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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

L 0210-1981 

繊維用語(製織部門) 

Glossary of Terms Used in Textile Industry (Weaving Section)  

1. 適用範囲 この規格は,繊維工業において製織準備及び製織部門の操作術語として用いる主な用語に

ついて規定する。 

関連規格:JIS L 0306 製織機械用語 

2. 分類 繊維用語(製織部門)は,次の2分類とする。 

(1) 製織準備 

(2) 製織 

3. 番号,用語,読み方及び意味 番号,用語,読み方及び意味を次のとおり定める。 

なお,参考として対応英語を示す。対応英語のないものについてはこれを省略する。 

3.1 

製織準備 

番号 

用語 

読み方 

意味 

対応英語(参考) 

1101 

あや 

糸の乱れを防ぎ,取扱いを便利にするた
め糸に与える秩序。 

lease 

1102 

あや詰り 

あやつまり 

操作中にたて糸シートの配列が乱れる
ことで,あぜ詰りともいう。 

− 

1103 

あや取り 

あやとり 

多数のたて糸にそれぞれあやを取って1
列に並べること。 

leasing, lease rod 

threading 

1104 

あや外れ 

あやはずれ 

チーズ又はコーンの端面で糸が外れる
こと。 

cob-webbing 

1105 

あや振り 

あやふり 

巻かれる糸に往復運動を与えること。 

traverse 

1106 

糸層 

いとそう 

チーズ,コーン又は整経ビーム等の糸の
層。 

yarn layer 

1107 

オープンワイン
ド 

あや振りをしながら密接させないで糸
を巻く方法。 

open winding 

1108 

菊巻き 

きくまき 

チーズ,コーン又は整経ビーム等の端面
にできる菊花状のしわ。 

wrinkles 

1109 

管 

くだ 

よこ糸をシャットルに収容しやすい形
に巻いたもの。 

pirn, weft bobbin, cop 

1110 

管巻き 

くだまき 

管に糸を巻くこと。 

pirn winding, quilling 

1111 

繰返し 

くりかえし 

木管に巻かれた糸やかせ状になってい
る糸を巻返すこと。 

winding 

1112 

クローズワイン
ド 

あや振りをしながら密接して糸を巻く
方法。 

close winding 

1113 

スナール 

加ねんした糸がゆるんだときに,よりの
ためにできた糸のもつれ。 

snarl 

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L 0210-1981  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み方 

意味 

対応英語(参考) 

1114 

ハネカムワイン
ド 

はちの巣のように糸を交錯させて巻く
方法。 

honeycomb winding 

1115 

バルジ 

糸巻端面のふくれ出し。 

bulge 

1116 

巻き角 

まきかく 

チーズ又はコーンの糸と中心軸とのな
す角度。 

winding angle 

1117 

耳上がり 

みみあがり 

ビーム又はつば付きボビンの耳の部分
の糸層が盛り上がること。 

− 

1118 

耳落ち 

みみおち 

ビーム又はつば付きボビンの耳の部分
の糸層がへこみ又は外れること。 

− 

1119 

リボン巻き 

りぼんまき 

チーズ又はコーン上の同位置に糸が集
まってリボンを巻いたような外観を呈
すること。 

ribboning 

1120 

ワインド数 

わいんどすう 

1あや振り間のボビン回転数の21。 

number of wind 

1121 

1本のり付け 

いっぽんのり
つけ 

たて糸を1本ずつのり付けすること。 

one thread sizing 

1122 

かせのり付け 

かせのりつけ 

かせの状態で行うのり付け。 

hank sizing 

1123 

毛羽伏せ 

けばふせ 

糸の毛羽を伏せること。 

fluff binding 

1124 

先のり 

さきのり 

しぼ織物をつくるときに、より大きなし
ぼ効果が得られるように,ねん糸以前の
工程で糸にのりを付けること 

− 

1125 

つぼのり付け 

つぼのりつけ 

1本又は数本の糸をのりつぼに通して行
うのり付け。 

pot sizing 

1126 

テープのり付け 

てーぷのりつ
け 

テープ状で行うのり付け。 

tape sizing 

1127 

のり付け 

のりつけ 

たて糸などにのりを付けること。 

sizing 

1128 

のりむら 

のりの付着むら。 

uneven sizing 

1129 

ビームのり付け 

びーむのりつ
け 

所定の本数の整経ビームを並べて同時
にのり付けすること。 

beam sizing 

1130 

マルチプルサイ
ジング 

異種のたて糸を混用する場合などに,こ
れを2組以上ののり付装置でのり付けす
る方法。 

multiple sizing 

1131 

ローラのり付け 

ろーらのりつ
け 

糸をのり付ローラに接触させて行うの
り付け。 

roller sizing 

1132 

オイリング 

糸に油剤などを付けること。 

oiling 

1133 

前付染め 

まえつけぞめ 

主としてたてじまなどの織物欠点を本
加工を行う前に生機でチェックするた
めに染めること。 

pre-dyeing 

1134 

見分け染め 

みわけぞめ 

より方向,糸の種類などを区別するため
に仮りに色を付けること。 

− 

1135 

ワキシング 

糸にワックスを付けること。 

waxing 

1136 

整経 

せいけい 

製織準備のために個々のたて糸を所定
の本数,長さ及び張力に規正し,所定の
幅に均整に配列してドラム又はビーム
に巻上げること。 

warping 

1137 

整経長 

せいけいちょ
う 

整経するたて糸の長さ。 

warping length 

1138 

整経幅 

せいけいはば 

整経するたて糸列の幅。 

warping width 

1139 

整経ビーム 

せいけいびー
む 

整経したたて糸をビームに巻いたもの。 warperʼs beam 

1140 

ビーム 

糸や布を円筒などに巻いたもの。 

beam 

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L 0210-1981  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み方 

