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R 3410:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,硝子繊維協会(GFA)

/財団法人 日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があ

り,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS R 3410:1999は改正され,この規格に置き換えられる。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実

用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,

このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登

録出願にかかわる確認について,責任はもたない。 

R 3410:2006  

(3) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 1 

3. 定義 ······························································································································ 1 

3.1 ガラスの基本 ················································································································ 2 

3.2 ガラス繊維製造工程(ガラス溶融及び紡糸) ······································································· 2 

3.3 ガラス繊維加工工程 ······································································································· 4 

3.4 ガラス繊維製品 ············································································································· 7 

3.5 検査及び試験 ··············································································································· 13 

3.6 品質 ··························································································································· 18 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

R 3410:2006 

ガラス繊維用語 

Glossary of terms relating to textile glass 

1. 適用範囲 この規格は,ガラス長繊維及びその製品において用いる主な用語について規定する。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構

成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その

最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS A 1321 建築物の内装材料及び工法の難燃性試験方法 

JIS C 6480 プリント配線板用銅張積層板通則 

JIS L 1091 繊維製品の燃焼性試験方法 

JIS L 1096 一般織物試験方法 

JIS R 3103-1 ガラスの粘性及び粘性定点 − 第1部:軟化点の測定方法 

JIS R 3411 ガラスチョップドストランドマット 

JIS R 3412 ガラスロービング 

JIS R 3413 ガラス糸 

JIS R 3414 ガラスクロス 

JIS R 3415 ガラステープ 

JIS R 3416 処理ガラスクロス 

JIS R 3417 ガラスロービングクロス 

JIS R 3420 ガラス繊維一般試験方法 

JIS R 3421 集じん用処理ガラスクロス 

JIS R 3425 表面ばり用ガラスクロス 

ISO 472:1999 Plastics ‒ Vocabulary 

3. 定義 用語及び定義は,3.1から3.6による。 

なお,参考のために対応英語を示す。 

  備考1. 用語に丸括弧が付いている場合,括弧内は,読み又は同異義語などを示す。 

    2. 対応英語に丸括弧がついている場合,括弧内は,省略することができる。 

  3. 用語及び対応英語において,二つ以上の字句を並べた場合は,その記載の順に従って優先使用

する。 

  4. 用語の並べ方は,六つの項目別に分類した後,各項目の中を五十音順とした。 
  5. 索引は使用の便宜を考えて日本語索引及び英語索引を併記した。 

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R 3410:2006  

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3.1 

ガラスの基本  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1001 

Eガラス 

はん用繊維用ガラス。電気絶縁性に優れている。アルカリ
(Na2O,K2O)含有率が,2.0 %以下の組成のガラス。無アル
カリガラスともいう(JIS R 3413参照)。 
 

E-glass 

1002 

ECRガラス 

電気絶縁性と耐酸性の両方に優れた繊維用ガラス。 

ECR-glass 

1003 

ARガラス,ARG 耐アルカリ性に優れた繊維用ガラス。セメント強化用に用いら

れる。 

alkali resistant glass 
AR-glass 

1004 

Aガラス 

アルカリを多く含む繊維用ガラスの一つ。含アルカリガラスと
もいう。ガラス短繊維に用いられる。 

A-glass 

1005 

Sガラス 

高強度繊維用ガラス。 

S-glass 

1006 

Cガラス 

アルカリを多く含む繊維用ガラスの一つ。耐酸性に優れる。一
般的に5~20 %程度のアルカリ酸化物(Na2O+K2O)を含む。含
アルカリガラスともいう。 

C-glass 

1007 

Dガラス 

低誘電率の繊維用ガラス。 

D-glass 

1008 

軟化点 

近似的にこれより低い温度では,そのガラスのほとんどの成形
操作が不可能な温度。一般的にはJIS R 3103-1により測定され
る。 

softening point 

1009 

ベアガラス 

マッフル炉で625±25 ℃,15分間熱処理し,正味質量をはか
るために脱油,脱サイジングしたガラス(JIS R 3420参照)。 
 

bare glass 

3.2 

ガラス繊維製造工程(ガラス溶融及び紡糸)  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2001 

アプリケータ 

紡糸工程で繊維束に集束剤又はバインダを付着させるための
装置。バインダアプリケータともいう。 

applicator 
binder applicator 

2002 

アプリケータロ
ーラ 

サイズをフィラメントに転写塗布するための円筒状のローラ。
回転させ,サイズをフィラメントに塗布するのが一般的。 

applicator roller 

2003 

あや(綾)振り幅 ワインダにストランドをあや(綾)がけしながら巻き取るとき

のあや(綾)がけ幅。 

traverse stroke 

2004 

エアバブラ 

ガラスをつくるとき,均質なガラスにするため,溶解炉内の溶
融ガラスを炉底から発生させた気泡によりかくはん(攪拌)す
るための空気供給装置。 

air bubbler 

2005 

窯,炉 

ガラス溶融窯(炉),又は溶解炉。 

furnace 

2006 

ガラス組成 

ガラスを構成する成分の百分率。一般の化学式では表現できな
いため,通例は酸化物の形式で記述する。 

glass composition 

2007 

ガラスマーブル  
マーブル 

再溶融紡糸法(MM法)に用いるガラス原料。通常は球状であ
るが,ペレット状などのものもある(2014参照)。 

glass marble 

2008 

ガラス溶解窯, 
ガラス溶解炉, 
ガラス溶融窯, 
ガラス溶融炉 

組成調合した原料(バッチ)を溶解して,均質なガラスを作る
ための装置。耐火物でつくった炉又は窯と呼ばれる箱型の装置
で,重油,ガス,電気などを加熱熱源として利用する。 

glass melting furnace 

2009 

カレット 

ガラス溶融時に原料に加えて使用される廃ガラス繊維及び廃
ガラス。 

cullet 

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R 3410:2006  

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番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2010 

