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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

R 3105-1995 

ほうけい酸ガラスの分析方法 

Methods for chemical analysis of 

borosilicate glasses 

1. 適用範囲 この規格は,ほうけい酸ガラスの分析方法について規定する。 

備考1. この規格でいうほうけい酸ガラスとは,理化学実験用器具,調理用器具,自動車用シールド

ビーム形電球などに用いられる二酸化けい素,三酸化ほう素,酸化アルミニウム及び酸化ナ

トリウムを主成分とするガラスをいう。 

2. この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0115 吸光光度分析通則 

JIS K 0121 原子吸光分析通則 

JIS K 8001 試薬試験方法通則 

JIS K 8005 容量分析用標準物質 

JIS K 8885 二酸化けい素(試薬) 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

2. 一般事項 分析方法に共通な一般事項は,JIS K 0050,JIS K 0115,JIS K 0121及びJIS K 8001によ

る。 

3. 分析項目 この規格で規定する分析項目は,次のとおりとする。 

(1) 二酸化けい素 (SiO2) 

(2) 酸化アルミニウム (Al2O3) 

(3) 全鉄分(Fe2O3として) 

(4) 二酸化チタン (TiO2) 

(5) 酸化ジルコニウム (ZrO2) 

(6) 酸化ナトリウム (Na2O) 

(7) 酸化カリウム (K2O) 

(8) 三酸化ほう素 (B2O3) 

(9) 塩素 (Cl) 

(10) 全ひ素分(As2O3として) 

background image

R 3105-1995  

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4. 試料の採り方及び取扱い方 

4.1 

分析試料は,分析の都度必要量を手早く粉砕し,250μm以下にした後,直ちにはかり取る(1)。 

注(1) 正確な結果を必要とする場合には,粉砕試料と未粉砕試料の550℃における強熱減量を比較し,

補正する。 

4.2 

分析試料をはかり取る際は,よくかき混ぜて平均組成を表すように注意し,また,異物が混入して

いないことを確かめなければならない。 

4.3 

分析試料のはかり取りには化学はかりを用い,0.1mgまで正しくはかる。 

5. 分析値のまとめ方 

5.1 

分析は,同一試料について原則として2回繰り返し,その差が表1の許容差に示す数値より大きい

ときは再分析する。 

表1 分析値の許容差 (%) 

SiO2 

Al2O3 

Fe2O3 

TiO2 

ZrO2 

Na2O 

K2O 

B2O3 

Cl 

As2O3 

0.17 

0.05 

0.003 

0.003 

0.005 

0.08 

0.007(2) 
0.030(3) 

0.18(4) 
0.15(5) 

0.005 

0.03(3) 

注(2) 原子吸光法による場合の許容差を示す。 

(3) フレーム法による場合の許容差を示す。 
(4) 直接法による場合の許容差を示す。 
(5) 二酸化けい素ろ液法による場合の許容差を示す。 

5.2 

分析に当たっては,全操作を通じて空試験を行い,含有率を補正しなければならない。 

5.3 

分析結果は,百分率で表し,5.1の平均値をJIS Z 8401によって次のように丸める。 

(1) 二酸化けい素及び三酸化ほう素は,小数点以下1けた。 

(2) 酸化アルミニウム及び酸化ナトリウムは,小数点以下2けた。 

(3) 二酸化けい素,三酸化ほう素,酸化アルミニウム及び酸化ナトリウムを除く他の成分は,小数点以下

3けた。ただし,酸化カリウム及び全ひ素分は,有効数字2けた。 

6. 二酸化けい素の定量方法 

6.1 

方法の区分 二酸化けい素の定量方法は,凝集・重量吸光光度併用法による。 

6.2 

凝集・重量吸光光度併用法 

6.2.1 

要旨 試料を炭酸ナトリウムで融解し,塩酸に溶解し,ポリエチレンオキシドを加えてけい酸を凝

集させた後,ろ過する。沈殿を強熱してはかり,次にふっ化水素酸を加えて二酸化けい素を揮発させた後,

再び強熱してはかり,その減量から二酸化けい素量を求める。ろ液を分取してモリブデン青吸光光度法で

残留二酸化けい素量を求める。両者の和を二酸化けい素全量とする。 

6.2.2 

試薬 試薬は,次のとおりとする。 

(1) 塩酸 (1+1,1+4,1+50) 

(2) ふっ化水素酸 (46mass%) 

(3) ふっ化水素酸 (1+9) Cl形強塩基性陰イオン交換カラム(プラスチック製クロマト管)を通し,けい

ふっ化水素酸を吸着除去したものを用いる。 

(4) 硫酸 (1+1) 

(5) ほう酸溶液 (40g/L) 

(6) 炭酸ナトリウム (無水) 

R 3105-1995  

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(7) モリブデン酸アンモニウム溶液 モリブデン酸アンモニウム(4水和物)10gを水に溶かして100ml

