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S 2010:2013  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲 ························································································································· 1 

2 引用規格 ························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 種類······························································································································· 4 

4.1 用途による区分 ············································································································· 4 

4.2 表面処理による区分 ······································································································· 4 

4.3 使用熱源による区分 ······································································································· 4 

5 品質······························································································································· 4 

5.1 外観 ···························································································································· 4 

5.2 構造 ···························································································································· 4 

5.3 衛生性 ························································································································· 5 

5.4 性能 ···························································································································· 5 

6 呼び径又は呼び容量,寸法又は満水容量及び最低底厚 ····························································· 7 

6.1 鍋類の呼び径,寸法及び最低底厚······················································································ 7 

6.2 いため容器類の呼び径,寸法及び最低底厚 ·········································································· 7 

6.3 湯沸し類の呼び容量,満水容量及び最低底厚 ······································································· 7 

7 材料······························································································································· 7 

7.1 主要部の材料 ················································································································ 7 

7.2 附属部品の材料 ············································································································· 8 

8 試験······························································································································· 8 

8.1 一般条件 ······················································································································ 8 

8.2 数値の丸め方 ················································································································ 8 

8.3 試験方法 ······················································································································ 9 

9 検査方法 ························································································································ 25 

10 表示 ···························································································································· 26 

附属書A(参考)調理器具の区分と必要な性能との関係······························································ 27 

附属書B(規定)鍋類の呼び径,寸法及び最低底厚 ···································································· 29 

附属書C(規定)いため容器類の呼び径,寸法及び最低底厚 ························································ 31 

附属書D(規定)湯沸し類の呼び容量,満水容量及び最低底厚 ····················································· 32 

附属書E(規定)IHクッキングヒータ標準検査器 ····································································· 33 

附属書F(参考)取扱い上の注意事項の例 ················································································ 34 

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(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人軽金

属製品協会(JAPA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を

改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格で

ある。これによって,JIS S 2010:2009は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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日本工業規格          JIS 

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アルミニウム製加熱調理器具 

Aluminium cookwares 

序文 

この規格は,1951年に制定され,その後9回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は2009年に

行われたが,対象となるアルミニウム製品の市場の変化,使用熱源の変化などに対応するために改正した。 

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。 

適用範囲 

この規格は,主として家庭で使用するアルミニウム製加熱調理器具(以下,調理器具という。)について

規定する。ただし,次のものは除く。 

a) 本体全体が異種金属との多層構造のもの。 

b) 取っ手が付いていないもの及び取っ手が着脱式のもの。 

c) 特殊な目的及び特殊な形状のもの。 

d) 調理器具本体の内面に陽極酸化処理,ふっ素樹脂塗膜以外の被覆などの加工を施したもの。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 7601 蛍光ランプ(一般照明用) 

JIS G 4304 熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯 

JIS G 4305 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯 

JIS H 4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条 

JIS H 5202 アルミニウム合金鋳物 

JIS H 5302 アルミニウム合金ダイカスト 

JIS H 8601 アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜 

JIS H 8680-1 アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜厚さ試験方法−第1部:顕微鏡断

面測定法 

JIS H 8680-2 アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜厚さ試験方法−第2部:渦電流式

測定法 

JIS H 8681-1 アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の耐食性試験方法−第1部:耐ア

ルカリ試験 

JIS H 8682-3 アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の耐摩耗性試験方法−第3部:砂

落し摩耗試験 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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JIS K 6911 熱硬化性プラスチック一般試験方法 

JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬) 

JIS R 6252 研磨紙 

JIS R 6253 耐水研磨紙 

JIS S 6006 鉛筆,色鉛筆及びそれらに用いるしん 

JIS Z 1522 セロハン粘着テープ 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

JIS Z 8730 色の表示方法−物体色の色差 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

アルミニウム製加熱調理器具 

調理器具本体の主要材料がアルミニウム若しくはアルミニウム合金の板,鋳物又はダイカストで構成さ

れる調理器具。 

3.2 

鍋 

主に食物を煮るための容器。 

3.3 

いため容器 

主に食物を焼いたり,いためたりするための容器。 

3.4 

湯沸し 

湯を沸かすための容器。やかんとも呼称する。 

3.5 

蒸器 

本体が調理物を入れるせいろ(蒸し体ともいう。)及び水を入れる下鍋によって構成する蒸し料理を行う

ための容器。 

3.6 

フライパン 

主に焼き物料理又はいため料理をする容器で,開口部と底部との面積の差が少なく,深さが浅いもの。 

3.7 

玉子焼器 

主に玉子焼きを焼くための容器。 

3.8 

いため鍋 

主にいため料理をするための容器で,開口部に比べて底部が小さくなっており,底部が平底のもの。 

3.9 

天ぷら鍋 

主に揚げ物料理をするための容器。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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3.10 

笛吹きケトル 

沸騰時に笛が鳴る機能をもつ湯沸し。 

3.11 

本体 

調理物及び水を入れる調理器具の主体をなす部分。 

3.12 

取っ手 

調理器具を持つための部分。 

3.13 

取付け金具 

取っ手を本体に接続するための金具。 

3.14 

蓋 

本体にかぶせるもの。 

3.15 

つまみ 

蓋を持つための部分。 

3.16 

貼り底 

電磁誘導加熱器で使用するために,底部に有磁性材料を圧着成形,ブレージング,鋳込み,溶射などの

方法によって接合した底。 

3.17 

水位線 

最高水位又は最低水位を示す表示線。 

3.18 

強化ガラス 

特別な熱又は化学処理を施して,衝撃に対して割れにくくしたガラス。 

3.19 

耐熱ガラス 

膨張係数を低くして熱的変化に強くしたガラス。ほうけい酸ガラス又はガラスセラミックスともいう。 

3.20 

使用上支障のある変形 

熱,荷重,衝撃などによって生じる変形で,安定性を欠くがたつき,本体と蓋との大きな隙間,取っ手

のぐらつき,脱落など,調理器具の安全性及び機能性を損なうもの。 

3.21 

水漏れ 

本体(取っ手取付部を含む。)からの水漏れ。 

3.22 

電磁誘導加熱器,IHクッキングヒータ 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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加熱コイルに流れる電流による電磁誘導によって天板上に置いた調理器具の底面に渦電流を発生させ,

調理器具素材のもつ抵抗で発熱させる電気ヒータ。 

3.23 

IHクッキングヒータ標準検査器 

IHクッキングヒータを熱源とする試験に使用するIHクッキングヒータで,附属書Eに示す仕様による

標準検査器。 

3.24 

沸騰 

この規格では,水温95 ℃以上。 

種類 

4.1 

用途による区分 

用途による区分は,表1による。 

表1−用途による区分 

区分 

品名 

鍋類 

鍋,蒸器 

いため容器類 

フライパン,玉子焼器,いため鍋,天ぷら鍋 

湯沸し類 

湯沸し(やかん),笛吹きケトル 

4.2 

表面処理による区分 

表面処理による区分は,調理器具本体内面の表面処理によって,次による。 

a) 陽極酸化処理1) を施したもの。 

b) ふっ素樹脂塗膜を施したもの。 

c) 表面処理を施していないもの。 

注1) 一般的には“アルマイト”と呼称される。 

4.3 

使用熱源による区分 

使用熱源による区分は,使用熱源によって,次による。 

なお,IHクッキングヒータで使用できるものは,鍋類及びいため容器類とし,湯沸し類は除く。 

a) IHクッキングヒータで使用できるもの。 

b) IHクッキングヒータで使用できないもの。 

品質 

5.1 

外観 

調理器具の外観は,8.3.1に規定する試験を行い,次の規定に適合しなければならない。 

a) しわ及びきずが目立ってはならない。 

b) 仕上げが良好でなければならない。 

c) 変形があってはならない。 

5.2 

構造 

調理器具の構造は,8.3.2に規定する試験を行い,次の規定に適合しなければならない。 

a) すわりが良好でなければならない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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b) 安定性をもたなければならない。 

c) 水漏れがあってはならない。また,いため容器類(玉子焼器を除く。)にあっては,油漏れがあっては

ならない。 

d) 接合及び組立は,確実でなければならない。 

e) 部品及び附属品は,良質で堅固でなければならない。 

f) 

