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T 9271:2015  

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目 次 

ページ 

序文  1 

1 適用範囲 1 

2 引用規格 1 

3 用語及び定義  1 

4 種類 2 

5 リスクマネジメントによる設計  2 

6 材料 2 

7 外観 3 

8 構造 3 

9 性能 4 

10 試験条件  4 

10.1 試験室  4 

10.2 試料の調製  4 

10.3 試験装置などの許容差  4 

11 試験方法  4 

11.1 耐洗濯性  4 

11.2 沈み込み試験  5 

11.3 耐久性試験  7 

11.4 滑り特性試験  8 

12 検査方法  10 

12.1 検査の種類及び検査項目  10 

13 表示  10 

14 取扱説明書  11 

附属書JA(規定)最大引張荷重の決め方  12 

附属書JB(参考)設計における配慮事項  13 

附属書JC(参考)JISと対応国際規格との対比表  15 

 

 


 

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まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本

工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

 

 


 

 

日本工業規格          JIS 

 

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福祉用具−車椅子用クッション 

Assistive products-Wheelchair cushions 

 

序文 

この規格は,2007年に第1版として発行されたISO 16840-2を基とし,製品規格として一般要求事項を

追加し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JCに示す。また,附属書JA及び附属書JBは,対応国際規格

にはない事項である。 

 

適用範囲 

車椅子の座面の上に載せて使用するクッションで,車椅子用クッションカバー及びクッション本体によ

って構成される車椅子用クッション(以下,車椅子用クッションという。)について規定する。ただし,次

の車椅子用クッションには適用しない。 

− 車椅子と一体となった車椅子用クッション 

− 電動車椅子用着脱式標準車椅子用クッション 

− 車椅子用背クッション 

− 圧切り替え形車椅子用クッション 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 16840-2:2007,Wheelchair seating−Part 2: Determination of physical and mechanical 

characteristics of devices intended to manage tissue integrity−Seat cushions(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 6253-3 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方−第3部:デュロメータ硬さ 

JIS L 0217 繊維製品の取扱いに関する表示記号及びその表示方法 

JIS L 0803 染色堅ろう度試験用添付白布 

JIS T 0102 福祉関連機器用語[支援機器部門] 

 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS T 0102によるほか,次による。 


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3.1 

中心線 

左右対称形の物体で,前面・背面の中央を頭から縦に真っすぐ通る線。 

3.2 

でん(臀)部形状負荷ジグ,LCJ(loaded contour jig) 

ざ(坐)骨結節部を模したジグ。ざ(坐)骨結節や大たい(腿)骨上部の突起を模擬した圧子で,でん

(臀)部による負荷を模擬して,クッションの底付きや形状維持能力を測定するために使用する。 

3.3 

標準シート 

摩擦面として,車椅子用クッションのカバーを代表する素材として使用する,特性が明確な布。 

3.4 

ロードセル 

力を検出するセンサー。 

3.5 

調整機能 

圧力分散が最適になるように車椅子用クッションを調整する機能。 

 

種類 

種類は,調整機能の有無及び調整方法によって,表1のとおり区分する。 

 

表1−調整機能による区分 

種類 

細区分 

調整機能付 

自動 

電動 

非電動 

手動 

調整機能なし 

− 

 

リスクマネジメントによる設計 

リスクマネジメントによる設計は,附属書JBに例示した要因などについて実施し,残留リスクを受容

できる範囲にとどめることが望ましい。 

なお,リスクマネジメントによる設計を実施した場合は,要因項目,実施手順及び結果について製造業

者又は販売業者によって文書化し,維持しなければならない。 

 

材料 

車椅子用クッション本体の素材を,表2に示す。 

 


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表2−クッション本体の素材 

エアー 

ウレタンフォーム 

ゴム系 

ゲルa) 

ハイブリッドb) 

その他c) 

注a) ゲルには流動性ゾル状の素材を含む(ゾル[SOL]:流動性材料)。 

b) ハイブリッドとは,異なる素材を組み合わせたものをいう。 

c) 素材その他には,天然繊維,立体構造繊維,合成繊維,シープスキン,

ウォータなどを含む。 

 

