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X 6319-1:2010  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義並びに略語 ···································································································· 1 

3.1 用語及び定義 ················································································································ 1 

3.2 略語 ···························································································································· 2 

4 電気的インタフェース ······································································································· 2 

4.1 電気的特性 ··················································································································· 2 

4.2 リセット応答 ················································································································ 3 

4.3 Answer-to-Reset ············································································································· 3 

5 伝送制御手順 ··················································································································· 6 

5.1 特徴 ···························································································································· 6 

5.2 伝送制御マトリクス ······································································································· 8 

X 6319-1:2010  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

ICカードシステム利用促進協議会(JICSAP)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具

して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正

した日本工業規格である。 

これによって,JIS X 6319-1:2005は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。 

JIS X 6319の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS X 6319-1 第1部:外部端子付きICカード 

JIS X 6319-2 第2部:外部端子なし近接型ICカード 

JIS X 6319-3 第3部:共通コマンド 

JIS X 6319-4 第4部:高速処理用近接型ICカード(予定) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

X 6319-1:2010 

ICカード実装仕様− 

第1部:外部端子付きICカード 

Specification of implementation for integrated circuit cards- 

Part 1: Integrated circuit cards with contacts 

序文 

この規格は,2005年に制定され,その後のJIS X 6320-1,JIS X 6320-2,JIS X 6320-3及びJIS X 6320-4

の制定に対応するために今回改正した。 

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。 

適用範囲 

この規格は,JIS X 6320-1,JIS X 6320-2,JIS X 6320-3及びJIS X 6320-4に適合している特性をもった

ICカードの実装仕様として,電気的インタフェース及び伝送制御手順について規定する。この規格をJIS X 

6319規格群(ICカード実装仕様)に適合する外部端子付きICカードに適用する場合には,この規格に加

えて,“第3部:共通コマンド”を一緒に用いる。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS X 0304 国名コード 

JIS X 6320-1 識別カード−ICカード−第1部:外部端子付きICカードの物理的特性 

JIS X 6320-2 識別カード−ICカード−第2部:外部端子付きICカードの端子の寸法及び位置 

JIS X 6320-3 識別カード−ICカード−第3部:外部端子付きICカードの電気的インタフェース及び

伝送プロトコル 

JIS X 6320-4 識別カード−ICカード−第4部:交換のための構成,セキュリティ及びコマンド 

用語及び定義並びに略語 

3.1 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS X 6320-1,JIS X 6320-2,JIS X 6320-3及びJIS X 6320-4に

よるほか,次による。 

3.1.1 

事象 

ICカードに対して起きた伝送プロトコル上の変化。 

X 6319-1:2010  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.1.2 

状態 

ICカードがどのような手順で伝送上の信号を待機しているのかを示すもの。 

3.1.3 

伝送制御マトリクス 

伝送上のある状態における事象の発生によるICカードの反応を説明する図表。 

3.2 

略語 

この規格で用いる主な略語は,次による。 

3.2.1 

DF(dedicated file) 

専用ファイル(この規格では,管理情報バイトで使用する。)(JIS X 6320-4参照)。 

3.2.2 

EF(elementary file) 

基礎ファイル(この規格では,管理情報バイトで使用する。)(JIS X 6320-4参照)。 

3.2.3 

IFD(interface device) 

接続装置(JIS X 6320-3参照)。 

3.2.4 

IFS(maximum information field size) 

最大情報フィールド長(JIS X 6320-3参照)。 

3.2.5 

IFSC(IFS for the card) 

ICカードの最大情報フィールド長(この規格では,Answer-to-Resetで使用する。)(JIS X 6320-3参照)。 

3.2.6 

IFSD(IFS for the interface device) 

接続装置の最大情報フィールド長(この規格では,Sブロックで使用する。)(JIS X 6320-3参照)。 

3.2.7 

NAD(node address) 

半二重ブロック伝送プロトコル(T=1)で規定されるノードアドレス(JIS X 6320-3参照)。 

3.2.8 

PPS(protocol and parameters selection) 

プロトコル及びパラメタ選択(JIS X 6320-3参照)。 

3.2.9 

SPU端子(standard or proprietary use contact) 