湯沸し類のつぎ口は,水切りが良好で裏漏れがあってはならない。 

g) 笛吹きケトルは,水位線の表示がなければならない。 

5.3 

衛生性 

食品に接触又はそのおそれのある部分(蓋及び附属品を含む。)は,食品衛生法(昭和22年法律第233

号)に基づく食品,添加物などの規格基準に適合しなければならない。 

5.4 

性能 

5.4.1 

表面処理の性能 

表面処理の性能は,表2による。 

表2−表面処理の性能 

表面処理の区分 

性能 

陽極酸化処理を施したもの 

8.3.3に規定する試験において,JIS H 8601のAA6−A・KS−WRF以上又はAA6−
AA・KC−WRF以上。 

ふっ素樹脂塗膜を施したもの 

8.3.4に規定する試験において,外観に剝がれ,膨れなど異状がなく,膜厚15 μm
〜60 μm,硬さHB以上,付着力25/25,耐摩耗性(いため容器類),耐熱油性[い
ため容器類(玉子焼器を除く。)],耐食性(鍋類)において異状があってはならな
い。 

表面処理を施していないもの 

7.1.1で規定する材料とする。ただし,アルミニウム合金ダイカストは除く。 

5.4.2 

使用熱源に応じた性能 

調理器具の性能は,使用熱源の区分によって,次による。 

なお,区分ごとに必要な性能(実施する試験)を,参考として附属書Aに示す。 

a) IHクッキングヒータで使用できる調理器具の性能 IHクッキングヒータで使用できる調理器具の性

能は,箇条8によって試験したとき,表3に適合しなければならない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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表3−IHクッキングヒータで使用できる調理器具の性能 

項目 

性能 

試験方法 

底面の有磁性材料の有効直径 

120 mm以上260 mm未満で,呼び径に対する割合が55 %以上で
なければならない。 

8.3.5 

入力電力a) 

底面の有磁性材料の有効直径によって,次のとおりとする。 
120 mm以上140 mm未満:1.1 kW以上 
140 mm以上160 mm未満:1.3 kW以上 
160 mm以上260 mm未満:1.5 kW以上 
ただし,玉子焼器は1.1 kW以上とする。 

8.3.6 

底の平面性 

がたつき及び外側への反りがあってはならない。 
内側への反りは底面の有磁性材料の有効直径によって,次のとお
りとする。 
120 mm以上160 mm未満: 
冷めた状態で0.5 mm以下,加熱した状態で2.0 mm以下 
160 mm以上260 mm未満: 
冷めた状態で1.0 mm以下,加熱した状態で3.0 mm以下 

8.3.7 

耐熱衝撃性 

本体に使用上支障のある変形がなく,合成樹脂製及び木製の取っ
手,つまみb) に欠け及びひび割れがあってはならない。冷めた
状態での底の平面性を満たさなければならない。 

8.3.8 

取っ手の強度 

亀裂,破損,変形,がたつき,漏れなどがなく,本体と取っ手と
の残留たわみは,2 %以下でなければならない。 

8.3.9 

取っ手の繰返し強度 

亀裂,破損,変形,がたつき,漏れなどがなく,本体と取っ手と
の残留たわみは,3 %以下でなければならない。 

8.3.10 

取っ手c) 及びつまみd) の温度上昇 取っ手及びつまみの温度は,75 ℃以下でなければならない。 

8.3.11 

注a) IHクッキングヒータ標準検査器における入力電力とする。 

b) つまみは蓋が附属する鍋類に適用する。 

c) 金属製の取っ手は除く。 

d) 蓋が附属する鍋類に適用し,金属製のつまみは除く。 

b) IHクッキングヒータで使用できない調理器具の性能 IHクッキングヒータ以外を熱源とする調理器

具の性能は,箇条8によって試験したとき,表4に適合しなければならない。 

表4−IHクッキングヒータで使用できない調理器具の性能 

項目 

性能 

試験方法 

耐熱衝撃性 

本体に使用上支障のある変形がなく,合成樹脂製及び木製の取っ
手,つまみa) に欠け及びひび割れがあってはならない。 

8.3.12 

取っ手の強度 

亀裂,破損,変形,がたつき,漏れなどがなく,本体と取っ手と
の残留たわみは,2 %以下でなければならない。 

8.3.9 

取っ手の繰返し強度 

亀裂,破損,変形,がたつき,漏れなどがなく,本体と取っ手と
の残留たわみは,3 %以下でなければならない。 

8.3.10 

可倒式取っ手の耐久性b) 

リベットの破損,はずれ並びに使用上支障のある変形及び磨耗が
あってはならない。 

8.3.13 

取っ手c) 及びつまみd) の温度上昇 取っ手及びつまみの温度は,75 ℃以下でなければならない。 

8.3.11 

笛吹きケトル 

音量 

55 dB以上でなければならない。 

8.3.14 

笛蓋の耐久性 

破損,はずれ,使用上支障のある変形,がたつきなどがあっては
ならない。試験後の音量は,55 dB以上でなければならない。 

8.3.15 

注a) つまみは湯沸し類及び蓋が附属する鍋類に適用する。 

b) 可倒式取っ手の湯沸し類に適用する。 

c) 金属製の取っ手は除く。 

d) 湯沸し類及び蓋が附属する鍋類に適用し,金属製のつまみは除く。 

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呼び径又は呼び容量,寸法又は満水容量及び最低底厚 

6.1 

鍋類の呼び径,寸法及び最低底厚 

鍋類の呼び径,寸法及び最低底厚は,附属書Bによる。 

6.2 

いため容器類の呼び径,寸法及び最低底厚 

いため容器類の呼び径,寸法及び最低底厚は,附属書Cによる。 

6.3 

湯沸し類の呼び容量,満水容量及び最低底厚 

湯沸し類の呼び容量,満水容量及び最低底厚は,附属書Dによる。 

材料 

7.1 

主要部の材料 

7.1.1 

調理器具本体の材料 

調理器具本体の材料は,表5による。 

表5−調理器具本体の材料 

区分 

材料 

品質 

鍋類及びい
ため容器類 

アルミニウム及びアルミニウ
ム合金の板 

JIS H 4000に規定する種類又はこれらと同等以上の性能をもつ板,
及びこれらの組合せの合わせ板とする。ただし,表面処理を施さな
い場合は,JIS H 4000に規定する合金番号が1 000番台又は3 000
番台とする。 

アルミニウム合金鋳物 

JIS H 5202に規定する種類又はこれらと同等以上の性能をもつ鋳物 

アルミニウム合金ダイカスト 

JIS H 5302に規定する種類又はこれらと同等以上の性能をもつダイ
カスト 

湯沸し類 

アルミニウム及びアルミニウ
ム合金の板 

JIS H 4000に規定する種類又はこれらと同等以上の性能をもつ板,
及びこれらの組合せの合わせ板とする。ただし,表面処理を施さな
い場合は,JIS H 4000に規定する合金番号が1 000番台又は3 000
番台とする。 

