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T 7324:2005  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本医用機器工業

会(JAMEI)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS T 7324:1989は改正され,この規格に置き換えられる。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。 

T 7324:2005  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 1 

3. 定義 ······························································································································ 2 

4. 設計上の要求事項 ············································································································ 4 

4.1 滅菌器の設計,構造,部品,及び附属品 ············································································· 4 

4.2 滅菌器の安全性 ············································································································· 4 

4.3 工程モニタリング・制御装置···························································································· 5 

4.4 滅菌器の滅菌性能 ·········································································································· 5 

4.5 脱気 ···························································································································· 5 

4.6 乾燥性能 ······················································································································ 6 

4.7 滅菌器の性能の保証及び記録···························································································· 6 

5. 試験・検査 ····················································································································· 6 

5.1 滅菌器の設計,構造,部品,及び附属品 ············································································· 6 

5.2 滅菌器の安全性 ············································································································· 7 

5.3 工程モニタリング・制御装置···························································································· 7 

5.4 滅菌器の滅菌性能 ·········································································································· 7 

5.5 脱気 ··························································································································· 10 

5.6 乾燥性能 ····················································································································· 11 

5.7 滅菌器の性能の保証及び記録··························································································· 11 

6. 表示 ····························································································································· 11 

6.1 滅菌器の表示 ··············································································································· 11 

6.2 附属文書 ····················································································································· 11 

6.3 薬事法で指定する附属文書······························································································ 12 

6.4 その他の文書・情報(修理・保守点検手引書) ··································································· 13 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

T 7324:2005 

医療用小型高圧蒸気滅菌器 

High-pressure steam sterilizers for medical use(Small size) 

1. 適用範囲 この規格は,飽和水蒸気(チャンバ内の水から直接又は一体型蒸気発生器から発生させる,

又は外部の蒸気発生源を利用する。)を用いて医療機器など(被滅菌物)を滅菌する小型蒸気滅菌器の,安

全性,性能,試験及び表示に関する基本要求事項について規定する。 

この対象とする滅菌器は,国で定める圧力容器規定(1)に該当する容器(2)又は同規定の適用外の容器のう

ち0.3 L以上の容積をもつものとする。ただし,ウォッシャステリライザを含むバイオハザード対応の滅

菌器その他の滅菌器は除く。 

注(1) 労働安全衛生法のボイラー及び圧力容器安全規則,小型ボイラー及び小型圧力容器構造規格,

簡易ボイラー等構造規格などによる。ただし,この規格で用いる最高使用圧力は,労働安全衛

生法の最高圧力をいう。 

(2) 労働安全衛生法施行令第1条第6号の小型圧力容器及び第13条第37号に掲げる容器をいう。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発効年又は発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格

の規定を構成するものであって,その後の改訂版・追補には適用しない。発効年又は発行年を付記してい

ない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 7505 ブルドン管圧力計 

JIS C 1010-1:1998 測定,制御及び研究室用電気機器の安全性 第1部:一般要求事項 

JIS C 1806-1 計測・制御及び試験室使用の電気装置−電磁両立性(EMC)要求 

JIS Z 8737-2 音響−作業位置及び他の指定位置における機械騒音の放射音圧レベルの測定方法−第2

部:現場における簡易測定方法 

ISO 11138-1 Sterilization of health care products−Biological indicators−Part 1: General 

ISO 11138-3 Sterilization of health care products−Biological indicators−Part 3: Biological indicators for 

moist heat sterilization 

ISO 11140-1 Sterilization of health care products−Chemical indicators−Part 1: General requirements 

ISO 11140-3 Sterilization of health care products−Chemical indicators−Part 3: Class 2 indicators for steam 

penetration test sheets 

ISO 11140-4 Sterilization of health care products−Chemical indicators−Part 4: Class 2 indicators for steam 

penetration test packs 

ISO 11140-5 Sterilization of health care products−Chemical indicators−Part 5: Class 2 indicators for air 

removal test sheets and packs 

IEC 61010-2-041:1995 Safety requirements for electrical equipment for measurement, control, and laboratory 

T 7324:2005  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

use−Part 2-041: Particular requirements for autoclaves using steam for the treatment of medical materials, 

and for laboratory processes 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,IEC 61010-2-041:1995及びJIS C 1010-1:1998によるほか,

次による。 

a) 圧力表示器 滅菌器のチャンバ又はジャケットなどに取り付けられ,次の圧力を測定する計器。チャ

ンバ又はジャケット内の圧力を,通常はメガパスカル(MPa)の単位で表示する。 

− 圧力計は,正のゲージ圧を測定するもの。 

− 真空計は,負のゲージ圧を測定するもの。 

− 連成計は,正及び負のゲージ圧を測定するもの。 

b) 圧力容器 大気圧を上回る内圧に耐えられる密閉された空間をもち,圧力容器指定(1)のボイラー及び

圧力容器安全規則などに適合するように製作された容器。 

c) 電磁両立性(EMC) 装置又はシステムの存在する環境において,許容できないような電磁妨害をい

かなるものに対しても与えず,かつ,その電磁環境において満足に機能するための装置又はシステム

の能力。 

d) 医療機器 装置,器具,材料資材又はその他の物品を,単独で又は組み合わせて用いるもので,製造

業者の意図する適切な使用のために必要なソフトウェアをも含み,人間に対し,次のような目的で使

用する機器。 

− 疾患の診断,予防,観察,治療又は緩和 

− 傷害又は身体障害の診断,予防,観察,治療,緩和又はその補償 

− 解剖学的事項又は生理学的過程の究明,代替又は調節 

− 受胎の調節 

人体に対する,又は人体中での主要な意図された作用は,薬理学的,免疫学的又は代謝の関与す

る方式で達成されるのではないが,用具の機能はそれらに助けられる。 

e) 運転サイクル 規定の順序に従って,滅菌を目的として実行される工程段階の完全な一組。 

例 滅菌器の扉を閉めたときから,少なくとも空気排除,滅菌,自然冷却を含む排気など,すべての

工程を終了し,扉を開けるまでの過程。 

f) 

