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K 8747:2019  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 種類······························································································································· 1 

4 性質······························································································································· 2 

4.1 性状 ···························································································································· 2 

4.2 定性方法 ······················································································································ 2 

5 品質······························································································································· 2 

6 試験方法························································································································· 2 

6.1 一般事項 ······················································································································ 2 

6.2 純度(NH4VO3)············································································································ 2 

6.3 希アンモニア水溶状 ······································································································· 3 

6.4 炭酸塩 ························································································································· 4 

6.5 塩化物(Cl) ················································································································ 4 

6.6 硫酸塩(SO4) ·············································································································· 5 

7 容器······························································································································· 5 

8 表示······························································································································· 5 

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(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

試薬協会(JRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正

すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS K 8747:1994は改正され,この規格に置き換えられた。 

なお,平成31年8月19日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ

ーク表示認証において,JIS K 8747:1994を適用してもよい。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 8747:2019 

バナジン(V)酸アンモニウム(試薬) 

Ammonium vanadate (V) (Reagent) 

NH4VO3  FW:116.98 

適用範囲 

この規格は,試薬として用いるバナジン(V)酸アンモニウムについて規定する。 

警告1 バナジン(V)酸アンモニウムは,劇物なので,粉じんを吸入しないようにし,粘膜,皮膚

に付着しないようにする。 

警告2 この規格に基づいて試験を行う者は,通常の実験室での作業に精通していることを前提とす

る。この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするもので

はない。この規格の利用者は,SDS(安全データシート)などを参考にして各自の責任にお

いて安全及び健康に対する適切な措置をとらなければならない。 

注記 別名:メタバナジン(V)酸アンモニウム 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0113 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則 

JIS K 8001 試薬試験方法通則 

JIS K 8085 アンモニア水(試薬) 

JIS K 8102 エタノール(95)(試薬) 

JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8155 塩化バリウム二水和物(試薬) 

JIS K 8180 塩酸(試薬) 

JIS K 8201 塩化ヒドロキシルアンモニウム(試薬) 

JIS K 8247 過マンガン酸カリウム(試薬) 

JIS K 8541 硝酸(試薬) 

JIS K 8550 硝酸銀(試薬) 

JIS K 8951 硫酸(試薬) 

JIS K 8962 硫酸カリウム(試薬) 

JIS P 3801 ろ紙(化学分析用) 

種類 

種類は,特級とする。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

性質 

4.1 

性状 

バナジン(V)酸アンモニウムは,白からほとんど白の結晶性粉末又は粉末で,水及びエタノール(99.5)

に溶けにくく,アンモニア水にやや溶けやすい。 

4.2 

定性方法 

定性方法は,次による。 

a) 試料1 gに水20 mLを加えて加熱して溶かす(A液)。A液10 mLに硫酸銅(II)溶液(50 g/L)0.5 mL

を加えると,黄の沈殿が生じる。 

b) A液5 mLに,硫化アンモニウム溶液(無色)0.2 mLを加えると,褐色の沈殿が生じ,更に硫化アン

モニウム溶液(無色)2 mLを加えると,沈殿が溶けて赤褐色になる。 

c) A液5 mLに水酸化ナトリウム溶液(100 g/L)1 mLを加えて加熱すると,アンモニア臭が生じる。 

品質 

品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。 

表1−品質 

項目 

規格値 

試験方法 

純度(NH4VO3) 

質量分率 % 

99.0以上 

6.2 

希アンモニア水溶状 

− 

試験適合 

6.3 

炭酸塩 

− 

試験適合 

6.4 

塩化物(Cl) 

質量分率 % 

0.02以下 

6.5 

硫酸塩(SO4) 

質量分率 % 

0.01以下 

6.6 

試験方法 

6.1 

一般事項 

試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。 

6.2 

純度(NH4VO3) 

純度(NH4VO3)の試験方法は,次による。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 亜硫酸水 濃度(SO2として)5.0 %以上のもの。 

2) 硫酸(1+5) 水の体積5を冷却してかき混ぜながら,JIS K 8951に規定する硫酸の体積1を徐々に

加えたもの。 

3) 0.02 mol/L 過マンガン酸カリウム溶液(KMnO4:3.161 g/L) JIS K 8247に規定する過マンガン酸

カリウムを用い,JIS K 8001のJA.6.4 g)(0.02 mol/L 過マンガン酸カリウム溶液)に従って調製,

標定及び計算する。 

b) 装置 主な装置は,次による。 

・ 自動滴定装置(必要な場合に用いる。) 電位差滴定の機能をもち,最小吐出量が0.01 mL以下のも

の。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料0.3 gをビーカー300 mLなどに0.1 mgの桁まではかりとり,温水50 mL及び硫酸(1+5)20 mL

