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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

X 0011-1989 

情報処理用語(処理装置) 

Glossary of Terms Used in Information Processing  

(Processing Units)  

1. 適用範囲 この規格は,情報処理における処理装置に関する主な用語とその読み方,意味及び対応英

語について規定する。 

備考1. この規格は,国際規格ISO 2382/11-1987に準拠している。 

2. この規格の中で,側線を施してある箇所は,国際規格ISO 2382/11-1987にはない事項を示す。

この場合,対応英語は参考とする。 

引用規格: 

JIS X 0010 情報処理用語(操作技法及び機能) 

対応国際規格: 

ISO 2382/11-1987 Information processing systems−Vocabulary−Part 11: Processing units 

関連規格: 

JIS X 0001 情報処理用語(基本用語) 

2. 表記法 この規格では,各用語を,番号,用語及び読み方,意味並びに対応英語の四つの欄に分けて

記述する。それぞれの欄における表記法を次に示す。 

(1) 番号に関する表記法 番号は,6個の数字によって表す。最初の2けたの数字は,情報処理用語規格

番号の末尾2けたを,次の2けたの数字は,同一分類のこの規格の区分を意味する。最後の2けたの

数字は,同一区分の一連番号とする。 

(2) 用語及び読み方に関する表記法 

(2.1) 同一の意味を表す用語が二つ以上ある場合は,その順位に従って優先使用する。 

(2.2) 用語の一部が丸括弧 ( ) で囲まれている場合は,その部分を省略してもよいことを表す。この場

合は,括弧内を省略したときと省略しないときとの間に優先順位はない。 

例1: “自動(的)”は,“自動”又は“自動的”を表す(01.01.04参照)。 

例2: “(計算機)プログラム”は,“計算機プログラム”又は“プログラム”を表す(01.04.01

参照)。 

(2.3) 用語が幾つもの類似の意味をもつ場合には,それらを個々に規定し,用語の前に(1),(2),……を付

ける。 

例: 

“(1)引き数”(02.02.02参照),“(2)引き数”(02.02.03参照) 

(2.4) 類似の意味をもち,しかもその記述がほとんど同一である二つ以上の用語は,角括弧 [ ] を用い

て一つにまとめて規定する。この場合,用語及び読み方欄の [ ] に対して,意味欄の対応する [ ] 

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X 0011-1989  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

を採るものとする。 

例: 

次の(a)と(b)とは同じ(02.10.05参照)。 

(a) 用語及び読み方 

意味 

2項[N項]演算 

2個[N個]のオペランドに対する演算。 

(b) 用語及び読み方 

意味 

2項演算 

2個のオペランドに対する演算。 

N項演算 

N個のオペランドに対する演算。 

(2.5) 用語の使用分野を限定する場合には,用語に引き続く丸括弧 ( ) 内にそのことを示す。 

例1: “情報(データ処理及び事務機械における)”(01.01.02参照) 

例2: “呼出し(プログラミングにおける)”(07.09.04参照),“呼出し(データ網における)”

(09.06.08参照) 

(2.6) 文法上の用法又は省略形などを,用語に引き続く丸括弧 ( ) 内に示す。 

例: 

“SYSGEN(頭字語)”(10.02.18参照),“DP(省略形)”(01.01.03参照) 

(2.7) 漢字が常用漢字表にない場合には,仮名で示し,それに引き続く山括弧< >内に該当する漢字を

示す。 

例: 

“はん<汎>用レジスタ”(11.02.08参照) 

(2.8) 用語の読み方は,振り仮名によって示す。ただし,用語が英字からなり,その読み方が各英字の読

み方どおりの場合には,振り仮名は付けない。 

例1: (データ)しょり

処理(01.01.03参照) 

例2: 

こぼる

COBOL(07.02.22参照) 

例3: DP(01.01.03参照) 

