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K 8875:2013  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 種類······························································································································· 2 

4 性質······························································································································· 2 

4.1 性状 ···························································································································· 2 

4.2 定性方法 ······················································································································ 2 

5 品質······························································································································· 2 

6 試験方法························································································································· 2 

6.1 一般事項 ······················································································································ 2 

6.2 純度(Mg) ·················································································································· 2 

6.3 銅(Cu),亜鉛(Zn),アルミニウム(Al),けい素(Si),マンガン(Mn)及び鉄(Fe) ··········· 4 

7 容器······························································································································· 7 

8 表示······························································································································· 7 

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(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

試薬協会(JRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正

すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS K 8875:1996は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 8875:2013 

マグネシウム(試薬) 

Magnesium (Reagent) 

Mg  FW:24.305 0 

序文 

この規格は,1953年に制定され,その後4回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は,1996年に

行われたが,その後の試験・研究開発などの技術進歩に対応するために改正した。 

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。 

適用範囲 

この規格は,試薬として用いるマグネシウムについて規定する。 

警告 マグネシウムは可燃性なので,火気を避ける。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0116 発光分光分析通則 

JIS K 0970 ピストン式ピペット 

JIS K 8001 試薬試験方法通則 

JIS K 8005 容量分析用標準物質 

JIS K 8085 アンモニア水(試薬) 

JIS K 8101 エタノール(99.5)(試薬) 

JIS K 8103 ジエチルエーテル(試薬) 

JIS K 8107 エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物(試薬) 

JIS K 8116 塩化アンモニウム(試薬) 

JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8160 塩化マンガン(II)四水和物(試薬) 

JIS K 8180 塩酸(試薬) 

JIS K 8255 硫酸カリウムアルミニウム・12水(試薬) 

JIS K 8541 硝酸(試薬) 

JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8625 炭酸ナトリウム(試薬) 

JIS K 8736 エリオクロムブラックT(試薬) 

JIS K 8885 二酸化けい素(試薬) 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS K 8953 硫酸亜鉛七水和物(試薬) 

JIS K 8982 硫酸アンモニウム鉄(III)・12水(試薬) 

JIS K 8983 硫酸銅(II)五水和物(試薬) 

JIS R 3505 ガラス製体積計 

種類 

種類は,一級とする。 

性質 

4.1 

性状 

マグネシウムは,削状,リボン状などに成形した銀白色の金属で,空気中では酸化されて光沢を失う。

塩酸及び硫酸には水素を発生して溶け,硝酸には窒素酸化物を発生して溶ける。強熱すると強い光を放っ

て燃焼する。 

4.2 

定性方法 

試料0.1 gに塩酸(1+3)10 mlを加えて溶かした後,塩化アンモニウム溶液(100 g/l)2 ml及びアンモ

ニア水(2+3)10 mlを加えた後,りん酸水素二ナトリウム溶液(50 g/l)1 mlを加えると白い沈殿が生じ

る。 

品質 

品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。 

表1−品質 

項目 

規格値 

試験方法 

純度(Mg) 

質量分率 % 

99.0以上 

6.2 

銅(Cu) 

質量分率 % 

0.01以下 

6.3 

亜鉛(Zn) 

質量分率 % 

0.02以下 

6.3 

アルミニウム(Al) 

質量分率 % 

0.05以下 

6.3 

けい素(Si) 

質量分率 % 

0.05以下 

6.3 

マンガン(Mn) 

質量分率 % 

0.05以下 

6.3 

鉄(Fe) 

質量分率 % 

0.03以下 

6.3 

試験方法 

6.1 

一般事項 

試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。 

6.2 

純度(Mg) 

純度(Mg)の試験方法は,次による。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) アンモニア性塩化アンモニウム溶液 JIS K 8116に規定する塩化アンモニウム7 gにJIS K 8085に

規定するアンモニア水(質量分率28.0〜30.0 %)57 ml及び水を加えて溶かし,水で100 mlにする。

ポリエチレン製瓶などに密栓して保存する。 

2) エリオクロムブラックT希釈粉末 JIS K 8736に規定するエリオクロムブラックT 0.10 g及び

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JIS K 8150に規定する塩化ナトリウム10 gを混合する。褐色ガラス製瓶に保存する。 

3) 塩酸(1+3) JIS K 8180に規定する塩酸の体積1と水の体積3とを混合する。 

4) 硝酸(1+1) JIS K 8541に規定する硝酸(質量分率60〜61 %)の体積1と水の体積1とを混合す

る。 

5) 硝酸(1+2) 硝酸(質量分率60〜61 %)の体積1と水の体積2とを混合する。 

6) 水酸化ナトリウム溶液(100 g/l) JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム10.3 gを水に溶かして