意味 

対応英語(参考) 

1141 

ビーム整経 

びーむせいけ
い 

整経ビームから整経する方法。 

beam warping 

1142 

部分整経 

ぶぶんせいけ
い 

たて糸の全幅をいくつかの部分に分け
て部分整経ドラムに逐次巻き,所要の通
し幅及び糸本数にする整経法。 

sectional warping 

1143 

糸結び 

いとむすび 

1本又は多数の糸を結ぶこと。 

knotting 

1144 

小間結び 

こまむすび 

糸結びの一種で,1本の糸で開き目をつ
くり,他方の糸で閉じ目をつくり,から
ませて結びつけること。 

reef knot 

1145 

機結び 

はたむすび 

糸結びの一種で,2本の糸でそれぞれ開
き目をつくり,からませて結びつけるこ
と。 

weaverʼs knot 

1146 

より付け 

よりつけ 

糸結びの一種で,糸の端をよって結びつ
けること。 

− 

1147 

おさ荒れ 

おさあれ 

たて糸の配置がおさのピッチの不同で
乱れること。 

− 

1148 

引通し 

ひきとおし 

たて糸をドロッパ,ヘルド,おさなどの
目に引通すことで,引込みともいう。 

drawing-in 

1149 

機掛け 

はたかけ 

織機上にたて糸を仕掛けること。 

looming 

3.2 

製 織 

番号 

用語 

読み方 

意味 

対応英語(参考) 

2101 

機織 

きしょく 

力織機で製織すること。 

machine weaving 

2102 

製織 

せいしょく 

織物を織ること。 

weaving 

2103 

手織 

ており 

手機で製織すること。 

hand weaving 

2104 

イージングモー
ション 

開口時のたて糸ひずみを緩和するため
に行う運動。 

easing motion 

2105 

上口 

うわくち 

ひ口の上線となるたて糸だけを引上げ
て作るひ口。 

over shed 

2106 

カード節約 

かーどせつや
く 

用いるカード数が非常に多いとき,同じ
運動を繰返す部分のカードを節約する
こと。 

− 

2107 

開口 

かいこう 

所定のひ口を作ること。 

shedding 

2108 

口合わせ 

くちあわせ 

口出ししたり,織り前位置の調整をした
りすること。 

− 

2109 

口出し 

くちだし 

織機でよこ切れなどがあったとき所望
のひ口を見出すこと。 

pick finding 

2110 

下口 

したくち 

ひ口の下線となるたて糸だけを引下げ
て作るひ口。 

under shed 

2111 

全開口 

ぜんかいこう 

ひ口の上下線となるたて糸中から必要
なたて糸を引上げ引下げて作るひ口。 

open shed 

2112 

たて糸線 

たていとせん 

ひ口を閉じたときに,たて糸のなす線。 warp line 

2113 

たて継ぎ 

たてつなぎ 

たて糸を継ぐこと。 

warp tying 

2114 

たて止まり 

たてどまり 

たて糸が切れて織機が止まること。 

warp stop 

2115 

中口 

なかくち 

ひ口を閉じた位置から必要なたて糸を
引き上げ引き下げて作るひ口。 

center shed 

2116 

ひ口 

ひぐち 

たて糸とよこ糸を交錯させるために,た
て糸を上下に分けてつくったよこ糸の
挿入口。 

shed 

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L 0210-1981  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み方 

意味 

対応英語(参考) 