(3) 意味に関する表記法 

(3.1) 文中で下線(実線)の引いてある語は,情報処理用語に関する日本工業規格に規定されている用語

であることを示す。 

(3.2) 角括弧 [ ] の使い方については,(2.4)を参照のこと。 

(4) 対応英語に関する表記法 

(4.1) この欄の英語は,国際規格ISO 2382/11-1987に規定されている用語であって,規定されている意味

と対応する。 

(4.2) 対応英語について使用上の注意事項がある場合には,対応英語に引き続く丸括弧 ( ) 内に示す。 

(4.3) 対応英語に付けられた括弧内の注記の意味は,次のとおりとする。 

(使用しないほうがよい。):国際規格及びこの規格では,この英語を使用しないので,使用しな

いほうがよいことを示す。 

例: 

02.04.01 logic function(使用しないほうがよい。) 

(使用してはいけない。):国際規格及びこの規格では,用語統一の見地から,この英語を使用し

てはいけないことを示す。 

(この意味では使用しないほうがよい。):国際規格及びこの規格では,他の意味で使われている

ため,この英語を使用しないほうがよいことを示す。 

(××だけ):この英語は××(国名)だけで通用することを示す。 

例: 

02.02.07 range(オーストラリアだけ) 

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X 0011-1989  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

また,角括弧及び使用分野を限定する丸括弧の用法は,“用語及び読み方”の欄と同様とする。 

3. 情報処理用語(処理装着) 主な用語について,次のとおり定める。 

11.01 処理装置のアーキテクチャー般 

番号 

用語及び読み方 

意味 

対応英語 

11.01.01 

しょりきこう

処理機構, 
プロセッサ 

計算機において,命令を解釈し,実行する機能単位。 

備考1. 処理機構は,少なくとも一つの命令制御装置と,

算術論理演算装置とからなる。 

2. この項はJIS X 0010-1987[情報処理用語(操作

技法及び機能)]の10.01.02を置き換える。 

processor 

11.01.02 

(めいれい

命令)

せいぎょそうち

制御装置 

(めいれい

命令)

せいぎょきこう

制御機構 

処理機構において,適切な順番で命令を取り出し,各命令を解
釈し,その解釈に従って算術論理演算装置やその他の部分へ適
切な信号を与える部分。 

(instruction) control unit 

11.01.03 

しゅせいぎょそうち

主制御装置, 

しゅせいぎょきこう

主制御機構 

一つの処理機構に二つ以上の命令制御装置がある場合,ある与
えられた時間において,他のすべての命令制御装置を従属させ
る命令制御装置。 

備考 オペレーティングシステムにおいて,一つの命令制

御装置を主制御装置として指定するのは,ハードウ
ェア,ソフトウェア又は双方のいずれであってもよ
い。 

main control unit 

11.01.04 

こくじきこう

刻時機構, 
クロック 

処理機構の演算の規制,割込みの発生,計時などの目的に使用
される,正確な時間間隔をもった周期的信号を生成する機構。 

clock 

11.01.05 

しゅこくじさこう

主刻時機構, 

しゅ主クロック 

他の刻時機構を制御することを主な機能とする刻時機構。 

master clock 

11.01.06 

マイクロプロセッサ 

1個又は数個の集積回路にその要素が集約されている処理機
構。 

micro processor 

11.01.07 

たじゅう

多重プロセッサ, 
マルチプロセッサ 

一つの主記憶装置に共通にアクセスする二つ以上の処理機構
をもつ計算機。 

multiprocessor 

11.01.08 

さんじゅつ

算術[ろんり

論理] 

[さんじゅつろんり

算術論理]えんざんそうち

演算装置,

さんじゅつ

算術[ろんり

論理] 

[さんじゅつろんり

算術論理]

えんざんきこう

演算機構

さんじゅつ

算術,ALU(省略形) 

処理機構において,算術演算[論理演算][算術演算と論理演
算]を行う部分。 

備考 算術演算装置という用語は,算術演算及び論理演算

の両方を行う装置に対しても使われることがある。 

arithmetic 

[logic]   

