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L 0889:2014  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 要旨······························································································································· 1 

5 装置及び材料 ··················································································································· 2 

6 試験片の調製 ··················································································································· 3 

7 試験液の調製 ··················································································································· 3 

7.1 試験液の組成 ················································································································ 3 

7.2 試験液の調製 ················································································································ 3 

8 試験操作························································································································· 4 

9 判定······························································································································· 4 

10 記録 ····························································································································· 4 

附属書A(参考)過炭酸ナトリウムの有効酸素の測定方法 ··························································· 5 

附属書B(参考)試験液の調製手順 ························································································· 6 

附属書C(参考)つけ置き漂白・洗濯に対する染色堅ろう度試験方法 ············································· 8 

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(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,公益財団法人スガ

ウェザリング技術振興財団(SWTF)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して

日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した

日本工業規格である。これによって,JIS L 0889:1998は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

L 0889:2014 

酸素系漂白剤を用いる洗濯に対する 

染色堅ろう度試験方法 

Test method for colour fastness to laundering with oxygen bleach 

序文 

この規格は,1987年に制定され,その後2回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は1998年に

行われたが,その後の新しい技術的内容に対応するために改正した。 

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。 

適用範囲 

この規格は,染色した繊維製品の過炭酸ナトリウムを含む酸素系漂白剤を用いる洗濯に対する染色堅ろ

う度試験方法について規定する。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水 

JIS K 1408 けい酸ナトリウム(けい酸ソーダ) 

JIS K 3371 洗濯用合成洗剤 

JIS K 8283 くえん酸一水和物(試薬) 

JIS K 8625 炭酸ナトリウム(試薬) 

JIS K 8987 硫酸ナトリウム(試薬) 

JIS L 0801 染色堅ろう度試験方法通則 

JIS L 0804 変退色用グレースケール 

JIS Z 8802 pH測定方法 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS L 0801の箇条3(用語及び定義)による。 

要旨 

規定する方法に基づいて,漂白剤を用いる洗濯を行い,試験片の変退色の程度を,変退色用グレースケ

ールと比較するか,又は計器によって変退色等級を求めて,その堅ろう度を判定する。 

なお,つけ置き漂白・洗濯に対する染色堅ろう度試験方法については,附属書Cを参照するのがよい。 

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装置及び材料 

装置及び材料は,次による。 

a) 洗濯試験機 洗濯試験機は,試験片及び試験液を入れる試験瓶と,試験瓶を回転させる回転装置及び

試験瓶内の試験液を試験に必要な恒温に保つための恒温水槽又は恒温槽とからなり,それぞれ次の規

定に適合するものとする。装置の一例を図1に示す。 

1) 試験瓶 ガラス製又はステンレス鋼製のもので,回転に耐える密閉形の容量550 mL±50 mL(内径

75 mm±5 mm)の円筒形の瓶。 

なお,ステンレス鋼製のものを使用する場合はさびがあってはならない。 

2) 回転装置 電動機,回転軸及び回転軸に放射状に取り付けてある試験瓶保持器とからなり,試験瓶

保持器の保持軸の中心線と試験瓶の中心線とが同一線上になるように試験瓶が取り付けられるもの

で,1分間当たりの回転数は40回±2回で,恒温水槽又は恒温槽中で試験瓶を回転できるもの。 

なお,回転軸の中心から試験瓶の底までは,45 mm±10 mmとする。 

3) 恒温水槽又は恒温槽 加熱装置をもち,回転する試験瓶内の試験液を所定温度±2 ℃に保持できる

もの。 

正面図 

側面図 

図1−洗濯試験機の一例 

b) 過炭酸ナトリウム 有効酸素12 %以上,pH 10〜11(3 %水溶液)のもの(有効酸素の測定方法は,附

属書A参照)。また,pH測定は,JIS Z 8802による。 

c) 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム 平均分子量345±5,純分質量分率50 %以上,未反応

