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K 5601-4-1:2012  

(1) 

目 次 

ページ 

序文  1 

1 適用範囲 1 

2 引用規格 1 

3 用語及び定義  2 

4 ホルムアルデヒド放散等級  2 

5 デシケータ法  2 

5.1 原理  2 

5.2 一般条件  3 

5.3 装置及び器具  3 

5.4 試薬の調製  4 

5.5 試験片の作製  5 

5.6 試料の塗り方  6 

5.7 養生  6 

5.8 試験方法  6 

5.9 報告  8 

6 小形チャンバ法  8 

附属書A(規定)小形チャンバ法  9 

 

 


 

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まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本塗料

工業会(JPMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正

すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS K 5601-4-1:2003は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS K 5601-4の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS K 5601-4-1 第1節:ホルムアルデヒド放散量の求め方 

JIS K 5601-4-2 第2節:揮発性有機化合物(VOC) 

 

 


 

  

日本工業規格          JIS 

 

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塗料成分試験方法− 

第4部:塗膜からの放散成分分析− 

第1節:ホルムアルデヒド放散量の求め方 

Testing methods for paint components-Part 4: Analysis for components 

emitted from film-Section 1: Determination of Formaldehyde emission 

 

序文 

この規格は,2003年に制定された日本工業規格であるが,ホルムアルデヒド放散量の少ない製品の試験

に対応するため試験方法の一部を改正したものである。 

なお,対応国際規格は,現時点で制定されていない。 

 

適用範囲 

塗膜から放散するホルムアルデヒドの量を測定する方法について規定する。 

 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS A 1901 建築材料の揮発性有機化合物(VOC),ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物放散

測定方法−小形チャンバー法 

JIS A 1962 室内空気中のホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物の定量−ポンプサンプリング 

JIS H 4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0102 工場排水試験方法 

JIS K 0115 吸光光度分析通則 

JIS K 0124 高速液体クロマトグラフィー通則 

JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水 

JIS K 5500 塗料用語 

JIS K 5600-1-4 塗料一般試験方法−第1部:通則−第4節:試験用標準試験板 

JIS K 5600-1-6 塗料一般試験方法−第1部:通則−第6節:養生並びに試験の温度及び湿度 

JIS K 8001 試薬試験方法通則 

JIS K 8005 容量分析用標準物質 

JIS K 8027 アセチルアセトン(試薬) 

JIS K 8180 塩酸(試薬) 


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JIS K 8322 クロロホルム(試薬) 

JIS K 8355 酢酸(試薬) 

JIS K 8359 酢酸アンモニウム(試薬) 

JIS K 8480 2,4-ジニトロフェニルヒドラジン(試薬) 

JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8625 炭酸ナトリウム(試薬) 

JIS K 8637 チオ硫酸ナトリウム五水和物(試薬) 

JIS K 8659 でんぷん(溶性)(試薬) 

JIS K 8872 ホルムアルデヒド液(試薬) 

JIS K 8913 よう化カリウム(試薬) 

JIS K 8920 よう素(試薬) 

JIS K 8951 硫酸(試薬) 

JIS R 3202 フロート板ガラス及び磨き板ガラス 

JIS R 3503 化学分析用ガラス器具 

JIS R 3505 ガラス製体積計 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS A 1901及びJIS K 5500による。 

 

ホルムアルデヒド放散等級 

ホルムアルデヒド放散等級は,箇条5によって試験を行ったときの塗膜からのホルムアルデヒド放散量

で区分し,その等級を表1とする。 

 

表1−ホルムアルデヒド放散等級 

ホルムアルデヒド
放散等級分類記号 

F☆☆☆☆ 

F☆☆☆ 

F☆☆ 

−a) 

放散量 

0.12 mg/L以下 

0.35 mg/L以下 

1.8 mg/L以下 

1.8 mg/Lを超える 

注記 本放散等級は,個々の製品規格に規定されている。 
注a) 表1の中のハイフン(−)は,ホルムアルデヒド放散等級を規定しないことを示す。また,5.8の

試験を行わないものは,これと同じとみなす。 

 

