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K 5601-4-2:2008  

(1) 

 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本塗料工業会(JPMA)及び財団法

人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標

準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。 

JIS K 5601-4の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS K 5601-4-1 第4部:塗膜からの放散成分分析−第1節:ホルムアルデヒド 

JIS K 5601-4-2 第4部:塗膜からの放散成分分析−第2節:揮発性有機化合物(VOC) 

 

 


 

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目 次 

ページ 

1. 適用範囲  1 

2. 引用規格  1 

3. 定義  1 

4. サンプリング  2 

5. 一般条件  2 

6. 養生環境  2 

7. 共通の条件  2 

8. 小形チャンバー法による塗膜から放散するVOC量の測定方法  2 

8.1 原理  2 

8.2 装置及び器具  2 

8.3 試験片の作製  3 

8.4 養生  3 

8.5 測定方法  3 

8.6 VOCの定量分析方法  4 

9. 報告  4 

附属書(参考)3 Lチャンバー法による測定例  6 

 

 

 


 

 

 

日本工業規格          JIS 

 

K 5601-4-2:2008 

 

塗料成分試験方法− 

第4部:塗膜からの放散成分分析− 

第2節:揮発性有機化合物(VOC) 

Testing methods for paint components-Part 4: Analysis for components 

emitted from film-Section 2: Volatile organic compounds 

 

1. 適用範囲 この規格は,塗料及び建築用仕上塗材の塗膜から放散する揮発性有機化合物(以下,

“VOC”という。)の量を,体積約3 Lの小形チャンバー法によって測定する方法について規定する。 

なお,附属書(参考)に3 Lチャンバー法による測定例を示す。 

 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS A 1901 建築材料の揮発性有機化合物(VOC),ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物放測定

方法−小形チャンバー法 

JIS A 1965 室内及び放射試験チャンバー内空気中揮発性有機物のTenax TA (R)吸着剤を用いたポン

プサンプリング,加熱脱離及びMS/FIDを用いたガスクロマトグラフィーによる定量 

JIS A 1966 室内空気中の揮発性有機化合物 (VOC) の吸着捕集/加熱脱離/キャピラリーガスクロマト

グラフ法によるサンプリング及び分析−ポンプサンプリング 

JIS A 6909 建築用仕上塗材 

JIS H 4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条 

JIS K 0114 ガスクロマトグラフ分析通則 

JIS K 5500 塗料用語 

JIS K 5600-1-1 塗料一般試験方法−第1部:通則−第1節:試験一般(条件及び方法) 

JIS K 5600-1-2 塗料一般試験方法−第1部:通則−第2節:サンプリング 

JIS K 5600-1-4 塗料一般試験方法−第1部:通則−第4節:試験用標準試験板 

JIS K 5600-1-6 塗料一般試験方法−第1部:通則−第6節:養生並びに試験の温度及び湿度 

JIS K 5670 アクリル樹脂系非水分散形塗料 

JIS R 3202 フロート板ガラス及び磨き板ガラス 

 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS A 1901及びJIS K 5500によるほか,次による。 

a) 塗料及び建築用仕上塗材 塗料及び建築用仕上塗材(JIS A 6909)などの建築材料。 

b) 小形チャンバー 建築材料から放散されるVOCを測定するための条件を制御できる容器。この規格

では,約3 Lの体積のもの。 


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c) 放散速度 空気捕集開始から規定する経過時間において,単位時間及び単位面積当たりに放散される

VOCの質量。 

d) サンプル VOCの測定に供する塗料及び建築用仕上塗材。 

e) 試験片 試験対象となるサンプルを塗装した試験板。放散特性について小形チャンバー内で測定を行

うために,特別に準備するもの。 

f) 

試料負荷率 試験片の表面積(m2)を小形チャンバーの体積(m3)で除した値。 

g) 対象化学物質 製品から放散する物質のうち,測定対象となるVOC。 

h) 養生 サンプルの塗装を終了した時から,小形チャンバー内に試験片を移すまでの塗膜形成過程。 

i) 

試験期間 養生開始から空気捕集を開始するまでの期間。 

j) 

空気捕集期間 捕集管への空気捕集を開始し,捕集を終了するまでの期間。 

 

4. サンプリング 測定に供する試料のサンプリングは,JIS K 5600-1-2による。 

 

5. 一般条件 特に規定する以外は,JIS K 5600-1-1による。 

 

