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K 4828-3 : 1998 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 4828-3 : 1998 

火薬類危険区分判定試験方法− 

第3部 試験シリ−ズ7 

Test methods for the hazard classification 

of explosives−Part 3 : test series 7 

序文 この規格は,1995年に国際連合から発行された“危険物の輸送に関する勧告” (Recommendations on 

the Transport of Dangerous Goods) の附属書“試験方法及び判定基準のマニュアル第2改訂版” (Manual of 

Tests and Criteria, Second revised edition) を基に作成した日本工業規格である。 

1. 適用範囲 この規格は,火薬類(危険物の輸送に関する勧告でクラス1に指定されたもの。)が極度に

鈍感な物質 (EIDS) を含有する,極度に鈍感な物品であるかどうかを評価し,危険区分1.6であるかどう

かを判定するための試験方法について規定する。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の一部を構成する。こ

れらの規格は,その最新版を適用する。 

JIS G 4304 熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯 

JIS K 4800 火薬用語 

JIS K 4806 工業雷管及び電気雷管 

JIS K 4828-1 火薬類危険区分判定試験方法−第1部 試験シリ−ズ5 

JIS K 4828-2 火薬類危険区分判定試験方法−第2部 試験シリ−ズ6 

3. 用語の定義 この規格に用いる主な用語の定義は,JIS K 4800, JIS K 4828-1及びJIS K 4828-2による

ほか,次のとおりとする。 

3.1 

危険区分1.6 大量爆発の危険性をもたない,極めて鈍感な物品をいう。 

この区分の物品は,極めて鈍感な物質のみを含有する物品であって,偶発的な起爆又は伝ぱの可能性を

ほとんど無視できるものである。 

3.2 

EIDS Extremely Insensitive Detonating Substanceの略で,極度に鈍感な爆発性物質をいう。 

4. 試験コード及び名称 試験コード及び名称は,表1に示すとおりとする。 

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K 4828-3 : 1998 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1 試験コード及び名称 

試験コ−ド 

試験名称 

タイプ7(a) 

EIDS雷管試験 

タイプ7(b) 

EIDSギャップ試験 

タイプ7(c) 

EIDSぜい弱性試験 

タイプ7(d) 

EIDS銃撃試験 

タイプ7(e) 

EIDS外部火災試験 

タイプ7(f) 

EIDS低速クックオフ試験 

タイプ7(g) 

危険区分1.6物品の外部火災試験 

タイプ7(h) 

危険区分1.6物品の低速クックオフ試験 

タイプ7(j) 

危険区分1.6物品の銃撃試験 

タイプ7(k) 

危険区分1.6物品の積み重ね試験 

5. 試験条件 試験条件は,次のとおりとする。 

5.1 

危険区分1.6に属すると思われる物品は,その含有する物質がEIDSかどうかを判定するタイプ7(a)

から7(f)の試験を実施した後でなければ,シリーズ7の他の試験を実施してはならない。 

5.2 

タイプ7(g),7(h),7(j)及び7(k)の試験は,EIDSを含有した物品が,危険区分1.6に指定してもよい

かどうかを判定するために行う。これらの試験は,物品が運搬などの取扱いをするときの条件及び形態で

行われる。 

6. EIDSの試験 

6.1 

EIDSの試験方法 

6.1.1 

タイプ7(a) : EIDS雷管試験 

6.1.1.1 

要旨 激しい機械的衝撃に対する感度を評価するために,試料に雷管による衝撃を与えて,爆ご

うの有無を証拠板に残るこん跡で調べる。 

6.1.1.2 

装置及び材料 装置及び材料は,次のとおりとする。 

a) EIDS雷管試験装置 EIDS雷管試験装置は,使用する証拠板の材質に鋼と鉛の2種類があり,いずれ

かを用いる(図1及び図2参照)。 

b) 試料容器(紙筒) 試料容器は,鋼製の証拠板の場合は,最小径80mm,長さ160mm,厚さ最大1.5mm

の,また鉛製証拠円柱の場合は,直径86mm,長さ126mmの,スパイラル巻きのボール紙筒で,底部

は試料を保持するために十分な強度をもつ膜で覆われたもの。 

c) 雷管 雷管は,標準雷管とし,JIS K 4800に規定する雷管,Standard detonator (European) 又はNo.8 

(USA) Detonatorを用いる。 

d) 証拠板 証拠板は,次のいずれかを用いる。 

1) 鋼製証拠板 鋼製証拠板は,160mm×160mm,厚さ1mmの鋼板。 

2) 鉛製証拠円柱 鉛製証拠円柱は,直径51mm,長さ102mmの鉛円柱。 

e) 鋼製リング 鋼製リングは,鋼製証拠板の場合に使用するもので,高さ50mm,内径100mm,厚さ3.5mm

のもの。 

f) 