ギャザリングシ

ュー 

紡糸工程で,紡糸繊維を1本又は複数本のストランドに束ねる
ための部材。ギャザリングホイールともいう。同じ機能をもつ
部材として,ギャザリングコムがある。 

gathering shoe 
gathering wheel 
gathering comb 

2011 

クーリングフィ

ン, 

冷却フィン 

紡糸工程で,ブッシングノズルから流下する溶融ガラスを均一
に冷却するための金属製の板状水冷冷却装置。 

cooling fin 

2012 

ケーキ,ケーク 

紡糸工程で,ブッシングから繊維化された直後のストランドを
巻き取った,筒状に巻かれた糸の塊。 

cake 

2013 

ケーキ水分率 

巻取り機で巻き取った糸の塊(ケーキ)の含水率。 

cake water content 

2014 

原料ガラス 

マーブルメルティング法(MM法)用ガラス原料。あらかじめ
溶融炉で溶解し,マーブル又はペレット状に成形し,取り扱い
やすくなっている(2007参照)。 

glass marble 

2015 

合ねん(撚)機 

糸を引きそろえてよ(撚)りをかける機械。 

doubling and twister 

2016 

コレット 

紡糸工程でブッシングから繊維を高速で巻き取る回転ドラム。 collet 

2017 

サイジング剤 

サイズに使用される液剤(2020参照)。 

fiber size 
sizing agent 

2018 

サイズ 

紡糸工程で繊維を保護するために付与される塗布剤。カップリ
ングサイズ(プラスチックサイズ),でんぷん(澱粉)系サイズ
がある。一次サイズとも呼ばれる。 

size 
primary saize 

2019 

集束剤 

紡糸工程で紡糸した単繊維をストランドに束ねるために塗布
するもの(2018,2033参照)。 

size 
binder 

2020 

集束本数 

繊維束を構成する単繊維の本数。 

number of filaments 

2021 

ダイレクトカッ

ト法 

紡織用繊維を紡糸工程で繊維化後,巻き取らずに直接連続的に
カットするチョップドストランドの製造方法。 

direct cutting method 

2022 

ダイレクトチョ

ッパ 

紡糸工程で繊維化直後の繊維を巻き取らずに直接連続的にカ
ットするための切断装置。 

direct chopper 

2023 

ダイレクトチョ

ップドストラ
ンド 

紡糸工程で繊維化直後の繊維を巻き取らずに直接連続的にカ
ットする方法で生産したチョップドストランド。 

direct chopped strand 

2024 

ダイレクトメル

ティング法, 

DM法 

ガラス溶融炉に直接紡糸装置を多数接続して紡糸する方法。大
量生産向きの方式。マーブルメルティング(MM)法と比較し
て直接紡糸法という。 

direct melting method 

2025 

チップ 

ブッシングに付いている突起状ノズル。 

tip 

2026 

チューブ 

紡糸工程で繊維を巻き取るための筒。コレットに装着する。 

forming tube 

2027 

トラバース 

ワインダにストランドをあや(綾)がけしながら巻き取るとき
のあや(綾)振り装置。 

traverse 

2028 

生原料 

調合する前の個々の成分に対応したガラス原料。 

raw materials 

2029 

ねん(撚)糸機 

糸によ(撚)りをかける機械。 

twister 

2030 

廃ガラス繊維 

ガラス繊維の製造工程で発生するくずガラス繊維。 

waste glass fiber 

2031 

廃ガラス繊維の

再生 

廃ガラス繊維の再利用。通常はガラス原料として再使用する操
作を指す。カレット参照(2009参照)。 

recycling of waste 

glass fiber 

2032 

パイプクーラ 

ブッシングノズルから流下する溶融ガラスを均一に冷却する
ための装置。中空のパイプ状をしており,内部に水を流して冷
却する。ブッシングクーラともいう。 

pipe coollar 

2033 

バインダ 
結合剤 

紡糸工程で主にロービングに使われる集束剤のこと(2019参
照)。一次バインダとも呼ばれる。 

binder 
size 
binding agent 

2034 

バッチ 

目的組成のガラスを作るために組成調合された原料。 

batch 

2035 

フォアハース 

ガラス溶融炉の下流側に位置し,ブッシングにガラス素地を分

forehearth 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

配する装置。分配槽ともいう。 

2036 

ブッシング 

紡糸するための白金製装置。箱状白金容器の底部に多数のノズ
ルがあり,溶融ガラスを上部からノズルを通して流下させ繊維
化する装置。 

bushing 

2037 

ブッシングブロ

ック 

溶融ガラス供給炉又はフォアハースに設けられた耐火物製の
ブッシング取付け口。 

bushing block 

2038 

プラスチックサ

イズ 

ガラス繊維の界面と樹脂との結合をよくするためのカップリ
ング表面処理剤を使用したサイズ。 

plastic size 

2039 

紡糸 
採糸 

ブッシングを用いて溶融ガラスから繊維を連続的につくる操
作。 

fiber forming 
fiberizing 

2040 

紡糸機 

紡糸工程でブッシング下部で,繊維を巻き取る装置。巻取機と
もいう。 

forming winder 

2041 

紡糸溶融窯 

ガラス原料を溶融した後,接続したブッシングからガラスを引
き出し直接繊維化する方式の窯。ダイレクトメルティング
(DM)法の窯。 

direct melt furnace 

2042 

ボビン 

糸を巻き取り保管するための巻きしん(芯)。又は,巻きしん
に糸を巻きつけた製品。 

bobbin 

2043 

巻取機 

ブッシングノズルから流れ落ちる溶融ガラスを連続的に高速
で巻き取る機械。巻き取った姿はケーキ状又はロービング状に
なる。紡糸機ともいう。 

winder 

2044 

マーブル成形機 

溶融ガラスからガラスマーブルを成形する機械。 

marble machine 

2045 

マーブルメルテ

ィング法, 

MM法 

繊維製造方法の一つ。ガラス溶解炉で別につくった球状又はペ
レット状ガラスを紡糸装置内で再溶融しながら繊維化する方
法。 

marble melting method 

2046 

ミルクボトルボ

ビン 

糸巻きしんの一つのタイプ。下部に大きなつばのあるしん。糸
を巻き終わった形状がミルクボトルに似ていることから名前
がついた。又は糸を巻いたそのものをいうこともある。 

milk bottle bobbin 

2047 

ヤーンサイズ 

紡糸工程から織物工程までの加工性,作業性を容易にするため
に設計されたヤーン用表面処理又は表面処理剤。一般的には,
主成分にでんぷんのり(糊),合成のり(糊)を使う。用途によって
はカップリング表面処理剤を使用することがある。 

textile size 
size for yarn 

2048 

冷修 

ガラス溶融炉又は紡糸炉で,ガラスが固化してしまう常温まで
冷却して炉材の交換や補修を行う操作。大掛かりな修理。 

cold repair 

2049 

ワインド比 

コレットとあや(綾)掛け機との回転比率。 

collet-to-traverse speed 

ratio 

3.3 

ガラス繊維加工工程  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3001 

荒巻整経機 

織物を作る前工程で,たて糸を準備するための機械。たて糸を
織物のピッチより広い間隔で平行にかつ均一な張力で引きそ
ろえ,けたに巻き取って準備する機械。 

beam warper 

3002 

エアージェット

織機 

織機の一つ。よこ糸入れのときにエアージェットを用いるタイ
プの織機(3020参照)。 

air jet loom 

3003 

おさ(筬) 

織機の部品の一つ。たて糸を規定の密度に配列し,たて糸の開
口部に通されたよこ糸を押し付け,織物の密度を高くするくし
状の用具。 

reed 

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番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3004 

おさ(筬)打ち 

織物をつくるとき,よこ入れされた糸を織り前に押し付け織物
の織密度を高める工程。 

beating 

3005 

おさ(筬)通し 

織物を作るために,あらかじめ,たて糸をおさ(3003参照)に
通す作業。 

reed drawing-in 
 entering 

3006 

織り方 

織物を構成するたて糸とよこ糸の交錯状態の違いをつくりだ
す方法。織機の動かし方。指定された組織(3028参照)に基づ
いて織機を動かすことで,織物が作られる。 

weave 

3007 

カップリング剤 

複合材料を作るとき,樹脂などのマトリックスと繊維界面の結
合状態を改善するための薬剤。複合材の性能,物性に大きく影
響する。シラン系化合物が主流である。 

coupling agent 

3008 

カップリングサ

イズ 

樹脂などのマトリックスと繊維界面の結合状態を改善する薬
剤を含む繊維への塗布剤。一般的に紡糸工程で塗布する。また,
次工程以下の作業性,加工性,保存性などを改善するための機
能をもつ他の薬剤を多種混合する。 

coupling size 
plastic size 
size for plastic 

reinforcement 

3009 

含浸 

マトリックスとなる液状樹脂などを織物,マットなどの繊維基
材組織又は構造のすき間にしみ込ませる操作。 

impregnation 

3010 

含水処理 

含水形チョップドストランドを作るための乾燥チョップドマ
ットへの加水処理。 

wet treatment 

3011 

クリーニング処

理 

生機(きばた)を使用目的に合致した表面処理をする前に,洗
剤,溶剤又は加熱によって集束剤を除去することによって清浄
な状態に戻す処理。 

cleaning treatment 

3012 

クリール 

糸をつかって二次加工するとき,給糸用糸巻を取り付けておく
架台。 

creel 

3013 

ゲル化 

熱硬化性樹脂が硬化する途中段階でゼリー状になる現象。 

gelation 

3014 

コロナイジング 

生機(きばた)を炉中を通して,集束剤を半焼きにする処理。 coronizing 

3015 

サイズ 
二次サイズ 

製織工程のダメージからたて糸を保護する目的でたて糸に付
着された薬剤(集束剤)。二次サイズとも呼ばれる。 

size 
secondary size 

3016 

仕上げ剤 

使用目的に合致し,目的性能を向上させるための表面処理剤。 finish 

coupling finish 
finishing agent 

3017 

斜文織 

組織の一つ。たて糸又はよこ糸の浮が,斜めに続いてうね状の
線(斜文線という。)をつくる組織。あや織ともいう(3028参
照)。 

twill weave 

3018 

朱子織 

組織の一つ。たて糸とよこ糸の交錯点が一定の間隔で配置し
た,浮き糸が多い組織。浮きの程度によって,5枚朱子織又は
8枚朱子織などがある(3028参照)。 

satin weave 

3019 

準備 

整経・糊付・引通し工程の総称。製織するための準備工程。 

Preparation 

3020 

織機 

織物をつくるための機械の総称。あらかじめ準備した多数のた
て糸を,平行に機台上に張り,これによこ糸を組織にしたがっ
て直行に交錯させて織物を織る機械。織機の種類は,有ひ(杼)
織機と無ひ(杼)織機との2種類に大別され,シャトル織機,レ
ピア織機,エアージェット織機(3002参照),ウォータージェ
ット織機,ニードル織機などがある。 

Loom 

3021 

処理 

ガラスクロスとマトリックス樹脂との界面親和性を向上させ
るために,脱油したガラスクロスに表面処理剤を塗布し,付着
させる操作。 

Finishing 

3022 

シラン系表面処

理剤 

表面処理剤の一つ。分子中にSiO構造と有機官能基をもってい
る化合物。 

silane coupling agent 

3023 

シラン処理 

複合材料をつくるとき,繊維表面とマトリックスの樹脂,ゴム
などとの界面結合性を向上させるためシラン系表面処理剤で

silane treatment 
silane finishing 

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R 3410:2006  

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番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

