2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 9569-1994
N−ベンゾイル−N−
フェニルヒドロキシルアミン(試薬)
N-Benzoyl-N-phenylhydroxylamine
C13H11NO2 FW : 213.24
1. 適用範囲 この規格は,試薬として用いるN−ベンゾイル−N−フェニルヒドロキシルアミンについ
て規定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法
JIS K 0117 赤外分光分析方法通則
JIS K 8001 試薬試験方法通則
2. 共通事項 この規格に共通する事項は,JIS K 8001による。
3. 種類 特級
4. 性質 N−ベンゾイル−N−フェニルヒドロキシルアミンは,次の性質を示す。
(1) 性状 N−ベンゾイル−N−フェニルヒドロキシルアミンは,白〜ほとんど白の結晶又は粉末で,エタ
ノールに溶けやすく,ジエチルエーテルにやや溶けにくく,水にほとんど溶けない。融点は,約122℃
である。
(2) 定性方法 試料の赤外吸収スペクトルをJIS K 0117によって測定すると,波数3 100cm-1,2 800cm-1,
1 620cm-1,1 380cm-1,1 000cm-1,910cm-1,780cm-1,760cm-1及び690cm-1付近に主な吸収を認める。
この場合,試料調製はJIS K 0117の6.2(1)(錠剤法)による。赤外吸収スペクトルの一例を図1に示
す。
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図1 赤外吸収スペクトルの一例
5. 品質 品質は,6.によって試験し,表1に適合しなければならない。
表1 品質
項目
規格値
純度
98.0%以上
強熱残分(硫酸塩)
0.1%以下
バナジウム分析適合性
試験適合
6. 試験方法 試験方法は,次のとおりとする。
(1) 純度 98.0%以上
試料0.3g(0.1mgのけたまではかる)→ケルダールフラスコ300mlに入れる→JIS K 8001の5.12(2)
(マクロケルダール法)による。分解は内容物がうすい緑になってから,更に3時間加熱する。
0.05mol/l硫酸1mlは,0.021 324gC13H11NO2に相当する。
(2) 強熱残分(硫酸塩) 0.1%以下
JIS K 0067の4.4.4(4)(第4法 硫酸塩として強熱する方法)(4.2)による。試料1.0gを用い,残分
1mg以下。
(3) バナジウム分析適合性
試料溶液:試料100mg→全量フラスコ100mlに入れる→クロロホルムを標線まで加える→その10ml
(正確にとる)→全量フラスコ100mlに入れる→クロロホルムを標線まで加える。
測定溶液:バナジウム標準溶液 (0.01mgV/ml) (1)5ml(正確にとる)→分液漏斗50mlに入れる+塩酸 (2
+1) 10ml+試料溶液10ml(正確にとる)→振り混ぜる→放置→クロロホルム層をろ紙でこす。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
空試験液:水5ml→分液漏斗50mlに入れる+塩酸 (2+1) 10ml+試料溶液10ml(正確にとる)→振り
混ぜる→放置→クロロホルム層をろ紙でこす。
操作:吸収セル10mmを用い,波長530nm付近の吸収極大の波長における測定溶液の吸光度を,空試
験液を対照液として測定……吸光度0.40以上。
吸収セル10mmを用い,波長530nmにおける空試験液の吸光度を,クロロホルムを対照液として測
定……吸光度0.02以下。
注(1) バナジウム標準液 (0.01mgV/ml) の調製 バナジン (V) 酸アンモニウム2.30gを全量フラスコ
1 000mlに入れる→水を標線まで加える→その10mlを全量フラスコ1 000mlに入れる→水を標線
まで加える。
7. 容器 遮光した気密容器とする。
8. 表示 容器には,次の事項を表示しなければならない。
(1) 名称 “N−ベンゾイル−N−フェニルヒドロキシルアミン”及び“試薬”の文字
(2) 種類
(3) 化学式,式量
(4) 品質(純度)
(5) 内容量
(6) 製造番号
(7) 製造業者名又はその略号
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原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
久保田 正 明
物質工学工業技術研究所計測化学部
細 川 幹 夫
通商産業省基礎産業局生物化学産業課
津 田 博
通商産業省機械情報産業局計量行政室
地 崎 修
工業技術院標準部繊維化学規格課
喜多川 忍
通商産業検査所化学部化学標準課
野々村 誠
都立工業技術センター無機化学部
加 山 英 男
財団法人日本規格協会
石 橋 無味雄
厚生省国立衛生試験所
川 瀬 晃
社団法人日本分析化学会
柳 瀬 斉 彦
社団法人日本化学工業協会
藤 貫 正
社団法人日本分析化学会
並 木 昭
財団法人化学品検査協会
鶴 田 利 行
硫酸協会
中 村 靖
日本鉱業協会
大 槻 孝
社団法人日本鉄鋼協会
日 暮 喜八郎
第一化学薬品株式会社
北 田 佳 伸
和光純薬工業株式会社
高 野 虞美子
東京化成工業株式会社
中 村 穣
森田化学工業株式会社
山 岡 宏
片山化学工業株式会社
飯 岡 寛 一
柳島製薬株式会社
山 田 和 夫
関東化学株式会社
(事務局)
平 井 信 次
日本試薬連合会