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P 8208 : 1998  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって,JIS P 8208 : 1994は改正され,この規格に置き換えられる。 

今回の改正では,対応国際規格であるISO 5350-1 : 1982, Pulps−Estimation of dirt and shives−Part 1:

Un-bleached chemical pulps及びISO 5350-2 : 1990, Pulps−Estimation of dirt and shives−Part 2:Bleached pulp

との整合化を行った。 

JIS P 8208には,次に示す附属書がある。 

附属書1 (規定) パルプ−ちり及び結束繊維の評価方法−第1部:未ざらし化学パルプ 

附属書1A(規定) 附属書1A図1 簡単なシート調製装置 (5.1) 

附属書1B(参考) 附属書1B図1 照明装置の一例 (5.3) 

附属書1C(参考) 附属書1C図1 きょう雑物比較図のコピー 

附属書2 (規定) パルプ−ちり及び結束繊維の評価方法−第2部:さらしパルプ 

附属書2A(参考) 附属書2A図1 きょう雑物比較図 (5.2) のコピー 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

P 8208 : 1998 

パルプ−きょう雑物測定方法 

Pulps−Estimation of contraries 

序文 この規格は,1982年に第1版として発行されたISO 5350-1, Pulps−Estimation of dirt and shives−Part 

1 : Unbleached chemical pulps及び1990年に第1版として発行されたISO 5350-2, Pulps−Estimation of dirt 

and shives−Part 2 : Bleached pulpを基に,本体には,従来,日本工業規格で規定していた測定方法を規定し,

附属書1及び附属書2は,それぞれ対応国際規格ISO 5350-1及びISO 5350-2を翻訳し,技術的内容を変

更することなく作成した日本工業規格である。 

なお,附属書1及び附属書2において点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。 

1. 適用範囲 この規格は,化学パルプ及び機械パルプのきょう雑物(ちり,結束繊維)の測定方法につ

いて規定する。きょう雑物の測定方法は,本体,附属書1又は附属書2のいずれかによる。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

ISO 5350-1 Pulps−Estimation of dirt and shives−Part 1 : Unbleached chemical pulps 

ISO 5350-2 Pulps−Estimation of dirt and shives−Part 2 : Bleached pulp 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS P 0001 紙・板紙及びパルプ用語 

JIS P 8201 製紙用パルプの試料採取方法 

JIS P 8203 パルプ−絶乾率の試験方法 

JIS P 8220 パルプ−離解方法 

JIS P 8222 パルプ−試験用手すき紙の調製方法 

JIS R 3503 化学分析用ガラス器具 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

JIS Z 8801 試験用ふるい 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS P 0001によるほか,次による。 

a) きょう雑物 パルプ中に含まれるちり及び結束繊維の総称。 

b) 結束繊維 (shives)  木片又は繊維束で,ほとんど不透明又はシートの他の部分と異なる色をしたもの。 

c) ちり (dirt)  シートに埋め込まれている非繊維物質で,不透明性又は色が他の部分と明らかに区別で

きるもの。 

P 8208 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4. 原理 手すきしたパルプシートに含まれる異物を,透過光によってきょう雑物計測図表(図1にその

コピーを示した。)を参照しながら計測する。 

5. 装置・器具 装置・器具は,次による。 

a) きょう雑物計測図表(図1参照) 

b) きょう雑物測定装置(図2参照) 

c) 標準離解機 JIS P 8220に規定するもの。 

d) 上皿はかり ひょう量500g,感量0.5g。 

e) 恒温水槽 45±1℃に調節可能なもの。 

f) 

ビーカー JIS R 3503に規定する容量1 000mlのもの。 

g) メスシリンダ JIS R 3503に規定する容量100mlのもの。 

h) 三角フラスコ又は広口瓶 容量1 000mlのもの。 

i) 

ブフナ漏斗 

j) 