標準又は個別利用端子(JIS X 6320-3参照)。 

電気的インタフェース 

4.1 

電気的特性 

4.1.1 

SPU(C6)端子 

カードのSPU(C6)端子は,現時点で有効な利用方法が標準化されていないので,電気的に接続されて

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いないものとし,未使用とする。端末側の端子C6がVCC又はGNDに接続されても,ICカードは破損し

てはならない。 

注記 これは,JIS X 6304:2000(現在は廃止)に対応した接続装置は,端子C6をVCC又はGNDに

接続する場合があるからである。 

4.1.2 

各端子の電気的特性 

各端子の電気的特性は,JIS X 6320-3で規定するクラスA,クラスAB又はクラスABCとする。 

4.2 

リセット応答 

4.2.1 

リセット応答期間の伝送速度 

リセット応答期間の伝送速度は,JIS X 6320-3に従う。これは,3.571 2 MHzのクロック信号を供給する

と9 600 bit/sとなる。 

4.2.2 

リセット応答出力動作 

リセット応答の出力動作は,JIS X 6320-3に従う。 

なお,この規格では,ICカードが伝送する連続した二つのバイトのスタートビット先端間の遅延は,960 

etuを超えてはならない。 

注記 接続装置は,待ち時間を9 600 etu以上にすることが望ましい[JIS X 6320-3の8.1(キャラクタ

及び符号化規約)参照]。 

4.2.3 

ウォームリセット 

リセット応答中に行われたウォームリセットに対するICカードの動作は,規定しない。接続装置は,リ

セット応答中にウォームリセットを行わないことが望ましい[JIS X 6320-3の6.2.3(ウォームリセット)

参照]。 

4.3 

Answer-to-Reset 

4.3.1 

コールドリセットにおけるAnswer-to-Reset 

コールドリセットのAnswer-to-Resetは,表1による。 

表1−開始キャラクタ及びAnswer-to-Reset(コールドリセット) 

項目 

記号a) 

値b) 

内容 

開始バイトc) 

TS 

“3B” 

送出順序:先頭のビットが最下位ビット 
データ論理:正論理 

構成表示バイト 

T0 

“E*”又
は“F*” 

上位4ビット:TA1〜TD1の有無 
下位4ビット:管理情報バイトの数 

接続情報バイト 

(TA1) 

“**” 

省略時値以外のFi/Di 

TB1 

“00” 

JIS X 6304:1993(現在は廃止)及びJIS X 6304:2000(現在は廃止)で
はVPPで使用されていたが,JIS X 6320-3では使用しない。d) 

TC1 

“FF” 

保護時間(GT) 

TD1 

“*1” 

上位4ビット:TA2〜TD2の有無 
下位4ビット:T=1 

(TA2) 

“01” 

パラメタF/DのTA1への切替え可能を表示 
(基本モードと固有モードとの切替えが必要な場合に設定する。)。 
下位4ビット:T=1 

TD2 

“31”又

は“D1” 

上位4ビット:TA3〜TD3の有無 
下位4ビット:T=1 

TA3 

“**” 

ICカードの情報フィールド長(IFSC)e) 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1−開始キャラクタ及びAnswer-to-Reset(コールドリセット)(続き) 

項目 

記号a) 

値b) 

内容 

接続情報バイト 
(続き) 

TB3 

“**” 

上位4ビット:BWI(≦4) 

BWT=2BWI×960×372/f 秒+11 etu 

下位4ビット:CWI(任意) 

CWT=(2CWI+11) etu 

(TD3) 

“*F” 

上位4ビット:TA4〜TD4の有無 
下位4ビット:T=15(以降のバイトは共通接続情報を示す。) 

(TA4) 

“**” 

b8・b7:クロック停止インディケータX 
b6〜b1:クラスインディケータY 
クラスA:公称供給電圧 5 V 
クラスB:公称供給電圧 3 V 
クラスC:公称供給電圧 1.8 V 

管理情報バイト 

(T1) 

“80” 

カテゴリ指標子 
(圧縮符号化TLVデータ対象で構成) 

(T2) 

“12” 

上位:国名コードタグ番号 
下位:長さ 

(T3) 

“39” 

日本の国名コード 
(JIS X 0304国名コードによって,“392”とする。) 

(T4) 

“2F” 

(T5) 

“31” 