7.1.2 

蓋の材料 

蓋の材料は,表6による。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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表6−蓋の材料 

区分 

材料 

品質 

鍋類及びい
ため容器類 

アルミニウム及びアルミニウ
ム合金の板 

JIS H 4000に規定する種類又はこれらと同等以上の性能をもつ板,
及びこれらの組合せの合わせ板とする。ただし,表面処理を施さな
い場合は,JIS H 4000に規定する合金番号が1 000番台又は3 000
番台とする。 

アルミニウム合金鋳物 

JIS H 5202に規定する種類又はこれらと同等以上の性能をもつ鋳物 

アルミニウム合金ダイカスト 

JIS H 5302に規定する種類又はこれらと同等以上の性能をもつダイ
カスト 

ステンレス鋼 

JIS G 4304又はJIS G 4305に規定する種類又はこれらと同等以上の
機械的性質をもつステンレス鋼板 

ガラス 

耐熱ガラス,又は金属製リングで補強している強化ガラスとし,
8.3.16に規定する耐熱衝撃性試験においてひび割れ及び破損があっ
てはならない。強化ガラスの場合は,8.3.17に規定する耐衝撃性試
験においてひび割れ及び破損があってはならない。 

湯沸し類 

アルミニウム及びアルミニウ
ム合金の板 

JIS H 4000に規定する種類又はこれらと同等以上の性能をもつ板,
及びこれらの組合せの合わせ板とする。ただし,表面処理を施さな
い場合は,JIS H 4000に規定する合金番号が1 000番台又は3 000
番台とする。 

ステンレス鋼 

JIS G 4304又はJIS G 4305に規定する種類又はこれらと同等以上の
機械的性質をもつステンレス鋼板 

ガラス 

耐熱ガラス,又は金属製リングで補強している強化ガラスとし,
8.3.16に規定する耐熱衝撃性試験においてひび割れ及び破損があっ
てはならない。強化ガラスの場合は,8.3.17に規定する耐衝撃性試
験においてひび割れ及び破損があってはならない。 

7.2 

附属部品の材料 

附属部品の材料は,表7による。 

表7−附属部品の材料 

部品 

材料 

種類及び品質水準 

取っ手 

金属 

アルミニウム合金鋳物,アルミニウム合金ダイカスト,ステンレス鋼など 

木 

8.3.18に規定する耐燃焼性試験において欠け及びひび割れがあってはならない。 

合成樹脂 

8.3.19に規定する試験において,耐熱性試験においてひび割れ,膨れ及び破損がなく,
耐燃焼性試験において燃焼時間が180秒以下でなければならない。 

蓋のつまみ 

金属 

アルミニウム合金鋳物,アルミニウム合金ダイカスト,ステンレス鋼など 

木 

8.3.18に規定する耐燃焼性試験において欠け及びひび割れがあってはならない。 

合成樹脂 

8.3.19に規定する試験において,臭気性試験において刺激臭がなく,耐熱性試験にお
いてひび割れ,膨れ及び破損がなく,有害成分を含んではならない。 

試験 

8.1 

一般条件 

試験は,調理器具を23 ℃±5 ℃の温度に2時間以上放置した後,同じ温度条件で行う。ただし,8.3.1,

8.3.2,8.3.4.1,8.3.4.5〜8.3.4.7,8.3.5〜8.3.8,8.3.11,8.3.12,8.3.14,8.3.16〜8.3.19及び引用規格に温度の

規定がある場合の試験はこの限りではない。 

8.2 

数値の丸め方 

試験の結果は,規定の数値から1桁下の位まで求めて,JIS Z 8401によって丸める。 

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S 2010:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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8.3 