とする。必要ならばろ過し,ポリエチレン瓶に保存する。保存中にモリブデン酸が析出したときは新

しく調製する。 

(8) 酒石酸溶液 (100g/L)  ポリエチレン瓶に保存する。 

(9) アスコルビン酸溶液 (50g/L)  ポリエチレン瓶に入れて冷暗所に保存する。調製後1か月以上経過し

たものは使用しない。 

(10) ポリエチレンオキシド溶液 水200mlをかき混ぜながら,ポリエチレンオキシド0.1gを少量ずつ加え

て溶解し,ポリエチレン瓶に保存する。調製後2週間経過したものは使用しない。 

(11) 二酸化けい素標準溶液 (0.5mgSiO2/ml)  JIS K 8885に規定する二酸化けい素を強熱し,デシケータ

ー中で放冷後,0.500gを白金るつぼにはかり取り,炭酸ナトリウム(無水)1.5gと混合した後,加熱

融解する。放冷後,融成物を水に溶解してメスフラスコ1 000mlに移し入れ,水で標線まで薄め,ポ

リエチレン瓶に保存する。 

6.2.3 

試料はかり取り量 試料は,0.50gをはかり取る。 

6.2.4 

操作 定量操作は,次のとおりとする。 

(1) 試料を白金蒸発皿(例えば75番)にはかり取り,炭酸ナトリウム(無水)1.5gと混合した後,最初は

低温で加熱し,次第に温度を上げ,約1 000℃に強熱して融解する(6)。 

(2) 時計皿で覆って放冷し,塩酸 (1+1) 20mlを加えて水浴上で加熱溶解した後,約20分間加熱を続ける。 

(3) 時計皿を水洗することなく除き(7),粉末ろ紙約0.05gを加えてよくかき混ぜた後,ポリエチレンオキ

シド溶液10mlを加えてよくかき混ぜ,約5分間放置する。 

(4) ろ紙(5種B)を用いてろ過し,熱塩酸 (1+50) で数回洗浄した後,熱水で十分に洗浄する。ろ液及

び洗液は,ビーカー300mlに受け,(7)以降の残留二酸化けい素の定量に用いる。 

(5) 沈殿をろ紙と共に白金るつぼ(例えば30番)に入れ,硫酸 (1+1) 1滴を加え,低温で加熱してろ紙

を灰化した後,1 100±50℃で約1時間強熱する。デシケータ−中で放冷後,質量をはかり,恒量とな

るまで強熱を繰り返す。 

(6) 次に,これを水で湿し,硫酸 (1+1) 3滴及びふっ化水素酸 (46mass%) 約10mlを加え,砂浴上で加熱

し,蒸発乾固する。1 100±50℃で約5分間強熱し,デシケータ−中で放冷後,質量をはかる。 

(7) (4)のろ液及び洗液は,冷却後,メスフラスコ250mlに移し入れ,水で標線まで薄める。この溶液の10ml

をポリエチレンビーカー100mlに正確に分取する。残りは保存して,三酸化ほう素の定量に用いる。 

(8) ふっ化水素酸(1+9)2mlを加え,約10分間放置した後,ほう酸溶液50mlを加える。 

(9) モリブデン酸アンモニウム溶液2mlを加えてかき混ぜ,約10分間放置する。酒石酸溶液5mlを加え

た後,アスコルビン酸溶液2mlを加え,メスフラスコ100mlに移し入れ,水で標線まで薄め,約30

分間放置する。 

(10) この溶液の一部を光度計の吸収セルに取り,波長650nm付近で吸光度を測定する。 

注(6) 融成物が透明になったら加熱をやめる。融解時間が長過ぎると塩酸に溶けにくくなる。 

(7) 時計皿の洗浄は,操作(4)の際に行う。 

6.2.5 

検量線の作り方 二酸化けい素標準溶液を水で正確に10倍に薄め,その0〜6ml(二酸化けい素と

して0〜0.30mg)をポリエチレンビーカー100mlに段階的に取り,塩酸 (1+4) 1mlを加え,以下6.2.4(8)

〜(10)に従って操作し,吸光度と二酸化けい素量との関係線を作成し,検量線とする。 

6.2.6 

計算 6.2.5で作成した検量線から残留二酸化けい素量を求め,試料中の二酸化けい素含有率を,

次の式によって算出する。 

R 3105-1995  

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100

10

250

)

(

SiO

2

1

2

×

×

+

=

m

a

m

m

ここに, SiO2: 二酸化けい素含有率 (mass%) 
 

m1: 6.2.4(5)の質量 (g) 

m2: 6.2.4(6)の質量 (g) 

a: 6.2.4(10)の残留二酸化けい素量 (g) 

m: 6.2.3の試料はかり取り量 (g) 

7. 酸化アルミニウムの定量方法 

7.1 

方法の区分 酸化アルミニウムの定量方法は,EDTA-亜鉛逆滴定法による。 

7.2 

EDTA−亜鉛逆滴定法 

7.2.1 

要旨 試料をふっ化水素酸と硫酸で加熱分解し,蒸発乾固した後,塩酸で溶解して定容とする。こ

の一部を分取し,過剰のEDTA溶液を加え,pH5.5に調節し,煮沸してアルミニウム−EDTAキレートを

完成させる。冷却後,キシレノールオレンジを指示薬として亜鉛標準溶液で滴定する。次にふっ化ナトリ

ウムを加えて煮沸し,冷却後,遊離したアルミニウム,チタン及びジルコニウムに相当するEDTAを亜鉛

標準溶液で滴定する。二酸化チタン及び酸化ジルコニウム量を差し引いて酸化アルミニウム量を算出する。 

7.2.2 

試薬 試薬は,次のとおりとする。 

(1) 塩酸 (1+1) 

(2) 硝酸 (1+1) 

(3) ふっ化水素酸 (46mass%) 

(4) 硫酸 (1+1) 

(5) アンモニア水 (1+9) 

(6) ふっ化ナトリウム 

(7) 緩衝溶液 (pH5.5)  酢酸ナトリウム(3水和物)50gを水に溶かし,酢酸2.5mlを加え,水で1 000ml

に薄める。 

(8) 0.01mol/L亜鉛標準溶液 JIS K 8005に規定する亜鉛0.66gを0.1mgまで正確にはかり取り,水約20ml

と硝酸 (1+1) 5mlを加え,水浴上で加熱分解する。冷却後,メスフラスコ1 000mlに移し入れ,水で

標線まで薄めてポリエチレン瓶に保存する。この溶液1ml当たりの酸化アルミニウム量は,次の式に

よって算出する。 

8

509

000

.0

100

9

653

.0

×

×

×

=

P

G

f

ここに, 

f: 0.01mol/L亜鉛標準溶液1ml当たりの酸化アルミニウム量 (g) 

G: 亜鉛はかり取り量 (g) 

P: 亜鉛の純度 (mass%) 

(9) EDTA溶液 (0.01mol/L)  エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(2水和物)3.73gを水に溶かして1 

000mlとし,ポリエチレン瓶に保存する。 

(10) キシレノールオレンジ溶液 (1g/L)  試料調整方法及び保存方法は,JIS K 8001の4.4(指示薬)表8

による。 

(11) メチルオレンジ溶液 (1g/L) 

