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T 8060:2015  

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 原理······························································································································· 3 

5 人工血液························································································································· 3 

6 試験装置························································································································· 3 

6.1 浸透テストセル ············································································································· 3 

6.2 その他の装置 ················································································································ 3 

7 試験片···························································································································· 3 

7.1 試験片の採取 ················································································································ 3 

7.2 試験片の準備 ················································································································ 4 

8 試験······························································································································· 4 

8.1 予備試験 ······················································································································ 4 

8.2 試験装置の準備 ············································································································· 4 

8.3 試験手順 ······················································································································ 5 

8.4 試験終了後の試験装置の清掃 ··························································································· 6 

9 試験報告書 ······················································································································ 6 

附属書A(規定)人工血液の組成 ··························································································· 10 

参考文献 ···························································································································· 11 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 12 

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(2) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,公益社団法人日本

保安用品協会(JSAA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格

を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が改正

した日本工業規格である。これによって,JIS T 8060:2007は改正され,この規格に置き換えられた。 

また,令和2年10月26日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標

準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の

特許出願及び実用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

日本産業規格          JIS 

T 8060:2015 

血液及び体液の接触に対する防護服−防護服材料の

血液及び体液に対する耐浸透性の求め方− 

人工血液を用いる試験方法 

Clothing for protection against contact with blood and body fluids- 

Determination of the resistance of protective clothing materials to 

penetration by blood and body fluids-Test method using synthetic blood 

序文 

この規格は,2004年に第1版として発行されたISO 16603を基とし,使用上の利便性を考慮するため,

技術的内容を変更して作成した日本産業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,血液及び体液に対する防護服材料の耐浸透性の求め方について規定する。この規格では,

JIS T 8031の試験装置を使用し,規定された条件における試験片との接触に人工血液を使用する。 

この規格は,人工血液を容易に吸収する厚いライナを内張りした防護服材料については,必ずしも有効

であるとは限らない。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を示す記号を,次に示す。 

ISO 16603:2004,Clothing for protection against contact with blood and body fluids−Determination of 

the resistance of protective clothing materials to penetration by blood and body fluids−Test 

method using synthetic blood(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS L 1096 織物及び編物の生地試験方法 

注記 対応国際規格:ISO 3801,Textiles−Woven fabrics−Determination of mass per unit length and 

mass per unit area及びISO 5084,Textiles−Determination of thickness of textiles and textile 

products(全体評価:MOD) 

JIS T 8031 化学防護服−防護服材料の加圧下における耐液体浸透性試験 

T 8060:2015  

注記 対応国際規格:ISO 13994,Clothing for protection against liquid chemicals−Determination of the 

resistance of protective clothing materials to penetration by liquids under pressure(MOD) 

JIS Z 9015-1 計数値検査に対する抜取検査手順−第1部:ロットごとの検査に対するAQL指標型抜

取検査方式 

注記 対応国際規格:ISO 2859-1,Sampling procedures for inspection by attributes−Part 1: Sampling 

schemes indexed by acceptance quality limit (AQL) for lot-by-lot inspection 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語の定義は,次による。 

3.1 

血液媒介性病原体(blood-borne pathogen) 

血液又はその他の体液を介して伝ぱ(播)する病原体の総称。 

3.2 

耐血液浸透性材料(blood-resistant material) 

血液及び体液の浸透に対して耐性のある材料。 

3.3 

体液(body fluid) 

体内で作られる(分泌性又は外分泌性の)全ての液体。 

注記 この規格では,体液には,血液,精液,ちつ(膣)分泌液,脳脊髄液,滑液,腹膜液,羊膜液,

及び歯科治療における唾液だけではなく,明らかに血液又は病原体に汚染している可能性のあ

る体液,及び同定不能な全ての体液も含んでいる。 

3.4 

擬似体液(body fluid simulant) 

人間の体液モデルとしての機能を果たす液体。 

注記 この規格では,人工血液を擬似体液として使用している。 

3.5 

浸透(penetration) 

粒子又は液状物質が,防護服の多孔質材料,縫合部,ピンホール,その他の不完全な部分などを非分子

レベルで通過するプロセス。 

注記 この規格では,人工血液を浸透液として使用している。 

3.6 

防護服(protective clothing) 

有害物質の暴露又は接触から,作業者の身体の全体又は一部を防護するために着用する衣服。 

3.7 

人工血液(synthetic blood) 