デシケータ法 

5.1 

原理 

デシケータ法による測定は,図1に示すガラス製デシケータを用いて行う。ホルムアルデヒド放散量は,

デシケータ内に一定量の水を入れ,24時間後,水に吸収されたホルムアルデヒド濃度から求める。 

水に吸収されたホルムアルデヒド濃度の測定は,吸光光度法,又は高速液体クロマトグラフ法(以下,

HPLC法という。)によって行う。HPLC法による測定では,ホルムアルデヒドと2,4-ジニトロフェニルヒ

ドラジン(DNPH)との反応によって生成する誘導体をHPLC法のクロマトグラムのピーク面積から求め

る。 

 


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1 デシケータ 

 

2 試験片 

 

3 試験体支持金物 

 

4 金網 

 

5 結晶皿 

 

6 ガラス蓋 

 

図1−デシケータ法の装置構成例 

 

5.2 

一般条件 

5.2.1 

試験環境 

試験環境は,JIS K 5600-1-6による。ただし,デシケータ内の湿度は規定しない。 

5.2.2 

共通の条件 

共通の条件は,次による。 

a) 化学分析に共通する一般事項は,JIS K 0050及びJIS K 0102による。 

b) 分析に用いる水は,JIS K 0557に規定する,種別A2以上のものとする。 

5.3 

装置及び器具 

装置及び器具は,次による。 

a) 温湿度測定装置 温湿度測定装置は,空気温度を0.1 ℃で,相対湿度±5 %の精度で測定できるもの。 

b) 吸光光度計 吸光光度計は,JIS K 0115に規定する波長410〜415 nmで吸光度が測定可能なもの。 

c) 恒温水槽 恒温水槽は,水温を65±2 ℃に維持することが可能なもの。 

d) はかり はかりは,質量100〜200 gが測定でき,0.1 mgまで読み取れるもの。 

e) デシケータ デシケータは,JIS R 3503に規定する呼び寸法240 mmで,気密性をもつもの。 

f) 

結晶皿 ホルムアルデヒドを吸収するための水を入れる結晶皿は,硬質ガラス製で,外径120±1 mm,

内径115±1 mm,深さ60〜65 mmで,こぼし口付きのもの。 

g) 全量フラスコ 全量フラスコは,JIS R 3505に規定する呼び容量100 mL,500 mL及び1 000 mLのも

の。 

h) 全量ピペット 全量ピペットは,JIS R 3505に規定する呼び容量5 mL,10 mL,15 mL,20 mL,25 mL,


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50 mL若しくは100 mLの全量ピペット(20 ℃で調整された)又はこれらと同等の品質をもつ自動ピ

ペット。 

i) 

ビュレット ビュレットは,JIS R 3505に規定するもの又は自動計量装置。 

j) 

メスシリンダ メスシリンダは,JIS R 3505に規定する呼び容量100 mL又は300 mLのもの。 

k) 分液漏斗 分液漏斗は,JIS R 3503に規定する呼び容量100 mL又は500 mLのもの。 

l) 

共栓付きフラスコ 共栓付きフラスコは,JIS R 3503に規定する呼び容量10 mL及び100 mLの共通

すり合わせ三角フラスコのもの。 

m) 共栓付き試験管 共栓付き試験管は,呼び容量10 mLのもの。 

n) 試験体支持金物 デシケータ内で試験片を固定する試験体支持金物(図2)は,ステンレス製又はア

ルミニウム製のワイヤで,下から支えるか,又はつりかけて試験片を立てるようにしたもの。 

o) ステンレス製金網 ステンレス製金網は,デシケータ内で試験片を取り付けた試験体支持金物を置く

台であり,ステンレス製ワイヤ部分の間隔が15 mmより大きく作られた直径240 mmの金網のもの。 

p) 高速液体クロマトグラフ 高速液体クロマトグラフは,JIS K 0124に規定するUV検出器が装備され

ているもの。 

 

 

 

a) 下から支えるタイプ 

b) つりかけタイプ 

図2−試験体支持金物 

 

5.4 

試薬の調製 

試薬の調製は,次による。 

a) 0.05 mol/Lよう素溶液 0.05 mol/Lよう素溶液は,JIS K 8913に規定するよう化カリウム40 gを水25 

mLに溶かし,これにJIS K 8920に規定するよう素13 gを溶かした後,これを全量フラスコ1 000 mL

に移し入れ,JIS K 8180に規定する塩酸3滴を加えた後,水を標線まで加えて調製する。 

b) 0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液 0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液は,JIS K 8637に規定するチオ