7.2.3 

試料はかり取り量 試料は,1.0gをはかり取る。 

R 3105-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

7.2.4 

操作 定量操作は,次のとおりとする。 

(1) 試料を白金蒸発皿(例えば75番)にはかり取り,水約1mlで湿し,硫酸 (1+1) 5ml及びふっ化水素

酸10mlを加え,白金線などでよくかき混ぜ,砂浴上で注意して加熱分解し,硫酸の白煙が出始める

まで加熱蒸発する。 

(2) 放冷後,ふっ化水素酸5mlを加え,よくかき混ぜた後,再び砂浴上で加熱蒸発し,硫酸の白煙を約5

分間発生させる。 

(3) 放冷後,少量の水で蒸発皿の内壁を洗い,再び砂浴上で加熱し,蒸発乾固する。 

(4) 放冷後,塩酸 (1+1) 20ml及び水約30mlを加えてかき混ぜ,加熱して可溶性塩類を溶解する。冷却後,

メスフラスコ200mlに移し入れ,水で標線まで薄める。 

この溶液を試料溶液 (A) とし,酸化アルミニウム,全鉄分,二酸化チタン及び酸化ジルコニウム並

びにフレーム法又は原子吸光法による酸化ナトリウム及び酸化カリウムの定量に用いる。 

(5) 試料溶液 (A) から25mlをビーカー300mlに正確に分取し,EDTA溶液15ml,熱水100ml,メチルオ

レンジ溶液1滴を加え,アンモニア水 (1+9) を溶液がだいだい色になるまで滴加し,緩衝溶液15ml

を加えて5分間煮沸する。 

(6) 冷却後,キシレノールオレンジ溶液4,5滴を加え,0.01mol/L亜鉛標準溶液で滴定し,黄色がわずか

に赤みを帯びた点を終点とする。終点付近では,よくかき混ぜながらゆっくり滴定する。 

(7) ふっ化ナトリウム1.0gを加え,5分間煮沸後,冷却し,0.01mol/L亜鉛標準溶液で(6)と同様に滴定す

る。 

7.2.5 

計算 試料中の酸化アルミニウム含有率を,次の式によって算出する。 

)

413

.0

ZrO

638

.0

(TiO

100

25

200

O

Al

2

2

3

2

×

+

×

×

×

×

=

m

v

f

ここに, Al2O3: 酸化アルミニウム含有率 (mass%) 
 

f: 0.01mol/L亜鉛標準溶液1ml当たりの酸化アルミニウム 

(g) 

v: 7.2.4(7)の0.01mol/L亜鉛標準溶液使用量 (ml) 

m: 7.2.3の試料はかり取り量 (g) 

TiO2: 9.2の二酸化チタン含有率 (mass%) 

ZrO2: 10.2の酸化ジルコニウム含有率 (mass%) 

8. 全鉄分の定量方法 

8.1 

方法の区分 全鉄分の定量方法は,1,10−フェナントロリン吸光光度法による。 

8.2 

1,10−フェナントロリン吸光光度法 

8.2.1 

要旨 試料溶液 (A) を分取し,アスコルビン酸を加えて鉄を還元し,1,10フェナントロリンを

加え,酢酸アンモニウムでpHを調節して呈色させ,吸光度を測定する。 

8.2.2 

試薬 試薬は,次のとおりとする。 

(1) 硫酸 (1+1) 

(2) 酢酸アンモニウム溶液 (200g/L) 

(3) アスコルビン酸溶液 (50g/L)  6.2.2(9)による。 

(4) 1,10-フェナントロリン溶液 1,10−フェナントロリン(1水和物)0.5gに温水500mlを加え,よくか

き混ぜて溶解する。必要があればろ過し,かっ色瓶に入れて冷暗所に保存する。保存中に着色したと

きは新しく調製する。 

R 3105-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(5) 酸化第二鉄標準溶液 (0.10mgFe2O3/ml)  硫酸第二鉄アンモニウム(24水和物)0.604gをはかり取り,

水約100mlと硫酸 (1+1) 約10mlを加えて溶解した後,メスフラスコ1 000mlに移し入れ,水で標線

まで薄める。 

8.2.3 

操作 定量操作は,次のとおりとする。 

(1) 7.2.4(4) 試料溶液 (A) から50mlをメスフラスコ100mlに正確に分取する。 

(2) アスコルビン酸溶液2ml,1,10-フェナントロリン溶液10ml及び酢酸アンモニウム溶液20mlを加え,

水で標線まで薄め,約30分間放置する。 

(3) この溶液の一部を光度計の吸収セルに取り,波長510nm付近で吸光度を測定する。 

8.2.4 

検量線の作り方 酸化第二鉄標準溶液を水で正確に10倍に薄め,その0〜30ml(酸化第二鉄とし

て0〜0.30mg)をメスフラスコ100mlに段階的に取り,8.2.3(2),(3)と同様に操作し,吸光度と酸化第二鉄

量との関係線を作成し,検量線とする。 

8.2.5 

計算 8.2.4で作成した検量線から酸化第二鉄量を求め,試料中の全鉄分含有率を,次の式によっ

て算出する。 

100

50

200

O

Fe

3

2

×

×

=ma

ここに, Fe2O3: 全鉄分含有率 (mass%) 
 

a: 8.2.3(3)の酸化第二鉄量 (g) 

m: 7.2.3の試料はかり取り量 (g) 

9. 二酸化チタンの定量方法 

9.1 

方法の区分 二酸化チタンの定量方法は,ジアンチピリルメタン吸光光度法による。 

9.2 

ジアンチピリルメタン吸光光度法 

9.2.1 

要旨 試料溶液 (A) を分取し,塩酸の濃度を調節した後,アスコルビン酸を加えて鉄を還元し,

ジアンチピリルメタンで呈色させて吸光度を測定する。 

9.2.2 

試薬 試薬は,次のとおりとする。 

(1) 塩酸 (1+1) 

(2) 硫酸 (1+10) 

(3) 二硫酸カリウム 

(4) アスコルビン酸溶液 (50g/L)  6.2.2(9)による。 

(5) ジアンチピリルメタン溶液 ジアンチピリルメタン1gを塩酸(1+5)30mlに溶かし,水で100mlに薄

める。 

(6) 二酸化チタン標準溶液 (0.20mgTiO2/ml)  二酸化チタン(99.9mass%以上)を白金るつぼに取り,約1 

100℃で1時間強熱し,デシケーター中で放冷する。この中から0.200gを白金るつぼにはかり取り,

二硫酸カリウム4gを加えて融解する。放冷後,白金るつぼごとビーカー200mlに入れ,硫酸 (1+10) 