アマランス色素,界面活性剤,増粘剤,無機塩類及び蒸留水の混合液で,血液及び幾つかの体液を代表

する表面張力及び粘度をもつ液体。 

注記 この規格における人工血液は,実際の血液又は体液の全ての特性(色,凝固,細胞物質の構成

など)を模擬するものではない。 

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原理 

JIS T 8031で規定する試験装置内に置かれた人工血液に,規定の圧力及び時間条件に従って試験片を暴

露させる。液体の浸透を,目視で観察することによって判定する。 

人工血液 

人工血液は,次による。 

− 表面張力:(0.042±0.002)N/m 

− pH:7.3±0.1 

なお,人工血液の成分は,附属書Aによる。 

試験装置 

6.1 

浸透テストセル 

浸透テストセルは,JIS T 8031に規定するもので,加圧した試験液に接触する試験片を固定するものと

し,次による。 

a) 試験片は,浸透テストセル内で人工血液と浸透テストセルの観測面側とを分離する隔壁としての役割

を果たす。 

b) セル本体は,セル支持台にしっかりと固定する。 

c) セル本体には,約60 mLの人工血液を満たす。開口部のあるフランジカバー(透明カバーを含む。)

によって目視観察ができる。セル本体には,液体を満たすトップポート及び液体を排出する排出弁を

備える。セル本体のトップポートに空気ホースを接続する継手,ガスケット,支持スクリーンなどの

その他の部品も必要である。 

d) 支持スクリーン付き浸透テストセルの例及び試験装置の例を,それぞれ図1及び図2に示す。内径が

57 mmである浸透テストセル本体の仕様の例を,図3に示す。 

6.2 

その他の装置 

6.2.1 

支持スクリーン 平滑に仕上げられたプラスチック又は金属製のスクエアメッシュスクリーンで,

伸縮性のある材料又は弾性のある材料を支持し,その仕様は,次による。 

a) 開口率は,50 %を超えるものとする。 

b) 試験片のたわみは,5.0 mm以下とする。 

6.2.2 

空気源 (20 02

+)kPaで,空気を供給できるものとする。 

6.2.3 

ストップウォッチ又は適切な時間計測器 

6.2.4 

はかり(秤) 精度は,0.01 g以上とする。 

6.2.5 

容器,メスシリンダー又は目盛付き容器 最小目盛は,1 mLとする。 

6.2.6 

厚さゲージ 0.02 mmの厚さまで測定できるものとする。 

試験片 

7.1 

試験片の採取 

試験片の採取方法は,次による。 

a) 材料サンプル又は防護服完成品から試験片を採取する。これらの試験片は,単一層又は全ての構成層

が防護服完成品と同じ順序で配置された複数層複合材料からなる。 

b) 防護服の異なる部位に異なる材料又は異なる厚さの材料が用いられる場合,それぞれの部位から試験

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片を採取する。 

c) 防護服の縫合部が基材と同じ防護性をもつとする場合は,縫合部を含む試験片を追加して試験する。 

d) 試験片の大きさは,1辺の長さが70 mm以上の正方形とする。 

e) 試験枚数は3枚とし,各材料,各複合材料,各部位(異なる材料からなる場合)又は他の異なる条件

の部分から各々3枚をランダムに採取し試験する。 

f) 

