L 1929:2019
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 品質······························································································································· 1
4.1 外観及び形状・寸法 ······································································································· 1
4.2 CIE明度指数 ················································································································ 2
5 材料······························································································································· 3
5.1 布地 ···························································································································· 3
5.2 プリント剤 ··················································································································· 3
6 プリント部の加工方法 ······································································································· 3
7 保管方法························································································································· 3
8 CIE明度指数測定方法 ······································································································· 3
8.1 分光測光器 ··················································································································· 3
8.2 測定方法 ······················································································································ 3
9 検査方法························································································································· 3
10 表示 ····························································································································· 3
附属書A(参考)WATクロスを用いた洗濯機械力試験方法 ·························································· 5
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まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人繊維評価技術協議会(JTETC)
及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出
があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
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洗濯機械力測定用試験布(WATクロス)
Standard fabrics for measuring mechanical action (WAT cloth)
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適用範囲
この規格は,家庭洗濯に対応する洗濯機械力測定用試験布(以下,WATクロスという。)について規定
する。
なお,WATクロスを用いた洗濯機械力試験方法を,附属書Aに記載する。
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引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS L 1930 繊維製品の家庭洗濯試験方法
JIS Z 8722 色の測定方法−反射及び透過物体色
JIS Z 8781-4 測色−第4部:CIE 1976 L*a*b*色空間
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用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
洗濯機械カ
洗濯時に被洗濯物が受ける物理的作用で,被洗濯物の表面摩擦,曲げ,及び伸長が複合した総合的な機
械的作用。
3.2
洗濯機械カ測定用試験布,WATクロス
綿100 %の平織組織の布地に酸化鉄を主成分とするプリント剤をプリントしたもので,洗濯時に被洗濯
物が受ける物理的作用(洗濯機械力)を,洗濯前後のCIE明度差(ΔL*)によって測定するための試験布。
通常は,WATクロス1シートは6枚つづりとなっている(図2参照)。
注記 WATクロスとは,Washing Action Test Clothの略称である。
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品質
4.1
外観及び形状・寸法
4.1.1
外観
目視で観察し,使用上有害な裂け,孔,汚れなどがあってはならない。
4.1.2
形状・寸法
WATクロス及び6枚つづりのWATクロスを,図1及び図2に示す。また,6枚つづりのWATクロスに
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は,図2に示す切取り線を施す。
WATクロスの形状・寸法は,0.5 mmまで測定できる直定規で測定し,次のとおりとする。
a) WATクロス(図1参照)
1) 布地 幅:210 mm±5 mm,高さ:44 mm±2 mm
2) プリント部 幅:68 mm±2 mm,高さ:44 mm±2 mm
b) 6枚つづりのWATクロス(図2参照) 幅:210 mm±5 mm,高さ:290 mm±10 mm
単位 mm
図1−WATクロスの形状・寸法
単位 mm
図2−6枚つづりのWATクロスの形状・寸法
4.2
CIE明度指数
プリント部のCIE明度指数は,a)及びb)を満足しなければならない。
a) 洗濯前 8.2 a)によって求めたCIE明度指数L*0値は,42.00±2.00とする。
b) 洗濯1回前後 8.2 b)によって求めたCIE明度差(ΔL*)は,5.50±1.50とする。
210±5
切取り線
290±10