吸引瓶 

k) 温度計 100℃まで測定が可能なもの。 

6. 試薬 試薬は次による。 

a) 黒色染料(ディープブラック)1%溶液 

b) 塩化ナトリウム1%溶液 

7. 試料 

7.1 

化学パルプ 試料の調製は,次による。 

a) JIS P 8201によって採取したものから,全体を代表するように適切量を採る。 

b) JIS P 8222に従って,絶乾坪量約100g/m2の試験シート6枚を作製し,試験試料とする。 

7.2 

機械パルプ 試料の調製は,次による。 

a) JIS P 8201によって採取したものから,全体を代表するように適切量を採り,標準離解機でよく離解

し,脱水してパルプ濃度が約30%となるようにする。 

b) 離解したパルプから,絶乾質量2.5gを上皿はかりで正確に量り採る。 

c) ビーカーに移し,濃度が約5%となるように温水で希釈し,約50mlとする。 

d) 黒色染料(ディープブラック)1%溶液5mlを加えて10分間染色する。 

e) 塩化ナトリウム1%溶液5mlを加えて10分間色止めする。 

f) 

染色試料を目の開き0.150mm(JIS Z 8801参照)の金網を使用し,よく水洗する。 

g) 水で希釈し,全量を500mlとする。 

h) 0.3mm2以上のきょう雑物を含まないさらしパルプ(カナダ標準ろ水度約300csf)絶乾質量47.5gを適

切濃度でよく離解したものの中に,g)の染色試料液500ml(機械パルプ絶乾質量2.5gに相当)を加え

てよく混合する。 

i) 

JIS P 8222に従って,絶乾坪量約250g/m2の試験シート10枚を作製する。 

8. 操作 各試験シートを水で湿潤してから,きょう雑物測定装置のガラス板上に張り付け,次の基準(表

1)に適合したシート表面のきょう雑物の数を,きょう雑物計測図表によって大きさ別に計測する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1 きょう雑物測定基準 

さらしパルプ 

0.08mm2以上 

未ざらしパルプ及び機械パルプ 0.3mm2以上 

JIS P 8203に従って絶乾質量を測定する。 

9. 計算 きょう雑物の計算は,次による。 

000

1

)

(

Σ

Σ

×

×

g

M

A

D

i

i

ここに, 

D: きょう雑物 (mm2/kg) 

Ai: 計測図表の表示面積 (mm2) 

Mi: 全試料の表示面積別個数 

g: 各試験シートの絶乾質量 (g) 

機械パルプの場合は,各試験シートの絶乾質量に1005を乗じる。 

10. 試験結果の表し方 きょう雑物Dは,JIS Z 8401によって最初の3けた以外の数字が零となるよう,

整数に丸めて報告する。 

11. 報告 報告には,必要に応じて次の項目を記録する。 

a) 試料を特定するのに必要なすべての情報 

b) 規格名称又は規格番号及び本体の方法を使用したこと 

c) 試験に用いた試料の量 

d) 用いた試験シートの数 

e) きょう雑物の面積 (mm2/kg) 

f) 

試験中に観察された特徴的な事項 

g) その他必要とする事項 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

備考 図中の数字は各一群の図形の面積 (mm2) を表す。 

図1 きょう雑物計測図表のコピー 

参考 きょう雑物計測図表は,財団法人印刷局朝陽会(〒114-0003 東京都北区豊島4-2-4,TEL:

03-3913-5528)で販売している。 

図2 きょう雑物測定装置の例 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書1(規定) パルプ−ちり及び結束繊維の評価方法− 

    第1部:未ざらし化学パルプ 

1. 適用範囲 この附属書は,パルプ中のきょう雑物の評価方法について規定する。この方法は,原則と

してあらゆる種類のパルプに適用可能であるが,実用的には,さらしパルプ及び機械パルプ中のちり及び

結束繊維の評価には適さない。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

ISO 638 Pulps−Determination of dry matter content 

ISO 5263 Pulps−Laboratory wet disintegration 

ISO 5269-1 Pulps−Preparation of laboratory sheets for physical testing−Part 1 : Conventional 

sheet-former method 

ISO 5725 Precision of test methods−etermination of repeatability and reproducibility by inter-laboratory 

tests 

ISO 7213 Pulps−Sampling for testing 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。 