硫酸ナトリウム五水和物26 g及びJIS K 8625に規定する炭酸ナトリウム0.2 gを,溶存酸素を含まな

い水(JIS K 0557の4. の備考3. による。)1 000 mLに溶かし,2日間放置した後,JIS K 8005に規定

するよう素酸カリウムを用いて,JIS K 8001のJA.5.2 t) 2) によって標定を行う。 

c) 1 mol/L水酸化ナトリウム溶液 1 mol/L水酸化ナトリウム溶液は,JIS K 8576に規定する水酸化ナト

リウム40 gを水200 mLに溶かし,これを全量フラスコ1 000 mLに移し入れ,水を標線まで加えて調

製する。 

d) 1 mol/L硫酸溶液 1 mol/L硫酸溶液は,JIS K 8951に規定する硫酸56 mLを水200 mLに溶かし,こ

れを全量フラスコ1 000 mLに移し入れ,水を標線まで加えて調製する。 

e) でんぷん溶液 でんぷん溶液は,JIS K 8659に規定するでんぷん1 gを水10 mLとよく混和し,熱水

200 mL中にかき混ぜながら加え,約1分間煮沸し冷却した後,ろ過する。 


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f) 

ホルムアルデヒド標準原液 ホルムアルデヒド標準原液は,JIS K 8872に規定するホルムアルデヒド

液1 mLを全量フラスコ1 000 mLに入れ,水を標線まで加えて調製したもので,濃度は,次の操作で

求める。ホルムアルデヒド標準原液20 mLを共通すり合わせ三角フラスコ100 mLに分取し,0.05 mol/L

よう素溶液25 mL及び1 mol/L水酸化ナトリウム溶液10 mLを加え,遮光した状態で15分間室温に静

置する。次いで,1 mol/L硫酸溶液15 mLを加え,遊離したよう素を直ちに0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリ

ウム溶液で滴定する。溶液が淡黄色に変化してから,でんぷん溶液1 mLを指示薬として加え,更に

滴定し,でんぷん溶液によって変化した色が消えた時点を終点とする。これとは別に水20 mLを用い

て空試験を行い,次の式(1)によってホルムアルデヒド濃度を算出する。 

20

/

000

1

5.1

0

f

V

V

C

  (1) 

ここに, 

C: ホルムアルデヒド標準原液中のホルムアルデヒド濃度(mg/L) 

 

V: ホルムアルデヒド標準原液中の0.1 mol/Lのチオ硫酸ナトリウ

ム溶液の滴定量(mL) 

 

V0: 空試験における滴定量(mL) 

 

f: 0.1 mol/Lのチオ硫酸ナトリウム溶液のファクタ 

 

1.5: 0.1 mol/Lのチオ硫酸ナトリウム溶液1 mLに相当するホルムア

ルデヒド量(mg) 

 

g) ホルムアルデヒド標準液 ホルムアルデヒド標準液は,次のいずれかによる。 

1) ホルムアルデヒド標準原液10 mLを全量ピペットで1 000 mL全量フラスコに正確にとり,水を標線

まで加えて1 000 mLとする。 

2) 計量標準供給制度(JCSS)によって提供される,国家計量標準にトレーサブルであるホルムアルデ

ヒド標準液(水質試験用HCHO:1 000 mg/L)2 mLを原液として,500 mL全量フラスコにとり,

水を標線まで加えて500 mLとする。 

h) アセチルアセトン−酢酸アンモニウム溶液 アセチルアセトン−酢酸アンモニウム溶液は,JIS K 

8359に規定する酢酸アンモニウム150 gを800 mLの水に溶かし,これにJIS K 8355に規定する酢酸

3 mLとJIS K 8027に規定するアセチルアセトン2 mLとを加え十分に混合し,更に水を加えて1 000 

mLとする。直ちに測定を行わない場合は,0〜10 ℃の冷暗所に,調製後3日を超えない間保管する

ことができる。 

i) 

2,4-ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH溶液) 2,4-ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH溶液)は,

JIS K 8480に規定する2,4-ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)0.13 gを濃塩酸25 mLに溶解し,蒸