防護服材料の耐血液性に関する品質管理又は製品の全般的な製造物クレームをサポートする目的でこ

の手順を用いる場合には,この試験方法で指定するデータ母集団よりも大きなデータ母集団を用いて

適切な統計的実験を計画し,解析することが望ましい。許容できるサンプリングの例は,JIS Z 9015-1

などに示されている。 

g) 2枚の織物層の間に不浸透性層が存在する防護服材料は,縁辺部での毛細管現象による見せかけの不

合格が発生する可能性がある。試験片の縁辺部をシールし,毛細管現象による影響を防止する。試験

実施前に,接着剤,パラフィルム,パラフィンワックス又は裏面粘着式の発泡体で試験片をシールす

る。試験片の縁辺部だけをシールし,中央の57 mm試験領域(57 mm角)を試験用にあけておく。試

験領域の試験片内部にシール剤が浸入し,ブロック・遮断すると試験の信頼性が損なわれるため,こ

れらを防止しなければならない。防護服材料に適したシール剤又はシール方法を選択する。 

7.2 

試験片の準備 

試験片を,気温21±5 ℃及び相対湿度(60±10)%に最低24時間暴露して調整する。 

必要であれば,滅菌などの他の試料調整を行い,防護服の機能劣化を評価する。 

試験 

8.1 

予備試験 

予備試験は,次による。 

a) JIS L 1096の8.4(厚さ)A法(JIS法)に従って,各試験片の厚さを0.02 mm単位まで測定する。 

b) JIS L 1096の8.3(単位面積当たりの質量)A法(JIS法)に従って,各試験片の単位面積当たりの質

量を10 g/m2単位で測定する。 

c) 予備の試験片の内側表面に,少量の人工血液(10 μL)を滴下する。材料に浸透する小滴が容易に見え

るようにする。 

注記 滴下した小滴を見やすくするために,タルカムパウダー,斜光照明などを用いる方法も使用

できる。 

8.2 

試験装置の準備 

試験装置の準備は,次による。 

a) セル本体を水平に置いた状態で,試験片の外側表面をセルの人工血液充塡側に向けて,セル本体の上

に置く。伸縮性又は弾性のある試験片は,フランジカバーと試験片との間に支持スクリーンを用いて

もよい。 

b) セルの各部を次のように組み立てる。 

1) セル本体と試験片との間,試験片と支持スクリーン(使用する場合)との間及び支持スクリーンと

フランジカバーとの間に図1で示すようにガスケットを置く。 

2) フランジカバー及び透明カバーを載せて浸透セルを閉じる。 

なお,セル本体と試験片との間に使用する液漏れ防止用のガスケットは,ポリテトラフルオロエ

チレン(PTFE)が望ましい。 

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注記 透明カバーの代用として,透明なプラスチックフィルムを使用してもよい。 

c) 浸透テストセルのねじを,均等に締める。 

d) 図2に示すように,浸透テストセルを試験装置内に垂直に取り付ける(排出弁が下向きになるように

する。)。この時点では,浸透テストセルに図2の8の空気ホースは接続しない。 

e) 排出弁を閉じる。 

8.3 

試験手順 

a) 表1から手順を選択する。 

表1−試験手順 

手順 

圧力及び時間条件 

使用環境 

5分間0 kPa, 
続いて1分間14 kPa, 
続いて4分間0 kPa 

 この手順を採用する材料及び構成要素は,次の場合を想定している。 
a) 大量の血液又は体液を取り扱う場合。 
b) 液体に直接接触する場合。 

5分間0 kPa, 
続いて5分間1.75 kPa, 
続いて5分間3.5 kPa, 
続いて5分間7 kPa, 
続いて5分間14 kPa, 
続いて5分間20 kPa 

 この手順を採用する材料及び構成要素は,次の場合を想定している。 
a) 血液又は体液を取り扱う場合。 
b) 手順Aと異なる圧力下で使用する場合。 

5分間0 kPa, 
続いて15秒間1.75 kPa, 
続いて15秒間3.5 kPa, 
続いて15秒間7 kPa, 
続いて15秒間14 kPa, 
続いて15秒間20 kPa 

 どの程度の圧力で材料を浸透するかを知ることが必要な場合。 

伸縮材料又は弾性材料の試験で,支持スクリーンを使用した場合は,その旨を試験報告書に記載する。 
注記1 現場の作業内容並びにその分析及び予想される暴露量に基づいて,必要とされる防護レベルを決定する

ことが望ましい。 

注記2 この規格での目視による浸透が確認できなかった最高圧力を,JIS T 8061における試験圧力として用い

てもよい。 

b) トップポートから約60 mLの人工血液を慎重に注入し,浸透テストセルのセル本体を満たす(シリン

ジ又は漏斗を用いると注入しやすい。)試験中に試験片から液が浸透してきたら,そこで試験を終了す

る。 

c) 図2の8の空気ホースを浸透テストセルに接続する。 

d) 圧力調整器を0 kPaの圧力に設定し,セル用ベントバルブを閉じる。 

e) 表1の手順で指示された圧力及び時間を試験液に加え,セル用ベントバルブを開き(3.5±0.5)kPa/s

以下の単位で圧力を変化させる。規定時間及び規定レベルの圧力を維持する。 

f) 

各圧力における時間の最後に,人工血液の浸透又はその他のぬれの痕跡が試験片の観察表面(内側表

面)に現れるかを観察する。これらの現象が見られた場合は,液体の浸透又はぬれが観察された時間

を記録する。 

g) 浸透又はぬれが見られない場合は,次の圧力・時間条件に進み,試験を続行する。 

h) 試験結果が確認された時点で,セル用ベントバルブを閉じ,加圧を停止し排出弁を開く。 

i) 