材料は,次による。 

a) 車椅子用クッションの材料は,難燃性とすることが望ましい。難燃性を表記する場合には,該当する

日本工業規格の試験方法名,規格番号,及び区分がある場合は,その区分を製品に表示する。例えば,

JIS L 1091(繊維製品の燃焼試験方法)など。 

なお,国際規格による場合で対応する日本工業規格が存在しない場合は,国際規格の番号とする。 

b) 身体に直接触れる部分の材料は,毒性がないものとする。 

c) 身体に直接触れる部分の材料には,アレルギーに対する配慮をすることが望ましい。 

d) 使用中に有害ガスを発生してはならない。 

e) 使用中に著しく不快な臭いを発生しないように配慮をすることが望ましい。 

 

外観 

7.1 

外観は,次による。 

a) 人体に触れる部分及び人体に触れる可能性のある部分には,ばり,鋭い突起などがあってはならない。 

b) 仕上げは良好で,各部にきず,汚れなどがあってはならない。 

7.2 

寸法は,次による。 

寸法は,表示値(cm)に対して±5 %の範囲内とする。 

 

構造 

構造は,次による。 

a) 車椅子用クッションのカバーは,使用者と接触する部分に,けがの可能性がある鋭利な部分及び硬い

部分が露出していてはならない。 

b) カバーは,車椅子用クッション本体と着脱ができ,着脱が容易でなければならない。 

c) カバーは,車椅子用クッション本体を保護し,車椅子用クッション本体の機能を発揮できるものとす

る。 

d) カバーは,洗濯が可能でなければならない。 

e) 電動のものの電気的安全性は,関連する強制法規に適合しなければならない。 

注記 電気的安全性については,電気用品安全法が制定されている。 

 


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性能 

車椅子用クッションは,11.1〜11.4の試験を行ったとき,表3の規定に適合しなければならない。 

 

表3−車椅子用クッションの性能 

項目 

性能 

試験方法 

耐洗濯性 

洗濯を行った後に,表示値(cm)に対し
て±10 %とする。 

11.1 

沈み込み 

通常荷重時沈み込み量 20 mm以上 
過荷重時沈み込み量 5 mm以上 

11.2 

耐久性 

使用上支障のある破損があってはならな
い。 

11.3 

滑り特性 

0.5以上とする。 

11.4 

 

10 試験条件 

10.1 試験室 

環境温度(23±5)℃,相対湿度(50±15)%の環境状態で実施する。 

10.2 試料の調製 

10.2.1 洗濯 

洗濯可能な車椅子用クッションは,JIS L 0217に規定する記号を表示する場合は,JIS L 0217の3.(試

験方法)に規定する方法によって洗濯を10回行い,JIS L 0217に規定する記号を表示しない場合は,製造

業者の指定する洗濯方法によって洗濯を10回行う。 

10.2.2 試料の標準状態 

環境温度下で無負荷状態において少なくとも12時間放置する。 

10.3 試験装置などの許容差 

特に規定のない限り,力の許容差は±5 %,質量の許容差は±5 %,寸法の許容差は±10 %,時間の許容

差は±5 %とする。 

 

11 試験方法 

11.1 耐洗濯性 

耐洗濯性は,洗濯後の試料を測定することによって,寸法を確認する。寸法測定は,次による。 

11.1.1 手順 

a) 試料を平らな台の上に置き,使用状態に整える。 

b) 試料の最大縦幅,最大横幅及び最大厚さ寸法(mm)を測り,二捨三入及び七捨八入し,5 mm単位で

丸める。 

c) 体形に合わせてくぼ(窪)ませた形状の試料の最大厚さ寸法は側方端で,凸面及び平面の試料は中心

線で測定する(図1参照)。 

 


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1:体形に合わせてくぼ(窪)んだ形状の 

車椅子用クッション 

2:平面車椅子用クッション 
3:凸面車椅子用クッション 
4:側方端 
5:厚さ測定の場所 
a:負荷なし状態の厚さ 
b:水平を保った厚板 

 