留水を加えて250 mLにする。この溶液を分液漏斗500 mLに移し,JIS K 8322に規定するクロロホル

ム5 mLを加え振とうし,静置後下層のクロロホルム相を除去する。再度クロロホルム5 mLを加えて

振とうし,静置後下層のクロロホルム相を除去し,溶液作製時までに混入したホルムアルデヒドを除

去する。直ちに測定を行わない場合は,0〜10 ℃の冷暗所に,調製後14日間を超えない間保管するこ

とができる。 

5.5 

試験片の作製 

5.5.1 

試験板 

試験板は,JIS R 3202に規定するガラス板又はJIS H 4000に規定するアルミニウム板を使用し,JIS K 

5600-1-4の方法によって調整する。 

5.5.2 

試験板の寸法及び枚数 

試験板の寸法及び枚数は,次による。 


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a) 試験板は,長さ150±1 mm,幅150±1 mmとする。 

b) 試験板は2枚とし,これを2組作成する。 

5.6 

試料の塗り方 

試料の塗り方は,次による。 

a) はけ塗り,ローラ塗り,こて塗りなどで試験板の片面に全面に塗り付けし,試験片とする。 

b) 試料の塗り付け量は,日本工業規格(以下,JISという。)に規定している場合は,その塗り付け量に

従い,JISに規定のない場合は,その試料の塗装仕様書に従う。試料を希釈して塗り付ける場合は,

希釈前の試料の質量を塗り付け量とする。 

c) 塗装仕様書に下塗り塗料,上塗り塗料などと組み合わせて使用するように指定した場合でも,試験は,

それぞれの試料について,単独で実施する。 

d) それぞれの試料の2回塗り,3回塗りの塗装間隔などについては,塗装仕様書に従う。 

e) 現場塗装を想定し,塗り付けが終了した時点を養生開始時点とする。 

5.7 

養生 

養生中の試験片は,JIS K 5600-1-6に規定する標準状態で保管し,表面に空気が自由に接触できるよう

に互いに25 mm以上離す。また,ホルムアルデヒドの放散量が低い試験片は,周辺環境のホルムアルデヒ

ドを吸着しないように注意する。 

なお,養生期間はそれぞれの製品規格の規定による。規定がない場合は,7日間とする。 

5.8 

試験方法 

5.8.1 

試験装置の準備 

試験装置の準備は,次による。 

a) デシケータ及び結晶皿を複数個(3個の場合,そのうちの1個は空試験用とする。)用意し,それぞれ

を試験前に水で十分洗浄し乾燥する。 

b) 各結晶皿に300 mLの水を入れ,各デシケータの底の中央部に置く。 

なお,ホルムアルデヒドの放散量が,0.12 mg/L以下(ホルムアルデヒド放散等級:F☆☆☆☆)と

予想される場合は,各結晶皿に100 mLの水を入れる。 

c) 図1のように,デシケータ内の結晶皿の上にステンレス製金網を置き,その上に試験体支持金物を図

2に示すように置く。 

d) 複数のデシケータは,23±2 ℃に調節された試験場所に静置する。 

e) デシケータ内の温度は,試験片を装着しないデシケータを用い,その中に温度計を挿入し,連続的又

は15分を超えない間隔で試験期間中測定する。 

なお,デシケータに近接する環境を,熱電対などを取り付けて測定してもよい。 

5.8.2 

試験片の装着 

試験片の装着は,次による。 

a) 所定養生期間を経過した2枚の試験片の裏面と裏面とを約2 cm間隔で向き合わせ,それぞれの試験片

の試験面が外側になるように,デシケータ内の試験体支持金物に装着する。 

b) デシケータに蓋をして,放散試験を開始する。 

5.8.3 

空試験のホルムアルデヒド濃度測定 

空試験のホルムアルデヒド濃度は,試験片を装着しないデシケータを用いて測定する。 

5.8.4 

試験時間 

1回の放散試験の時間は,24時間±5分とする。 


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5.8.5 

試験溶液の採取 

結晶皿のホルムアルデヒドを吸収した水を試験溶液とする。規定の時間経過後,試験溶液を十分混合す

る。共通すり合わせ三角フラスコ100 mLを試験溶液の一部で洗浄した後,この溶液を満たしガラス共栓