処理する操作。 

3024 

整経 

製織準備のために,個々のたて糸を規定の本数・長さ・幅に均
整配列してビームに巻き上げる工程。 

warping 

3025 

整経機 

製織準備のために,個々のたて糸を規定の本数・長さ・幅に均
整配列してビームに巻き上げる装置。 

warper 

3026 

製織 

あらかじめ準備した多数のたて糸を,平行に機台上に張り,こ
れによこ糸を組織にしたがって直行に交錯させて織物を作る
工程。 

weave 

3027 

接着 

継ぎ目と同じ(3032参照)。 

splice 

3028 

組織 

織物を形成するたて糸とよこ糸の組合せ方。たて糸とよこ糸が
立体的に直角に交差することを組織するといい,この交錯の状
態を組織,又は織物組織という。組織には,たて糸がよこ糸の
上に浮く交錯の仕方と,たて糸がよこ糸の下に沈む交錯の仕方
がある。組織は多数存在するが,その基礎となるのは平織,斜
文織,朱子織の3種類の組織であり,これを三元組織という。 

textile design 

3029 

脱油 

原反(生機)に付着した集束剤を除去する操作。温水を使って洗
い落とす方法と熱焼却する方法とがある(3039参照)。 

desizing 

3030 

たて(経)糸 

織物を構成する長手方向の糸。 

warp 
end 

3031 

調合 

集束剤・表面処理剤に複数の薬剤を配合し,混合物をうる操作。 mixing 

3032 

継ぎ目 

一巻の織物製品で,織物をつなぎ合わせたもののつなぎ部分。 joints 

3033 

トランスファテ

イル 

ボビンで,外側に出してある糸の巻き始めの部分。製織でよこ
糸に使用する場合,これを次のボビンの巻き終わり部分と接続
することで,連続使用が可能になる。 

transfer tail 

3034 

熱可塑性樹脂 

各樹脂固有の温度範囲で加熱による軟化及び冷却による硬化
を繰り返すことができる樹脂の総称。軟化状態で成形し,冷却
によって形状を固定する。実用樹脂の過半をしめる。 

thermoplastics 

3035 

熱硬化性樹脂 

一般的には粘性液体で,加熱,触媒,光又は放射線などで硬化
させる樹脂の総称。硬化したものは不融で不溶性である。ガラ
ス繊維系複合材料のマトリックスとして多用する。 

thermosetting resins 

3036 

のり(糊)付け 

サイズをたて糸に付着させる操作。 

sizing 

3037 

マットバインダ 
結合剤 

チョップドストランドマット,コンティニュアスストランドマ
ット,サーフェイスマットなどの形状をしっかり保持する目的
で,ストランド又はフィラメント同士を結合するための塗布
剤。二次バインダとも呼ばれる。 

binder 
secondary binder 
mat binder 
binding agent 

3038 

引通し 

準備工程で織機部品のドロッパ・ヘルド・おさ(筬)にたて糸を
通す操作。 

drawing 

3039 

ヒートクリーニ

ング 

糸又は織物に付着している集束剤を加熱することで分解させ,
焼却除去し,清浄な繊維表面をつくる方法。 

heat cleaning 

3040 

ビームドヤーン 

大形円筒形運搬用糸巻き枠(ビーム)に並行に巻き上げられて
いる織物のたて糸。 

beamed yarn 

3041 

表面処理 

脱油したガラスクロスに,目的に合致した表面処理剤を付着さ
せる操作。 

surface treatment 
finishing 

3042 

表面処理剤 

繊維表面の性質を改質するための薬剤を複合した複雑な混合
薬液。摩擦に弱い繊維を被覆保護するための薬剤,帯電防止の
ための薬剤,複合材としたときにマトリックスとの界面結合性
を改善するための薬剤などを製品の使用目的に合致するよう
に組み合わせてつくる。また,目的を達成後クリーニング処理
により除去する場合もある。 

size 
coupling finish 
finish 
finishing agent 

background image

R 3410:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3043 

平織 

組織の一つ。たて糸とよこ糸が一本ごとに交錯し浮沈する組織
(3028参照)。 

plain weave 

3044 

フェザータイプ

耳組織 

ジェットルーム又はグリッパ織機のような無ひ(杼)織機によ
って形成される織物の両端部(耳部)組織。羽毛状になってい
るのが特徴。 

feather selvage 

3045 

房耳 

フェザータイプ耳組織で形成された織物の両端部(耳部)。 

feathered edges 
FE 

3046 

部分整経機 

織物を作る前工程で,たて糸を準備するための機械。たて糸の
総本数の1/n本の糸をn回ドラムに巻き取り,準備する機械。 

sectional warper 

3047 

ボックス型脱油

機 

集束剤を,巻物の姿のまま1回1回加熱脱油方式で脱油する機
械。バッチオーブン。 

batch oven 

3048 

ポリエステルパ

ウダ 

マットなどを構成する繊維束同士の結合に用いる粉状樹脂。加
熱により接着する。ビスフェノール系アルキッド樹脂を用い
る。 

polyester powder 

3049 

巻しん 

ガラスクロス製品を巻き取るしん。紙しん,プラスチックしん
などがある。 

core tube 

3050 

耳 

マット,織物などにおいて,製造した状態のままで,整形して
いない幅方向の両端部。 

selvage 

3051 

耳カット 

ガラスクロスの両端耳部(フェザータイプ耳組織)に樹脂を塗
布した後,製品規格幅にカットする操作。 

sealed edges 
SE 
coating cut 

3052 

模しゃ(紗)織 

組織の一つ。たて・よこに透かし目を作り,からみ織りの外観
に類似させたもの(3028参照)。 

mock leno weave 

3053 

よこ(緯)糸 

織物を構成する幅方向(横方向)の糸。 

fill yarn 
filling yarn 
weft yarn 

3054 

連続型脱油機 

クロスを連続的に炉(3055参照)の中を通すことで,原反(生
機)に付着している集束剤を加熱脱油する機械。カルメライジン
グともいう。 

carmelizing 

3055 

炉 

脱油機において,ガラスクロスを加熱する部分。 

oven 

3056 

ワープサイズ 

製織工程において,特に,たて糸を機械的損きずから保護し,
かつ,ヤーンサイズと親和性をもつように設計されたサイズ。 

textile size 
size for warp 

3.4 

ガラス繊維製品  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

4001 

編物 

糸の連続的ループを組み合わせて作ったシート状又は円筒状
組成物。 

knitted fabric 

4002 

荒目地クロス 

たて糸の間隔及びよこ糸の間隔を広くとり,開口部の大きな織
物。スクリム織物に同じ(4062参照)。 

woven scrim 

4003 

Eガラスクロス 

Eガラスを用いて製造された織物。電気絶縁性に優れた特性を
示す(JIS R 3416参照)。 

E-glass fabric 

4004 

一方向織物 

一方向の強度を高めるために,たて糸又はよこ糸の密度を極端
に大きくし,これと交差する方向の糸の密度を小さく,かつ,
比較的細い糸を用いた織物。 
 

unidirectional fabrics 

4005 

ウエットチョッ

プドストラン

含水処理により水を含ませたチョップドストランド。 

wet chopped strand 

background image

R 3410:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

ド 

4006 

ウエブ 

シート状に配列した繊維の集合体。 

web 

4007 

SMC 

チョップドストランド又はチョップドストランドマットに樹
脂を含浸させたシート状の半製品。Sheet Molding Compoundの
略。 

sheet molding 

compound 

4008 

FRTP 

繊維基材と熱可塑性樹脂の組合せによる複合材料の総称。Fiber 
Reinfored Thermoplasticsの略。 

(glass) fiber reinforced 

thermoplastics 

4009 

FRP 

繊維基材と熱硬化性樹脂の組合せによる複合材料の総称。Fiber 
Reinfored Plasticsの略。 

(glass)fiber reinforced 
(thermosetting)plastics 

4010 

オーバレイマッ

ト 

ガラス糸又は紡織糸を目を粗く接着させた不織シート。ベール
ともいう。 

overlay mat 
veil 

4011 

織物 
クロス 

糸をたてとよこにおき,一定の方式に従って交錯させたもの。
織物はそれぞれ平行に並べられたたて糸とよこ糸が立体的に
交錯してできており,そのほとんどが直行している。 