鋼板 鋼板は,鉛製証拠円柱の場合に使用するもので,150mm×150mm,厚さ25mmのもの。 

6.1.1.3 

試料の調製 試料の調製は,次のとおりとする。 

a) 試料は3等分して,紙筒に充てんする。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

1) 試料が粒状物質の場合は,3分の1ずつ追加して充てんした後,紙筒を50mmの高さから垂直に落

下させて固める。 

2) 試料がゲル状物質の場合は,注意深く空げきを除くように詰める。 

備考 どの場合も,紙筒の中の試料の最終密度は,包装品の密度になるべく近づける。 

b) 試料が直径80mm以上のカートリッジに特別に高い密度で詰められている場合は,元のカートリッジ

をそのまま使用する。元のカートリッジが大きくて試験に不便があるときは,長さ160mm以上の部

分を切り取って使用する。 

備考 この場合の雷管の挿入面は,カートリッジの切断面と反対の面とする。 

c) 温度によって感度が影響される試料は,試験前に28℃〜30℃で最低30時間保温する。 

d) 高い周囲温度で運搬などの取扱いが行われる場合で,多孔質硝酸アンモニウムを含むものは,試験前

に25℃→40℃→25℃→40℃→25℃の温度サイクル試験を行う。 

6.1.1.4 

操作 操作は,次のとおりとする。 

a) 紙筒を,図1又は図2のとおりセットする。 

b) 雷管を試料の上部中央に,雷管長と等しい深さに挿入する。 

c) 安全な位置から雷管を起爆する。 

d) 証拠板を調査する。 

e) 明確な試験結果が得られなければ,試験は3回実施する。 

6.1.1.5 

評価 次のいずれかの結果を得た場合は,“+”と評価し,その他の場合は“−”と評価する。 

a) 鋼製証拠板が,裂けるか又は貫通(証拠板を通して光が見える。)する。 

備考 証拠板の膨れ,き裂又は折れ曲がりは雷管起爆性に含まない。 

b) 鉛製証拠円柱の中央が,最初の長さから3.2mm以上圧縮される。 

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図1 雷管感度試験装置(鋼製証拠板使用) 

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図2 雷管感度試験装置(鉛製証拠円柱使用) 

6.1.2 

タイプ7(b) : EIDSギャップ試験 

6.1.2.1 

要旨 衝撃感度を評価するため,規定の励爆薬及び密閉容器を用いてバリヤーを介して試料を起

爆させ,証拠板上に残る貫通孔を調べる。 

6.1.2.2 

装置及び材料 装置及び材料は,次のとおりとする。 

a) EIDSギャップ試験装置 EIDSギャップ試験装置は,励爆薬,バリヤー,試料を収納する容器及び鋼

製証拠板から構成される(図3参照)。 

b) 雷管 6.1.1.1c)による。 

c) 励爆薬 励爆薬は,直径95mm,長さ95mm,密度1 600kg/m3±50kg/m3に圧搾したペントライト50/50,

又はRDX/Wax95/5のペレットとする。 

d) 試料容器(鋼管) 鋼管は,継ぎ目なし冷間引抜き鋼管で外径95mm,厚さ11mm (±10%),長さ280mm

で,次の機械的性質をもつもの。 

(1) 

抗張力 (MPa)  

420  (±20%)  

(2) 

伸び (%)  

21  (±20%)  

(3) 

ブリネル硬度 

125  (±20%)  

e) バリヤ− バリヤーは,ポリメチルメタアクリレート (PMMA) 棒で,直径95mm,長さ70mmのも

の。 

f) 

