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T 5410:2010  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 要求事項························································································································· 2 

4.1 材料 ···························································································································· 2 

4.2 最大全長 ······················································································································ 2 

4.3 硬さ ···························································································································· 2 

4.4 外観 ···························································································································· 2 

4.5 オートクレーブ耐久性 ···································································································· 2 

4.6 耐食性及び耐熱性 ·········································································································· 2 

4.7 ジョイントの開閉力 ······································································································· 3 

5 試験方法························································································································· 3 

5.1 目視試験 ······················································································································ 3 

5.2 ロックウェル硬さ試験 ···································································································· 3 

5.3 オートクレーブ耐久性試験,耐食性試験及び耐熱性試験 ························································ 3 

5.4 ジョイントの開閉力に対する試験······················································································ 3 

6 表示······························································································································· 3 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 4 

T 5410:2010  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本歯科器械工業

協同組合(JDMMA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正

すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS T 5410:1988は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

T 5410:2010 

抜歯かん(鉗)子−一般的要求事項 

Dentistry-extraction forceps-General requirements 

序文 

この規格は,2006年に第2版として発行されたISO 9173-1を基に作成した日本工業規格であるが,薬

事法との整合などのため,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,歯科で使用する金属製の抜歯かん(鉗)子[以下,抜歯かん(鉗)子という。]の材料及び

性能に関する一般的要求事項について規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 9173-1:2006,Dentistry−Extraction forceps−Part 1: General requirements and test methods

(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS G 4303 ステンレス鋼棒 

JIS Z 2245 ロックウェル硬さ試験−試験方法 

注記 対応国際規格:ISO 6508-1,Metallic materials−Rockwell hardness test−Part 1: Test method 

(scales A, B, C, D, E, F, G, H, K, N, T)(MOD) 

ISO 7153-1,Surgical instruments−Metallic materials−Part 1: Stainless steel 

ISO 13402,Surgical and dental hand instruments−Determination of resistance against autoclaving, corrosion 

and thermal exposure 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

抜歯かん(鉗)子(extraction forceps) 

抜歯に使用するやっとこ(鋏)。 

T 5410:2010  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.2 

くわえ面(beak) 

歯をくわえる面。 

3.3 

びょう(鋲)(fastening components) 

抜歯かん(鉗)子を1丁に結合させる構成部品(ピン,リベット及びねじを含む。)。 

要求事項 

4.1 

材料 

4.1.1 

構成部品 

びょう(鋲)を除いて,JIS G 4303に規定するマルテンサイト系ステンレス鋼若しくはオーステナイト

系ステンレス鋼を用いるか,ISO 7153-1に適合したグレードA,B若しくはCに適合するステンレス鋼を

用いるか,又は4.3〜4.7の要求事項に適合するステンレス鋼を用いる。 

なお,これらを用いた製品と同等以上の品質が確保できる(4.3〜4.7を満たす)材料を用いてもよい。 

4.1.2 

びょう(鋲) 

びょう(鋲)は,JIS G 4303に規定するマルテンサイト系ステンレス鋼若しくはオーステナイト系ステ

ンレス鋼を用いるか,ISO 7153-1に適合したグレードA,B若しくはCに適合するステンレス鋼を用いる

か,又は4.3〜4.7の要求事項に適合するステンレス鋼を用いる。 

なお,これらを用いた製品と同等以上の品質が確保できる(4.3〜4.7を満たす)材料を用いてもよい。 

4.2 

最大全長 

抜歯かん(鉗)子の全長は,200 mmを超えてはならない。ただし,製造販売業者が別の文書で規定し

た場合を除く。 

4.3 

硬さ 

びょう(鋲)を除いた抜歯かん(鉗)子の構成部品は,5.2によって試験したとき,42 HRC〜52 HRCで

なければならない。 

4.4 

外観 

4.4.1 

表面 

抜歯かん(鉗)子の表面は,5.1によって試験したとき,本来の機能目的ではない穴,ひび割れ,研磨こ

ん(痕),鋭い縁などの欠陥及び付着物があってはならない。 

4.4.2 

くわえ面 

抜歯かん(鉗)子のくわえ面に,すべり止めのための形態(刻み目など)が付与されている場合は,5.1

によって試験したとき,付与された部分の全面にわたって,その形態が同一でなければならない。 

4.5 

オートクレーブ耐久性 

抜歯かん(鉗)子は,5.3 b) によって試験したとき,さび又は変色がなく,その外観に変化があっては

ならない。 

注記 水あか(垢)による変色は,腐食の兆候ではない。 

4.6 

耐食性及び耐熱性 

抜歯かん(鉗)子は,5.3によって試験したとき,さび又は変色がなく,その外観に部分的な変化があっ

てはならない。また,試験後のびょう(鋲)を除いた抜歯かん(鉗)子の構成部品の硬さは,4.3に規定し

た範囲内になければならない。 

T 5410:2010  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注記 水あか(垢)による変色は,腐食の兆候ではない。 