図1−車椅子用クッションの厚さ測定方法 

 

11.2 沈み込み試験 

沈み込み試験は,次による。 

11.2.1 試験装置 

試験装置は,次による。 

11.2.1.1 荷重装置 

a) 試料に180 Nの垂直な負荷をかけ,LCJ(図2及び図3参照)の基準面から垂直方向の変位を±1 mm

の精度で測定でき,試験の間,基準面に垂直に負荷できる手段をもつ。 

b) 試料は,負荷をかけても曲がらないように固い水平面(図2におけるテーブル)で保持する。 

c) LCJに0 Nから180 N±5 Nの範囲の負荷をかけられる構造とする。 

d) 0 mmから120 mmの範囲で±1 mm間隔でLCJの変位を計測できる変位計を備える。 

 


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1:荷重装置 
2:フレーム 
3:押し込み棒 
4:高さゲージ(変位計) 
5:基準面 
6:試料を固定する面ファスナー 
 (8試料の裏面) 
7:LCJ 
8:試料 
9:テーブル 

 

図2−荷重装置の例 

 

11.2.1.2 

LCJ LCJは,荷重装置の押し込み棒の先端を支え,試料の上に垂直方向の荷重を負荷する当て

板(ジグ)であり,次による(図3参照)。 

a) 剛性棒の中心から左右120 mm±5 mmの位置に,ざ(坐)骨結節の役目をなす直径50 mm±2 mmの

圧子の中心を置く。 

b) 剛性棒は,幅25 mm±1 mm,長さ400 mm±20 mm,厚さ10 mm±0.2 mmとする。 

c) 剛性棒の中心から198 mm±10 mmの位置に,大たい(腿)骨上部の突起の役目をなす直径25 mm±1 

mm,厚さ10 mm±1 mmの転子の中心を置き,ねじ式取付ボルトで50 mm±2 mmの幅のメッシュウ

ェビング(帯)を挟むように取り付ける。 

 

 

 

1:メッシュウェビング(帯) 
2:φ50 mm高さ50 mmの圧子[ざ(坐)骨結節の役割。左右に二つ。] 
3:転子[ねじ式取付ボルトの受け部分。大たい(腿)骨上部の突起の役割で左右に二つ。] 
4:剛性棒 

 

図3−LCJ 

 


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11.2.2 試験用試料の準備 

試験用試料の準備は,次による。 

a) 試験用試料は,未使用の車椅子用クッションとする。 

b) 試料の材質によって,負荷をかけた後変形したままの場合があるため,十分な回復時間をおき,平ら

になるようリセットする。 

11.2.3 試験手順 

試験手順は,次による。 

a) 11.2.2の試験用試料を用意する。 

b) 荷重装置を水平に設置する。 

c) 荷重装置に取り付けたLCJが荷重装置のテーブルに接触したときを厚さ0 mmとなるよう,変位計を

調整する。 

d) 試料の後部端から127 mm±25 mmの位置又は製造業者が指定するざ(坐)骨結節が接触する位置に

LCJの中心軸がくるように試料を置く。 

e) LCJに1.5 N±0.5 Nの負荷をかけ,試料の厚さを1 mm単位で測定する。 

f) 

一旦,負荷を除いた後にe)を3回実施し,その平均を四捨五入によって1 mm単位に丸め,試料厚さ

(h)とする。 

g) 負荷を一旦除いた後,通常時の荷重値として135 N±5 Nの垂直負荷をかける。 

h) 300秒後,荷重装置のテーブル表面からLCJの下端までの厚さを1 mm単位で測定し,“L135”とする。 

i) 

さらに,過荷重時荷重値として,LCJ上の負荷を180 N±5 Nまで増やす。 

j) 