証拠板 証拠板は,200mm×200mm,厚さ20mmの鋼板で,次の機械的性質をもつもの。 

(1) 

抗張力 (MPa)  

580  (±20%)  

(2) 

伸び (%)  

21  (±20%)  

(3) 

ブリネル硬度 

160  (±20%)  

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

g) ボール紙筒 ボール紙筒は,内径97mm,長さ443mmのもの。 

h) 木製ブロック 木製ブロックは,雷管を保持するために中央に孔を開けた直径95mm,厚さ25mmの

もの。 

i) 

スペーサー スペーサーは,鋼管の内径と同じ直径の孔があり,厚さが1.6 mmの適宜な材質のもの。 

6.1.2.3 

試料の調製 試料は,鋼管内にすき間なく入るように加工する。 

備考 試料と鋼管内壁の間のすき間は,できるだけ少なくすることが望ましい。 

6.1.2.4 

操作 操作は,次のとおりとする。 

a) 図3に示すように,雷管,励爆薬,バリヤ−及び試料を証拠板の中心の上方に同軸状に配置する。 

b) スペーサーを試料と証拠板の間に挿入して,試料下面と証拠板の間げきを1.6mmに保つ。 

備考1. 雷管と励爆薬,励爆薬とバリヤ−及びバリヤ−と試料との間が,よく接触するように注意す

る。 

2. 試験の期間中は,試料と励爆薬の温度を周囲温度とする。 

3. 証拠板の残留物の回収を容易にするために,装置全体を水の入った容器の上方に置く。水面

と証拠板の底面との間には証拠板の破裂を妨げないように少なくとも100mmの空気の層を

設けるなど,証拠板の下に十分な自由空間を設けることが重要である。 

c) 爆ごうが起こらなければ,試験は3回行う。 

6.1.2.5 

評価 証拠板を打ち抜いてできたきれいな孔は,試料が爆ごうした証拠であり,1回でも爆ごう

した場合,試験結果は“+”と評価し,その他の場合は“−”と評価する。 

図3 EIDSギャップ試験装置 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.1.3 

タイプ7(c) : EIDSぜい弱性試験 

6.1.3.1 

要旨 衝撃の影響下における劣化に対する爆発性物質の感度を評価するため,試料を規定の速度

で鋼板に衝突させた後に回収して,圧力−時間曲線を求める。 

6.1.3.2 

装置及び材料 装置及び材料は,次のとおりとする。 

a) 発射器 発射器は,直径18mmの円筒状の試料を,速度150m/sで発射できるもの。 

b) 点火カプセル 点火カプセルは,平均粒子径0.75mmの黒色火薬(1)0.5gと点火ワイヤをもつもの。 

注(1) 成分は,質量で硝酸カリウム74%,硫黄10.5%及び木炭15.5%であり,水分は1%以下でなければ

ならない。 

c) ステンレス鋼板 ステンレス鋼板は,JIS G 4304のSUS420J2で,厚さが20mmのもの。 

d) 密閉ボンブ試験器 密閉ボンブ試験器は,20℃で容量108cm3±0.5cm3のもの。 

e) 破片回収箱 破片回収箱は,ステンレス鋼板に衝突して飛散する試料を収集できる機能をもつもの。 

6.1.3.3 

試料の調製 試料の調製は,次のとおりとする。 

a) 試料は,物質を直径18mm±0.1mmの円柱状にしたもので,長さは質量が9±0.1gになるように調製

する。 

b) 試料の温度は,20℃に保つ。 

6.1.3.4 

操作 操作は,次のとおりとする。 

a) 試料を,できるだけ150m/sの近くの衝突速度となるのに十分な初速で,ステンレス鋼板に向けて発射

する。 

b) ステンレス鋼板に衝突して飛散した試料を,破片回収箱から回収する。 

備考 回収する試料は,8.8g以上あればよい。 

c) 回収した試料を用いて,密閉ボンブ試験を実施し,圧力−時間曲線p=f(t)を記録する。 

d) 試験は3回行う。 

6.1.3.5 

評価 評価は,次のとおりとする。 