textile fabric 
cloth 
woven fabric 

4012 

織物用ガラス 

ガラスで作られ,ガラス糸(連続フィラメント糸)又は紡織糸
(ステープルファイバ糸)を基にしたすべての織物製品をいう
一般用語(ISO 472:1999参照)。 

textile glass 

4013 

かさ(嵩)高糸 

ガラス糸を構成する単繊維同志が平行状態でなく,絡み合い,
乱れた状態で引きそろえられた占有容積の大きな糸。 

textureized yarn 

4014 

飾り糸 

一般の糸と外観がかなり異なるよう加工した装飾用特別糸。 

fancy yarn 
novely yarn 

4015 

ガラス糸 
ガラスヤーン 
ヤーン 

多数のガラス単繊維をよ(撚)りまとめて糸状にしたもの。さ
らに,これらを複数よ(撚)り合わせたねん(撚)糸(4084
参照)と撚り合わせずに引きそろえた合糸(4044参照)を含ん
だ総称。略して糸,ヤーンということがある(JIS R 3413参照)。 

glass yarn 
textile glass yarn 
yarn 

4016 

ガラスクロス, 
ガラス布 

ガラス糸を用いた織物。略してクロス,布ということがある
(JIS R 3414参照)。 

glass fabrics 

4017 

ガラスコード 

ガラス糸又は紡績糸を用い,合ねん(撚)加工又は編組加工に
よりつくるひも状製品。略してコードということがある。 

glass cord 

4018 

ガラスステープ

ル糸, 

ガラスステープ

ルヤーン 

綿状のガラス短繊維を紡績して糸状にしたもの。スライバヤー
ン(4067参照)。 

glass staple yarn 

4019 

ガラスステープ

ルヤーンクロ
ス 

ガラスステープル糸を用いたかさ(嵩)高な織物。略してステ
ープルクロスということがある。 

glass staple yarn 

fabrics 

staple cloth 

4020 

ガラスストラン

ド 

紡糸ノズルから引き出した複数のガラス単繊維を直接引きそ
ろえて集束した繊維束。単繊維の本数は数十本から数千本のも
のがある。略してストランドということがある。 

glass strand 
strand 

4021 

ガラススリーブ 

糸を管状に編んだ製品。 

glass sleeve 

4022 

ガラス繊維強化

プラスチック 

FRP,FRTPに同じ(4008及び4009参照)。 

glass fiber reinforced 

plastics 

glass fiber reinforced 

thermo plastics 

background image

R 3410:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

4023 

ガラス短繊維 

繊維長の短い綿状のガラス繊維。溶融ガラスに高圧蒸気や圧縮
空気を吹き付けて溶融ガラスを吹き飛ばし繊維化する方法,溶
融ガラスを高速回転スピナで遠心力で飛ばし繊維化する方法,
ガラス棒の先端部を火炎で溶融しながら吹き飛ばし繊維化す
るなどの方法でつくる。 

glass wool 
glass staple fiber 

4024 

ガラス中繊維 

紡糸直後に約3 mに切断したガラス繊維。主として鉛蓄電池用
に使用するガラス繊維で,日本独自の呼称。 

--- 

4025 

ガラス長繊維 

溶融ガラスをブッシングと呼ばれる白金製ノズルを通して流
下させ引き伸ばし,連続的に繊維化する操作によりつくる繊
維。 

continuous glass fiber 
continuous filament 
textile fiber 

4026 

ガラスチョップ

ドストランド 

ガラスストランド(4020参照)を規定の長さに切断したもの。
繊維束長が1.5〜25 mmのもの及びマット用の50 mmのものが
ある。 

glass chopped strand 

4027 

ガラスチョップ

ドストランド
マット 

約50 mm長のガラスチョップドストランドを無方向に均一な
厚さに積み重ね,結合剤を用いてマット状に成形したもの。 

glass chopped strand 

mat 

4028 

ガラステープ 

幅100 mm以下の平織帯状織物(JIS R 3415参照)。 

glass tapes 

4029 

ガラス縫い糸 

ガラス繊維製の縫い糸。 

glass sewing thread 

4030 

ガラスパウダ 

粉末状ガラス。樹脂の充てん材に用い,寸法精度,硬さ,耐熱
性などを改善する。繊維を粉砕したもの,繊維を極く短く切断
したもの(ミルドファイバ),フレークを粉砕したもの,塊を
粉砕したものなどがある。 

glass powder 

4031 

ガラス不織布 

連続又は切断した単繊維を無方向に分散させ,繊維同士を接着
剤で固定してつくる比較的薄いシート状の製品。マットと混同
されることがある。 

non-woven glass fabric 

4032 

ガラスフレーク 

薄片状ガラス。繊維と同様にアスペクト比の大きな形状材料。
複合材料の樹脂中への充てん材に用い耐食性及び反り防止性
を向上させる。 

glass flake 

4033 

ガラスペーパ 

ガラスチョップドストランド用い,抄造して紙状にしたもの。
略してペーパという。 

glass paper 

4034 

ガラスマット 

連続又は切断したストランドを無方向に分散させ,ストランド
同士を接着剤で固定してつくる比較的厚さのあるシート状の
もの。略してマットという。 

mat 
glass mat 

4035 

ガラスロービン

グ 

ロービング 

繊維又は繊維束を引きそろえたもの。構成単繊維の本数や太さ
の異なる多くのものがある。ブッシングの大形化によって,引
きそろえる操作をせずに,直接一度に多数の単繊維を紡糸して
つくるものをダイレクトロービング(4074参照)という。 

glass roving 
roving 

4036 

ガラスロービン

グクロス 

ロービングクロ

ス 

ガラスロービングを用いた織物。略してロービングクロスとい
う(JIS R 3417参照)。 

woven glass roving 
woven roving 

4037 

乾式ろ過 

気体の中から固体粒子を分離する操作。 

dry type filtration 

4038 

含水形 

一般の乾燥タイプではなく,一定の含水量をもつチョップドス
トランド。 

wet type 

4039 

生機 
(きばた) 

織り上げたままの織物。 

Greige 

4040 

基布 

樹脂などを含浸させ,複合材料をつくるための基材となる織
物。 

glass fabrics for 

reinforcement 

4041 

組ひも(紐) 

すべての糸が長手方向に斜めに交差するように編組したテー
プ状又は管状のもの。 

Braid 

background image

10 

R 3410:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

4042 

ケースメント 

薄地のカーテン用織物。厚手のものはドレープカーテン(4082
参照)。 

Casement 

4043 

ケーブルヤーン 

複数の糸をよ(撚)り合わせた太い糸。 

cabled yarn 

4044 

合糸 

複数の糸をよ(撚)りをかけずに引きそろえた糸。合糸ヤーン
ともいう。 

doubled yarn 
multiple wound yarn 

4045 

合糸数 

合糸を構成する糸の本数。 

number of strand 

4046 

合ねん(撚)糸 

複数の糸を引きそろえてよ(撚)りをかけた糸。 

doubling & twisted 

yarn 

4047 

コーテッドヤー

ン 

使用目的に合致するよう樹脂,ゴムなどで被覆した糸。着色糸
など。 

coated yarn 

4048 

コード 

多数の糸をよ(撚)り合わせたケーブルを更により合わせるか,
組ひもにした綱状の製品。 

cord 

4049 

コンティニュア

スストランド
マット 

連続したストランドを均一な厚さに積み重ね,結合剤を用いて
マット状に形成したもの。スワールマットともいう。 

continuous strand mat 

4050 

コンティニュア

スフィラメン
ト/ステープル
ファイバ織物 

通常,たて糸に通常糸,よこ糸に紡績糸を用いてつくった織物。 continuous filament / 

staple fiber woven 
fabric 

4051 

コンティニュア

スフィラメン
ト織物 

たて糸,よこ糸ともに通常糸を用いた織物。 

continuous filament 

woven fabric 

4052 

先染糸 
(さきぞめいと) 