上位:ICカードサービスデータタグ番号 
下位:長さ 

(T6) 

“C0” 

応用システムに依存しないICカードサービス 

(T7) 

“73” 

上位:ICカード能力タグ番号 
下位:長さ 

(T8) 

“C7” 

ソフトウェア機能表示バイト1 f) 

(T9) 

“01” 

ソフトウェア機能表示バイト2 g) 

(T10) 

“49” 

ソフトウェア機能表示バイト3 h) 

検査バイト 

TCK 

“**” 

T0〜T10の排他的論理和 

注a) ( )のバイトは,プロトコル条件変更などが必要な場合に設定する。 

b) バイトの値は推奨値であり,詳細はJIS X 6320-3及びJIS X 6320-4を参照。 

c) 開始キャラクタTSバイトは,Answer-to-Resetに含まれない。 

d) JIS X 6320-3では,“ICカードは送信しないほうがよい”とあるが,JIS X 6304:2000(現在は廃止)では,省

略時値は“05”となっていた。そのため,この規格では,“00”を設定することを推奨する。 

e) JIS X 6320-3では,“20”(32)以上を推奨している(JIS X 6320-3の11.4.2の注記1参照)。 

f) ソフトウェア機能表示バイト1は,少なくとも,次の各機能に対応するビットを1とする[ただし,必す(須)

としない。]。 
1) DF選択時の使用可能識別子 

− 完全DF名による選択が可能 
− 部分DF名による選択が可能 

2) EF管理,参照時の使用可能識別子 

− 短縮EF識別子による参照が可能 
− レコード番号による参照が可能 

g) ソフトウェア機能表示バイト2は,ニブル数換算したデータ単位の長さ(=2ニブル)とする。 

h) ソフトウェア機能表示バイト3は,少なくとも,次の各機能に対応するビットに1を設定し,最大論理チャ

ネル番号を符号化する。 
1) 拡張Lcフィールド及び拡張Leフィールドに対応(ただし,必すとしない。) 
2) 論理チャネルの割付け関連 

− “接続装置がチャネル番号を割り付ける。”を選択する。 
− ICカードが提供する最大チャネル数は,1が望ましい。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.3.2 

ウォームリセットにおけるAnswer-to-Reset 

ウォームリセットのAnswer-to-Resetは,表2による。 

表2−開始キャラクタ及びAnswer-to-Reset(ウォームリセット) 

項目 

記号a) 

値b) 

内容 

開始バイトc) 

TS 

“3B” 

送出順序:先頭のビットが最下位ビット 
データ論理:正論理 

構成表示バイト 

T0 

“E*” 

上位4ビット:TA1〜TD1の有無 
下位4ビット:管理情報バイトの数 

接続情報バイト 

TB1 

“00” 

JIS X 6304:1993(現在は廃止)及びJIS X 6304:2000(現在は廃止)で
はVPPで使用されていたが,JIS X 6320-3では使用しない。d) 

TC1 

“**” 

保護時間(GT) 

CWT-1etu以下 

TD1 

“81” 

上位4ビット:TA2〜TD2の有無 
下位4ビット:T=1 

TD2 

“31” 

上位4ビット:TA3〜TD3の有無 
下位4ビット:T=1 

TA3 

“**” 

ICカードの情報フィールド長(IFSC)e) 

TB3 

“**” 

上位4ビット:BWI(≦4) 

BWT=2BWI×960×372/f 秒+11 etu 

下位4ビット:CWI(≦5)f) 

CWT=(2CWI+11) etu 

管理情報バイト 

(T1) 

“80” 

カテゴリ指標子 
(圧縮符号化TLVデータ対象で構成) 

(T2) 

“12” 

上位:国名コードタグ番号 
下位:長さ 

(T3) 

“39” 

日本の国名コード 
(JIS X 0304国名コードによって,“392”とする。) 

(T4) 

“2F” 

(T5) 

“31” 

上位:ICカードサービスデータタグ番号 
下位:長さ 

(T6) 

“C0” 

応用システムに依存しないICカードサービス 

(T7) 

“73” 

上位:ICカード能力タグ番号 
下位:長さ 

(T8) 

“C7” 

ソフトウェア機能表示バイト1 g) 

(T9) 

“01” 