6. 養生環境 塗装及び室内静置の場所は,特に規定する以外,JIS K 5600-1-6による。 

 

7. 共通の条件 (28±1.0)℃及び相対湿度(50±5)%に調整された小形チャンバー内に試験片を設置

し,8時間以上定常状態に静置した後,測定する。 

 

8. 小形チャンバー法による塗膜から放散するVOC量の測定方法  

8.1 

原理 測定方法の原理は,JIS A 1901の4.(原理)による。 

8.2 

装置及び器具 装置及び器具は,JIS A 1901の5.(器具)による。ただし,小形チャンバー,温度・

湿度制御装置の温度計及び湿度計,はかり,積算流量計及び分析装置は,次による。 

a) 小形チャンバー 小形チャンバーは,約3 Lの体積のステンレス製又はガラス製で,気密性,回収率,

物質伝達率などが確認されているもの。 

b) 温度・湿度制御装置の温度計及び湿度計 温度・湿度制御装置の温度計は,空気温度を0.1 ℃の精度

で測定できるもの,湿度計は,相対湿度を5 %の精度で測定できるものとする。 

c) はかり はかりは,質量100〜200 gを測定でき,1 mgの差を読み取れるもの。 

d) 積算流量計 積算流量計は,1 mlの精度で測定できるもの。 

e) 分析装置 VOCの分析に用いるガスクロマトグラフ分析装置は,JIS K 0114によるものとし,n-ヘキ

サデカンまでの範囲で十分な分離性能をもつもの。又は,JIS A1965及びJIS A1966若しくはこれらと

同等以上の精度をもつ装置を用いてもよい。 

f) 

試験体支持台 小形チャンバー内で試験片を装着する試験体支持台。支持台の例を図1に示す。 

 

 

 

 

 

 


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図1 試験片支持台例 

 

8.3 

試験片の作製  

8.3.1 

試験板 試験板は,次による。 

a) 試験板は,JIS H 4000に規定するアルミ板を使用し,塗装作業のしやすい寸法(通常,150 mm×70 mm)

とし,JIS K 5600-1-4の5.4.2(溶剤洗浄による調整)によって調整する。 

b) 試料負荷率は,0.55〜2.2とする。試験板は,1枚とし,塗り面積は,試料負荷率によって求める。  

計算例 試料負荷率[塗り面積(m2)/3 L小形チャンバーの体積(m3)]が0.55の場合の塗り長さ。 

     0.55×3/70×1 000=23.6 (mm) 

塗装後,24 mmの長さに切断するか,又は,塗り長さ24 mmだけ露出させ,他の部分はシー

ルで覆って用いる。 

8.3.2 

試料の塗り方 試料の塗り方は,次による。 

8.3.3 

試料の塗り方 試料の塗り方は,次による。 

a) はけ塗り,ローラ塗り又はこて塗りによって試験板の片面に全面塗装し,試験片とする。やや大きめ

の試験板を選び,A1901の9.4.2(シール工程を行う場合)によってシールして塗り付けてもよい。 

b) 試料の塗付け量は,希釈前の試料質量とする。製品に規定のあるものはその塗付け量に従い,規定の

ないものはその製品の塗装仕様書による。塗付け量に範囲があるものはその最大量を塗り付ける。 

c) 塗り付けは,下塗り試料と上塗り試料とを組み合わせず,それぞれの単独塗膜で試験する。 

d) 下塗り試料と上塗り試料とを塗り重ねることはしない。下塗り試料又は上塗り試料は,それぞれ塗装

仕様書によって,1回塗り, 2回塗り及び3回塗りとし,その塗装間隔は,仕様書による。 

e) 塗り付けが終了した時を養生開始時点とする。 

8.4 

養生 養生中の試験片は,試験室内に24±1時間静置する。その条件は,温度23〜28 ℃及び相対湿

度(50±5)%とし,試験室内の送風口からの空気が直接当たらず,表面に空気が自由に接触できるように

試験片が複数あるときは,互いに25 mm以上離し,かつ,床から高さ50 cm以上離れた台の上に立てかけ

て置く。また,VOCの放散量が低い試験片は,周辺環境の発生源からのVOCを吸着するおそれがあるの

で注意する。 

8.5 

測定方法  

8.5.1 

測定装置の準備 測定装置の準備は,次による。 

a) 小形チャンバー内及び空気の流路は,あらかじめ清浄にし,装置内にVOCが残存しない状態で測定

を開始する。 


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b) 換気条件を一定に保つため,空気流量,温度などは,測定開始前に調整する。ほかに規定がない場合,