油分(原料アルキルベンゼン)質量分率1 %以下,硫酸ナトリウム分質量分率2 %以下,及び水分質

量分率50 %以下のもの。 

d) ゼオライト 4A型の結晶構造をもち,平均粒径10 μm以下のもの。 

e) けい酸ナトリウム JIS K 1408で規定する2号のもの。 

f) 

炭酸ナトリウム JIS K 8625で規定する特級のもの。 

g) カルボキシメチルセルロースナトリウム エーテル化度0.5〜0.8,純分(無水物として)質量分率91 %

以上,水分質量分率10 %以下,及び粘度25 ℃で500〜900 mPa・s(無水物換算で20 g/L水溶液)のも

の。 

h) 硫酸ナトリウム JIS K 8987で規定する特級のもの。 

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i) 

合成洗剤 合成洗剤は,表1による。 

なお,必要に応じてJIS K 3371の洗濯用合成洗剤の第1種又は第2種に適合し,漂白剤及び蛍光増

白剤を配合していない市販の合成洗剤を用いてもよい。その場合には,用いた市販の合成洗剤の品名

を試験報告書に付記する。 

表1−合成洗剤の成分 

単位 % 

成分 

質量分率 

直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム 

15.0 

ゼオライト 

17.0 

けい酸ナトリウム 

5.0 

炭酸ナトリウム 

7.0 

カルボキシメチルセルロースナトリウム 

1.0 

酸ナトリウム 

55.0 

注記 合成洗剤の成分はJIS K 3362の洗浄力判定用指標洗剤と同等である。 

j) 

漂白活性化剤 テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)。純分質量分率98 %以上のもの。 

k) くえん酸一水和物 JIS K 8283で規定する特級のもの。 

l) 

水 JIS K 0557に規定するA1の水。 

m) 変退色用グレースケール JIS L 0804に規定するもの。 

n) かくはん機 1分間当たりの回転数が1 000回以上でかくはんができるもの。 

試験片の調製 

a) 試料が布の場合 JIS L 0801の6.1(試験片の調製)によって,試料が布の場合には,100 mm×40 mm

とする。 

b) 試料が糸の場合 試料を長さ約100 mmに切断し,直径約5 mmの太さに平行に束ね,両端を結ぶか

又は100 mm×40 mmのポリプロピレン布の上に並べて縫い付ける。 

試験液の調製 

7.1 

試験液の組成 

試験液の組成は,表2による。 

表2−試験液の組成 

合成洗剤 

過炭酸ナトリウム 

漂白活性化剤(TAED) 

0.5 g/L 

8.2 g/L 

1.8 g/L 

7.2 

試験液の調製 

合成洗剤,漂白活性化剤(TAED)及び過炭酸ナトリウムをかくはん機を用いてかくはんしながら水に

溶解した後,表2の組成で25 ℃のときpH 8.5±0.3になるよう10 %くえん酸水溶液で調整する。調整後

は速やかに使用する。試験液の調製手順の一例を附属書Bに示す。 

注記 試験液は,1時間以上放置すると有効成分及びpHが変化するため,時間をおかずに使用するの

がよい。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

試験操作 

試験液がpH 8.5±0.3であることを確認し,100 mLを試験瓶の中へ入れ,試験瓶を予熱して試験液を

60 ℃±2 ℃にした後,試験片を入れて密閉し,洗濯試験機に取り付ける。試験機を60 ℃±2 ℃で30分

間運転した後,試験片を試験瓶から取り出し,水洗(25 ℃±2 ℃の水100 mLで1分間)を2回繰り返し

た後,JIS L 0801に規定する方法によって脱水し,室温で風乾する。 

判定 

試験片の変退色の判定は,JIS L 0801の箇条10(染色堅ろう度の判定)による。 

10 記録 

記録には,JIS L 0801の箇条11(試験報告書)によって,次のように記載する。 

例 酸素系漂白洗濯試験 変退色1-2級 

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附属書A 

(参考) 