100 mlにする。ポリエチレン製瓶などに保存する。 

7) 0.1 mol/l 亜鉛溶液(Zn:6.538 g/l) 0.1 mol/l 亜鉛溶液の調製及び計算は,次による。 

注記 0.1 mol/l 亜鉛溶液の調製及び計算は,JIS K 8001のJA.5.2(滴定用溶液の調製,標定及び

計算)の a) 1)と同じである。 

7.1) 調製 調製は,認証標準物質1) 又はJIS K 8005に規定する容量分析用標準物質の亜鉛を用い,次

のとおり行う。 

7.1.1) 認証標準物質1) の亜鉛を用いる場合は,認証書に定める方法で使用する。 

7.1.2) 容量分析用標準物質の亜鉛を用いる場合は,必要量を塩酸(1+3),水,JIS K 8101に規定する

エタノール(99.5)及びJIS K 8103に規定するジエチルエーテルで順次洗った後,直ちに上口デ

シケーター(減圧デシケーター)に入れて,上口デシケーター内圧2.0 kPa以下で数分間保った

後,減圧下で約12時間乾燥する。 

7.1.3) 認証標準物質1) 又は容量分析用標準物質の亜鉛3.3 gを0.1 mgの桁まではかりとり,共通すり合

わせ冷却管が付けられる三角フラスコ300 mlに移し,水25 ml及び硝酸(1+2)40 mlを加え,

冷却管を付けて水浴上で加熱して溶かす。次に,穏やかに煮沸して窒素酸化物を除いた後,放冷

し,全量フラスコ500 mlに移し,溶かすのに使用した三角フラスコ及び冷却管を水洗し,洗液

を先の全量フラスコ500 mlに加え,更に水を標線まで加えて混合した後,気密容器に入れて保

存する。 

注1) 容量分析に用いることが可能な認証書の付いた標準物質で,不確かさが算出され国際単

位系(SI)へのトレーサビリティが保証されたもの。ただし,認証書のある標準物質を

入手できない場合には,含有率が明らかな市販の標準物質を用いることができ,その説

明書に従って使用する。 

なお,認証標準物質の供給者としては,独立行政法人産業技術総合研究所計量標準総

合センター(NMIJ),米国国立標準技術研究所(NIST)などの国家計量機関及び認証標

準物質生産者がある。 

7.2) 計算 ファクターは,次の式によって算出する。 

100

0

9

26

.3

A

m

f

×

=

ここに, 

f: 0.1 mol/l 亜鉛溶液のファクター 

m: はかりとった亜鉛の質量(g) 

A: 亜鉛の純度(質量分率 %) 

3.269 0: 0.1 mol/l 亜鉛溶液500 ml中の亜鉛の相当質量(g) 

8) 0.1 mol/l エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム溶液(0.1 mol/l EDTA2Na溶液) 

(C10H14O8N2Na2・2H2O:37.22 g/l) 0.1 mol/l エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム溶液 

(0.1 mol/l EDTA2Na溶液)の調製,標定及び計算は,次による。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注記 0.1 mol/l EDTA2Na溶液の調製及び計算は,JIS K 8001のJA.5.2(滴定用溶液の調製,標定

及び計算)の c) 1) と同じである。 

8.1) 調製 JIS K 8107に規定するエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物38 gをはかり

とり,水1 000 mlを加えて溶かした後,ポリエチレン製などの気密容器に入れて保存する。 

8.2) 標定 0.1 mol/l 亜鉛溶液25 mlをコニカルビーカー200 mlに正確に入れる。水75 mlを加えた後,

8.1)で調製した0.1 mol/l EDTA2Na溶液20 mlをビュレットを用いて加える。次に,水酸化ナトリ

ウム溶液(100 g/l)でpH 6〜8に調節する。アンモニア性塩化アンモニウム溶液2 ml及び指示薬

としてエリオクロムブラックT希釈粉末0.05 gを加え,先に用いたビュレットの0.1 mol/l 

EDTA2Na溶液で引き続き滴定する。終点は,液の色が赤から青に変わる点とする。 

8.3) 計算 ファクターは,次の式によって算出する。 

V

f

f

25

1

×

=

ここに, 

f1: 0.1 mol/l EDTA2Na溶液のファクター 

f: 0.1 mol/l 亜鉛溶液のファクター 

V: 滴定に要した0.1 mol/l EDTA2Na溶液の体積(ml) 

b) 操作 操作は,次のとおり行う。 

試料0.4 gをビーカー100 mlに0.1 mgの桁まではかりとり,局所排気装置の下又はドラフト内で,

硝酸(1+1)10 mlを徐々に加えて溶かす2)。冷却後,全量フラスコ200 mlに水で洗い入れ,水を標

線まで加えて混合する。その25 ml(試料量0.05 g)をコニカルビーカー300 mlに正確に入れ,水50 ml,

アンモニア性塩化アンモニウム溶液10 ml及び指示薬としてエリオクロムブラックT希釈粉末0.05 g

を加え,約40 ℃に加温後,0.1 mol/l EDTA2Na溶液で滴定する。終点は,液の色が赤紫から青に変わ

る点とする。 

注2) この操作は,有害なガスである窒素酸化物を発生する。 

c) 計算 純度(Mg)は,次の式によって算出する。 

100

200

/

25

5

30

002

.0

×

×

×

=

m

f

V

A

ここに, 

A: 純度(Mg)(質量分率 %) 