100mlを加えて50℃以下で穏やかに加熱溶解する。冷却後,白金るつぼを取り出して洗浄した後,溶

液をメスフラスコ1 000mlに移し入れ,硫酸 (1+10) で標線まで薄める。 

9.2.3 

操作 定量操作は,次のとおりとする。 

(1) 7.2.4(4)の試料溶液 (A) から25mlをメスフラスコ50mlに正確に分取し,塩酸 (1+1) 5.5mlを加える。 

(2) アスコルビン酸溶液2mlを加えて振り混ぜ,約1分間放置した後,ジアンチピリルメタン溶液15ml

を加え,水で標線まで薄め,約60分間放置する。 

R 3105-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(3) この溶液の一部を光度計の吸収セルに取り,波長390nm付近で吸光度を測定する。 

9.2.4 

検量線の作り方 二酸化チタン標準溶液を水で正確に20倍に薄め,その0〜10ml(二酸化チタン

として0〜0.10mg)をメスフラスコ50mlに段階的に取り,塩酸 (1+1) 8mlを加える。以下9.2.3(2),(3)と

同様に操作して,吸光度と二酸化チタン量との関係線を作成し,検量線とする。 

9.2.5 

計算 9.2.4で作成した検量線から二酸化チタン量を求め,試料中の二酸化チタン含有率を,次の

式によって算出する。 

100

25

200

TiO2

×

×

=ma

ここに, TiO2: 二酸化チタン含有率 (mass%) 
 

a: 9.2.3(3)の二酸化チタン量 (g) 

m: 7.2.3の試料はかり取り量 (g) 

10. 酸化ジルコニウムの定量方法 

10.1 方法の区分 酸化ジルコニウムの定量方法は,キシレノールオレンジ吸光光度法による。 

10.2 キシレノールオレンジ吸光光度法 

10.2.1 要旨 試料溶液 (A) を分取し,塩酸の濃度を調節した後,アスコルビン酸を加えて鉄を還元し,

キシレノールオレンジで呈色させて吸光度を測定する。 

10.2.2 試薬 試薬は,次のとおりとする。 

(1) 塩酸 (1+1) 

(2) 硫酸 (1+10) 

(3) 二硫酸カリウム 

(4) アスコルビン酸溶液 (50g/L)  使用の都度調製する。 

(5) キシレノールオレンジ溶液 (1g/L)  7.2.2(10)による。 

(6) 酸化ジルコニウム標準溶液 (0.20mgZrO2/ml)  酸化ジルコニウム(99.5mass%以上)を白金るつぼに

取り,約1 100℃で1時間強熱し,デシケーター中で放冷する。この中から0.200gを白金るつぼには

かり取り,二硫酸カリウム4gを加えて融解する。放冷後,白金るつぼごとビーカー200mlに入れ,硫

酸 (1+10) 100mlを加えて穏やかに加熱溶解する。冷却後,白金るつぼを取り出して洗浄した後,溶

液をメスフラスコ1 000mlに移し入れ,硫酸 (1+10) で標線まで薄める。 

10.2.3 操作 定量操作は,次のとおりとする。 

(1) 7.2.4(4)の試料溶液 (A) から25mlをメスフラスコ50mlに正確に分取し,塩酸(1+1)4.0mlを加える。 

(2) アスコルビン酸溶液2mlを加えて振り混ぜ,約1分間放置した後,キシレノールオレンジ溶液2mlを

ホールピペットを用いて加え,水で標線まで薄め,約10分間放置する。 

(3) この溶液の一部を光度計のセルに取り,波長535nm付近で吸光度を測定する。 

10.2.4 検量線の作り方 酸化ジルコニウム標準溶液10mlを分取し,塩酸 (1+1) 10mlを加え,水で正確

に200mlに薄める。その0〜5ml(酸化ジルコニウムとして0〜0.05mg)をメスフラスコ50mlに段階的に

分取し,それぞれに塩酸 (1+1) 6.5mlを加え加熱溶解し,冷却後,10.2.3(2),(3)と同様に操作し,吸光度

と酸化ジルコニウム量との関係線を作成し,検量線とする(8)。 

注(8) キシレノールオレンジは,試薬のロット及び溶液調製後の経時変化によって,同じジルコニウ

ム量に対する吸光度が異なることがあるので,検量線はその都度作成する必要がある。 

R 3105-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

10.2.5 計算 10.2.4で作成した検量線から,酸化ジルコニウム量を求め,試料中の酸化ジルコニウム含有

率を,次の式によって算出する。 

100

25

200

ZrO2

×

×

=ma

ここに, ZrO2: 酸化ジルコニウム含有率 (mass%) 
 

a: 10.2.3(3)の酸化ジルコニウム量 (g) 

m: 7.2.3の試料はかり取り量 (g) 

11. 酸化ナトリウムの定量方法 

11.1 方法の区分 酸化ナトリウムの定量方法は,次のいずれかによる。 

(1) フレーム法 

(2) 原子吸光法 

11.2 フレーム法 

11.2.1 要旨 試料溶液 (A) を50倍に薄め,フレーム光度計を用いてナトリウムの輝線強度を測定する。 

11.2.2 試薬 試薬は,次のとおりとする。 

(1) 塩酸 (1+1) 

(2) 硫酸 (1+1) 

