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R 1614 : 2002  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日

本工業規格でる。これによってJIS R 1614 : 1993は改正され,この規格に置き換えられる。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,

このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登

録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

R 1614 : 2002 

ファインセラミックスの 

酸及びアルカリ腐食試験方法 

Testing method for corrosion of fine 

ceramics in acid and alkaline solutions 

1. 適用範囲 この規格は,硫酸,水酸化ナトリウムなどの酸及びアルカリ溶液中におけるファインセラ

ミックスの腐食の程度の試験方法について規定する。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 0601 製品の幾何特性仕様 (GPS) −表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメ

ータ 

JIS B 7502 マイクロメータ 

JIS B 7503 ダイヤルゲージ 

JIS B 7507 ノギス 

JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8951 硫酸(試薬) 

JIS R 1600 ファインセラミックス関連用語 

JIS R 1601 ファインセラミックスの曲げ強さ試験方法 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS R 1600によるほか,次による。 

a) 腐食の程度 酸又はアルカリ中での腐食によって,材料の表面が腐食されて強度が低下したり,崩壊

したりする度合い。腐食の程度は,腐食試験前後の質量変化及び強度変化で評価する。 

4. 試験装置及び器具 

4.1 

腐食試験装置 腐食試験装置は,次のとおりとする。 

a) 試験容器 試験容器は,十分な冷却面積をもつガラス製の立型コンデンサをテーパすり合わせで結合

したガラス製,又は四ふつ化エチレン樹脂製のフラスコ(容積約1 L)を使用する。 

b) 加熱装置は,試験中の試験溶液を静かな沸騰状態に保持できるものを使用する。 

4.2 

乾燥器 温度を105〜120 ℃に保つことのできる電気恒温槽を用いる。 

4.3 

曲げ強さ試験機 JIS R 1601に規定する材料試験機を用いる。 

R 1614 : 2002  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.4 

マイクロメータ JIS B 7502に規定する外側マイクロメータ,又はこれと同等以上の精度をもつも

のを用いる。 

4.5 

ダイヤルゲージ JIS B 7503に規定するダイヤルゲージ,又はこれと同等以上の精度をもつものを

用いる。 

4.6 

ノギス JIS B 7507に規定する最小読取値0.05mmのノギス,又はこれと同等以上の精度をもつもの

を用いる。 

4.7 化学天びん 最大ひょう量100〜200gで感度0.1mg,又はこれと同等以上の精度をもつものを用いる。 

5. 試験溶液 

5.1 

硫酸溶液 硫酸溶液は,JIS K 8951に規定する試薬特級品及び蒸留水又はイオン交換水によって,3 

mol/L {6 N} の濃度の溶液を調製する。 

5.2 

水酸化ナトリウム溶液 水酸化ナトリウム溶液は,JIS K 8576に規定する試薬特級品及び蒸留水又

はイオン交換水によって,6mol/L {6 N} の濃度の溶液を調製する。 

5.3 

その他の溶液 硫酸及び水酸化ナトリウム以外の溶液については,6規定となる濃度の溶液を調製す

る。 

6. 試験片 

6.1 

腐食試験用試験片 JIS R 1601の4.(試験片)で規定する寸法(厚さ3.0mm±0.1mm,幅4.0mm±

0.1mm,全長36mm以上)とする。ただし,表面粗さはJIS B 0601に規定する全面0.02μmRa以下で,り

ょう(稜)は丸めるか,又は面取りする。試験片の個数は,10本以上とする。 

6.2 

腐食試験以前の曲げ強さ試験用試験片 JIS R 1601に規定するものを使用する。試験片の個数は,

10本以上とする。 

7. 試験方法 

7.1 

試験片の寸法及び質量測定 試験片の寸測測定は,幅・厚さについてはマイクロメータ又はダイヤ

