2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
T 9232-1997
ストーマ用品に関する用語
Glossary of terms used in ostomy aids
1. 適用範囲 この規格は,ストーマ保有者のためのストーマ機器に関する主な用語とその定義について
規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 8669-1 Urine collection bags−Part 1 : Vocabulary
ISO 8670-1 Ostomy collection bags−Part 1 : Vocabulary
ISO 8670-2 Ostomy collection bags−Part 2 : Requirements and test methods
2. 用語の分類 用語は,次のとおり分類する。
(1) ストーマ用品に関する一般用語
(2) ストーマ装具に関する用語
(3) 皮膚保護剤に関する用語
(4) ストーマ用洗腸具に関する用語
3. 用語及び定義 用語及び定義は,次による。
なお,対応英語及びその対応英語が定義されている国際規格の規格番号を参考として示す。
(1) ストーマ用品に関する一般用語
番号
用語
定義
参考
対応英語
ISO番号
1001
ストーマ
消化管や尿路を人為的に体外に誘導して造設し
た開放口。前者を消化管ストーマ,後者を尿路ス
トーマという。広義にはその他に生じた開放口を
含む。
stoma
8670-2
1002
ストーマ用品
ストーマを管理するのに用いられる物品。
ostomy aids
1003
ストーマ装具
ストーマに装着する器具。
ostomy appliance
1004
単品系ストーマ装具
袋部と粘着式面板とが一体となったストーマ装
具。
one-piece ostomy system
one-piece system
8670-1
8670-2
1005
二品系ストーマ装具
袋部と粘着式面板とが分離して,別々に交換する
ことができるストーマ装具。
two-piece ostomy system
multiple piece flange
system
8670-1
8670-2
1006
粘着式ストーマ装具
皮膚に粘着する粘着式面板使用のストーマ装具。 adhesive ostomy
appliance
1007
非粘着式ストーマ装
具
非粘着式の固定具で密着させるストーマ装具。
non-adhesive ostomy
appliance
1008
使い捨て型ストーマ
装具
使い捨てになっているストーマ装具。
disposable ostomy
appliance
2
T 9232-1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
ISO番号
1009
再使用型ストーマ装
具
再使用が可能になっているストーマ装具。
reusable ostomy appliance
1010
ストーマ袋
ストーマに着けて排せつ(泄)物を収集しておく
袋。用途によって採便袋,採尿袋がある。
ostomy bag
8670-1
8670-2
1011
固定具
装具をストーマに固定する器具(ベルト,ガスケ
ットなど)。
fastening device (belt,
gasket)
1012
面板
(めんいた)
ストーマ装具又は洗腸排液部品を身体に固定す
る平板。
face plate (washer)
1013
皮膚保護剤
排せつ(泄)物及び分泌物を吸収して周辺皮膚を
保護するストーマ用品。
skin barrier
1014
接皮側
ストーマ装具,板状皮膚保護剤,面板の皮膚に接
する側。
skin side
1015
非接皮側
接皮側の反対側。
bag side
1016
洗腸排便法
結腸のストーマ保有者が500ml以上の洗腸液を
注入して排便する方法。
irrigation
1017
ストーマ用洗腸具
洗腸排便法に用いるストーマ用品。機構として落
差式と加圧式がある。
irrigation set
irrigation kit
irrigation equipment
1018
洗腸液
洗腸排便法の際に結腸内へ注入する微温湯。
irrigation water
(2) ストーマ装具に関する用語
番号
用語
定義
参考
対応英語
ISO番号
2001
面板ストーマ孔
面板に開けたストーマサイズの孔。
stoma hole
2002
初孔
面板の中央の小孔。ここから自由な大きさに孔が
開けられるようにしてある。
starter hole
2003
既製孔
面板に既に一定のストーマサイズに合わせて開
けて製品化した孔。
