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T 3239:2011  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲 ························································································································· 1 

2 引用規格 ························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 構成及び各部の名称 ·········································································································· 2 

4.1 一般 ···························································································································· 2 

4.2 先端部 ························································································································· 2 

4.3 末端部 ························································································································· 2 

5 要求事項 ························································································································· 3 

5.1 引張強さ ······················································································································ 3 

5.2 気密性 ························································································································· 3 

5.3 耐圧性 ························································································································· 3 

5.4 外観及び清浄度 ············································································································· 3 

5.5 生物学的安全性 ············································································································· 4 

5.6 無菌性の保証 ················································································································ 4 

6 包装······························································································································· 4 

6.1 一次包装 ······················································································································ 4 

6.2 二次包装 ······················································································································ 4 

7 表示······························································································································· 4 

7.1 シャフト ······················································································································ 4 

7.2 一次包装 ······················································································································ 4 

7.3 二次包装 ······················································································································ 4 

7.4 記号の使用 ··················································································································· 5 

附属書A(規定)引張強さに対する試験 ··················································································· 6 

附属書B(規定)加圧による漏れ試験······················································································· 8 

T 3239:2011  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本医療器材工業

会(JMED)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきと

の申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS T 3239:2005は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。厚生労働大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

T 3239:2011 

胃食道ドレナージ用カテーテル 

Catheters for drainage use in the stomach and esophagus 

序文 

この規格は,2005年に制定されたJIS T 3239の見直しにおいて,使用者の利便性のため用語,文書構成

などの内容を変更して改正した日本工業規格である。 

適用範囲 

この規格は,経鼻又は経口的に,胃又は食道内に挿入留置し,吸引,排液,排気,洗浄,異物除去など

に使用する胃食道ドレナージ用カテーテル(以下,カテーテルという。)について規定する。 

なお,この規格では,カテーテルのエックス線不透過性に関わる要求事項は含まない。 

なお,平成26年7月28日までJIS T 3239:2005は適用することができる。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,記載の西暦年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)は適用しない。 

JIS T 0307:2004 医療機器−医療機器のラベル,ラベリング及び供給される情報に用いる図記号 

JIS T 0993-1:2005 医療機器の生物学的評価−第1部:評価及び試験 

ISO 594-1:1986,Conical fittings with a 6 % (Luer) taper for syringes,needles and certain other medical 

equipment−Part 1: General requirements 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

胃食道ドレナージ用カテーテル 

経鼻又は経口的に,胃又は食道内に挿入留置し,吸引,排液,排気,洗浄,異物除去などを行うように

設計された軟性のチューブ。 

3.2 

先端部 

カテーテルの,体内に挿入される側の先端の部分。 

3.3 

末端部 

カテーテルの先端部と反対側の,他のコネクタなどに接続する部分。 

3.4 

先端開口部 

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T 3239:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

カテーテルの先端部の中央開口部。 

3.5 

側孔 

カテーテルの先端部付近の側面開口部。 

3.6 

シャフト 

体内に挿入されるカテーテルの本体部分。 

構成及び各部の名称 

4.1 

一般 

一般的なカテーテルの構成及び各部の名称を図1に示し,先端部及び末端部は4.2及び4.3による。ただ

し,図1はカテーテルの構成及び各部の名称の例である。 

4.2 

先端部 

先端部には,先端開口部,又は一つ以上の側孔をもっていなければならない。 

なお,先端部に,誤飲されたボタン電池など金属製の異物を摘出するための磁石をもつものもあるが,

この磁石はカテーテル内部に埋め込まれており,体液又は薬液に接触しない構造とする。 

4.3 

末端部 

末端部は,次による。 

a) 末端部は,おすコネクタを受けるためのめす形形状,又はめす形の末端をもつチューブ類と接続する

ためのおす形形状とする。 

b) めす形の末端部は,図2に示すおすコネクタにかん合できる形状でなければならず,ISO 594-1に規

定するおす・ルアーテーパ検査ゲージ[ISO 594-1のFigure 3−Gauges for testing 6 % (Luer) conical 

fittings c) Gauge for testing female conical fittings of all materials参照]にかん合できる形状であってはな

らない。 

a) 単くう(腔)式(例) 

b) 多くう(腔)式(例) 

注記 末端部付近に接続されたサイドポート部分に,逆止弁,活栓などをもつものもある。 

図1−カテーテルの構成及び各部の名称例 

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T 3239:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 mm 