ルゲージを用い,長さについてはノギス又はマイクロメータを用いて行う。寸法測定後,十分に脱脂洗浄

する。105〜120℃で乾燥し,直ちにデシケータに移す。室温となった後,化学天びんを用いて質量を測定

する。これを恒量になるまで繰り返す。 

7.2 

腐食試験 

a) 試験片の設置方法 試験片は,試験溶液と十分に接触するように設置する。 

b) 試験条件 0.5Lの試験溶液を静かな沸騰状態に加熱した後,試験片を静かに浸せきし,連続24時間

沸騰試験を行う。ただし,一つの試験容器の中では同種の試験片を10本以内試験し,試験溶液は試験

ごとに新しいものを使用するものとする。 

備考 試験片の浸せきに際しては,試験溶液の突沸に十分注意する必要がある。また,複数の試験片

を同時に試験する場合,個々の試験片の接触を防ぎ,また,識別を容易にするために試験片の

支持方法を工夫する必要がある。 

7.3 

質量変化の測定 腐食試験終了後,試験片を試験容器から取り出して十分に洗浄する。105〜120℃

で乾燥し,速やかにデシケータに移す。室温になった後,一本ずつ質量を測定する。これを恒量になるま

で繰り返す。その値を用いて質量変化量を算出する。 

R 1614 : 2002  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

7.4 

腐食試験後の試験片の曲げ強さの測定 JIS R 1601の5.(試験方法)によって曲げ強さを測定する。

このとき試験片は洗浄,乾燥後のものを用いる。 

7.5 

腐食試験前の試験片の曲げ強さの測定 JIS R 1601の5.によって曲げ強さを測定する。 

8. 結果の表し方 

8.1 

数値の丸め方 計算の結果は,JIS Z 8401によって丸める。 

8.2 

計算 

a) 曲げ強さの計算 JIS R 1601の6.(計算)による。ただし,試験片の寸法は腐食試験前の測定値を用

いる。 

b) 質量変化の計算 質量変化は,次の計算によって求める。 

A

W

W

C

0

F−

ここに, 

C: 単位面積当たりの質量変化 (kg/m2)  

WF: 腐食試験後の質量 (kg)  

WO: 腐食試験前の質量 (kg)  

A: 腐食試験前の表面積 (m2)  

なお,表面積は,次の式によって求める。 

A=2 (ab+bc+ca)  

ここに, a: 試験片の幅 (m)  
 

b: 試験片の厚さ (m)  

c: 試験片の長さ (m)  

また,平均値及び標準偏差は,次の式によって求める。 

なお,平均値は,有効数字を3けたまで求め,標準偏差は,有効数字2けたまで求める。 

1

)

(

S

)

(kg/m

  

1

2

2

1

n

X

X

n

X

X

n

i

i

n

i

i

ここに, 

X: 平均値 (kg/m2)  

Xi: 個々の測定値 (kg/m2)  

S: 標準偏差 (kg/m2)  

n: 試験片の個数 

9. 報告 腐食試験の結果は,次の項目について報告する。 

a) 試験片の材質 

b) 試験装置の形式(容器の材質,加熱方法など) 

c) 試験条件(溶液の種類及び濃度,腐食試験時間,試験片の個数及びその支持方法) 

d) 腐食試験後の試験片の単位表面積当たりの質量変化,平均値及び標準偏差 

e) 腐食試験後の試験片の曲げ強さ,平均値及び標準偏差(腐食試験前の曲げ強さも併記する。) 

備考 このほか,必要に応じて,次の各項目を付け加えて報告する。 

a) 腐食層の厚さ 

R 1614 : 2002  

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b) 腐食層の光学又は電子顕微鏡写真 

原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

奥 田   博 

財団法人ファインセラミックスセンター 

石 黒 義 久 

通商産業省生活産業局 

地  崎  修 

工業技術院標準部 

西 川 友 三 

京都工芸繊維大学工芸学部 

吉 村 昌 弘 

東京工業大学工業材料研究所 

岩 佐 美喜男 

工業技術院大阪工業技術試験所 

高 橋 秀 雄 

旭硝子株式会社中央研究所 

古 賀   新 

石川島播磨重工業株式会社技術研究所 

桝 田 昌 明 

日本ガイシ株式会社第4研究所 

岩 松 久 保 

石川島播磨重工業株式会社技術研究所 

神 谷 信 雄 

株式会社豊田中央研究所 

山 口   誼 

財団法人ファインセラミックスセンター 

飯 尾   聡 

日本特殊陶業株式会社中央研究所 

岡 田   明 

日産自動車株式会社中央研究所 

浅 野 鐵 夫 

住金テクノリサーチ株式会社受託研究部 

高 久   啓 

財団法人電力中央研究所 

重 藤 芳 雄 

社団法人日本ファインセラミックス協会 

(事務局) 