V: 滴定に要した0.1 mol/l EDTA2Na溶液の体積(ml) 

f1: 0.1 mol/l EDTA2Na溶液のファクター 

m: はかりとった試料の質量(g) 

0.002 430 5: 0.1 mol/l EDTA2Na溶液1 mlに相当するMgの質量を

示す換算係数(g/ml) 

6.3 

銅(Cu),亜鉛(Zn),アルミニウム(Al),けい素(Si),マンガン(Mn)及び鉄(Fe) 

銅(Cu),亜鉛(Zn),アルミニウム(Al),けい素(Si),マンガン(Mn)及び鉄(Fe)の試験方法は,

次による。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 塩酸(2+1) JIS K 8180に規定する塩酸の体積2と水の体積1とを混合する。 

2) 硝酸(1+1) 6.2 a) 4)による。 

3) 硝酸(1+2) 6.2 a) 5)による。 

4) 銅標準液,亜鉛標準液,アルミニウム標準液,けい素標準液,マンガン標準液及び鉄標準液 

4.1) 銅標準液(Cu:1 mg/ml),亜鉛標準液(Zn:1 mg/ml),アルミニウム標準液(Al:1 mg/ml),け

い素標準液(Si:1 mg/ml),マンガン標準液(Mn:1 mg/ml)及び鉄標準液(Fe:1 mg/ml) 次

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

のいずれかのものを用いる。 

4.1.1) 計量標準供給制度[JCSS 3)]に基づく標準液で,酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致し

た場合に用い,必要な場合は,適切な方法で希釈して使用する。 

4.1.2) JCSS以外の認証標準液で酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致した場合に用い,必要な

場合は,適切な方法で希釈して使用する。ただし,JCSS以外の認証標準液がない場合は,市販

の標準液を用いる。 

4.1.3) 銅標準液(Cu:1 mg/ml),亜鉛標準液(Zn:1 mg/ml),アルミニウム標準液(Al:1 mg/ml),

けい素標準液(Si:1 mg/ml),マンガン標準液(Mn:1 mg/ml)及び鉄標準液(Fe:1 mg/ml)

を調製する場合 

4.1.3.1) 銅標準液(Cu:1 mg/ml) JIS K 8983に規定する硫酸銅(II)五水和物3.93 gを全量フラスコ

1 000 mlにはかりとり,硝酸(1+2)25 ml及び水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合す

る。 

4.1.3.2) 亜鉛標準液(Zn:1 mg/ml) JIS K 8953に規定する硫酸亜鉛七水和物4.40 gを全量フラスコ

1 000 mlにはかりとり,硝酸(1+2)25 ml及び水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合す

る。 

4.1.3.3) アルミニウム標準液(Al:1 mg/ml) JIS K 8255に規定する硫酸カリウムアルミニウム・12

水17.6 gを全量フラスコ1 000 mlにはかりとり,水10 ml及び塩酸(2+1)15 mlを加えて溶

かし,水を標線まで加えて混合する。 

4.1.3.4) けい素標準液(Si:1 mg/ml) JIS K 8885に規定する二酸化けい素2.14 gを白金るつぼにはか

りとり,JIS K 8625に規定する炭酸ナトリウム1 gを加え,加熱溶融する。冷却後,水を加え

て溶かし全量フラスコ1 000 mlに洗い入れ,水を標線まで加えて混合する。 

4.1.3.5) マンガン標準液(Mn:1 mg/ml) JIS K 8160に規定する塩化マンガン(II)四水和物3.60 g

を全量フラスコ1 000 mlにはかりとり,塩酸(2+1)15 ml及び水を加えて溶かし,水を標線

まで加えて混合する。 

4.1.3.6) 鉄標準液(Fe:1 mg/ml) JIS K 8982に規定する硫酸アンモニウム鉄(III)・12水 8.63 gを

全量フラスコ1 000 mlにはかりとり,硝酸(1+2)25 ml及び水を加えて溶かし,水を標線ま

で加えて混合する。 

注3) JCSSは,Japan Calibration Service Systemの略称である。 

4.2) 銅標準液(Cu:0.01 mg/ml),亜鉛標準液(Zn:0.01 mg/ml)及び鉄標準液(Fe:0.01 mg/ml) 次

のものを用いる。 

4.2.1) 銅標準液(Cu:0.01 mg/ml) 銅標準液(Cu:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 mlに正確