オーバーキル法 既知のD値,及び菌数(例えば106個)のバイオロジカルインジケータを10−6の無

菌性保障レベル(SAL)を確保する12D時間処理する方法。 

g) ケミカルインジケータ(化学的指標) 滅菌工程に作用(暴露)することで生じる化学的又は物理的

な変化に基づき,あらかじめ規定した一つ又は複数の変数変化を明らかにするシステム。 

h) 校正 正確さが未知の計量計測のシステム又は器具装置を,正確さが既知の(国家標準までたどるこ

との可能な)計量計測のシステム又は器具装置と比較して,正確さが確認されていない計量計測シス

テム又は器具装置に対して要求される性能上の限界からの偏りを検出するか,相関を求めるか,報告

するか,又は調節によって排除する。 

i) 

工程 運転サイクルを構成する各処理ステップ。 

j) 

ジャケット チャンバの周囲に取り付けられ,内部の温度を維持する機構。 

k) 重力置換式滅菌器 チャンバ内及び負荷内の滅菌温度上昇を阻害する残留空気を,飽和水蒸気圧力に

よって排出口から排除する方式の蒸気滅菌器。 

l) 

蒸気発生器 水に十分な熱を加えて水蒸気に変換する装置。 

T 7324:2005  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

m) 真空脱気式滅菌器 チャンバ内及び被滅菌物内の滅菌温度上昇を阻害する残留空気を滅菌工程前に真

空装置によって強制的に吸引排除する方式。パルス脱気式を含む。 

n) 精度 ある数量の測定値とその数量の真の値との差の程度。 

o) チャレンジテストパック 滅菌される物品を想定して規定されたテストパック。運転サイクルの性能

の有効性を評価するために用いる。 

p) チャンバ 滅菌器の一部をなし,内部で物品が滅菌処理され,扉又はふたの閉鎖によって周囲環境か

ら遮断される空間又は被滅菌物を収納し滅菌処理するための空間を形成する容器。片扉式と両扉式と

がある。 

q) D値 所定の設定条件において,特定の微生物集団を1対数(90 %)低減するのに必要な作用(暴露)

時間。 

r) 特定保守管理医療機器 医療機器のうち,保守点検,修理その他の管理に専門的な知識及び技能を必

要とすることからその適正な管理が行われなければ疾病の診断,治療又は予防に重大な影響を与える

おそれがある機器。これらの機器は,厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定され

る。 

s) 

ハーフサイクル法 既知のD値及び菌数(例えば106個)のバイオロジカルインジケータがすべて死

滅する最小時間の2倍の時間で滅菌処理する方法。 

t) 

ハンドル チャンバのふたの開閉及び/又はロック・アンロックを行うための手動装置。この用語は,

また,滅菌器に使用される水蒸気又は水の流れを制御する操作部にも適用される。 

u) バイオロジカルインジケータ(生物学的指標) 運転サイクルに一定の抵抗を示す微生物及びその微

生物を含む,使用準備のできた一次包装内の接種担体。 

v) 負荷 サイクルに供される物品又はそれを模したもの。(IEC 61010-2-041:1995参照) 