負荷を増やして60秒±5秒経過した後,荷重装置のテーブル表面からLCJの下端までの厚さを1 mm

単位まで測定し,“L180”とする。 

k) g)〜j)を3回実施し,L135及びL180についてそれぞれの平均を四捨五入によって1 mm単位まで求め

る。ただし,各回の測定は11.2.2 b) によって試料を設定する。 

11.2.4 結果の求め方 

a) 11.2.3で求めた試料厚さ(h)及びL135の計算値から,h−L135を求め,二捨三入,七捨八入によっ

て5 mm単位に丸め,通常荷重時沈み込み量とする。 

b) 11.2.3で求めたL135及びL180の計算値から,L135−L180を求め,二捨三入,七捨八入によって5 mm

単位で丸め,過荷重時沈み込み量とする。 

11.3 耐久性試験 

耐久性試験は,次による。 

a) 体重制限を記載していないものは,使用者体重を100 kgとして試験を行う。 

b) 図4に示すように質量が使用者体重の20 %程度の砂袋を車椅子用クッションの上に置き,砂袋の上面

が平らになるように砂袋を調整する。 

c) 砂袋の上に平らな板を置き,荷重を負荷する。 

d) 負荷位置は,前後方向が車椅子用クッション後端から25 %程度で左右方向が中央になるように位置を

合わせる。 

e) 表4の荷重を1 000回繰り返し加える。 

 


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表4−適用する使用者体重と荷重との関係 

適応使用者体重 

荷重 

25 kg以下 

250 N 

 

25 kgを超え 50 kg以下 

500 N 

 

50 kgを超え 75 kg以下 

750 N 

 

75 kgを超え 100 kg以下 

1000 N 

100 kg超 

製造業者の指定による。 

 

f) 

車椅子用クッションの形状,硬さ,損傷の有無及び損傷の程度を,目視,触感などによって確認し使

用に支障がないか判定する。 

 

 

図4−耐久性試験の例 

 

11.4 滑り特性試験 

滑り特性試験は,次による。 

11.4.1 試験装置 

試験装置は,次による。 

11.4.1.1 圧子 

a) 圧子は,そり(スレッド)とおもりとによって構成し,試料に試験荷重に相当する試験テーブルに垂

直な力を与える装置であり,縦100 mm,横100 mmの正方形の平たん(坦)で滑らかなそりとする。 

b) 圧子にc)の標準シートを標準シートの縦糸方向と平行に巻き付ける。 

c) 標準シートは,単一繊維布とし,JIS L 0803に規定するナイロン7-2又はこれと同等のものとする。 

注記 同等のものとは,ISO 105-F03に規定する単一繊維布を含む。 

d) 標準シートの寸法は,縦糸方向(耳に平行な方向)に長さ約200 mm,幅約105 mmとする。 

11.4.1.2 駆動装置 

駆動装置は,次による。 

a) 圧子を引っ張る方向は,摩擦面に対して平行でなければならない。 

b) 摩擦を引き起こす運動には顕著な振動があってはならず,速度は500 mm/min±10 mm/minとし,100 

mm以上の移動が可能でなければならない。 

11.4.1.3 試験テーブル 

試験テーブルは,厚さ5 mmで硬さがJIS K 6253-3に規定するタイプAデュロメータによって,A50±

15のゴムシートを試験テーブルに貼った平たん(坦)な試験テーブルとする。 

11.4.1.4 摩擦力測定システム 

摩擦力測定システムは,次による。 

a) 摩擦力測定システムは,記録装置とロードセルとによって構成する。 


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b) 記録装置を含めた摩擦力測定システムは,誤差が±5 %で,かつ,応答時間が0.1秒以下のものとする。 