にはかりとり,硝酸(1+2)25 mlを加え,更に水を標線まで加えて混合する。 

4.2.2) 亜鉛標準液(Zn:0.01 mg/ml) 亜鉛標準液(Zn:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 mlに正

確にはかりとり,硝酸(1+2)25 mlを加え,更に水を標線まで加えて混合する。 

4.2.3) 鉄標準液(Fe:0.01 mg/ml) 鉄標準液(Fe:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 mlに正確に

はかりとり,硝酸(1+2)25 mlを加え,更に水を標線まで加えて混合する。 

4.3) アルミニウム,けい素及びマンガン混合標準液(Al:0.01 mg/ml,Si:0.01 mg/ml,Mn:0.01 mg/ml) 

アルミニウム標準液(Al:1 mg/ml),けい素標準液(Si:1 mg/ml)及びマンガン標準液(Mn:1 mg/ml)

の各10 mlを全量フラスコ1 000 mlに正確に入れ,硝酸(1+2)25 mlを加え,更に水を標線まで

加えて混合する。 

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b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。 

1) 全量ピペット JIS R 3505に規定するもの。 

2) ピストン式ピペット JIS K 0970に規定するもの 

3) ICP発光分光分析装置 JIS K 0116に規定するもの。 

c) 分析種及び測定波長 分析種及び測定波長の例を表2に示す。 

表2−分析種及び測定波長の例 

単位 nm 

分析種 

測定波長 

銅 

 Cu 

327.396 

亜鉛 

 Zn 

213.856 

アルミニウム 

 Al 

396.153 

けい素 

 Si 

251.612 

マンガン 

 Mn 

257.610 

鉄 

 Fe 

259.940 

d) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gをビーカー200 mlにはかりとり,局所排気装置の下又はドラフト内

で,硝酸(1+1)50 mlを徐々に加えて溶かす2)。冷却後,全量フラスコ100 mlに水で洗い入れ,

水を標線まで加えて混合する(A液)。A液20 ml(試料量0.2 g)を全量フラスコ100 mlに正確に

入れ,水を標線まで加えて混合する(X液)。 

2) 比較溶液の調製は,3個の全量フラスコ100 mlにA液20 ml(試料量0.2 g)を正確に入れ,表3に

示す各標準液の体積を,全量ピペット又はピストン式ピペットを用いて3段階にはかりとり,水を

標線まで加えて混合する(Y1液,Y2液及びY3液)。 

表3−採取する標準液の体積 

標準液 

mg/ml 

採取量 ml 

Y1 

Y2 

Y3 

銅標準液(Cu) 

0.01 

 2 

 4 

亜鉛標準液(Zn) 

0.01 

 4 

 8 

鉄標準液(Fe) 

0.01 

 6 

12 

アルミニウム,けい素及びマンガン 
混合標準液(Al,Si,Mn) 

0.01 

10 

20 

3) 空試験溶液の調製は,全量フラスコ100 mlに硝酸(1+1)10 mlを入れ,水を標線まで加えて混合

する(Z液)。 

4) ICP発光分光分析装置の一般事項は,JIS K 0116の5.(ICP発光分光分析)による。 

5) ICP発光分光分析装置は,高周波プラズマを点灯するなどによって,発光強度を測定できる状態に

する。 

6) Z液,X液,Y1液,Y2液及びY3液をアルゴンプラズマ中に噴霧し,分析種の発光強度を測定する。 

e) 計算 JIS K 0116の5.8.3 b)(標準添加法)によって分析種の含量率を計算する。 

f) 

判定 d)によって操作し,e)によって計算し,次に適合するとき,“銅(Cu):質量分率0.01 %以下(規

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

格値),亜鉛(Zn):質量分率0.02 %以下(規格値),アルミニウム(Al):質量分率0.05 %以下(規格

値),けい素(Si):質量分率0.05 %以下(規格値),マンガン(Mn):質量分率0.05 %以下(規格値),

鉄(Fe):質量分率0.03 %以下(規格値)”とする。 

計算して得られた含有率が,規格値を満足している。 

容器 

容器は,気密容器とする。 

表示 

容器には,次の事項を表示する。 

a) 日本工業規格番号 

b) 名称 “マグネシウム”及び“試薬”の文字 

c) 種類 

d) 化学式及び式量 

e) 純度 

f) 

内容量 

g) 製造番号 

h) 製造業者名又はその略号