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K 6954:2008   

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 原理······························································································································· 2 

5 合成固形廃棄物 ················································································································ 3 

6 コンポスト化反応容器 ······································································································· 3 

7 操作······························································································································· 4 

7.1 試験材料の調製 ············································································································· 4 

7.2 試験の開始 ··················································································································· 4 

7.3 高温培養期間(高温) ···································································································· 4 

7.4 中温培養期間(室温) ···································································································· 4 

8 コンポスト化プロセスの観察 ······························································································ 5 

9 診断パラメータ ················································································································ 5 

9.1 におい ························································································································· 5 

9.2 外観 ···························································································································· 5 

9.3 化学分析 ······················································································································ 5 

9.4 乾燥質量及び揮発性固形物含量の決定················································································ 6 

10 崩壊度の測定及びその試験の終了 ······················································································ 6 

11 崩壊度の計算 ················································································································· 6 

12 結果の表し方 ················································································································· 6 

13 試験の妥当性 ················································································································· 7 

14 試験報告書 ···················································································································· 7 

附属書JA(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ································································· 9 

K 6954:2008   

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,生分解性プラスチック研究会(BPS),日本プ

ラスチック工業連盟(JPIF)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制

定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格であ

る。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。 

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日本工業規格          JIS 

K 6954:2008 

プラスチック− 

実験室規模の模擬コンポスト化条件下での 

プラスチック材料の崩壊度の求め方 

Plastics-Determination of the degree of disintegration of plastic materials 

under simulated composting conditions in a laboratory-scale test 

序文 

この規格は,2004年に第1版として発行されたISO 20200を基に,技術的内容を変更して作成した日本

工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,実験室規模の模擬コンポスト化条件下でのプラスチック材料の崩壊度の求め方について規

定する。この方法は,コンポスト化条件下でのプラスチック材料の生分解度を求めるためには適用できな

い。コンポスト化可能性を証明するためには,別の試験が必要である。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 20200:2004,Plastics−Determination of the degree of disintegration of plastic materials under 

simulated composting conditions in a laboratory-scale test (MOD) 

なお,対応の程度を表す記号(MOD)は,ISO/IEC Guide 21に基づき,“修正している”こと

を示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用

規格は,最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS Z 8801-1 試験用ふるい−第1部:金属製網ふるい 

注記 対応国際規格:ISO 3310-1,Test sieves−Technical requirements and testing−Part 1: Test sieves of 

metal wire cloth (MOD) 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

コンポスト (compost) 

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主として植物残さ(渣)からなる混合物の生分解によって得られ,ときには,他の有機物質及び制限さ

れた濃度の金属を含む有機土壌調節材。 

3.2 

コンポスト化可能性 (compostability) 

物質がコンポスト化プロセスで生分解される可能性。 

注記 コンポスト化可能性を主張するためには,物質が標準試験法で示されるようなコンポスト化シ

ステムで生分解されて崩壊すること,及び製品が最終的に使用される間に生分解が完了するこ

とが,実証されていなければならない。また,コンポストは,該当する品質基準を満たさなけ

ればならない。コンポストの品質基準には,例えば,重金属含有量が少ない,生態毒性がない,

明らかに識別可能な残分がない,などが挙げられる。 

3.3 

コンポスト化 (composting) 

好気的工程でのコンポストの製造。 

3.4 

崩壊 (disintegration) 

物質が非常に小さい破片に崩れ,壊れる現象。 

3.5 

乾燥質量 (dry mass) 

乾燥後に測定した試験材料の質量。 

注記 乾燥質量は,乾燥前の試験材料に対する質量分率(%)で表す。 

3.6 

中温培養期間 (mesophilic incubation period) 

室温で増殖する微生物の25 ℃での培養期間。 

3.7 

高温培養期間 (thermophilic incubation period) 

高温で増殖する微生物の58 ℃での培養期間。 

3.8 

全乾燥固形物 (total dry solids) 

試験材料又はコンポストの既知量を採り,105 ℃で乾燥して一定質量(恒量)になったときの固形物。 

3.9 

揮発性固形物 (volatile solids) 