ソフトウェア機能表示バイト2 h) 

(T10) 

“49” 

ソフトウェア機能表示バイト3 i) 

検査バイト 

TCK 

“**” 

T0〜T10の排他的論理和 

注a) ( )のバイトは,プロトコル条件変更などが必要な場合に設定する。 

b) バイトの値は推奨値であり,詳細はJIS X 6320-3及びJIS X 6320-4を参照。 

c) 開始キャラクタTSバイトは,Answer-to-Resetに含まれない。 

d) JIS X 6320-3では,“ICカードは送信しないほうがよい”とあるが,JIS X 6304:2000(現在は廃止)では,省

略時値は“05”となっていた。そのため,この規格では,“00”を設定することを推奨する。 

e) JIS X 6320-3では,“20”(32)以上を推奨している(JIS X 6320-3の11.4.2の注記1参照)。 

f) CWT≦5でない場合,動かない接続装置が存在する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表2−開始キャラクタ及びAnswer-to-Reset(ウォームリセット)(続き) 

注g) ソフトウェア機能表示バイト1は,少なくとも,次の各機能に対応するビットを1とする[ただし,必す(須)

としない。]。 
1) DF選択時の使用可能識別子 

− 完全DF名による選択が可能 
− 部分DF名による選択が可能 

2) EF管理,参照時の使用可能識別子 

− 短縮EF識別子による参照が可能 
− レコード番号による参照が可能 

h) ソフトウェア機能表示バイト2は,ニブル数換算したデータ単位の長さ(=2ニブル)とする。 

i) ソフトウェア機能表示バイト3は,少なくとも,次の各機能に対応するビットに1を設定し,最大論理チャ

ネル番号を符号化する。 
1) 拡張Lcフィールド及び拡張Leフィールドに対応(ただし,必すとしない。) 
2) 論理チャネルの割付け関連 

− “接続装置がチャネル番号を割り付ける。”を選択する。 
− ICカードが提供する最大チャネル数は,1が望ましい。 

伝送制御手順 

5.1 

特徴 

このICカードの伝送制御手順は,半二重ブロック伝送プロトコル(T=1)[JIS X 6320-3の箇条11(プ

ロトコルT=1,半二重ブロック伝送)参照]による。ただし,“プロトコル及びパラメタの選択(PPS)”

[JIS X 6320-3の箇条9(プロトコル及びパラメタの選択)参照]によって,T=1の許容する範囲内でプ

ロトコル動作条件を変更してもよい。リセット応答に加え,ICカードの伝送制御について,次に規定する。 

a) 低電圧駆動(3 V及び1.8 V) ICカードが低電圧駆動可能である場合には,その旨をクラスインディ

ケータにて表示してもよい。このとき,必要であればクロック停止についても表示する。 

b) 異常電文 ICカードは,異常電文を受信したとき,ICカードの状態によって,表3のように動作する。 

表3−異常電文を受信したときのICカードの動作 

状態 

事象 

ICカードの動作 

NAD未確立状態 

− NADのb8=1又はb4=1 
− 電文がEDC誤り 

次のいずれかとする。 

− ICカードは,NADを確立せず,無応答 
− ICカードは,NADを確立し,Rブロックにて応答 

− NADのパリティ誤り 

ICカードは,無応答 

NAD確立状態 

− NADのb8=1又はb4=1 
− NADのパリティ誤り 

ICカードは,無応答 

− 電文がEDC誤り 

ICカードは,Rブロック又はSブロックにて応答 

c) Sブロック使用時の詳細 Sブロック使用時の詳細は,次による。 

1) ICカードは,S(IFS request)を出力しない。 

2) ICカードは,ブロック連鎖のIブロック受信後に誤りを起こした場合には,S(ABORT request)を

出力しブロック連鎖を中断する。ICカードは,その応答としてのS(ABORT response)受信後には,

Iブロックによるステータスコード又はRブロックを出力後,初期状態に戻る(表6 伝送制御マト

リクスの状態8,事象Kを参照)。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3) ICカードがS(IFS request)を受信した場合には,次のように動作する。 

