1 目的 

この附属書は,マテリアルリサイクルに対する包装の適合性を評価する際に考慮する基準について定め

る。これらの基準は,マテリアルリサイクルによって再生に至るまでの設計,製造及び使用と同様に,リ

サイクル技術の開発といった全ての関連した側面について考慮することが望ましい。 

この視点は,マテリアルリサイクルという形で再生可能な包装の要求事項について規定する表A.1によ

って表されている。 

表A.1中の“該当”と記載がある欄は,リサイクル可能な包装のためのライフサイクルステップと基準

との相互関係を表す。 

A.2 包装の構造,構成及び加工に関する管理 

a) 包装の設計が,包装材料のリサイクルのための重要な側面に配慮をしていることを確認する。 

b) 一連の包装のプロセスで用いられる原材料を選択及び管理し,実際のリサイクルプロセスに悪影響を

与えていないことを確認する。 

A.3 利用可能なマテリアルリサイクル技術に対する適合性 

a) 包装の設計は,表A.1に記載するように,標準の相互関係を認識しつつ,既知の適切かつ利用可能な

リサイクル技術に適合する適切な材料が使用され,又は組み合わされていることを確認する。 

注記 一般的に機能及び環境的な利点を与える新しい包装材,システムの開発及びマーケティング

は,適切なリサイクルプロセスの実導入に先行することがある。そのようなリサイクルプロ

セスの開発及び展開には時間がかかると認識されており,既存の収集及びリサイクルのプロ

セスへの影響について適切に考慮するのがよい。 

b) 包装に使われた材料のリサイクルに関連した新しい技術開発に注意を払ってこれを記録し,情報が設

計段階で利用できるようなシステムが確立していることを確認する。 

A.4 使用後の包装のマテリアルリサイクルによる環境への放出 

リサイクルプロセスにおいて,使用済み包装又は製品の残留物の環境への放出によって発生する,潜在

的な影響を考慮したことを確認する。 

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表A.1−マテリアルリサイクル可能な包装のためのライフサイクルステップと基準との相互関係 

ライフサイクルステップ 

マテリアルリサイクル可能な包装のための基準 

包装の構造,構成及び 

加工に関する管理 

A.2 a) 

利用可能なマテリアルリサ
イクル技術に対する適合性 

A.3 a) 

使用後の包装のマテリアルリ
サイクルによる環境への放出 

A.4 a) 

設計 

該当 

該当 

該当 

製造 

該当 

該当 

該当 

利用 

該当 

− 

該当 

最終使用者による分離 

該当 

− 

該当 

収集及び/又は分別 

該当 

該当 

該当 

注a) 附属書Aの箇条を参照 

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附属書B 

(規定) 

リサイクル可能性を評価するための手順 

B.1 

目的 

この規格の箇条4を補完する附属書Aを評価するための詳細を,B.2〜B.5に示す。 

B.2 

設計基準 

関連したリサイクル技術の仕様に適合し,材料の一定の質量パーセンテージがリサイクル可能であり,

それを考慮していることを保証するように,次の事項を把握し,部品の構造,構成及び分離性を含む包装

設計を行う。 

− リサイクルプロセスにおいて技術的な問題を生じやすい物質又は材料 

− マテリアルリサイクル前の収集及び分別において問題を生じやすい材料,材料の組合せ,又は包装設

計 

− リサイクルされた材料の品質に負の影響を生じやすい物質又は材料の存在量 

リサイクル可能なパーセンテージの宣言のための書式を,附属書Cに示す。書式及び包装単位又は部品

の材料が,収集,分別及びリサイクルに関する,国家,国際若しくは商業上の標準又は仕様に適合してい

る場合は,リサイクル性の証明の根拠としてよい。 

リサイクルプロセスの仕様への適合性に影響する注意点を,次に示す。 

a) 効率的なリサイクルを達成するためには,一次原料(バージン材)の有無にかかわらず,製造工程に

適した所定の品質基準を満足する材料の投入が必要である。 

b) 複合材包装として取り扱う方法は,リサイクルされる材料,リサイクルプロセス及び3.1で定義され

る“空の包装”への残留内容物の多寡に依存し,大きく変わる。 

c) 包装の仕様は,次を考慮することが望ましい。また併せて,関連したリサイクルプロセスへの材料投

入のための配送及び供給に関する技術的要求に適合することが望ましい。 

1) 部品の適切な分離性 

2) 材料の組成又はその組合せが,リサイクルプロセス及び収集の仕組みに対し,機械的にも化学的に

も適合しているか。 

d) 次のようなリサイクル性に影響する他のいかなる設計特性も,包装設計の最終段階まで考慮すること

が望ましい。 

1) JIS Z 0130-2で扱う環境に有害な物質 

2) B.4.2で扱う設計の影響を受ける空の包装の特性 

B.3 

製造基準 

B.3.1 原材料,製造,加工及び充塡における材料構成 

供給者は,包装に関わる,原料の調達,製造,加工及び充塡作業におけるいかなる変更又はばらつきも,

リサイクルプロセスに悪影響を与えることがないよう,生産の運用が管理されていることを保証しなけれ

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ばならない。 

B.3.2 加工中の変更管理 

供給者は,設計段階において選択された材料が,リサイクル技術に重大な問題のないよう保証しなけれ

ばならない。また,リサイクルプロセスへの適合に悪影響を与える変更がされないことを保証しなければ

ならない。 

注記 これは,接着剤,印刷インキ,コーティングなどの成分,ラベル,キャップ,その他の密封材

などの部品の変更にも適用できる。 

B.4 

利用基準 

B.4.1 他の要求事項との整合 

供給者は,包装の構成が安全,衛生及び消費者が必要とする他の要求事項を満たしていることを保証し

なければならない。 

B.4.2 最終使用者によって包装が空になるための基準 

供給者は,一次包装の設計(例 包装の形状,開け口の設計,位置など)が,3.1“空の包装”で定義す

る一般的な手段によって空にすることができ,使われた包装がリサイクルプロセスに適合することを保証

しなければならない。 

注記 包装システムは,製品と接触する一次包装,二次包装,及び/又は輸送包装で構成される。二

次及び輸送包装は,通常容易に分離可能で,製品によって汚されることなく,リサイクル可能

であることが望ましい。 

B.4.3 最終使用者による分離基準 

供給者は,包装を複数の材料からなる部品で構成する場合,そのリサイクルプロセスにとって適切な収

集システムに適合するよう分離できるようにする必要があり,最終使用者がそのように容易に分離できる

ように,包装を構成していることを保証しなければならない。 

B.5 

収集及び分別のための基準 

供給者は,実施可能な限り,予測される収集及び分別に関するいかなる要求事項についての情報をも収

集し,かつ,包装の設計及び構造にこれらを考慮していることを保証しなければならない。 

表B.1−マテリアルリサイクル可能な包装のライフサイクルステップ及び判定基準 

ライフサイクル 

ステップ 

マテリアルリサイクル可能な包装に関する判定基準 

包装の構造,成分及び 

加工に関する管理 

A.2 

利用可能なマテリアルリサ
イクル技術に対する適合性 

A.3 

使用後の包装のマテリアルリ
サイクルによる環境への放出 

A.4 

設計 

B.2及びB.4.2 

B.2 

B.2 

製造 

B.3 

B.3 

B.3 

利用 

B.4.2 

− 

B.4.1 

最終使用者による分離 

B.4.3 

− 

B.4.3及びB.5 

収集及び分別 

B.5 

B.5 

B.5 

注記 表中の番号は,附属書A及び附属書Bの各箇条を表す。 

B.6 

材料の識別に対する注釈 

いかなる材料の識別表示であっても,使用しているときには,その表示は対象となるグループが明確に

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認識できることが望ましい。表示は明瞭,明白かつ誤解を生じさせない方法にすることによって,包装の

主原料の識別に役立つ。 

包装に使用している主原料の識別は,使用後の排出,分別及び回収の流れの中の様々な時点で,次のよ

うな目的を達成することを補助する。 

− 利用者への排出のオプションを示すため 

− 収集及び分別のため 

− リサイクルプロセスに適した流れに,材料を集約するため。 

幾つかの材料の特性は,識別表示の適用を必要とすることなく明らかである。 

識別は,例えば,色又は容器に特有な形状といった他の方法によって補助することもできる。 

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10 

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附属書C 
(参考) 

リサイクル可能な包装単位のパーセンテージを決定する記述の例 

表C.1−マテリアルリサイクル可能な包装のライフサイクルステップ及び 

基準の相互関係表に基づく詳細要求事項 

包装の名称及び記述: 
 

評価案件No. 
 