(3) 酸化ナトリウム標準溶液 (0.50mgNa2O/ml)  乾燥した塩化ナトリウム0.943gを水に溶かし,メスフ

ラスコ1 000mlに移し入れ,水で標線まで薄め,ポリエチレン瓶に保存する。 

(4) 酸化カリウム標準溶液 (0.10mgK2O/ml)  乾燥した塩化カリウム0.158gを水に溶かし,メスフラスコ

1 000mlに移し入れ,水で標線まで薄め,ポリエチレン瓶に保存する。 

(5) 塩化アルミニウム溶液 金属アルミニウム0.53gを塩酸 (1+1) 10mlに加熱溶解し,冷却後,水で1 

000mlに薄める。 

(6) 標準混合溶液 試料溶液に近似し,酸化ナトリウム及び酸化カリウムの濃度が,試料溶液のそれより

もわずかに高いものとわずかに低いものとの2種類の溶液を調製する。一例を以下に示す。 

2個の白金蒸発皿I及びIIにそれぞれ塩化アルミニウム溶液2ml及び硫酸 (1+1) 1mlずつを加える。

Iに酸化ナトリウム標準溶液 (0.50mgNa2O/ml) 9ml及び酸化カリウム標準溶液 (0.10mgK2O/ml) 4mlを,

IIに酸化ナトリウム標準溶液 (0.50mgNa2O/ml) 7ml及び酸化カリウム標準溶液 (0.10mgK2O/ml) 2mlを

ビュレットを用いて加え,蒸発乾固する。それぞれに塩酸 (1+1) 2ml及び水30mlずつを加えて加熱

溶解し,冷却後,メスフラスコ100mlに移し入れ,水で標線まで薄める。これらの溶液を標準混合溶

液 (B-I) 及び (B-II) とする。 

標準混合溶液 (B-I) 及び (B-II) の10mlずつを,2個のメスフラスコ100mlに正確に分取し,塩酸(1

+1)2mlずつを加え,水で標線まで薄める。これらの溶液を標準混合溶液 (C-I) 及び (C-II) とする。 

11.2.3 装置 フレーム光度計を用いる。 

11.2.4 操作 定量操作は,次のとおりとする。 

(1) 7.2.4(4)の試料容液 (A) の20mlをメスフラスコ100mlに正確に分取し,水で標線まで薄める。この溶

液を試料溶液 (B) とする。 

試料溶液 (B) の10mlをメスフラスコ100mlに正確に分取し,塩酸 (1+1) 2mlを加え,水で標線ま

で薄める。この溶液を試料溶液 (C) とする。 

(2) フレーム光度計を作動させ,測定波長を589nmに調整する(9)。 

R 3105-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(3) 標準混合溶液 (C-I) を噴霧させ,メーターの指針が一定値(例えば100)(10)を示すように調整する。 

(4) 水を噴霧させ,メーターの指針が0を示すように調整する。 

(5) 試料溶液 (C) を噴霧させ,メーターを読みとる(11)。 

(6) 標準混合溶液 (C-II) を噴霧させ,メーターを読みとる(11)。 

注(9) ナトリウム用ろ光板を用いてもよい。 

(10) 80以上であることが望ましい。 

(11) 毎回(3),(4)のメーターの読みが,それぞれ正しく一定値及び0を示すことを確かめる。 

11.2.5 計算 試料溶液 (C) 中の酸化ナトリウム濃度を次の式(1)によって求め,試料中の酸化ナトリウム

含有率を,次の式(2)によって算出する。 

2

2

1

2

2

1

)

(

C

y

y

y

y

C

C

C

+

×

=

 ··························································· (1) 

100

10

100

20

200

10

O

Na

3

2

×

×

×

×

=

m

C

 ·················································· (2) 

ここに, 

C: 試料溶液 (C) 中の酸化ナトリウム濃度 (mg/100ml) 

C1: 標準混合溶液 (C-I) 中の酸化ナトリウム濃度 (mg/100ml) 

C2: 標準混合溶液 (C-II) 中の酸化ナトリウム濃度 (mg/100ml) 

y: 試料溶液 (C) のメーターの読み 

y1: 標準混合溶液 (C-I) のメーターの読み(例えば100)(10) 

y2: 標準混合溶液 (C-II) のメーターの読み 

Na2O: 酸化ナトリウム含有率 (mass%) 

m: 7.2.3の試料はかり取り量 (g) 

11.3 原子吸光法 

11.3.1 要旨 試料溶液 (A) を50倍に薄め,原子吸光分析装置を用いてナトリウムの吸光度を測定する。 

11.3.2 試薬 11.2.2による。 

11.3.3 装置 原子吸光分析装置を用いる。 

11.3.4 操作 原子吸光分析装置を作動させ,ナトリウム用光源ランプを用いて試料溶液 (C),混合標準溶

液 (C-I) 及び (C-II) の波長589nmにおける吸光度を測定する。 

11.3.5 計算 試料溶液 (C) 中の酸化ナトリウム濃度を次の式(3)によって求め,試料中の酸化ナトリウム

含有率を,次の式(4)によって算出する。 

10 

R 3105-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2

2

1

2

2

1

)

(

C

y

y

y

y

C

C

C

+

×

=

 ··························································· (3) 

100

10

100

20

200

10

O

Na

3

2

×

×

×

×

=

m

C

 ·················································· (4) 

ここに, 

C: 試料溶液 (C) 中の酸化ナトリウム濃度 (mg/100ml) 

C1: 標準混合溶液 (C-I) 中の酸化ナトリウム濃度 (mg/100ml) 

C2: 標準混合溶液 (C-II) 中の酸化ナトリウム濃度 (mg/100ml) 

y: 試料溶液 (C) の吸光度 

y1: 標準混合溶液 (C-I) の吸光度 

y2: 標準混合溶液 (C-II) の吸光度 

Na2O: 酸化ナトリウム含有率 (mass%) 

m: 7.2.3の試料はかり取り量 (g) 

12. 酸化カリウムの定量方法 

12.1 方法の区分 酸化カリウムの定量方法は,次のいずれかによる。 

(1) フレーム法 

(2) 原子吸光法 

12.2 フレーム法 

12.2.1 要旨 試料溶液 (A) をそのまま又は5倍に薄め,フレーム光度計を用いてカリウムの輝線強度を

測定する。 

12.2.2 試薬 試薬は,11.2.2と同じものを用いる。標準混合溶液を追加調製する。一例を以下に示す。 

2個の白金蒸発皿I及びIIにそれぞれ塩化アルミニウム溶液10ml及び硫酸 (1+1) 1mlずつを加える。I

に酸化ナトリウム標準溶液 (0.50mgNa2O/ml) 45ml及び酸化カリウム標準溶液 (0.10mgK2O/ml) 2mlを,II

に酸化ナトリウム標準溶液 (0.50mgNa2O/ml) 35ml及び酸化カリウム標準溶液 (0.10mgK2O/ml) 1mlをビュ

レットを用いて加え,蒸発乾固する。それぞれに塩酸 (1+1) 2ml及び水30mlずつを加えて加熱溶解し,

冷却後,メスフラスコ100mlに移し入れ,水で標線まで薄める。これらの溶液を標準混合溶液 (A-I) 及び 

(A-II) とする。 

12.2.3 装置 フレーム光度計を用いる。 

12.2.4 操作 定量操作は,次のとおりとする。 

(1) フレーム光度計を作動させ,測定波長を767nmに調整する(12)。 

(2) 標準混合溶液 (A-I) 又は (B-I) を噴霧させ,メーターの指針が一定値(例えば100)(10)を示すように

調整する。 

(3) 水を噴霧させ,メーターの指針が0を示すように調整する。 

(4) 7.2.4(4)の試料溶液 (A) 又は11.2.4(1)の試料溶液 (B) を噴霧させ,メーターを読みとる(13)。 

(5) 標準混合溶液 (A-II) 又は (B-II) を噴霧させ,メーターを読みとる(13)。 

注(12) カリウム用ろ光板を用いてもよい。 

(13) 毎回(2),(3)のメーターの読みが,それぞれ正しく一定値及び0を示すことを確かめる。 

12.2.5 計算 試料溶液 (A) 又は (B) 中の酸化カリウム濃度を次の式(5)によって,試料中の酸化カリウム

含有率を,次の式(6)又は(7)によって算出する。 

11 

R 3105-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2

2

1

2

2

1

)