試験方法 

8.3.1 

外観試験 

外観の試験は,目視によって調べる。ただし,仕上げについては目視及び触感によって調べる。 

8.3.2 

構造試験 

構造の試験は,次によるほか,目視,触感などによって調べる。 

a) 安定性 安定性の試験は,調理器具の本体に縁まで水道水を満たし,蓋を備えている場合は蓋をつけ

た状態で取っ手の方向に15度傾斜させたとき転倒しないことを目視によって確認する。 

b) 水漏れ 水漏れの試験は,調理器具に水道水を縁まで満たし,5分間放置し,漏れの有無を調べる。 

c) 油漏れ いため容器類(玉子焼器を除く。)の油漏れの試験は,調理器具に常温(20 ℃±15 ℃)の灯

油を縁まで満たし,5分間放置し,漏れの有無を調べる。 

d) 裏漏れ 湯沸し類の裏漏れの試験は,満水容量の約70 %の水道水を入れた状態から水を注ぎ出した 

時,正常に注がれることを確認する。 

8.3.3 

陽極酸化皮膜の試験 

8.3.3.1 

厚さ 

厚さの試験は,JIS H 8680-1又はJIS H 8680-2のいずれかの方法によって,内底面の3か所を測定し,

平均する。測定位置の例を,図1に示す。 

図1−測定位置の例 

8.3.3.2 

耐食性 

耐食性の試験は,JIS H 8681-1による。 

8.3.3.3 

耐摩耗性 

耐摩耗性の試験は,JIS H 8682-3による。 

8.3.4 

ふっ素樹脂塗膜の試験 

8.3.4.1 

外観 

外観の試験は,目視によって行い[必要に応じて拡大鏡(20倍)を用いる。],JIS C 7601に規定する光

で照らし,600 lx以上の明るさの下で剝がれ,膨れなどの有無を調べる。さらに,手触りで調べる。 

8.3.4.2 

厚さ 

厚さの試験は,JIS H 8680-1又はJIS H 8680-2のいずれかの方法によって,内底面5か所を測定し,平

均する。測定位置の例を,図2に示す。 

図2−測定位置の例 

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10 

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8.3.4.3 

硬さ 

硬さの試験は,次による。 

a) 試料の塗膜面に対して約45度の角度に鉛筆の芯を当て,芯が折れない程度に強く塗膜面に押し付けな

がら前方に均一な速さで約10 mm動かす。 

b) 芯を塗膜面に付けてから押し終わるまでを一動作とし,試験場所を変えて5回行い,1回の所要時間

は1秒間〜2秒間とする。 

c) 5回のうち4回以上破れなかった場合の鉛筆の濃度記号を,塗膜の硬さとする。 

d) 鉛筆の削り方及び研ぎ方は,JIS S 6006に規定するものから,塗膜の硬さを測るのに適する鉛筆を使

う。鉛筆は初めに木部だけ削って,芯を円柱状約3 mm露出させて,次に硬い平らな面に載せたJIS R 

6252に規定する研磨紙又はJIS R 6253に規定する耐水研磨紙のP400のものに,芯を直角に当てて円

を描きながら静かに研ぎ,先端が平らで角が鋭くなるようにする。芯の同一箇所で2回以上この試験

を行ってはならない。 

8.3.4.4 

付着力 

付着力の試験は,次による。 

a) 試料の塗膜面にカッターナイフの刃を用いて1 mmの間隔で縦横6本ずつの素地に達する線を引き,

25個の碁盤目を作る。 

b) 次に,恒温室など常温で直射日光を避けて保管しておいたJIS Z 1522に規定する幅12 mm以上のセロ

ハン粘着テープ(以下,テープという。)を図3のように碁盤目より20 mmを超える長さに指で強く

貼り付けてから,5分以内にテープを上方に約120度の方向に折り返し,折り返した方向に一気に引

き剝がす。続いて,この操作をテープの方向を横に90度回転して繰り返す。 

c) 目視によって碁盤目部の塗膜の剝がれの有無を調べ,結果を(塗膜に剝がれの認められない碁盤目の

数)/25で表す。ただし,碁盤目1個が全部剝がれたものを“剝がれの認められる碁盤目”とする。 

図3−テープの引き剝がし方向 

8.3.4.5 

耐摩耗性 

耐摩耗性の試験は,次による。 

a) 塗膜面の温度を200 ℃±5 ℃に維持する。ステンレス板(JIS G 4304に規定するSUS304の板材で,

厚さ1.0 mmのものを図4の形状とし,先端エッジ部にRは付けず,ばりを取る程度に加工する。1

回の試験ごとに先端を研磨紙で磨き,常に同じ状態で試験をできるようにしたもの。)の先端を角度

40度で塗膜面に付け,おもりなどを用いて2.8 N±0.2 Nの荷重が掛かるように力を加える(図5参照)。 

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11 

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単位 mm 

図4−ステンレス板の形状 

図5−耐摩耗性試験機の例 

b) ステンレス板を毎分40回の速度でストローク約50 mmで3 000回しゅう動させる。 

c) 塗膜面の状態を目視によって観察し,アルミニウム素地の露出がないものを“異状なし”とする。目

視での確認が困難な場合には回路計を用いて導通を確認してもよい。 

8.3.4.6 

耐熱油性 

耐熱油性の試験は,次による。 

a) いため容器類(玉子焼器を除く。)の底面の3か所に8.3.4.4に規定する付着力試験の手順に従って碁

盤目を作る。 

b) 底面を覆う量のシリコーンオイルを入れて油温が220 ℃に達するまで加熱し,この状態を30分継続

する。油を他の容器に移し,2時間室内に試料を放置した後,中性洗剤で洗浄する。 

c) 8.3.4.4に規定する付着力試験の手順に従い碁盤目にテープを指で強く貼り付けてから引き剝がす。 

d) 底面の塗膜を目視によって観察し,膨れ又はしわがなく,碁盤目部について,8.3.4.4に規定する評価

方法で25/25であるものを“異状なし”とする。 

8.3.4.7 

耐食性 

耐食性の試験は,次による。 

a) 試料の中に試験液(50 g/L±5 g/Lの食塩水)を満水容量の1/3まで入れ,ラップなどで蓋をする。た

だし,食塩水はJIS K 8150に規定する特級の塩化ナトリウムを用い,水は25 ℃±2 ℃で導電率20 

μS/cm以下の脱イオン水又は蒸留水を用いる。 

b) 80 ℃の恒温槽中で24時間保持した後取り出し,水洗する。 

c) 底面の腐食の状態を目視によって観察し,膨れが発生していないか,膨れの径が1 mm程度以内のも

のが3個以下で,かつ,試験前後で著しい変色がないものを“異状なし”とする。目視での確認が困

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難な場合には,試験前後の色を測色計を用いて測定し,JIS Z 8730の7.1.1に規定するL*a*b*表色系

による色差によって色差ΔE*abを求めてもよい。この場合,色差ΔE*abが3以下のものを“異状なし”

とする。 

8.3.5 

底面の有磁性材料の有効直径の試験 

底面の有磁性材料の有効直径の試験は,底面の有磁性材料が円形の場合はその直径,長方形の場合はそ

の長辺,それ以外の場合は外接円の直径(図6に示すaの寸法)を測定する。ただし,鋳込み品で有磁性

材料が露出していない場合は,天板に接する面を有磁性材料の大きさとし,その大きさは,図7のように

角材にカーボン紙をかぶせ,エッジ部に底面を押し当てた状態で調理器具本体の中心付近を回転軸として

180°以上回転させることによって底面に付いたカーボンの最外径を測定する。呼び径に対する割合は,附

属書B及び附属書Cに定める呼び径に対する割合を百分率で算出する。 

図6−底面の有磁性材料の有効直径の測定位置の例 

図7−天板に接する面の有磁性材料の有効直径の測定方法の例 

8.3.6 

入力電力の試験 

入力電力の試験は,図8のようにIHクッキングヒータ標準検査器に,調理器具本体の深さの1/2,又は

底面からの高さ30 mmのいずれか低い方までシリコーンオイルを入れた調理器具を載せて加熱し,3分後

の入力電力を測定し,小数点以下一桁に丸める。 

図8−シリコーンオイルの液面の高さ 

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8.3.7 

底の平面性試験 

8.3.7.1 

冷めた状態での底の平面性 

冷めた状態での底の平面性の試験は,23 ℃±5 ℃の室温で行い,がたつき及び外側への反りの有無につ

いては,調理器具を定盤の上に静置して目視及び触感で確認し,内側への反り(t1)については,定盤の

上でダイヤルゲージのゼロ点調整を行った後,図9のように調理器具の底面にダイヤルゲージを載せ,中

央部の直径10 mmの円内の反りを測定する。測定は2回行うこととし,1回目の測定後,測定器を約90

度回転して2回目の測定を行い,大きい方の値を内側への反りとする。 

なお,底面の中央部に直径5 mm以上のへこ(凹)み部分がある場合には,図10の箇所を測定し,次の

式によって換算したものを内側への反りとする。 

1

2

x

y

1

d

d

t

t

t

×

+

=

ここに, 

t1: 内側への反り(mm) 

ty: へこみ部分に最も近い箇所の反りの量(mm) 

tx: へこみ部分の深さ(mm) 

d1: 有磁性材料の有効直径(mm) 

d2: へこみ部分の有効直径(mm) 

図9−冷めた状態での反りの測定方法 

図10−底面の中央部にへこみ部分がある場合の測定方法 

8.3.7.2 

加熱した状態での底の平面性 

加熱した状態での底の平面性の試験は,次による。 

a) 図11に示すような変位量測定器の外側にある3本の足を,図12のようにそれぞれ調理器具内側底面

の平面部の外端から内側へ5 mm以内に設置する。 

b) 8.3.6に規定する図8のように調理器具本体の深さの1/2,又は底面からの高さ30 mmのいずれか低い

方までシリコーンオイルを入れて,変位量測定器のダイヤルゲージのゼロ点調整を行う。 

c) IHクッキングヒータ標準検査器を用いて,鍋類にあってはシリコーンオイルの温度が170 ℃を超え

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るように加熱した後放置し150 ℃±5 ℃になったときに,いため容器類にあってはシリコーンオイル

の温度が220 ℃を超えるように加熱した後放置し200 ℃±5 ℃になったときに,調理器具の中央部の

直径10 mmの円内の変位量(t2)を測定する。 

d) 変位量(t2)と冷めた状態での反りの量(t1)とを合計して,加熱した状態での反りの量(ts)とする

(図13参照)。 

a) 正面図 

b) 上面図 

図11−変位量測定器 

a) 正面図 

b) 上面図 

図12−加熱した状態での内側への反りの測定方法 

注記 加熱した状態での変位が外側に出る場合もある。 

図13−反りの状態の模式図 

8.3.8 

IHクッキングヒータで使用できる調理器具の耐熱衝撃性試験 

8.3.8.1 

IHクッキングヒータを熱源とする耐熱衝撃性 

IHクッキングヒータを熱源とする耐熱衝撃性の試験は,製品の区分に応じて表8に示す条件に従って加

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熱した後,直ちに取っ手の付いた本体及びつまみの付いた蓋を水道水流水中に1分間浸せきする。このサ