[arithmetic and logic] unit, 
ALU 

11.01.09 

パイプライン

しょりそうち

処理装置,パイプライ

しょりきこう

処理機構 

命令の実行が一連の装置で行われ,かつ,これら複数の装置が
複数の命令の適切な部分を同時に処理できるようになってい
る処理機構。 

pipeline processor 

11.01.10 

アレイ

しょりそうち

処理装置, 

ベクトル

しょりそうち

処理装置, 

アレイ

しょりきこう

処理機構, 

ベクトル

しょりきこう

処理機構 

オペランドが単一の要素だけでなく,データの配列であるよう
な命令を実行することができる処理機構。 

備考 アレイ処理装置が単一の要素について動作するよ

うな特別な場合には,このような要素を“スカラ”
と称する。 

array processor, 
vector processor 

11.01.11 

ぼせん

母線, 
バス 

二つの端点間に位置する複数の装置の間で,データを転送する
ための機構であって,ある瞬間には1個の装置だけが送信でき
るもの。 

bus 

11.01.12 

しょりそうち

処理装置, 

きおくきこう

記憶機構 

データを格納し,保持し,かつ,取り出すことのできる機能単
位。 

storage (device)  

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X 0011-1989  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語及び読み方 

意味 

対応英語 

11.01.13 

メモリ 

処理装置及び他の内部記憶装置において,命令を実行するため
に使われるアドレス可能な記憶空間のすべて。 

備考 計算器,マイクロコンピュータ及びある種のミニコ

ンピュータでは,主記憶装置よりもメモリという用
語のほうがよく使われる。 

memory 

11.01.14 

ないぶきおく

内部記憶(そうち

装置), 

ないぶ

内部メモリ 

入出力チャネルを用いることなく,処理機構からのアクセスが
可能な記憶装置。 

備考 内部記憶装置は,キャッシュメモリ及びレジスタの

ような他の種類の記憶装置を含む。 

internal storage, 
internal memory 

11.01.15 

がいぶきおく

外部記憶(そうち

装置), 

ほじょきおく

補助記憶(そうち

装置) 

入出力チャネルを通してだけ処理機構からのアクセスが可能
な記憶装置。 

備考 外部記憶装置は,周辺装置として考えてもよい場合

がある。 

external storage, 
auxiliary storage 

11.01.16 

しゅきおく

主記憶(そうち

装置), 

しゅ主メモリ 

命令及びその他のデータを,実行又は処理に先立ってロードし
なければならない内部記憶装置。 

備考 主記憶装置という用語は,大型の計算システムの場

合によく使われる。 

main storage, 
main memory 

11.01.17 

かんしょうきおく

緩衝記憶(そうち

装置), 

バッファきおく

記憶(そうち

装置) 

データ転送特性が異なる二つの機能単位の間のデータ転送を
可能にするために,一時的にデータを記憶する専用の記憶装置
又は専用の記憶領域。 

備考 緩衝記憶装置は,データ転送をする二つの装置が互

いに同期化されていない場合,一方が直列で他方が
並列である場合,又は転送速度が異なる場合に用い
られる。 

buffer storage, 
buffer 

11.01.18 

キャッシュメモリ 

処理機構が主記憶装置から得た命令及びデータのうち,後で使
われる可能性の高いものの写しを保持するための,主記憶装置
よりも小容量かつ,高速の緩衝記憶装置。 

cache (memory)  

11.01.19 

レジスタ 

特定の記憶容量をもち,通常,特定の目的のために作られた内
部記憶装置の一つ。 

register 

11.01.20 

にゅうしゅつりょく

入出力チャネル 

内部記憶装置と周辺装置の間のデータ転送を扱う機能単位。 input-output channel 

11.01.21 

ちょくせつきおく

直接記憶アクセス, 
DMA(省略形) 

主記憶装置と周辺装置の間において,処理装置によるデータの
処理を必要としないで,データを直接移動させるための技法。 

direct 

memory 

access,  

DMA 

11. 01.22 

(にゅうしゅつりょく

入出力)

せいぎょそうち

制御装置, 

(にゅうしゅつりょく

入出力)

せいぎょきこう

制御機構, 

IOC(省略形) 

一つ以上の入出力装置を制御する機能単位。 

(input-output) 

controller,  

IOC 

11.01.23 

にゅうりょく

入力[しゅつりょく

出力] 

[にゅうしゅつりょく

入出力]そうち

装置, 

にゅうりょく

入力[しゅつりょく

出力] 

[にゅうしゅつりょく

入出力]きこう

機構 

計算機へ[から][との間で]データを入力[出力][入出力]
する装置。 

input 

[output] 