11.4.2 試験荷重 

試験テーブルに垂直な力として使う試験荷重は,そりを含めた圧子の質量が2 kg±0.1 kgとする。 

11.4.3 試料の固定 

試料の固定は,次による。 

a) 表面は,ほこり,指紋又は表面の特性を変えるような異物が付いていてはならない。 

なお,試料はカバー単体又は滑り止めに用いる生地とする。 

b) 試料を試験テーブルの上に,試料の前後方向と圧子を引っ張る方向とが一致するように置く。 

c) 試料は,しわを除くか,又は他の一時的な変形を取り除くために必要最小限の伸ばしをして試験テー

ブルに固定する。 

d) 試料は,確実にテーブルに固定し,圧子が移動する間に圧子が試料と接触する範囲において,試験テ

ーブルと試験テーブルに接触する試料との間は確実に固定され,滑りを生じてはならない。 

11.4.4 試験手順 

試験は,標準シートと試料との間の摩擦による最大引張荷重を試験し,次による(図5参照)。 

a) 標準シートを巻き付けたそりを使用する。標準シートは慣らしを行う。 

b) 試料は,11.4.3によって試験テーブルに固定する。 

c) 試験テーブルの上に固定した試料の中央に,上面にショックを与えないように静かにそりを置く。 

d) そりに取り付けてあるフックに伸びの生じにくいワイヤを取り付け,ロードセルに接続する。 

e) そりの上に試験荷重に相当するおもりをショックを与えないように静かに置く。 

f) 

試験を始める前に,ワイヤにかかる力は取り除いておく。おもりを載荷した後,速やかに圧子の運動

を開始し,記録をスタートさせる。 

g) 圧子と標準シートとの間は,確実に固定し,滑りが生じてはならない。 

h) 圧子を駆動装置によって引っ張り,附属書JAによって最大引張荷重を記録する。ただし,測定結果

の曲線にピークが記録されない場合は,記録開始後30秒経過した時点の引張荷重とする。 

i) 

滑り面がカバーで覆われていないものは,11.4に準じた方法で測定する。 

j) 

試験は3回行う。 

 

 

図5−測定装置概要 

 

11.4.5 試験結果の表し方 

試験で得られた最大引張荷重から次の式によって滑り特性を計算し,3回の試験結果を平均し,四捨五

入によって小数点以下1位まで求める。 


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S=F/M 

ここに, 

S: 滑り特性 

 

F: 最大引張荷重 

 

M: 圧子の質量 

 

12 検査方法 

12.1 検査の種類及び検査項目 

車椅子用クッションの検査は,形式検査1)と受渡検査2)とに区分し,検査の項目は,それぞれ次のとお

りとする。 

なお,受渡検査の抜取検査方式は,受渡当事者間の協定による。 

a) 形式検査項目 形式検査項目は,次の項目を箇条11及び目視によって試験したとき,箇条5〜箇条9,

箇条13及び箇条14の規定に適合したものを合格とする。 

1) リスクマネジメントによる設計 

2) 材料 

3) 外観 

4) 構造 

5) 性能 

6) 表示及び取扱説明書 

b) 受渡検査項目 受渡検査項目は,次の項目を目視によって試験したとき,箇条7,箇条13及び箇条14

の規定に適合したものを合格とする。 

1) 外観 

2) 表示及び取扱説明書 

注1) 製品の品質が設計で示す全ての特性を満足するかどうかを判定するための検査。 

2) 既に形式検査に合格したものと同じ設計・製造による製品の受渡しをする場合,必要と認める

特性を満足するものであるかどうかを判定するための検査。 

 

13 表示 

この規格の全ての要求事項に適合した車椅子用クッションには,容易に消えない方法で見やすい箇所に

次の事項を表示する。 

a) 製品の名称,規格番号及び種類 

b) 洗濯の可否。洗濯可能とする場合で,JIS L 0217の3.(試験方法)に規定する方法によって洗濯を行

った場合は,JIS L 0217の表1〜表4の記号を表示してもよい。 

c) 難燃性を表明する場合は,試験方法名,規格番号,及び区分がある場合は区分。 

d) 製造業者名又はその略号 

e) 寸法 

f) 

材質 

g) 裏表及び/又は前後を識別できる手段 

h) 必要に応じ,車椅子用クッション本体に裏表及び/又は前後が識別できる手段 

 