箇条a) 

判定基準b) 

回答c) 

参照d) 

A.2, 
A.3/B.2,B.3 

使用する材料を含めて,製造,包装及び充塡の全ての工程
の設計及び管理は,包装のリサイクルプロセスに対する適
性を十分に考慮し維持しているか。 

A.2,/ 
B.4.2 

使用する部品及び構造の設計及びその管理は,包装を効率
的に空にする助けになっているか。 

A.2,A.4/ 
B.4.3 

使用する部品及び構造の設計及びその管理は,最終使用者
が分離し分別する役割を手助けし,必要によって収集の助
けになっているか。 

A.2/ 
B.5 

使用する部品及び構造の設計並びにその管理は,収集及び
分別のシステムと整合が取れているか。 

A.3/ 
B.2,B.3 

構造,及び添加物を含む原材料及び部品の組合せは,リサ
イクルプロセスに適切か。 

A.3/ 
B.5 

リサイクルプロセスの準備として現在ある分別システム
は,マテリアルリサイクルを実施するのに適しているか。 

A.4/ 
B.2 

リサイクルプロセスで環境への放出を最小化するために,
構造,組成及び部品の分離性に考慮しているか。 

A.4/ 
B.3 

製造,包装及び充塡の全ての工程における管理は,リサイ
クルシステムにおける環境への放出を最小化するのに十分
か。 

A.4/ 
B.4.1 

包装は,リサイクルプロセスで余計な排出物及び/又は残
さを発生させないために,十分に内容物を空にすることが
できるか。 

A.4/ 
B.5 

包装は,次のリサイクル作業において,残さ及び/又は排
出物を最小化するよう,収集及び分別することができるか。 

注a) 表B.1に記載した,附属書A及び附属書Bの関連した箇条を指している。 

b) “判定基準”は,包装のライフサイクルステップに対して附属書Bで設けられた基準の要約である。基準及び

ライフサイクルステップへのより十分な解説については,列1に記載されたこの規格の附属書A及び附属書B
の箇条を参照。 

c) “回答”は,記載された基準に適合又は不足があるかどうかを記録する。 

d) “参照”は,基準の不足事項に対するあらゆる参照,コメント又は説明のために用いる。例えば,書式が適用

可能な地域又は国の参照など。 

表C.2は,包装の包装単位中のマテリアルリサイクル可能な質量パーセンテージの評価及び記録の方法

を示している。 

開発中のリサイクル技術による回収は,A.3中の注記を参照。 

包装単位の宣言書の例を,附属書Dに示す。 

同一材料から成る,同様な一連の包装の場合は,リサイクル性の集合的な宣言をすることができる。 

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11 

Z 0130-4:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

評価の回答は地域又は国によって変わることがある。したがって,いかなる適合の記述も,表C.2の第

4行の中で適用可能な地域又は国に言及する。そのような参照がなければ“参照なし”と記載する。 

表C.2−リサイクル可能な包装の包装単位の割合を決定する記載の例 

包装の名称及び記述: 
 

評価案件No. 
 

包装単位 

説明: 

部品1) 

部品1 

部品2 

部品3 

部品名 

包装単位全体に占める当該部品の質量分率(%)  

全ての部品が地域,国家,国際又は商業上のリ
サイクル標準又は規格に基づいて適応するなら
ば,詳細な参照を記載する。 

部品がそのような標準又は規格に準拠している場合は,行5を記載した後,行9に100 %リサイクル可能である旨

を記載し,行10及び行11を記載する。 

準拠していない場合は,行5から行11まで記載する。 

意図されている材料の流れ2) 

一連のプロセスで問題を生じる懸念があり,通常とは別の回収方法が推奨されるような部品中の成分の特定。 

収集及び分別上問題を起こしやすい成分 

リサイクル上で問題を起こしやすい成分 

リサイクルされた材料中に負の影響をもちやす
い成分 

リサイクル可能な部品の質量分率(%) 

10 

リサイクル可能な包装単位の質量分率(%) 
(行9×行3/100) 

11 

リサイクル可能な総
合パーセント 
(行10の合計) 

注記 該当なしの場合はN/A 
注1) 部品は,3.8で規定した手又は簡単な物理的手段によって分離することができる包装の部品。 

2) 意図されている材料の流れ:アルミニウム,ガラス,紙,プラスチック,スチール,木材など。収集,分別及

びリサイクルの運用が未確立,又は開発中の場合はA.3の注記を参照。 

上記の評価結果に鑑み,この包装は,JIS Z 0130-4の要求事項に適合していることを宣言する。 
供給者の詳細 
住所: 
会社又は団体名: 
署名責任者役職: 
署名責任者氏名 
日付: 

署名: 

background image

12 

Z 0130-4:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書D 
(参考) 

リサイクル可能な包装単位の質量パーセンテージ宣言の例 

表C.2を用いて,4.3で規定したマテリアルリサイクル可能であることを各種包装の包装単位について,

評価・宣言を行った例を次に示す。宣言署名欄は省略している。 

表D.1−プラスチックキャップ付き印刷スチールエアゾール缶の例 

包装単位 

説明:充塡容量250 mlのプラスチックキャップ付きスチール
製印刷エアゾール缶(総容積335 ml) 

部品1) 

部品1 

部品2 

部品3 

説明 

バルブ及び 

ノズル付き缶 

プラスチック 

キャップ 

包装単位全体に占める当該部品の質量分率(%) 

91 

全ての部品が地域,国家,国際又は商業上のリ
サイクル標準又は規格に基づいて適応するなら
ば,詳細な参照を記載する。 

ツ 

BDSV-WVS鉄くず
仕様No 47 

DSD製品仕様 
No. 06-09/02, 
区分No. 324 
ポリプロピレン 

部品がそのような標準又は規格に準拠している場合は,行5を記載した後,行9に100 %リサイクル可能である旨

を記載し,行10及び行11を記載する。 

準拠していない場合は,行5から行11まで記載する。 

意図されている材料の流れ2) 
 

スチール 

プラスチック 

一連のプロセスで問題を生じる懸念があり,通常とは別の回収方法が推奨されるような部品中の成分の特定。 

収集及び分別上問題を起こしやすい成分 

− 

− 

リサイクル上で問題を起こしやすい成分 

− 

− 

リサイクルされた材料中に負の影響をもちやす
い成分 

− 

− 

リサイクル可能な部品の質量分率(%) 

100 

100 

10 

リサイクル可能な包装単位の質量分率(%) 
(行9×行3/100) 

91 

11 

リサイクル可能な総合
パーセント 
(行10の合計) 

100 

注記 該当なしの場合はN/A 
注1) 部品は,3.8で規定した手又は簡単な物理的手段によって分離することができる包装の部品。 

2) 意図されている材料の流れ:アルミニウム,ガラス,紙,プラスチック,スチール,木材など。収集,分別及

びリサイクルの運用が未確立,又は開発中の場合はA.3の注記を参照。 

background image

13 

Z 0130-4:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表D.2−ワックスコートした段ボール蓋及びPEトレー付き段ボールトレーの例 

包装単位 

説明:鮮魚用のワックスコートした段ボール蓋及びPEトレー
付き段ボールトレー。総質量550 g 

部品1) 

部品1 

部品2 

部品3 

説明 

片段容器 

PE製トレー 

ワックスコートし

た段ボール製蓋 

包装単位全体に占める当該部品の質量分率(%) 

64 

27 

全ての部品が地域,国家,国際又は商業上のリ
サイクル標準又は規格に基づいて適応するなら
ば,詳細な参照を記載する。 

紙 

部品がそのような標準又は規格に準拠しているならば,行5を記載した後,行9に100 %リサイクル可能である旨

を記載し,行10及び行11を記載する。 

準拠していない場合は,行5から行11まで記載する。 

意図されている材料の流れ2) 

紙 

プラスチック 

紙 

一連のプロセスで問題を生じる懸念があり,通常とは別の回収方法が推奨されるような部品中の成分の特定。 

収集及び分別上問題を起こしやすい成分 

− 

なし 

リサイクル上で問題を起こしやすい成分 

− 

なし 

ワックスコート 

CR 13688:2000 

表5.3 ii 

リサイクルされた材料中に負の影響をもちやす
い成分 

− 

なし 

ワックスコート 

リサイクル可能な部品の質量分率(%) 

100 

100 

10 

リサイクル可能な包装単位の質量分率(%) 
(行9×行3/100) 

64 

11 

リサイクル可能な総合
パーセント 
(行10の合計) 

73 

注記 該当なしの場合はN/A 
注1) 部品は,3.8で規定した手又は簡単な物理的手段によって分離することができる包装の部品。 

2) 意図されている材料の流れ:アルミニウム,ガラス,紙,プラスチック,スチール,木材など。収集,分別及

びリサイクルの運用が未確立,又は開発中の場合はA.3の注記を参照。 

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14 

Z 0130-4:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表D.3−セラミック製蓋及び紙ラベルの付いたセラミック製陶器つぼの例 

包装単位 

説明:セラミック製蓋及び紙ラベルの付いたセラミック製陶
器つぼ 

部品1) 

部品1 

部品2 

部品3 

説明 

セラミック製陶器

つぼ 

セラミック製蓋 

紙製ラベル 

包装単位全体に占める当該部品の質量分率(%) 

87.2 

12 

0.8 

全ての部品が地域,国家,国際又は商業上のリ
サイクル標準又は規格に基づいて適応するなら
ば,詳細な参照を記載すること 

N/A 

N/A 

N/A 

部品がそのような標準又は規格に準拠しているならば,行5を記載した後,行9に100 %リサイクル可能である旨

を記載し,行10及び行11を記載する。 

準拠していない場合は,行5から行11まで記載する。 

意図されている材料の流れ2) 

N/A 

N/A 

なし 

一連のプロセスで問題を生じる懸念があり,通常とは別の回収方法が推奨されるような部品中の成分の特定。 

収集及び分別上問題を起こしやすい成分 

なし 

なし 

リサイクル上で問題を起こしやすい成分 

利用可能なリサイ

クル施設なし 

利用可能なリサイ

クル施設なし 

なし 

リサイクルされた材料中に負の影響をもちやす
い成分 

− 

なし 

ワックスコート 

リサイクル可能な部品の質量分率(%) 

