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L 1021-19:2020  

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 スプレー抽出法によるクリーニング試験方法 ········································································· 2 

4.1 原理 ···························································································································· 2 

4.2 器具及び材料 ················································································································ 2 

4.3 試験片の調製 ················································································································ 2 

4.4 試験片の採取及び準備 ···································································································· 2 

4.5 手順 ···························································································································· 3 

4.6 試験報告書 ··················································································································· 4 

5 ロータリ形クリーニング試験機によるクリーニング試験方法 ···················································· 4 

5.1 原理 ···························································································································· 4 

5.2 装置及び洗剤 ················································································································ 4 

5.3 試験片の準備 ················································································································ 5 

5.4 手順 ···························································································································· 5 

5.5 試験報告書 ··················································································································· 5 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 7 

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(2) 

まえがき 

この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,日本カーペッ

ト工業組合(JCMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を

改正すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本産業規格で

ある。これによって,JIS L 1021-19:2007は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS L 1021の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS L 1021-1 第1部:物理試験のための試験片の採取方法 

JIS L 1021-2 第2部:く(矩)形の繊維製床敷物の寸法測定方法 

JIS L 1021-3 第3部:厚さの測定方法 

JIS L 1021-4 第4部:質量の測定方法 

JIS L 1021-5 第5部:単位長さ及び単位面積当たりのパイル数測定方法 

JIS L 1021-6 第6部:静的荷重による厚さ減少試験方法 

JIS L 1021-7 第7部:動的荷重による厚さ減少試験方法 

JIS L 1021-8 第8部:パイル糸の引抜き強さ試験方法 

JIS L 1021-9 第9部:剝離強さ試験方法 

JIS L 1021-10 第10部:水及び熱の影響による寸法変化の試験方法 

JIS L 1021-11 第11部:摩耗強さ試験方法 

JIS L 1021-12 第12部:ベッターマンドラム試験機及びヘキサポッドタンブラー試験機による外観変

化の作製方法 

JIS L 1021-13 第13部:外観変化の評価方法 

JIS L 1021-14 第14部:改良形ベッターマンドラム試験機によるカットエッジの機械的損傷試験方法 

JIS L 1021-15 第15部:ファイバーバインド試験方法 

JIS L 1021-16 第16部:帯電性−歩行試験方法 

JIS L 1021-17 第17部:電気抵抗測定方法 

JIS L 1021-18 第18部:汚れ試験方法 

JIS L 1021-19 第19部:クリーニング試験方法 

日本産業規格          JIS 

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繊維製床敷物試験方法−第19部: 

クリーニング試験方法 

Textile floor coverings-Part 19: Assessing methods for cleaning 

序文 

この規格は,2009年に第2版として発行されたISO 11379を基に,対応する部分については対応国際規

格を翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本産業規格であるが,対応国際規格には規定され

ていない規定項目を日本産業規格として追加している。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,スプレー抽出法による繊維製床敷物のクリーニング試験方法及びロータリ形クリーニング

試験機を用いた2−ステップ法による繊維製床敷物のクリーニング試験方法について規定する。 

この規格は,機械製及び手製の全ての種類の繊維製床敷物に適用できる。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 11379:2009,Textile floor coverings−Laboratory cleaning procedure using spray extraction(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水 

JIS L 0105 繊維製品の物理試験方法通則 

注記 対応国際規格:ISO 139,Textiles−Standard atmospheres for conditioning and testing 

JIS L 0212-1 繊維製品用語(衣料を除く繊維製品)−第1部:繊維製床敷物 

JIS L 0804 変退色用グレースケール 

JIS L 1021-1 繊維製床敷物試験方法−第1部:物理試験のための試験片の採取方法 

注記 対応国際規格:ISO 1957,Machine-made textile floor coverings−Selection and cutting of 

specimens for physical tests 

JIS L 1021-18 繊維製床敷物試験方法−第18部:汚れ試験方法 

JIS Z 8781-4 測色−第4部:CIE 1976 L*a*b*色空間 

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用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS L 0212-1による。 