試験材料又はコンポストを約550 ℃で燃焼した後の残さ(渣)を,同じ試料の全乾燥固形物量から差し

引いて得られる固形物。 

注記 揮発性固形物含量は,含有する有機物量の指標となる。 

原理 

この方法は,十分に通気した好気的コンポスト化プロセスでの実験室規模における試験材料の崩壊度を

求めるものである。商用のコンポスト化プラントから得た完熟コンポストを植種源とする合成固形廃棄物

を,固形媒体として用いる。プラスチックの試験材料をこの方法で調製した固形媒体とともにコンポスト

化する。コンポスト化試験後,試験終了後の媒体を,目開き2 mmのふるいでふるい分けして,未崩壊の

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残さ(渣)を回収して,試験材料の質量減少を材料の崩壊とみなして,崩壊度の計算を行う。 

合成固形廃棄物 

この方法で用いる合成固形廃棄物の組成を,表1に示す。 

植種源には,商用の好気的コンポスト化プラントで十分に通気されたコンポストを用いる。植種源のコ

ンポストは,均一で,ガラス,石又は金属片のような大きな異物が含まれていないものとする。このよう

な異物を手作業で取り除き,次に目開き4.75 mm及び目開き9.5 mmのふるいでふるい分けする。種々の

微生物を確保するために,都市固形廃棄物の有機成分を工場でコンポスト化して産出されたコンポストを

推奨する。もし,このようなコンポストが利用できない場合,農場廃棄物又は庭ごみと,都市固形廃棄物

とを混合したものを処理している工場のコンポストを用いてもよい。コンポストは,工場出荷後4か月以

内のものとする。 

合成固形廃棄物は,表1に示す種々の素材を手作業で混合し作製する。水分を含んだ状態で各素材の質

量の許容範囲は5 %である。最終的に水分含有量が質量分率55 %となるように脱塩素した水道水,脱イオ

ン水又は蒸留水を加える。この操作は試験直前に行う。合成固形廃棄物の全炭素/全窒素(C/N)比は,

20 : 1〜40 : 1とする。尿素の量は,C/N比が規定範囲になるよう変えることができる。この場合,他の組

成物の量は,固形廃棄物の全乾燥質量が100 %になるように比例して調製する。 

表1−合成固形廃棄物の組成 

単位 % 

素材 

乾燥質量 

おがくず 

40 

ラビットフード 

30 

完熟コンポスト 

10 

コーンスターチ 

10 

しょ糖 

コーン油 

尿素 

合計 

100 

注記1 おがくずは,未処理木材のおがくずを,目開き4.75 mmのふるい

でふるい分けした後に用いる。木材は,落葉樹が望ましい。 

注記2 ラビットフードは,アルファルファ及び野菜ミールからできた商

用製品を使用する。もし,異なる組成の製品を使用する場合,そ
の組成を試験報告書に記載する。ラビットフードのたんぱく質含
有率は約15 %,セルロース含有率は約20 %とする。 

コンポスト化反応容器 

コンポスト化反応容器は,長さ×幅×高さが30 cm×20 cm×10 cmのポリプロピレン又はその他適切な

材料で作られた箱形反応容器が望ましい。反応容器には,過度の水分蒸発を確実に防ぐために密閉可能な

ふた(蓋)を設ける。反応容器本体とふた(蓋)とのすき間は,粘着テープで封をするとよい。反応容器

本体の短辺側の側面には,2面とも水平方向の中央部,下から約6.5 cmの位置に,直径5 mmの穴をあけ

る。この穴は反応容器内外のガス交換のためのものであり,ふさいではならない。 

内部が嫌気状態にならないことが確認できるものであれば,体積が5〜20 Lの反応容器を用いてもよい。

内容物が過度に乾燥しないように,反応容器には何らかのふた(蓋)を設けなければならない。この場合

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にも,コンポスト期間を通じてガス交換を促し内部が好気状態に維持されるよう,反応容器にはガス交換