3.1) 接続装置は,IFSDを32バイト以上で指定する。IFSDを32バイト未満で指定された場合のICカ

ードの応答内容及び指定されたIFSDのサイズに合わせて応答するかについては,この規格では規

定しない。 

注記 接続装置は,リセット応答後,又はPPS交換正常終了後のいずれかの時点で,S(IFS 

request)(IFSD=254バイトを指定)を送出することが望ましい。 

3.2) ICカードの最大出力長より大きなIFSDが指定された場合には,正常に変更された旨の応答を行

い,ICカードは,応答後にIFSCを最大出力長に設定する。 

4) ICカードがS(RESYNCH request)を受信した場合には,NADは保持し,ブロックシーケンス番号

及び接続装置は初期状態に戻す。 

d) 誤り検出符号(EDC) ブロックの最終フィールドに当たる誤り検出符号(EDC)は,NADから情報

フィールドの最終バイトまでのすべてのバイトの排他的論理和である水平冗長符号(LRC)1バイト

とする。 

e) 動作モードの選択並びにプロトコル及びパラメタの選択(PPS) 

1) 動作モードの選択 動作モードの選択は,次による。 

1.1) ICカードが基本動作モードを示した場合(Answer-to-ResetにTA2が存在しない場合) 

− ICカードは,切替え可能なパラメタFi及びDiをそれぞれTA1の上位4ビット及び下位4ビッ

トで示す。 

− 接続装置は,次の三つのいずれかの動作を行う。 

− そのまま初期伝送プロトコルで通信を行う。 

− PPS1にFd〜Fi及びDd〜Diの範囲のF及びDの値を提示し,PPS交換を行う。PPS交換正常

終了後,基本伝送プロトコルで通信を行う。 

− ウォームリセットを行い,固有動作モードへの切替えを可能とする。 

1.2) ICカードが固有動作モードを示した場合(Answer-to-ResetにTA2が存在する場合) 

− ICカードは,切替え可能なパラメタFi及びDiをそれぞれTA1の上位4ビット及び下位4ビッ

トで示す。 

なお,表1によって,TA2=“01”を推奨する。 

− 接続装置は,TA1及びTA2の値によって,表4の動作を行う。 

表4−固有動作モードでの接続装置の動作 

F及びDの値 

TA2 

接続装置の動作 

ビットb8 

ビットb5 

接続装置が対応可能 

固有伝送プロトコルで通信を行う。F及びDは,TA1で定義さ
れた整数値Fi及びDiを適用する。 

固有伝送プロトコルで通信を行う。F及びDは,暗黙的に定義
される値を適用する。 

接続装置が対応不可能 

ウォームリセットを行い,基本動作モードへの変更を可能とす
る。 

非活性化を行う。 

注記 2回以上のウォームリセットの動作については,規定しない。 

2) プロトコル及びパラメタの選択(PPS) プロトコル及びパラメタの選択(PPS)は,次による(JIS 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

X 6320-3の箇条9参照)。 

− プロトコル及びパラメタの選択は,PPS交換による。 

− PPS交換は,PPSプロトコルによって行われ,その開始は,接続装置にだけ許される。 

− PPS応答がPPS要求をそのまま返送してきた場合には,PPS交換が正常に終了したことを示し,

以降は,PPS応答で示されたプロトコルを使用する。 

− PPS交換で伝送速度の変更を可能とする。 

注記 PPS要求及び応答の構造を,表5に示す。 

表5−PPS要求及び応答の構造 

項目 

記号 

データ 

内容 

開始バイト 

PPSS 

“FF” 

PPS要求又はPPS応答であることを識別する。 

構成表示バイト 

PPS0 

“11” 

上位:b8=0将来のために留保 
   b7:PPS3,b6:PPS2,b5:PPS1 
   後続する各パラメタバイトの存在を示す。 
下位(b4〜b1):プロトコルTの値を示す。 

パラメタバイト 

PPS1 

“**” 

TA1と同様の符号化(F及びD)を示す。 
接続装置からの要求及びICカードからの応答を示す。 
PPS1が表示されない場合には,Fd及びDdを引き続き使用す
る。 

検査バイト 

PCK 

“**” 