w) ふたインターロック チャンバ内の圧力が所定の限度[圧力容器規定(1)による規制値]を上回る場合

にチャンバのふたが偶然開くのを防止する手段,及び/又はチャンバのふたがロックされていない場

合にチャンバ内での水蒸気の発生又はチャンバ内への水蒸気の導入を防ぐ手段。 

x) 飽和水蒸気 飽和水蒸気圧に対応する温度における湿熱。 

y) 保持時間 負荷のあらゆる部分の温度が滅菌温度域内に保持される期間。 

備考 平衡時間の直後に始まる。保持時間の長さは滅菌温度に関係している。 

z) ボウィー・ディックテスト 被滅菌物内の空気が排除され,飽和水蒸気が被滅菌物内に確実に浸透す

ることを監視する試験。試験には規定された条件の下,専用のテストパック及びテストシートが使用

される。 

aa) 無菌性保証レベル(以下,SALという。) 滅菌後の物品に生存可能な微生物が存在している確率。 

備考 SALは通常,10−nと表現する。SALが10−6の場合,滅菌された物品が(生存可能な微生物1

個に)汚染されている確率は100万分の1以下である。 

ab) 滅菌 物品を生育可能な微生物が存在しない状態にするために用いる,バリデーションを受けた運転

サイクル。 

備考 運動サイクルでは,微生物の不活性化作用の本質は指数関数で表現される。したがって,あら

ゆる物品上の生育可能な微生物の存在は,確率を用いて表現できる。この確率は非常に低い数

まで減少させ得るが,ゼロまで減少させることは不可能である(無菌性保証レベル参照)。 

ac) 滅菌温度 保持時間において達成・維持される温度。 

ad) 滅菌タイマ 選定された滅菌条件下に滅菌器を維持しておく時間を制御する,機械的又は電気的装置。 

T 7324:2005  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4. 設計上の要求事項  

4.1 

滅菌器の設計,構造,部品,及び附属品  

4.1.1 

機械的安全性 機械的安全性は,IEC 61010-2-041:1995及びJIS C 1010-1:1998に従って設計及び製

造し,次になる。 

a) 圧力容器 最高使用圧力及び耐圧は,圧力容器規定(1)によらなければならない。 

b) 安全弁又は安全装置 安全弁又は安全装置の性能は,圧力容器規定(1)に適合する性能をもつものとし,

安全弁又は安全装置は圧力容器部へ直接取り付けるか又は流体送入系路に取り付けるものとする。閉

そくのおそれがある場所,排気系路及び排水系路に取り付けてはならない。 

4.1.2 

電気的安全性 滅菌器の電気的安全性は,IEC 61010-2-041:1995及びJIS C 1010-1:1998に従って設

計及び製造し,EMCについては,JIS C 1806-1に従うものとする。 

4.1.3 

耐腐食性 耐腐食性は次による。 

a) チャンバの内表面 チャンバの内面及びふたのチャンバ内側は,耐腐食性をもつ材料で製作し,かつ,

圧力容器規定(1)によらなければならない。 

b) 負荷となる附属品 滅菌器製造業者の供給する負荷棚及びその他の附属品は,滅菌処理される物品,

材料及び水蒸気に対して耐腐食性をもたなければならない。 

4.1.4 

エアフィルタ 滅菌器が外気による真空破壊又はチャンバへの給気を必要とする場合,エアフィル

タ(細菌除去フィルタ,粒径0.3 μmの粒子の除去率が99.97 %以上)を設置しなければならない。 

4.1.5 

給蒸装置 熱源(蒸気発生部)をもつものは,熱源部の保守が容易にできる構造とし,通常使用時

の1回の運転サイクルで消費する水量を確保しなければならない。 

熱源にはIEC 61010-2-041:1995による温度過昇保護装置を備えるものとする。 

4.1.6 

自動制御装置 自動制御装置は,次による。 

a) 自動制御の範囲 運転サイクルのすべての工程を連続的に制御するものとする。ただし,半自動制御

式のものにあっては,最低限滅菌温度と滅菌時間とを連続的に制御できるものとする。 

b) 運転表示装置 滅菌器の運転中及び運転サイクル終了を明示する表示装置を,操作者の見やすい位置

に取り付ける。 

4.1.7 

脚又は固定部 滅菌器は必要に応じて,次のような脚又は固定部をもつものとする。 

− 滑りにくい材料でできた脚。 

− 移動用車輪をもつものは半数以上の車輪を固定できるか,又は別に固定装置を設ける。 

− 固定する必要のある滅菌器は,建造物にボルトで固定するためのアンカボルト穴などの固定手段。 

4.2 

滅菌器の安全性  

4.2.1 

ふたインターロック 滅菌器は,通常の動作条件においてチャンバのふたがロックされていないと

きに水蒸気が発生しないように又は水蒸気がチャンバ内に侵入できないよう設計されたインターロック機

構を備えなければならない。 

滅菌器は,チャンバ内の残留圧力が外部の圧力と等しいときでなければそのふたを開けることのできな

い構造としなければならない。 

備考 この要求事項は,工程を完了するため電源障害発生時も動作するよう設計された自動滅菌器を

適用外とするものではない。 

4.2.2 

熱傷害の防止 通常稼動時にオペレータが使用するハンドル及びその他の接触可能なものはすべ

て,その温度がJIS C 1010-1:1998に適合しなければならない。また,熱水の放出等による危険の防止につ

いてはIEC 61010-2-041:1995に従う。 

T 7324:2005  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.2.3 