残りの試験片を試験する。 

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8.4 

試験終了後の試験装置の清掃 

試験が終了した後,排出弁を開いて浸透テストセル内の人工血液を排出する。適切な洗浄液を使用して

テストセルを洗浄し,残留した人工血液を取り除く。セルから試験片及びガスケットを取り外す。人工血

液に接触したと思われるテストセルの各部分を洗浄する。 

試験報告書 

試験報告書には,次の情報を含む。 

a) この規格に従って試験をしたことの記載(例えば,JIS T 8060:2015) 

b) 製造業者名及び材料名(例えば,品名,品番など) 

c) 試験片採取方法(ロール原反から採取,防護服完成品から採取など)の説明 

d) 試験片の材料特性 

1) 試験片の繊維及びコーティングの種類 

2) 防護服完成品から採取した試験片については,次の項目を明示する。 

2.1) 構成(例えば,複合材料など) 

2.2) 縫合部のタイプ 

2.3) 各試験片の製品での部位 

3) 試験片を滅菌したかどうか,滅菌した場合はその方法 

4) その他(例えば,前処理条件など) 

e) 各試験片の厚さ及び必要な場合は,試験実施後の平均厚さ(mm) 

f) 

各試験片の単位面積当たりの質量及び必要な場合は,試験実施後の単位面積当たりの平均質量(g/m2) 

g) 人工血液浸透の目視確認を見やすくした場合は,その技法の説明 

h) 表1から選択した手順 

i) 

支持スクリーンを使用した場合は,その種類及び仕様 

j) 

各試験片について,規定圧力及び規定時間ごとの浸透又はぬれの有無 

k) 各試験片に浸透又はぬれが求められた時間(報告する場合) 

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1 透明カバー(任意) 

7 トップポート 

2 フランジカバー 

8 PTFEガスケット(推奨) 

3 ガスケット(支持スクリーンを使用する場合) 

9 セル本体 

4 支持スクリーン(使用する場合) 

10 排出弁 

5 ガスケット 

11 セル支持台 

6 試験片 

図1−支持スクリーン付き浸透テストセルの例(分解部品配列図) 

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T 8060:2015  

圧縮空気又は窒素ガス 

コネクタ 

空気圧力調整器 

安全弁 

圧力計 

セル用ベントバルブ 

8のゴム製空気ホースを接続する めす継手 

7に接続する おす継手及び15に接続する めす
継ぎ手付きゴム製空気ホース 

安全カバー 

10 浸透テストセル 
11 排出弁 
12 クランプ 
13 受け皿 
14 クランプ止め具 
15 8のゴム製空気ホースを接続する おす継ぎ手付き

トップポート(試験液注入口を兼ねる。) 

図2−試験装置の例(三次元側面図) 

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T 8060:2015  

単位 mm 

1 ホース継手用ねじ山 

2 排出弁用ねじ山 

図3−浸透テストセル本体の例 

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附属書A 

(規定) 

人工血液の組成 

A.1 成分 

人工血液1 Lの製造に必要な成分は,次による。 

− カルボキシメチルセルロース(CMC)[例えば,CMC-Sigma 9004-32-4 1) 中粘度]  2 g 

− ポリエチレングリコールソルビタンモノラウレート{例えば,Tween 20[Fluka 9377 1)]}  0.04 g 

− 塩化ナトリウム  2.4 g 

− アマランス色素[例えば,Sigma 915-67-3 1)]  1 g 

− りん酸二水素一カリウム(KH2PO4)  1.2 g 

− りん酸水素二ナトリウム(Na2HPO4)  4.3 g 

− 精製水  最大1 L 

注記1 2-メチル-4-イソチアゾリン-3-一塩酸塩(MIT)(0.5 g/L)を加えると,溶液の保存期間を長く

することができる。 

注記2 人工血液の表面張力は,ISO 304又はJIS K 3362に従って測定するとよい。 

注記3 精製水は,JIS K 8008の3.2(水)に規定する精製水又は同等以上の精製水とするとよい。 

注1) CMC-Sigma 9004-32-4,Tween 20(Fluka 9377)及びSigma 915-67-3は,市販製品の一例である。

この情報は,この規格の利用者の便宜を図って記載するもので,この製品を推奨するものでは

ない。 

11 

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参考文献 

[1] TELFORD, G.L. and QUEBBEMAN, E.J. Assessing the risk of blood exposure in the operating room. 

American Journal of Infection Control, 21 (6), December 1993, pp. 351-356 

[2] Geigy Scientific Tables, Volume 1: Units of measurement, body fluids, composition of blood, hematology, 

somatometric data. (Lentner, C. ed.) Medical Education Division, Ciba-Geigy Corporation, West Caldwell, NJ, 

1984 

[3] MCCULLOUGH, E.A. and SCHOENBERGER, L.K. Liquid barrier properties of nine surgical gown fabrics. 