イクルを10回繰り返した後,調理器具本体の変形については定盤の上に静置してがたつきがなく,複合材

料の剝がれなどがないことを目視及び触感で確認する。合成樹脂製部品及び木製部品については分解して

目視によって取っ手,つまみの欠け及びひび割れの有無を調べる。冷めた状態での底の平面性の反りの許

容量は,加熱後に冷ました後に,表3に規定する冷めた状態での底の平面性による。 

表8−IHクッキングヒータの試験条件 

区分 

内容物及び容量 

加熱条件 

IHクッキングヒータ標準検査器 

鍋類 

水,満水容量の70 % 

沸騰後静かに沸騰が続く
ように5分間保持 

最大火力a) 

いため容器類 

なし 

底面中央部が200 ℃到達 

注a) 加熱開始次第,速やかに最大火力(出力)にして加熱する。 

8.3.8.2 

ガスこんろを熱源とする耐熱衝撃性 

ガスこんろを熱源とする耐熱衝撃性の試験は,製品の区分に応じて表9に示す条件に従って加熱した後,

直ちに取っ手の付いた本体及びつまみの付いた蓋を水道水流水中に1分間浸せきする。このサイクルを10

回繰り返した後,調理器具本体の変形については定盤の上に静置してがたつきがなく,複合材料の剝がれ

などがないことを目視及び触感で確認する。合成樹脂製部品及び木製部品については分解して目視によっ

て取っ手,つまみの欠け及びひび割れの有無を調べる。ただし,使用熱源がIHクッキングヒータに限定

されているものは,この試験は適用しない。 

なお,加熱に用いるこんろは,表10のようなものを一般的とする。 

表9−ガスこんろの試験条件 

区分 

内容物及び容量 

加熱条件 

ガスこんろ 

鍋類 

水,満水容量の70 % 

沸騰後静かに沸騰が続く
ように5分間保持 

適正火力a) 

いため容器類 

なし 

底面中央部が200 ℃到達 

注a) 炎の先端が製品の底面からはみ出さない最大の火力をいう。 

表10−加熱に用いるこんろ 

単位 kW 

バーナの種類 

ガス消費量 

(括弧内はkcal/h) 

主な用途 

標準バーナ 

2.97(2 550) 

鍋類及び湯沸し類 

大バーナ 

4.20(3 610) 

いため容器類 

8.3.9 

取っ手の強度試験 

8.3.9.1 

鍋類及びいため容器類の取っ手の強度 

鍋類及びいため容器類の取っ手の強度の試験は,次による。 

a) 調理器具の本体底面を固定し(図14参照),次の箇所を測定する。 

1) 両手鍋など取っ手が二つのものは,調理器具の底面から取っ手の中央部(図15参照)までの高さ。 

2) 片手鍋,フライパンなど取っ手が一つのものは,取っ手の長さの1/2の箇所(図16参照)までの高

さ。 

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a) 引張試験機を用いる場合 

b) 分銅によって力を加える場合 

注a) 固定板の直径は呼び寸法の1/3以上を目安とする。 

図14−鍋類及びいため容器類の取っ手の強度試験方法の例 

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a) 測定位置 

b) 力を加える位置 

図15−取っ手が二つのものの取っ手の中央部 

a) 測定位置 

b) 力を加える位置 

図16−取っ手が一つのものの取っ手の長さの1/2の箇所 

b) 次の箇所に表11の条件で力を1分間加える(図14参照)。 

1) 取っ手が二つのものは,取っ手の中央部(図15参照)。 

2) 取っ手が一つのものは,取っ手の長さの1/2の箇所(図16参照)。 

表11−力の方向及び力の大きさ 

種別 

力の方向 

力の大きさ 

引張試験機を用いる場合 

分銅などを用いる場合 

取っ手が二つのもの 

中心軸に平行で上向き 

+

=

2

1

2

3

2

1

8.9

m

m

F

+

=

2

1

2

3

2

1

m

m

m

取っ手が一つのもの 

中心軸に平行で下向き 

F=9.8(m1+3 m2) 

m=(m1+3 m2) 

ここに, F:加える力(N)で,JIS Z 8401によって有効数字3桁に丸める。 
 

m:分銅などの質量(kg)で,つり具の質量を含む。 

m1:調理器具の質量(kg) 

m2:満水容量時の水の質量(kg) 

c) 力を除去し,5分間静置した後,調理器具の底面から取っ手の中央部,又は取っ手の長さの1/2の箇

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所の中央部までの高さを測定する。 

d) 次の式によって残留たわみを算出し,JIS Z 8401によって整数に丸める。 

100

1

2

1

×

h

h

h

δ

ここに, 

δ: 残留たわみ(%) 

h1: 試験前の調理器具の底面から取っ手の中央部,又は取っ手の

長さの1/2の箇所の中央部までの高さ(mm) 

h2: 試験後の調理器具の底面から取っ手の中央部,又は取っ手の

長さの1/2の箇所の中央部までの高さ(mm) 

e) 試験した後,本体,取っ手及び取っ手取付け金具の亀裂,破損,変形,がたつき,漏れなどの有無を

目視及び操作によって調べる。ただし,漏れについては,鍋類にあっては8.3.2 b) に定める水漏れの

試験,いため容器類にあっては8.3.2 c) に定める油漏れの試験によって調べる。 

8.3.9.2 

湯沸し類の取っ手の強度 

8.3.9.1と同様の方法によって残留たわみ並びに本体,取っ手及び取っ手取付け金具の亀裂,破損,変形,

がたつき,漏れなどの有無を目視及び操作によって調べる。ただし,加える力は,次のとおりとし,図17

のように取っ手の両外側端間の中央に図18のように加える。漏れについては,8.3.2 b) に定める水漏れの

試験によって調べる。また,残留たわみは,取っ手取付部に遊びがある場合は,50 N±5 Nの力を加えて

がたを除去した状態で測定する(図19参照)。 

a) 加える力の方向 中心軸に平行で上向き。 

b) 力の大きさ 表11の取っ手が一つのものの力の大きさとし,最大で200 Nとする。 

注記 取っ手の二点鎖線は,試験後の取っ手の状態を示す。 

図17−力を加える位置及び測定位置 

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19 

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a) 正面図 

b) 側面図 

図18−湯沸し類の取っ手の強度試験方法の例 

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20 

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注記 取っ手の二点鎖線は,試験後の状態を示す。 

図19−残留たわみ測定方法の例 

8.3.10 取っ手の繰返し強度試験 

8.3.10.1 鍋類及びいため容器類の取っ手の繰返し強度 

鍋類及びいため容器類の取っ手の繰返し強度の試験は,図20の固定装置を用い,図21又は図22のよう

に調理器具を固定し,図23のような装置を用いて満水容量の2倍の水の質量に相当する力を毎分40回〜

50回の早さで10 000回繰り返し加え,本体,取っ手及び取っ手取付け金具の亀裂,破損,変形,がたつき,

漏れなどの有無を目視及び操作によって調べる。ただし,漏れについては,鍋類にあっては8.3.2 b) に定

める水漏れの試験,いため容器類にあっては8.3.2 c) に定める油漏れの試験によって調べる。さらに,残

留たわみを8.3.9.1 d)と同様の方法によって求める。 

  