スプレー抽出法によるクリーニング試験方法 

4.1 

原理 

繊維製床敷物の試験片を,スプレー抽出形クリーニング機を用いて,規定の手順で処理する。 

4.2 

器具及び材料 

4.2.1 

スプレー抽出形クリーニング機 クリーニング溶液を3.75 L/m2±0.25 L/m2で表面に噴霧でき,ク

リーニング口が40 mm/s±5 mm/sの速度で移動するクリーニング機。 

例えば,クリーニング口の幅が100 mm±5 mm,かつ,噴霧量が0.9 L/m2±0.1 L/m2,又はクリーニング

口の幅が200 mm±10 mm,かつ,噴霧量が1.8 L/m2±0.2 L/m2のクリーニング機を用いるとよい。 

なお,消泡剤は,スプレー抽出形クリーニング機の排水タンクで使い,供給タンクには使わない。 

4.2.2 

試験場所 例えば,作業台,テーブルの上,床など。 

4.2.3 

床敷物用接着剤又は両面粘着テープ 

4.2.4 

吸引専用クリーナー 空気流量が25 L/s±5 L/sのキャニスタータイプのもの。吸引面は(125 mm

±25 mm)×(15 mm±2.5 mm)とする。 

4.2.5 

クリーニング溶液 洗剤製造業者の指定する方法に基づいて調製したものを用いる。 

使用する洗剤は,この試験方法による単なる評価,又は床敷物の表面処理の効果を評価するのか,その

目的によって選定する。洗剤の選択は,表面処理の内容,又はこの後に供する試験の内容を考慮した上で

行う。 

4.3 

試験片の調製 

JIS L 0105に規定されている標準状態のいずれかで,24時間以上調製する。 

4.4 

試験片の採取及び準備 

各試料から,図1に示すように生産方向を長辺とする適当な大きさ(例えば,200 mm×300 mm)の試

験片を,JIS L 1021-1に従って採取する。 

床敷物用接着剤又は両面粘着テープを用いて,固定した試験片と同等の構造及び厚さのもので,試験片

の長さ及び幅より100 mm以上大きなカーペットで試験片の周りを囲む(図1参照)。このカーペットは,

試験片に色移りしないものであることを確認する。 

なお,試験片を他の試験,例えば,汚れ試験などに供するような場合は,あらかじめ寸法を測定し,配

置も目的に応じて調整する。 

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単位 mm 

 1 試験片を囲むカーペット 

2 試験片 
 

図1−試験片の寸法及び配置 

4.5 

手順 

4.5.1 

試験片の掃除を,ツーダブルストローク法で吸引専用掃除機を用いて行う。ツーダブルストローク

法は,前から後ろ方向へ続けて2回,後ろから前方向に2回掃除を行う方法とする。掃除は,全ての試験

片に均等に行き渡るように次の方法で行う。 

最初のツーダブルストローク法は,掃除機の吸込口の約50 %が試験片上に,約50 %が試験片の周囲を

囲んでいるカーペット上に載るようにして行う。その後の掃除は,最初のストローク方向に対して平行な

方向に掃除済みの部分が50 %ずつ重なるように行い,反対側の試験片の周囲を囲んでいるカーペット上に

掃除機の吸込口が到達した段階で,掃除を終了する。 

4.5.2 

クリーニング溶液を調製して,スプレー抽出形クリーニング機に入れる。クリーニングヘッドに取

り付け,クリーニング前に,クリーニング溶液の噴射温度を含めた適切な条件を得るためにスプレー抽出

形クリーニング機を始動しておく。 

4.5.3 

40 mm/s±5 mm/sの速度でクリーニングヘッドを移動させ,噴射及び抽出を行う。そのとき,クリ

ーニングの方向は,パイルの毛並みの向きに対して順方向(順目方向)及び逆方向(逆目方向)に行い,

単位面積当たりの噴霧量が得られるまで行う。最初のストロークは,クリーニングヘッドの約50 %が試験

片上に,約50 %が試験片の周囲を囲んでいるカーペット上に載るようにして行う。その後のクリーニング

は,クリーニング済みの部分が50 %ずつ重なるように行い,反対側の試験片の周囲を囲んでいるカーペッ

ト上にクリーニングヘッドが到達した段階で,クリーニングを終了する。 

なお,ごしごし洗うような操作は,行ってはならない。 

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4.5.4 

試験片を180°回転させ,4.5.3に規定する方法でクリーニングを行う。 

4.5.5 

試験片をほぼ恒量になるまで乾燥させ,標準状態(4.3参照)で24時間以上調製するか,又はその

後の試験で必要とされる条件で調製する。 

4.5.6 

4.5.1に規定する方法で,試験片を掃除する。最後の1回は,パイルの毛並みの向きに順目の方向

で行う。 

4.6 

試験報告書 

試験報告書には,次の事項を記入する。 

a) この規格番号及び箇条番号 

b) 試験した繊維製床敷物の明細 

c) 使用したスプレー抽出形クリーニング機の詳細 

d) 採用した標準状態 

e) クリーニング洗剤の詳細及びその濃度 

f) 