precut hole
2004
フランジ
袋接合部の輪状縁。面板及び袋部の両方にある。 flange
2005
袋接合部
袋と面板との接合している部分。機構として接着
式とかん(嵌)合式がある。
portion of bag junction
2006
浮動型袋
面板がストーマ孔縁でだけ接合している袋。
floating type bag
2007
浮動型フランジ
面板から浮き上がっているフランジ。
floating type flange
2008
固定型袋
面板が全面で接合している袋。
stationary type bag
2009
固定型フランジ
面板に固定されているフランジ。
stationary type flange
2010
閉鎖型袋
便排出口のないストーマ袋。
closed-ended bag
8670-1
8670-2
2011
開放型袋
便排出口のあるストーマ袋。上部開放式と下部開
放式とがある。
open-ended bag
8670-1
8670-2
2012
排出口閉鎖具
開放型袋の便排出口を開閉する器具。
open-ended bag closure
8670-1
8670-2
2013
排気口
採便袋内ガスの排出専用口。
flatus vent
8670-2
2014
脱臭フィルタ
排気口の脱臭ろ過装置。
flatus filter
8670-1
2015
交換フィルタ
取替可能となっている脱臭フィルタ。
replaceable filter
2016
排気口栓
袋の排気口を閉じる栓。入浴時などに使用する。 filter plug
2017
尿排出口開閉具
採尿袋の尿排出口の開閉栓。
drainage tap
8669-1
2018
逆流防止弁
採尿袋内にある尿の逆流を防ぐ仕切り。
non-return valve
8670-1
8670-2
3
T 9232-1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(3) 皮膚保護剤に関する用語
番号
用語
定義
参考
対応英語
ISO番号
3001
板状皮膚保護剤
(いたじょうひふほ
ござい)
平板状に裁断された皮膚保護剤。形状としては方
形状,円盤状,ロール状のものがある。
skin barrier wafer
skin barrier sheet
skin barrier disk
skin barrier ring
skin barrier roll
3002
練状皮膚保護剤
(ねりじょうひふほ
ござい)
ペースト状の皮膚保護剤。
skin barrier paste
3003
粉状皮膚保護剤
(こなじょうひふほ
ござい)
粉末状の皮膚保護剤。
skin barrier powder
(4) ストーマ用洗腸具に関する用語
番号
用語
定義
参考
対応英語
ISO番号
4001
洗腸液袋
洗腸液をいれる袋。
irrigation water bag
4002
チューブ
洗腸液袋と洗腸液注入部品とを接続する連結管。 tube
4003
流量調節器
洗腸液の流量を調節する器具。
flow controller
4004
コネクタ
洗腸液袋,チューブ及び洗腸液注入部品の接続
具。
connector
4005
洗腸液注入部品
洗腸液を結腸内へ注入する際にストーマに当て
がう器具。
stoma cone
4006
洗腸排液部品
結腸内へ注入した洗腸液の排液処理部品。
irrigation drain
4007
流量監視器
洗腸液の流れ状況をみるための器具。
flow indicator
4
T 9232-1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS T 9232原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
穴 澤 貞 夫
東京慈恵会医科大学
(用語規格小委員会委員長)
進 藤 勝 久
近畿大学医学部
石 川 眞里子
東京都狛江保健相談所
大 村 裕 子
東京オストミーセンター
尾 崎 晴 美
東邦薬品株式会社
河 合 恒 雄
癌研究会付属病院
加 藤 知 行
愛知県がんセンター
斉 藤 敏 夫
ブリストル・マイヤーズ・スクイブ株式会社
田 沢 賢 次
富山医科薬科大学
星 野 宏 光
コロプラスト株式会社
松 本 恵 一
昭和大学藤が丘病院
(試験法規格小委員会委員長)
沖 倉 元 治
ラテックス技術コンサルタント
久 保 善 規
アルケア株式会社
新 島 邦 雄
元 中央ラテックス技術研究会
吉 川 隆 造
アルケア株式会社
古 市 正 敏
通商産業省工業技術院標準部
加 山 英 男
財団法人日本規格協会
(事務局)
木 村 嘉四郎
社団法人日本リハビリテーション医学会