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K 6756 : 1999 (ISO 4895 : 1997) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。 

今回の制定は,国際規格に整合させるために,ISO 4895 : 1997を基礎として用いた。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 6756 : 1999 

(ISO 4895 : 1997) 

液状エポキシ樹脂の 
結晶化傾向試験方法 

Plastics−Liquid epoxy resins−Determination of tendency to crystallize 

序文 この規格は,1997年に発行されたISO 4895, Plastics−Liquid epoxy resins−Determination of tendency to 

crystallizeを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。 

1. 適用範囲 この規格は,液状エポキシ樹脂の結晶化傾向を求める方法について規定する。結晶化傾向

は,一定期間,断続的に試料の流動性の変化と結晶化の程度を観察比較することで,測定する。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構

成するのであって,その後の改正版・追補には適用しない。発行年を付記していない引用規格は,その最

新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 8101 エタノール (99.5) (試薬) 

備考 ISO 6353-2 : 1983 Reagent for chemical analysis−Part 2:R-11−Ethanolと同等である。 

JIS K 8617 炭酸カルシウム(試薬) 

備考 ISO 6353-3 : 1987 Reagent for chemical analysis−Part 3:R-53−Calcium carbonateと同等であ

る。 

3. 原理 エタノールで希釈した液状エポキシ樹脂に,炭酸カルシウムの粉末を混合する。この混合物を

規定の温度に保存し,一定時間間隔で樹脂の流動性及び結晶化を,比較観察する。 

4. 試薬 

4.1 

エタノール JIS K 8101に規定するもの。 

4.2 

炭酸カルシウム JIS K 8617に規定するもの。 

5. 器具及び装置 

5.1 

冷蔵庫又は低温恒温器で10℃±2℃の温度に保てるもの。 

5.2 

直径40mm,高さ80mm,内容量約100mlのポリエチレン製内ぶた付ガラス瓶。 

5.3 

ガラス棒 硬質ガラス製,直径約10mmのもの。 

5.4 

恒温器 

K 6756 : 1999 (ISO 4895 : 1997) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.5 

化学はかり 

6. 手順 

6.1 

液状エポキシ樹脂20gをガラス瓶(5.2)にはかり採る。 

6.2 

ガラス瓶の内ぶたをし,60℃±2℃の恒温器(5.4)中に16時間静置する。 

6.3 

ガラス瓶を室温 (23℃±5℃) まで戻し,炭酸カルシウム(4.2)20gとエタノール(4.1)220gを加え,ガ

ラス棒で2分間均一になるようにかくはんする。 

6.4 

ふたを閉め,10℃±2℃に保った冷蔵庫又は低温恒温器に保管する。 

6.5 

試料は1日2回決まった時間に観察する。 

(例えば昼間8時間,夜16時間の場合は) 

開始 

午前9時 

最初の検査 

午後5時 

2回目の検査 

午前9時(翌日) 

3回目の検査 

午後5時(翌日) 

4回目の検査 

午前9時(翌々日) 

各結晶化段階の日時を記録し,結晶化傾向を判断する。 

状態の変化に応じて,次の方法で試料の観察を行う。 

試料瓶を室温 (23℃±5℃) に戻して試料瓶を横にし,1分間そのままの状態にし, 

− 

試料が液状であるとき 

: “a”  

− 

試料が1分間内で流動性がないとき 

: “b”  

− 

試料の結晶化が進んで完全に固形になったとき 

: “c”  

とそれぞれの状態を記録する。 

備考 試料瓶を横に倒し,1分間そのままの状態に放置して,液面の先端が 

10 mm以上移動したとき: “a”  

10 mm未満のとき   : “b”  

なお,観察時に試料が結晶化状態になっていない “a” , “b” の状態のときには 

 ガラス棒で2分間均一に混合し,試験を続ける。 

7. 結果の表示 液状エポキシ樹脂の結晶化傾向は,6.5の “a” , “b” , “c” の状態に至った日数と時

間で表す。 

8. 精度(参考) この試験方法は結晶化傾向を評価するもので,精度を求めるものではない。 

1994年に日本で行われた室間試験で,この方法は今のところ最も優れた方法であり,ISO 4895 : 1987の

方法よりは信頼性があり,安全性の高い方法であることが認められた。 

9. 結果の報告 結果の報告は,次の事項を記載しなければならない。 

a) このJISを参照したこと 

b) 試験試料の名称及び温度条件 

c) 試験結果 

d) 試験年月日 

K 6756 : 1999 (ISO 4895 : 1997) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

e) その他この試験手順と異なる部分(受渡当事者間の同意の有無に関わらず) 

JIS液状エポキシ樹脂の結晶化傾向試験方法 原案調査作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

垣 内   弘 

横浜国立大学(名誉教授),垣内技術研究所 

(委員) 

○ 宮 入 裕 夫 

東京医科歯科大学医用器機材研究所 

○ 西 出 徹 雄 

通商産業省基礎産業局 

○ 太 田 秀 幸 

通商産業省基礎産業局 

○ 大 嶋 清 治 

工業技術院標準部材料規格課 

○ 横 田 達 也 

工業技術院標準部材料規格課 

○ 橋 本 繁 晴 

財団法人日本規格協会 

○ 木 原 幸 広 

財団法人日本規格協会 

○ 永 瀬 利 平 

ソマール株式会社技術本部 

○ 山 村 宣 民 

ヘンケルジャパン株式会社 

○ 北 原 正 友 

富士化成工業株式会社品質管理部 

◎ 秋 本 耕 司 

旭電化工業株式会社エポキシ樹脂研究室 

○ 梶 原 義 孝 

日本化薬株式会社化学品研究所 

○ 中 島 伸 幸 

住友化学工業株式会社精密化学品研究所 

○ 高 橋   泰 

旭チバ株式会社研究開発部 

○ 武 田 恭 幸 

東都化成株式会社研究開発部 

○ 朝 蔭 秀 安 

東都化成株式会社研究開発部 

○ 小野寺 和 之 

大日本インキ化学工業株式会社 

○ 久戸瀬   極 

ダウ・ケミカル日本株式会社 

○ 村 田 保 幸 

油化シェルエポキシ株式会社 

○ 菅   広次郎 

三井化学株式会社 

○ 伊 東 達 郎 

エポキシ樹脂技術協会 

(事務局) 

田 村 正 勝 

日本プラスチック工業連盟 

備考 ○印は国際整合化JIS(翻訳)作成分科会委員 

◎印は同分科会幹事