[input-out-put] unit,  
input 

[output] 

[input-out-put] device 

11.01.24 

たじゅう

多重チャネル, 
マルチプレクサチャネ
ル 

同時に動作する複数台の周辺装置と内部記憶装置との間のデ
ータの転送を並行的に扱う機能単位。データ転送は,バイト単
位又はブロック単位で行われる。 

multiplexer channel 

11.01.25 

せんたく

選択チャネル, 
セレクタチャネル 

接続されている複数台の周辺装置のうち選択された1台と内
部記憶装置との間のデータの転送を扱う機能単位。 

selector channel 

11.01.26 

データ

てんそくそくど

転送速度(処理

装置における) 

対応する装置間で転送される,単位時間当たりのビット数,バ
イト数又はブロック数。 

data transfer rate 

11.01.27 

つうしんせいぎょそうち

通信制御装置, 

つうしんせいぎょきこう

通信制御機構 

データ回線を介して伝送されるデータの授受に関する制御を
行う機能単位。 

communication control unit 

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X 0011-1989  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語及び読み方 

意味 

対応英語 

11.01.28 

えんざんじかん

演算時間 

ある命令(加算,乗算,除算など)について,命令実行段階に
費やされる時間に命令取出し段階の時間を加えたもの。ただ
し,前者だけを指す場合もある。 

operation time 

11.01.29 

めいれいとりだ

命令取出だしだんかい

段階 

命令制御装置が前の命令の実行中又は実行終了後に,次に実行
すべき命令を内部記憶装置から取り出し始めてから取り出し
終わるまでの動作段階。 

instruction fetch cycle 

11.01.30 

めいれいじっこうだんかい

命令実行段階 

命令制御装置が命令を取り出し終わってから,その実行が終わ
るまでの動作段階。 

execution cycle 

11.02 レジスタ 

番号 

用語及び読み方 

意味 

対応英語 

11.02.01 

めいれい

命令レジスタ 

解釈のために命令を保持するレジスタ。 

instruction register 

11.02.02 

めいれい

命令アドレスレジス
タ,プログラムレジス
タ,めいれい

命令ポインタレジ

スタ 

次に実行すべき命令のアドレスを保持する専用レジスタ。 

instruction address register,  
program 

register,  

instruction pointer register 

11.02.03 

しひょう

指標レジスタ,インデ
ックスレジスタ 

命令の実行中にオペランドのアドレスを変更するために,その
内容が用いられるレジスタ。 

備考 指標レジスタは,ループの実行制御のカウンタとし

て,配列の使用の制御,表引きのような用途に,又
はスイッチやポインタとして,用いられる。 

index register 

11.02.04 

きてい

基底(アドレス)レジ
スタ 

基底アドレスを保持するレジスタ。 

base (address) register 

11.02.05 

フラグレジスタ 

命令の実行中に起こる可能性のある特定の条件によってセッ
トされるビットをもつ専用レジスタ。 

flag register 

11.02.06 

わりこ

割込みレジスタ 

割込み処理に必要なデータを保持する専用レジスタ。 

interrupt register 

11.02.07 

おく送りレジスタ, 

シフトレジスタ 

けた送りを行うレジスタ。 

shift register 

11.02.08 

<はん汎>用レジスタ 

レジスタの集合のうち,通常,明示的にアドレスを指定できる
レジスタであって,累算器,指標レジスタ又はデータの特殊操
作用のように種々の目的に用いることができるもの。 

general purpose register 

11.02.09 

ふどうしょうすうてん

浮動小数点レジスタ 

浮動小数点表示法を用いて,データを操作するためのレジス
タ。 

floating-point register 

11.02.10 

こていしょうすうてん

固定小数点レジスタ 

固定小数点表示法を用いて,データを操作するためのレジス
タ。 

fixed-point register 

11.02.11 

るいさんき

累算器 
アキュムレータ 

レジスタの一種であって,演算の一つのオペランドを記憶し,
演算後,その内容がその演算の結果で置換されるもの。 

accumulator 

11.02.12 

さんじゅつ

算術レジスタ 

算術演算又は論理演算のオペランド又は結果を保持するレジ
スタ。 

arithmetic register 

11.02.13 

ばい倍[3ばい倍][4ばい倍][Nばい倍]