織る前に着色した糸。 

colored yarn 

4053 

サーフェイスマ

ット 

単繊維を無方向に均一な厚さに積み重ね,結合剤を用いて薄い
マット状に成形したもの。通常15〜100 g・m-2でFRPの表面層
に表面平滑性向上,耐食性向上などの目的で使用される。単繊
維マット又はフィラメントマットともいう。 

surfacing mat 

4054 

ジーイーフォー 

ガラスクロスを基材としたエポキシ樹脂銅張積層板の規格を
表す記号。NEMA(米国電機工業会)のG-10に対応する(JIS 
C 6480参照)。 

GE4 
G-10 

4055 

集じん用クロス 

集じん機用乾式ろ過装置のろ過布用織物。ろ過布に適合するよ
うに処理したものを処理クロスという(4086参照)。 

fabrics for bag filter 

4056 

集じん用処理ガ

ラスクロス 

Eガラスクロスを用い,集じん機用乾式ろ過装置のろ過布に適
合する処理を施した織物(JIS R 3421参照)。 

finished glass cloth for 

bag filter 

4057 

処理ガラスクロ

ス 

生機(きばた)を使用目的に合致するよう,クリーニング処理
後,シランカップリング剤の処理などで表面処理をした織物。 

finished glass cloth 

4058 

処理ガラステー

プ 

使用目的に合致するよう,クリーニング処理後,シランカップ
リング剤の処理などで表面処理をしたテープ。 

finished glass tapes 

4059 

処理クロス 

処理ガラスクロスに同じ(4057参照)。 

finished fabrics 

4060 

シリカファイバ 

二酸化けい素(SiO2)の含有率が96 %以上のガラス繊維。石
英ガラスファイバなど。 

silica fiber 

4061 

スクリム織物 

たて糸及びよこ糸双方の間隔を広く置いた,編み目の粗い織
物。 

woven scrim 

4062 

ステープルファ

イバ 

綿状のガラス単繊維を紡績して糸状にしたもの。 

staple fiber 
staple yarn 
discontinuous fiber 

4063 

ステープルファ

イバ織布 

たて糸及びよこ糸にステープルファイバ(4062参照)を用いて
織った織物(ISO 472:1999参照)。 

staple fiber woven 

fabric 

background image

11 

R 3410:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

4064 

スパンロービン

グ 

ロービングを形成するために,それ自身の上に繰り返し折り曲
げられ,ときには1又は2以上のまっすぐなストランドによっ
て強化されたガラス繊維ストランド。 

spun roving 

4065 

スプリットスト

ランド 

一つのブッシングから紡糸した繊維を,一本の繊維束にせずに
分割して複数の繊維束にして巻取機で巻き取った製品。 

split strand 

4066 

スライバ 

よ(撚)りのないかさ高の単繊維。高圧ガス噴射流によって紡
糸する。 

sliver 

4067 

スライバヤーン 

スライバによ(撚)りをかけてつくる糸。 

sliver yarn 

4068 

スリーブ 

ガラス糸で筒ひも状に編み上げた組織。中は空洞になってい
て,柔軟性に優れ,保護材又は断熱用途に使われる(ISO 
472:1999参照)。 

sleeving 

4069 

スワールマット 

コンティニュアスストランドマットに同じ(4049参照)。 

swirl mat 

4070 

石英ファイバ 

石英ガラスでできた耐熱性に優れた繊維。純SiO2溶融紡糸繊
維。 

quarts fiber 

4071 

積層板 

シート状繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸させたものを複数枚
積み重ねて硬化してつくる板状複合材料。 

laminated sheet 

4072 

繊維 

アスペクト比(厚さ又は直径に対する長さの比)が大きいこと
を特徴とする材料。細長い材料。 

fiber 

4073 

双糸 

2本の繊維束をよ(撚)り合わせた糸。 

plied yarn 

4074 

ダイレクトロー

ビング 

合糸によらず,紡糸工程で大形ブッシングを用い,直接多数の
繊維を1本に巻き取ったロービング。ダイレクトワインドロー
ビングともいう(4020参照)(4035参照)。 

direct roving 
direct winding roving 

4075 

単糸 

単一ストランドによ(撚)りをかけたもの。 

single yarn 

4076 

中空ガラス繊維 

パイプ状の繊維。断熱機能,緩衝機能などが期待される。 

hollow glass fiber 

4077 

チュービング 

折りたたみ幅が,100 mmより大きい管状の織物又は編物(4021
参照)。 

tubing 

4078 

チョップドスト

ランド 

ガラスチョップドストランドに同じ(4026参照)。 

chopped strand 

4079 

チョップドマッ

ト 

ガラスチョップドストランドマットの略称。 

chopped strand mat 

4080 

電気絶縁用ガラ

ステープ 

電気絶縁性に優れた,Eガラス製テープ。 

electric nsulating glass 

tapes 

4081 

ドレープカーテ

ン 

厚地のカーテン用織物。 

curtain drapery 

4082 

ニードルマット 

長さ約50 mmのチョップドストランドを無方向に均一な厚さ
に積み重ね,針打ちによってマット状にまとめたもの。 

needled mat 
needle punched mat 

4083 

縫い糸 

単糸から製造され,通常,高いよ(撚)り数をもつ強く滑らか
な織物用糸(4029参照)(ISO 472:1999参照)。 

sewing thread 

4084 

ねん(撚)糸 

よ(撚)りをかけた糸。よ(撚)り糸。 

twisted yarn 
plied yarn 
folded yarn 

4085 

ハイシリカ繊維 

Eガラスを化学処理してSiO2成分を96 %以上とした耐熱性繊
維。 

96 % silica glass fiber 

4086 

バグフィルタ 

気体中の粉じんをろ別する集じん装置において,粉じんをろ別
するためのフィルタ。袋状をしている。 

bag filter 

background image

12 

R 3410:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

4087 

パッケージ 

巻戻しができ,かつ,取扱い,貯蔵,輸送及び使用に都合がよ
い単位の糸,ロービングなど。 

備考 パッケージは,かせ又はケーキのように支持具のない 
   ものと,ボビン,コップ,コーン,パーン,スプール, 
   チューブ又はビームの上に巻き上げた形態のものと 
   がある。 

package 

4088 

バルキー加工糸 

エアージェットなどでかさ高に加工した糸。テキスチャードヤ
ーンともいう。 

bulked yarn 
textured yarn 

4089 

BMC 

熱硬化性樹脂に硬化剤,充てん(填)剤,顔料,増粘剤を配合
し,チョップドストランドと混練した成形材料。不飽和ポリエ
ステル樹脂を用いる。Bulk Molding Compoundの略。 

bulk molding 

compound 

4090 

引きそろえ糸 

2本以上引きそろえて,よ(撚)りをかけていない糸。合糸(ヤ
ーン)に同じ(4044参照)。 

paralleled yarn 

4091 

表面張り用ガラ

スクロス 

ガラスウール及びロックウールからなる保温材,吸音材などの
表面にはる,Eガラス糸による簡易な織物(JIS R 3425参照)。 

textile glass fabrics for 

surfacing 

4092 

フィラメント 

ブッシングから紡糸されたストランドを構成する一本一本の
繊維。 

filament 

4093 

フィルタクロス 

バグフィルタ用織物。 

filter cloth 

4094 

不飽和ポリエス

テル樹脂積層
板 

代表的な熱硬化性樹脂である不飽和ポリエステル樹脂をマト
リックスとした積層板。 

unsaturated polyester 

resin laminated 
sheet 

4095 

プリプレグ 

熱硬化性樹脂をマトリックスに用いた複合材料の半製品。樹脂
の硬化を途中(Bステージ)に止めたもの。これを用いて最終
成形後,硬化を進め製品を完成させる。 

prepreg 
pre-impregnation 

4096 

ビィーファイバ 

極細繊維の呼称。単繊維呼び直径が,3 μmのもの。記号は
Bで表す。 

B- Fibers  

4197 

ボンデッドマッ

ト 

鋼管などの外面の防食に用いる薄いマット。 

bonded mat 

4198 

膜構造建築 

外装材料に膜材料を用いた建築方式。骨格構造物に膜をかぶせ
たりワイヤでつったりしたサスペンション膜構造,風船のよう
に膨らませた空気膜構造などがある。 

membrane structure 

4199 

膜材料 

膜構造建築に使われる外装材料。大面積又は大空間の膜材料と
してガラスクロスに樹脂をコーティングしたものが使われる。 

materials for 

membrance 
structure 

4100 

マット 

ガラスマットに同じ。 

mat 

4101 

マルチフィラメ

ント 

多くの単繊維から構成される糸。 

multifilament 

4102 

耳付きテープ 

幅が100 mm未満の耳付きの帯状織物。 

tape with selvage 

4103 

耳付き細幅布 

幅が100〜300 mmの耳付きの帯状織物。 

narrow fabri with 

selvage 

4104 

耳なしテープ 

幅が100 mm未満の耳を除去した帯状織物。 

tape without selvage 

4105 

耳なし細幅布 

幅が100〜300 mmの耳を除去した帯状織物。 

narrow fabric without 

selvage 

4106 

ミルドファイバ 

ストランドを極く短い長さに粉砕又は切断してつくったガラ
ス繊維製品。 

milled fibers 

4107 

無ねん(撚)ロー

ビング 

無よ(撚)りのロービング。ノンツイストロービングともいう。 no twist roving 

4108 

モノフィラメン

ト 

紡糸した繊維一本。単繊維。 

monofilament 

background image

13 

R 3410:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

4109 

ろ布 

液体又は気体の中から固体粒子をろ過して分離するのに用い
る織物。 

filter cloth 

3.5 

検査及び試験  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5001 

厚さ 

シート状製品の評価値の一つ。厚さ方向の寸法。単位はmm(JIS 
R 3420参照)。 

thickness 

5002 

アルカリ含有率 

ガラスの組成評価値の一つ。ガラス中のアルカリ(Na2O,K2O)
の含有量の質量分率(%)(JIS R 3420参照)。 

alkali content 

5003 

異物 

ガラス繊維及び製品に本来存在しない物質。 

foreign inclusions 
foreign material 

5004 

ウエットアウト 

複合材料をつくるとき,繊維基材を樹脂などのマトリックスで
含浸する工程で,繊維束間から繊維束を構成する単繊維間まで
樹脂が完全に浸透した状態。含浸完了状態。 

wet-out 

5005 

ウエットスルー 

複合材料をつくるとき,繊維基材を樹脂などのマトリックスで
含浸する工程で,樹脂が繊維束表面をぬらし,まだ繊維束を構
成する単繊維間まで浸透していない状態。ウエットアウト
(5004参照)の前段階。不完全含浸状態。 