注記 取っ手の二点鎖線は,試験後,ジグを除いたときの取っ手の状態を示す。 

図20−固定装置 

図21−取っ手が二つのものの場合 

図22−取っ手が一つのものの場合 

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21 

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図23−鍋類及びいため容器類の繰返し強度試験装置の例 

8.3.10.2 湯沸し類の取っ手の繰返し強度 

湯沸し類の取っ手の繰返し強度の試験は,図24のような装置を用いて底面が水平になるようにベルト,

万力などで固定し,満水容量の2倍の水の質量に相当する力を毎分40回〜50回の早さで10 000回繰り返

し加え,本体,取っ手及び取っ手取付け金具の亀裂,破損,変形,がたつき,漏れなどの有無を目視及び

操作によって調べる。ただし,漏れについては,8.3.2 b) に定める水漏れの試験によって調べる。さらに,

残留たわみを8.3.9.1 d)と同様の方法によって求める。ただし,取っ手取付部に遊びがある場合は,50 N±

5 Nの力を加えてがたを除去した状態で測定する(図19参照)。 

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22 

S 2010:2013  

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図24−湯沸し類の繰返し強度試験装置の例 

8.3.11 取っ手及びつまみの温度上昇試験 

取っ手及びつまみの温度上昇の試験は,製品の区分に応じて表12に示す条件に従って加熱し,取っ手の

下面中央部(図25)及びつまみの側面中央部の温度を測定する。ただし,使用熱源がIHクッキングヒー

タに限定されているものは,IHクッキングヒータ標準検査器を用いて,表8に示す最大火力で加熱する。 

表12−試験条件 

区分 

内容物及び容量 

加熱条件 

ガスこんろ 

鍋類 

水,満水容量の70 % 

沸騰後静かに沸騰が続くよ
うに5分間保持 

適正火力a) 

いため容器類 

シリコーンオイルb),高さの1/2 200 ℃に到達後5分間保持 

湯沸し類 

水,水位線の容量又は満水容量
の70 % 

沸騰後そのままの状態を1
分間保持 

注a) 炎の先端が製品の底面からはみ出さない最大の火力をいう。 

b) 引火点300 ℃以上のシリコーンオイルを使用する。 

図25−取っ手温度の測定位置 

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23 

S 2010:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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8.3.12 IHクッキングヒータで使用できない調理器具の耐熱衝撃性試験 

IHクッキングヒータで使用できない調理器具の耐熱衝撃性の試験は,8.3.8.2による。ただし,湯沸し類

は,内容物を水,容量を水位線の容量又は満水容量の70 %,加熱条件を沸騰後そのままの状態を1分間保

持とし,ガスこんろを用いて,表9に示す適正火力で加熱する。 

8.3.13 湯沸し類の可倒式取っ手の耐久性試験 

湯沸し類の可倒式取っ手の耐久性の試験は,図26に示すように調理器具を横置きに固定し,取っ手が垂

直から最大可倒位置になるようにばねをセットして毎分40回〜50回の速さで繰り返し10 000回行う。試

験後,目視によってリベットの破損,はずれ並びに使用上支障のある変形及び磨耗の有無を調べる。 

 ①のとき:ロープによって取っ手が最大可倒位置になる。 

②のとき:ゴム又はばねによって取っ手が垂直位置になる。 
 

図26−可倒式取っ手の耐久性試験装置の例 

8.3.14 笛吹きケトルの音量試験 

笛吹きケトルの音量の試験は,最高水位線又は満水容量の70 %まで水を入れて8.3.11で規定する適正火

力によって加熱し,水が沸騰し笛が鳴ったとき,1 m離れた距離で,表13の騒音計を用いて測定する。 

なお,特定の定常騒音の騒音レベルを測定する場合,その騒音があるときとないときとの騒音計の指示

値の差が10 dB以上であれば,暗騒音の影響はほぼ無視できる。その差が10 dB未満のときには,暗騒音

の影響が無視できない。その場合には,表14によって指示値を補正することによって,対象とする特定の

騒音だけがあるときの騒音レベルを推定することができる。 

表13−騒音計 

項目 

仕様 

定格 

使用周波数範囲 
使用温度範囲 
使用湿度範囲 
基準レスポンス 

20 Hz〜8 kHz 
−10 ℃〜+50 ℃ 
相対湿度 90 %以下 
A特性 

性能・構造 

器差 
目盛誤差 
マイクロフォン 
実効値回路 

±1 dB 
1 dB以下 
圧力形 
FAST 

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表14−暗騒音の影響に対する騒音計の指示値の補正 

単位 dB 

対象音があるときとないときとの指示値の差 

補正値 

−2 

−1 

8.3.15 笛吹きケトルの笛蓋の耐久性試験 

笛吹きケトルの笛蓋の耐久性の試験は,図27に示すように本体を固定し,笛部を開閉するようにジグを

セットして,毎分40回〜50回の速さで繰り返し10 000回行う。 

試験後,目視によって笛部の破損,はずれ,使用上支障のある変形,がたつきなどの有無を調べる。ま

た,この試験後,8.3.14に規定する試験を行う。 

図27−笛蓋の耐久性試験装置の例 

8.3.16 ガラス製蓋の耐熱衝撃性試験 

ガラス製蓋の耐熱衝撃性の試験は,ガラス製の蓋(つまみなどは取り外さない。)を水道水流水の温度よ

り120

8
0

+℃高い温度に設定した恒温槽に入れ,30分間保持した後,これを取り出して直ちに水道水流水中

に1分間浸せきした後,目視によってひび割れ及び破損の有無を調べる。 

8.3.17 強化ガラス製蓋の耐衝撃性試験 

強化ガラス製蓋の耐衝撃性の試験は,試料をつまみを上にしてゴム板上に置き,試料の縁から試料の直

径の1/4の位置に質量225 gの鋼球を高さ1 000 mmから自然落下させ,ひび割れ及び破損の有無を調べる。 

8.3.18 木製取っ手及びつまみの耐燃焼性試験 

木製取っ手及びつまみの耐燃焼性の試験は,8.3.12に規定するIHクッキングヒータで使用できない調理

器具の耐熱衝撃性試験を行い,取っ手,つまみの欠け及びひび割れの有無を調べる。 

8.3.19 合成樹脂製取っ手及びつまみの臭気性,耐熱性及び耐燃焼性試験 

8.3.19.1 つまみの臭気性 

合成樹脂製つまみの臭気性の試験は,つまみを中性洗剤で洗浄して水洗した後ガラス製容器に入れ,こ

の容器に沸騰蒸留水を80 %以上入れ,ガラス板などで蓋をして5分間放置し,ガラス板などを取り去った

後可及的速やかに刺激臭の有無を調べる。 

なお,試験は5名で行い,3名以上が“刺激臭がない。”と判定したとき,“刺激臭がない。”とする。 

8.3.19.2 取っ手及びつまみの耐熱性 

合成樹脂製取っ手及びつまみの耐熱性の試験は,取っ手及びつまみを150 ℃±2 ℃の恒温槽内に2時間

保持した後,取り出し,目視によってひび割れ,膨れ及び破損の有無を調べる。 

8.3.19.3 取っ手の耐燃焼性 

合成樹脂製取っ手の耐燃焼性の試験は,取っ手を本体から取り外して試験片とし,JIS K 6911の5.24.1

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(A法)に準じて試験し,燃焼時間を測定する(図28参照)。 