10 

リサイクル可能な包装単位の質量分率(%) 
(行9×行3/100) 

11 

リサイクル可能な総合
パーセント 
(行10の合計) 

0 % 

注記 該当なしの場合はN/A 
注1) 部品は,3.8で規定した手又は簡単な物理的手段によって分離することができる包装の部品。 

2) 意図されている材料の流れ:アルミニウム,ガラス,紙,プラスチック,スチール,木材など。収集,分別及

びリサイクルの運用が未確立,又は開発中の場合はA.3の注記を参照。 

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15 

Z 0130-4:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表D.4−プラスチックの栓及びはく(箔)押し紙ラベルが付いた無色透明の単層PETボトルの例 

包装単位 

説明:プラスチックのキャップ及びはく押し紙ラベルが付い
たソフトドリンク用の容量0.33〜3.0リットルの無色透明の
単層PETボトル 

部品1) 

部品1 

部品2 

部品3 

説明 

PETボトル 

PPキャプ 

はく押し紙ラベル 

包装単位全体に占める当該部品の質量分率(%) 

81.25〜90.00の 

範囲 

12.50〜5.00の範囲 

6.26〜5.00の範囲 

全ての部品が地域,国家,国際又は商業上のリ
サイクル標準又は規格に基づいて適応するなら
ば,詳細な参照を記載する。 

イタリア 

UNI 10667-7 

繊維にポストコン
シューマPETを使
用 

イタリア 

UNI 10667-8 

ブロー成型にポス
トコンシューマ
PETを使用 

部品がそのような標準又は規格に準拠しているならば,行5を記載した後,行9に100 %リサイクル可能である旨

を記載し,行10及び行11を記載する。 

準拠していない場合は,行5から行11まで記載する。 

意図されている材料の流れ2) 

プラスチック 

プラスチック 

なし 

一連のプロセスで問題を生じる懸念があり,通常とは別の回収方法が推奨されるような部品中の成分の特定。 

収集及び分別上問題を起こしやすい成分 

− 

なし 

リサイクル上で問題を起こしやすい成分 

− 

なし 

リサイクルされた材料中に負の影響をもちやす
い成分 

− 

なし 

リサイクル可能な部品の質量分率(%) 

100 

100 

10 

リサイクル可能な包装単位の質量分率(%) 
(行9×行3/100) 

81.25〜90.00の 

範囲 

12.50〜5.00の範囲 

11 

リサイクル可能な総合
パーセント 
(行10の合計) 

93.75〜95の範囲 

注記 該当なしの場合はN/A 
注1) 部品は,3.8で規定した手又は簡単な物理的手段によって分離することができる包装の部品。 

2) 意図されている材料の流れ:アルミニウム,ガラス,紙,プラスチック,スチール,木材など。収集,分別及

びリサイクルの運用が未確立,又は開発中の場合はA.3の注記を参照。 

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16 

Z 0130-4:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表D.5−PETボトルの例 

包装単位 

説明:PETボトル(0.5リットル) 

部品1) 

部品1 

部品2 

部品3 

説明 

ボトル(PET) 

キャップ(PP) 

ラベル(PS) 

包装単位全体に占める当該部品の質量分率(%) 

86 

10 

全ての部品が地域,国家,国際又は商業上のリ
サイクル標準又は規格に基づいて適応するなら
ば,詳細な参照を記載する。 

容器包装リサイク

ル法分別基準 

(日本) 

容器包装リサイク

ル法分別基準 

(日本) 

容器包装リサイク

ル法分別基準 

(日本) 

部品がそのような標準又は規格に準拠しているならば,行5を記載した後,行9に100 %リサイクル可能である旨

を記載し,行10及び行11を記載する。 

準拠していない場合は,行5から行11まで記載する。 

意図されている材料の流れ2) 

PETボトル 

その他 

プラスチック 

その他 

プラスチック 

(ケミカルリサイ

クル) 

一連のプロセスで問題を生じる懸念があり,通常とは別の回収方法が推奨されるような部品中の成分の特定。 

収集及び分別上問題を起こしやすい成分 

なし 

なし 

なし 

リサイクル上で問題を起こしやすい成分 

なし 

なし 

なし 

リサイクルされた材料中に負の影響をもちやす
い成分 

なし 

なし 

なし 

リサイクル可能な部品の質量分率(%) 

100 

100 

100 

10 

リサイクル可能な包装単位の質量分率(%) 
(行9×行3/100) 

86 

10 

11 

リサイクル可能な総合
パーセント 
(行10の合計) 

100 

注記 該当なしの場合はN/A 
注1) 部品は,3.8で規定した手又は簡単な物理的手段によって分離することができる包装の部品。 

2) 意図されている材料の流れ:アルミニウム,ガラス,紙,プラスチック,スチール,木材など。収集,分別及

びリサイクルの運用が未確立,又は開発中の場合はA.3の注記を参照。 

background image

17 

Z 0130-4:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表D.6−紙コップの例 

包装単位 

説明:紙コップ 

部品1) 

部品1 

部品2 

部品3 

説明 

加熱飲料用容器 

加熱飲料用容器蓋 

加熱飲料用容器 

スリーブ 

包装単位全体に占める当該部品の質量分率(%) 

66 

17 

17 

全ての部品が地域,国家,国際又は商業上のリ
サイクル標準又は規格に基づいて適応するなら
ば,詳細な参照を記載する。 

米国の大多数の自
治体がこの素材を
リサイクルすると
いうFTCガイドラ
インに適合する 

部品がそのような標準又は規格に準拠しているならば,行5を記載した後,行9に100 %リサイクル可能である旨

を記載し,行10及び行11を記載する。 

準拠していない場合は,行5から行11まで記載する。 

意図されている材料の流れ2) 

紙 

プラスチック 

紙 

一連のプロセスで問題を生じる懸念があり,通常とは別の回収方法が推奨されるような部品中の成分の特定。 

収集及び分別上問題を起こしやすい成分 

食物汚れ 

蓋は廃棄の前にカ
ップから分離され
ない:食物汚れ 

なし 

リサイクル上で問題を起こしやすい成分 

LDPE 

コーティング 

プラスチック樹脂,
ポリスチレンは米
国内では通常リサ
イクルされない 

食物汚れ 

リサイクルされた材料中に負の影響をもちやす
い成分 

none 

リサイクル可能な部品の質量分率(%) 

100 

10 

リサイクル可能な包装単位の質量分率(%) 
(行9×行3/100) 

17 

11 

リサイクル可能な総合
パーセント 
(行10の合計) 

17 

注記 該当なしの場合はN/A 
注1) 部品は,3.8で規定した手又は簡単な物理的手段によって分離することができる包装の部品。 

2) 意図されている材料の流れ:アルミニウム,ガラス,紙,プラスチック,スチール,木材など。収集,分別及

びリサイクルの運用が未確立,又は開発中の場合はA.3の注記を参照。 

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18 

Z 0130-4:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表D.7−コルク栓及びアルミニウムの覆いのある緑のガラスびんの例 

包装単位 

説明:コルク栓及びアルミニウムの覆いのあるワイン用の緑
のガラスびん,容量750 ml 

部品1) 

部品1 

部品2 

部品3 

説明 

ラベルがスクリー
ン印刷されたワイ
ン用ガラスびん 

コルク 

覆い用 

アルミニウムはく 

包装単位全体に占める当該部品の質量分率(%) 

99.1 

0.6 

0.3 

全ての部品が地域,国家,国際又は商業上のリ
サイクル標準又は規格に基づいて適応するなら
ば,詳細な参照を記載する。 

全てのガラス容器
回収体制で受け入
れられる。 
食品又は飲料用の
ガラス容器として
は世界的に互換性
のある標準がない
か,又はその必要
がない。 

専門の公的,又は
私的収集体制 
(例:ベルギーの
“le petit liège”) 

キャップ及び栓の

収集体制 

部品がそのような標準又は規格に準拠しているならば,行5を記載した後,行9に100 %リサイクル可能である旨

を記載し,行10及び行11を記載すること。 

準拠していない場合は,行5から行11まで記載する。 

意図されている材料の流れ2) 

ガラス 

木材 

アルミニウム 

一連のプロセスで問題を生じる懸念があり,通常とは別の回収方法が推奨されるような部品中の成分の特定。 

収集及び分別上問題を起こしやすい成分 

なし 

なし 

なし 

リサイクル上で問題を起こしやすい成分 

なし 

なし 

なし 

リサイクルされた材料中に負の影響をもちやす
い成分 

なし 

なし 

なし 

リサイクル可能な部品の質量分率(%) 

100 

100 

100 

10 

リサイクル可能な包装単位の質量分率(%) 
(行9×行3/100) 

99.1 

0.6 

0.3 

11 

リサイクル可能な総合
パーセント 
(行10の合計) 

100 

注記 該当なしの場合はN/A 
注1) 部品は,3.8で規定した手又は簡単な物理的手段によって分離することができる包装の部品。 

2) 意図されている材料の流れ:アルミニウム,ガラス,紙,プラスチック,スチール,木材など。収集,分別及

びリサイクルの運用が未確立,又は開発中の場合はA.3の注記を参照。 

19 

Z 0130-4:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JA 

(参考) 