が可能な開口部を設けなければならない。 

操作 

7.1 

試験材料の調製 

試験材料の厚さに応じて,表2に示す寸法に試験片を切り取る。 

恒量になるまで,40 ℃±2 ℃の真空乾燥機で試験片を乾燥する。合成固形廃棄物を混合する前に,試験

片を30秒間程度,蒸留水の中に浸せきする。 

表2−崩壊度試験で用いる試験材料の寸法 

試験材料の厚さ 

試験片の寸法 

5 mm 未満 

25 mm×25 mm×そのままの厚さ (mm) 

5 mm 以上 

15 mm×15 mm×厚さ(5 mm以上,15 mm以下) 

7.2 

試験の開始 

試験材料ごとに,最低三つの反応容器を準備する。試験材料の体積に応じて,反応容器ごとに5〜20 g

の試験材料を採取し,これと湿った1 kgの合成固形廃棄物とを混合する。試験材料の,湿潤合成固形廃棄

物に対する割合は,質量分率0.5〜2 %の範囲とする。反応容器の底に混合物を置き,均一層を作る。均一

層の内部とのガス交換が有効にできるように,混合物を圧縮してはならない。それぞれの反応容器中の試

験材料の質量を記録する。 

7.3 

高温培養期間(高温) 

各反応容器のふた(蓋)を閉め,ひょう(秤)量後,空気循環形オーブンに入れ,45日〜90日間,温度

58 ℃±2 ℃に維持する。試験期間中,オーブン内の温度を連続して記録する又は最高最低温度計を用いて

少なくとも1週間に2回,温度を記録する。 

良好なコンポスト化プロセスとするためには,表3に示す方法を用いて,適切な環境条件に維持するこ

とが必要である。十分な水分量を維持しながら,コンポストに通気する。コンポスト化プロセス開始時に,

混合物を充てんした反応容器の総質量を測定する。所定日数が経過した時点で(表3参照),反応容器を

ひょう(秤)量する。もし必要であれば,表3に示すように脱塩素した水道水,脱イオン水又は蒸留水を

添加して,初期質量に戻す。このとき,最大保水量を超えないように,コンポストが最適な水分量,すな

わち,湿っているが遊離水は存在しない状態であることに留意する必要がある。作業者は,コンポストを

圧搾し,少量の水がしみ出ることを確認することによって,良好な状態を判断することができる。このよ

うな手順によって,表3に示す水添加量を調節してもよい。 

コンポストの混合には,実験室で使用するスパチュラ,又は普通のスプーンを用いる。混合中に試験材

料を破壊してはならない。混合する目的は,全体に通気すること,及び水分を行き渡らせることであるが,

試験材料を機械的に分解しないようにすることが大切である。 

7.4 

中温培養期間(室温) 

高温培養期間の終了時点でも試験材料の分解が十分でない場合,次に示す手順で試験を延長してもよい。

それぞれの反応容器に,25 gの肥よく(沃)な土壌1) を加える。試験材料の残っている部分にいかなる損

傷も与えないように,コンポストと土壌を慎重にかくはん(撹拌)する。 

注1) 微生物活性の高い土壌。揮発性固形物を数%含む通常の土壌。 

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反応容器を閉じ,温度 25 ℃±2 ℃の空気循環形オーブン中に最大で90日間放置する。試験期間中のオ

ーブン内の温度を連続して記録するか,又は最高最低温度計を用いて少なくとも1週間に2回,温度を記

録する。 

質量を1週間に1回測定し,必要であれば,試験開始時に測定した質量の70 %になるまで水を加えて,

質量を調節する(7.3参照)。 

この方法で試験を延長した場合は,試験報告書に記載しなければならない。 

表3−コンポスト化手順(高温培養期間) 