4.7 

ジョイントの開閉力 

抜歯かん(鉗)子のジョイントは,5.4によって試験したとき,滑らかに開閉できなければならない。開

閉力のモーメントは,0.2 N・m〜0.68 N・mでなければならない。 

左右それぞれの手の人差し指と親指との間で各ハンドル端をつかんで,完全に閉じたハンドルを最大50 

mm開く間のどの位置においても,横方向にガタツキがあってはならない。 

試験方法 

5.1 

目視試験 

拡大せずに,健常視力で抜歯かん(鉗)子の外観を観察する。 

5.2 

ロックウェル硬さ試験 

作業部を,JIS Z 2245に規定する試験方法によって測定する。 

5.3 

オートクレーブ耐久性試験,耐食性試験及び耐熱性試験 

次によるか,又はISO 13402によってもよい。 

a) 沸騰水中に,抜歯かん(鉗)子を現品のまま浸して,30分間煮沸する。その後加熱を停止して,その

ままの状態で約1時間放置した後,抜歯かん(鉗)子を取り出し,空気中で室温になるまで放置する。

この操作を5回繰り返す。 

b) 高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)を用いて,蒸気温度132±2 ℃・蒸気圧0.2 MPaに設定し,30分

間高圧蒸気滅菌を行う。抜歯かん(鉗)子を高圧蒸気滅菌器から取り出し,空気中で室温になるまで

放置する。この操作を5回繰り返す。 

注記 試験を実施後,抜歯かん(鉗)子を柔らかい布で強くこす(擦)り,しみを除去する。 

5.4 

ジョイントの開閉力に対する試験 

抜歯かん(鉗)子のハンドル後端を50 mmに開き,開閉力試験が行える試験装置に固定する。その後,

ハンドルを完全に閉じるのに必要な力を測定する。 

この状態から,開閉力試験が行える試験装置に固定された抜歯かん(鉗)子のくわえ部に力を加え,ハ

ンドル後端が50 mmになるまで開くのに必要な力を測定する。 

表示 

抜歯かん(鉗)子の本体又は包装には,次の事項を表示しなければならない。 

a) 種類又は形式(種類又は形式がある場合) 

b) 法定表示事項 

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附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS T 5410:2010 抜歯かん(鉗)子−一般的要求事項 

ISO 9173-1:2006 Dentistry−Extraction forceps−Part 1: General requirements and test 
methods 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

3 用語及
び定義 

この規格で用いる
用語及び定義 

3.2 

くわえ部の開き 
(beak separation) 

削除 

不採用とした。 

本文中に使用されていない用語のた
め,削除した。 

3.3 

くわえ部の全長 
(overall beak length) 

削除 

不採用とした。 

本文中に使用されていない用語のた
め,削除した。 

3.2 くわえ面(beak)  

− 

− 

追加 

ISO 9173-1の3.2の本文中に記
載のある“beak(くわえ面)”
の定義を追加した。 

この規格の使用者の理解の容易性を
考慮した。 

4 要求事
項 

4.1.1 構成部品 

4.1.1 

JISにほぼ同じ。 

追加 

JIS G 4303を追加した。 

この規格の使用者の利便性を考慮し
た。 

4.1.2 びょう(鋲) 

4.1.2 

JISにほぼ同じ。 

追加 

JIS G 4303を追加した。 

この規格の使用者の利便性を考慮し
た。 

4.2 最大全長 

4.2 

JISに同じ。 

変更 

最大全長を178 mmから200 
mmへ変更した。 

主流のジョイント方式が,欧米と日
本とでは異なるため。 

5 試験方
法 

5.2 ロックウェル硬
さ試験 

− 

追加 

5.2に,ロックウェル硬さ試験
を追加した。 

編集上の変更。 
技術的差異はない。 

5.3 オートクレーブ
耐久性試験,耐食性
試験及び耐熱性試
験 

5.2.1 
5.2.2 
5.2.3 
5.2.4 

ISO 13402による。 

選択 

JISではオートクレーブ耐久性
試験,耐食性試験及び耐熱性試
験について,ISO規格と異なる
試験方法も採用している。ISO 
13402の試験方法(ISO 9173-1
の5.2.2及び5.2.3)と選択でき
るものとした。 

ISO 13402で規定している乾熱試験
方法,高圧蒸気滅菌の温度条件など
は日本では一般的でないため。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

6 表示 

抜歯かん(鉗)子の
本体又は包装に表
示する事項 

抜歯かん(鉗)子本体に
表示する事項。 

変更 

ISO規格では抜歯かん(鉗)子
本体に表示としているが,JIS
では本体又は包装に表示する
こととした。 

薬事法では,クラスI医療機器に該当
する抜歯かん(鉗)子に対し,本体
又は包装へ表示することになってい
るため。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 9173-1:2006,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

  − 削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
  − 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  − 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。 
  − 選択……………… 国際規格の規定内容とは異なる規定内容を追加し,それらのいずれかを選択するとしている。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

  − MOD…………… 国際規格を修正している。 

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