3.1 

ちり (dirt)  シート中に埋め込まれている非繊維物質で,反射光で見たとき,不透明性又は色がシ

ートの他の部分と明らかに区別できるもの。 

3.2 

結束繊維 (shives)  不透明,又は着色している木片若しくは繊維束で,シートの他の部分と区別で

きるもの。 

4. 原理 離解したパルプから調製した手すきシートを,セルロースに近い屈折率の液体で含浸し,反射

光によって,特定の大きさのちり及び結束繊維をすべて計測する。 

5. 装置及び補助材料 試験には,蒸留水又はろ過して浮遊粒子を除いた脱イオン水を用いる。 

一般的な実験装置のほか,次の装置及び器具を用いる。 

5.1 

手すき装置 手すき紙の調製装置及び調製手順は,ISO 5269-1に従うものとする。 

附属書1Aに示した装置を使ってシートを調製してもよい。ただし,これら二つのシート調製方法で得

られる結果は異なる可能性がある。 

5.2 

ろ紙 試験シートへの汚染を避けるため,目に見える異物,表面のちり,結束繊維などがないもの。 

5.3 

照明装置 白い背景に反射光を当てて試験シートを検査するのに適した構造とし,試験シートを走

査しやすくするために定規又は方眼を備えたもの(例えば,附属書1B参照)。 

5.4 

きょう雑物比較図 透明フィルム製で,面積ごとに異なった形状を配列したもの。形状の配列は,

横方向に形は異なるが面積が同じものを,縦方向に形は似ているが面積が異なるものを並べてある。 

附属書1Cにきょう雑物比較図のコピーを例示してある。きょう雑物比較図以外(附属書1C図1又はフ

ィルムコピー)を,測定に使用してはならない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.5 

含浸液 屈折率が約1.5のもの。毒性蒸気を発生する低沸点の液体は用いてはならない。 

参考 オリーブオイル及び液体パラフィンは,含浸液として適している。 

5.6 

試験シートの含浸 ゴム製のロール又は小さなブラシを用いて表面を傷つけないように行う。 

6. 試験シートの調製 

6.1 

試料採取 試験シートの調製には,できる限り代表的な試料を用いる。ISO 7213に従って最低24g

(絶乾)のパルプを採取する。 

6.2 

パルプの前処理 ISO 5263に従ってパルプを離解する。適切なシート調製装置 (5.1) によって,離

解した原料から坪量が60±3g/m2,面積200cm2の試験シート又は1.2±0.06gのシートを5枚調製する。1

枚ずつ,保護用のろ紙 (5.2) に挟んで乾燥する。 

備考 試験中にパルプが汚染されないように注意する。離解機及びシート調製装置の汚れ,腐食及び

付着物がないことを確認する。 

7. 手順 保護用のろ紙を取り除き,含浸液 (5.5) で,ローラ又はブラシを使って試験シートを含浸する。

反射光下で,シートの中及び表面にある小さなきょう雑物の数を数える。きょう雑物比較図 (5.4) に示す

面積既知の班点標本と比較することによって,きょう雑物の面積を求める。ちり及び結束繊維を別々に数

え,附属書1表1に従って面積によるグループ分けを行う。 

附属書1表1 きょう雑物の分類 

グループ 

面積 (mm2) 

≧5.00 

1.00−4.99 

0.40−0.99 

0.15−0.39 

計測方法: 

a) 未ざらし化学パルプから調製した試験シートはグループ1〜4 

b) セミケミカルパルプから調製した試験シートはグループ1〜3 

もし試験シート中のきょう雑物の総数が2以下の場合は,この試験法の適用性をも含めて慎重に判

断することが望ましい(1.を参照)。 

8. 計算及び報告 ちりの数及び結束繊維の数は,次の式で計算する。 

10

×

m

a

X=

ここに, X: パルプ1kg当たりのちり及び結束繊維の数(100個単位で表す) 
 

a: あるグループに含まれているちり又は結束繊維の数で,5枚の

シートの合計数 

m: 試験した5枚のシートの絶乾質量の合計 (g) 