運転サイクルの中止制御 動作中の運転サイクルを安全に中止又は終了するための手段をオペレ

ータが容易に利用できるようにしなければならない。 

4.2.4 

騒音 騒音は,5.2.4によって試験したとき,75 dB(A)以下でなければならない。 

4.3 

工程モニタリング・制御装置  

4.3.1 

チャンバ内の温度  

4.3.1.1 

温度のモニタリング及び記録 滅菌器はチャンバ内の温度を表示する手段,及びチャンバ内の温

度をデジタル若しくはアナログ記録するための手段,又はその手段への接続が提供されることが望ましい。

また,温度についての表示と運転サイクル制御システムとは独立していることが望ましい。 

4.3.1.2 

温度センサの位置 温度センサは,負荷の温度が滅菌器に表示される温度と同等又はそれ以上に

なるような位置に設置されるのが望ましい。 

4.3.1.3 

温度測定の精度 チャンバ内の温度を検知するための温度測定器の精度は,通常使用する滅菌温

度の±5 ℃の範囲において,±2.5 ℃に相当するものとする。 

なお,温度測定器は,温度調節器と兼用してもよい。また,圧力計と温度計とを一体としたものを使用

してもよい。 

4.3.1.4 

温度測定の分解能 温度測定器は通常使用する滅菌温度の±5 ℃の範囲において,デジタル式に

おいては1 ℃以下の分解能をもつものとする。アナログ式測定器においては5 ℃以下の目盛を備えている

ことが望ましい。 

4.3.2 

滅菌温度調節器 滅菌温度調節器はチャンバ内の温度調節を行い,滅菌タイマと連動して滅菌条件

を達成する。温度調節精度は次のいずれかによるものとし,連続可変式の滅菌温度調節器の最小目盛は,

2.5 ℃以下とする。 

a) 固定式 設定に対する誤差   ℃ 調節幅 ±2 ℃ 

b) 連続可変式 設定に対する誤差   ℃ 調節幅 ±1 ℃ 

4.3.3 

滅菌タイマ 滅菌タイマは滅菌温度調節器に連動し,チャンバ内の温度が設定値に達したとき又は

許容範囲にあるとき作動するものとする。 

チャンバ内温度が設定値に到達したときに滅菌タイマをスタートさせ,設定時間経過後滅菌工程を終了

する。チャンバ内温度が設定値より低下した場合は滅菌タイマをリセットさせ,チャンバ内温度が設定値

に復帰したとき再スタートさせるものとする。誤差を含んだ実際の滅菌時間は,設定値を下回ってはなら

ない。 

4.3.4 

圧力表示器 チャンバ用の圧力計又は連成計は,JIS B 7505に適合するもの又はこれと同等以上の

性能をもつものとし,操作者の見やすい位置に取り付ける。目盛板には,最高使用圧力を示す赤マークを

表示する。 

小型圧力容器に該当する場合は,圧力容器規定(1)によらなければならない。 

なお,両ふた式の場合は,滅菌器の両面に取り付ける。また,ジャケット付きの場合は,ジャケット用

圧力計を主操作側に備える。 

4.4 

滅菌器の滅菌性能 蒸気滅菌器の滅菌性能として,10−6以下のSALを確保しなければならない。 

4.5 

脱気  

4.5.1 

重力置換式滅菌器における脱気(該当する場合だけ適用) 滅菌器の脱気の有効性は,滅菌試験に

よって確認する。 

この場合,滅菌工程においてチャンバ内・負荷内で測定される温度及びその保持時間の密度は次の値を

満たさなければならない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

負荷内の温度:許容滅菌温度    ℃ 

保持時間  :チャレンジテストパックを用いて10−6以下の無菌性保証レベル(SAL)を達成するのに

必要な滅菌時間を下回らない。 

4.5.2 

真空脱気式滅菌器における脱気(該当する場合だけ適用) 滅菌器の真空(真空脱気)システムの

有効性を市販のボウィー・ディック式テストパックを使用して確認する。又は,滅菌試験によって確認し

てもよい。 

市販のボウィー・ディック式テストパックによって確認する場合は,テストパックの判定基準に従って

有効性を判定する。また,滅菌試験によって確認する場合は,滅菌工程においてチャレンジテストパック

及びチャンバ内で測定される温度及びその保持時間は4.5.1に示した値を満たさなければならない。 

4.6 

乾燥性能(該当する場合だけ適用) 繊維質材料のチャレンジテストパックにおける乾燥性能の確

認は,滅菌試験前後の質量変化とぬれ染みの有無で判定する。質量変化は滅菌前の+5 %以下であり,ま

た,布類に水滴によるぬれ染みの付いているところがあってはならない。 

包装した器具類のチャレンジテストパックにおける乾燥性能の確認は,滅菌試験前後の質量変化とぬれ

染みの有無で判定する。質量変化は滅菌前の+3 %以下であり,また,布類に水滴によるぬれ染みの付い

ているところがあってはならない。パックごとに,その構成物が乾燥していることを確認する。また,滅

菌温度より高い温度で乾燥を行う滅菌器においては,チャレンジテストパック及びダミーが熱による損傷

(変形,変色など)を受けてはならない。 

4.7 

滅菌器の性能の保証及び記録 この規格に従って実施された試験の報告書(原本又は写し)は滅菌

器製造業者が保証し,滅菌器の設計寿命(耐用年数)の間保存しなければならない。 

5. 試験・検査 この箇条では4. で規定する要求事項への適合性を確認できる試験の方法及び検査方法に

ついて規定する。これらの試験・検査は,形式試験であり,ルーチン試験,又は納入先における設置試験,

受入れ試験若しくは予防メンテナンス試験を意図してはいない。試験機器などは,次による。 

a) 試験装置・機器 滅菌器の試験に使用する装置及び機器は,精度を校正する必要がある。校正の頻度