a) 記録した圧力時間曲線から, (dp/dt) =f'(t) の関係を求め,この曲線から (dp/dt)maxの最高値を読み取

る。 

b) この最高値によって,衝突速度150m/sにおける (dp/dt)maxの値を推定する。 

c) (dp/dt)maxの最高値の平均が,15MPa/msを超える場合,試験結果は“+”と評価し,15MPa/ms以下の

場合,試験結果は“−”と評価する。 

6.1.4 

タイプ7(d) : EIDS銃撃試験 

6.1.4.1 

要旨 与えられたエネルギー源による衝撃又は貫通に対する爆発性物質の反応性を評価するた

め,試料を充てんした鋼管を弾丸で銃撃して,鋼管の破壊状況を調べる。 

6.1.4.2 

装置及び材料 装置及び材料は,次のとおりとする。 

a) 試料容器(鋼管) 鋼管は,長さ200mm,内径45mm (±10%) ,厚さ4mm (±10%) ,の継ぎ目なし

のもので,両端は鋼又は鋳鉄製のふたが204Nmのトルクで閉じられるもの。 

b) 小火器 小火器は,口径12.7mmで,弾丸を840m/s±40m/sの初速で発射できるもの。 

c) 弾丸 弾丸は,質量0.046kgの標準の徹甲弾丸。 

6.1.4.3 

試料の調製 試料の調製は,次のとおりとする。 

a) 試料を鋼管にすき間なく充てんし,204Nmのトルクでふたをする。 

b) 鋼管に試料を充てんしふたをしたものを,最小6個準備する。 

6.1.4.4 

操作 操作は,次のとおりとする。 

K 4828-3 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) 試料を銃口から適宜の距離に設置した台座に,弾丸が命中したときに試料の移動を阻止できる能力の

ある固定装置を用いて固定する。 

b) 各試料に1発の弾丸を発射する。 

c) 試料の位置は,弾丸の飛しょう方向に対して次のとおりとする。 

(1) 試料の長軸が直角になる(衝撃を側面に与える。)。 

(2) 試料の長軸が平行になる(衝撃を端のふたから与える。)。 

d) 各位置で弾丸を少なくとも3回発射する。 

e) 試料を回収して,鋼管の破壊の状況を調べる。 

6.1.4.5 

評価 鋼管が完全に破壊している場合は,爆発又は爆ごうがあったことを示し,試験結果を“+”

と評価し,その他の場合は“−”と評価する。 

6.1.5 

タイプ7(e) : EIDS外部火災試験 

6.1.5.1 

要旨 外部火災に対する密閉時の物質の反応性を評価するために,試料を火炎に包まれるような

環境に置いて,爆発の有無を観測する。 

6.1.5.2 

装置及び材料 装置及び材料は,次のとおりとする。 

a) 試料容器(鋼管) 6.1.4.2a)による。 

b) 金属製格子 金属製格子は試料を支持し,かつ適切に加熱できるものとする。 

1) 木材燃料を用いる場合の金属製格子の高さは地上1.0mとする。 

2) 液体炭化水素燃料皿を用いる場合の金属製格子の高さは地上0.5mとする。 

備考 金属製格子上の試料を固定するために,ひも又はワイヤを使用してもよい。 

c) 燃料 燃料は,30分間以上又は試料が火災に対して明白に反応するのに十分な時間燃焼を継続する量

の木材,液体炭化水素燃料又はプロパンガスとする。 

備考 木材と液体炭化水素燃料の組合せを使用してもよい。 

1) 木材は空気乾燥した木材片(断面約50mm×50mm)とする。 

2) 液体炭化水素燃料は適宜なものとし,試料の占める面積より大きい液体炭化水素燃料皿を使用する。 

備考 皿は試料の占める面積より,すべての方向に1m以上広がりのある大きさとする。 

3) プロパンガスは,調圧器を備えた工業用ボンベから供給する。 

d) 点火装置 点火装置は,二方向以上から燃料に点火できるものとする。 

備考 木材燃料の場合,灯油を浸した木材及び木毛付きの点火用火工品とする。 

e) 証拠スクリ−ン 証拠スクリーンは,垂直に保持するための適切な支持装置を備えたアルミニウム板

で,2 000mm×2 000mm,厚さ2mmのもの3枚とする。 

f) 