過炭酸ナトリウムの有効酸素の測定方法 

試料(過炭酸ナトリウム)約0.15 gを採り,その質量を量って共栓付三角フラスコに移す。これに,水

30 mL,よう化カリウム(JIS K 8913に規定のもの)2 g及び硫酸(1+15)5 mL 1)を順次加え,直ちに栓

をして,暗所に30分間放置する。 

注1) 硫酸(1+15)5 mLの括弧内は,硫酸と水との体積比を示す。 

次に,この試料溶液に,ビュレットを用いて0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液(JIS K 8638に規定のも

の)を滴下し,試料溶液が淡黄色になってからでんぷん溶液1 mLを加える。さらに,でんぷん溶液によ

って生じた青色が消えるまで,0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液を滴下する。 

別に,水30 mL,よう化カリウム(JIS K 8913に規定のもの)2 g及び硫酸(1+15)5 mL 1)を順次加え,

直ちに栓をして,暗所に30分間放置した溶液で空試験を行い,次の式によって有効酸素濃度(%)を求め

る。 

100

80

000

.0

)

(

2

1

0

×

×

×

S

f

G

G

A=

ここに, 

A0: 有効酸素濃度(%) 

G1: 本試験における0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液の使用量

(mL) 

G2: 空試験における0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液の使用量

(mL) 

f: 0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液のファクター 

S: 試料の質量(g) 

さらに,でんぷん溶液の調製は,でんぷん(JIS K 8658に規定のもの)約1 gを少量の水で練り,熱水

約200 mLをかき混ぜながら加えた後,約1分間煮沸する。冷却後その上澄み液を用いる。この溶液は使

用の都度調製する。 

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附属書B 

(参考) 

試験液の調製手順 

B.1 

洗剤母液(10倍濃度)の調製 

表B.1によって各成分を正しく量り,約900 mLの水に入れ,かくはん機でかくはんしながら,表B.1

の順番に溶解又は分散した後,水を加えて1 000 mLとする。 

表B.1−洗剤母液(10倍濃度)の成分及び量 

成分 

量 

直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム 

0.75 g(純分) 

けい酸ナトリウム 

0.25 g(純分) 

炭酸ナトリウム粉末 

0.35 g 

硫酸ナトリウム粉末a) 

2.75 g 

カルボキシメチルセルロースナトリウム 

0.05 g 

ゼオライトb) 

0.85 g 

注a) 硫酸ナトリウムを添加すると液が白濁することがある。 

b) ゼオライトを加える際には,あらかじめ凝集物をつぶしておくと短時間

で均一分散できる。 

なお,箇条5の表1の合成洗剤又は市販の合成洗剤を用いて洗剤母液を調製する場合は,合成洗剤5 g

を水に溶解又は分散して1 000 mLとする。 

B.2 

過炭酸ナトリウム水溶液及び漂白活性化剤(TAED)水溶液(5倍濃度)の調製 

過炭酸ナトリウム8.2 gを水に溶解し,200 mLにする。漂白活性化剤(TAED)1.8 gを水に溶解し,200 

mLにする。 

注記 TAEDは65 ℃の湯浴中で約30分間かくはんすれば溶解するが,温度が低下すると析出する。

析出する前に,かくはんしながらB.3によって試験液を調製するのがよい。 

B.3 

試験液の調製 

ガラスビーカーに400 mLの水を入れ,かくはん機で,かくはんしながら表B.2によって試験液の成分

を上から順番に加え,5分間かくはん後,JIS Z 8802の8.2(測定方法)の操作方法に従いpHを測定しな

がら表B.3によって,10 %くえん酸水溶液を加えてpH 8.5±0.3に調整する。その後,更にかくはんし,水

を加えて1 000 mLとする。 

5分間かくはんした後,各試験瓶に試験液を100 mLずつ小分けする。 

注記1 洗剤成分には水に不溶の成分が含まれることがある。そのような試験液を各試験瓶に小分け

する際は,洗剤成分が沈降するのを防ぐため,よくかくはんしながら小分けするのがよい。 

注記2 試験液は1時間以上放置すると有効成分及びpHが変化するため,時間をおかずに使用する

のがよい。 

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表B.2−試験液の成分及び量 

成分 

量 

洗剤母液 

100 mL 

過炭酸ナトリウム水溶液 

200 mL 

漂白活性化剤(TAED)水溶液 

200 mL 

表B.3−pH調整液の成分及び量(参考) 

