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S 0023 : 2002 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日

本工業規格である。

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

S 0023 : 2002 

高齢者配慮設計指針−衣料品 

Guidelines for designing of clothes in consideration of the elderly people 

序文 この規格は,高齢社会に対応して,健康で明るく,安全かつ安心な豊かな社会生活を築くために,

衣料品設計時の指針として作成されたものである。これによって高齢者の自立を支援することができ,積

極的な社会参加が期待できる。 

なお,規格の適用に当たっては製品の種類及びその他の条件に応じて適宜選択して採用する。 

1. 適用範囲 この規格は,主に高齢者が着用する衣料品の設計時に,加齢による運動機能の低下,体型

の変化などに対応して,着用性の向上,取扱方法の分かりやすさなどを確保することを目的とした配慮す

べき事項について規定する。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS L 0112 衣料の部分・寸法用語 

JIS L 0122 縫製用語 

JIS L 1091 繊維製品の燃焼性試験方法 

JIS L 1902 繊維製品の抗菌性試験方法 

JIS L 1917 繊維製品の表面フラッシュ燃焼性試験方法 

JIS Z 8305 活字の基準寸法 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS L 0112及びJIS L 0122によるほか,次による。 

a) 配慮事項 加齢による着用者の体型の変化,運動機能の低下,感覚機能の低下,生理機能(体温保持,

保湿機能など)の低下,注意力の低下などを補完するために,衣料品の設計時に配慮すべき事項。 

b) 着用性 着脱のしやすさ及び着心地。 

c) 着心地 肌触り,保温性,通気性,吸湿性,吸汗性及び動きやすさ。 

d) 仕様 パターン設計,縫製方法など,具体的物作りの内容。 

e) パターン 衣料品作成時に使用する平面展開図。 

4. 衣料品設計の配慮事項 衣料品の設計に配慮すべき事項は,次による。 

4.1 

体型の変化に対応したデザイン及び寸法 着用者の体型の変化に対応したデザイン及び寸法は,次

による。 

a) 着用者の体型の変化を考慮し,着用性を満足する適度なゆとりに配慮したデザイン及びパターンとす

る。また,着用者の体型の個人差が大きいため,パターン及びサイズ展開の多様性に配慮する。 

S 0023 : 2002  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 着用者の体型に合った寸法に容易に加工できるように,縫い代量,仕上げ方などに配慮する。 

