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日本工業規格          JIS 

 

T 9217-1992 

 

 

能動フック 

Voluntary opening hooks 

 

 

1. 適用範囲 この規格は,重作業用を除く成人用随意開き式能動フック(以下,フックという。)につい

て規定する。 

備考1. この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS B 0205 メートル並目ねじ 

JIS B 0207 メートル細目ねじ 

2. この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって参

考として併記したものである。 

関連規格 JIS T 0101 福祉関連機器用語[義肢・装具部門] 

 

2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。 

なお,フックの部品名称は,付図1による。 

(1) フックの長さ フックの基部から指こう(鉤)わん(弯)曲部先端までの距離(図1参照)。 

(2) フック先端のずれ フックを閉じたときの可動指こうと固定指こうの先端のずれ(図10参照)。 

 

3. 種類及び記号 種類及び記号は,表1のとおりとする。 

表1 

種類(1) 

記号 

備考 

スチール 

炭素鋼のフック 

ステンレススチール 

SS 

ステンレス鋼のフック 

アルミニウム合金 

AL 

アルミニウム合金のフック 

注(1) 指こうにプラスチックをかぶせたり,又は内面にネ

オプレンゴムなどを張り付けたものは,その指こう
の金属材料によって区分する。 

 

4. 性能 

4.1 

一般条件 フックは,閉じたときに2本の指こうの先端にずれがなく,先端部又は先端わん曲部が

平行に接していなければならない。 

4.2 

静的強度及び耐久性 静的強度及び耐久性は,9.によって試験したとき,表2を満足しなければなら

ない。 


T 9217-1992  

表2 

単位 mm 

項目 

性能 

試験方法
適用箇所 

S, SS 

AL 



 

指こうわん曲部 

指こう先端の伸び率が0.1 %未満 

9.1(1) 

可動指こう及び軸受部 

破損,永久変形,動作不良などの異常が
あってはならない。 

9.1(2) 

指こうの横方向の強度 

9.1(3) 


 

無負荷時の指こう先端のずれ 

2以下 

9.2 

負荷時の指こう先端のずれ 

4以下 

5以下 

指こう及びフックの制御レバー 破損,永久変形,動作不良などの異常が

あってはならない。 

軸受部 

指こうの開閉動作を妨げてはならない。 

 

5. 形状及び寸法 

5.1 

フックの長さ及び開き幅 長さ (l) 及び開き幅 (W) は,図1,図2及び表3のとおりとする。 

図1 

図2 

 

 

表3 

単位 mm 

区分 

長さ l 

開き幅 W 

H3 

l< 95 

W≧ 75 

H4 

 95≦l<105 

W≧ 85 

H5 

105≦l<115 

W≧ 95 

H6 

115≦l 

W≧105 

5.2 

質量 フックの質量は,S及びSSは250 g以下,ALは150 g以下とする(2)。 

注(2) 力源ゴムの質量は含めない。 

5.3 

取付けねじ フックの取付けねじは,原則としてJIS B 0207に規定するメートル細目ねじでM12×

1.5を用いなければならない。 

 

6. 外観 外観は,次のとおりとする。 

(1) フックの表面に,きず,さび及び汚れがあってはならない。 

(2) ゴム,プラスチックに著しい変色,ひび割れ及びき裂があってはならない。 

 

7. 材料 材料は,人体に対して無害であって,不快な臭気がなく,また,耐食性,耐湿性及び耐候性が

なければならない。 

(1) ゴム ゴムの組成は均一で,使用箇所に十分耐えなければならない。 

(2) ねじ ねじは,原則としてJIS B 0205に規定するメートル並目ねじ及びJIS B 0207に規定するメート

ル細目ねじを用いなければならない。 


T 9217-1992  

(3) その他の材料 金属材料,プラスチックなどの材料は,使用箇所に耐えるものでなければならない。 

 

8. 試験場所の状態 試験場所の状態は,温度状態20±10 ℃,湿度状態 (65±30) %の室内とする。 

 

9. 試験方法 

9.1 

静的強度試験 静的強度試験に用いるフックには力源ゴムを付けて試験する。 

(1) 指こうわん曲部の強度 フックを鉛直方向に固定し,指こうわん曲部先端に表4に示す負荷を与えて

試験する(図3参照)。このとき,各指こうに負荷を均一に作用させる。試験前後に指こう先端の高さ 

(h) (図4参照)を測定し,指こうの伸び率を求める。 

表4 

単位 N {kgf} 

 

S, SS 

AL 

備考 

負荷 

400 {40} 

300 {30} 

図3参照 

 

図3 

図4 

 

 

(2) 可動指こう及び軸受部の強度 フックの指こう先端が上を向く状態で水平方向に固定し,可動指こう

に表5に示す負荷を上向き及び下向きに与えて試験する(図5参照)。 

表5 

単位 N {kgf} 

 

S, SS 

AL 

負荷 

15 {1.5} 

10 {1.0} 


T 9217-1992  

図5 

 

(3) 指こうの横方向の強度 閉じた状態のフックが横を向く状態で水平方向に固定し,固定指こう及び可

動指こうに表6に示す負荷を下向きに与えて試験する(図6参照)。 

表6 

単位 N・m {kgf・m} 

 