カメラ カメラは,カラーで記録できる映画用又はビデオ用とする。 

備考 爆風圧測定装置,放射熱測定装置及びこれらの記録装置を用いることがある。 

6.1.5.3 

試料の調製 試料の調製は,次のとおりとする。 

a) 試料は,通常の方法で製造された物質を鋼管にすき間なく入れ,両端を鋼又は鋳鉄製のふたを204Nm

のトルクで閉じたものとする。 

b) 試料を充てんし,規定のふたをした鋼管を15個作成する。 

6.1.5.4 

操作 操作は,次のとおりとする。 

a) 金属製格子上に,次のいずれかによって試料を置く。 

1) 試料3個の上に2個を乗せて結んだものを,三つ接して積み重ねる。 

2) 試料5個を水平に並べて結んだものを置く。 

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b) 燃料を,試料が火炎に包まれるように金属製格子の下に次のように配置する。 

1) 燃料が木材の場合,火炎が試料を包むように配置する。 

備考1. 適切な方法として,木材を井げた状(木材の間隔は約100mmがよい。)に金属製格子下

面まで積み上げる方法がある。 

2. 積み上げる木材の占める広さは,試料の占める広さよりすべての方向に1m以上の広が

りのあること。 

2) 燃料が液体炭化水素燃料の場合,金属製格子の下に液体炭化水素燃料皿を配置する。 

備考 液体燃料を使用する場合,試料と燃料との間に消火作用又は相互に反作用が起こると試験

結果に影響する。 

3) 燃料がプロパンガスの場合,火炎が適切に試料を包むように,バーナーの高さを調整する。 

c) 証拠スクリーンは,次のように設置する。 

1) 証拠スクリーンを,試料の端からそれぞれ4mの距離の四分円の中の三方向に垂直に立てる。風下

の方にはスクリーンを立てないようにする。 

2) 証拠スクリーンの中心が,試料の中心の高さと同じになるように配置し,試料の中心の高さが1.0m

未満の場合には証拠スクリーンを地上に接して配置する。 

3) 試験前の証拠スクリーンにあるすべての孔やへこみは,試験中にできた孔やへこみと明確に区別で

きるようにマークする。 

d) 燃料には,二方向から同時に点火する。 

備考1. 風速6m/sを超えるときは,試験を行わない。 

2. 消火後,十分な安全待機時間をおく。 

e) 燃料が消火した後,次の事項を観察する。 

1) 試料の状況 

2) 漏斗孔の有無 

3) 鋼管の破片のサイズ及び飛しょうの位置 

f) 