(

C

y

y

y

y

C

C

C

+

×

=

 ··························································· (5) 

100

10

O

K

3

2

×

×

=

m

C

(A)

······························································································ (6) 

100

20

200

10

O

K

3

2

×

×

×

=

m

C

(B)

······························································································ (7) 

ここに, 

C: 試料溶液 (A) 又は (B) 中の酸化カリウム濃度 (mg/100ml) 

C1: 標準混合溶液 (A-I) 又は (B-I) 中の酸化カリウム濃度 

(mg/100ml) 

C2: 標準混合溶液 (A-II) 又は (B-II) 中の酸化カリウム濃度 

(mg/100ml) 

y: 試料溶液 (A) 又は (B) のメーターの読み 

y1: 標準混合溶液 (A-I) 又は (B-I) のメーターの読み(例えば

100)(10) 

y2: 標準混合溶液 (A-II) 又は (B-II) のメーターの読み 

K2O: 酸化カリウム含有率 (mass%) 

m: 7.2.3の試料はかり取り量 (g) 

12.3 原子吸光法 

12.3.1 要旨 試料溶液 (A) をそのまま又は5倍に薄め,原子吸光分析装置を用いてカリウムの吸光度を

測定する。 

12.3.2 試薬 試薬は,12.2.2による。 

12.3.3 装置 原子吸光分析装置を用いる。 

12.3.4 操作 原子吸光分析装置を作動させ,カリウム用光源ランプを用いて7.2.4(4)の試料溶液 (A) 又は

11.2.4(1)の試料溶液 (B),標準混合溶液 (A-I) 又は (B-I) 及び (A-II) 又は (B-II) の波長767nmにおける吸

光度をそれぞれ測定する。 

12.3.5 計算 試料溶液 (A) 又は (B) 中の酸化カリウム濃度を次の式(8)によって,試料中の酸化カリウム

含有率を,式(9)又は(10)によって算出する。 

2

2

1

2

2

1

)

(

C

y

y

y

y

C

C

C

+

×

=

 ··························································· (8) 

100

10

O

K

3

2

×

×

=

m

C

(A)

······························································································ (9) 

100

20

200

10

O

K

3

2

×

×

×

=

m

C

(B)

···························································································· (10) 

ここに, 

C: 試料溶液 (A) 又は (B) 中の酸化カリウム濃度 (mg/100ml) 

C1: 標準混合溶液 (A-I) 又は (B-I) 中の酸化カリウム濃度 

(mg/100ml) 

C2: 標準混合溶液 (A-II) 又は (B-II) 中の酸化カリウム濃度 

(mg/100ml) 

y: 試料溶液 (A) 又は (B) の吸光度 

y1: 標準混合溶液 (A-I) 又は (B-I) の吸光度 

12 

R 3105-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

y2: 標準混合溶液 (A-II) 又は (B-II) の吸光度 

K2O: 酸化カリウム含有率 (mass%) 

m: 7.2.3の試料はかり取り量 (g) 

13. 三酸化ほう素定量方法 

13.1 方法の区分 三酸化ほう素の定量方法は,次のいずれかによる。 

(1) 直接法 

(2) 二酸化けい素ろ液法 

13.2 直接法 

13.2.1 要旨 試料を炭酸ナトリウムで融解し,塩酸に溶解し,pHを約5.0に保って温浸し,けい酸など

を沈殿させてろ別する。ろ液のpHを6.3とし,マンニトールを加え,再びpH6.3となるまで水酸化ナトリ

ウム標準溶液で滴定する。 

13.2.2 試薬 試薬は,次のとおりとする。 

(1) 塩酸(1+1,1+50) 

(2) 水酸化ナトリウム溶液 (240g/L,40g/L) 

(3) 炭酸ナトリウム(無水) 

(4) マンニトール 

(5) 三酸化ほう素標準溶液 ほう酸0.5gを質量既知の白金るつぼ(例えば30番)にはかり取り,最初は

低温で加熱し,最後は約1 100℃で強熱して脱水する。デシケーター中で放冷後,質量をはかり,三酸

化ほう素を求める。るつぼごとビーカー200mlに入れ,温水100mlを加えて加熱溶解する。冷却後,

メスフラスコ250mlに移し入れ,水で標線まで薄める。 

(6) 水酸化ナトリウム標準溶液 水酸化ナトリウム50gをポリエチレン瓶に入れ,水50mlを加え,冷却

しながら溶解する。ふたをして数日間静置し,炭酸ナトリウムを沈降させた後,上澄み液8.0mlを分

取し,水で2 000mlに薄める。この溶液は,二酸化炭素吸収管付きの25ml自動ビュレットの貯液瓶(ポ

リエチレン製)に保存し,その三酸化ほう素相当量は,次によって求める。 

三酸化ほう素標準溶液25mlをビーカー200mlに正確に分取し,以下13.2.4(4)と同様に操作し,次の

式によって三酸化ほう素相当量を算出する。 

250

25

0

×

=VG

F

ここに, 

F: 水酸化ナトリウム標準溶液1ml当たりの三酸化ほう素量 (g) 

G: 13.2.2(5)の三酸化ほう素量 (g) 

V0: マンニトール添加後の水酸化ナトリウム標準溶液の使用量 

(ml) 

(7) ブロムクレゾールパープル溶液 (0.4g/L) 