INDA Journal of Nonwovens Research, 3 (3), 1991, pp. 14-20 

[4] SMITH, J.W. and NICHOLS, R.L. Barrier efficiency of surgical gowns. Archives of Surgery, 126, June 1991, 

pp. 756-762 

[5] ALTMAN, K.W. et. al. Transmural surgical gown pressure measurements in the operating theater. American 

Journal of Infection Control, 19, 1991, pp. 147-155 

[6] LYTLE, C.D. and BAKER, K.H. Ability of a viral penetration test (ASTM F1671-95) to detect small holes. 

Journal of Testing and Evaluation (JTEVA), 27 (3), May 1999, pp. 231-233 

[7] ASTM F1670-98,Standard test method for resistance of materials used in protective clothing to penetration by 

synthetic blood 

[8] ISO 304,Surface active agents−Determination of surface tension by drawing up liquid films 

[9] JIS K 3362 家庭用合成洗剤試験方法 

[10] JIS K 8008 生化学試薬通則 

[11] JIS T 8061 血液及び体液の接触に対する防護服−防護服材料の血液媒介性病原体に対する耐浸透性

の求め方−Phi-X174バクテリオファージを用いる試験方法 

注記 対応国際規格:ISO 16604,Clothing for protection against contact with blood and body fluids−

Determination of resistance of protective clothing materials to penetration by blood-borne pathogens

−Test method using Phi-X174 bacteriophage(MOD) 

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12 

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附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS T 8060:2015 血液及び体液の接触に対する防護服−防護服材料の血液及び体液
に対する耐浸透性の求め方−人工血液を用いる試験方法 

ISO 16603:2004,Clothing for protection against contact with blood and body fluids
−Determination of the resistance of protective clothing materials to penetration by 
blood and body fluids−Test method using synthetic blood 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

5 人工血
液 

表面張力,pH 

表面張力,pH,粘度及び
電気伝導度 

削除 

粘度及び電気伝導度は,測定精
度が困難なため削除。 

ISOに改正を提案する。 

8 試験 

8.1 予備試験 
8.2 試験装置の準備 
8.4 試験終了後の試
験装置の清掃 

8.1 
8.2 
8.3 

JISとほぼ同じ 

変更 

理解を容易にするため箇条番
号等を変更したが,技術的な差
異はない。 

実質的な差異はない。 

表1 
試験手順A,B,C 

表1 

試験手順A,B,C,D 

変更 

ISO規格の手順A,B,C,D
を,注記を入れることで手順
A,Bにまとめた。新たに手順
Cを追加して,JIS T 8031に整
合させた。 

ISOに改正を提案する。 

9 試験報
告書 

d) 2.1) 構成(例え
ば,複合材料など) 
d) 4) その他(例え
ば,前処理条件な
ど) 

9 d) 1) 

構成 

追加 

理解を容易にするため,例等を
追加した。 

実質的な差異はない。 

図1 

支持スクリーン付
き浸透テストセル
の例 

図1 

JISとほぼ同じ 

追加 

意味を明確にするため,1 透明
カバーに“(任意)”を追加した。
8 PTEFガスケットに“(推奨)”
を追加した。 

実質的な差異はない。 

2

T

 8

0

6

0

2

0

1

5

background image

13 

T 8060:2015  

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

図2 

試験装置の例 

図2 

JISとほぼ同じ 

変更 

4 安全弁の位置を示す矢印を
正確な位置に変更した。 

ISOに矢印位置の変更を提案す
る。 

8 空気ホースを分かりやすく
するため,15トップポートの
位置を追加した。 

実質的な差異はない。 

図3 

浸透テストセル本
体の例 

− 

− 

追加 

分かりやすくするために例を
追加した。 

実質的な差異はない。 

附属書A 
(規定) 

表面張力測定法 
精製水 

附属書A 
(参考) 

表面張力測定法 
蒸留水又は脱イオン水 

変更 

JISの測定法も使用できるよう
にした。 
色々な精製方法があるため,一
般的な表現とした。 

− 

附属書B 
(参考) 

装置の情報 

削除 

国内で製作できるので,米国の
製作会社名を記載しているこ
の附属書は削除した。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 16603:2004,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

  − 削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
  − 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  − 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

  − MOD…………… 国際規格を修正している。 

2

T

 8

0

6

0

2

0

1

5