wet-through 

5006 

Sよ(撚)り 

糸のよ(撚)り方向が左ねじ方向のよ(撚)り。Zよ(撚)り
(5041参照)の逆。 

S-twist 

5007 

MIT形試験機 

製品評価のための試験機の一つ。織物の耐折強さを測定する
(JIS R 3420参照)。 

MIT type tester 

5008 

エレメンドルフ

形引裂強さ試
験機 

製品評価のための試験機の一つ。ペンジュラム法による織物の
引裂き強さを測定する(JIS R 3420参照)。 

tear strength testing 

machine of 
Eremendolf type 

5009 

エンド 

ヤーン,ロービングを構成する単繊維。織物のたて糸。ワープ
ともいう。 

end 
warp 

5010 

エンド数 

ヤーン,ロービングを構成する単繊維の本数。織物のたて糸本
数。 

end count 

5011 

汚染用グレース

ケール 

染色堅ろう度試験用用具。白布に生じた汚染の程度を判定する
のに用いる標準見本。 

grey scale for 

assessing staining 

5012 

織物分解鏡 

織物の組織,密度などを調べるための用具。拡大鏡。 

textile-fabric 

magnification glass 

5013 

開差率 

測定値と規格値との差の絶対値を規格値で除して,100倍した
値。よ(撚)り数,番手の品質評価に用いる(JIS R 3420参照)。 

percentage of deviation 

5014 

かさ密度 

物質の質量を,その物質の空げきを含むかさ容積で除して求め
た値。 

bulk density 

5015 

カット長 

チョップドストランドを構成する繊維束の切断長さ。 

cut length 

5016 

カテナリ 

ロービングの評価の一つ。均一性を評価する。ロービングを構
成する繊維束同士の張力のばらつき度合い。ロービングを十数
メートルに切断し,その両端を固定して張り,水平に張られた
繊維束1本1本をほぐしたとき,中央部での繊維束の垂れ下が
り程度。 

catenary 

5017 

ガラス含有率 

ガラス繊維を基材とする複合材で,その中に含まれるガラス質
量の百分率。 

glass content 

5018 

乾摩擦堅ろう度 

カーテン織物の評価値の一つ。カーテン地の摩擦に対する染色
堅ろう度。 

color fastness to 

rubbing (dry type) 

background image

14 

R 3410:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5019 

強熱減量 

乾燥した試料を規定の条件で加熱したときの質量減少分率
(%)。処理剤の付着量などをこれで評価する(JIS R 3420参
照)。 

loss on ignition 
ignition loss 
combustible matter 

content 

volatile content 

5020 

グレースケール 

染色堅ろう度試験の判定に用いる標準見本(スケール)。変退
色及び汚染の度合いを調べる(JIS R 3420参照)。 

grey scale for 

assessing change in 
color 

5021 

検反機 

検査機の一つ。織物を巻き返しながら品質検査を行う機械。 

grading frame 
inspection machine 

5022 

検ねん(撚)機 

検査機の一つ。糸のよ(撚)り数を調べる機械(JIS R 3420参
照)。 

twist counter 

5023 

恒量 

質量に関する試験の判断値。規定時間間隔で質量を測定し,そ
の前後の質量差が後の質量の規定値(通常は0.1 %)以内とな
った状態。 

constant weight 

5024 

光量測定装置 

発煙係数を求めるために用いる測定装置(JIS A 1321参照)。 

light quantity 

measuring apparatus 

5025 

残炎時間 

カーテンなどの燃焼試験方法の一つ。試験片を加熱着炎後,バ
ーナーを取り去ってから炎をあげて燃える状態が止むまでの
経過時間。 

after flame time 

5026 

残じん時間 

カーテンなどの燃焼試験方法の一つ。試験片を加熱着火後,バ
ーナーを取り去ってから炎をあげずに燃える状態が止むまで
の経過時間。 

after glow time 

5027 

湿潤状態 

試料を水中に規定の時間又は水分が規定量率になるまで浸漬
し,十分に給水させた状態。 

wet condition 

5028 

クロス質量 
ロール質量 
カット質量 

ものの重さ。質量の単位はキログラム(kg)。ガラスクロス1 m2
当たりの重さ。ロール質量及びカット質量がある。単位質量と
もいう。 

mass 
mass per unit area 
basic weight 

5029 

集煙箱 

発煙量(単位面積当たりの発煙係数)を測定するために加熱炉
の上部に設置して煙を捕集する箱。煙かくはん装置及び光量測
定装置を備えている(JIS A 1321参照)。 

smoke collecting box 

5030 

収縮率 

ものの元の寸法に対する縮み又は伸びの度合い。元の長さに対
する百分率で表す。 

shrinkage percentage 

5031 

シングルタング

法 

クロスの引裂強さを測定する方法の一つ。短冊状の試験片の短
辺中央に切れ目を入れて試験を行う(JIS R 3420参照)。 

single tongue method 

5032 

水分率 

試料に含まれている水分量。乾燥減量の質量分率(%)で表す
(JIS R 3420参照)。 

moisture content 

5033 

スチレン溶解性 

ガラス繊維に付与された結合剤のスチレンモノマーに対する
溶解性。ガラス繊維基材の不飽和ポリエステル樹脂に対するな
じみやすさを表す(JIS R 3411参照)。 

styrene solubility 

5034 

ストランド解束

性 

複数の繊維束を引きそろえたロービングで,加工工程で再び繊
維束1本,1本に分離するタイプの製品における分かれやすさ
の度合い。ストランド分割率ともいう(JIS R 3412参照)。 

strand dispersibility 
strand splitting 

efficency 

strand splitting ratio 

5035 

ストランド結合

力 

複数の単繊維で構成されている繊維束の集束剤による結束力。 strand integrity 

5036 

ストランドの硬

さ 

繊維束の曲げに対する剛直性。 

strand stiffness 

5037 

ストランド番手 

繊維束の太さを表す数値。 

strand count 
strand tex 

background image

15 

R 3410:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5038 

積層板の曲げ強

さ 

ガラス繊維基材の強化特性の代表特性の一つ。積層板の,曲げ
荷重によって破断する場合の最大応力。MPa又はGPaの単位で
表す(JIS R 3420参照)。 

bending strength of 

laminated sheet 

5039 

絶縁抵抗 

絶縁物に一組の電極を取り付け,この間に直流電流を加えると
試料の表面と内部の両方に電流が流れる。加えた電圧を全電流
で除した値を絶縁抵抗といい,オーム(Ω)又はメガオーム(M
Ω)の単位で表す。 