試験実施の回数は,次のとおりとする。 

1) 6.1.5.4a)1)の場合,1回 

2) 6.1.5.4a)2)の場合,3回 

備考 使用した木材やその他の燃料が使い果たされたときに試料の燃え残りがある場合は,より

多量の燃料,火炎の強さ及び/又は持続時間を増加して,再度試験する。 

6.1.5.5 

評価 試験結果が次の場合は,“+”と評価し,その他の場合は“−”と評価する。 

a) 爆ごう 

b) 鋼管の破片が,15mを超える範囲に飛しょう 

6.1.6 

タイプ7(f) : EIDS低速クックオフ試験 

6.1.6.1 

要旨 温度が365℃まで徐々に上昇する環境下での爆発性物質の反応性を評価するために,試料

を加熱炉内で規定の条件で加熱して,反応の状況を調べる。 

6.1.6.2 

装置及び材料 装置及び材料は,次のとおりとする。 

a) 試料容器(鋼管) 6.1.4.2a)による。 

b) 加熱炉 加熱炉は,炉内温度を40℃〜365℃の範囲で調節でき,この範囲で炉内温度を1時間に3.3℃

の速度で上昇でき,循環又は他の方法で試料の温度を均一な熱ふん囲気の中に保つことができるもの。 

c) 温度記録装置 温度記録装置は,10分間又はそれ以下の間隔で温度を記録し,試験温度範囲内で±2%

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の精度をもつもの。 

備考 連続記録のほうが望ましい。 

6.1.6.3 

試料の調製 試料の調製は,次のとおりとする。 

a) 試料は,通常の方法で製造された爆発性物質とする。 

b) 試料を鋼管にすき間なく充てんし,204Nmのトルクでふたをする。 

6.1.6.4 

操作 操作は,次のとおりとする。 

a) 試料を加熱炉内に入れ,炉内温度を1時間に3.3℃の速度で反応が起こるまで加熱する。 

備考 試験は,反応が予想される温度より55℃低い温度に調整した試料で開始することができる。 

b) 温度の記録は,次のとおりとする。 

1) 加熱炉内の空気 

2) 鋼管の表面 

3) 試料の温度が炉の温度を超えたときの温度 

c) 反応した場合は,鋼管又は鋼管の破片を回収する。 

備考1. 試験の前後に,試料と試験装置状況を記録するため,カラー写真を写してもよい。 

2. 漏斗孔並びに破片のサイズ及びその位置を,反応の程度を示すものとして記録してもよい。 

d) 明確な試験結果が得られなければ,試験を3回行う。 

6.1.6.5 

評価 試験結果が,次のいずれかの場合は“+”と評価し,その他の場合は“−”と評価する。 

a) 爆ごう 

b) 激しい反応(ふたが破壊して1個又は2個の破片に,及び鋼管が3個を超える破片となったとき) 

6.2 

EIDSの判定 タイプ7(a)〜7(f)の六つの試験のすべての結果が“−”と評価されたものは,EIDSと

判定し,いずれかの結果が“+”と評価されたものは,EIDSではないと判定する。 

7. 危険区分1.6の試験 

7.1 

危険区分1.6の試験方法 

7.1.1 

タイプ7(g) : 危険区分1.6物品の外部火災試験 

7.1.1.1 

要旨 運搬などの取扱い時の条件における危険区分1.6の候補と考えられる物品の外部火災に対

する反応性を評価するため,候補と考えられる試料を火炎に包まれるような環境に置いて,爆発の有無を

観測する。 

7.1.1.2 

装置及び材料 装置及び材料は,次のとおりとする。 

a) 金属製格子 6.1.5.2b)による。 

b) 燃料 6.1.5.2c)による。 

c) 点火装置 6.1.5.2d)による。 

d) 証拠スクリ−ン 6.1.5.2e)による。 

e) カメラ 6.1.5.2f)による。 

備考 6.1.5.2の備考と同じ。 

7.1.1.3 

試料の調製 試料の調製は,次のとおりとする。 

a) 試料は,運搬などの取扱い時の状態及び形状のものとする。 

b) 試料の数量は,次による。 

1) 体積が0.05m3未満の場合は,全体積が0.15m3以上になる数量とする。 

2) 体積が0.05m3以上の場合は,3個とする。 

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3) 体積が0.15m3以上の場合は,1個とする。 

7.1.1.4 

操作 操作は,次のとおりとする。 

a) 試料の必要数量を金属製格子上にできるだけ密着して置く。 

b) 燃料を,試料が火炎に包まれるように金属製格子の下に次のように配置する。 

1) 6.1.5.4b)1)による。 

2) 6.1.5.4b)2)による。 

3) 6.1.5.4b)3)による。 

c) 証拠スクリーンは,次のように設置する。 

1) 6.1.5.4c)1)による。 

2) 6.1.5.4c)2)による。 

3) 6.1.5.4c)3)による。 

d) 燃料は,二方向から同時に点火する。 

備考1. 風速6m/sを超えるときは,試験を行わない。 

2. 消火後,十分な安全待機時間をおく。 

e) 燃料が消火した後,次の事項を観察する。 

1) 爆発 

2) 危険性のある飛散物 

3) 熱効果 

f) 