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14 取扱説明書 

車椅子用クッションには,少なくとも次の事項を記載した取扱説明書を添付しなければならない。 

a) 製品の名称,規格番号及び種類 

b) 使用方法 

c) 使用上の注意(蒸れ,車椅子からの転落,踏んだときの転倒,底つき,敷いたままでの使用など) 

d) 消毒の可否。消毒可能とする場合,その方法。 

e) 洗濯の可否。洗濯可能とする場合,その方法(漂白剤,柔軟剤,及び乾燥方法を含む。)。 

f) 

製造業者名又はその略号及び連絡先 

g) 保管方法 

h) 使用者体重(ただし,体重制限があるものに限る。) 

i) 

製品質量 

j) 

材質 

k) 座面の寸法 必要な場合,滑り面以外の部分を含めた最大寸法(単位はセンチメートルとする。) 

 


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附属書JA 

(規定) 

最大引張荷重の決め方 

 

車椅子用クッションの滑り特性試験において,摩擦力は摩擦力測定システムによって波形として記録さ

れる。車椅子用クッションの摩擦力は,車椅子用クッションの材質,構成などによって様々な特徴を示す。

この試験で測定される波形の例を,図JA.1に示す。 

各波形における,記録すべき最大引張荷重を丸印(○)で示す。 

 

 

 

X:時間(秒) 
Y:引張荷重(N) 

 

図JA.1−波形の例 

 

測定において最大引張荷重は,頂点(複数ある場合は,最初の頂点)又は30秒以内に頂点が現れない場

合は,記録開始から30秒後の値とする。 

 


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附属書JB 

(参考) 

設計における配慮事項 

 

JB.1 福祉用具に関連して起こる可能性があるハザード及び関連する要因の例 

福祉用具に関連して起こる可能性があるハザードの例及びそれらに関連する要因の例を示す。ただし,

全てを網羅しているわけではなく,ハザード及び要因を特定する手助けとなる。 

a) 可動部分(介助者,子供などが手,足,指などを挟み込む構造の存在)に関する危険性 

例1 設置の仕方によって,呼吸を妨げる危険はないか。 

b) 接触アレルギー誘発性などに関する危険性 

例2 材質に関してアレルギー誘発の可能性がある素材など,適切な表示がされているか。 

c) 他の機器と併用する場合の不適合性 

例3 特殊な車椅子に使用される場合の対応はあるか。 

d) 廃棄物及び/又は福祉用具の廃棄による汚染 

例4 燃やすごみとする場合に有毒な物質を排出しないか。 

e) 不適切な操作説明,例えば, 

1) 複雑すぎる操作説明 

2) 使いにくい,まとまりのない取扱説明書 

例5 専門用語を不必要に使っていないか。 

f) 

合理的に予見できる誤使用 

例6 クッションをぬ(濡)らすような使い方,設置の方向,裏表の間違い,重ね使用など。 

g) 製品の寿命に関する適切な情報提供 

例7 クッション本体の性能が経時的に変化するなど。 

h) 使用者の身体状況に適合させるための改造による危険性 

例8 カバーを外して使用するなど。 

 

JB.2 多様な使用者に対する人間工学的な要因によるハザードの例 

高齢者,障害者などの身体機能の低下によって多様なニーズをもつ使用者に対する人間工学的検討項目

の例を示す。ただし,全てを網羅しているわけではなく,項目を特定する手助けとなる。 

注記 JIS Z 8071の9.(心身の機能と障害の影響に関する詳細)などが参考となる。 

a) 動作能力の低下,筋力の低下及び体力の低下による意図しない動き 

b) 機器の操作力の低下による意図しない動き 

c) 知的能力の低下及び短期記憶能力の低下した利用者による使用 

d) 平衡を保ち転倒を避ける能力の低下した利用者による使用 

e) 色知覚能力の低下,視力の低下,聴覚機能の低下,触覚感度の低下などによる不十分な情報取得 

 

 

 

 


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参考文献 

[1] JIS Z 8071 高齢者及び障害のある人々のニーズに対応した規格作成配慮指針 

[2] ISO 105-F03:2001,Textiles−Tests for colour fastness−Part F03: Specification for polyamide adjacent 

fabric 

[3] ISO 139:2005,Textiles−Standard atmospheres for conditioning and testing 

[4] ISO 8295,Plastics−Film and sheeting−Determination of the coefficients of friction 