及び方法を規定する品質保証プログラムを文書化しなければならない。いかなる試験機器の校正も,

医療機器の製造管理及び品質管理規則に関する基準(GMP)に関し,薬事法で規定する主要な基準に

基づかなければならない。 

b) 滅菌器の設置・稼動 4. の要求事項への適合判定試験で使用する滅菌器は,製品と同一であり,製品

と同様に設置・稼動させなければならない。ユーティリティ供給値の範囲(すなわち,水蒸気圧及び

水圧などの範囲)が指定されている場合,滅菌器の有効性に対して最も不利な条件で試験を行わなけ

ればならない。また,そのときの環境条件は,滅菌器の使用条件の範囲で製造業者が指定した条件と

する。滅菌器の試験における状態などで特にこの規格で指定していない事項は,IEC 61010-2-041:1995

及びJIS C 1010-1:1998に従う。 

5.1 

滅菌器の設計,構造,部品,及び附属品  

5.1.1 

機械的安全性 機械的安全性はIEC 61010-2-041:1995及びJIS C 1010-1:1998によっているかを調

べ,4.1.1の規定に適合しなければならない。 

5.1.1.1 

圧力容器 圧力容器規定(1)に従っているかを調べる。 

5.1.1.2 

安全弁又は安全装置 安全弁又は安全装置の性能は圧力容器規定(1)によっているかを調べる。ま

た,その取付けについては目視によって確認する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.1.2 

電気的安全性 4.1.2への適合の確認において,滅菌器の電気システムは,IEC 61010-2-041:1995及

びJIS C 1010-1:1998の該当項目に従って確認する。また,EMCについては,JIS C 1806-1に従っているか

を確認する。 

5.1.3 

耐腐食性  

5.1.3.1 

チャンバの内表面 4.1.3.1への適合は,圧力容器規定(1)に従っているかを調べる。 

5.1.3.2 

負荷となる附属品 4.1.3.2への適合は,材質の確認及び/又は試験によって行う。 

5.1.4 

エアフィルタ 4.1.4への適合は,目視点検によって確認する。 

5.1.5 

給蒸装置 4.1.5への適合は,熱源部の保守の容易さについて目視によって確認する。 

蒸気発生部の保有水量が適切であることの確認は,取扱説明書で指定されている種類の最大負荷量にお

いて滅菌タイマを設定可能な最長時間に設定して運転し,支障なく運転できることを確認することで行う。 

温度過昇保護デバイスについては,IEC 61010-2-041:1995及びJIS C 1010-1:1998に従って確認する。 

5.1.6 

自動制御装置 4.1.6への適合は,試験運転を行い,目視によって確認する。 

5.1.7 

脚又は固定部 4.1.7への適合は,目視によって確認する。 

5.2 

滅菌器の安全性  

5.2.1 

ふたインターロック ふたインターロックの動作は,4.2.1に従ってインターロック機能を実行し

てみることによって確認する。チャンバ加圧時にふたが開かないことを確認するための試験は,万一イン

ターロックが不調な場合には危険な状況の発生が予想されるため,大気圧をわずかに上回る程度の圧力で

行う必要がある。 

5.2.2 

熱傷防止 4.2.2への適合は,JIS C 1010-1:1998に従って確認する。 

5.2.3 

運転サイクルの中止制御 4.2.3への適合は,目視によって確認する。 

5.2.4 

騒音 騒音は,JIS Z 8737-2によって測定する。 

5.3 

工程モニタリング・制御装置  

5.3.1 

チャンバ内の温度  

5.3.1.1 

温度のモニタリング及び記録 4.3.1.1への適合は,目視によって調べる。 

5.3.1.2 

温度センサの位置 4.3.1.2への適合は,目視によって調べる。 

5.3.1.3 

温度測定の精度 4.3.1.3への適合は,滅菌試験における滅菌器の温度表示値と外部の温度測定器

による測定値との差が規定値に収まっていることを目視によって調べる。 

5.3.1.4 

温度測定の分解能 4.3.1.4への適合は,目視によって調べる。 

5.3.2 

滅菌温度調節器 4.3.2への適合は,滅菌試験における滅菌器の温度設定値と外部の温度測定器に

よる測定値との差が規定値に収まっていることを目視によって調べる。 

5.3.3 

滅菌タイマ 4.3.3への適合は,再現試験によって適正動作を確認する。 

5.3.4 

圧力表示機 4.3.4への適合は,目視検査によって又は公認基準に照らして試験することによって

調べる。 

5.4 

滅菌器の滅菌性能 滅菌性能として,10−6以下の無菌性保証レベル(SAL)を確保していることの

証明は,チャレンジテストパックを使用したオーバーキル法,ハーフサイクル法などの滅菌試験によって

行う。試験は,製造業者の推奨する保持時間について,3サイクル以上別個の負荷を用いて行う必要があ

る。記録は4.7に従って保存されなければならない。 

試験に用いるバイオロジカルインジケータは,ISO 11138-3,ISO 11138-1に適合するもの又は同等のも

のとし,その判定は当該バイオロジカルインジケータの取扱説明書に従わなければならない。 

T 7324:2005  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.4.1 

繊維質材料のチャレンジテストパックを用いた滅菌性能評価  

5.4.1.1 

重力置換式滅菌器の滅菌試験(該当する場合だけ適用)  