ケミカルリサイクルのプロセス 

JA.1 目的 

この附属書は,ISO/TR 16218を基とし,用語及び回収技術に特有の基本的要求事項の共通の理解に基づ

き,他の回収の手法の視点も取り入れ,地域の利害関係者がその地域で最も適切な処理手法を特定するこ

とを手助けするために,“ケミカルリサイクル”の概念に関連する幾つかの考えを明確にすることを試みる

ものである。この附属書では使用済み包装のケミカルリサイクルの方法論について例示する。 

JA.2 “ケミカルリサイクル”−概念の定義 

使用済み包装の“ケミカルリサイクル”は,用語及び定義(箇条3)のマテリアルリサイクル(3.3)及

びリサイクルプロセス(3.5)で,マテリアルリサイクルの範ちゅうに含まれるとした。この附属書は,使

用済み包装に焦点を当てているが,この附属書に記載しているプロセスは使用済み包装にだけ適用できる

ものではなく,同種の他の材料の回収にも適用できる。使用済み包装の“ケミカルリサイクル”は,プラ

スチック製包装,又はバイオマスベースの包装に適用でき,次の二つの異なったプロセスを包含する。 

− 例えば,加水分解,グリコリシス,メタノリシスなどによってポリエチレンテレフタレート(PET)

からモノマーを回収したり,触媒反応又は熱分解で油を回収したり,ガス化によって水素などの有用

なガスを回収したり,コークス化でコークス,油,及びガスを回収したりして,使用済みの包装の化

学処理によって有用な化学物質を回収するプロセス。 

− 使用済み包装を化学的処理なしで天然資源に直接代替するプロセスであり,例えば,使用済みプラス

チック製包装のフラフ1) はコークスの代替還元剤として溶鉱炉で使用できる。 

ケミカルリサイクルのプロセスの例及び主要特性を,JA.6〜JA.10に示す。 

注記 この附属書の目的とするところでは,“ケミカルリサイクル”は包装材料の製造に使用された出

発原材料と同じか又は別の化学物質の製造,又は使用済み包装による天然資源の直接代替を意

味する。回収された化学物質はそのまま,又は更なる化学合成反応によって,直接その場で,

又は別の製造工程で使用される。 

注1) フィルム又はシートを30 mm程度に細かく裁断したもの。 

JA.3 用語及び定義 

この附属書で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 0108,JIS Z 0130-1及びこの規格の箇条3によるほか,

次による。 

JA.3.1 

モノマー回収(monomer recovery) 

使用済み包装の分解などによってモノマーを回収するプロセス。 

注記 ポリエチレンテレフタレート(PET)の化学分解によってテレフタル酸ジメチル(DMT),ビス

ハイドロキシエチルテレフタレート(BHET),エチレン・グリコール(EG)などのPETを製

造するためのモノマー類を回収する工業的プロセスが確立されている。ポリカーボネート(PC),

ポリアミド(PA),ポリスチレン(PS),ポリ乳酸(PLA)などのポリマーでは,ポリマーから

20 

Z 0130-4:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

モノマーを回収するプロセスは開発段階にある。 

JA.3.2 

油化(oil recovery) 

使用済み包装を,触媒を使用し又は使用しないで分解し,油を回収するプロセス。 

JA.3.3 

ガス回収(gas recovery) 

化学工業の原料として使用できるガス(水素及び一酸化炭素)を,使用済み包装の炭化,部分燃焼など

によって回収するプロセス。 

JA.3.4 

高炉還元剤(reducing agent for blast furnaces) 

製鋼用高炉において,還元剤としてプラスチックフラフを吹き込むことによって炭素と水素とを供給し

て,使用済み包装でコークスを代替する場合の使用済み包装の呼称。 

注記 従来の製鋼工程では,還元剤としてコークスが使用されている。 

JA.3.5 

コークス製造の原材料(raw material for coke manufacturing) 

コークスを製造するコークス炉の原材料として,使用済み包装で石炭を部分的に代替する場合の使用済

み包装の呼称。 

JA.4 ケミカルリサイクル時に必要な包装特有の特性 

この附属書の主目的は,使用済み包装に特定されている。市場の需要を満たし,ケミカルリサイクルに

よって終結する使用済み包装の一部は,多くの場合,同じ形の他の材料の一部と同時に使用される。それ

ゆえ,この附属書で記載しているプロセスは,実際には使用済み包装に限定されるものではない。 

それぞれの回収手法には,それ自身の仕様,例えば,材料の数,汚染の上限などがある。ある材料は,

幾つかのケミカルリサイクルのプロセスと相容れないかも知れない。そのような材料がかなりの量含まれ

ている場合には,問題を避けるためにこれらを取り除く前処理を導入するのがよい。 

JA.5 ケミカルリサイクルへの適性 

リサイクルの原材料となる使用済み包装が単一素材として集められているならば,その使用済み包装は

メカニカルリサイクル2) に好適である。しかしながら,PETボトルの場合では,モノマー回収によるケミ

カルリサイクルも高グレードのPET樹脂を入手するのに好適である。発泡ポリスチレン(PS)の場合では,

原材料の一部はメカニカルリサイクルによってリサイクルでき,その他の部分の汚染された材料は,一般

的にケミカルリサイクルの原料として使用される。リサイクルの原材料となる使用済み包装が,混合ルー

トで集められるならば,そのような材料はモノマー回収以外のケミカルリサイクルの原料として使用でき

る。これらの回収手法には,設備の運転の障害にならない限り,混合物,汚染された原料など幅広い材料

の受容性がある。 

注記 プラスチック材料がこれらのプロセスには最適である。しかしながら,設備の運転の障害にな

らない限り,木材,紙,繊維などのバイオマスベースの材料もこのプロセスに組み入れること

ができる。 

注2) JIS Z 0112では,“同じ目的又は他の目的のための,生産工程での廃棄材料の加工(EUにおけ

る定義)”となっており,ここの注記で,“我が国で使用している材料リサイクル,マテリアル

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21 

Z 0130-4:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

リサイクルの用語に相当する。”とある。 

JA.6 PETのモノマー回収の例 

JA.6.1 材料 

ボトル,フィルム,繊維,織物など,あらゆるPET製品についてもPETのモノマー回収に使用できる。

使用済みPETボトルは,このプロセスの出発原料の候補である。使用済みPETボトルは,工程前に分別

されなければならない。 

JA.6.2 分解プロセス 

工業的プロセスでは,図JA.1に示すように,PETボトルは裁断,洗浄及び乾燥されてPETフレークと

なり,その後に分解される。汚染物質は,通常フレーク化工程で除去される。 

図JA.1−前処理(フレーク製造) 

図JA.2及び図JA.3に示すように,グリコリシス及びメタノリシスの二つのプロセスが確立されている。 

図JA.2−グリコリシスプロセス 

グリコリシスにおいては,PETフレークはエチレングリコールと混合して加熱され,PETが分解される。

このプロセスによって,ビスハイドロキシエチルテレフタレート(BHET)が回収される。回収されたBHET

は脱色,結晶化,ろ過され,その後に分子蒸留されて高純度BHETが得られる。この純粋なBHETは,PET

樹脂の重合に直接適用される。重合プロセスからエチレングリコールが回収される。 

PETフレーク 

化学分解 

裁断 
洗浄 
乾燥 

PETボトル 

PET樹脂 

エチレングリコール 

重合 

BHET 

高純度BHET 

解重合 

脱色 

結晶化 

ろ過 

分子蒸留 

PETフレーク 

エチレン 

グリコール 

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22 

Z 0130-4:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図JA.3−メタノリシスプロセス 

メタノリシスにおいては,PETフレークはメタノールと混合して加熱され,PETが分解される。このプ

ロセスによってジメチルテレフタレート(DMT)が回収される。回収されたDMTは脱色,結晶化,ろ過

され,高純度DMTが得られる。この高純度DMTは,高純度テレフタル酸(TPA)とメタノールとに転化

される。このTPAはエチレングリコールを加えてBHETに転化され,これがPET樹脂の重合に適用され

る。重合プロセスからエチレングリコールが回収される。 

JA.7 油化の例 

JA.7.1 材料 

プラスチック及びバイオマスベースの材料を含むどのような有機材料でも油化に使用できる。使用済み

包装は,分別収集されていれば,このプロセスを開始し得る原料の候補である。混合物及び多少汚染され

た使用済み包装でもこのプロセスに適用可能である。 

注記 プラスチック材料がこのプロセスに最適である。しかしながら,脱塩酸のための押出機の運転

の障害にならなければ,木材,紙,繊維などのバイオマスベースの材料も適用可能である。 

JA.7.2 プロセス 

油化は,触媒使用の有無にかかわらず,使用済み包装を不活性条件下で高温処理し,高品質油(炭化水

素油)を回収するプロセスである。日本では幾つかのプロセスが稼働している。代表的なプロセスを図JA.4

に示す。 

図JA.4−代表的な油化プロセス 

PET樹脂 

エチレン 

グリコール 

重合 

BHET 

メタノール 

TPA 

精製DMT 

脱色 

結晶化 

ろ過 

DMT 

エチレン 

グリコール 

PETフレーク 

メタノール 

解重合 

残さ 

エネルギー 

回収 

凝集物 

使用済み包装 

(原材料) 