試験開始からの日数 

手順 

反応容器の初期質量を測定する。 

1,2,3,4,7,9,11,14 

反応容器の質量を測定する。必要であれば初期の質量に戻すため水を
加える。コンポストをかくはん(撹拌)する。 

8,10,16,18,21,23,25,28 

反応容器の質量を測定する。必要であれば初期の質量に戻すため水を
加える。コンポストをかくはん(撹拌)してはならない。 

30,45 

反応容器の質量を測定する。必要であれば初期の質量の80 %の質量
になるまで水を加え,コンポストをかくはん(撹拌)する。 

30〜60日の間(30日目及び45日
目を除く。)は1週間に2回 

反応容器の質量を測定する。必要であれば初期の質量の80 %の質量
になるまで水を加える。コンポストをかくはん(撹拌)してはならな
い。 

60日後は1週間に2回 

反応容器の質量を測定する。必要であれば初期の質量の70 %の質量
になるまで水を加える。コンポストをかくはん(撹拌)してはならな
い。 

コンポスト化プロセスの観察 

試験期間中に合成固形廃棄物はコンポストになる。すなわち,コンポスト化プロセスが進む。 

かくはん(撹拌)するとき,水を加えるときなどにコンポストを調べることによって,コンポスト化反

応を観察する。箇条9に示すような主観的及び客観的な診断のパラメータを,報告書に記載する。 

診断パラメータ 

9.1 

におい 

コンポスト化プロセスの間,明確で特異な,においの変化が検知できる。試験開始後2,3日ごろまでは

合成固形廃棄物は酸っぱいにおいがする。そして5〜10日後には,徐々にアンモニア臭に変わり,これが

10日間くらい続く。最後には,特に何のにおいもなくなるか,又は土のにおいがする。このにおいの変化

の過程とは異なることがあれば,試験報告書に記載する。 

9.2 

外観 

コンポスト化素材の外観変化は,最初の2週間の間に起こる。コンポスト化素材中の菌糸は,通常,最

初の1週間で現れる。合成固形廃棄物は,高濃度のおがくずであるため,初期は明るい黄色であるが,10

日以内に褐色に変わる。試験の最初からの,これら外観変化のすべてを試験報告書に記録する。 

9.3 

化学分析 

特性値,“全炭素/全窒素(C/N)比”及び“pH”を算出するため,試験の開始時に用いた合成固形廃棄

物及びコンポスト化プロセスの最後に得られたコンポストの試料をふるいにかけた後,組成を分析し,pH

を測定する。pHの測定は,質量で,植種源1部に対して5部の脱イオン水を混ぜ,振とう混合した後,直

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ちに実施する。これらの特性値を記録する。 

注記 C/N比を求めるための全炭素含量は,揮発性固形物含量を2で除して得る。 

9.4 

乾燥質量及び揮発性固形物含量の決定 

それぞれをふるい分けした後,試験開始時の合成固形廃棄物及びコンポスト化プロセスの最後に得られ

たコンポストの,乾燥質量及び揮発性固形物含量を求める(箇条10参照)。乾燥質量 (DM) は,105 ℃の

オーブン中で一定質量になるまで乾燥して求め,乾燥前の質量に対する質量分率(%)で示す。揮発性固

形物含量は,乾燥質量を求めるためにあらかじめ105 ℃で乾燥したサンプルを,550 ℃で6〜8時間燃焼

してひょう(秤)量する。恒量になるまで,燃焼とひょう(秤)量を繰り返す。燃焼による乾燥質量から

の質量の減少を,試験材料の揮発性固形物含量とする。揮発性固形物含量 (VS) は試験材料のDMに対す

る質量分率(%)で表す。 

10 崩壊度の測定及びその試験の終了 

各反応容器のふた(蓋)をはずし,反応容器を58 ℃±2 ℃の空気循環形加熱器に入れて内容物を乾燥

させる。その中に含まれている残存試験材料を壊さないよう細心の注意を払って,コンポストの塊を砕く。

一定質量になったら,乾燥を止める。 

各反応容器の内容物を個別に,JIS Z 8801-1に規定するふるいを用い,平均目開き9.5 mmのふるいから

ふるい分けを行う。ふるいに残った試験材料断片を調べる。試験材料に注意を払いながら,その中に含ま

れている残存試験材料を壊さないよう細心の注意を払って,静かにコンポストの塊を砕く。このときにふ

るい落とされた断片は,大きさ9.5 mm未満のサイズの断片と併せる。平均目開き9.5 mmのふるいを通過

しないで残った試験材料を収集し保管する。平均目開き9.5 mmのふるいのときと同様の手順で,平均目

開き4.75 mmのふるいで,その後平均目開き2 mmのふるいでふるい分けし,それぞれふるいに残った試