5.4.1.1.1 

チャレンジテストパックの構成 日本薬局方のガーゼ(30 cm×10 m)を1単位としたものを5

枚重ね,その中心にバイオロジカルインジケータ2個及び温度記録計のセンサを入れ,全体を包装用リネ

ン(約60×60 cm)で包みテープで固定する。 

なお,標準のチャレンジテストパックを収納できない小形の滅菌器の場合は,内容積に比例してガーゼ

を減量し,包装用リネンの寸法を小さくしてもよい。また,包装用リネンの代わりに専用収納器を使用し

てもよい。このような場合には,ガーゼの量及び包装用リネン又は専用収納器の寸法を,試験成績書に記

録する。 

備考 包装用リネンは,生地品質改良剤を使用せずに(生地特性に影響を与え,また,チャンバ内に

非凝縮性ガスを放散する揮発性物質を含有する可能性があるため)洗ったものを,アイロンを

かけずに乾燥させる。 

チャレンジテストパック及び後述するダミーは,安定化のために相対湿度35 %〜70 %に管

理した18〜22 ℃の環境で1時間以上保存すべきである。滅菌前にチャレンジテストパックの

質量を測定・記録しておき,5.6で滅菌後質量と比較できるようにしておく。 

5.4.1.1.2 

チャレンジテストパックの配置 負荷を取扱説明書で指定されている負荷量,又はチャンバの

有効容積の約80 %入れた状態とし,チャレンジテストパックはチャンバ内下段の棚のドレン排出口の近

くに置く。ただし,チャレンジテストパックだけしかチャンバ内に収納できない場合は,チャレンジテス

トパックだけとする。 

複数のパックを収納できる場合は,チャレンジテストパックと同等の負荷量のダミー(バイオロジカル

インジケータの入っていないもの)を使用して最大負荷量を構成してもよい。また,負荷量調整用のダミ

ーも寸法・体積は異なるものの,チャレンジテストパックと同様の構成とする。 

大形のチャンバにおいては複数のチャレンジテストパックを使用してもよい。 

5.4.1.1.3 

運転サイクルの稼動 滅菌性能試験は,取扱説明書に従った運転サイクルを,別個の負荷を用

いて3回行う。 

5.4.1.1.4 

バイオロジカルインジケータの培養・判定 チャレンジテストパックからバイオロジカルイン

ジケータを取り出し,当該バイオロジカルインジケータの取扱説明書に従って培養し,判定を行う。 

5.4.1.1.5 

滅菌性能の判定 5.4.1.1.1〜5.4.1.1.4の試験によって,4.4への適合を調べる。 

5.4.1.2 

真空脱気式滅菌器の滅菌試験(該当する場合だけ適用)  

5.4.1.2.1 

チャレンジテストパックの構成 木綿製のタオル約2.5 kgを約23×30 cmの寸法に畳み,25 cm

の高さになるようにし,中央のタオルの上にバイオロジカルインジケータ2個と温度測定センサを入れ,

そのタオルを約90×90 cmの包装用リネンで二重に包装し,固定用テープでしっかりと固定する。 

なお,標準のチャレンジテストパックを収納できない小形の滅菌器の場合には,内容積に比例してタオ

ルを減量し,包装用リネンの寸法を小さくしてもよい。また,包装用リネンの代わりに専用収納器を使用

してもよい。このような場合にはタオルの量及び包装用リネン又は専用収納器の寸法を,試験成績書に記

録する。 

備考 包装用リネンは,生地品質改良剤を使用せずに(生地特性に影響を与え,また,チャンバ内に

非凝縮性ガスを放散する揮発性物質を含有する可能性があるため)洗ったものを,アイロンを

かけずに乾燥させる。 

チャレンジテストパック及び後述するダミーは,安定化のために相対湿度35 %〜70 %に管

T 7324:2005  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

理した18〜22 ℃の環境で1時間以上保存すべきである。滅菌前にチャレンジテストパックの

質量を測定・記録しておき,5.6で滅菌後質量と比較できるようにしておく。 

5.4.1.2.2 

チャレンジテストパックの配置 負荷を取扱説明書で指定されている負荷量又はチャンバの有

効容積の約80 %入れた状態とし,チャレンジテストパックはチャンバ内下段の棚のドレン排出口の近く

に置く。ただし,チャレンジテストパックだけしかチャンバ内に収納できない場合は,チャレンジテスト

パックだけとする。 

複数のパックを収納できる場合は,チャレンジテストパックと同等の負荷量のダミー(バイオロジカル

インジケータの入っていないもの)を使用して最大負荷量を構成してもよい。また,負荷量調整用のダミ

ーも寸法・体積は異なるものの,チャレンジテストパックと同様の構成とする。 

大形のチャンバにおいては複数のチャレンジテストパックを使用してもよい。 

5.4.1.2.3 

運転サイクルの稼動 滅菌性能試験は,取扱説明書に従った運転サイクルを,別個の負荷を用

いて3回行う。 

5.4.1.2.4 

バイオロジカルインジケータの培養・判定 チャレンジテストパックからバイオロジカルイン

ジケータを取り出し,当該バイオロジカルインジケータの取扱説明書に従って培養し,判定を行う。 

5.4.1.2.5 

滅菌性能の判定 5.4.1.2.1〜5.4.1.2.4の試験によって,4.4への適合を調べる。 

5.4.2 

液体負荷を用いた滅菌性能評価(該当する場合だけ適用)  

5.4.2.1 

試験用フラスコ 500 mlのフラスコを2個用意し,一方にはバイオロジカルインジケータの取扱

説明書で指定されている液体培地500 ml及びバイオロジカルインジケータ1個を入れて綿栓などで封をし,

他方には,水500 mlを入れ,水の中心温度が測定できるように熱電対又は他の温度センサをセットして密

封する。 

なお,チャンバに規定のフラスコを収納できない場合は,容量を減量してもよい。専用収納器を指定す

る滅菌器の場合は,専用収納器で行うことができる。このような場合には規定外のフラスコ及び専用収納

器を使用したこと並びにその寸法及び/又は容量を,試験成績書に記録する。また,取扱説明書に負荷量

が指定されている場合は,それに従うものとする。 

5.4.2.2 

試験用フラスコの配置 試験用フラスコは,チャンバのほぼ中心部に置く。 

5.4.2.3 

運転サイクルの稼動 滅菌性能試験は,取扱説明書に従った運転サイクルを,別個の負荷を用い

て3回行う。 

5.4.2.4 

バイオロジカルインジケータの培養・判定 バイオロジカルインジケータの取扱説明書に従って

培養し,判定を行う。 

5.4.2.5 

滅菌性能の判定 5.4.2.1〜5.4.2.4の試験によって,4.4への適合を確認する。 

5.4.2.6 

包装した器具類のチャレンジテストパックを用いた滅菌性能評価(該当する場合だけ適用)  

