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K 6378:2010  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 記号及び単位 ··················································································································· 2 

5 引張試験機 ······················································································································ 2 

6 試験片···························································································································· 2 

6.1 形状及び寸法 ················································································································ 2 

6.2 試験片の採取方法 ·········································································································· 3 

6.3 試験片の状態調節 ·········································································································· 3 

7 試験方法························································································································· 3 

7.1 一般事項 ······················································································································ 3 

7.2 試験環境 ······················································································································ 3 

7.3 条件 ···························································································································· 3 

7.4 手順 ···························································································································· 3 

8 試験結果のまとめ方 ·········································································································· 4 

9 試験報告書 ······················································································································ 5 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 6 

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(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本ベルト工業会(JBMA)及び財団法人日

本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標

準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権にかかわる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

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ライトコンベヤベルト− 

応力緩和後の弾性係数の求め方 

Light conveyor belts-Determination of the relaxed elastic modulus 

序文 

この規格は,2005年に第1版として発行されたISO 21181を基に,技術的内容を変更して作成した日本

工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,ライトコンベヤベルトの応力緩和後の弾性係数の求め方について規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 21181:2005,Light conveyor belts−Determination of the relaxed elastic modulus(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 7721 引張試験機・圧縮試験機−力計測系の校正方法及び検証方法 

注記 対応国際規格:ISO 7500-1,Metallic materials−Verification of static uniaxial testing machines−

Part 1: Tension/compression testing machines−Verification and calibration of the force-measuring 

system(MOD) 

JIS K 6404-3 ゴム引布・プラスチック引布試験方法−第3部:引張試験 

ISO 9856,Conveyor belts−Determination of elastic and permanent elongation and calculation of elastic 

modulus 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

弾性係数(elastic modulus) 

弾性変形内の,応力とひずみとの比例定数。ここでは,ベルトを1 %伸張するのに必要な,単位幅当た

りの引張力で表す係数とする。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.2 

応力緩和後の弾性係数(relaxed elastic modulus) 

あらかじめ定めた上限,下限の伸張を,繰り返したときの,繰返し数z=43 200に相当する弾性係数(計

算による推定値)。 

3.3 

ライトコンベヤベルト(light conveyor belt) 

ポリエステル,ポリアミド,アラミドなどの合成繊維又は綿などの天然繊維からなる織布を心体とし,

ポリウレタン,ポリ塩化ビニル,ポリオレフィンなどの合成樹脂,天然ゴム,合成ゴムなどをカバー層及

び/又は中間層に用いたコンベヤベルトで,かつ,単位幅当たりの最大引張強さが1 000 N/mm以下のコ

ンベヤベルト。 

記号及び単位 

この規格で用いる主な記号及び単位は,表1による。 

表1−記号及び単位 

記号 

記号の説明 

単位 

FA z 

繰返し数zのときの試験片の最大引張力 

FB z 

繰返し数zのときの試験片の最小引張力 

F'A z 

繰返し数zのときの試験片の単位幅当たりの最大引張力 

N/mm 

F'B z 

繰返し数zのときの試験片の単位幅当たりの最小引張力 

N/mm 

k1 % 

弾性係数 

N/mm 

k1 % z 

繰返し数zのときの弾性係数 

N/mm 

k1 % R 

応力緩和後の弾性係数(繰返し数z=43 200に相当する弾性係数) 

N/mm 

k1 %−ln zの回帰直線におけるk1 %軸の切片で,z=1のときの弾性係数に当たる 

N/mm 

ベルトの幅 

mm 

相関係数 

− 

繰返し数 

− 

引張試験機 

引張試験機は,0.5 Hzの繰返し周波数を±5 mmの変位で負荷を与えることができるJIS B 7721で規定

する3級以上のものを用いる。 

試験片 

6.1 

形状及び寸法 

試験片の形状及び寸法を,図1に示す。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 mm 

図1−試験片の形状及び寸法 

6.2 

試験片の採取方法 

試験片は,図2に示す位置からベルトの長さ方向に5個採取する。 

図2−試験片の採取位置 

6.3 

試験片の状態調節 

試験片は,温度23±2 ℃,相対湿度(50±5)%で,24時間以上状態調節を行う。ただし,綿又はポリ

アミドのように吸湿性の高い材料で構成されるベルトの場合には,温度23±2 ℃,相対湿度(50±5)%

で,48時間以上状態調節を行う。 

試験方法 

7.1 

一般事項 

試験は,ベルトの製造後5日以上経過した後に行う。 

7.2 

試験環境 

試験室環境は,温度23±2 ℃,相対湿度(50±5)%とする。 

7.3 

条件 

a) 0.5 Hzの周波数で,1 %伸張(5 mm)と2 %伸張(10 mm)とを繰り返し行う。また,初期伸張を1.5 %

(7.5 mm)とし,±0.5 %(±2.5 mm)の繰返し伸張を行ってもよい。 

b) 高い弾性係数をもつアラミド繊維を心体として使用したベルトの場合には,0.5 Hzの周波数で,0.5 %

伸張(2.5 mm)と1 %伸張(5 mm)とを繰り返し行う。 

7.4 

手順 

a) 繰返し引張試験には,箇条6に規定する試験片を用いる。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 試験片が試験中にゆがみ,つかみ部分の切れ,滑り又はその他の不都合が生じないように,つかみ具