脱塩酸押出機 
による前処理 

分解釜 

での加熱 

冷却 

高品位油 

熱 

ガス焼却 
塩酸回収 

回収塩酸 

ガス 

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23 

Z 0130-4:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

使用済み包装は,最初に塩素を除去するため押出機に導入される。発生したガス分を燃焼して塩酸を回

収し,リサイクルされる。燃焼によって発生した熱はプロセス中で利用される。押出機から押し出された

プラスチックは,ポリマーを分解するための分解釜に投入される。製品は冷却されて高品質油となり,一

方,ガス分は押出機で発生したガスに加えられる。チャーと呼ばれる分解釜の残さはエネルギー回収に利

用される。 

JA.7.3 用途 

回収された高品質油は,化学原料及び/又は燃料として,重油代替に使用できる。 

注記 油化プロセスは他の回収プロセスに比較して効率が低いかも知れないことに注意を喚起する。

このプロセスでは使用済み包装の一部はプロセスのエネルギーを供給するために消費される。

したがって,使用済み包装の全量が油として回収されることはない。油化の優先度はより効率

的なプロセスの優先度より低く設定するのがよい。 

JA.8 ガス化の例 

JA.8.1 材料 

プラスチック及びバイオマスベースの材料を含むどのような有機材料でもガス化に使用できる。使用済

み包装は,分別収集されていれば,このプロセスを開始し得る原料の候補である。混合物及び多少汚染さ

れた使用済み包装もこのプロセスに適用可能である。 

JA.8.2 プロセス 

工業的プロセスにおいては,水素は天然ガス又は石油をクラッキングして得られる。使用済み包装のガ

ス化によって,これらの資源が使用済み包装で代替される。代表的なプロセスを,図JA.5に示す。 

図JA.5−代表的なガス化プロセス 

使用済み包装は,不活性雰囲気の低温炉でガス化される。残さ(チャー)はプロセスのエネルギーを供

給するために酸素を使って燃やされる。流出ガスは,化学工業で有用なガス(水素,一酸化炭素など)を

製造するため,高温炉で水蒸気とともに処理される。残さ焼却で出るスラグは貴金属などを回収するため

に利用される。 

JA.8.3 用途 

回収されたガスは,アンモニア及び/又は有機化学物質を製造する原料として有用である。 

スラグ 

ガス(H2,CO) 

蒸気 

熱 

有効利用 

酸素 

ガス 

残さ 

高温炉に 
よる調整 

焼却 

使用済み包装 

(原材料) 

低温炉による 

ガス化 

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Z 0130-4:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JA.9 高炉還元剤化の例 

JA.9.1 材料 

プラスチック及びバイオマスベースの材料を含むどのような有機材料でも,高炉還元剤として使用可能

である。使用済み包装は,分別収集されていれば,このプロセスを開始し得る原料の候補である。混合物

及び多少汚染された使用済み包装もこのプロセスに適用可能である。 

JA.9.2 プロセス 

従来の製鋼プロセスでは,還元剤としてコークスが使用されている。コークスを使用済み包装で代替す

る工業的なプロセスが確立されている。代表的なプロセスを,図JA.6に示す。 

図JA.6−代表的な高炉還元剤化プロセス 

使用済み包装は,分別してPVCとその他の汚染物質とが除去される。分別されたPVCは塩素を除去す

るために,コークスとともにロータリーキルンで処理される。ロータリーキルンで発生するガスは,塩酸

を回収するために焼却される。固形物(コークス及びチャー)は,高炉還元剤として利用される。PVC(そ

の他のプラスチック)を分別した後,使用済み包装は,製鋼用高炉で還元剤として使用するため裁断,分

級される。高炉に導入された原材料の一部は高炉ガスに転化され,これは発電用に利用される。 

JA.10 コークス炉化学原料化の例 

JA.10.1 材料 

プラスチック及びバイオマスベースの材料を含むどのような有機材料でも,コークス製造用原材料とし

て使用できる。使用済み包装は,分別収集されていれば,このプロセスを開始し得る原料の候補である。

混合物及び多少汚染された使用済み包装も,このプロセスに適用可能である。 

JA.10.2 プロセス 

コークスを製造するためのコークス炉の原料として,石炭の一部を使用済み包装で代替する工業的プロ

セスが確立されている。代表的なプロセスを,図JA.7に示す。 

最初に,使用済み包装はPVCと金属を除去するために分別される。混練機の円滑な運転のため,金属は

混練り前に除去しなければならない。その後使用済み包装は混練機に導入されて塊状物に成形される。こ

の塊状物は石炭とともにコークス炉に投入される。使用済み包装の塊状物は不活性雰囲気下で炭化されて

コークスを形成する。分解ガス及び分解油は発電用燃料,化学原料などに利用される。 

回収塩酸 

高炉ガス 

スチール 

焼却 
吸着 
洗浄 

その他の材質 

固形物 

高炉 

発電 

裁断 
分級 

使用済み包装 

(原材料) 

PVC 

ガス 

脱塩素 

PVC 
分別 

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Z 0130-4:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図JA.7−代表的なコークス炉化学原料化プロセス 

化学原料など 

高炉還元剤 

発電など 

炭化水素油 

プラスチックの40 % 

コークス 

プラスチックの20 % 

コークス炉ガス 

プラスチックの40 % 

コークス炉 

での炭化 

使用済み包装 

(原材料) 

石炭 

PVC除去 

塊状化 

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Z 0130-4:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JB 

(参考) 

リサイクルの障害となる物質及び材料に関する報告 

JB.1 概要 

この附属書は,ISO/TR 17098を基とし,リサイクル活動に継続的な障害を起こす物質及び材料の例を提

供し,この規格の要求事項に対する適合性評価を補助することを意図している。 

ここには,問題を引き起こすかリサイクルプロセスを阻害する,又はリサイクルされた材料の品質に悪

影響を及ぼす物質若しくは材料で,技術的解決策が近い将来に開発されると予測されていないものを記載

する。 

しかしながらこれらの例は,リサイクルプロセスが地域によって異なること,技術は常に変化している

こと,そしてリサイクルされた材料の用途は,そのような物質又は材料の存在が問題であるかどうかとい

うような実態によって判断される。 

JB.2 リサイクル 

実行可能なリサイクルシステムは,まず第一にリサイクルされた材料がよく機能する市場を必要として

いる。リサイクルされた材料は所定の仕様を満たす必要があり,工業的なリサイクルの運用を支えるため

に,使用済み包装の供給は十分に継続的で,かつ,安定している必要がある。さらに回収と分別の体系は,

リサイクルに適した使用済み包装を供給するために設計され,管理されている必要がある。 

リサイクルシステムの性能は,一般に多くの要素に依存する。これらの要素には,使用済み包装の回収

及び分別,並びにその後の特定の仕組みにおけるリサイクル運用と同様に,上市された包装の設計,生産,

流通及び使用が含まれる。全てのリサイクル技術は広く利用可能なわけではなく,また全ての地域又は国

で使われるわけではない。 

マテリアルリサイクルによる使用済み包装の再生は,主に収集された包装がリサイクルシステムに投入

されるときの状態,特に,製品の残留物とは別に,排出及び収集過程での混入物によっても影響される。

この附属書は主な包装材を対象に,包装に含まれるかもしれず,リサイクルに関連したその後の運用の阻

害が考えられる物質及び材料を考慮するために使用することができる。 

リサイクルの障害となる物質及び材料の例を提供することにおいて,次に示す多くの重要な課題を考慮

する必要がある。 

a) 使われた基材を含む包装(又は包装部品)の具体的な組成 

b) 形状,色,容積,質量,寸法,分離(不)可能な部分などの包装の物理的特性 

c) 回収の仕組みにおける包装材の混合 

d) 包装がその機能を終了する場所で適用可能な回収,分別及びリサイクルの運用 

e) 包装の使用,回収又は分別のプロセスに起因する包装内容物の残留及び外来の汚染物質。汚染物質は

量的に非常に小さいが,不相応な問題を結果として生じることがある。 

f) 

リサイクルの障害となる成分又は汚染物質を,リサイクルされる素材から分離することの容易性 

g) 使用済み包装から作られた新しい製品の品質及び機能を含む仕様 

次の事例は,商業的及び実用的な見地でリサイクルのために供給された使用済み包装に関連した,現行

の代表的な仕様からのデータを含んでいる。これらの仕様は,地域によって変わり得ることに注意すべき

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Z 0130-4:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

である。 

JB.3 材料事例 

包装は,用途ごとに要求される機能に対応すべく選択された様々な材料及びそれらの組合せによって製

造される。 

表JB.1〜表JB.6は,主な包装材のそれぞれのリサイクル運用において問題となる物質及び材料の事例,

ガイドライン,共通の工業的慣習の非網羅的なリストである。 

表JB.1 アルミニウム 

表JB.2 ガラス 

表JB.3 紙及び板紙 

表JB.4 プラスチック 

表JB.5 スチール 

表JB.6 木材 

地域の個々のシステムのガイドライン及び条件に応じて,関連する包装と同じ又は非常に類似した材料

組成の包装以外の製品が,これらの包装の回収及び分別システムにおいて受け入れられることがある。 

表JB.1−アルミニウム 

マテリアルリサイクルによって再生可能な包装 

参照箇条 

包装全体の材料及び物質 

注記 

B.2(設計基準)c) 

1) 部品の分離性 

− 飲食品缶は,蓋,タブ及び缶体が似た合

金組成であるため,分離する必要がな
い。 

− コンポジット容器は,使用者が材料別に

分離する際又は収集及び分別段階で分
離する際に容易に分離できることが望
ましい。 

− 半硬質及び軟質のアルミニウムはく包

装は,使用者によって分離できる。 

− アルミニウムはくラミネート材は,マテ

リアルリサイクル及び/又はエネルギ
ー回収を伴う焼却を可能にする分離及
び回収プロセスに適合することが特に
求められる。 

アルミニウム製の硬質及び半硬質包装

の多くは,似通った合金組成の単一素材
であり,クローズドループ(缶から缶へ
のリサイクル)又はオープンループリサ
イクル(他のアルミニウム製品へ)に適
している。 