成分 

量 

10 %くえん酸水溶液 

30 mL 

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附属書C 
(参考) 

つけ置き漂白・洗濯に対する染色堅ろう度試験方法 

この方法は,汗試験機を用いる方法で主に家庭における過炭酸ナトリウム添加によるつけ置き漂白・洗

濯に対する染色堅ろう度試験に用いる。 

C.1 装置及び材料 

a) 汗試験機 汗試験機は,試験片又は複合試験片を数片,ガラス板又は硬質プラスチック板で交互に互

いにずれないように挟み,規定の荷重を加えることができ,その規定荷重を保ったまま試験片又は複

合試験片を垂直位置で保持できる装置であり,次の規定に適合するものとする(図C.1参照)。 

1) ガラス板又は硬質プラスチック板 試験液に影響を及ぼさない材質の平滑な面をもつもので,大き

さが約115 mm×約63 mm,厚さが1.5 mm〜3 mmのもの。 

2) 加圧部分 水平又は垂直位置に保った試験片にねじ式などの無段階的又はおもり式などの段階的に

約12.5 kPaの圧力がかけられるもの。 

注記 複合試験片の大きさが60 mm×60 mmの場合は約45 Nの力,100 mm×40 mmの場合は約

50 Nの力をかけると,約12.5 kPaの圧力になる。 

3) 保持部分 試験操作中,規定の圧力又は荷重で試験片を鉛直位置で止めることができ,37 ℃±2 ℃

の乾燥機中に保つことができるもの。 

注記1 試験液に接触する機会の多い部分は,JIS G 4303のステンレス鋼棒SUS 316Lなどの耐薬品

性材質とする。 

注記2 ガラス板又は硬質プラスチック板に挟む複合試験片の数は,通常20枚とし,20枚に満たな

いときはその数を記録に記載する。 

単位 mm 

図C.1−複合試験片の加圧保持状態図 

b) 過炭酸ナトリウム 箇条5 b)に規定のもの。 

c) 合成洗剤 箇条5 i)に規定のもの。 

なお,必要に応じて,JIS K 3371の洗濯用合成洗剤の第1種に適合し,漂白剤及び蛍光増白剤を配

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

合していない市販の合成洗剤を用いてもよい。その場合には,用いた市販の合成洗剤の品名を試験報

告書に付記する。 

d) 添付白布 JIS L 0803に規定のもの。 

e) 変退色用グレースケール JIS L 0804に規定のもの。 

f) 

汚染用グレースケール JIS L 0805に規定のもの。 

g) 乾燥機 JIS L 0801の箇条5 c)(乾燥機)に規定のもの。 

h) その他の装置及び材料 JIS L 0801の箇条5(試験に用いる共通的な装置及び材料)に規定のもの。 

C.2 複合試験片の調製 

次のa)〜c)に規定する事項を除き,JIS L 0801の6.2(複合試験片の調製)による。 

a) 試料が布の場合 100 mm×40 mmの大きさ2)の試験片を,これと同じ大きさの添付白布2枚の間に挟

み,2短辺をそれぞれ縫い合わせて複合試験片とする。 

注2) 60 mm×60 mmの大きさでもよい。 

b) 試料が糸の場合 試料を長さ約100 mm 3)に切断し,この切断した糸から100 mm×40 mmの大きさ2)