なお,試験を行う場所は,図29に示すように取っ手の本体側下端部の中央とする。 

単位 mm 

図28−耐燃焼性試験装置の例 

図29−耐燃焼性試験の試験箇所 

検査方法 

調理器具の検査は,形式検査2) と受渡検査3) とに区分し,検査の項目は,それぞれ次の項目が箇条5〜

箇条7及び箇条10に適合したものを合格とする。 

なお,形式検査及び受渡検査の抜取検査の方式は,受渡当事者間の協議による。 

a) 形式検査項目 

1) 呼び径,寸法又は満水容量及び最低底厚 

2) 材料 

3) 外観 

4) 構造 

5) 衛生性 

6) 性能 

7) 表示 

b) 受渡検査項目 

1) 外観 

2) 表示 

注2) 製品の品質が設計で示した全ての特性を満足するかどうか判定するための検査。 

3) 既に形式検査に合格したものと同じ設計・製造による製品の受渡しをする場合,必要と認める

特性が満足するものであるかどうかを判定するための検査。 

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10 表示 

この規格の全ての要求事項に適合した製品には,次の事項を表示しなければならない。ただし,その製

品に該当しない事項については表示しなくてもよい。 

a) 調理器具本体又は蓋の表示 

次の事項を,見やすい箇所に,容易に消えない方法で表示する。 

1) 呼称の大きさ4) 

2) 製造業者名,販売業者名又はそれらの略号 

注4) 玉子焼器は長辺の寸法とする。 

b) 調理器具本体又は蓋,下げ札,包装などの表示 

次の事項を表示する。ただし,1)〜6)及び8)については,消費者が見やすい箇所に表示しなければ

ならない。 

1) 対応熱源:IHクッキングヒータで使用できる調理器具には,使用できる旨を表示する。このうち,

熱源がIHクッキングヒータに限定される調理器具は,その旨を合わせて明示する。 

2) 表面加工:陽極酸化処理を施したものは“アルマイト”,ふっ素樹脂塗膜を施したものは“ふっ素樹

脂塗膜加工”と表示する。 

なお,外面にこれら以外の表面処理を施している場合は,その表面加工の種類を示す適切な用語

を用いて,それぞれの表面処理を施した場所を合わせて表示する。 

3) 材料の種類:アルミニウムのものは“アルミニウム”,アルミニウム合金のものは“アルミニウム合

金”と表示する。ただし,貼り底の場合は,“本体”と“貼り底”とに区分して,それぞれの種類を

示す適切な用語を用いて表示する。 

4) 底厚:鍋類にあっては附属書B,いため容器類にあっては附属書C,湯沸し類にあっては附属書D

に定める底厚の測定値を表示する。 

5) 寸法5):鍋類にあっては附属書B,いため容器類にあっては附属書Cに定める最大内径又は最大内

対辺をそれぞれセンチメートル単位で表示する。 

注5) 鍋類及びいため容器類に適用する。 

6) 満水容量6):鍋類にあっては,縁までの容量をリットル単位で表示する。縁までの容量とは,本体

に水を入れて,水があふれた際に残った量をいう。湯沸し類にあっては,附属書Dに定める満水容

量を表示する。 

注6) 鍋類及び湯沸し類に適用する。ただし,満水容量は実際に湯を沸かせる量ではない。 

7) 取扱い上の注意:製品に応じた安全及び品質の維持に関する取扱い上の注意事項を表示する。注意

事項の例を附属書Fに示す。 

8) 事業者名及び連絡先:製造事業者名又は販売事業者名,及び住所又は電話番号を表示する。 

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27 

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附属書A 

(参考) 

調理器具の区分と必要な性能との関係 

A.1 必要な性能(実施する試験) 

調理器具の用途による区分及び使用熱源による区分に応じて必要な性能(実施する試験)を,表A.1及

び表A.2に示す。このほか,外観及び構造の試験は,全ての調理器具について行う。ただし,油漏れの試

験は,いため容器類(玉子焼器を除く。)だけに適用する。また,陽極酸化皮膜の試験,ふっ素樹脂塗膜の

試験は,内面にこれらの加工をした調理器具について行う。 

表A.1−IHクッキングヒータで使用できる調理器具 





























a)
















b) 





































c) 

鍋類 

○ 

○ 

○ 

○d) 

○ 

○ 

△d) 

△ 

△ 

△ 

△ 

いため容器類 

○ 

○ 

○ 

○e) 

○ 

○ 

△e) 

△ 

△ 

△f) 

△ 

凡例 ○:全ての製品が対象 △:該当する製品だけ対象 
注a) 熱源がIHクッキングヒータに限定されているものは,ガスこんろ試験は適用しない。 

b) 金属製の取っ手及びつまみには適用しない。 

c) 臭気性は取っ手には適用しない。また,耐燃焼性はつまみには適用しない。 

d) 蓋及びつまみは,蓋が附属するものに適用する。 

e) 蓋及びつまみには適用しない。 

f) つまみには適用しない。 

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表A.2−IHクッキングヒータで使用できない調理器具 



































a)



















































b) 

鍋類 

○c) 

○ 

○ 

− 

△c) 

− 

− 

△ 

△ 

△ 

△ 

いため容器類 

○d) 

○ 

○ 

− 

△d) 

− 

− 

△ 

△ 

△e) 

△ 

湯沸し類 

○ 

○ 

○ 

△ 

△ 

△ 

△ 

− 

− 

△ 

△ 

凡例 ○:全ての製品が対象 △:該当する製品だけ対象 
注a) 金属製の取っ手及びつまみには適用しない。 

b) 臭気性は取っ手には適用しない。また,耐燃焼性はつまみには適用しない。 

c) 蓋及びつまみは,蓋が附属するものに適用する。 

d) 蓋及びつまみには適用しない。 

e) つまみには適用しない。 

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29 

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附属書B 

(規定) 

鍋類の呼び径,寸法及び最低底厚 

B.1 

呼び径,寸法及び最低底厚 

鍋類の呼び径,寸法及び最低底厚は,表B.1〜表B.3による。ただし,IHクッキングヒータで使用でき

るものの最低底厚は,2.4 mmとする。 

なお,最大内径及び最大内対辺の許容差は,±3 %とし,寸法の測定位置は図B.1及び図B.2による。 

底厚とは,底の中央部の実測値をいい,貼り底又は表面処理を施した製品はこれらを含めた厚さとする。

底の中央部が,底全体の厚さの状態を的確に反映していないと考えられる場合は,これが的確に反映され

ると考えられる位置で測定する。 

表B.1−鍋の呼び径,寸法及び最低底厚 

単位 mm 

呼び径 

(cm) 

最大内径又は 

最大内対辺 

最低底厚 

14 

140 

0.5 

15 

150 

16 

160 

17 

170 

18 

180 

0.6 

19 

190 

20 

200 

21 

210 

22 

220 

23 

230 

24 

240 

25 

250 

26 

260 

0.7 

27 

270 

28 

280 

29 

290 

30 

300 

表B.2−丸形蒸器の呼び径,寸法及び最低底厚 

単位 mm 

呼び径 

(cm) 

最大内径 

最低底厚 

18 

180 

0.6 

20 

200 

22 

220 

24 

240 

0.7 

26 

260 

28 

280 

30 

300 

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30 

S 2010:2013  

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表B.3−角形蒸器の呼び径,寸法及び最低底厚 

単位 mm 

呼び径 

(cm) 

最大内対辺 

最低底厚 

18 

180 

0.6 

20 

200 

22 

220 

0.7 

24 

240 

26 

260 

28 

280 

0.8 

30 

300 

ここに,D:最大内径又は最大内対辺の測定位置 

図B.1−鍋類の最大内径又は最大内対辺寸法の測定位置 

ここに,D:最大内径又は最大内対辺の測定位置 

図B.2−段付(落とし蓋)の最大内径又は最大内対辺寸法の測定位置 

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31 

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附属書C 
(規定) 