洗剤液の付与速度及びその時点の洗剤温度 

g) 試験年月日 

h) この試験を行った目的 

ロータリ形クリーニング試験機によるクリーニング試験方法 

5.1 

原理 

ロータリ形クリーニング試験機を用いて,2−ステップ法で繊維製床敷物の汚染した試験片にクリーニン

グを施し,試験前後の試験片の色相を比較して,評価を行う。 

5.2 

装置及び洗剤 

5.2.1 

ロータリ形クリーニング試験機 図2に示すように正転運動及び逆転運動する円形試験台,水噴射

ノズルを備えたバキューム装置及び試験台とは独立に回転する回転ブラシからなる試験機。主要部の仕様

は,次による。 

a) 試験台の回転数は,20 rpm±1 rpmとし,正転,逆転が可能である。 

b) 回転ブラシの回転数は,240 rpm±20 rpmとする。 

c) 回転ブラシは,上下に移動することができ,試験片への食い込み量を自由に変えることができる。 

d) 回転ブラシ及びブラシ毛は,次による。 

1) 回転ブラシの直径 46 mm 

2) ブラシ毛の素材 ナイロン66 

3) ブラシ毛の直径 0.3 mm 

4) ブラシ毛の長さ 15 mm 

5) 植込み本数 1ホール70本×24ホール,計1 680本 

5.2.2 

標準クリーニング液 純度95 %以上,かつ,硫酸塩0.2 %以下のラウリル硫酸ナトリウムを用いて,

JIS K 0557のA3に相当する水で5 g/Lに調製した溶液。 

5.2.3 

変退色用グレースケール JIS L 0804に規定するグレースケール。 

5.2.4 

測色計 繊維製床敷物の色を測ることができ,口径20 mm±0.5 mmの測色部をもち,測色結果を,

JIS Z 8781-4に規定するL*a*b*表色系におけるΔE*又はΔL*として表すことができる装置。 

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図2−ロータリ形クリーニング試験機 

5.3 

試験片の準備 

JIS L 1021-18の箇条6(ロータリ形タッピングソイル試験機による汚れ試験方法)によって,汚染した

試験片を2枚準備する。また,これと同じ大きさで,未汚染の試験片を1枚準備する。 

5.4 

手順 

手順は,次による。 

a) JIS L 1021-18の箇条6によって,汚染した試験片を図2に示すロータリ形クリーニング試験機の試験

台に固定し,回転ブラシを試験片のパイル長さ1) の約1/2の深さまで食い込ませる。このとき,回転

ブラシが屈曲していないことを確認する。回転ブラシに屈曲が認められたときは,食い込み量を少な

くし,その旨を付記する。 

注1) パイルの長さは,表面パイルに直定規を垂直に入れ,測定する。 

b) 回転ブラシを回転させつつ,ピペットなどを用いて回転ブラシに標準クリーニング液を5 mL 2) 滴下し

ながら,同時に試験台を回転させ,試験片表面を正転5回,逆転5回,正転5回及び逆転5回の計20

回ブラッシングを行う。 

注2) 泡立ちが不十分な試料については,泡立つのに十分な標準クリーニング液を用い,総量を付

記する。 

c) ブラッシング終了後,直ちにバキューム圧1.5 kPaで正転5回吸引し,洗剤の泡を除去し,次に噴射ノ

ズルから水を80 mL/minの流量で噴射しつつバキュームで正転5回リンスを行い,その後,再びバキ

ューム圧1.5 kPaで正転10回の吸引を行う。 

d) 試験片を室温下で十分に乾燥させ,試験前の試験片とクリーニング試験後の試験片との間に見える色

の開きを,JIS L 1021-18の6.6.1(変退色用グレースケールによる方法)及び6.6.2(測色計による方

法)と同様の方法によって測色又は判定する。 

5.5 

試験報告書 

試験報告書には,次の事項を記入する。 

a) 試験年月日 

b) 試験実施者名 

L 1021-19:2020  

c) この規格番号及び箇条番号 

d) グレースケールによる試験結果か,又は測色計による試験結果かの別 

e) 試験結果 

f) 

5 mL以上の標準クリーニング液を用いた場合は,使用した総液量(mL) 

g) 結果に影響を与えた可能性のある,この規格の規定以外の事項 

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附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS L 1021-19:2020 繊維製床敷物試験方法−第19部:クリーニング試験方法 

ISO 11379:2009,Textile floor coverings−Laboratory cleaning procedure using spray 
extraction 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規 
格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

1 適用範囲 

試験の種類,目的 

JISとほぼ同じ。 

変更 

国際規格と我が国独自のクリーニ
ング試験方法をまとめて一つの規
格としたため,国際規格の適用範囲
を書き改め,試験の種類及び目的を
示した。技術的差異はない。 

− 

2 引用規格 

3 用語及び定
義 

JIS L 0212-1による 

− 

追加 

JISではJIS L 0212-1を追加してい
る。 

JIS L 0212-1は用語の定義であり,
技術的な差異はない。 

5 ロータリ形
クリーニング
試験機による
クリーニング
試験方法 

− 

追加 

国際規格にはない,我が国の土壌汚
れに近い標準汚染物質の落ちやす
さを評価する目的から考案された
試験片のクリーニング方法の規定
項目を追加している。 

ISOに提言する。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 11379:2009,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD ··············· 国際規格を修正している。 

2

L

 1

0

2

1

-1

9

2

0

2

0