insulation resistance 

5040 

接着数 

継ぎ目の数。 

splice 

5041 

Zよ(撚)り 

よ(撚)り方向が右ねじ方向のよ(撚)り。Sよ(撚)り(5006
参照)の逆。 

Z-twist 

5042 

染色堅ろう度 

着色材料を色相変化(変退色)させる日光又はSOx・NOxなどの
ガスに対する堅ろう性。通常,変退色の程度を1級から5級ま
でクラス分けして数値表示している。 

color fastness 

5043 

洗濯堅ろう度 

染色物の退色の,洗濯に対する強さ(JIS R 3420参照)。 

color fastness to 

washing 

5044 

線密度 

脱油して加熱炉で乾燥したガラス糸の単位長さ当たりの質量
(ISO 472:1999参照)。 

linear density 

5045 

耐光堅ろう度 

染色物の変色の,各種の光に対する強さ。 

color fastness to light 

5046 

耐折強さ 

試験片を一定の張力のもとで繰り返し折り曲げるときの耐久
性。破断するまでの往復回数を用いて表す(JIS R 3420参照)。 

folding endurance 

5047 

たて糸引裂き強

さ 

織物の試験片のたて糸を切断した場合の引裂き強さ。 

warp tear strength 

5048 

ダブルタング法 

クロスの引裂き強さを測定する方法の一つ。短冊状の試験片の
短辺を3等分する位置に切れ目を入れて試験を行う(JIS R 
3420参照)。 

double tongue method 

5049 

炭化面積 

繊維製品の燃焼性試験方法において,燃え残った試験体の炭化
した面積。炭化面積の大小は材料の難燃性を示す一つの尺度
(JIS L 1091参照)。 

carbonized area 

5050 

単繊維直径 

単繊維の直径。単繊維の太さ(JIS R 3420参照)。 

diameter of single fiber 

5051 

単繊維の呼び径 

繊維束を構成する単繊維の平均直径を表す符号(JIS R 3413参
照)。 
 

nominal diameter of 

mono-filament 

nominal diameter of 

filaments or staple 
fibres 

5052 

通気度 

織物又は不織布などの通気性材料の通気の程度を表す尺度。通
気度試験で空気の透過量を測定する。単位はcm3・cm-2・s-1で表
す(JIS L 1096参照)。 

air permeability 

5053 

定速荷重形 

荷重試験で荷重を規定の割合で増加させる方式。CRL型ともい
う(5070参照)。 

constant rate loading 

type 

5054 

デシケータ 

乾燥状態をつくりだす器具。内部に乾燥剤を入れることができ
る密閉容器。試験片などを保管するのに用いる。 

desicator 

5055 

テックス 

糸の太さを表す単位。1 000 m当たりのグラム数。 

tex 

5056 

トラペゾイド法 

クロスの引張強さを測定する方法の一つ。台形状の試験片の短
辺中央に切れ目を入れて試験を行う(JIS R 3420参照)。 

trapezoid method 

5057 

トリミング用具 

規定の形状の試験片を切り取るための用具。ナイフ,はさみ,
カッターなど。 

trimming tail 

5058 

燃焼性 

燃えやすさ。燃えやすさの程度。 

flammability 

5059 

伸び 

ひずみの一種で材料を引っ張った場合に起こる変形。普通,材
料の伸びの量と元の長さとの比を百分率で表す。 

elongation 

background image

16 

R 3410:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5060 

発煙係数 

材料の難燃性試験方法において,発煙量を数値化したもので,
難燃性を級別に分類する係数(JIS A 1321参照)。 

emitting smoke factor 

5061 

破裂強さ 

均一な張力を加えて保持されているクロスの面に,ゴム膜を介
して圧力を加え試験片が破れるときの圧力をいう。N/cmの単
位で表す。 

bursting strength 

5062 

番手 

サイズの有無にかかわらず,ガラス繊維糸の単位長さ当たりの
質量。単位はテックス(5055参照)(JIS R 3420参照)。 

count 

5063 

番手開差率 

番手の平均値と規格値との差の絶対値を規格値で除して百分
率で表した値(JIS R 3420参照)。 

percentage of yarn 

count deviation 

5064 

番手変動率 

番手の標準偏差を番手の平均値で除して百分率で表した値
(JIS R 3420参照)。 

coefficient of yarn 

count variation 

5065 

万能試験機 

材料及び製品の複数の機械的強度測定ができる機械。普通,引
張強さ,圧縮強さ,曲げ強さなどが測定できる。 

universal testing 

machine 

5066 

引裂き強さ 

クロスに切れ目を入れ,その切れ目から試験片を引っ張ってち
ぎるときの引張強さ。単位はN。 

tears 

5067 

比強度 

単位密度当たりの引張強さ。一般に,規定の温湿度条件におい
て測定した引張強さ(MPa)を密度(N/m3)で除して表す。他
の材料との性能比較に有効。 

specific tensile 

strength 

5068 

比弾性率 

単位密度当たりの弾性率。一般に,規定の温湿度条件において
測定した弾性率(MPa)を密度(N/m3)で除して表す。他の材
料との性能比較に有効。 

specific modulus 

5069 

引張強さ 

引張荷重によって破断するまでの最大応力。ガラス織物の場合
は,最大荷重を試験片の元の断面積で除した値をいい,MPa又
はGPaの単位で表す。ガラス糸,ロービングの場合はテックス
当たりの荷重として表す。単位はN/Tex(JIS R 3420参照)。 

tensile strength 

5070 

非定速荷重型 

荷重増加が定速ではない方式。定速伸長型(CRE)と定速トラバ
ース型(CRT)とがある(5053参照)。 

inconstant rate loading 

type 

5071 

標準状態 

試験片や製品の評価値を公平に保つため,測定環境条件を定め
たもの。試験を行う場所の温度及び湿度が,規定の標準温度及
び標準湿度に保持されている状態。 

standard atmospheric 

conditions 

5072 

フラジール形試

験機 

織物の通気性を測定する試験機。 

frajour type testing 

machine 

5073 

プラニメータ 

機械的に面積を測定する装置。面積計。 

planimeter 

5074 

ブルースケール 

染色堅ろう度試験で,試験片と比較判定するのに用いる標準青
色染布。 

blue scale 

5075 

ペンジュラム法 

クロスの引裂強さを測定する方法の一つ。短冊状の試験片の中
央部に長辺と直角に両端部を残し切れ目を入れ試験を行う
(JIS R 3420参照)。 

pendulum method 

5076 

変退色 

製品の色の劣化。 

change in color 

5077 

曲げ試験 

材料評価の一つ。試験片に曲げ応力を加えて行う試験(JIS R 
3420参照)。 

bending test 
flexural test 

5078 

曲げ弾性率 

材料評価値の一つ。弾性限度内において,材料が受けた曲げ応
力を,材料に生じたひずみで除した値をいい,MPa又はGPa
の単位で表す。 

modulus of elasticity 

in bending 

flexural rigidity 

modulus 

5079 

曲げ強さ 

曲げ荷重によって破断するまでの最大応力。MPa又はGPaの単
位で表す(JIS R 3420参照)。 

flexural strength 

5080 

摩擦試験機Ⅱ形 

織物の乾摩擦堅ろう度を試験する装置。 

rubbing testing 

machine type Ⅱ 

5081 

摩擦用白綿布 

織物の乾摩擦堅ろう度試験に用いて着色を判定する綿布。 

white cotton fabrics for 

background image

17 

R 3410:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

rubbing 

5082 

マッフル炉 

加熱源からの直接的な熱ふく射,対流,化学作用を避けるため
の遮へい体を備えた加熱炉。 

muffle furnace 

5083 

密度 

材料評価値の一つ。織物の単位長さ当たりのたて糸又はよこ糸
の構成本数。 

count 
thread count 

5084 

ミューレン形破

壊試験機 

織物の破裂強さを測定する試験機。 

muhlen type burshing 

testing machine 

5085 

メルティンググ

レード 

ガラス溶融炉の能力を表す値。溶融槽の単位有効床面積当たり
の1日の生産量(ガラス引出し量)。メルティングレシオとも
いう。単位は,t・m-2・day-1で表す。 

melting rate 
melting ratio 

5086 

ヤーデイジ 

ベアガラスの単位質量当たりの長さの公称値。SI単位系では
m/kg単位,USシステムではyd・lb-1で表す。 

yardage 

5087 

よこ(緯)糸引裂

強さ 

試験片のよこ糸を切断した場合の引裂き強さ。 

weft tear strength 

5088 

呼び厚さ 

織物の厚さを表す記号。ミリメートル単位で小数点以下2けた
まで表される厚さの数値のうち,下2けたの数字でいう。 

nominal thickness 

5089 

よ(撚)り 

ストランド又はヤーンをその軸の周りに回転して,構成繊維に
ねじりを与えた状態。ストランド又はヤーンの集束性を与える
ストランドによ(撚)りをかけたもの(単糸),複数本の単糸
を単糸のよ(撚)り方向と逆方向へよ(撚)りをかけたもの(も
ろよ(撚)り糸・合ねん糸),複数本のもろよ(撚)り糸をも
ろよ(撚)り糸のよ(撚)り方向と逆方向へよ(撚)りをかけ
たもの(ケーブルヤーン)がある。 

twist 
structures with twist 

5090 

よ(撚)り数 

ストランド又はヤーンの単位長さ当たりのよ(撚)り(5091
参照)の数。糸の長さ1 m又は25 mm当たりで,小数点以下1
けたまでの数値で表す。 

count of twist 

5091 

よ(撚)り縮み係

数 

よ(撚)りがない糸に対する,よ(撚)りのために生じた長さ
の変化量の百分率表示(ISO 472:1999参照)。 

coefficient of twist 

contraction 

5092 

よ(撚)り方向 

糸によ(撚)りをかける方向。Sよ(撚)り(5006参照)及び
Zよ(撚)り(5041参照)がある。 

direction of twist 

5093 

45°ミクロバー

ナ法 

燃焼性試験方法の一つ。薄地の製品に適する(JIS R 3420参照)。 45°microburner 

method 

5094 

45°メッケルバ

ーナ法 

燃焼性試験方法の一つ。厚地の製品に適する(JIS R 3420参照)。 45°Meker-burner 

method 

5095 

ラミネート評価 

複合材料としての評価。はんだ耐熱性,各種電気特性試験など
がある。 

laminate test 

5096 

リボン化 

処理ロービングで生じる現象。個々の繊維束が塊まるか,互い
に結束して帯状になる現象。 

ribbonization 

3.6 

品質  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6001 

厚段 
(あつだん) 
 