岡 本 寛 己 

社団法人日本ファインセラミックス協会 

JIS R 1614(ファインセラミックスの酸及びアルカリ腐食試験方法) 

改正原案調査作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

○ 松 尾 陽太郎 

東京工業大学 

(委員) 

○ 佐久間 俊 雄 

財団法人電力中央研究所 

○ 宮 原   薫 

石川島播磨重工業株式会社 

○ 伊 藤 義 康 

株式会社東芝 

○ 松 井   實 

日本ガイシ株式会社 

小 林 禧 夫 

埼玉大学 

東 田   豊 

財団法人ファインセラミックセンター 

中 山   明 

京セラ株式会社 

平 井 隆 己 

日本ガイシ株式会社 

大 林 和 重 

日本特殊陶業株式会社 

加賀田 博 司 

松下電器産業株式会社 

高 木   斉 

株式会社村田製作所 

安 田 栄 一 

東京工業大学 

阪 口 修 司 

名古屋工業技術研究所 

太 田 健 一 

大阪大学 

福 原 幹 夫 

東芝タンガロイ株式会社 

梶   正 己 

京セラ株式会社 

宇佐見 初 彦 

名城大学 

鈴 木   孝 

株式会社レスカ 

西 田 俊 彦 

京都工芸繊維大学 

石 川 敏 弘 

宇部興産株式会社 

大 石   学 

株式会社東レリサーチセンター 

野 尻 邦 夫 

二菱重工業株式会社 

石 川 隆 司 

航空宇宙技術研究所 

武 田 展 雄 

東京大学 

R 1614 : 2002  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

氏名 

所属 

八 田 博 志 

宇宙科学研究所 

守 屋 勝 義 

石川島播磨重工業株式会社 

渋 谷 昌 樹 

宇部興産株式会社 

亀 田 常 治 

株式会社東芝 

梅 澤 正 信 

日本カーボン株式会社 

渋 谷 寿 一 

東京工業大学 

岩 田 宇 一 

財団法人電力中央研究所 

本 田   整 

岡野バルブ製造株式会社 

春 木 仁 朗 

関西電力株式会社 

山 本   力 

日本ガイシ株式会社 

岡 部 永 年 

愛媛大学 

黒 崎 晏 夫 

電気通信大学 

小 川 光 恵 

財団法人ファインセラミックセンター 

松 山 豊 和 

東芝セラミックス株式会社 

○ 戸 井 朗 人 

通商産業省生活産業局 

○ 八 田   勲 

通商産業省工業技術院 

○ 橋 本   進 

財団法人日本規格協会 

○ 菅 野 隆 志 

ファインセラミックス国際標準化推進協議会 

○ 渡 辺 一 志 

社団法人日本ファインセラミックス協会 

(事務局) 

○ 高 橋   孝 

社団法人日本ファインセラミックス協会 

備考 ○印は,小委員会委員を兼ねる。 

(文責 原案作成小委員会) 

日本工業標準調査会標準部会 窯業技術専門委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員会長) 

松 尾 陽太郎 

東京工業大学大学院理工学研究科 

(副委員会長) 

植 松 敬 三 

長岡技術科学大学 

(委員) 

井 田 全 彦 

板硝子協会 

小 田 喜 一 

独立行政法人産業技術総合研究所 

黒 木 俊 之 

東邦テナックス株式会社三島事業所 

阪 井 博 明 

日本ガイシ株式会社中央研究所 

佐 々   正 

石川島播磨重工業株式会社技術開発本部 

長   恵 祥 

株式会社大林組総合企画室 

松 尾   晃 

品川白煉瓦株式会社技術グループ 

松 田 邦 男 

川崎製鉄株式会社技術総括部 

山 川 正 行 

株式会社マグ製造部