長ちょうレジスタ 

単一のレジスタとして機能する2 [3] [4] [N] 個のレジスタ。 

備考 倍長レジスタは,次のような目的に用いられる。 

(a) 乗算において,積を記憶する。 
(b) 除算において,部分商と剰余を記憶する。 
(c) 文字操作において,文字列をけた送り又はアクセス

する。 

double 

[triple]   

[quadruple] 

[N-tuple]  

length register, 
double [triple] [quadruple] 
[N-tuple] register 

11.02.14 

けいじきこう

計時機構, 
タイマ 

時間を計るために,規則的な間隔で内容が変化するレジスタ。 timer, 

clock register 

11.02.15 

レジスタちょう

長 

レジスタの記憶容量。 

register length 

11.02.16 

かんかくけいじきこう

間隔計時機構 

指定された長さの時間が経過すると,割込み信号を発生する装
置。 

interval timer 

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X 0011-1989  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

11.03 算術演算装置 

番号 

用語及び読み方 

意味 

対応英語 

11.03.01 

かさんき

加算器 

入力データで表現される数の和を出力データとして表現する
機能単位。 

adder 

11.03.02 

ちょくれつかさんき

直列加算器 

数字位置ごとに順次,オペランドの対応する数字を加えること
によって加算を行う加算器。 

serial adder 

11.03.03 

へいれつかさんき

並列加算器 

オペランドのすべての対応する数字位置の数字について同時
に加算を行う加算器。 

parallel adder 

11.03.04 

けたあ上げ

ほりゅうかさんき

保留加算器 

個々の数字位置に関して入力3個,和の出力1個及びけた上げ
出力1個をもち,演算1サイクル内では,それ自身でけた上げ
数の伝搬を行わない加算器。 

carry-save adder 

11.03.05 

はんささんき

半加算器 

被加数A及び加数Bの二つの入力,並びにけた上げなしの和S
及びけた上げ数Cの二つの出力をもち,入力と出力とが次の表
によって関係付けられる組合せ回路。 

half adder 

11.03.06 

ぜんかさんき

全加算器 

被加数D, 加数E及び下位の数字位置から送られてくるけた上
げ数Fの三つの入力,並びにけた上げなしの和T及び新しいけ
た上げ数Rの二つの出力をもち,入力と出力とが次の表によっ
て関係付けられる組合せ回路 

全加算器ブロック図 

full adder 

11.03.07 

げんさんき

減算器 

入力データで表現される数の差を出力データとして表現する
機能単位。 

subtracter 

11.03.08 

はんげんさんき

半減算器 

被減数G及び減数Hの二つの入力,並びに借りなしの差U及
び借り数Vの二つの出力をもち,入力と出力とが次の表によ
って関係付けられる組合せ回路。 

half subtracter 

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X 0011-1989  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語及び読み方 

意味 

対応英語 

11.03.09 

ぜんげんさんき

全減算器 

被減数I,減数J及び他の数字位置から送られてくる借り数K
の三つの入力,並びにJとKの和とIとの,借りなしの差W
及び新しい借り数Xの二つの出力をもち,入力と出力とが次
の表によって関係付けられる組合せ回路。 

