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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

T 7306-1988 

検眼鏡 

Ophthalmoscopes  

1. 適用範囲 この規格は,主として眼底の正立又は倒立像を観察するために用いられる検眼鏡について

規定する。 

引用規格: 

JIS T 1001 医用電気機器の安全通則 

JIS T 1002 医用電気機器の安全性試験方法通則 

JIS T 1003 医用電気機器の電気的安全性試験方法 

JIS Z 8120 光学用語 

2. 用語の意味 この規格で用いる主な用語の意味は,JIS T 1001(医用電気機器の安全通則),JIS T 1003

(医用電気機器の電気的安全性試験方法)及びJIS Z 8120(光学用語)の用語の意味によるほか,次のと

おりとする。 

(1) 回転レンズ盤 被検眼と検眼との屈折力の補正に用いられるレンズを環状に配したターレット状の盤。

レンズの屈折力の単位の名称はディオプトリ,量記号はD,単位記号はm−1とする。 

(2) 補助レンズ盤 回転レンズ盤と組み合わせて用いる補正用レンズ盤。レンズの屈折力の単位の名称は

ディオプトリ,量記号はD,単位記号はm−1とする。 

(3) 倒像用レンズ 倒像検眼鏡で,観察用光束を集光させ被検眼どう(瞳)孔から光束を照射し,かつ,

眼底像を結像させるのに用いられる凸レンズ。レンズの屈折力の単位の名称はディオプトリ,量記号

はD,単位記号はm−1とする。 

(4) 内部視標 眼底観察の目的に応じて,眼底に像を結像させるために照明系光路に入れる図形。 

3. 種類 検眼鏡の種類は,次のとおりとする。 

(1) 直像検眼鏡 眼底の正立像を観察するもの。 

(2) 倒像検眼鏡 眼底の倒立像を観察するもの。 

(a) 単眼倒像検眼鏡 倒立像を単眼によって観察するもの。 

(b) 双眼倒像検眼鏡 倒立像を双眼によって観察するもの。 

4. 性能 

4.1 

直像検眼鏡 直像検眼鏡の性能は,6.1の方法で試験を行ったとき次の項目を満足しなければならな

い。 

(1) 補正レンズの屈折力 回転レンズ盤,補助レンズ盤の各々のレンズの屈折力は,各々のレンズに表示

された屈折力に対して,6.1(1)の方法で実測した屈折力との誤差は±15%であること。 

T 7306-1988  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(2) 内部視標の結像位置 内臓されている内部視標の結像位置は,無限遠であること。ただし,結像位置