験材料を収集する。 

これら各種条件のふるいで収集した試料を合わせ,それらを掃き集める。必要であれば水で洗浄する。

試料を思わぬことで失わないように細心の注意を払って,洗浄の作業を行う必要がある。最後に試験材料

を,温度40 ℃±2 ℃で一定質量に達するまで真空乾燥し,その質量を記録する。 

11 崩壊度の計算 

ふるいに残ったプラスチック材料(箇条10参照)は,崩壊していない材料とし,ふるいを通過した材料

は崩壊したものとする。崩壊度 (D) は,式(1)で計算し,質量分率(%)で示す。 

100

i

r

i

×

=

m

m

m

D

 ······································································ (1) 

ここに, 

D: 崩壊度[質量分率(%)] 

mi: 試験材料の初期乾燥質量 (g) 

mr: ふるいに残った残存試験材料の乾燥質量 (g) 

崩壊度は,個々の反応容器ごとに算出する。 

12 結果の表し方 

この規格では,崩壊度は三反復試験から得られた崩壊度の平均で表す。 

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13 試験の妥当性 

試験は,次の要求事項を満たす場合妥当とする。 

a) 揮発性固形物含量の減少 各反応容器において,初期の合成固形廃棄物に対する試験終了時のコンポ

ストの,全揮発性固形物含量の減少率 (R) が30 %(質量分率)以上でなければならない。ただし,R

は式(2)で計算する。 

(

)()

[

]

(

)

()

[

]

(

)()

100

i

i

i

f

f

f

i

i

i

×

×

×

×

×

×

×

=

VS

DM

m

VS

DM

m

VS

DM

m

R

 ··························· (2) 

ここに, 

R: 全揮発性固形物含量の減少率[質量分率(%)] 

mi: 反応容器中に投入された初期の湿潤合成固形廃棄物質量 (g) 

(DM)i: 初期の乾燥合成固形廃棄物量,質量分率(%)表示を100で 

除した数値 

(VS)i: 初期の合成固形廃棄物中の揮発性固形物含量,質量分率(%)

表示を100で除した数値 

mf: 最終のコンポスト質量 (g) 

(DM)f: 最終の乾燥コンポスト量,質量分率(%)表示を100で除し

た数値 

(VS)f: 最終のコンポスト中の揮発性固形物含量,質量分率(%)表

示を100で除した数値 

例 

代表的な試験例として,初期において,湿潤合成固形廃棄物質量が1 000 g,乾燥合成固形廃

棄物量が44.6 %(質量分率)及び合成固形廃棄物中の揮発性固形物含量91.2 %(質量分率)

(乾燥物量に対して)で,かつ,試験の終了時において,コンポスト質量511 g,乾燥コンポ

スト量が54.8 %(質量分率)及びコンポスト中の揮発性固形物含量83.8 %(質量分率)の場

合, 

(

)(

)

%

3.

42

100

912

.0

446

.0

000

1

838

.0

548

.0

511

912

.0

446

.0

000

1

=

×

×

×

×

×

×

×

=

R

(質量分率) 

······························································································ (3) 

Rは,30 %以上であり,この試験は妥当と考えられる。 

b) 結果の変動性 三反復試験から得た個々の崩壊度の値の差は,10 %以下とする。 

14 試験報告書 

試験報告書には,次の事項を記載する。 

a) この規格の番号 

b) 試験材料の同定及び記述に必要な情報(例えば,物理的形状,厚さ,試験片の寸法) 

c) 用いた合成固形廃棄物[例えば,調製に用いた成分,それぞれの量,C/N比,乾燥質量(湿潤質量に

対する百分率で示す。),揮発性固形物含量(乾燥質量に対する百分率で示す。),pH] 

d) 用いた装置(例えば,生物反応容器及びその寸法,標準ふるい) 

e) 各反応容器における次の情報を示す表 

反応容器の続き番号,試験材料の名称,加えた合成固形廃棄物量,全混合物量(合成固形廃棄物と

試験材料との合計),及び反応容器の最初の質量(総質量) 