全減算器ブロック図 

full subtracter 

11.03.10 

かげんさんき

加減算器 

受け取った制御信号に応じて加算器又は減算器として動作す
る機能単位。 

備考 加減算器は,和と差とを同時に出力するように構成

することもできる。 

adder-subtracter 

11.03.11 

ほすうき

補数器 

入力データで表現される数の補数を出力データとして表現す
る機能単位。 

complememter 

11.03.12 

へいれつかさん

並列加算 

オペランドのすべての数字位置の数字について,並列に行われ
る加算。 

parallel addition 

11.03.13 

ちょくれつかさん

直列加算 

数字位置ごとに順次,オペランドの対応する数字を加えること
によって行われる加算。 

serial addition 

11.03.14 

こうそく

高速けたあ上げ 

並列加算において,けた上げを高速化する方法の総称。 

例: 9飛ばしけた上げ。 

high-speed carry 

11.03.15 

9と飛ばしけたあ上げ 

10進数で表された数の並列加算において,ある数字位置の現
在の和が9であるとき,その数字位置へのけた上げを次の数字
位置へ飛ばし,その9を0に変えること。 

standing-on-nines carry 

11.03.16 

カスケードしき式けたあ上げ 並列加算において,加算によって部分和数表示とけた上げ数表

示とを作り,それらを再び加算するという手順を,けた上げが
なくなるまで繰り返すこと。 

cascaded carry 

11.03.17 

ぶぶん

部分けたあ上げ 

並列加算において,けた上げの一部又は全部をすぐには送らな
いで,一時的に記憶しておくこと。 

partial carry 

11.03.18 

ぜん全けたあ上げ 

並列加算において,すべてのけた上げを直ちに送ること。 

complete carry 

11.03.19 

リップルけたあ上げ 

並列加算において,ある数字位置においてその数字位置の加算
の結果として生成され,次の高位数字位置に伝搬されるけた上
げ。 

ripple carry 

11.03.20 

ひかくき

比較器 

二つの項目を比較し,その結果を表示する機能単位。 

comparator 

11.03.21 

けいすうき

計数器, 
カウンタ, 
[かぎゃくけいすうきかぎゃく

可逆計数器, 

かぎゃく

可逆カウンタ] 

有限個の状態をもち,各々の状態が数を表す機能単位であっ
て,適当な信号を受け取ると,その数が1又は与えられた定数
だけ増加[増加又は減少]するもの。 

備考 計数器は,通常一挙に,表している数を指定された

値,例えば,ゼロにすることができる。 

counter [reversible counter] 

11.03.22 

モジュロnけいすうき

計数器 

順に計数していって,表現する数が最大値n−1に到達したあ
と,次にゼロに戻る計数器。 

modulo-n counter 

11.03.23 

セットする(けいすうき

計数器を) 計数器を,指定された数に対応する状態にすること。 

to set (a counter)  

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X 0011-1989  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語及び読み方 

意味 

対応英語 

11.03.24 

リセットする(けいすうき

計数器

を) 

計数器を,指定された初期の数に対応する状態にすること。 to reset (a counter)  

11.03.25 

かんじょうけいすうき

環状計数器, 
リングカウンタ 

計数器の一種であって,素子が環状につながれ,通常,その
うちの1個の素子が他と異なる状態となっていて,入力信号を
受けるごとに,この状態が一つ隣に移動するように構成された
もの。 

ring counter 

11.04 変換器 

番号 

用語及び読み方 

意味 

対応英語 

11.04.01 

(データ)へんかんき

変換器, 

(データ)コンバータ 

データを一つの表現から,等価ではあるが異なった表現に変換
する機能単位。 

(data) converter 

11.04.02 

コードへんかんき

変換器, 

コードコンバータ 

あるコード又はコード化文字集合を用いたデータの表現を,別
のコード又は別のコード化文字集合を用いた表現に変更する
機能単位。 

code converter 

11.04.03 

ふごうき

符号器, 
エンコーダ 

同時に2本以上に信号が乗ることのない複数の入力線と,任意
の本数に信号が乗る複数の出力線とをもち,出力信号の組合せ
が,信号が乗っている入力線を示すコードとなっている機能単
位。 

encoder 

11.04.04 

ふくごうき

復彼号器, 
デコーダ 

任意の本数に信号が乗る複数の入力線と,同時に2本以上に信
号が乗ることのない複数の出力線とをもち,入力信号の組合せ
が,信号が乗っている出力線を示すコードとなっている機能単
位。 

decoder 

11.04.05 

ちょくへいれつこうかんき

直並列変換器, 
スタティサイザ 

時系列信号を,これに対応する同時に存在する一組の信号に変
換する機能単位。 

staticizer,  
serial-parallel converter 

11.04.06 

へいちょくれつへんかんき

並直列変換器, 
ダイナミサイザ 

一組の同時に存在する信号を,これに対応する一つの時系列信
号に変換する機能単位。 

serializer,  
parallel-serial converter,  
dynamicizer