φA1 

B1 

テーパC1 

6.0±0.5 

15以上 

(125±25)/1 000 

φA2 

B2 

テーパC2 

6.0±0.5 

15以上 

(125±25)/1 000 

注記 形状は,“医薬発第888号:平成12年8月31日,医療事故を防止するための医療用具に関する基準の制定等に

ついて(注射筒型手動式医薬品注入器基準等)”による。 

図2−めす形の末端部にかん合できるおすコネクタの形状 

要求事項 

5.1 

引張強さ 

カテーテルを附属書Aに従って次に示す条件で引っ張ったとき,シャフト及びシャフトに恒久的に取り

付けられた各部品は破裂,亀裂及び離脱を生じてはならない。 

a) 外径が2 mm以下のカテーテルでは,5 N。 

b) 外径が2 mmを超えるカテーテルでは,15 N。ただし,オールシリコーン製の多くう式カテーテルで

あって,体外で使用される部分である,シャフトと他の部品との接合部の場合は,10 N。 

5.2 

気密性 

全ての開口部を閉じてから,接合部を附属書Bに従って水を用いて50 kPaで加圧したとき,漏れを生じ

てはならない。 

5.3 

耐圧性 

先端部を閉そく(塞)した状態で,23±2 ℃で15秒間,大気圧より13 kPa(100 mmHg)低い吸引源に

末端部を接続したときに,シャフトが潰れてはならない。 

注記 括弧内の数値は,参考値である。 

5.4 

外観及び清浄度 

目視で検査したとき,きず,ばり又は異物の付着があってはならない。 

T 3239:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.5 

生物学的安全性 

JIS T 0993-1に規定する生物学的安全性の評価を行う。 

5.6 

無菌性の保証 

“滅菌済み”の旨を表示するものは,滅菌バリデーション基準又はこれと同等以上の基準に基づき,無

菌性の担保を行う。 

注記 滅菌バリデーション基準には,厚生労働省が定めた滅菌バリデーション基準がある。 

包装 

6.1 

一次包装 

一次包装は,微生物の侵入を防止することができ,通常の取扱い,輸送及び保管中に,内容製品を適切

に保護できるものでなければならない。一次包装は,一度開封したら,簡単に再シールできず,開封され

たことが明確に分からなければならない。 

6.2 

二次包装 

二次包装は,通常の取扱い,輸送及び保管中に,内容製品を保護できる強度をもつものとする。 

表示 

7.1 

シャフト 

シャフトには,挿入の目安となるマーク,目印などが付いていなければならない。 

なお,カテーテル先端部からの距離について,ミリメートル(mm)又はセンチメートル(cm)を表す

数字で表示することが望ましい。数字で表示されていない場合は,マーク,目印などの説明を包装又は添

付文書に記載しなければならない。 

7.2 

一次包装 

一次包装には,次の事項を表示する。 

なお,製造番号又は製造記号が滅菌年月を表示している場合は,改めて滅菌年月の表示は必要としない。

また,滅菌年月の代わりに使用期限を表示してもよい。 

a) 製造販売業者の氏名又は名称,及び住所 

b) 医療機器の認証番号 

c) 販売名 

d) カテーテルの外径(mm)及び長さ(mm又はcm)。ただし,外径をミリメートル(mm)で示すほか,

フレンチ(シャリエール)を参考で併記してもよい。 

注記 フレンチ(シャリエール)は,F(Ch)などで表記するのがよい。1 mmが3 F(Ch)に相当

し,1/3 mm刻みで表記する。 

e) 滅菌済みである場合は,“滅菌済み”の旨 

f) 

再使用を想定していない場合は,“再使用禁止”の旨(“ディスポーザブル”の表現は,使用しない。) 

g) “天然ゴム”を使用しているものは,その旨 

h) 製造番号又は製造記号 

i) 

滅菌年月 

7.3 

二次包装 

二次包装には,次の事項を表示する。ただし,二次包装を用いず,一次包装を最小販売単位の包装とし

て用いる場合は,次の事項を一次包装に表示する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

なお,製造番号又は製造記号が滅菌年月を表示している場合は,改めて滅菌年月の表示は必要としない。

また,滅菌年月の代わりに使用期限を表示してもよい。 

a) 製造販売業者の氏名又は名称,及び住所 

b) 医療機器の認証番号 

c) 販売名 

d) カテーテルの外径(mm)及び長さ(mm又はcm)。ただし,外径をミリメートル(mm)で示すほか,

フレンチ(シャリエール)を参考で併記してもよい。 

注記 フレンチ(シャリエール)は,F(Ch)などで表記するのがよい。1 mmが3 F(Ch)に相当

し,1/3 mm刻みで表記する。 

e) 数量(入り数) 

f) 