をする。試験溶液のホルムアルデヒド濃度を直ちに測定できない場合は,試験溶液を測定するまで0〜5 ℃

で最大30時間保管できる。 

5.8.6 

定量方法 

試験溶液中のホルムアルデヒド濃度は,JIS K 0115に規定する吸光光度法又はJIS K 0124に規定する

HPLC法によって測定する。 

a) 吸光光度法 5.8.5の試験溶液5 mLを共通すり合わせ三角フラスコ10 mL又は共栓付き試験管で採取

し,次に,アセチルアセトン−酢酸アンモニウム溶液5 mLを加え,栓をして混合する。この共通す

り合わせ三角フラスコを,65±2 ℃の恒温水槽で10分間加温した後,この溶液を室温になるまで遮光

した状態で冷却する。この溶液を吸収セルにとり,水を対照として,波長412 nmで吸光度を測定す

る。波長412 nm以外で最大吸収が生じる場合は,検量線作成を含む全ての測定をこの波長で測定し

てもよい。 

試料のホルムアルデヒド放散量が0.12 mg/L以下(ホルムアルデヒド放散等級:F☆☆☆☆)と予想

される場合は,JIS K 0115に規定する,光路長50 mm以上の吸収セルを用いて測定することができる。

その場合,吸収セルの容積に合わせて,5.8.5の試験溶液の量,アセチルアセトン−酢酸アンモニウム

溶液の量及び共通すり合わせ三角フラスコの容量を変えることができる。 

なお,同様に空試験溶液についてホルムアルデヒド濃度を測定する。 

b) HPLC法 5.8.5の試験溶液25 mLを分液漏斗に採取し,次にDNPH溶液10 mLを加えて振り混ぜ,

40〜50分室温で静置する。この溶液にJIS K 8322に規定するクロロホルム10 mLを加え振り混ぜ,

生成したDNPH誘導体をクロロホルム相に抽出する。このクロロホルム相をHPLCで,波長360 nm

(DNPH誘導体の吸収極大波長)を用いて測定する。溶離液は,(アセトニトリル/水又はメタノール

/水)混合溶液を用いる。 

なお,空試験溶液のホルムアルデヒド濃度についても同様に測定する。 

5.8.7 

検量線の作成 

検量線作成用のホルムアルデヒド溶液は,ホルムアルデヒド標準液をピペットで0 mL,5 mL,10 mL,

20 mL及び50 mLを別々の100 mLの全量フラスコに入れた後,水を標線まで加える。 

なお,ホルムアルデヒド放散量が0.12 mg/L以下(ホルムアルデヒド放散等級:F☆☆☆☆)と予想され

る場合は,ホルムアルデヒド標準液をピペットで0 mL,5 mL,10 mL,20 mL及び50 mLを別々の1 000 mL

の全量フラスコに入れた後,水を標線まで加える。 

それぞれの検量線作成用溶液から吸光光度法は5 mL,HPLC法は25 mLを分取し,5.8.6のa) 又はb) の

操作を行い,ホルムアルデヒド量をY軸に,吸光度又はHPLCから得たピーク面積をX軸に取って,検量

線を作成する。そのときの検量線の傾き(F)は,グラフ又は計算で求める。 

なお,吸収セルの容積に合わせて,検量線作成用溶液から分取する液量を変えることができる。 

5.8.8 

計算 

デシケータ内の結晶皿中の水に吸収されたホルムアルデヒド濃度は,次の式(2)によって算出する。 

300

/

/

800

1

b

d

L

S

A

A

F

G

  (2) 

ここに, 

G: 水に吸収されたホルムアルデヒド濃度(mg/L) 


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Ad: 試験片を入れたデシケータ内の溶液の吸光度(Abs)又は

ピーク面積 

 

Ab: 空試験用デシケータ内の溶液の吸光度(Abs)又はピーク

面積 

 

F: ホルムアルデヒド標準液の検量線の傾き(mg/L)/(Abs

又はピーク面積) 

 

S: 試験片の表面積(cm2) 

 

L: 5.8.1 b) の水の量(mL) 

 

5.8.9 

試験結果の表示 

水に吸収されたホルムアルデヒド濃度を塗膜からのホルムアルデヒド放散量とする。2組の測定値の平

均をJIS Z 8401に従って丸め,小数点以下2桁まで求める。 

5.9 

報告 

試験報告には,次の事項を含む。 

a) 試験機関 

− 試験機関の名称及び所在地 

− 試験責任者名 

b) 製品に関する事項 

− 製品の種類(可能な場合は商品名) 