試験は通常1回行う。 

備考 使用した木材その他の燃料が使い果たされたときに燃え残り物の中か,又は火炎の近くに多量

の未燃焼の爆発性物質が残っている場合は,より多量の燃料又は火炎の強さ及び/又は持続時

間を増加して,再度試験する。また,試験の結果からは危険区分の判定ができない場合には,

更に試験をする。 

7.1.1.5 

評価 燃焼より激しい反応があれば,試験結果は“+”と評価し,その他の場合は“−”と評価

する。 

7.1.2 

タイプ7(h) : 危険区分1.6物品の低速クックオフ試験 

7.1.2.1 

要旨 温度が365℃まで徐々に上昇する環境下での危険区分1.6候補物品の反応性を評価するた

めに,試料を加熱炉内で規定の条件で加熱して,反応の状況を調べる。 

7.1.2.2 

装置及び材料 装置及び材料は,次のとおりとする。 

a) 加熱炉 加熱炉は,炉内温度を40℃〜365℃の範囲で調節でき,この範囲内で炉内温度を1時間に3.3℃

の速度で上昇でき,ホットスポットを最小にし,循環又は他の方法で試料の温度を均一な熱雰囲気の

中に保つことができるもの。 

備考 加熱試験によって発生する空気圧の上昇に対して安全弁を装備する。 

b) 温度記録装置 6.1.6.2c)による。 

7.1.2.3 

試料の調製 試料は,通常の運搬などの取扱い状態の包装品又は無包装物品とする。 

7.1.2.4 

操作 操作は,次のとおりとする。 

a) 試料を加熱炉内に設置し,空気温度を1時間に3.3℃の速度で反応が起こるまで加熱する。 

備考 試験は,反応が予想される温度より55℃低い温度に調整した試料で開始してもよい。 

b) 記録は,次のとおりとする。 

1) 加熱炉内の空気温度及び経過時間 

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K 4828-3 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2) 物品の表面温度 

3) 試料の温度が炉の温度を超えたときの温度 

c) 次の観察を行う。 

1) 試験前後の試料と試験装置の状況を記録するため,カラー静止写真の撮影 

2) 漏斗孔 

3) 破片のサイズ 

d) 明確な試験結果が得られなければ,試験は2回行う。 

7.1.2.5 

評価 燃焼より激しい反応が起こった場合は,試験結果を“+”と評価し,その他の場合は“−”

と評価する。 

7.1.3 

タイプ7(j) : 危険区分1.6物品の銃撃試験 

7.1.3.1 

要旨 衝撃又は貫通によって与えられたエネルギー源に対する物品の反応性を評価するため,試

料を弾丸で銃撃して,物品がどのように反応するかを観察する。 

7.1.3.2 

装置及び材料 装置及び材料は,次のとおりとする。 

a) 小火器 小火器は,口径12.7mmとし,弾丸を840m/s±40m/sの初速で発射でき,発射速度は600発

/分の機能をもつもの。 

備考 小火器は,遠隔操作で厚い鋼板の孔を通して発射することによって,破片の被害を防ぐことが

できる。 

b) 弾丸 6.1.4.2c)による。 

7.1.3.3 

試料の調製 試料は,EIDSを含有する物品とする。 

7.1.3.4 

操作 操作は,次のとおりとする。 

a) 試料内部の薬量に応じて,銃口から3m〜20mの範囲に試料を置く。 

備考 弾丸が命中したときに,試料の移動を阻止できる能力のある固定装置を用いて固定してもよい。 

b) 試料に対して,一方向当たり3発連射する。 

c) 連射は,試料に対して異なった三方向から行う。 

備考 衝撃を与える弾丸が最も鋭敏な物質を貫通するような打撃点が適当である。 

d) 次の観察を行う。 

(1) 試料の状況の写真又は目視 

(2) 爆ごうした場合,飛しょうした物品の破片の状況 

7.1.3.5 

評価 三方向からのいずれかの連射で爆ごうした場合,試験結果は“+”と評価し,無反応,燃

焼又は爆燃した場合,試験結果は“−”と評価する。 

7.1.4 

タイプ7(k) : 危険区分1.6物品の積み重ね試験 

7.1.4.1 

要旨 運搬などの取扱い時の条件において危険区分1.6候補物品が隣接した場合,隣接物品を爆

ごうさせるかどうかを判定するために,証拠板上に積み重ねた候補物品の包装品又は無包装物品(以下,

“積み重ね”という。)の中央部で起爆又は点火を起こさせ爆発の状況を調べる。 

7.1.4.2 

装置及び材料 装置及び材料は,次のとおりとする。 

a) 起爆用雷管,起爆装置及び点火装置 起爆用雷管,起爆装置及び点火装置は,次による。 

1) 物品自体に起爆又は点火装置をもつ場合は,積み重ねの中央付近の包装品などの中心付近の一つの

物品の起爆又は点火装置を用いる。 

備考 これができない場合は,その物品自体の起爆又は点火装置の要求された効果を有する他の

起爆又は点火装置に置き換える。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2) 物品自体に起爆又は点火装置をもたない場合は,次のとおりとする。 