2117 

上打ち 

うわうち 

ピッキングステッキの支持点がひ道の
上位にあるひ投げ。 

over pick 

2118 

追いひ 

おいひ 

一方のひ箱側から連続してひ投げをす
ること。 

pick and pick 

2119 

おさ返し 

おさかえし 

シャットルが完全にひ箱に入らず途中
で止まったとき,たて糸を切らぬようお
さを後方に反転すること。 

reed fly back 

2120 

管替え 

くだがえ 

管を替えること。 

cop changing, cop 

change 

2121 

管崩れ 

くだくずれ 

管に巻かれた糸層が崩れること。 

slough-off 

2122 

さい打ち 

さいうち 

ひ道にシャットルがあるのによこ打ち
すること。 

− 

2123 

下打ち 

したうち 

ピッキングステッキの支持点がひ道の
下位にあるひ投げ。 

under pick 

2124 

捨て糸 

すていと 

ジェットルームでノズルの反対側で余
分なよこ糸を処理する糸で,糸端処理糸
又は捨て耳糸ともいう。 

− 

2125 

先行角 

せんこうかく 

流体がノズルから噴射し始めた後,よこ
糸が飛走を始めるまでの時間をクラン
ク角度で表示したもの。 

− 

2126 

たて糸保護 

たていとほご 

シャットルが所定時にひ箱に入らない
ときの事故を防止すること。 

warp protecting 

2127 

中打ち 

なかうち 

下打ちの一種で,ピッキングステッキの
中間でこれを駆動する方式のひ投げ。 

center pick 

2128 

ひ替 

ひがえ 

シャットルを替えること。 

shuttle changing 

2129 

飛走角 

ひそうかく 

よこ糸がたて糸開口部を飛走する時間
をクランク角度で表示したもの。 

− 

2130 

ひ投げ 

ひなげ 

シャットルをひ口に通すこと。 

picking 

2131 

ひ箱運動 

ひばこうんど
う 

多丁び織機において,ひ箱の交換を行う
こと。 

box motion 

2132 

噴射角 

ふんしゃかく 

ジェットルームで流体がノズルから噴
射し続けている時間をクランク角度で
表示したもの。 

− 

2133 

よこ入れ 

よこいれ 

ひ口によこ糸を通すこと。 

weft inserting 

2134 

よこ止まり 

よこどまり 

よこ糸が切れて織機が止まること。 

weft stop 

2135 

おさ打ち 

おさうち 

よこ入れされた糸を織前に押しつける
ことで,よこ打ちともいう。 

beating, 
beat up 

2136 

送出し 

おくりだし 

たて糸を送出すこと。 

letting-off, let-off 

2137 

下心 

かしん 

クランクが垂直真下にある位置。 

bottom center 

2138 

空止まり 

からどまり 

製織中に,はっきりした原因がないのに
停止すること。 

− 

2139 

後死点 

こうしてん 

おさが最後位にあるクランクの位置。 

back point, back dead 

center 

2140 

後心 

こうしん 

クランクが織り前の反対方向で水平に
なる位置。 

back center 

2141 

消極送出し 

しょうきょく
おくりだし 

ラッフル面の摩擦制動力と,たて糸張力
とのつりあい関係を利用して,たて糸を
送出すこと。 

negative let-off, 

negative letting-off 

2142 

上心 

じょうしん 

クランクが垂直真上にある位置。 

top center 

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L 0210-1981  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み方 

意味 

対応英語(参考) 

2143 

積極送出し 

せっきょくお
くりだし 

クランク軸又はスレーソードと連動す
る適当な伝動機構を利用して,計画的に
一定長のたて糸を送出すこと。 

positive let-off, 

positive letting-off 

2144 

前死点 

ぜんしてん 

おさが最前位にあるときのクランクの
位置で,おさ打ち点ともいう。 

beating point, 
front dead center 

2145 

前心 

ぜんしん 

クランクが織り前方向で水平になる位
置。 

front center 

2146 

消極巻取り 

しょうきょく
まきとり 

おさ打ちに伴う布張力の変化を毎回の
巻取長に影響させること。 

negative take-up, 

negative taking-up 

2147 

積極巻取り 

せっきょくま
きとり 

おさ打ち時の布張力の変化に関係なく
一定長の巻取りを行うこと。 

positive take-up,

positive taking-up 

2148 

巻取り 

まきとり 

織り上がった布を自動的に巻き取るこ
と。 

taking-up, take up 

2149 

おさ幅 

おさはば 

おさを入れうる最大幅。 

reed space 

2150 

おさ密度 

おさみつど 

単位長間のおさ羽の数。 

number of dent per 

unit length 

2151 

織上げ長 

おりあげちょ
う 

生機の長さ。 

length of gray cloth 

2152 

織上げ幅 

おりあげはば 

生機の幅。 

width of gray cloth 

2153 

織り前 

おりまえ 

たて糸だけの部分と,織られた布との境
界線。 

cloth fell 

2154 

織付け 

おりつけ 

機掛け終了後,正常運転に入るまでの操
作。 

gaiting 

2155 

織付け布 

おりつけぬの 

織付けに用いる布。 

remnant cloth, apron 

2156 

仮織 

かりおり 

ほぐし織などを織る場合に,な染作業な
どで,たて糸を乱さぬために,よこ糸を
極めて粗く織りこむこと。 

− 

2157 

最大通し幅 

さいだいとお
しはば 

織機のおさにたて糸を通し,製織できる
最大のおさ通し幅。 

maximum warp width 

in reed 

2158 

試織 

ししょく 

試みに織ること。 

test weaving 

2159 

たて上がり 

たてあがり 

織機に装備されたたて糸を全部織り終
わること。 

− 

2160 

通し幅 

とおしはば 

おさに通したたて糸の幅。 

drafting width 

2161 

中耳 

なかみみ 

織物幅の中間に耳を作ること。 

center selvedge 

making 

2162 

耳組み 

みみくみ 

無ひ織機で耳組みをしっかりする組織
をつくること。 

−