アルミニウム以外の部品又は物質は,

収集及び分別工程中,リサイクルプロセ
スへの入り口又はプロセス中で,効率的
に除去される。 

分離は,通常,加熱工程を使ってアル

ミニウム分を回収することを含んでお
り,多層材を破壊して内包するエネルギ
ー又は副生物を回収することになる。 

小さなアルミニウム製包装部品が焼却

装置の焼却灰から集められてリサイクル
されることが増加している。最適化され
た渦電流分離を含む新しい分別技術によ
り,非常に小さな部品の収集も可能にな
っている。 

2) リサイクルプロセスに

対する材料の組成又は
組合せの適合性 

− 材料組成は,包装及び/又は包装システ

ムの主要なアルミニウム成分という観
点からは均質,つまり似通った合金組成
である。 

− アルミニウム以外の成分,印刷インキ,

塗料及び密封剤はリサイクルプロセス
中で容易に除去できるので許容される。 

− 

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Z 0130-4:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表JB.1−アルミニウム(続き) 

マテリアルリサイクルによって再生可能な包装 

参照箇条 

包装全体の材料及び物質 

注記 

B.2(設計基準)c) 

3) リサイクルプロセスに

対して適合しない元素
又は物質の許容量 

許容量は,個々のリサイクルプロセス,プ

ラントとその設計とによって決定される。 

− 

B.5(収集及び分別のための
基準) 

包装に系外から混入するおそれのある 

材料及び物質 

注記 

収集及び分別システムへ

の適合性 

回収及び分別システムの中で,分離が必要

とされ,リサイクルプロセスにおいて受け
入れができない材料 

− スチール 
− 鉛 
− 鉄 
− プラスチック 
− 紙 
− 砂 
− ガラス 
− 泥 
− 食品残さ 
− グリス 
− 他のいかなる異物 
− 過度な湿気 

鉛を含む合金からなるアルミニウム包

装はない。しかし,まれに質量ベースの
回収体系において,より多くの現金化を
意図して質量を重くするために鉛の塊が
飲料缶の中から見つかることがある。分
別センターでは,使用済み飲料缶の不特
定のベールの受入れ,又はエックス線装
置による鉛の検出と排除という余分な管
理のいずれも容認していない。 

表中に示すこれらのガイドラインは指標であり,継続確認の対象である。契約上の仕様は,様々な国のアルミニウ

ム包装のスクラップ供給業者と使用者との間で直接協議される。これらの仕様は,地域の条件と技術の違いのため,
ガイドラインと相違が生じることがある。 

表JB.2−ガラス 

マテリアルリサイクルによって再生可能な包装 

参照箇条 

包装全体の材料及び物質 

注記 

B.2(設計基準)c) 

1) 部品の分離性 

クロージャと口金とは,使用者が材料の分

別ができるように簡単にガラス包装から分
離できなければならない。 

紙,プラスチック,又はアルミニウムはく

のラベル及びスリーブは,一般にリサイク
ルプロセスに受け入れられている。 

ガラス容器に使用されている無機電子部

品又はデバイスは,リサイクルされる前に
ガラス容器から簡単に分離できることを確
実にすることに注意が払われなければなら
ない。 

ガラス容器産業は,カレットの品質管

理の鍵として,排出源で最大限分離する
よう強く要望している。 

 
1993年にEUでは,鉛を含んだオーバ

ーキャップは禁止された。 

2) リサイクルプロセスに

対する材料の組成又は
組合せの適合性 

ラベルに関連する印刷,接着材料,又はポ

リマーコーティングは,一般的にリサイク
ルプロセスで受け入れられる。 

ガラス以外の包装部品又は物質は,カ

レットの工程で効果的に除去される(陶
磁器及び/又はある種の接着プラスチッ
クラベルを除く。)。 

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Z 0130-4:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表JB.2−ガラス(続き) 

マテリアルリサイクルによって再生可能な包装 

参照箇条 

包装全体の材料及び物質 

注記 

B.2(設計基準)c) 

3) リサイクルプロセスに

対して適合しない元素
又は物質の許容量 

処理カレット 

不純物 

指標 

石,陶磁器 

<50 g/t 

磁性金属 

<5 g/t 

非磁性金属 

<5 g/t 

有機物 

500 g/t 

最小限に抑える 

プラスチック 

<100 g/t 

粒の大きさ 

>5 cm 

0 % 

<0.5 cm 

最大5 % 

水分 

<3 % 

 
カレット組成 
色 

緑 

茶色 

無色 

緑 

>85 % 

<5 % 

<15 % 

茶 

<10 % 

>82 % 

<8 % 

無色 

<1 % 

<1 % 

>98 % 

混合 

国別規格 

無処理カレット 

推奨かさ密度 

<700 kg/m3 

容器用ガラスの最少含有量: 

98 % 

陶磁器,石−最大含有量 

− <10 mm 

<100 g/t 

− 全て 

<2500 g/t 

添加されるべきではない受け入れられな

い材料については,次のB.5に示す。 

− ガラス 
− ガラス以外 

これらの材料及び物質は,包装資源又

は包装以外の要因に由来する場合があ
る。 

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Z 0130-4:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表JB.2−ガラス(続き) 

マテリアルリサイクルによって再生可能な包装 

参照箇条 

包装全体の材料及び物質 

注記 

B.5(収集及び分別のための
基準) 

収集及び分別システムへの
適合性 

容器用ガラスカレットに意図的に入れて

はいけない材料のリスト 

ガラスの種別 

− スクリーンガラス(TV,コンピュータ

など) 

− 鉛クリスタル食器 
− 板ガラス 
− ワイヤ入りガラス 
− 塗装ガラス 
− 全てのガラス陶磁器(例えば,調理器具

又は調理台天面) 

− 自動車フロントガラス及びリアガラス 
− 鏡 
− ランプガラス(電球,蛍光灯など) 
− ほうけい酸ガラス(硬質ガラス,パイレ

ックス,オーブン調理器具) 

− 実験用ガラス器具 
− 医薬品ガラスアンプル 
− 石英ガラス(ランプ又は実験用ガラス器

具) 

− オパールガラス(高級食器及びランプ用

乳白ガラス) 

− 光学ガラス 

ガラス以外の材料及び製品 

− 耐火材(アルミニウム材,ジルコニウム,

ベアリング,クロム化合物など) 

− 炉排出口残さ(特に,耐火材が汚染して

いるおそれのある物) 

− 陶器,磁器,石,コンクリート 
− 金属,クロージャ及び鉛封印を含む 
− 食品残さでない有機材料 
− 危険で少量の化学廃棄物,例えば 

− マニュキュアの除光液残さが付着し

たガラス 

− 光化学反応性物質残さが付着したガ

ラス 

− 医療廃棄物として区分される物質 
− ガラス以外の包装材料 

このリストは,作成中の調査検討項目

である。 

表中に示すこれらのガイドラインの許容量は指標であり,継続確認の対象である。契約上の仕様は,様々な国のカ

レットの供給業者と使用者との間で直接協議される。これらの仕様は,地域の条件と技術の違いのため,ガイドライ
ンと相違が生じることがある。 

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Z 0130-4:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表JB.3−紙及び板紙 

マテリアルリサイクルによって再生可能な包装 

参照箇条 

包装全体の材料及び物質 

注記 

B.2(設計基準)c) 

1) 部品の分離性 

接着テープ,RFIDタグ,金属留具,他の

留具,紙以外のラベル,種々の附属物を含
む紙以外の部品は,リサイクルプロセスに
運ばれる前に通常除去する必要はない。 

これらの部品の分離は,大きな部品の

場合には最初の再パルプ化工程において
行われるか又は最初のパルプのろ過工程
にて効率よく実施されている。記述され
た部品が製紙工程を阻害するほど細かく
分解されていることはほとんどない。 

2) リサイクルプロセスに

対する材料の組成又は
組合せの適合性 

ろ過機器は,紙又は板紙と他の適切にろ過

されるべき材料との組合せにおいてろ過す
る能力に限界がある。繊維からこれらの物
質を分離するための追加の工程が必要とさ
れる場合がある。 

大量のプラスチックのコーティングが

施された紙又は厚紙が,パルプからプラ
スチックラミネーションを分離する技術
が広く普及し,設備化されたため,効率
的にリサイクルされている。 

分散技術は,ワックス状の物質を除去

するというようなパルプ前処理の一部分
として使用できる。分散技術は導入可能
であり,幾つかの地域で広く使用されて
いる。しかしながら,幾つかの地域では
ワックス塗布紙はリサイクルで問題とな
り得る。 

3) リサイクルプロセスに

対して適合しない元素
又は物質の許容量 

リサイクルの不適合元素及び物質のガイ

ドライン及び表は,地域,国及び国際の標
準で見ることができる(このようなガイド
ライン例は参考文献に含まれている。)。し
かしながら,使用されている設備の性能が
まちまちであること及び二次繊維製品の規
格が広い範囲であることから,個々のリサ
イクル作業所は通常,作業所独自の許容量
を決めておく必要がある。 

作業所及びその要求事項がまちまちで

あるということは,組織化された収集の
枠組みの中にある場合であっても,対象
となる複数の個別ガイドライン全てを網
羅する,一般的なガイドラインしか適用
できないことを意味している。 