13.2.3 試料はかり取り量 試料は,0.20gをはかり取る。 

13.2.4 操作 定量操作は,次のとおりとする。 

(1) 試料を白金蒸発皿(例えば75番)にはかり取り,炭酸ナトリウム(無水)1.0gを加えて混合した後,

最初は低温で加熱し,最後は約1 000℃で強熱して融解する。 

(2) 時計皿で覆って放冷後,塩酸 (1+1) 5mlを加えて放置し,融成物を溶解する。水30mlを用いてビー

カー200mlに洗い移し,ブロムクレゾールパープル溶液2,3滴を加え,水酸化ナトリウム溶液(240g/L

及び40g/L)を加えて青色とした後,塩酸 (1+50) を滴加して黄色とする。 

13 

R 3105-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(3) 約20分間穏やかに煮沸した後(14),時計皿を洗い,ろ紙(5種A)を用いて(吸引)ろ過し,熱水で6

〜8回洗浄し,ろ液及び洗液は,ビーカー200mlに受ける。 

(4) 冷却後,液量を100mlとし,pH測定用電極を入れ,磁気かくはん機を用いてかき混ぜながら,水酸

化ナトリウム標準溶液を滴加してpH6.3とする。電極を引き上げ,マンニトール10gを加え,再び電

極を入れ,pH6.3となるまで水酸化ナトリウム標準溶液で滴定する。 

注(14) この間に指示薬が黄緑色になったら,塩酸 (1+50) を滴加して黄色に保つ。 

13.2.5 計算 試料中の三酸化ほう素含有率を,次の式によって算出する。 

100

O

B

3

2

×

×

=

m

F

V

ここに, B2O3: 三酸化ほう素含有率 (mass%) 
 

V: 13.2.4(4)のマンニトール添加後の水酸化ナトリウム標準溶

液使用量 (ml) 

F: 13.2.2(6)の水酸化ナトリウム標準溶液1ml当たりの三酸化

ほう素量 (g) 

m: 13.2.3の試料はかり取り量 (g) 

13.3 二酸化けい素ろ液法 

13.3.1 要旨 二酸化けい素定量のろ液を分取し,pHを約5.0に調節して煮沸し,冷却後pHを6.3とし,

マンニトールを加え,再びpH6.3となるまで水酸化ナトリウム標準溶液で滴定する。 

13.3.2 試薬 試薬は,13.2.2による。 

13.3.3 操作 定量操作は,次のとおりとする。 

(1) 6.2.4(7)の試料溶液100mlをビーカー200mlに正確に分取し,ブロムクレゾールパープル溶液2,3滴

を加え,水酸化ナトリウム溶液(240g/L及び40g/L)を加えて青色とした後,塩酸 (1+50) を滴加し

て黄色とする。 

(2) 時計皿で覆って約90mlになるまで穏やかに煮沸しながら濃縮する(14)。冷却後,時計皿を水で洗って

100mlに薄め,以下13.2.4(4)と同様に操作する。 

13.3.4 計算 試料中の三酸化ほう素含有率を,次の式によって算出する。 

100

100

250

O

B

3

2

×

×

×

=

m

F

V

ここに, B2O3: 三酸化ほう素含有率 (mass%) 
 

V: 13.3.3(2)のマンニトール添加後の水酸化ナトリウム標準溶

液使用量 (ml) 

F: 13.2.2(6)の水酸化ナトリウム標準溶液1ml当たりの三酸化

ほう素量 (g) 

m: 6.2.3の試料はかり取り量 (g) 

14. 塩素の定量方法 

14.1 方法の区分 塩素の定量方法は,炭酸ナトリウム融解・チオシアン酸第二水銀−硝酸第二鉄吸光光

度法による。 

14.2 要旨 試料を炭酸ナトリウムで融解し,熱水で浸出した後,不溶物をろ別し,硝酸を加えて微酸性

とする。この溶液を分取し,硝酸第二鉄及びチオシアン酸第二水銀を加え,生成したチオシアン酸第二鉄

の吸光度を測定する。 

14 

R 3105-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

14.3 試薬 試薬は,次のとおりとする。 

(1) 硝酸 (1+1) 

(2) 炭酸ナトリウム(無水) 

(3) 硝酸第二鉄溶液 硝酸第二鉄(9水和物)30gを水40mlに溶かし,硝酸 (1+1) 60mlを加え,かっ色

瓶に保存する。 

(4) チオシアン酸第二水銀溶液 チオシアン酸第二水銀0.5gをメチルアルコール (95v/v%) 100mlに溶かし,

かっ色瓶に保存する。 

(5) メチルアルコール 

(6) 塩素標準溶液 (1mgCl/ml)  乾燥した塩化ナトリウム0.412gを水100mlに溶かしてメスフラスコ

250mlに移し入れ,水で標線まで薄める。 

14.4 試料はかり取り量 試料は,0.5gをはかり取る。 

14.5 操作 定量操作は,次のとおりとする。 

(1) 試料を白金蒸発皿(例えば75番)にはかり取り,炭酸ナトリウム(無水)2gを加えて混合した後,

最初は低温で,最後は約1 000℃で強熱して融解する。 

(2) 放冷後,熱水30mlを加え,水浴上で加熱して融成物を浸出した後,ろ紙(5種A)を用いてろ過し,

熱水で数回洗浄する。ろ液及び洗液はメスフラスコ100mlに受け,振り混ぜながら硝酸 (1+1) 6mlを

滴加して二酸化炭素を除去し,冷却後,水で標線まで薄める。 

(3) 試料溶液20mlを共栓付メスシリンダー25ml(15)に正確に分取し,硝酸第二鉄溶液2ml及びチオシアン

酸第二水銀溶液1.5mlをメスピペットを用いて加え,栓をしてよく振り混ぜた後,20±2℃で10分間

放置する。 

(4) 溶液の一部を光度計のセルに移し,波長460nm付近で吸光度を測定する。 

注(15) メスフラスコ25mlを用いてもよい。そのときは,水で標線まで薄める。 

14.6 検量線の作り方 塩素標準溶液を水で正確に100倍に薄め,この0〜8ml(塩素として0〜0.08mg)

を共栓付メスシリンダー25mlに段階的に取り,水で20mlに薄め,14.5(3),(4)と同様に操作し,吸光度と

塩素量との関係線を作成し,検量線とする。 

14.7 計算 14.6で作成した検量線から塩素量を求め,試料中の塩素含有率を,次の式によって算出する。 

100

20

100

Cl

×

×

=ma

ここに, Cl: 塩素含有率 (mass%) 
 

a: 14.5(4)の塩素量 (g) 

m: 14.4の試料はかり取り量 (g) 