間の距離500±1 mmで正しくつかみ具に取り付ける。つかみ部の滑りを防止する方法は,JIS K 6404-3

の5.1 b)(つかみ具)による。 

c) 7.3の条件で500回の繰返し引張試験を行い,500回の繰返し伸張の間,繰返し数zの関数として最大

及び最小の引張力を記録する。 

d) 500回の繰返し引張試験終了後に,負荷をゼロにしてチャック間距離を測定する。これによって永久

伸びを求める。永久伸びが1 %に等しいか又は1 %を超える場合は,ISO 9856を適用する。 

e) 試験片のつかみ部分で滑りが発生した場合には,そのデータは採用せず,再試験を行う。 

図3−繰返し伸張に伴う引張力と繰返し数との関係 

試験結果のまとめ方 

応力緩和後の弾性係数k1 %Rの求め方は,次による。 

図3から,指定の繰返し数z(250, 350, 500回)での最大引張力FA z及び最小引張力FB zを読み取り,式

(1)及び式(2)によって単位幅当たりの最大引張力F'A z及び最小引張力F'B zを算出する。 

50

A

A

z

z

F

F' =

 ··············································································· (1) 

50

B

B

z

z

F

F' =

················································································ (2) 

最小伸張1 %と最大伸張2 %の繰返し伸張を7.3 a) の条件で行った場合,繰返し数zでの弾性係数k1 % z

は,式(3)によって算出する。 

background image

K 6378:2010  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

100

015

.0

2

B

A

%

1

×

×

+

=

z

z

z

F'

F'

k

 ·································································· (3) 

最小伸張0.5 %と最大伸張1 %とを繰返し伸張を7.3 b) の条件で行った場合,繰返し数zでの弾性係数

k1 % zは,式(4)によって算出する。 

100

5

007

.0

2

B

A

%

1

×

×

+

=

z

z

z

F'

F'

k

 ································································ (4) 

ここで,k1 % zは伸張の繰返しとともにln zに対して直線的に変化するものとして,z=43 200における弾

性係数k1 % 43 200を求める。 

弾性係数k1 % Rの求め方は,次による。 

先に算出したk1% zの3点の値(k1 % 250,k1 % 350,k1 % 500)を繰返し数の自然対数ln zに対してプロットす

る。これらの3点のデータを基に,式(5)のa及びcを最小二乗法によって求める。また,相関係数rも併

せて求めておく。 

k1% z=a+c×ln z ········································································ (5) 

ここで,aはz=1のときのk1 % 1,cはk1 %−ln z直線の傾きに対応する。 

なお,rが0.7未満であれば,再試験を行い,0.7未満のデータは採用しない。 

求めたa及びcの値を用い,式(5)によって,z=43 200のときの弾性係数k1 % 43 200=k1 % Rを求める。この

値を応力緩和後の弾性係数k1 % Rとする。これは,0.5 Hzの繰返し速度で24時間連続して繰返し伸張した

後の弾性係数に相当する(図4)。 

k1 % Rは,5個の試験片から求めたk1 % Rの平均値で表す。 

図4−応力緩和後の弾性係数k1 % Rの決定 

試験報告書 

試験報告書には,次の事項を記載する。 

a) ベルトの形式及び製造年月日 

b) この規格の番号 

c) 試験室の温度及び相対湿度 

d) 試験片の状態調節の時間 

e) 適用した手順(1 %と2 %との間で繰返し伸張,又は0.5 %と1 %との間で繰返し伸張) 

f) 

試験結果 

g) 試験年月日 

background image

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS K 6378:2010 ライトコンベヤベルト−応力緩和後の弾性係数の求め方 

ISO 21181:2005 Light conveyor belts−Determination of the relaxed elastic modulus 

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ご
との評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

3 用語及び
定義 

JISとほぼ同じ 

削除 

3.1弾性係数を削除し,以下繰り上
げた。 

特に必要ではない用語なので削除
したもので,実質的な差異はない。 

変更 

3.2応力緩和後の弾性係数の説明
を変更した。 

より分かりやすくするために変更
したもので,実質的な差異はない。 

追加 

3.3ライトコンベヤベルトの定義
を追加した。 

ライトコンベヤベルトの定義を明
確にするために追加した。 
ISOへ提案する。 

4 記号及び
単位 

記号の説明 

追加 

繰返し数zに対する変数であるこ
とを明確にするため,各記号に添
え字のzを追記した。 

より分かりやすくするために追加
したもので,実質的な差異はない。 

追加 

応力緩和後の弾性係数の記号

k1 % Rを追記した。 

より分かりやすくするために追加
したもので,実質的な差異はない。 

6 試験片 

JISとほぼ同じ。 

追加 

試験片の形状及び寸法が分かるよ
うに図を追加した。 

より分かりやすくするために追加
したもので,実質的な差異はない。 

7 試験方法 7.2 試験環境 

− 

− 

追加 

試験環境の温度及び相対湿度を追
加した。 

JISでは,試験環境を追加した。
ISO規格には,規定されていない
ので,ISOへ提案する。 

7.3 条件 
7.4 手順 

− 

変更 

試験方法の内容を条件と手順とに
分割した。 
JIS K 6404-3を追加した。 

より分かりやすくするために変更
したもので,実質的な差異はない。 

2

K

 6

3

7

8

2

0

1

0

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ご
との評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

8 試験結果
のまとめ方 

JISとほぼ同じ。 

変更 

記号を表1に合わせて変更し,表
現方法及び数式の表記を変更し
た。 

より分かりやすくするために変更
したもので,実質的な差異はない。 

変更 

式(3)及び式(4)を百分率表記の記
載方法に変更した。 

式が表している意味を正確に表現
したもので,実質的な差異はない。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 21181:2005,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 
 

− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 

− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 

− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 
 

− MOD ··············· 国際規格を修正している。 

2

K

 6

3

7

8

2

0

1

0

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。