ちり及び結束繊維の数を,7.のグループ分けに従って,次の精度で報告する。 

a) Xが30未満の場合,最も近い数字を1の単位で報告。 

b) Xが30以上の場合,最も近い数字を5の単位で報告。 

c) Xが500を超える場合,“500以上”と報告。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

9. 精度(参考) 誤差が生じる主原因は,同一試料から調製した個々の試験シート間で,量及び質的に

きょう雑物が不均一に分布していることによる。きょう雑物の測定精度は,きょう雑物総数の変動係数と

して表されるが,5枚の試験シートを用いて測定した場合には約11%である。この場合,ISO 5725による

繰返し精度は約30%である。 

10. 試験報告 試験報告には,次の項目を記録する。 

a) 試料を特定するのに必要なすべての情報 

b) 規格名称又は規格番号及び附属書1の方法を使用したこと 

c) 試験に用いた試料の量 

d) きょう雑物の数(100個/kg) 

e) 用いた試験シートの調製方法 

f) 

含浸した液体 

g) 用いた試験シートの数 

h) 試験中に観察された特徴的な事項 

i) 

その他必要とする事項 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書1A(規定) 

附属書1A図1 簡単なシート調製装置(5.1) 

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附属書1B(参考) 

照明装置の一例(5.3) 

照明装置の一例を,附属書1B図1に示す。この装置は白い背景と,円形の蛍光灯を装備した拡大

鏡から成り,拡大鏡は自在に動く腕に取り付けられている。きょう雑物の検査及びきょう雑物比較図

(5.4)との面積比較は,拡大鏡を通して行う。 

附属書1B図1 照明装置の一例(5.3) 

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附属書1C(参考) 

附属書1C図1 きょう雑物比較図のコピー 

参考 きょう雑物比較図(フィルム)が必要な場合には下記から入手できる。 

The Sales Department, ISO Central Secretariat, 1, rue de Varembe, CH-1211 Geneva 20. Switzerland 

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附属書2(規定) パルプ−ちり及び結束繊維の評価方法− 

 第2部:さらしパルプ 

1. 適用範囲 この附属書は,さらしパルプに含まれる目に見えるきょう雑物の評価方法について規定す

る。この方法は,フラッシュドライパルプ,機械パルプ又は未ざらしパルプには適用しない。また,坪量

が1 400g/m2を超えるシートには適用しない。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

ISO 5350-1 Pulps−Estimation of dirt and shives−Part 1 : Unbleached chemical pulps 

ISO 7213 Pulps−Sampling for testing 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。 