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

を加えて,加熱して溶かす。 

2) 亜硫酸水30 mLを加え,熱板(ホットプレート)上で二酸化硫黄の臭いがなくなるまで加熱し,冷

却後,水100 mLを加える。 

3) 次のいずれかの方法で滴定する。 

3.1) 0.02 mol/L 過マンガン酸カリウム溶液で滴定する。終点は,液のうすい紅色が約15秒間残る点と

する。 

3.2) JIS K 0113の5.(電位差滴定方法)によって,指示電極に白金電極,参照電極に銀−塩化銀電極

若しくはガラス電極,又はそれらを組み合わせた複合電極を用いて,0.02 mol/L 過マンガン酸カ

リウム溶液で滴定する。終点は,変曲点とする。 

d) 計算 純度(NH4VO3)は,次の式によって算出する。 

100

698

011

.0

×

×

×

=

m

f

V

A

ここに, 

A: 純度(NH4VO3)(質量分率 %) 

V: 滴定に要した0.02 mol/L 過マンガン酸カリウム溶液の体

積(mL) 

f: 0.02 mol/L 過マンガン酸カリウム溶液のファクター 

m: 試料の質量(g) 

0.011 698: 0.02 mol/L 過マンガン酸カリウム溶液1 mLに相当する

NH4VO3の質量を示す換算係数(g/mL) 

6.3 

希アンモニア水溶状 

希アンモニア水溶状の試験方法は,次による。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) アンモニア水(2+3) JIS K 8085に規定するアンモニア水の体積2と水の体積3とを混合したも

の。 

2) 硝酸(1+2) JIS K 8541に規定する硝酸(質量分率60 %〜61 %,特級)の体積1と水の体積2と

を混合したもの。 

3) 硝酸銀溶液(20 g/L) JIS K 8550に規定する硝酸銀2 gをはかりとり,水を加えて溶かし,水を加

えて100 mLにしたもの。褐色ガラス製瓶に保存する。 

4) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。 

なお,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8150に規定する塩化ナトリウ

ム1.65 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。

この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,水を標線まで加えて混合する。 

b) 濁りの程度の適合限度標準 濁りの程度の適合限度標準は,“澄明”を用いる。 

澄明の限度標準の調製は,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)0.2 mLを共通すり合わせ平底試験管[c)

参照]にとり,水10 mL,硝酸(1+2)1 mL及び硝酸銀溶液(20 g/L)1 mLを加え,水を加えて20 mL

とし,振り混ぜてから15分間放置する。 

c) 器具 主な器具は,次による。 

・ 共通すり合わせ平底試験管 例えば,容量50 mL,直径約23 mmで目盛のあるもの。 

d) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料0.5 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,アンモニア水(2+3)10 mLを加え,水を加

えて15 mLにし,加熱して溶かす。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2) 試料を溶かした直後に,濁りの程度をb)と比較する。また,ごみ,浮遊物などの異物の有無を共通

すり合わせ平底試験管の上方又は側方から観察する。 

e) 判定 次の1)及び2)に適合するとき,“希アンモニア水溶状:試験適合(規格値)”とする。 

1) 試料溶液の濁りは,b) の濁りより濃くない。 

2) 試料溶液には,ごみ,浮遊物などの異物は,ほとんど認めない。 

6.4 

炭酸塩 

炭酸塩の試験方法は,次による。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

・ 塩酸(1+3) JIS K 8180に規定する塩酸(特級)の体積1と水の体積3とを混合したもの。 

b) 器具 主な器具は,次による。 

・ 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c)による。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,試料0.5 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,水1 mL及び塩酸(1+3)

2 mLを静かに加える。 

2) 調製直後に,泡の発生を共通すり合わせ平底試験管の上方又は側方から観察する。 

d) 判定 泡が連続して発生しないとき,“炭酸塩:試験適合(規格値)”とする。 

6.5 

塩化物(Cl) 

塩化物(Cl)の試験方法は,次による。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 硝酸(1+2) 6.3 a) 2)による。 