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f) 

各反応容器における反応容器の番号及びふるい分けしたコンポストについての次の特徴を示す表 

全質量,乾燥質量(全質量に対する百分率で示す。),揮発性固形物含量(乾燥質量に対する百分率

で示す。),C/N比,及びpH 

g) 各反応容器における次の情報を示す表 

反応容器の番号及び箇条13 a) に基づいて計算した全揮発性固形物含量の減少率R 

h) 各反応容器における,水の添加及び実施した混合操作の詳細(実施日,実施した操作,添加した水の

量,反応容器の質量,及びその他観察事項)を示す表 

i) 

各反応容器における,試験材料の最初の質量,試験の最後に回収した試験材料の質量,及び箇条11

に基づいて計算した崩壊度Dを示す表 

j) 

コンポスト及び植種源の情報[例えば,起源,熟度,採集日,貯蔵,取扱い,安定性,全乾燥質量,

揮発性固形物含量,懸濁液のpH(例えば,コンポスト/脱イオン水の質量比1/5における),特徴的

なにおい,目視による外観,その他] 

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K 6954:2008   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JA 

(参考) 

JISと対応する国際規格との対比表 

JIS K 6954:2008 プラスチック−実験室規模の模擬コンポスト化条件下でのプラス
チック材料の崩壊度の求め方 

ISO 20200:2004,Plastics−Determination of the degree of disintegration of plastic 
materials under simulated composting conditions in a laboratory-scale test 

 
(Ⅰ)JISの規定 

(Ⅱ) 
国際規格
番号 

(Ⅲ)国際規格の規定 

(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び名称 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

5 合成固 
形廃棄物 

目開き4.75 mm及び
目開き9.5 mmのふ
るい 

目開き0.5 cm及び目開き
1 cmのふるい 

変更 

対応国際規格に記載されてい
る平均目開きの数値がJIS Z 
8801-1にないため,JISに規定
されている,それらの数値に近
い目開きのふるいを用いるこ
ととした。 

特に技術的差異はない。 

7.3 高温 
培養期間 
(高温) 

表3−コンポスト化
手順(高温培養期
間) 

7.3 

表3−コンポスト化手順
(高温培養期間) 

追加 

30日及び45日は日付が重複し
ているように見えるため,誤解
を生じないよう,(30日目及び
45日目を除く。)と追記した。 

今後,ISO 20200の定期見直しな
どを通じて,対応国際規格の修正
を検討する。 

9.3 化学 
分析 

pHの測定及びその
測定方法を規定 

9.3 

pHの測定を規定 

追加 

pHの測定方法を追加。 

このJISの利用者の便のため。 
ISO 20200では,自明の事項とし
て,pHの具体的な測定方法は規
定していない。今後,ISO 20200
の定期見直しなどを通じて,対応
国際規格の修正を検討する。 

10 崩壊度
の測定及
びその試
験の終了 

平均目開き9.5 mm
及び平均目開き4.75 
mmのふるい 

10 

平均目開き5 mm及び平
均目開き10 mmのふるい 
 

変更 

(Ⅰ)JISの規定の箇条5の欄を
参照。 

特に技術的差異はない。 

  

9

K

 6

9

5

4

2

0

0

8

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10 

K 6954:2008   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ)JISの規定 

(Ⅱ) 
国際規格
番号 

(Ⅲ)国際規格の規定 

(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び名称 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

13 a) 揮発
性固形物
含量の減
少 

式(3) 全揮発性固形
物含量の減少率計
算式を有効数字3け
たで記載。 

13 a) 

式(3) 全揮発性固形物含
量の減少率計算式を有効
数字4けたで記載。 

変更 

有効数字4けたの計算は事実
上無意味であり,計算結果も間
違いであるため,数値を有効数
字3けたにし,計算結果も訂正
した。 

今後,ISO 20200の定期見直しな
どを通じて,対応国際規格の修正
を検討する。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 20200:2004,MOD 

 
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

  − 追加………………国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  − 変更………………国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

  − MOD………………国際規格を修正している。 

2

K

 6

9

5

4

2

0

0

8