2.1) 

積み重ねの中央付近の包装品又は無包装物品の中心付近の一つの物品に起爆又は点火させる。 

2.2) 

積み重ねの中央付近の包装された物品の,中央付近の一つの物品の機能を,同じ機能を発揮する別

の物に置き換える。 

備考 非常に少量の隔離区分Aのみの物質を含む物品の場合は,多数のその物質又は相当品を瞬

時に起爆させるために,起爆薬は0.2g以上を用いる。 

b) 証拠板 証拠板は,厚さ3mmの鋼板とする。 

備考 爆風圧測定装置を用いてもよい。 

7.1.4.3 

試料の調製 試料の調製は,次のとおりとする。 

a) 試料は,包装品又は無包装品と同じ形態及び形状とする。 

b) 試料の積み重ね方法 試料の積み重ね方法は,運搬などの取扱い時の条件及び形状を適用する。 

c) 試料の数量 試料の数量は,次のいずれかによる。 

1) 全体積が0.15m3となる数量とする。 

2) 1個の包装品又は無包装物品の体積が0.15m3を超える場合は,包装内の個々の内容物間に最も大き

な相互作用があると考えられる位置に,少なくとも1個以上の受爆物品を置いて試験を行い,この

位置が不明の場合は,更に受爆物品を増加する。 

7.1.4.4 

操作 操作は,次のとおりとする。 

a) 試料を地上に設置した証拠板の上に積み重ねる。 

b) 包装品又は無包装品の中央部付近を起爆又は点火をして,次の事項を観察する。 

1) 熱効果 

2) 飛しょう効果 

3) 爆ごう 

4) 爆燃 

5) 積み重ねの全内容物の爆発の証拠 

備考 起爆後,十分な安全待機時間をおく。 

d) 爆ごうが励爆薬から受爆薬に伝ぱしなければ,試験は3回実施する。 

7.1.4.5 

評価 評価は,次による。 

a) 積み重ね品の中で,爆ごうが励爆薬から受爆薬に伝ぱした場合,試験結果は“+”と評価する。 

備考1. 破片のデータ(受爆物品の破片の大きさ及び数),証拠板の損傷及び漏斗孔によって判断する。 

2. 爆風のデータを評価の補助に用いることができる。 

b) 受爆内容物の応答が,無反応,燃焼又は爆燃と確認された場合,試験結果は“−”と評価する。 

7.2 

危険区分1.6の判定 タイプg, h, j及びkの四つの試験のすべての結果が,“−”と評価されたもの

は危険区分1.6と判定し,いずれかの結果が“+”と評価されたものは,危険区分1.6以外と判定する。 

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K 4828-3 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS K 4828-3原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

長 田 英 世 

九州工業大学名誉教授 

田 村 昌 三 

東京大学 

服 部 和 良 

通商産業省環境立地局保安課 

西 出 徹 雄 

通商産業省基礎産業局化学課 

大 嶋 清 治 

工業技術院標準部材料規格課 

藤 森 泰 明 

運輸省鉄道局技術企画課 

高 橋 美佐男 

警察庁生活安全局銃器対策課 

西   正 典 

防衛庁装備局艦船武器課 

飯 田 光 明 

工業技術院物質工学工業技術研究所 

鶴 田 利 行 

財団法人日本規格協会規格調整委員会 

小 松 洋 児 

日本通運株式会社 

宮 澤 幸 成 

日本貨物鉄道株式会社 

八十川 欣 勇 

社団法人日本海事検定協会 

阿 部   要 

社団法人日本包装技術協会 

五 味 加 吉 

社団法人日本猟用資材工業会 

坂 上   威 

日本火薬工業会 

二 股 英 雄 

社団法人日本煙火協会 

(事務局) 

児 島 寿 夫 

社団法人全国火薬類保安協会 

岡 林 忠 志 

社団法人全国火薬類保安協会