いため容器類の呼び径,寸法及び最低底厚 

C.1 呼び径,寸法及び最低底厚 

いため容器類の呼び径,寸法及び最低底厚は,表C.1による。玉子焼器は,最低底厚1.8 mmとする。

ただし,IHクッキングヒータで使用できるものの最低底厚は,2.4 mmとする。 

なお,最大内径及び最大内対辺の許容差は,±3 %とし,寸法の測定位置は図C.1による。 

底厚とは,底の中央部の実測値をいい,貼り底又は表面処理を施した製品はこれらを含めた厚さとする。

底の中央部が,底全体の厚さの状態を的確に反映していないと考えられる場合は,これが的確に反映され

ると考えられる位置で測定する。 

表C.1−いため容器類の呼び径,寸法及び最低底厚 

単位 mm 

呼び径 

(cm) 

最大内径又は 

最大内対辺 

最低底厚 

16 

160 

2.0 

17 

170 

18 

180 

19 

190 

20 

200 

21 

210 

22 

220 

23 

230 

24 

240 

25 

250 

26 

260 

27 

270 

28 

280 

29 

290 

30 

300 

ここに,D:最大内径又は最大内対辺の測定位置 

図C.1−いため容器類の最大内径又は最大内対辺寸法の測定位置 

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32 

S 2010:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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附属書D 
(規定) 

湯沸し類の呼び容量,満水容量及び最低底厚 

D.1 呼び容量,満水容量及び最低底厚 

湯沸し類の呼び容量,満水容量及び最低底厚は,表D.1による。 

底厚とは,底の中央部の実測値をいい,貼り底又は表面処理を施した製品はこれらを含めた厚さとする。

底の中央部が,底全体の厚さの状態を的確に反映していないと考えられる場合は,これが的確に反映され

ると考えられる位置で測定する。満水容量とは,口頭部又は注ぎ口までの容量のうち,いずれか少ない量

をいう。 

表D.1−湯沸し類の呼び容量,満水容量及び最低底厚 

単位 mm 

呼び容量

(L) 

満水容量 

(L) 

最低底厚 

 1.0以上 1.5未満 

0.7 

1.5 

 1.5以上 2.0未満 

 2.0以上 2.5未満 

2.5 

 2.5以上 3.0未満 

0.8 

 3.0以上 4.0未満 

 4.0以上 5.0未満 

 5.0以上 6.0未満 

0.9 

 6.0以上 7.0未満 

1.0 

 7.0以上 8.0未満 

 8.0以上 9.0未満 

 9.0以上 10.0未満 

10 

10.0 

1.1 

33 

S 2010:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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附属書E 

(規定) 

IHクッキングヒータ標準検査器 

E.1 

仕様 

IHクッキングヒータ標準検査器の仕様は,次による。 

E.1.1 使用環境 

使用環境は,次による。 

a) 使用環境:10 ℃〜30 ℃ 

b) 電源電圧:200 V±2 V 

E.1.2 性能 

性能は,次による。 

a) 入力電力 標準鍋(φ240 mm,材質:鉄,底の厚さ:1.0 mm,表面加工:ほうろう,満水容量:2.5 L)

を用いたとき,2 kW±0.1 kWとする。 

b) 小物検出機能 φ120 mmのスチールディスクを用いたときは加熱され,φ110 mmのスチールディス

クを用いたときは加熱停止する。 

c) 温度過昇防止機能 指定天ぷら鍋(φ120 mm,材質:鉄,底の厚さ:1.6 mm,表面加工:強化シリコ

ン焼付塗装,満水容量:2.1 L)に油を800 g入れた状態にて,平均温度220 ℃±10 ℃にて安定する

ようにオン,オフ制御を行う。 

注記 このIHクッキングヒータ標準検査器は,一般社団法人日本電機工業会の自主基準に基づいた

ものが製作されている。 

34 

S 2010:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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附属書F 

(参考) 

取扱い上の注意事項の例 

F.1 

一般事項 

この附属書は,アルミニウム製加熱用調理器具を正しく,かつ,安全に使用するための取扱い上の注意

事項の例を示す。 

F.2 

注意事項 

取扱い上の注意事項は,製品が使用者(消費者)に与える可能性があるリスクの大きさを考慮して,次

の事項から該当するものを選択して調理器具本体,蓋,又は取扱説明書に記載することが望ましい。 

例1 表示及び取扱説明書は,必ず読み,それを守り行うこと。 

例2 取扱説明書は,読んだ後保管すること。 

例3 IHクッキングヒータで使用する場合,IHクッキングヒータの取扱説明書もよく読んで使用す

ること。 

例4 火力を調節して使用すること。 

例5 絶対に空だきをしないこと。 

例6 2口以上のこんろでは,隣接するこんろの炎が取っ手に当たらないよう注意すること。 

例7 食器洗い機はアルカリ性洗剤を用いるものが多いこと,高温によって取っ手破損につながる場

合があるので,使用は避けること。 

例8 調理中,調理後は取っ手又はつまみが熱くなっている場合があること。 

例9 調理油過熱防止装置付きコンロで使用する場合は,次の点に注意すること。 

・ 調理器具及び調理物をあわせて300 g以上で使用すること。 

・ こんろの中央に載せること。 

・ 底に著しい汚れや付着物が付いたまま使用しないこと。 

例10 吹きこぼれないよう火加減及び調理物の量に注意すること。 

例11 ストーブの上では絶対に使用しないこと。 

例12 電子レンジでは使用しないこと。 

例13 ねじ止めされた取っ手がゆるんだ場合は,締め直すこと。 

例14 取っ手に膨れ,焼けこげ,ひび割れが生じた場合は使用しないこと。 

例15 湯沸し類にあっては,アルカリ性の水を使用したり,湯沸し以外の用途に用いたりしないこと。 

例16 鍋類及びいため容器類にあっては,油を使用する場合は油温が200 ℃以上にならないようにす

ること。 

例17 揚げ物料理においては,次の点に注意すること。 

・ 玉子焼器,20 cm以下のフライパン,16 cm以下の鍋は揚げ物料理に使用しないこと。 

・ 調理油過熱防止装置付きコンロでは,油量を200 mL以上にすること。 

・ 縁まで油を満たして使用しないこと。 

・ 蓋をしないこと。 

・ 絶対にそばを離れないこと。 

35 

S 2010:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

例18 湯沸し類にあっては,火を止めて15秒程度たってから湯を注ぐこと。 

例19 笛吹きケトルにあっては,水位線を守り,笛部の水をよく切ってから加熱開始すること。 

例20 熱した本体に冷水をかけたり,落下などの衝撃を与えないこと。 

例21 湯沸し類にあっては,使用後は十分に水を切っておくこと。 

例22 鍋類及びいため容器類にあっては,長時間調理物を入れたままにせず,調理後はよく洗って十

分に水切りすること。 

例23 鍋類にあっては,酸性及びアルカリ性の食材及び調味料の使用はなるべく避け,使用した場合

は速やかに洗浄すること。 

例24 手入れにはスチールたわし,アルカリ性洗剤,クレンザー,漂白剤等を使用しないこと。 

例25 金属製の鋭利な調理用具によって内面をキズつけないようにすること。 

例26 鍋類にあっては,味噌汁など粘性のあるものを温め直す際は強火で一気に加熱せず,よくかき

混ぜてから温めること。 

例27 強化ガラス製蓋は,次の点に注意すること。 

・ 直接炎を当てたり,蓋をずらして加熱調理しないこと。 

・ 高い所から落とすなど急激な衝撃を与えないこと。 

・ 調理直後に水で急冷しないこと。 

・ キズが入ったら使わないこと。 

・ 洗う際は研磨剤入りスポンジ,金属たわし,クレンザーを使用しないこと。 

・ 割れる際は粉々に飛び散ることがあること。