を変化させることのできるものなどは除く。 

(3) 視野と照野のずれ 照野は視野のほぼ中央にあること。 

4.2 

双眼倒像検眼鏡 双眼倒像検眼鏡の性能は,6.2の方法で試験を行ったとき次の項目を満足しなけれ

ばならない。 

(1) 観察系左右光軸のずれ 観察系左右光軸相互のずれは40'以内であること。 

(2) 視野と照野のずれ 視野と照野のずれは,対物側出口から500mmの位置で±15mmであること。ただ

し,照野位置の移動できるものはその移動可能方向でのずれは除く。 

4.3 

電気的安全性 電気的安全性に関する事項は,JIS T 1001に規定された次の分類に適合することと

する。 

(1) 電撃に対する保護の形式による分類 クラスI機器以上又は内部電源機器とする。 

(2) 電撃に対する保護の程度による分類 B形機器とし,漏れ電流及び絶縁は次のとおりとする。 

(a) 漏れ電流JIS T 1001の6.2のうち次のとおりとする。 

正常状態 

単一故障状態 

接地漏れ電流 

0.5mA以下 

1mA以下 

外装漏れ電流 

0.1mA以下 

0.5mA以下 

(b) 絶縁はJIS T 1001の6.3のうち,電源一次回路と,機器本体との間(絶縁の部分A−a)は該当する

試験電圧に1分間耐えること。 

5. 構造 

5.1 

機械的構造 機械的構造は,次のとおりとする。 

(1) 各部の構造は,いずれも良質の材料を用い,加工組立を入念に行い,丈夫であること。 

(2) 各部は,円滑,確実に作動すること。 

(3) 光源その他に使用する電灯は,点滅が確実であること。 

(4) 回転レンズ盤は,0D (m−1) を基点とし,検者側から見て時計回り方向に回転させたとき+D (m−1) の

値,反時計回り方向に回転させたとき−D (m−1) の値が大きくなるように配置されていること。 

(5) 回転レンズ盤のD (m−1) の値の数字を色別するなどして+D (m−1) か−D (m−1) かが分かること。 

(6) 双眼倒像検眼鏡鏡体の眼幅は少なくとも55mmから72mmの範囲で調節できること。 

(7) 双眼倒像検眼鏡の額帯頭囲は少なくとも53cmから63cmの範囲で調節できること。 

(8) 照明光学系には必要によってフィルタが入れられること。 

5.2 

光学的構造 光学的構造は,次のとおりとする。 

(1) 光学系は,実用上差し支えある収差がなく有害な内面反射及び迷光がないこと。 

(2) 補正レンズの屈折力は,回転レンズ盤と補助レンズ盤とを組み合わすことによって,少なくとも+15D 

(m−1) から−15D (m−1) の範囲で調節できること。 

(3) 倒像検眼鏡の照野は倒像用レンズを用いて観察するのに十分な大きさが得られること。 

6. 試験 

6.1 

直像検眼鏡の試験は,完成品又はユニットの状態で次によって行う。 

(1) 補正レンズの屈折力 回転レンズ盤,補助レンズ盤の各々のレンズの屈折力はレンズメータなどで測

定する。 

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T 7306-1988  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(2) 内部視標の結像位置 直像検眼鏡の光束出口に検査用レンズを置き,内部視標の結像位置を測定する。 

(3) 視野と照野のずれ 目視検査を行う。 

6.2 

双眼倒像検眼鏡の試験は完成品で次によって行う。 

(1) 観察系左右光軸のずれ 図1に示すように対物側出口に試験用コリメータを,接眼側出口の焦点位置

に基準十字線を描いたスクリーンを配置し,スクリーン上に投影された試験用コリメータのチャート

像とスクリーン上の基準十字線とのずれを測定する。 

図1 

(2) 視野と照野のずれ 図2に示すように接眼側出口に試験用コリメータを,対物側出口に結像レンズを,

さらに焦点位置に基準十字線を描いたスクリーンを配置し,スクリーンに照射された照野の中心とス

クリーン上に投影された試験用コリメータのチャート像とのずれを測定する。 

図2 

6.3 

電気的安全試験 JIS T 1002(医用電気機器の安全性試験方法通則)及びJIS T 1003によって漏れ電

流試験,絶縁耐圧試験を行う。ただし,光学機器の性質上,JIS T 1003の3.4.2は適用しない。 

T 7306-1988  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

7. 表示 JIS T 1001の12.のうち,機器又は収納ケースなどに次の事項を銘板などに表示しなければなら

ない。 

(1) 製造業者名及び所在地 

(2) 名称,形名及び製造番号(ロット番号でもよい。) 

(3) 定格電源周波数 (Hz) 及び定格電源電圧 (V)  

(4) 電源入力(A, VA又はW) 

検眼鏡のJIS原案作成委員会 

氏名 

所属 

(委員長) 

野 寄 喜美春 

埼玉医科大学 

(委員長代行) 

天 野 清 範 

埼玉医科大学 

大 頭   仁 

早稲田大学理工学部 

村 上 貴 久 

厚生省薬務局 

釜 土 祐 一 

工業技術院標準部 

御 須   孝 

工業技術院標準部 

林   一 彦 

東京医科歯科大学 

河 野 宗 浩 

横浜市立大学 

米 谷   新 

群馬大学 

早 川 哲 夫 

株式会社ナイツ 

藤 木 利 男 

株式会社松本医科器械 

高 木 和 俊 

東京光学機械株式会社