織物欠点の一つ。よこ糸打ち込み本数が,規格値以上に織り込
まれてできた,厚い織むら。織り段(6012参照) 

heavy mark 
coarse pick 
heavy filling bar 

6002 

穴 

シート状製品の欠点の一つ。製品の一部が穴状に欠損した状
態。 

holes 

6003 

糸切れ 

織物の欠点の一つ。よこ糸が織物の途中で切断した状態。 

broken pick 
dropped pick 

background image

18 

R 3410:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6004 

糸抜け 

織物の欠点の一つ。たて糸又はよこ糸が1本又は数本織物組織
から欠落した状態。 

yarn cast-off 

6005 

糸むら 

糸の欠点の一つ。糸の長手方向に太さの不均一がある状態。 

yarn evenness 

6006 

異物の混入 

製品の欠点の一つ。製品に本来存在しないものが混じりこんだ
状態。 

foreign matters 

6007 

色むら 

製品の欠点の一つ。一つの製品で故意でない部分的な色の不均
一がある状態。 

irregular colors 

6008 

浮き織 

織物の欠点の一つ。たて糸又はよこ糸が,部分的に織り込まれ
ないで浮き上がった状態。 

float 

6009 

薄段 
(うすだん) 
 

織物の欠点の一つ。よこ糸の打ち込み本数が,規格値以下であ
るためにできたうすい織りむら。織り段。(6012参照) 

light filling bar 
light mark 

6010 

AQL 

許容品質レベル。許容できる最大欠点数の百分率。 

AQL 
Acceptable Quality 

Level 

6011 

汚点 

製品の欠点の一つ。油などの付着による斑状汚れ。 

dirty spot 

6012 

織り段 

織物の欠点の一つ。よこ糸打ち込みの粗密によって,段の現れ
た状態。厚段と薄段とがある。 

mark 
set marks 
weaving bar 

6013 

織りむら 

織物の欠点の一つ。織物の組織,密度などの部分的不均一。 

weaving irregularities 
unevenness of weave 

6014 

折れしわ 

シート状製品の欠点の一つ。製品が折れ曲がって平面性が失わ
れた不規則な折り目が生じた状態。強い折れしわは,その部分
が破れの原因になりやすい。 

crease 

6015 

折れ目 

シート状製品の欠点の一つ。製品が折れ曲がった部分又は折れ
曲がってできた跡。 

folds 

6016 

外観 

製品の目視による外観状態。 

appearance 

6017 

機械段 

織物の欠点の一つ。製織時にたて糸張力のばらつきによって,
よこ糸が均一に打ち込まれず,厚い部分とうすい部分が交互に
生じた状態。 

waviness 

6018 

きず 

製品の欠点の一つ。製品に外力によってつくられた,目視で判
定できる損傷。 

flaw 

6019 

吸湿 

製品が大気中の水分を吸着又は吸収する現象。 

water absorption 

6020 

切れ 

織物の欠点の一つ。製品に外力によって作られた切りきず。 

cut flaw 

6021 

切れ目 

製品の切断面又は切断部分。 

breaks 

6022 

くず(屑)糸つれ

込み 

織物の欠点の一つ。織機上の毛羽状くず又はよこ糸の毛羽状く
ずなどが織り込まれ又は付着したもの。 

waste 

6023 

グリース汚れ 

製品の欠点の一つ。機械装置などのグリースが付着してできた
汚れ。 

grease stains 

6024 

結合不良 

ロービングの欠点の一つ。構成する繊維束同士の結束が悪くば
らけてかさ(嵩)高になってしまう状態。 

ill cohesion of strands 

6025 

欠点 

製品中に存在する正常と異なる部分。 

defect 

6026 

欠点率 
減点率 

ある長さのガラスクロスに存在する欠点の数を,その長さで除
した数(値)。百分率で表す。 

defect per hundred 

units 

6027 

毛羽織込み 

織物の欠点の一つ。織機上の毛羽,よこ糸の毛羽などが織り込
まれ又は付着した状態。 

waste 

6028 

毛羽立ち 

織物の欠点の一つ。糸を構成する単繊維が部分的に切断して毛
羽状となった状態。 

fuzz 
broken filament 

6029 

減点数 

ガラスクロス製品中に存在する欠点の数。 

demerit 

background image

19 

R 3410:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6030 

裂け 

製品の欠点の一つ。外力により組織が引裂かれた状態。破れ。 tears 

6031 

斜行 

織物の欠点の一つ。よこ糸がたて糸に対して直角になっていな
い織物の状態。目曲がりの一種。 

bias or bowed filling  

6032 

しわ 

シート状製品の欠点の一つ。平面性が失われた不規則な折り
目。 

crinklings 
wrinkle 
crease 

6033 

筋 

製品の欠点の一つ。製品表面が筋状になった状態の総称。 

streaks 

6034 

ストランドの塊 

マットなどでストランド解束性が弱かったり,ストランド同士
が絡まって1本1本に分かれず塊状になった状態。 

clumps of strand 

6035 

すれきず 

織物の欠点の一つ。擦れてできる損傷。 

abration 

6036 

たて(経)糸切れ 織物の欠点の一つ。たて糸が途中で切断し,一部欠落している

状態。 

broken end 

6037 

たて抜け 

織物の欠点の一つ。たて糸が1本又は数本織物組織から欠落し
た状態。 

end missing 

6038 

波状たるみ 
バギネス 

織物の欠点の一つ。たて糸又はよこ糸の一部に吊り又は緩みが
あるため,織物の表面に現れた波状の欠点。 

bagginess 

6039 

ネップ 

糸又は織物の欠点の一つ。毛羽玉。 

nep 
lint balls 
fuzz balls 

6040 

パッカリング 

織物の欠点の一つ。局所的に波状たるみが生じた状態。 

puckering 

6041 

ひま(杼間)段 

織物の欠点の一つ。よこ糸間に著しいすき間がが生じた状態。 coarse or light place 

6042 

付着むら 

製品の欠点の一つ。表面処理剤が均一に塗布されていない状
態。 

adhesion irregularities 

of binder 

6043 

マイグレーショ

ン 

製品の欠点の一つ。ガラス繊維の集束剤が乾燥時,水とともに
ケーキの表面に移動する現象,又は移動してできた集束剤の付
着むら。 

migration 

6044 

巻きくずれ 

製品の欠点の一つ。ロービング又はヤーン,マット又はクロス
が巻き取られている途中若しくはその後に,正常な巻き状態で
なくなった状態。 

collapse of coil 

6045 

巻き不良 

製品の欠点の一つ。ロービング又はヤーン,マット又はクロス
の巻き状態が,正常でない状態。 

ill rollings 

6046 

ミスピック 

織物の欠点の一つ。よこ糸が欠落した状態。 

mispick 

6047 

耳つり 

織物の欠点の一つ。耳部が地組織に比べて引きつった状態。 

tight selvage 

6048 

耳緩み 

織物の欠点の一つ。耳部が地組織に比べて緩んでいる状態。 

loose selvage 

6049 

目曲がり 

織物の欠点の一つ。よこ糸が湾曲している状態。 

bowed filling 

6050 

緩み 

織物の欠点の一つ。よこ糸が局部的に緩み,筋又はループ状と
なって織物面に現れた状態。 

loose fiber 

6051 

よこ(緯)糸切れ 織物の欠点の一つ。よこ糸が途中で切断し,一部欠落している

状態。 

broken pick 

6052 

汚れ 

製品の欠点の一つ。製品上に付着した,点状又は面積をもった
汚れ。 

spots 
stains 

6053 

よこ(緯)ゆるみ 織物の欠点の一つ。よこ糸が局部的に緩み,節又は環状となっ

て織物の表面に現れた状態。 

loose pick 

background image

20 

R 3410:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6054 

よ(撚)りむら 

糸の欠点の一つ。糸のよ(撚)り数が部分的に異なる状態。 

twist irregularities 

6055 

レジンハジキ 

織物製品にマトリックス樹脂を塗布した後に観察される欠点
の一つ。樹脂のぬれが悪く円状にくぼんだ状態。樹脂と織物又
は表面処理のなじみが悪い又は樹脂となじみが悪い異物が存
在して生じる。 

fish eye