210±5
44±2
68±2
プリント部
縫付用ガイド
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材料
5.1
布地
布地の仕様は,次による。
a) 綿100 %の精練漂白仕上げ加工布で,29.5 tex(20S)の単糸を用いて,たて糸及びよこ糸の密度がそれ
ぞれ65本±1本/25.4 mmの平織物とする。
b) 連続さらし(晒)をした布地にシルケット加工をしたもので,8.1に規定する分光測光器によって,JIS
Z 8781-4で規定するCIE明度指数L*値は,93〜94とする。
c) 仕上げ加工剤は使用しない。
5.2
プリント剤
プリント剤は,四酸化三鉄を主成分とする黒色顔料及び固着用樹脂とする。
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プリント部の加工方法
プリント部の加工方法は,5.2に規定するプリント剤を5.1に規定する布地に,ロータリーなっ(捺)染
によってプリントする。その後,ベーキング及び水洗を行う。
7
保管方法
WATクロスの保管方法は,6枚つづりの状態で高温・高湿を避け,チャック付きポリエチレン製の密閉
形樹脂製袋に入れて,直射日光を受けない冷暗所に保管する。
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CIE明度指数測定方法
8.1
分光測光器
JIS Z 8722の5.2(分光測光器)に規定するもので,測定に用いる光源は,D65光源で視野10°とする。
8.2
測定方法
CIE明度指数測定方法は,次による。
a) 洗濯前 WATクロスのプリント部の任意の3か所について,8.1に規定する分光測光器によって,JIS
Z 8781-4に規定するCIE明度指数L*値を測定する。得られたL*値の平均値を算出し,四捨五入によ
って小数点以下2桁に丸め,洗濯前のCIE明度指数(L*0)とする。
b) 洗濯1回前後 WATクロスをJIS L 1930の表F.1(C形基準洗濯機の洗濯方法)に規定するC4Nの条
件に従い1回洗濯する。その後,a)と同じ箇所のプリント部の3か所について,8.1に規定する分光測
光器によって,JIS Z 8781-4に規定するCIE明度指数L*値を測定する。得られたL*値の平均値を算出
し,四捨五入によって小数点以下2桁に丸め,洗濯後のCIE明度指数(L*1)とする。
洗濯1回前後の明度差は,洗濯後のCIE明度指数(L*1)から洗濯前のCIE明度指数(L*0)を差し
引くことによって,CIE明度差(ΔL*)を求める。
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検査方法
箇条8の測定によって,箇条4〜箇条6の規定に適合したものを合格とする。
なお,検査は,合理的な抜取検査方式によって行う。
10 表示
全ての要求事項に適合したWATクロスには,その一包装ごとに次の事項を表示する。
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a) 規格番号及びロット番号
b) 製造業者名又はその略号
c) 入り数
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附属書A
(参考)
WATクロスを用いた洗濯機械力試験方法
A.1 概要
この附属書は,WATクロスを用いた洗濯機械力試験方法について記載する。ただし,この試験方法は,
繊維製品の寸法変化率,染色堅ろう度などの評価は含まない。
A.2 装置及び材料
A.2.1 分光測光器
JIS Z 8722の5.2に規定するもの。測定に用いる光源は,D65光源で,視野10°とする。
A.2.2 負荷布
JIS L 1930の附属書H(洗濯に使用する負荷布の仕様)に規定するIII型負荷布。
A.3 測定
A.3.1 WATクロスの準備
6枚つづりのWATクロスから1枚ずつ切取り線に沿って切り離し,1洗濯試験ごとに3枚のWATクロ
スを準備する。
注記 WATクロスは,一般社団法人繊維評価技術協議会から有償で入手できる。
A.3.2 洗濯前の測定
WATクロス3枚の,それぞれのプリント部の任意の3か所,合計9か所について,A.2.1に規定する分
光測光器によって,JIS Z 8781-4に規定する洗濯前のCIE明度指数L*値を測定する。得られたL*値の平均
値を算出し,四捨五入によって小数点以下2桁に丸め,洗濯前のCIE明度指数(L*0)とする。
A.3.3 WATクロスの縫付け
A.3.2によって測色したWATクロスを負荷布の中央に1枚ずつ縫い付ける。WATクロスの縫付け方法の
例を,図A.1に示す。
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図A.1−WATクロスの負荷布への縫付けの例
A.3.4 試験布の洗濯機への投入方法
WATクロスの洗濯機への投入方法は,図A.2による。
WATクロス1枚を縫い付けた負荷布と負荷布4枚に,図A.2の①の負荷布5枚を下に重ねた負荷布合計
10枚を1ユニットとし,図A.2の②で表す。試験布としてWATクロスだけ使用する場合は,図A.2の①
(負荷布5枚)を図A.2の②の3ユニットの上に置く。図A.2の②は,1ユニットがWATクロスを縫い付
けた負荷布1枚+負荷布4枚+図A.2の①(負荷布5枚)からなり,3ユニットで合計30枚になる。図
A.2の①と3ユニットの図A.2の②とで併せて合計35枚となる。
WATクロスと同時にJIS L 1930の附属書JA(C形基準洗濯機による洗濯機械力測定方法及び測定結果)
に規定するMA試験布を投入する場合は,図A.2の③のように3段重ねにしたユニットの,下から2番目
のユニット及び1番目のユニットの各々の上部にMA試験布を縫い付けた負荷布を挿入する。このとき,
被洗濯物の総質量は,負荷布37枚でおよそ2 000 gとなる。
プリント部の両端から10 mm
の位置で負荷布に縫い止め
負荷布
WATクロス
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図A.2−WATクロスを縫い付けた負荷布の投入方法
(WATクロス及びMA試験布を使用する場合も含む。)の例
A.3.5 洗濯
A.3.3に示すようにWATクロスを縫い付けた負荷布を,A.3.4に規定する方法によって洗濯機へ投入し,
負荷布とともに求める洗濯機械力の洗濯条件によって洗濯する。
A.3.6 乾燥
洗濯が終了した後,WATクロスが縫い付けられた負荷布を取り出し,縫い付けを外してJIS L 1930の
10.1(自然乾燥)のいずれかによって乾燥する。
A.3.7 洗濯後の測定
乾燥後,洗濯前の測色条件と同条件で,洗濯後の各WATクロス3枚について,A.3.2と同じ箇所の各3
か所,合計9か所を,A.2.1に規定する分光測光器によって,JIS Z 8781-4に規定するCIE明度指数L*値
を測定する。得られたL*値の平均値を算出し,四捨五入によって小数点以下2桁に丸め,洗濯後のCIE明
度指数(L*1)とする。
A.4 CIE明度差の測定
A.3.2及びA.3.7の測定結果から,次の式によってCIE明度差(ΔL*)を求める。
ΔL*=L*1−L*0
ここに,
ΔL*: CIE明度差
L*1: 洗濯後のCIE明度指数の平均値
L*0: 洗濯前のCIE明度指数の平均値
A.5 試験報告書
試験報告書には,次の項目を記載する。
a) この規格の番号
b) 試験日時
c) WATクロスの規格番号及びロット番号
②WATクロスを縫い付けた負荷布
1枚+負荷布4枚+①=10枚を1
ユニットとする
WATクロスを縫い
付けた負荷布
① 負荷布×5枚
MA試験布も使う場合
は,MA試験布を縫い付
けた負荷布を2か所に
挟む
③WATクロス及びMA試験布を使用す
る場合は,負荷布5枚+3ユニット+
MA布縫付け負荷布2枚=37枚となる
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d) MA試験布を使用する場合は,ロット番号
e) 試験結果