換気回数0.5回/時間とする。 

c) a) 及びb) を満たす小形チャンバーを二つ準備する。 

8.5.2 

試験片の装着 試験片の装着は,次による。 

a) 規定の養生期間を経過した試験片を,小形チャンバー内の試験体支持台に装着する。一方,別の小形

チャンバーには,空試験用として試験片を装着しない。 

b) それぞれの小形チャンバー内に清浄な空気を送り,放散試験を開始する。流量はチャンバー内の容積

の空気が1時間で0.5回の換気となる流量となるよう,積算流量計で確認して調節する。 

8.5.3 

試験条件の状態監視 試験条件の状態監視は,次による。 

a) 温度・相対湿度は,試験片を装着しない小形チャンバー及び装着した小形チャンバー内部の温度及び

相対湿度を連続的に又は15分を超えない間隔で測定し,試験期間中記録する。流量は,積算流量計に

よって連続的に監視する。 

b) 空試験のVOC濃度(バックグラウンド濃度)は,試験片を装着しない小形チャンバーを用いて測定

する。 

8.5.4 

試験期間 養生開始から3日間(チャンバー内に装着後2日間)放散状態に置いた後,1回目の測

定を行う。捕集の時間は,6〜60分の範囲で捕集管が破過しない条件とする試料負荷率及び捕集管の種類

を考慮して受渡当事者間の協定によってもよい。さらに,養生開始から7日間(チャンバー内に装着後6

日間)放散状態を保ち,2回目の測定を行う。 

8.6 

VOCの定量分析方法 JIS K 0114のガスクロマトグラフ法によるものとし,JIS A 1901の11.1(VOC

の分析)によって行う。 

 

9. 報告 試験の報告は, JIS A 1901による。ただしa) 試験片の作製及びb) 養生条件を追加し,結果

の規定の経過時間は,次による。報告項目の選択は,受渡当事者間の協定による。 

a) 試験片の作製 試験片の作製は,次による。 

1) 塗装方法 

2) 希釈溶剤の有無及び希釈率 

3) 複数回塗りの場合には,その塗装間隔 

b) 養生条件 養生条件は,養生場所の温度及び湿度とする。 

c) 結果 試験結果は,養生開始後,3日及び7日経過後の結果(ただし,測定値が定量下限未満の場合

には,定量下限未満と記す。) 

 

 


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関連規格 ISO 209-1:1989 Wrought aluminum and aluminum alloys−Chemical composition and forms of 

products−Part 1: Chemical composition 

ISO 209-2:1989 Wrought aluminum and aluminum alloys−Chemical composition and forms of 

products−Part 2: Forms of products 

ISO 1514:2004 Paints and varnishes−Standard panels for testing 

ISO 3270:1984 Paints and varnishes and their raw materials−Temperatures and humidities for 

conditioning and testing 

ISO 4618-1:1998 Paints and varnishes−Terms and definitions for coating materials−Part 1: General 

terms 

ISO 4618-2:1999 Paints and varnishes−Terms and definitions for coating materials−Part 2: Special 

terms relating to paint characteristics and properties 

ISO 4618-3:1999 Paints and varnishes−Terms and definitions for coating materials−Part 3: Surface 

preparation and methods of application 

ISO 6361-2:1990 Wrought aluminum and aluminum alloy sheets,strips and plates−Part 2: 

Mechanical properties 

ISO 15528:2000 Paints,varnishes and raw materials for paints and varnishes−Sampling 

ENV 13419-1:1999 Building products−Determination of the emission of volatile organic compounds

−Part 1: Emission test chamber method 

ENV 13419-3:1999 Building products−Determination of the emission of volatile organic compounds

−Part 3: Procedure for sampling,storage of samples and preparation of test specimens 

ASTM D 5116:1997 Standard Guide for Small-Scale Environmental Chamber Determinations of 

Organic Emissions from Indoor Materials/Products 


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附属書(参考)3 Lチャンバー法による測定例 

 

この附属書は,本体規定の方法に従って,塗膜からのVOC放散速度を測定する場合に,体積約3 Lのチ

ャンバーを適用するときの例について記述するものであり,規定の一部ではない。 

 