S, SS 

AL 

負荷 

20 {2.0} 

15 {1.5} 

図6 

 

9.2 

耐久試験 軸受部の耐久性を調べるために,フック指こうの開閉動作とねじり動作を個別に,又は

交互に繰り返して行う。試料の力源ゴムは除去し,耐久性のある金属製ばねを代わりに取り付け(図8参

照),指こうが開き始めるときのワイヤ引張力が100 N {10 kgf} となるように調整する。装置の一例を図7

に示す。 


T 9217-1992  

図7 

 

(1) 開閉繰返し試験 フックの開閉繰返し試験は,次のとおりとする。 

(a) フックの制御レバーにかけたワイヤを40 mm引き指こうを開き,次に,ワイヤを緩め指こうを閉じ

る。 

(b) フックには,厚さ8 mmの板片(3)を挟んだままにする(図8参照)。 

(c) 繰返し周期は,1.5〜2.5秒 (0.40〜0.67 Hz) とする。 

(d) 繰返し試験数は,S及びSSは10万回,ALは5万回とする。 

注(3) 表面が滑らかで,摩耗に耐える硬さをもつこと。 


T 9217-1992  

図8 

 

(2) ねじり繰返し試験 フックのねじり繰返し試験は,次のとおりとする。 

(a) 一端に回転軸をもつ厚さ8 mmの板片(3)の中央部を挟み,一端に上向きの負荷を作用し,指こうに

ねじり力を作用させる。指こう先端が35 mm開いたところで除荷し,指こうを閉じる(図9参照)。 

(b) 繰返し周期は,1.5〜2.5秒 (0.40〜0.67 Hz) とする。 

(c) 繰返し試験数は,S及びSSは10万回,ALは5万回とする。 

図9 

 

(3) 指こう先端のずれの測定 耐久試験終了後指こう先端のずれを測定する。 

(a) 試験機に試料を取り付けたままにし,指こう先端のずれ(⊿x)を測定する(図10参照)。これを無

負荷時の指こう先端のずれとする。 

(b) 試料を試験機から外し,垂直に固定する。そして,軸に0.2 N・m {0.02 kgf・m} の負荷を作用させ,

指こう先端のずれを測定する。次に逆向きに同じ負荷を作用させ,ずれを測定する。両者の和を負

荷時の指こう先端のずれ(⊿y)とする(図11参照)。 

図10 

図11 

 

 

 


T 9217-1992  

10. 検査方法 

10.1 抜取検査 抜取検査は,性能及び形状・寸法について5.及び9.によって行い,4.及び5.の規定に適合

しなければならない。 

なお,この場合の抜取方法は,受渡当事者間の協定による。 

10.2 全数検査 全数検査は,外観について目視によって行い,6.の規定に適合しなければならない。 

 

11. 包装 防水効果及び防食効果のあるものとし,運搬中及び保存中に損傷しないように包装しなければ

ならない。 

また,次の事項を記入した表示を入れなければならない。 

(1) 規格の名称 

(2) 種類 

(3) フックの長さ及び開き幅による区分 

(4) 左右の別 

(5) JIS B 0205に規定するメートル並目ねじ及びJIS B 0207に規定するメートル細目ねじ以外のねじ部品

を用いた場合は,ねじの径とピッチ 

(6) 製造年月又はその略号 

(7) 製造業者名又はその略号 

 

12. 製品の呼び方 製品の呼び方は,規格の名称,種類,サイズ及び左右の別による。 

 

13. 表示 フックには,見やすい箇所に,容易に消えない方法で次の事項を表示しなければならない。 

(1) 製造年月又はその略号 

(2) 製造業者名又はその略号 


T 9217-1992  

付図1 フックの部品名称 

 


T 9217-1992  

JIS原案作成委員会 構成表(昭和62年3月1日制定のとき) 

 

 

氏名 

所属 

(委員長) 

 

加倉井 周 一 

東京都補装具研究所 

 

 

青 山   孝 

労働福祉事業団労災リハビリテーション工学センター 

 

 

秋 山 昌 英 

株式会社小原工業所 

 

 

朝 倉 健太郎 

東京大学工学部 

 

 

川 村 一 郎 

株式会社パシフィックサプライ 

 

 

久 保   茂 

東京都補装具研究所 

 

 

佐 藤 政 義 

有限会社佐藤製作所 

 

 

鈴 木 祥 生 

労働福祉事業団労災リハビリテーション工学センター 

 

 

鋤 園 栄 一 

日本義肢装具技術者協会 

 

 

数 藤 康 雄 

国立身体障害者リハビリテーションセンター 

 

 

田 沢 宗 吉 

社団法人日本義肢協会 

 

 

中 島 咲 哉 

兵庫県リハビリテーションセンター附属中央病院 

 

 

浜 田 哲 夫 

株式会社啓愛義肢装具材料販売所 

 

 

河 野 康 徳 

厚生省社会局 

 

 

松 本 邦 宏 

労働省労働基準局 

 

 

田 中 明 夫 

厚生団 

 

 

太 田 健一郎 

工業技術院標準部 

 

 

中 田 哲 雄 

通商産業省機械情報産業局 

 

 

矢 野 秀 昭 

国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所