15. 全ひ素分の定量方法 

15.1 方法の区分 全ひ素分の定量方法は,モリブデン青吸光光度法による。 

15.2 モリブデン青吸光光度法 

15.2.1 要旨 試料を過マンガン酸カリウムの存在で,硝酸,硫酸及びふっ化水素酸で分解し,定容とする。

試料溶液を分取し,モリブデン酸アンモニウム及び硫酸ヒドラジンを加えて加熱し,モリブデン青を生成

させる。同量の試料溶液を分取し,臭化水素酸を加えてひ素を揮散除去した後,同様に処理したものを対

照液として前者の吸光度を測定する。 

15.2.2 試薬 試薬は,次のとおりとする。 

15 

R 3105-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(1) 塩酸 (1+1) 

(2) 硝酸 

(3) ふっ化水素酸 (46mass%) 

(4) 臭化水素酸 (47mass%) 

(5) 硫酸 (1+1,1+5) 

(6) 水酸化ナトリウム溶液 (50g/L) 

(7) 過マンガン酸カリウム溶液 (10g/L) 

(8) モリブデン酸アンモニウム溶液 モリブデン酸アンモニウム(4水和物)5gを硫酸 (1+5) 500mlに溶

かす。 

(9) エチルアルコール 

(10) 硫酸ヒドラジン溶液 (1.5g/L) 

(11) 三酸化ひ素標準溶液 (0.5mgAs2O3/ml)  105〜110℃で約3時間乾燥しデシケーター中で放冷した三酸

化ひ素0.500gを正しくはかり取り,水酸化ナトリウム溶液 (50g/L) 5mlに溶かし,水約50mlを加える。

硫酸 (1+5) 5mlを加えて酸性にした後,メスフラスコ1 000mlに移し入れ,水で標線まで薄める。 

(12) フェノールフタレイン溶液(1g/L,エチルアルコール溶液) 

15.2.3 試料はかり取り量 試料は,0.5gをはかり取る。 

15.2.4 操作 定量操作は,次のとおりとする。 

(1) 試料を白金蒸発皿(例えば75番)にはかり取り,水約1mlで湿し,硝酸1ml,硫酸(1+1)2ml,過マ

ンガン酸カリウム溶液0.3ml及びふっ化水素酸5mlを加え,白金線などでよくかき混ぜ,砂浴上で加

熱分解し,硫酸の白煙が発生するまで蒸発する。 

(2) 放冷後,ふっ化水素酸5mlを加えかき混ぜた後,再び砂浴上で加熱蒸発し,硫酸の白煙が出始めてか

ら約5分間加熱を続ける。放冷後,少量の水で蒸発皿の内壁を洗い,再び砂浴上でシロップ状になる

まで蒸発する。 

(3) 放冷後,塩酸 (1+1) 5ml及び温水約50mlを加えてかき混ぜ,水浴上で加熱し,可溶性塩類を溶解す

る。冷却後,メスフラスコ100mlに移し入れ,水で標線まで薄める。 

(4) 試料溶液の適当量(16)をメスフラスコ100mlに正確に分取し,フェノールフタレイン溶液1滴を加えた

後,水酸化ナトリウム溶液を赤色になるまで加え,硫酸 (1+5) を滴加して赤色を消し,モリブデン

酸アンモニウム溶液5ml,硫酸ヒドラジン溶液3mlを加えて水で標線まで薄め,沸騰水浴中で約10分

間加熱した後,流水中で冷却する。 

(5) 同量の試料溶液をビーカー100mlに正確に分取し,臭化水素酸1ml及び硫酸 (1+1) 0.5mlを加えて砂

浴上でほとんど乾固するまで加熱蒸発させる。冷却後,塩酸 (1+1) 1ml及び温水20mlを加えてかき

混ぜ,水浴上で加熱して可溶性塩類を溶解する。冷却後,メスフラスコ100mlに移し入れ,以下(4)

と同様に操作する。 

(6) (4)の溶液の一部を光度計の吸収セルに取り,(5)の溶液(17)を対照液として波長840nm付近における吸

光度を測定する。 

注(16) 三酸化ひ素として0.2mg以下を含むように分取する。 

(17) この溶液の吸光度を測定すれば,試料中の五酸化りんを定量することができる。検量線は,り

ん酸標準溶液を用い,(4)と同様に操作して作成する。 

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R 3105-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

15.2.5 検量線の作成 三酸化ひ素標準溶液を水で正確に10倍に薄め,その0〜4ml(三酸化ひ素として0

〜0.2mg)をメスフラスコ100mlに段階的に分取し,水を加えて約50mlに薄め,微紅色を呈するまで過マ

ンガン酸カリウム溶液を滴加する。以下15.2.4(4)と同様に操作し,吸光度と三酸化ひ素量の関係線を作成

し,検量線とする。 

15.2.6 計算 15.2.5で作成した検量線から三酸化ひ素量を求め,試料中の全ひ素分含有率を,次の式によ

って算出する。 

100

100

O

As

3

2

×

×

=

b

m

a

ここに, As2O3: 全ひ素分含有率 (mass%) 
 

a: 15.2.4(6)の三酸化ひ素量 (g) 

b: 15.2.4(4)及び(5)の試料溶液分取量 (ml) 

m: 15.2.3の試料はかり取り量 (g) 

ほうけい酸ガラスの分析方法JIS原案作成委員会名簿 

氏名 

所属 

委員長 

宮 出 英 明 

株式会社保谷硝子光学事業部 

委員 

高 橋 健太郎 

東洋大学工学部 

若 井 博 雄 

通商産業省生活産業局窯業建材課 

飛 田   勉 

通商産業省工業技術院標準部繊維化学規格課 

多 田 格 三 

日本原子力研究所(研究嘱託) 

布 施 美智雄 

旭硝子株式会社研究開発部 

栗 原 甲子郎 

東京芝浦電気株式会社総合研究所 

安 井 信 夫 

東京電気化学工業株式会社開発研究所 

和 田 正 道 

日本電気硝子株式会社技術部 

灰 田 豆太郎 

富士通株式会社環境管理部 

大 野 克 弘 

三菱電機株式会社生産技術研究所 

大 場 立 夫 

社団法人窯業協会事務局