1. チャンバー チャンバーは,ステンレス製とする。セパラブルフラスコなどを利用してもよい。チャ

ンバーは,気密性,回収率,物質伝達率などがJIS A 1901及び“シックハウス対策に役立つ小形チャンバ

ー法解説−参考文献[1]”に記載された内容に適合することが必要である。このチャンバーは,2.5〜4.0 L

の範囲とする。接続部は,ふっ素系樹脂などの不活性な材質のシールテープ,パッキングなどを用い,試

験中の気密性を確保する。 

ステンレス製容器を用いる具体例を,次に示す。容器とふたとは連結具で密封固定され,ふたにはシリ

コンゴム製パッキンを用いて気密性を維持する。容器には空気送入口とシャワー管とを,ふたには空気送

出口を溶接によって取り付ける。容器は二重底構造とし,シャワー管は容器底部と中底との間に位置する

箇所に取り付ける。このチャンバーの特徴は,シャワー管と中底との組合せによって気流を制御し,試料

表面の気流をほぼ整流状態にすることである。チャンバーの外観を附属書図1に示す。 

チャンバーの寸法は,内径160 mm及び高さ160 mmで,実質は3.3 Lである。空気送入口(5)の容器内に

は先端を密封したシャワー管を取り付け,シャワー管は長さ150 mm,内径4 mmφ及び給気用として径2 

mmφの孔を管長に沿って等間隔に7個もつ。通常,孔は,下向きにして取り付ける。シャワー管の上部

には,径4 mmφの孔を20個開けた中底を設置する。中底の孔の径と孔の数とのバランスが重要で,孔の

径が小さく,数が少ないと空気量が不足し,孔の径が大きすぎると乱流となり望ましくない。 

 

 

附属書図1 チャンバー外観図 

 


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2. 試験板 試験板は,アルミニウム板とし,塗装作業のしやすい寸法(通常150 mm×70 mm程度)で,

規定の試料負荷率とするため,試験片を正確に切断加工しやすい厚さ0.2 mm〜0.8 mmとする。 

 

3. 試料負荷率 試料負荷率は,試験する塗料及び建築用仕上塗材の塗装時のVOC含有率によって定め

る(附属書表1)。 

附属書表1 塗装時のVOC含有率及び試料負荷率 

VOC含有率 

試料負荷率 

1 %未満 

2.2 

1以上〜5 %未満 

1.1 

5 %以上 

0.55 

 

4. 養生 養生は,塗装終了時点から開始し,室内静置24時間後に試験片を試験用チャンバーに移す。室

内静置時は,温度23〜28 ℃及び相対湿度(50±5) %の条件を保ち,風の流れが直接塗装面に当たらないよ

う配慮する(附属書図2)。 

 

5. 試験 室内静置終了後,直ちに試験片をチャンバー内の試料台に置く。チャンバー内は,温度28±1 ℃

及び相対湿度(50±5) %に設定し,かつ,清浄な空気又は不活性ガスによって,0.5回/時間で換気する。 

 

6. 測定 チャンバー内での試験期間(2日及び6日)経過後,チャンバーから排出されるVOCを捕集管

に(捕集)する。捕集管の捕集剤は,ジフェルフェニレンオキサイド系捕集剤又は活性炭とする。チャン

バーの排出口に捕集管を接続し,排出される空気を通過させる。空気捕集期間は, 6〜60分の範囲で捕集

管が破過しない条件を選ぶ。 

備考 捕集管の取付けは,チャンバー出口からできる限り近い位置(10 cm程度)とする。 

参考 ジフェルフェニレンオキサイド系捕集剤の商品には,Tenax TA(SUPELCO社製)などがある。 

 

7. 分析 規定の空気捕集期間後,JIS A 1901の11.1によってVOCの分析を行う。ジフェルフェニレン

オキサイド系捕集剤の加熱脱着温度は,特に規定する以外は, 300 ℃とする。活性炭は,二硫化炭素によ

って溶剤抽出を行った後,VOCの分析をする。 

備考 捕集管は,捕集操作の終了後に密封し,他の分析機関に送って分析を委託することができる。 


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附属書図2 試験片の養生状態 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参考文献 [1] JISの使い方シリーズ“シックハウス対策に役立つ小形チャンバー法解説”,財団法人日本

規格協会編,2003年発行