PPSS〜PPS1の排他的論理和 

− PPS2(SPU)は,追加しない。 

5.2 

伝送制御マトリクス 

ICカードの伝送制御マトリクスは,表6のとおりとする。 

マトリクス表は,縦軸にはICカードの状態(ステータス)を,横軸にはICカードが外部から受け取る

事象(イベント)を規定している。 

縦軸と横軸との交差する欄には,ICカードが縦軸の状態で,横軸の事象が発生したとき,ICカードが次

に移行する状態を縦軸の番号で示す。 

なお,伝送制御マトリクス中の状態0“プロトコル開始状態”とは,NAD未確立状態を示し,状態1“初

期状態”とは,NAD確立後の受信待ち状態を示す。また,マトリクス内の★によるカウンタ更新が連続3

回生じると,3回目に到達した時点でICカードを無応答状態とする。このとき,少なくともS(RESYNCH 

request)ブロックは受信可能とし,Sブロック正常受信及び応答処理以降,伝送処理が正常状態に復帰す

る。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表6−伝送制御マトリクス 

事象 

状態 

Iブロック受信(IFDから) 

Rブロック受信(IFDから) 

Sブロック受信(IFDから) 

異常電文受信 

連鎖無 

I(0,0)=00h 

連鎖無 

I(1,0)=40h 

連鎖有 

I(0,1)=20h 

連鎖有 

I(1,1)=60h 

R(0)=8Xh 

R(1)=9Xh 

要求 

S(RES)=C0h 

要求 

S(IFS)=C1h 

要求 

S(ABT)=C2h 

応答 

S(IFS)=E1h 

応答 

S(ABT)=E2h 

応答 

S(WTX)=E3h 

誤り電文 

(EDC誤り, 

パリティ誤り) 

誤り電文 

(PCB誤り) 

CWタイム 

アウト 

異常NAD 

電文 

0 プロトコル 

開始状態 

I(0,0)→2 

I(0,1)→4 

R(0)=82h 

→★1 

R(1)=90h 

→7 

S(ABT)=C2h 

→8 

R(0)=82h 

→★1 

応答 

S(RES)=E0h 

→1 

応答 

S(IFS)=E1h 

→1 

応答 

S(ABT)=E2h 

→1 

R(0)=82h→★1 

R(0)=81h 

→★1 

R(0)=82h→★1 

→☆ 

1 初期状態 

 R(1)=92h 

→★ 

 I(1,0)→3 

I(1,1)→5 

  

R(1)=92h 

→★ 

R(1)=90h 

→7 

 S(ABT)=C2h 

 →8 

R(0)=80h 

→6 

S(ABT)=C2h 

→8 

R(0)=82h 

→★ 

R(1)=92h 

→★ 

R(0)=82h 

→★ 

応答 

S(IFS)=E1h 

→☆ 

R(1)=92h→★ 

R(0)=82h→★ 

R(1)=91h 

→★ 

R(0)=81h 

→★ 

R(1)=92h→★ 

R(0)=82h→★ 

 I(1,0)→3 

I(1,1)→5 

 R(0)=82h 

→★ 

 R(1)=92h 

→★ 

 I(0,0)→2 

I(0,1)→4 

 I(0,0)→2 

I(0,1)→4 

 R(0)=82h 

→★ 

2 I(0,0)=00h 

(連鎖無) 

送信後 

受信待ち状態 

 R(1)=92h 

→★ 

 I(1,0)→3 

I(1,1)→5 

I(0,0)=00h 

→☆ 

R(1)=92h 

→★ 

 I(1,0)→3 

I(1,1)→5 

 R(0)=82h 

→★ 

 R(0)=82h 

→★ 

3 I(1,0)=40h 

(連鎖無) 

送信後 

受信待ち状態 

 R(1)=92h 

→★ 

 I(0,0)→2 

I(0,1)→4 

R(1)=92h 

→★ 

 I(1,0)=40h 

→☆ 

 I(0,0)→2 

I(0,1)→4 

 R(0)=82h 

→★ 

 R(0)=82h 

→★ 

4 I(0,1)=20h 

(連鎖有) 

送信後 

受信待ち状態 

 R(1)=92h 

 →★ 

R(0)=82h 

→★ 

I(0,1)=20h 

→☆ 

I(1,0)=40h 

→3 

I(1,1)=60h 

→5 

S(ABT)=C2h 

→ 8 

5 I(1,1)=60h 

(連鎖有) 