5.4.2.7 

チャレンジテストパックの構成 穴の設けられた金属器具トレイの内側を木綿製のタオルで覆

う。取扱説明書で指定されている負荷質量を構成するように,器具の代わりにステンレス製のM12×100

六角ボルトをトレイに配置する。六角ボルトのかたまりの中央付近にバイオロジカルインジケータ2個及

び温度測定センサを入れ,約90×90 cmの包装用リネンで二重に包装し,固定用テープでしっかりと固定

する。 

滅菌器の棚板が金属器具トレイとして機能するものの場合は,チャレンジテストパックの構成を次のよ

うにしてもよい。取扱説明書で指定されている負荷質量を構成するように,器具の代わりにステンレス製

のM12×100六角ボルトを約90×90 cmの包装用リネンに配置し,六角ボルトのかたまりの中央付近にバ

イオロジカルインジケータ2個及び温度測定センサを入れて,包装用リネンで二重に包装し,固定用テー

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T 7324:2005  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

プでしっかりと固定する。金属器具トレイ(滅菌器の棚板)の内側に木綿製のタオルを敷き,前述の包装

した六角ボルトのかたまりをその上に置く。 

いずれの場合も,標準の包装用リネンでは大きすぎる場合には包装用リネンの寸法を小さくすることが

できる。 

なお,負荷質量及び包装用リネンの寸法を,試験成績書に記録する。 

備考 木綿製のタオル及び包装用リネンは,生地品質改良剤を使用せずに(生地特性に影響を与え,

またチャンバ内に非凝縮性ガスを放散する揮発性物質を含有する可能性があるため)洗ったも

のを,アイロンをかけずに乾燥させる。 

チャレンジテストパック及び後述するダミーの構成部材は状態の安定化のために,相対湿度

35 %〜70 %に管理した18〜22 ℃の環境で保存しておく。滅菌前にチャレンジテストパック

の質量を測定・記録しておき,5.6で滅菌後質量と比較できるようにしておく。 

5.4.2.8 

チャレンジテストパックの配置 チャレンジテストパックはチャンバ内下段の棚のドレン排出

口の近くに置く。ただし,チャレンジテストパックだけしかチャンバ内に収納できない場合は,チャレン

ジテストパックだけとする。 

複数のパックを収納できる場合は,チャレンジテストパックと同等の負荷量のダミー(バイオロジカル

インジケータの入っていないもの)を使用して最大負荷量を構成してもよい。また,負荷量調整用のダミ

ーも寸法・体積は異なるものの,チャレンジテストパックと同様の構成とする。 

大形のチャンバにおいては複数のチャレンジテストパックを使用してもよい。 

5.4.2.9 

運転サイクルの稼動 滅菌性能試験は,取扱説明書に従った運転サイクルを,別個の負荷を用い

て3回行う。 

5.4.2.10 運転サイクル終了後の冷却 チャレンジテストパックを載せたトレイをチャンバから取り出し,

パック又はトレイの外面に付着した水分を目視により点検する。熱いパックを載せたトレイと冷たい面と

の急激な接触を避けるため,トレイをラックに置く。空調による空気の流れの影響のない場所で,パック

を載せたトレイが完全に冷めるのを待つ。冷却は18〜22 ℃,相対湿度35 %〜70 %の環境で行う。 

5.4.2.11 バイオロジカルインジケータの培養・判定 チャレンジテスト用パックからバイオロジカルイン

ジケータを取り出し,当該バイオロジカルインジケータの取扱説明書に従って培養し,判定を行う。 

5.4.2.12 滅菌性能の判定 5.4.3.1〜5.4.3.5の試験によって,4.4への適合を確認する。 

5.5 

脱気  

5.5.1 

重力置換式滅菌器における脱気(該当する場合だけ適用) 4.5.1への適合は,5.4.1.1に従って試験

を行い,基準を満たしていることで確認する。 

5.5.2 

真空脱気式滅菌器における脱気(該当する場合だけ適用) 4.5.2への適合は,ISO 11140-1,-3,-4

及び -5で推奨するボウィー・ディックテストパックと同等の,市販されているボウィー・ディック式テス

トパックを使用して行う。又は,5.4.1.2に従って試験を行い,基準を満たしていることで確認してもよい。 

5.5.2.1 

ボウィー・ディックテストパックによる試験  

5.5.2.1.1 

ボウィー・ディックテストパック ISO 11140-1,-3,-4及び -5で推奨するボウィー・ディック

テストパックと同等の,市販されているボウィー・ディック式テストパックを使用する。 

5.5.2.1.2 

テストパックの配置 テストパックは他には何も入っていないチャンバの底部及び滅菌棚前部

ふた付近(製造業者の測定値に基づく滅菌器の最も冷たい部位)に水平に置かなければならない。 

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T 7324:2005  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.5.2.1.3 