− サンプルの選択プロセス(抜取方法など) 

− 製品の経緯(製造年月日,ロット番号など) 

c) 試験結果 ホルムアルデヒドの放散量(mg/L) 

d) 試験条件 試験場所の温度及び湿度 

e) 測定機器 使用した装置,器具及び方法に関する情報[吸光光度計,吸収セルの種類(材質,光路長

など),高速液体クロマトグラフなど] 

f) 

品質管理及び品質保証 空試験の値 

g) その他の必要事項 

− 塗り付け量(g/m2) 

− 希釈溶剤の有無及び希釈率 

− 複数塗りの場合は,塗装間隔 

− 試験板の種類 

 

小形チャンバ法 

受渡当事者間で取決めがある場合,小形チャンバ法によってホルムアルデヒド放散量を求めてもよい。

小形チャンバ法は,附属書Aによる。 

 


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附属書A 

(規定) 

小形チャンバ法 

 

A.1 適用範囲 

塗膜から放散するホルムアルデヒドの量を,小形チャンバ(20 L)によって測定する方法について規定

する。 

 

A.2 原理 

一定の温度,湿度及び換気量をもつ小形チャンバ内に一定面積の塗膜を置き,空気を流通させ,規定の

時間の経過後,塗膜から放散するホルムアルデヒドを出口で捕集し,単位面積当たりのホルムアルデヒド

放散量及び放散速度を算出する。 

空気中に放出されたホルムアルデヒドは,捕集管内のDNPHと接触することによって,酸の存在下で図

A.1に示す反応によって安定なDNPH誘導体を形成する。このDNPH誘導体をUV検出器付きのHPLCを

用いて定量する。 

 

 

 R :ケトンではアルキル基又は芳香族基,アルデヒドでは水素 

R' :ケトンではアルキル基又は芳香族基 
 

図A.1−カルボニル化合物の反応 

 

A.3 一般条件 

一般条件は,次による。 

a) 化学分析に共通する一般事項は,JIS K 0050及びJIS K 0102による。 

b) 分析に用いる水は,JIS K 0557に規定する,種別A2以上とする。 

 

A.4 装置及び器具 

装置及び器具は,5.3及びJIS A 1901の箇条6(器具)によるほか,次による。 

a) 小形チャンバ JIS A 1901の6.2(小形チャンバー)に規定する,小形チャンバ(20 L)とする。 

b) 温湿度制御装置 温湿度制御装置は,JIS A 1901の6.5(温度・湿度制御方法)に規定する方法によっ

て,空気温度を0.1 ℃,相対湿度1 %の精度で制御できるもの。 

c) 捕集管(吸収管又はカートリッジ) 捕集管は,DNPHをシリカゲルにコーティングしたもの。 

 

 


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A.5 試薬及び捕集管の調製 

試薬及び捕集管の調製は,JIS A 1962の7.(試薬)及び8.(試薬及びカートリッジの調製)による。 

 

A.6 試験片の作製 

試験片の作製は,次による。 

a) 試験板 試験板は,JIS R 3202に規定するガラス板又はJIS H 4000に規定するアルミニウム板をJIS K 

5600-1-4によって調製する。 

b) 試験板の寸法及び枚数 試験板の寸法及び枚数は,試料負荷率が0.4〜2.2 m2/m3になるような大きさ

とし,通常,長さは160 mm,幅は160 mm,枚数は2枚とする。 

 

A.7 試料の塗り方 

試料の塗り方は,次による。 

a) 試料負荷率が2.2 m2/m3の場合,試験板の塗り面が長さ147 mm,幅147 mmとなるようにシールする。 

b) 試験板の片面に,はけ,ローラ,こてなどを用いて,試料を全面に塗り付ける。塗装が終了した後,

シールを剝がして試験片とする。 

c) JISに規定している場合は,その塗り付け量に従い,JISに規定がない場合は,その試料の塗装仕様書

に従う。試料を希釈することによって,塗り付け量が増加した場合は,希釈前の試料の質量を塗り付

け量とする。 

d) 塗装仕様書に下塗り塗料,上塗り塗料などを組み合わせて使用するように指定した場合でも,試験は,

それぞれの試料について,単独で実施する。 

e) 試料の2回塗り,3回塗り及び塗装間隔等については,塗装仕様書に従う。 

f) 