送信後 

受信待ち状態 

I(0,0)=00h 

→2 

I(0,1)=20h 

→4 

I(1,1)=60h 

→☆ 

S(ABT)=C2h 

→ 8 

6 R(0)=80h 

(next=連鎖) 

送信後 

受信待ち状態 

I(1,0)→3 

I(1,1)→5 

R(0)=80h 

→★ 

R(1)=90h 

→7 

S(ABT)=C2h 

→8 

R(0)=80h 

→★ 

R(0)=80h 

→★ 

R(0)=80h 

→☆ 

R(0)=80h→★ 

I(0,0)→2 

I(0,1)→4 

R(0)=80h 

→☆ 

R(0)=80h 

→★ 

2

X

 6

3

1

9

-1

2

0

1

0

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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10 

X 6319-1:2010  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表6−伝送制御マトリクス(続き) 

事象 

状態 

Iブロック受信(IFDから) 

Rブロック受信(IFDから) 

Sブロック受信(IFDから) 

異常電文受信 

連鎖無 

I(0,0)=00h 

連鎖無 

I(1,0)=40h 

連鎖有 

I(0,1)=20h 

連鎖有 

I(1,1)=60h 

R(0)=8Xh 

R(1)=9Xh 

要求 

S(RES)=C0h 

要求 

S(IFS)=C1h 

要求 

S(ABT)=C2h 

応答 

S(IFS)=E1h 

応答 

S(ABT)=E2h 

応答 

S(WTX)=E3h 

誤り電文 

(EDC誤り, 

パリティ誤り) 

誤り電文 

(PCB誤り) 

CWタイム 

アウト 

異常NAD 

電文 

7 R(1)=90h 

(next=連鎖) 

送信後 

受信待ち状態 

R(1)=90h 

→★ 

I(1,0)→3 

I(1,1)→5 

R(1)=90h 

→★ 

R(0)=80h 

→6 

S(ABT)=C2h 

→8 

R(1)=90h 

→★ 

R(1)=90h 

→☆ 

応答 

S(RES)=E0h 

→1 

応答 

S(IFS)=E1h 

→☆ 

応答 

S(ABT)=E2h 

→1 

R(1)=90h→★ 

→☆ 

I(0,0)→2 

I(0,1)→4 

R(1)=90h 

→☆ 

R(1)=90h 

→★ 

8 要求 

S(ABT)=C2h 

送信後 

受信待ち状態 

要求 

S(ABT)=C2h→★ 

要求 

S(ABT)=C2h→★ 

I(1,0)=40h→3 

I(0,0)=00h→2 

要求 

S(ABT)=C2h→★ 

R(0)=80h→1 

R(1)=90h→1 

9 要求 

S(WTX)=C3h 

送信後 

受信待ち状態 

要求 

S(WTX)=C3h→★ 

要求 

S(WTX)=C3h→★ 

この状態に遷

移する前に送

信すべきもの

を送信しその

状態へ 

要求 

S(WTX)=C3h→★ 

注記1  

① 

② 

①:受信シーケンス番号(内部r)が“1”の場合 
②:受信シーケンス番号(内部r)が“0”の場合 

注記2  

① 

①:送信シーケンス番号(内部s)が“1”の場合 

② 

②:送信シーケンス番号(内部s)が“0”の場合 

注記3  

① 

①:Iブロック送信の場合 

② 

②:Rブロック又はSブロック送信の場合 

注記4 Answer-to-Resetで示したBWT以内で応答を返せないとき,状態9のS(WTX request)を使用する。 
注記5 ☆:直前の送信状態へ戻る。 
注記6 ★:直前の送信状態へ戻る。 
注記7 ★X:Xの状態へ遷移する。 
注記8 8Xh又は9XhのXは,0〜2を意味する。また,hは,16進数であることを意味する。 
注記9 ★による同一事象が連続3回行われると,ICカードは3回目に到達した時点で無応答となる。このとき,少なくともS(RESYNCH request)ブロックは受信可能

とする。 

注記10 状態8において,必要ならば事象KでRブロックを返してもよい。 
注記11 RESはResponseの略号。 
注記12 ABTはABORTの略号。 
注記13 異常NADは表3を参照。 

2

X

 6

3

1

9

-1

2

0

1

0

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。