2) 硝酸銀溶液(20 g/L) 6.3 a) 3)による。 

3) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL) 6.3 a) 4)による。 

b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。 

1) 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c)による。 

2) 洗浄ろ紙 JIS P 3801に規定するろ紙(5種C)を硝酸(1+2)50 mLで2回洗い,更に水50 mLで

2回洗ったもので,その最終洗液20 mLを共通すり合わせ平底試験管にとり,硝酸(1+2)1 mL及

び硝酸銀溶液(20 g/L)1 mLを加えて,15分間放置後に澄明であることを確認する。必要であれば,

洗浄を繰り返す。 

3) 水浴 沸騰水浴として使用することができ,蒸発皿,ビーカーなどを載せられるもの。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料0.5 gをビーカー100 mLなどにはかりとり,熱水50 mL及び硝酸(1+2)25 mLを加えて,溶

かす。30分間放置後,冷却し(濁りがある場合,ろ過する。),全量フラスコ100 mLに移し,水を

標線まで加えて混合する(B液)。 

2) 試料溶液の調製は,B液20 mL(試料量0.1 g)を共通すり合わせ平底試験管にとる。 

3) 比較溶液の調製は,B液20 mL(試料量0.1 g)を共通すり合わせ平底試験管にとり,硝酸銀溶液(20 

g/L)1 mLを加え,沸騰水浴中で10分間加熱する。冷却後,洗浄ろ紙を用いてろ過し,ろ液を共通

すり合わせ平底試験管に受ける。水5 mLでろ紙を洗浄し,洗液をろ液に合わせる。 

4) 試料溶液に硝酸銀溶液(20 g/L)1 mLを加え,比較溶液に塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)2.0 mL

を加え,それぞれに水を加えて30 mLにして振り混ぜた後,15分間放置する。 

5) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

管の上方又は側方から観察して,濁りを比較する。 

d) 判定 試料溶液から得られた液の濁りが,比較溶液から得られた液の白濁より濃くないとき,“塩化物

(Cl):質量分率0.02 %以下(規格値)”とする。 

6.6 

硫酸塩(SO4) 

硫酸塩(SO4)の試験方法は,次による。 

a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) エタノール(95) JIS K 8102に規定するもの。 

2) 塩化ヒドロキシルアンモニウム JIS K 8201に規定するもの。 

3) 塩酸(1+3) JIS K 8180に規定する塩酸(特級)の体積1と水の体積3とを混合したもの。 

4) 塩化バリウム溶液(100 g/L) JIS K 8155に規定する塩化バリウム二水和物11.7 gを水に溶かして

100 mLにしたもの。 

5) 硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。 

なお,硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8962に規定する硫酸カリウム

1.81 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。

この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,水を標線まで加えて混合する。 

b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。 

1) 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c)による。 

2) ろ紙 JIS P 3801に規定する5種Cのもの。 

3) 水浴 6.5 b) 3)による。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料1.5 gをビーカー100 mLなどにはかりとり,熱水50 mL,塩酸(1+3)6 mL及び塩化ヒドロキ

シルアンモニウム4.5 gを加え,水浴中などで約60 ℃で5分間加熱する。冷却後(濁りがある場合,

ろ過する。),水を加えて60 mLにする(C液)。 

2) 試料溶液の調製は,C液20 mL(試料量0.5 g)を共通すり合わせ平底試験管にとり,エタノール(95)

3 mLを加える。 

3) 比較溶液の調製は,C液20 mLを共通すり合わせ平底試験管にとり,塩化バリウム溶液(100 g/L)

2 mLを加え,水浴中などで約75 ℃まで加熱し,1時間放置する。ろ紙を用いてろ過し,ろ液を共

通すり合わせ平底試験管に受け,エタノール(95)3 mLを加える。 

4) 試料溶液に塩化バリウム溶液(100 g/L)2 mLを加え,比較溶液に硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/mL)

5.0 mLを加え,それぞれに水を加えて30 mLにし,1時間放置する。 

5) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験

管の上方又は側方から観察して,濁りを比較する。 

d) 判定 試料溶液から得られた液の濁りが,比較溶液から得られた液の白濁より濃くないとき,“硫酸塩

(SO4):質量分率0.01 %以下(規格値)”とする。 

容器 

容器は,気密容器とする。 

表示 

容器には,次の事項を表示する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) 日本工業規格番号 

b) 名称“バナジン(V)酸アンモニウム”及び“試薬”の文字 

c) 種類 

d) 化学式及び式量 

e) 純度 

f) 

内容量 

g) 製造番号 

h) 製造業者名又はその略号