の添付白布2枚の約1/2の質量になる本数を採取する。次に,採取した糸を添付白布2枚の間に並べ,

糸を保持できるように2短辺だけをそれぞれ縫い合わせる。 

なお,布状に編んで,約100 mm×40 mmの大きさ2)として複合試験片を調製してもよい。 

注3) 複合試験片を60 mm×60 mmの大きさに調製するときは,試料の長さは約60 mmでよい。 

c) 試料がばら繊維の場合 100 mm×40 mmの大きさ2)の添付白布2枚の約1/2の質量の試料を採り,こ

れをくしけずって押し付け,100 mm×40 mmの大きさ2)の薄い層にし,添付白布2枚の間に挟み,4

辺をそれぞれ縫い合わせて複合試験片とする。 

C.3 操作 

操作は,次による。 

試験液の組成及び試験条件は,表C.1による。 

表C.1−試験液の組成及び試験条件 

試験液の組成 

過炭酸ナトリウム 

5 g/L 

合成洗剤 

1.3 g/L 

試験条件 

浸せき 

液量 

100 mL 

処理温度 

40±2 ℃ 

処理時間 

2 h 

汗試験機
による加
圧保持 

圧力 

約12.5 kPa 

処理温度 

37±2 ℃ 

処理時間 

4 h 

表C.1に従い,ビーカーに水を100 mL採り,規定の温度となるように恒温水槽中でビーカーを予熱し

た後,過炭酸ナトリウム及び合成洗剤を規定量入れて約1分間ガラス棒でかき混ぜ,試験液を調製する。

次に,この試験液に複合試験片を入れ,規定の温度で規定の時間浸せき4)する。浸せき後,複合試験片を

取り出し,2本のガラス棒の間に挟んで余分な試験溶液を絞り取り,図C.1のようにガラス板又は硬質プ

ラスチック板2枚の間に挟み,汗試験機に取り付けて規定の荷重を加え,複合試験片が底面に対し,垂直

になるように汗試験機を規定の温度の乾燥機中に入れて,規定の時間保持する。 

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10 

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注4) 浸せき中,微細な気泡で複合試験片が液面に浮いた場合,ガラス棒で押し戻すようにする。 

規定の時間保持後,乾燥機から汗試験機を取り出して複合試験片を取り外し,水洗(25 ℃±2 ℃の水

100 mLで1分間)を2回繰り返す。次に,複合試験片を2本のガラス棒の間に挟んで余分な水分を絞り取

り,図C.2のように縫い目の1辺で接触するように試験片と添付白布とを離し,60 ℃を超えない温度の空

気中で乾燥する。また,必要がある場合には,過炭酸ナトリウムを含まない試験液を用いて,同様の試験

(以下,“空試験”という。)を同時に行い,両者を比較し,その旨付記する。 

図C.2−乾燥方法 

C.4 判定 

試験片の変退色及び添付白布の汚染の判定は,JIS L 0801の箇条10(染色堅ろう度の判定)による。 

C.5 記録 

記録には,JIS L 0801の箇条11(試験報告書)によって,次のように記載する。 

例1 空試験を行わなかった場合 

つけ置き試験(JIS L 0889の附属書C)変退色3級,汚染3級(綿),4級(絹) 

例2 空試験を行った場合 

つけ置き試験(JIS L 0889の附属書C)変退色3級,汚染3級(綿),4級(絹) 

空試験(つけ置き試験)(JIS L 0889の附属書C)変退色4-5級,汚染4級(綿),4-5級(絹) 

参考文献 JIS G 4303 ステンレス鋼棒 

JIS K 3362 家庭用合成洗剤試験方法 

JIS K 8638 チオ硫酸ナトリウム(試薬) 

JIS K 8658 でんぷん(試薬) 

JIS K 8913 よう化カリウム(試薬) 

JIS K 8951 硫酸(試薬) 

JIS L 0803 染色堅ろう度試験用添付白布 

JIS L 0805 汚染用グレースケール