c) 着用性の向上のため,あきの位置及び形状に配慮したデザインとする。 

d) 衣料品を着用したとき,生理的,感覚的に違和感がなく着心地が快適であるように,素材,デザイン,

仕様などに配慮する。 

4.2 

運動機能の低下に配慮した着用性 着用者の,関節などの運動機能の低下,握力及び指先の力の低

下などに対応して,衣料品は着脱しやすく,かつ留め具の大きさ,位置及び扱いやすさに配慮したデザイ

ン,材料及び仕様とする。 

4.3 

安全性,衛生性及び取扱いに配慮した材料の使用 衣料品の着用目的,着用環境又は着用者の身体

条件(感覚機能の低下、生理機能の低下及び注意力の低下)に対応し,衣料品に使用する材料,デザイン

及び仕様について,必要がある場合は,次の事項に配慮する。 

なお,機能付加加工を施した材料を使用する場合は,身体への安全性を確保する。 

a) JIS L 1091によって難燃性能を確認し,難燃性をもつ材料を使用する。 

b) JIS L 1917によって表面フラッシュ性能を確認し,表面フラッシュが起こりやすい場合には,着用時

に注意することを表示する。 

c) JIS L 1902によって抗菌性能を確認し,抗菌性能をもつ材料を使用する。 

d) 通気性,透湿性又は保湿性などの機能性をもつ材料を使用する。また,デザイン,仕様においても,

保温性又は温度調節が可能なように配慮する。 

e) 日常の取扱いがしやすい材料及び仕様とする。 

参考 日常の取扱いがしやすい材料及び仕様に配慮した製品には,しわになりにくい製品,形態安定

加工製品などがある。 

4.4 

行動意識及び交通安全への配慮事項 高齢者の行動意識及び交通安全への配慮事項は,次による。 

a) 高齢者の積極的な社会参加を促す観点から,衣料品のデザイン,色・柄及びファッション性に配慮す

る。 

b) 雨の日又は夜間に着用する外衣については,交通事故防止の観点から着用者を視認しやすいように,

明るい色・柄,蛍光素材,反射材の使用などに配慮する。 

4.5 

表示の分かりやすさ 表示の分かりやすさは,次による。 

a) 着用者の視力の低下に対応し,品質表示,洗濯表示,サイズ表示などの文字及び記号の大きさは,容

易に視認できるよう配慮する。 

なお,文字の大きさは,JIS Z 8305の3.(大きさ)に規定する10ポイント以上が望ましい。 

b) 着用者の視覚機能の低下に対応し,文字及び記号の色彩・配色は,明確に識別できるよう配慮する。 

5. 表示 高齢者に配慮した衣料品には,衣料品ごとに次の事項を表示することが望ましい。 

a) 高齢者配慮製品である旨及びその配慮項目(4.1,4.2,4.3のいずれか一つ以上の項目が該当する場合。) 

b) 安全性(難燃性,抗菌性)配慮製品である旨及びその配慮項目[4.3のa)〜c)のいずれか一つ以上の項

目が該当する場合。] 

c) 機能性加工製品である旨及びその配慮項目[4.3のd),e)のいずれか一つ以上の項目が該当する場合。] 

S 0023 : 2002 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS S 0023(高齢者配慮設計指針−衣料品)原案作成委員会 構成表 

(高齢者・障害者配慮生活用品標準化委員会) 

氏名 

所属 

(委員長) 

西 原 主 計 

神奈川工科大学システムデザイン工学科 

(委員) 

伊 東 依久子 

消費科学連合会 

伊 藤 文 一 

財団法人日本消費者協会 

江 木 和 子 

消費者団体新宿区消団連アクティー 

加 藤 久 明 

日本デザイン学会 

小 宮 敏 夫 

株式会社レナウンアパレル科学研究所 

佐々木 春 夫 

社団法人日本包装技術協会 

塩 崎   透 

日本電気株式会社 

篠 崎   薫 

社団法人日本社会福祉士会 

高 田 邦 道 

日本大学理工学部 

丹   敬 二 

日本生活協同組合連合会 

中 田   誠 

社団法人日本玩具協会 

中 野 義 彦 

沖電気工業株式会社(日本人間工学会) 

星   珠 枝 

社団法人日本消費生活アドバイザーコンサルタント協会 

星 川 安 之 

財団法人共用品推進機構 

万 代 善 久 

株式会社日本能率協会総合研究所 

三 吉 満智子 

文化女子大学服装学部 

山 口   勲 

財団法人家電製品協会 

(関係者) 

岩 田 朋 巳 

経済産業省製品評価技術センター 

千 野 雅 人 

経済産業省生活産業局 

新 階   央 

経済産業省製造産業局 

小 林 清 美 

経済産業省商務情報政策局 

安 西 久 子 

経済産業省商務情報政策局 

辻   義 信 

経済産業省産業技術環境局 

渡 邊 武 夫 

経済産業省産業技術環境局 

菅 原 昭 栄 

経済産業省産業技術環境局 

橋 本   進 

財団法人日本規格協会技術部 

石 垣 正 夫 

財団法人日本規格協会技術部 

(衣料品配慮指針JIS原案ワーキンググループ) 

氏名 

所属 

(主査) 

三 吉 満智子 

文化女子大学服装学部 

(副主査) 

藤 吉 一 隆 

株式会社レナウンアパレル科学研究所 

(委員) 

江 木 和 子 

消費者団体新宿区消団連アクティー 

小 暮 繁 枝 

東京都老人クラブ連合会 

岡 田 たけ志 

株式会社ナイガイ 

秋 山 和 雄 

株式会社オンワード樫山 

鈴 木   淳 

ユニバーサルファッション協会 

中 島 重 雄 

財団法人日本繊維製品品質技術センター東部事業所 

(関係者) 

新 階   央 

経済産業省製造産業局 

渡 邊 武 夫 

経済産業省産業技術環境局 

菅 原 昭 栄 

経済産業省産業技術環境局 

安 西 久 子 

経済産業省商務情報政策局 

福 田 衛 三 

経済産業省製品評価技術センター 

橋 本   進 

財団法人日本規格協会技術部 

石 垣 正 夫 

財団法人日本規格協会技術部 

  

(文責 三吉 満智子)