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Z 0130-4:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表JB.3−紙及び板紙(続き) 

マテリアルリサイクルによって再生可能な包装 

参照箇条 

包装全体の材料及び物質 

注記 

B.5(収集及び分別のための
基準) 

収集及び分別システムへの
適合性 

紙及び板紙は,包装に使用していない外部

から非意図的にもち込まれた材料又は物質
を含むことがある。製品と直接接触した紙
及び板紙は,その製品残さを含むことがあ
る。これは一定の状況下においてリサイク
ルを制限することがある。 

 
包装に使用していない物質に関する次の

リストは,収集システムを通じて回収物質
の流れに外部から非意図的にもち込まれる
ことがあるものであり,リサイクルプロセ
ス中での汚染物質と考えられるものであ
る。それ故に,紙と板紙の収集及び分別の
枠組みの設計が大変重要なものになるので
ある。 

− ガラス,ガラス片(ガラス繊維紙含

む。) 

− 石,砂 
− 木材 
− 金属(ピン及び針以外) 
− 繊維,不織布 
− プラスチック 
− 油,グリス,ワックス 
− 過剰な食品廃棄物 

標準又はガイドラインは,紙及び板紙

の売買を補助する機関又は工業界によっ
て使用するため開発されてきた(このよ
うなガイドライン例は参考文献に含まれ
ている。)。 

 
名前が出ている材料及び物質の多く

は,リサイクル作業中のろ過及び洗浄工
程で効率的に除去されることがある。 

 
紙とガラスとの混在は,製紙機及び製

板紙機に対して損傷を及ぼす可能性があ
る。 

回収された紙又は板紙の契約上の仕様は,色々な国においては供給者と使用者との間で直接交渉される。これらの

仕様は,地域の状況又は技術の差によって幅がでることがある。 

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Z 0130-4:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表JB.4−プラスチックa) 

マテリアルリサイクルによって再生可能な包装 

参照箇条 

包装全体の材料及び物質 

注記 

B.2(設計基準)c) 

1) 部品の分離性 

可能であるか,又は必要があって,メカニ

カルリサイクルを目的としてボトル又はト
レーのような硬質包装とフィルム又はシー
トのような軟包装との分別を行う場合,使
用者が分別するよう推奨することが望まし
い。 

 
他の材料と同様に,別種のプラスチックか

らなるクロージャ,ラベル,スリーブなど
の部品は,使用者によって又はリサイクル
プロセスの中で事前に除去されることが望
ましい。 

通常,紙ラベルが使用されている場合

において溶剤型接着剤及び感圧接着剤は
リサイクル前処理で分離除去する必要が
あるため,使用を避けるべきである。し
かしながら,ラベルが環境に有害な物質
の包装を意味しているのであれば,この
ラベルは永久使用できることが基本とな
る。 

選別設備がない場合を考慮して,水による

比重分離が可能なラベル又はスリーブ材料
を使用することが望ましい。 

 
附属部品(例えば,クロージャ及びラベル)

は,リサイクル中に簡単にプラスチックボ
トルから分別されるよう留意するのが望ま
しい。 

ポリエチレン又はポリプロピレンのクロ

ージャは,回収産業によって分別回収され
るのでボトルに残すことができる。 

“沈降/浮遊”の浮遊選別技術による

プラスチック以外の物質及び異なるタイ
プのプラスチックの分別は広く使用され
ており,包装部品の材料選択においてこ
の原則を考慮することが望ましい。 

2) リサイクルプロセスに

対する材料の組成又は
組合せの適合性 

異なったタイプのプラスチック又は他の

材料の薄い層を用いたラミネート材は,従
来のメカニカルリサイクル(切断,選別,
ペレット化)に対し工夫を要する。あるケ
ースでは溶解及び/又は沈殿操作の組合せ
による新しいリサイクル技術によって,低
エネルギーで分離することが試行されてい
る。 

包装の形態が同じで色が異なるものが混

ざっている場合(着色ボトル及びPETボト
ル)は,リサイクルプロセスにおける二次
材料として不適とされるものがある。 

これらの限界/制約は,このような包

装に対する現在及び将来予測されるメカ
ニカルリサイクルプロセス開発に関連し
ている。 

 
ケミカルリサイクル技術(例えば,解

重合又は熱分解による,モノマー又は他
の化学物質の製造)の開発及び還元剤と
しての使用済み包装の使用は,そのよう
な組合せが適応されて増えていくことを
期待させる。 

 
近赤外照射(NIR)で不透明になる全面

ラベルは,ボトル材料の識別でエラーを
引き起こすことがあるので使用しないこ
とが好ましい。 

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34 

Z 0130-4:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表JB.4−プラスチックa)(続き) 

マテリアルリサイクルによって再生可能な包装 

参照箇条 

包装全体の材料及び物質 

注記 

B.2(設計基準)c) 

3) リサイクルプロセスに

対して適合しない元素
又は物質の許容量 

メカニカルリサイクルプロセスへ投入す

る収集した容器の代表的な許容量の例 

目的プラスチック材料 

最小94 % 

他のプラスチック 

最大3〜5 % 

不純物 

最大3〜5 % 

実際の許容量は,多くの要素に依存す

るであろう。 

不純物は,通常,意図した包装以外の,プ

ラスチックではない材料,食品,又は家庭
からの排出物に起因する。 

注記 目的プラスチック材料の最小パーセ

ントは,リサイクル技術及び経済的能
力に依存する。ある場合には,このし
きい値が著しく低い場合がある。 

− 包装及び主要材料タイプ 

例 フィルム,ボトル,成形品,熱成

形品 

例 LDPE,HDPE,PET,PP,PS,

EPS,PVCなど 

− 個別リサイクル作業,追加の選別装

置及び洗浄装置を設備しているか。 

− リサイクル材料が使用される用途 

例 食品グレード包装,フェンスポス

ト,ゴミ袋,運搬袋,織物繊維な
ど 

別の例として,オレフィンのケミカルリサ

イクルプロセスへの,投入原料の代表的な
許容量を示す。 
投入原料 

自由流動粒サイズ 

最大10 mm 

250 μm以下の微細粒 

最大1 % 

水分 

最大1 % 

かさ密度 

最小300 kg/m3 

プラスチック含有量 

最小90 % 

ポリオレフィン含有量 

最小70 % 

非オレフィンプラスチック 最大4 % 

水分 

最大1 % 

発火物残さ 

最大4.5 % 

メタル残さ 

最大1 % 

塊中のプラスチック含有量の確認技術

は開発中であるが,現状では抜取検査及
び統計的解析に限定されている。 

 
技術は,許容量を広げられるよう開発

され続けるであろうが,逆に,リサイク
ル材の使用が増加することで,リサイク
ル仕様のより高い基準に対する要望が高
まり,表示許容量はますます狭め続けら
れるであろう。 

例 ケミカルリサイクルでは,メカニカ

ルリサイクルの前処理プロセスでメ
インの流れから除去できない他のプ
ラスチックも処理可能である。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表JB.4−プラスチックa)(続き) 

マテリアルリサイクルによって再生可能な包装 

参照箇条 

包装全体の材料及び物質 

注記 

B.5(収集及び分別のための
基準) 

収集及び分別システムへ

の適合性 

包装に使用していない次のリストにある

物質は,収集システムを通じて回収材料の
流れの中に非意図的にもち込まれたもので
あり,リサイクルプロセス中で除去が難し
いか,又はメインの流れのプラスチックに
混ぜることのできないものである。 

これは,リサイクルのために送られて

きた使用済みプラスチック包装に対応す
るための方策を見いだすための,材料及
び物質のタイプごとのガイドを提供す
る。 

− 金属 

− ガラス 

− 紙 

− 次のような他物質:ゴム,石,土,油,

グリス,木材,繊維及び塗料 

− 複合カートン材料,使い捨て小皿,電子

基板,電池,医療廃棄物,注射器及び注
射針,通常劣化しないプラスチックを劣
化させる特殊化学品が詰められていた
包装。 

− 食品,園芸廃棄物などの堆肥化できる廃

棄物 

− 有害な内容物残さがある包装 

包装に不可欠な原材料又は包装以外の原

材料に由来する,酸化分解性又は生分解性
のプラスチックなどの材料及び物質は,リ
サイクルのシステムによっては,得られる
製品の性能に問題を引き起こすことがある
ので注意が必要である。 

注a) 最も汎用的なリサイクル技術である,メカニカルリサイクルなどに利用できる。ケミカルリサイクルは,目的

とする利用方法によるが,より柔軟に適用できる場合があり,その例を次に示す。 

− この附属書の概要にあるリサイクル技術の進化に関する記述 
− プラスチックリサイクル物及びプラスチック廃棄物の分析に関するCEN/TR 15353及びEN 15342〜EN 15348

まで 

表中に示すこれらのガイドラインの許容量は指標であり,継続確認の対象である。これらの仕様は,地域の条件と

技術との違いのため,ガイドラインの許容量と相違が生じることがある。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表JB.5−スチール 

マテリアルリサイクルによって再生可能な包装 

参照箇条 

包装全体の材料及び物質 

注記 

B.2(設計基準)c) 