滅菌済みである場合は,“滅菌済み”の旨 

g) 再使用を想定していない場合は,“再使用禁止”の旨(“ディスポーザブル”の表現は,使用しない。) 

h) “天然ゴム”を使用しているものは,その旨 

i) 

製造番号又は製造記号 

j) 

滅菌年月 

k) 再使用を想定している場合は,洗浄及び滅菌方法の説明1) 

注1) 洗浄及び滅菌方法の説明は,添付文書への記載でもよい。 

7.4 

記号の使用 

7.2及び7.3は,JIS T 0307に規定する適切な記号を使用することによってこれに替えてもよい。 

注記 JIS T 0307に規定する主な記号の例を,表1に示す。 

表1−JIS T 0307に規定する主な記号の例 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(規定) 

引張強さに対する試験 

A.1 概要 

カテーテルの試験箇所を選択し,チューブ部,ハブ又はコネクタとチューブとの接合部,及びチューブ

どうしの接合部の試験を行う。 

A.2 試験装置 

試験装置は,15 N以上の引張力が負荷できる引張試験機とする。 

A.3 試験手順 

試験手順は,次による。 

a) 体内に挿入されるカテーテルの部分を,相対湿度100 %の環境中又は水中に,温度37±2 ℃で2時間

放置する。カテーテルの残りの部分は,相対湿度40〜60 %,室温下に置いてから2時間後,直ちに試

験を行う。 

b) カテーテルを試料とし,試験を行う。ハブ又はコネクタがあるときは試料にそれも含め,さらにチュ

ーブと先端部との間に接合部があるときはその部分を含める。カテーテル先端長が3 mm未満のもの

は,試料から除外しなければならない。 

c) 試料を引張試験機に固定する。ハブ又はコネクタがあるときは,適切な取付具を使用して,ハブ又は

コネクタが変形しないようにしなければならない。 

d) 試料のマーク間距離,又はハブ若しくはコネクタとその逆側の試料先端を把持しているつかみ具間距

離のいずれかを測定する。 

e) 試料が二つ以上に分離するまで,又は製造販売業者の指定した強さになるまで,ゲージ長1 mm当た

り20 mm/minの単位ひずみ速度で引張力を加える(表A.1参照)。加えた力をニュートン(N)で記録

する。 

表A.1−ゲージ長1 mm当たり20 mm/minの単位ひずみ速度を生じる引張速度例 

マーク間距離又はつかみ具間の距離 

mm 

引張速度 

mm/min 

10 

200 

20 

400 

25 

500 

f) 

試験するカテーテルが異なる外径部位をもつ単一材料で構成されるときは,異なる外径の試料それぞ

れについて,b)〜e)の試験を繰り返さなければならない。 

g) サイドポート又は複数のサイドポートをもつカテーテルを試験するときは,次による。 

1) それぞれのサイドポートについて,b)〜e)を繰り返す。 

2) 試料についてb)〜e)を繰り返す。 

なお,試料のサイドポートと体内への挿入を意図したカテーテル部分に隣接する部分との接合部

を含む。 

T 3239:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3) 各接合部について,2)を繰り返す。 

h) 各試料に対し,2回以上の試験を行ってはならない。 

A.4 試験報告書 

試験報告書には,次の事項を記載する。 

a) カテーテルの種類 

b) 破断時の引張力又は印加した指定引張力,及び試料の外径 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B 

(規定) 

加圧による漏れ試験 

B.1 

概要 

水圧を加えて,試料の漏れの有無を検査する。 

B.2 

試験溶液 

試験溶液は,水とする。 

B.3 

試験器具 

試験器具は,次による。 

B.3.1 測定ゲージ付き水圧装置。 

B.3.2 試料を閉そく(塞)する器具(クランプなど)。 

B.3.3 水圧装置及び試料が漏れないように連結できるコネクタ。 

B.4 

試験手順 

試験手順は,次による。 

a) 製造販売業者の指定した方法で試料に水を満たし,コネクタを水圧装置(B.3.1参照)に接続する。 

b) 水圧装置を水(B.2参照)で満たして空気を抜き,器具(B.3.2参照)を用いて試料をふさぐ。 

c) 試料に圧力を30秒以上加え続ける。組み立てた装置全体の液漏れの有無(落下する水滴が1滴以上あ

るかどうか)を確認し,漏れが生じたかどうかを記録する。 

B.5 

試験報告書 

試験報告書には,次の事項を記載する。 

a) カテーテルの種類 

b) 試験した圧力 

c) 組み立てた装置からの漏れの有無及び漏れの発生箇所