[5] ISO 16840-2,Wheelchair seating−Part 2: Determination of physical and mechanical characteristics of 

devices intended to manage tissue integrity−Seat cushions 

[6] ISO 24415-1,Tips for assistive products for walking−Requirements and test methods−Part 1: Friction of 

tips 

[7] BS 3424,Testing coated fabrics Part 10. Methods 12A and 12B. Determination of surface drag 

[8] BS EN 12182:2012,Assistive products for persons with disability−General requirements and test methods 


15 

T 9271:2015  

 

附属書JC 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

 

JIS T 9271:2015 福祉用具−車椅子用クッション 

ISO 16840-2:2007,Wheelchair seating−Part 2: Determination of physical and mechanical 
characteristics of devices intended to manage tissue integrity−Seat cushions 

 

(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

1 適用範囲 製品の品目 

 

クッションの意図する
機能を規定 

変更 

JISでは車椅子と一体になった特定
のクッションを明確に除外 

実質的な差異はない。 

2 引用規格  

 

 

 

 

 

 

3 用語及び
定義 

 

 

 

変更 

ISO規格は試験方法規格だが,JIS
は製品規格であるため,試験方法以
外の用語を定義した。 

ISO規格に製品規格がない。規格
の位置付けが異なる。 

4 種類 

調整機能を区分 

 

 

 

追加 

調整機能,素材で区分した。 

流通の便に対応,実質的な差異は
ない。 

5 リスクマ
ネジメント
による設計 

リスクマネジメン
トについて規定 

 

 

 

追加 

JISは製品規格のため設計方法を規
定。 

ISO規格に製品規格がない。規格
の位置付けが異なる。 

6 材料 

 

 

 

 

追加 

JISは製品規格のため材料を規定。 ISO規格に製品規格がない。規格

の位置付けが異なる。 

7 外観 

 

 

 

 

追加 

JISは製品規格のため外観を規定。 ISO規格に製品規格がない。規格

の位置付けが異なる。 

8 構造 

 

 

 

 

追加 

JISは製品規格のため構造を規定。 ISO規格に製品規格がない。規格

の位置付けが異なる。 

9 性能 

 

 

 

 

追加 

JISは製品規格のため性能を規定。 ISO規格に製品規格がない。規格

の位置付けが異なる。 

10 試験条
件 

環境条件,洗濯方
法,許容差 

 

 

 

追加 

JISでは洗濯による影響を規定し
た。 

ISO規格はクッションの洗濯試験
がない。今後提案する。 

 

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1

2

0

1

5

 

 

 

 

 


16 

T 9271:2015  

 

(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

11 試験方
法 

11.2.3 沈み込み試
験の負荷方法 

 

9.2 

試験方法 

変更 

負荷する荷重,負荷方法を変更し
た。 

JISは利用者に分かりやすい指標
を求める試験とした。 

 

11.3 耐久性試験 

 

 

 

変更 

負荷する荷重,負荷方法を変更し
た。 

JISは利用者に分かりやすい指標
を求める試験とした。 

 

11.4 滑り特性試験 

 

 

 

追加 

滑り特性の試験を開発した。 

ISOへ提案する。 

12 検査方
法 

検査項目 

 

 

 

追加 

 

ISO規格に製品規格がないため。 

13 表示 

表示項目 

 

 

 

追加 

 

ISO規格に製品規格がないため。 

14 取扱説
明書 

取扱説明書 

 

 

 

追加 

 

ISO規格に製品規格がないため。 

附属書JA
(規定) 

最大引張荷重の決
め方 

 

 

 

追加 

JISで追加した滑り特性試験の一部
である。 

ISO 24415-1に準じている。 

附属書JB
(参考) 

 

 

 

 

 

 

 

 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 16840-2:2007,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 追加  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
− 変更  国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD  国際規格を修正している。 

 

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