1) 部品の分離性 

− スチール製容器(スチール/アルミニウ

ム)の金属部品は分別可能である必要は
ない。 

例えば,缶の場合,包装設計にアルミ

ニウムがスチールと組み合わせて使わ
れていたなら,それは脱酸素剤として働
き,再溶解工程の効率を高める。 

 
− 非金属部品(キャップ,スリーブ)は,

使用者によって簡単に分別できる方が
よい。 

包装設計に関する制限はない。 
しかしながら,磁力選別及びスクラッ

プの品質向上は,収集及び分別されたス
チールスクラップが指定の清浄度を保証
する助けとなり,これによって最高の効
率で確実に特定グレードの品質基準に合
致する手助けとなる。 

2) リサイクルプロセスに

対する材料の組成又は
組合せの適合性 

スチールが主要原材料である限り,包装の

設計(プラスチック製又はアルミニウム製
のクロージャ及びディスペンサ,紙ラベル,
又はポリマー塗装の使用)に制限はない。 

3) リサイクルプロセスに

対して適合しない元素
又は物質の許容量 

地域,国又は会社特有のスチールスクラッ

プ仕様が普及している。 

例えば,欧州包装用スチールスクラッ

プ仕様規格(ドラフト版)(ぶりき) 

− 裁断品:鉄92 %以上 
− 圧縮品又はベール:金属分93 %以

上 

B.5(収集及び分別のための
基準) 

包装に系外から混入するおそれのある 

材料及び物質 

注記 

収集及び分別システムへの
適合性 

− その磁性故に,スチール製包装は全ての

収集体系に適合し,混合物,選別品,及
び焼却残さから容易に分離できる。 

− 包装は,包装廃棄物として排出される前

に最終使用者又は消費者によって空に
されることが望ましい。 

全てのガイドラインは方向性を示すものであり,進めながらチェックをする。各国の廃棄物供給業者と使用者とは

契約上の規格について直接交渉することがよい。これら規格は,地域及び技術の差異によって違いがでると考えられ
る。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表JB.6−木材 

マテリアルリサイクルによって再生可能な包装 

参照箇条 

包装全体の材料及び物質 

注記 

B.2(設計基準)c) 

1) 部品の分離性 

くぎ(箱及びパレット)及び針(木枠)は,

磁力選別機によって選別される。ゆえに,
くぎと針とは磁性体でなければならない。 

リサイクルプロセスの最初の工程は,

木材及び/又は包装を破砕することであ
る。 

この工程の中で,破砕された木材は磁

力選別機を通過する。 

2) リサイクルプロセスに

対する材料の組成又は
組合せの適合性 

塗料が塗られていない又は塗装されてい

ない木材−無含浸木材(例CCA: Chromated 
copper arsenateクロム銅ひ素系木材保存剤)
又は認められた化学物質の最大量を超えな
い木材 

 
木質包装は,主に無処理木材で製造され

る。 
注記 欧州パネル連盟はパネル材料となる

リサイクル木材に対して,許容された
化学物質の最高濃度を設定している。 

印刷をする場合,インキは重金属を一切含

んではならない。 

包装側面にのり付け紙の使用を避けるの

は好ましいことであり,スティック−オン 
ラベルの使用は認められている。 

パレット集積場では,自社パレットを

識別するために着色することがあり,最
も頻繁に使われるのは光沢ペンキであ
る。今日,この目的に使用されるペンキ
のほとんど全てが水性のものである。そ
れらは重金属を含有していない。 

 
木枠に使用されるインキの割合は,包

装の総重量の1/1 000未満である。 

 
これらは,パレット及び箱にとって無

視できると考えられている。 

3) リサイクルプロセスに

対して適合しない元素
又は物質の許容量 

木材,磁性のあるくぎ及びステープル以外

の材料は認められない。 

これは完全なリストではないが,木材

のリサイクルに許容できない材料及び物
質に関するガイドを提供している。 

使用後に残った紙,プラスチックフイル

ム,複合物,土,コンクリート及び繊維は,
分別又は除去されなければならない。 

有機廃棄物は認められない。 

使用者が汚染させた物も含めて,重金属又

は危険物を含めて,追加部品の痕跡があっ
てはならない。 

B.5(収集及び分別のための
基準) 

包装に系外から混入するおそれのある 

材料及び物質 

注記 

収集及び分別システムへの
適合性 

木材は通常識別しやすく,リサイクルする

上では包装中の部品及び成分による汚染,
及び廃棄物の流れの中での他材料による汚
染の両方がないことが基本である。 

木材及び磁力選別機で選別できる磁性の

部品以外は認められない。 

プラスチック,有機廃棄物その他の化学物

質汚染は認められない。 

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Z 0130-4:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

参考文献 

[1] JIS Q 9001,品質マネジメントシステム−要求事項 

注記 対応国際規格:ISO 9001,Quality management systems−Requirements(IDT) 

[2] JIS Q 14001,環境マネジメントシステム−要求事項及び利用の手引 

注記 対応国際規格:ISO 14001,Environmental management systems−Requirements with guidance for 

use(IDT) 

[3] JIS Q 14021,環境ラベル及び宣言−自己宣言による環境主張(タイプII環境ラベル表示) 

注記 対応国際規格:ISO 14021:1999,Environmental labels and declarations−Self-declared 

environmental claims (Type II environmental labelling)(IDT) 

[4] JIS Z 0112,包装−環境に関する用語 

[5] JIS Z 7001,プラスチック−環境側面−規格への一般導入指針 

注記 対応国際規格:ISO 17422,Plastics−Environmental aspects−General guidelines for their inclusion 

in standards(IDT) 

[6] 94/62/EC,European Packaging and Packaging Waste directive. 

[7] 2004/12/EC,Directive of the European parliament and of the Council of 11 February 2004 amending Directive 

94/62/EC on packaging and packaging waste. 

39 

Z 0130-4:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

[8] ISO 1043-1:2011,Plastics−Symbols and abbreviated terms−Part 1: Basic polymers and their special 

characteristics 

[9] ISO 15270,Plastics−Guidelines for the recovery and recycling of plastics waste 

[10] CEN/ TC 261 Packaging-Packaging and the environment−Material Recycling-Report on requirements for 

substances and materials to prevent sustained impediments to recycling 

[11] Mandate M 200 Rev 3, Mandate to CEN for standardization and a study related to packaging and packaging 

waste. 

[12] EN 13427,Packaging−Requirements for the use of European Standards in the field of packaging and 

packaging waste 

[13] EN 13437,Packaging and material recycling−Criteria for recycling methods 

[14] EN 15342,Plastics−Recycled Plastics−Characterization of Polystyrene (PS) recyclates 

[15] EN 15343,Plastics−Recycled Plastics−Plastics recycling traceability and assessment of conformity and 

recycled content 

[16] EN 15344,Plastics−Recycled Plastics−Characterization of Polyethylene (PE) recyclates 

[17] EN 15345,Plastics−Recycled Plastics−Characterization of Polypropylene (PP) recyclates 

[18] EN 15346,Plastics−Recycled plastics−Characterization of poly(vinyl chloride) (PVC) recyclates 

[19] EN 15347,Plastics−Recycled Plastics−Characterization of plastics wastes 

[20] EN 15348,Plastics−Recycled plastics−Characterization of poly(ethylene terephthalate) (PET) recyclates 

[21] EN 643,Paper and board−European list of standard grades of recovered paper and board 

[22] CEN/TR 15353,Plastics−Recycled plastics−Guidelines for the development of standards for recycled 

plastics 

[23] Eurofer/EFR Steel packaging scrap specifications European Packaging Steel Scrap Specification (Draft version) 

[24] European Panel Federation for Delivery Conditions of Recycled Wood (info from JL) 

[25] Institute of Scrap Recycling Industries Inc. Scrap Specifications Circular 

[26] http://www.plasticsrecycling.org/technical-resources 

[27] http://www.plasticsrecycling.org/technical-resources/design-for-recyclability-guidelines 

[28] http://www.plasticsrecycling.org/technical-resources/critical-guidance/critical-guidance-pet 

[29] http://www.plasticsrecycling.org/technical-resources/critical-guidance/critical-guidance-hdpe 

[30] http://www.pack4recycling.be 

[31] CHEMICAL RECYCLING ISO TECHNICAL REPORT 

[32] Italy−UNI E1325602H,Plastic raw-secondary materials−Blends of heterogeneous plastics based on 

polyolefins from industrial residue and/or from post consumer materials to be used for reducing processes in 

blast furnace−Part 17: Requirements and test methods (under development) 

[33] Italy−UNI E1325602I,Plastic raw-secondary materials−Blends of heterogeneous plastics based on 

polyolefins from industrial residue and/or from post consumer materials to be used for conversion into liquid 

and/or gas fuel−Part 18: Requirements and test methods (under development) 

[34] UNEP, Converting waste plastics into a resource. Compendium of technologies 2009 

[35] ISO/TR 16218,Packaging and the environment−Processes for chemical recovery 

[36] ISO/TR 17098,Packaging material recycling−Report on substances and materials which may impede 

recycling 

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Z 0130-4:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JC 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS Z 0130-4:2015 包装の環境配慮−第4部:マテリアルリサイクル 

ISO 18604:2013,Packaging and the environment−Material recycling 

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

3 用語及び
定義 

3.9 ケミカルリサイク
ル 

− 

追加 

ISO規格にはないケミカルリサイ
クルの定義を追加した。 

我が国の実状による。 

附属書JA
(参考) 

附属書JB
(参考) 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 18604:2013,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD ··············· 国際規格を修正している。 

5

Z

 0

1

3

0

-4

2

0

1

5

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。