3.1 

結束繊維 (shives)  木片又は繊維束で,ほとんど不透明又はシートの他の部分と異なる色をしたも

の。 

3.2 

ちり (dirt)  シート中に埋め込まれている非繊維物質で,不透明性又は色がシートの他の部分と明

らかに区別できるもの。 

4. 原理 試料を透過光で検査し,0.04mm2以上のきょう雑物を,面積によって分類したグループごとに

数える。 

5. 装置 一般的な実験装置のほか,次による。 

5.1 

検査台 検査台は,試験片を人工的な昼光色を透過させて検査するのに適した照明装置を装備して

いるものとする。照明装置は,例えば,乳白色のアクリル板の下から,何本かの20Wの昼光色の蛍光灯ラ

ンプで照らすようなものがよい。照射光は均一で,アクリル板表面の光の密度が2 000cd/m2〜3 000cd/m2

のものがよい。 

備考 試験片の検査をしようとする領域には,あらかじめ印を付けておくか,又は面積既知のテンプ

レートを当てて領域を決める。 

5.2 

きょう雑物比較図 透明フィルム製で,面積ごとに異なった形状を配列したもの(附属書2A参照)。

きょう雑物比較図以外(附属書2A図1又はフィルムのコピー)を使用してはならない。 

参考 該当するISO規格 (ISO 5350-2) を購入すると,このきょう雑物比較図(フィルム)が添付さ

れている。 

6. 試料の調製 

6.1 

試料の採取 試料はISO 7213に従って採取する。試験に用いるパルプシートの総面積は,少なくと

も1m2になるようにする。 

6.2 

測定領域の選択 測定領域が,試料全体に均一に分布するように印を付け,検査総面積は少なくと

も0.5m2になるようにする。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.3 

パルプの絶乾質量の求め方 単位面積当たりの絶乾質量を求めるために,面積既知の試験片を切り

出す(例えば400cm2)。これを小さく引き裂いて絶乾質量を求める。 

7. 手順 シートの両側からパルプを検査する。きょう雑物の数を数え,きょう雑物比較図(5.2)を用いて,

附属書2表1に示したような面積によって分類する。数えたきょう雑物を丸印で囲み,裏面から数えたと

きに,同じきょう雑物を数えないようにする。両面計測結果の合計を全面積とする。0.04mm2未満のきょ

う雑物は無視する。 

参考 必要に応じて,ちり及び結束繊維を別々に数えてもよい。 

附属書2表1 きょう雑物の分類 

グループ 

面積mm2 

≧5.00 

1.00−4.99 

0.40−0.99 

0.15−0.39 

5(1) 

0.04−0.14 

注(1) グループ5に属するきょう雑物は,必要なときだけ数える。 

8. 結果の表し方 次の式を用いて,各グループのきょう雑物の数を別々に計算する。 

1

m

a

X=

ここに, 

  

2

1

2

1

A

A

m

m

×

又は,次の式を用いる。 

1

2

1

A

m

A

a

X

×

×

ここに, 

X: 各グループごとのちり及び/又は結束繊維の含有量(個/絶

乾質量 kg) 

a: 各グループのちり及び結束繊維の数(個) 

m1: ちり及び結束繊維を検査したパルプの絶乾質量 (kg) 

m2: 切り出した試料の絶乾質量 (kg) 

A1: 検査したパルプシートの面積 (m2) 

A2: 絶乾質量(6.3)を求めるために切り出した試料の面積 (m2) 

ちり及び結束繊維は,7.の分類に従って整数に丸め,グループごとの数だけでなく総数についても報告

する。 

9. 報告 試験報告には,必要に応じて次の項目を記録する。 

a) 試料を特定するために必要なすべての情報 

b) 規格名称又は規格番号及び附属書2の方法を使用したこと 

c) グループ別及び全体のきょう雑物の数(個/パルプkg) 

d) パルプシートの坪量 

e) 試験中に観察された特徴的な事柄 

f) 

その他必要とする事項 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書2A(参考) 

附属書2A図1 きょう雑物比較図 (5.2) のコピー 

参考 きょう雑物比較図(フィルム)が必要な場合には下記から入手できる。 

The Sales Department, ISO Central Secretariat, 1, rue de Varembe, CH-1211 Geneva 20. Switzerland 

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P 8208 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

尾 鍋 史 彦 

東京大学 

(副委員長) 

飯 田 清 昭 

紙パルプ技術協会 

(委員) 

生 田 章 一 

通商産業省生活産業局 

○ 宮 崎 正 浩 

工業技術院標準部 

○ 橋 本 繁 晴 

財団法人日本規格協会 

岡 山 隆 之 

東京農工大学 

堀   定 男 

日本製紙連合会 

吉 田 芳 夫 

王子製紙株式会社 

内 藤   勉 

日本製紙株式会社 

高 柳 充 夫 

王子製紙株式会社 

○ 原   啓 志 

三島製紙株式会社 

外 山 孝 治 

三菱製紙株式会社 

佐久間 雅 義 

北越製紙株式会社 

大豆生田  章 

大日本印刷株式会社 

細 村 弘 義 

富士ゼロックス株式会社 

○ 熊 谷   健 

熊谷理機工業株式会社 

○ 水 谷   壽 

株式会社東洋精機製作所 

○ 内 田   久* 

十條リサーチ株式会社 

○ 大 石 哲 久* 

紙パルプ技術協会 

紙パルプ試験規格委員会第1分科会 構成表 

氏名 

所属 

(第1分科会長) 

吉 田 芳 夫 

王子製紙株式会社 

(委員) 

倉 田 剛 志 

大蔵省印刷局研究所 

江 前 敏 晴 

東京大学 

重 本 匡 史 

株式会社日本紙パルプ研究所 

佐 野 文 男 

大昭和製紙株式会社 

古 市   浩 

中越パルプ工業株式会社 

佐 野   昭 

東海パルプ株式会社 

間 下   彰 

日本加工製紙株式会社 

加 納   直 

日本製紙株式会社 

JIS原案作成委員会の○印の委員 

(*印は,事務局兼務を示す)