運転サイクルの稼動 前真空工程は滅菌器の取扱説明書に従い実行する。滅菌温度・保持時間

はボウィー・ディック式テストパックの取扱説明書に従うものとする。試験の実行中にチャンバ内の温度

を測定し,チャンバ内の温度と保持時間がボウィー・ディック式テストパックの取扱説明書に従っている

ことを確認する。 

備考 チャンバが冷えた状態からボウィー・ディックテストを実施した場合は,試験結果が正しくな

いことがある。そのため,事前にチャンバを空にして最低1サイクル運転することによって滅

菌器を動作温度まで加熱しておかなければならない。 

5.5.2.1.4 

脱気性能の判定 ボウィー・ディック式テストパックの取扱説明書に従って判定する。 

5.6 

乾燥性能(該当する場合だけ適用) 5.4.1又は5.4.3の試験を行い,4.6の規定を満たしていること

を確認する。また,滅菌温度より高い温度で乾燥を行う滅菌器においては,チャレンジテストパック及び

ダミーが熱による損傷(変形,変色など)を受けていないことを目視によって調べる。 

5.7 

滅菌器の性能の保証及び記録 4.7への適合は,目視によって調べる。 

6. 表示 IEC 61010-2-041:1995及びJIS C 1010-1:1998によるほか,次による。 

備考 圧力容器に対する表示は,圧力容器規定(1)に従うものとする。また,EMC表示については薬事

法に従うものとする。 

6.1 

滅菌器の表示  

6.1.1 

識別表示 滅菌器の見やすいところ又は電源入力付近に,次の事項を銘板などで表示しなければな

らない。 

a) 一般名称及び型式 

b) 製造販売業者名及び所在地 

c) 製造業者名及び所在地 

d) 製造番号 

e) 定格電源電圧及び周波数 

f) 

電源入力 

g) 管理医療機器(クラスⅡ)である旨の表示 

h) 特定保守管理医療機器である旨の表示 

i) 

EMC適合表示 

6.1.2 

注意表示 滅菌器の見やすいところに,次の事項を表示しなければならない。 

a) ふたの操作上の注意事項 

b) 熱傷防止のための注意事項 

c) 用途及び禁止事項 

6.2 

附属文書 滅菌器には,取扱説明書を附属しなければならない。その内容は次の指定事項によるほ

か,JIS C 1010-1:1998及びIEC 61010-2-041:1995に従う。 

6.2.1 

ボイラー及び圧力容器安全規則による文書  

6.2.2 

出荷検査証  

6.2.3 

取扱説明書  

a) 一般名称,製造業者による名称及び型式 

b) 製造販売業者名及び所在地 

c) 製造業者名及び所在地 

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T 7324:2005  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

d) 定格電源周波数及び電圧 

e) 電源入力 

f) 

最高使用圧力 

g) 薬事認証番号(薬事承認番号) 

h) EMC適合表示 

i) 

管理医療機器(クラスⅡ)である旨の表示 

j) 

特定保守管理医療機器である旨の表示 

k) ふたの操作上の注意事項 

l) 

熱傷防止のための注意事項 

m) 用途及び禁止事項 

n) 点検及び日常メンテナンスに関する指示。点検並びに日常メンテナンス手順及び実施間隔,定期自主

検査の実施説明(小型圧力容器に該当する場合),並びに正規サービスのための連絡先について記載す

る。 

o) 使用条件。使用条件としては次の事項を含むが,製造業者(3)が指定していない場合はIEC 61010-2-041: 

1995及びJIS C 1010-1:1998による。 

注(3) 本文中で使用される“製造業者”には薬事法で規定されている“製造販売業者”も含む。ただ

し,“製造業者”と“製造販売業者”が並記されている場合は,本来の意味とする。また,引用

規格における“製造業者”又は“製造者”は必要に応じて“製造販売業者”と読み替えるもの

とする。 

1) 必要設備  

− 電源(電圧,電流,周波数) 

− 給水設備及び/又は排水設備(該当する場合) 

− 水蒸気供給設備(該当する場合) 

2) 滅菌器の使用環境 

− 周囲温度,相対湿度及び気圧(又は標高) 

− 設置場所に関する指定事項 

3) 滅菌器の保管環境 

− 周囲温度,相対湿度及び気圧(又は標高) 

4) 減菌対象付加物。対象とする負荷物の種類,その収納方法,及び収納量を滅菌における推奨事項と

して参照するよう記載する。 

p) 附属品 

6.3 

薬事法で指定する附属文書  

a) 医療用具添付文書 

b) 設置管理基準書 

1) 作業員の安全確保 

2) 使用上必要となるスペース(縦,横,高さ) 

3) 設置に必要な建築物の強度 

4) 必要設備の確認[電源(電圧,電流,周波数),給水設備及び/又は排水設備(該当する場合),給

蒸設備(該当する場合)] 

5) 使用する保護接地 

13 

T 7324:2005  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6) 設置環境[周囲温度,相対湿度,気圧(又は標高),設置場所に関する指定事項(電磁波障害,など)] 

7) 設置に用いる部品,ユニット,工具などの取扱い方法 

8) 設置方法(組立作業を行う場合には,組立方法を含む。) 

9) 設置された医療用具の品質,性能及び安全性の確認方法 

10) 設置時の作業現場において利用するチェックリスト 

11) その他必要な事項 

6.4 

その他の文書・情報(修理・保守点検手引書) 製造業者は,滅菌器の安全性及び有効性の維持を

十分確保できる程度に詳細な修理・保守点検手引書を(4),訓練を受けた担当者が利用できるようにするこ

とが望ましい。 

注(4) 修理・保守点検手引書の記載内容の詳細さの程度は,滅菌器の精巧さ及び使用者に可能な整備

範囲によって変わることがある。ただし,少なくとも部品の調達に関する情報については記載

する。 

  

関連規格 JIS Z 8203 国際単位系(SI)及びその使い方 

ANSI/AAMI ST55 Table-top steam sterilizers 

関連法規 労働安全衛生法 

労働安全衛生法施行令 

厚生労働省令 ボイラー及び圧力容器安全規則 

厚生労働省告示 小型ボイラー及び小型圧力容器構造規格 

厚生労働省告示 簡易ボイラー等構造規格 

日本薬局方