現場塗装を想定し,塗り付け終了時点をもって,養生開始時点とする。 

 

A.8 養生 

養生中の試験片は,試験室内に24±1時間静置する。その条件は,温度23〜28 ℃及び相対湿度(50±5)%

とし,試験室内の送風口からの空気が直接当たらず,表面に空気が自由に接触できるように試験片が複数

あるときは,互いに25 mm以上離し,かつ,床から高さ50 cm以上離れた台の上に立てかけておく。また,

ホルムアルデヒド放散量が低い試験片は,周辺環境の発生源からのホルムアルデヒドを吸着するおそれが

あるので注意する。 

 

A.9 測定方法 

A.9.1 測定装置の準備 

測定装置の準備は,次による。 

a) 小形チャンバ内及び空気の流路は,あらかじめ清浄にし,装置内にホルムアルデヒドが残存しない状

態で測定を開始する。 

b) 換気条件を一定に保つため,空気流量,温度などは,測定開始前に調整する。他に規定がない場合,

換気回数は,0.5回/時間とする。 

A.9.2 試験片の装着 

試験片の装着は,次による。 

a) 規定の養生時間を経過した試験片を,小形チャンバ内の試験体支持台に装着する。一方,別の小形チ


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ャンバには,空試験用として試験片を装着しない。 

b) それぞれの小形チャンバ内に清浄な空気を送り,放散試験を開始する。流量は,チャンバ内の容積の

空気が,1時間で0.5回の換気となるように,積算流量計で確認し,調節する。 

c) 試験条件の状態監視は,試験片を装着しない小形チャンバ及び装着した小形チャンバ内部の温度及び

相対湿度を連続的に,又は15分を超えない間隔で測定し,試験期間中記録する。流量は,積算流量計

によって連続的に確認する。 

d) 空試験のホルムアルデヒド濃度は,試験片を装着しない小形チャンバを用いて測定する。 

A.9.3 測定条件 

測定条件は,次による。 

a) 温度(28±1.0)℃ 

b) 相対湿度(50±5)% 

c) 小形チャンバ内のホルムアルデヒド濃度 通常,2 μg/m3以下とする。 

d) 換気回数 (0.5±0.05)回/h 

e) 試料負荷率 0.4〜2.2 m2/m3 

A.9.4 空気捕集間隔 

小形チャンバ内に試験片を設置後,養生開始から数えて3日及び7日(試験開始からそれぞれ2日,6

日)経過後,空気捕集を行う。DNPH捕集管を接続し,チャンバから排出する空気を通過させる。空気捕

集時間は,捕集管の種類及び試料負荷率によって適切な時間とする。7日経過後の値をホルムアルデヒド

放散量とする。ただし,3日後の試験において,対象とする物質が定量下限値以下となった場合は,試験

を終了することができる。 

A.9.5 空気捕集回数 

空気捕集回数は,通常,2回以上とする。ただし,小形チャンバ濃度の測定系の精度が確保されている

ことを確認している場合は,2回捕集し,1回分を分析し,もう一方は予備とすることができる。 

A.9.6 ホルムアルデヒド放散量の算出 

ホルムアルデヒド放散量(mg/L)は,JIS A 1962の10.(計算)によって算出する。 

A.9.7 ホルムアルデヒド放散速度の算出及び結果の表示 

ホルムアルデヒド放散速度(μg/m2h)の算出及び結果の表示は,JIS A 1901の箇条13(放散速度の算出

及び結果の表現方法)による。 

 

A.10 報告 

試験報告には,次の事項を含む。 

a) この規格の番号及び測定方法(小形チャンバ法) 

b) 試料を識別するための情報(製品名,種類,製造番号,採取年月日,製造業者名など) 

c) 試験片の作製条件(塗り付け量,塗装方法,希釈率,塗装間隔,試験板の種類など) 

d) 測定条件(温度,相対湿度,換気回数,試料負荷率など) 

e) 測定機器など(捕集装置,捕集管の種類,捕集量,分析装置,カラムの種類,温度,検出波長など) 

f) 

測定結果 

g) 参照した測定規格などの試験結果を補足するための情報 

h) 測定中に観察された特記事項 

i) 

規定の方法と異なる場合及び受渡当事者間で取決めがある場合は,その内容